JP2017171785A - 樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機揮発物質の除去効率が高く、装置への付着が少ない有機揮発物質除去装置を用いた樹脂粒子製造方法の提供。
【解決手段】樹脂粒子分散液から有機揮発物質を除去する工程は、揮発物質除去容器2及び該容器と連結した外部循環経路3を有する有機揮発物質除去装置1に行われ、該循環経路には、エジェクター4が設けられ、ケーシングと、その内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、その内部に吹き込まれた該気体の作用によって、その内部に該容器から排出された液体を吸入する吸入口と、該液体及び該気体をケーシングから該循環経路に排出する排出ノズルと、を有し、該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときのD2/D1が2.5〜20.0でかつ、該液体の熱伝導率が0.0357〜0.0705W/(m・K)である樹脂粒子の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂粒子分散液から有機揮発物質を除去する工程は、揮発物質除去容器2及び該容器と連結した外部循環経路3を有する有機揮発物質除去装置1に行われ、該循環経路には、エジェクター4が設けられ、ケーシングと、その内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、その内部に吹き込まれた該気体の作用によって、その内部に該容器から排出された液体を吸入する吸入口と、該液体及び該気体をケーシングから該循環経路に排出する排出ノズルと、を有し、該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときのD2/D1が2.5〜20.0でかつ、該液体の熱伝導率が0.0357〜0.0705W/(m・K)である樹脂粒子の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は樹脂粒子及びトナー粒子に含まれる有機揮発成分を除去する樹脂粒子の製造方法およびトナー粒子の製造方法に関する。
近年、種々の環境基準によって、化学製品中の有機揮発物質量に基準値が設けられている。このような環境基準に準ずるために、化学製品中の有機揮発物質の除去に関する提案が盛んにおこなわれている。
特許文献1で、有機揮発物質を含む処理液を、蒸発容器が組み込まれた循環系に循環させ、循環経路内に水蒸気を導入し、処理液を分散吐出して蒸留する有機揮発物質の除去方法が提示されている。特許文献2には、蒸発容器から抜き出した処理液を循環経路内に設けた加熱装置によって加熱し、加熱した処理液を蒸発容器に戻す、有機揮発物質除去方法が提示されている。
これらの方法は、有機揮発物質の除去は行えるものの、処理液に加える熱量が限られるため処理時間が長くなる、除去出来る有機揮発物質に限りがあるなど、その効果は限定的であった。また、処理液を循環させるポンプや加熱装置に樹脂粒子が付着してしまい、揮発物質の除去効率を低下さたり、付着の除去のために装置を停止させなくてはならない等、生産性を低下させてしまうという問題があった。
重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式によるトナー粒子の製造方法においても、有機揮発物質の除去に関する提案が盛んにおこなわれている。重合性単量体及び副生成物の如き有機揮発成分がトナー粒子に多く存在すると、トナーの流動性が低下して作業環境を悪化させたり、不快な臭気を発生させる場合がある。また、有機揮発成分を多く含むトナー粒子を有するトナーを使用すると、感光体として有機半導体を使用した場合には、感光体へのトナー融着現象が発生しやすく、メモリーゴーストや画像のボケと言った感光体の劣化現象を伴う問題点を誘発することもある。特に近年、環境に対する関心も高まっており、加熱加圧定着器で発生するトナー粒子由来の揮発成分を減少させることが要求されている。
特許文献3には、蒸発容器および外部循環経路を減圧し、蒸発容器から外部循環経路へトナー粒子の分散液を抜き出し、外部熱交換器にて加熱し蒸発容器に戻すことで有機揮発物質の除去を行う方法が開示されている。この手法によって、トナー粒子中の有機揮発物質を低減することは可能であるが、与えられる熱量が小さいため効果は限定的で、昨今の有機揮発物質除去の要求には十分に対応することが困難である。また、処理液を循環させるポンプや加熱装置にトナー粒子が付着してしまい、有機揮発物質の除去効率を低下さたり、付着の除去のために装置を停止させなくてはならない等、生産性を低下させてしまう場合もある。
特許文献4には、蒸発容器の中のトナー粒子の分散液を抜き出して外部循環経路に送り、100℃以上の飽和水蒸気を外部循環経路に吹き込むことで、有機揮発物質の除去を行うトナー粒子の製造方法が開示されている。この方法では、従来の手法に比べ有機揮発物質の除去効率は著しく向上するものの、昨今の有機揮発物質除去の要求には十分に対応することが困難である。加えて、処理液の循環にポンプを使用するため、ポンプへのトナー粒子の付着という課題は残存している。
化学製品からの有機揮発物質の除去とは異なるが、洗浄液の蒸留方法として、特許文献5がある。特許文献5では、洗浄液を蒸留再生させる手法として、蒸発容器の中の洗浄液を外部循環経路に送り、外部循環経路に組み込んだエジェクターを通過させる方法が開示されている。この方法では、エジェクターに気体を引き込み加圧状態とした後、加圧状態の洗浄液を蒸発容器に戻すことで圧力を開放し、この圧力変化を利用て洗浄液中の有機揮発物質を蒸発させ蒸留を行っている。
この手法は、液中の有機揮発物質を蒸発させることは出来るが、化学製品中の有機揮発物質を除去する場合では効果が限定的である。また、外部循環経路への洗浄液の送液にはポンプを使用することからポンプへの付着という課題は有している。
詰まりの発生するポンプに代わり、液を循環させる方法として、機械的な動作部の無いエジェクターの利用などが考えられる。ただしエジェクターは形状により性能が決定し、製作後形状を変更することも出来ないので、処理液に合わせ適切な形状設計を行う必要がある。
エジェクターを利用した装置として特許文献6がある。特許文献6では火力あるいは原子力発電プラント等に適用される脱気器としてエジェクターを利用している。エジェクターの閉鎖端を貫通して設けられた蒸気入口管、同蒸気入口管から蒸気を導入し前記混合管の開放端方向へ蒸気を超音速で噴出することのできる蒸気ノズル、混合管の開放端にその一端が接続されている出口ノズル、及び同出口ノズルの他端に接続され上部にイナートベントを下部に給水出口を備えたサイクロン式気水分離器からなることを特徴している。蒸気ノズル、出口ノズルの径を管内流速から決定し、蒸気ノズル、出口ノズルの面間を実験式から求めている。蒸気ノズル、出口ノズル間の面間を計算し、計算値通りのエジェクターを制作することでエジェクター内での液の流れを整流することができる。しかしこのエジェクターの設計値は水溶液中に含まれている気体を取り除く脱気器として設計値であり、このままトナー粒子の製造方法に適用することは難しい。
エジェクターの設計方法として非特許文献1がある。非特許文献1では水を駆動源とする水噴射エジェクターについて加圧係数,駆動係数,エジェクター係数を使用することにより,設計条件にもっとも適した,エジェクター各部の面積比,揚水と駆動水の流量比,設計したエジェクターで得られる最大効率などを示している。これらの文献情報でもエジェクター設計の参考にはなるものの、あくまでポンプとして働く水噴射エジェクターの設計方法であり、トナー粒子中の有機揮発物質除去用途エジェクターとして直接適用することは難しい。
特許文献1で、有機揮発物質を含む処理液を、蒸発容器が組み込まれた循環系に循環させ、循環経路内に水蒸気を導入し、処理液を分散吐出して蒸留する有機揮発物質の除去方法が提示されている。特許文献2には、蒸発容器から抜き出した処理液を循環経路内に設けた加熱装置によって加熱し、加熱した処理液を蒸発容器に戻す、有機揮発物質除去方法が提示されている。
これらの方法は、有機揮発物質の除去は行えるものの、処理液に加える熱量が限られるため処理時間が長くなる、除去出来る有機揮発物質に限りがあるなど、その効果は限定的であった。また、処理液を循環させるポンプや加熱装置に樹脂粒子が付着してしまい、揮発物質の除去効率を低下さたり、付着の除去のために装置を停止させなくてはならない等、生産性を低下させてしまうという問題があった。
重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式によるトナー粒子の製造方法においても、有機揮発物質の除去に関する提案が盛んにおこなわれている。重合性単量体及び副生成物の如き有機揮発成分がトナー粒子に多く存在すると、トナーの流動性が低下して作業環境を悪化させたり、不快な臭気を発生させる場合がある。また、有機揮発成分を多く含むトナー粒子を有するトナーを使用すると、感光体として有機半導体を使用した場合には、感光体へのトナー融着現象が発生しやすく、メモリーゴーストや画像のボケと言った感光体の劣化現象を伴う問題点を誘発することもある。特に近年、環境に対する関心も高まっており、加熱加圧定着器で発生するトナー粒子由来の揮発成分を減少させることが要求されている。
特許文献3には、蒸発容器および外部循環経路を減圧し、蒸発容器から外部循環経路へトナー粒子の分散液を抜き出し、外部熱交換器にて加熱し蒸発容器に戻すことで有機揮発物質の除去を行う方法が開示されている。この手法によって、トナー粒子中の有機揮発物質を低減することは可能であるが、与えられる熱量が小さいため効果は限定的で、昨今の有機揮発物質除去の要求には十分に対応することが困難である。また、処理液を循環させるポンプや加熱装置にトナー粒子が付着してしまい、有機揮発物質の除去効率を低下さたり、付着の除去のために装置を停止させなくてはならない等、生産性を低下させてしまう場合もある。
特許文献4には、蒸発容器の中のトナー粒子の分散液を抜き出して外部循環経路に送り、100℃以上の飽和水蒸気を外部循環経路に吹き込むことで、有機揮発物質の除去を行うトナー粒子の製造方法が開示されている。この方法では、従来の手法に比べ有機揮発物質の除去効率は著しく向上するものの、昨今の有機揮発物質除去の要求には十分に対応することが困難である。加えて、処理液の循環にポンプを使用するため、ポンプへのトナー粒子の付着という課題は残存している。
化学製品からの有機揮発物質の除去とは異なるが、洗浄液の蒸留方法として、特許文献5がある。特許文献5では、洗浄液を蒸留再生させる手法として、蒸発容器の中の洗浄液を外部循環経路に送り、外部循環経路に組み込んだエジェクターを通過させる方法が開示されている。この方法では、エジェクターに気体を引き込み加圧状態とした後、加圧状態の洗浄液を蒸発容器に戻すことで圧力を開放し、この圧力変化を利用て洗浄液中の有機揮発物質を蒸発させ蒸留を行っている。
この手法は、液中の有機揮発物質を蒸発させることは出来るが、化学製品中の有機揮発物質を除去する場合では効果が限定的である。また、外部循環経路への洗浄液の送液にはポンプを使用することからポンプへの付着という課題は有している。
詰まりの発生するポンプに代わり、液を循環させる方法として、機械的な動作部の無いエジェクターの利用などが考えられる。ただしエジェクターは形状により性能が決定し、製作後形状を変更することも出来ないので、処理液に合わせ適切な形状設計を行う必要がある。
エジェクターを利用した装置として特許文献6がある。特許文献6では火力あるいは原子力発電プラント等に適用される脱気器としてエジェクターを利用している。エジェクターの閉鎖端を貫通して設けられた蒸気入口管、同蒸気入口管から蒸気を導入し前記混合管の開放端方向へ蒸気を超音速で噴出することのできる蒸気ノズル、混合管の開放端にその一端が接続されている出口ノズル、及び同出口ノズルの他端に接続され上部にイナートベントを下部に給水出口を備えたサイクロン式気水分離器からなることを特徴している。蒸気ノズル、出口ノズルの径を管内流速から決定し、蒸気ノズル、出口ノズルの面間を実験式から求めている。蒸気ノズル、出口ノズル間の面間を計算し、計算値通りのエジェクターを制作することでエジェクター内での液の流れを整流することができる。しかしこのエジェクターの設計値は水溶液中に含まれている気体を取り除く脱気器として設計値であり、このままトナー粒子の製造方法に適用することは難しい。
エジェクターの設計方法として非特許文献1がある。非特許文献1では水を駆動源とする水噴射エジェクターについて加圧係数,駆動係数,エジェクター係数を使用することにより,設計条件にもっとも適した,エジェクター各部の面積比,揚水と駆動水の流量比,設計したエジェクターで得られる最大効率などを示している。これらの文献情報でもエジェクター設計の参考にはなるものの、あくまでポンプとして働く水噴射エジェクターの設計方法であり、トナー粒子中の有機揮発物質除去用途エジェクターとして直接適用することは難しい。
港湾技術研究所報告第6巻2号1967年01月
本発明は、上述の如き問題を解決した樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、有機揮発物質の除去効率が高く、装置への付着が少ない有機揮発物質除去装置を用いた樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、有機揮発物質の除去効率が高く、装置への付着が少ない有機揮発物質除去装置を用いた樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、有機揮発物質の除去および装置への処理物の付着の抑制に関して鋭意検討を行った結果、以下の樹脂粒子の製造方法、およびトナー粒子の製造方法を見出した。すなわち、本発明は、樹脂粒子分散液から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を含む樹脂粒子の製造方法において、
該有機揮発物質除去工程は、揮発物質除去容器および揮発物質除去容器と連結した外部循環経路を有する有機揮発物質除去装置にて行れ、
外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
エジェクターは、
(i)ケーシングと、
(ii)ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
(iii)ケーシングの内部に吹き込まれた気体の作用によって、ケーシング内部に蒸発容器から排出された液体を吸入する吸入口と、
(iv)液体及び気体をケーシングから外部循環経路に排出する排出ノズルと、
を有し、
該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2が2.5以上20.0以下でかつ、
該液体の熱伝導率が0.0357W/(m・K)以上0.0705W/(m・K)以下
であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、上記樹脂粒子分散液が着色剤を含有するトナー粒子の分散液であるトナー粒子の製造方法に関する。
該有機揮発物質除去工程は、揮発物質除去容器および揮発物質除去容器と連結した外部循環経路を有する有機揮発物質除去装置にて行れ、
外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
エジェクターは、
(i)ケーシングと、
(ii)ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
(iii)ケーシングの内部に吹き込まれた気体の作用によって、ケーシング内部に蒸発容器から排出された液体を吸入する吸入口と、
(iv)液体及び気体をケーシングから外部循環経路に排出する排出ノズルと、
を有し、
該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2が2.5以上20.0以下でかつ、
該液体の熱伝導率が0.0357W/(m・K)以上0.0705W/(m・K)以下
であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、上記樹脂粒子分散液が着色剤を含有するトナー粒子の分散液であるトナー粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、有機揮発物質の除去効率が高く、装置への付着が少ない樹脂粒子の製造方法、およびトナー粒子の製造方法を提供することが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、各種化学製品の原材料として使用される樹脂粒子から有機揮発物質を削減する目的で適用される。特に、トナー粒子に含まれるの有機揮発物質を削減する目的で好適に用いることができる。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について、工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、樹脂粒子分散液であるトナー粒子の分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、樹脂粒子分散液であるトナー粒子の分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根は重合性単量体組成物分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(有機揮発成分除去工程)
重合工程で得られたトナー粒子の分散液中にある未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去することができる。有機揮発成分除去工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
重合工程で得られたトナー粒子の分散液中にある未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去することができる。有機揮発成分除去工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
有機揮発物質除去工程に用いる有機揮発物質除去装置としては、図1に示す除去装置を用いることができるが特に限定されない。有機揮発物質除去装置1は揮発物質除去容器としての蒸発容器2と外部循環経路3が具備される。蒸発容器には撹拌翼10が具備されていても良い。蒸発容器と連結した外部循環経路3には図2(a)に示すエジェクター4が設けられる。エジェクター4にはケーシング5とケーシング内部に気体を吹き込む、吹き込みノズル6と、蒸発容器から排出される液体(トナー粒子の分散液)を吸入する、吸入口9がある。
吹き込みノズル6の形状は特に限定されないが、吹き込みノズルの一部の断面積を小さくすることが好ましい。断面積を小さくすることで、気体の流速を上げベンチュリー効果を効果的に発生させることができる。断面積を小さくする部位は、ケーシング5の内側で、吹き込みノズルの先端に近いほうが好ましい。先端に近いことで、ベンチュリー効果を好適に作用させることができる。吹き込みノズルから吹き込まれた気体は、吹き込みノズルの出口付近で負圧状態となることで、吸入口9からトナー粒子の分散液はケーシング5内に吸入され気体と混合される。
こうして混合されたトナー粒子の分散液と気体は、混合状態で排出ノズル7より外部循環経路に排出される。排出ノズル7の形状は特に限定されないが、排出ノズルの断面積がケーシングの外側に向かって大きくすることが好ましい。排出ノズルの断面積が小さい状態から、ケーシングの外に向かって大きくすることで、吹き込まれた気体によるトナー粒子の分散液と気体の混合物を外部循環経路に循環させる効果を効率よく発生させることができる。吹き込みノズル6と排出ノズル7は、特に限定はされないが、対向した位置に設置されることが好ましい。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2(図2(b))としたときの断面積比(D2/D1)2が2.5以上20.0以下である。断面積比(D2/D1)2が2.5未満の場合には、吹き込みノズル6から吹き込む気体が排出ノズル7を塞いでしまい、ベンチュリー効果が作用しづらくなり、蒸発容器から排出されるトナー粒子の分散液の吸入が停止する。また断面積比(D2/D1)2が20より大きい場合には、吹き込みノズル6から吹き込む気体の断面積が排出ノズル7の断面積に対して小さすぎ、液へ与えられる一定の推進力が生じないため、液の循環が適性に行われず、循環流量が著しく低下する。
またトナー粒子の分散液の熱伝導率kは、水系媒体が気体となった時の熱伝導率をk1W/(m・K)、トナー粒子の熱伝導率をk2 W/(m・K)、水系媒体中でのトナー粒子の割合をα%とした時、下記式で表される。
k=(k1×(100−α)+k2×α)/100W/(m・K)
k=(k1×(100−α)+k2×α)/100W/(m・K)
トナー粒子の分散液の熱伝導率kは0.0357W/(m・K)以上0.0705W/(m・K)以下である。トナー粒子の分散液の熱伝導率が0.0357W/(m・K)未満の場合には、吹き込みノズルから吹き込む気体の熱がトナー粒子の分散液に伝熱されず、吹き込み気体の体積が増加し、吹き込み気体が排出ノズルを塞ぎ、ベンチュリー効果が作用しづらくなり、蒸発容器から排出されるトナー粒子の分散液の吸入が停止する。加えて水系媒体中のトナー粒子の濃度が極めて低く、単位時間当たりに有機揮発物質除去処理が出来るトナー粒子の量が極めて少なくなる。分散液の熱伝導率が0.0705W/(m・K)より大きい場合は、水系媒体中のトナー粒子の割合が極めて高く、トナー粒子が循環ライン内で付着、固着などを起こし、その都度清掃等が必要になり、長時間の運転が困難となる。
前述した好ましい形態を具備したエジェクター4内において、吹き込みノズル6から気体を吹き込むことで生じるベンチュリー効果によって、トナー粒子の分散液はエジェクターの内部に吸入され、排出ノズルより排出される。この時、トナー粒子の分散液と気体とがエジェクターの内部で混合されるため、トナー粒子の分散液と気体との気液界面が増える。これによって、トナー粒子の分散液中にある有機揮発物質が効率的に気体側へ移行され効率的に有機揮発成分の除去が行われるため好ましい。更には、図4に示すようなポンプによってトナー粒子分散液を外部循環経路に送液し、外部循環経路に設けた気体の吹き込み口13から気体を吹き込む従来の手法に比べ、より多くの気体を吹き込むことができ効率的に有機揮発物質の除去が行えるため好ましい。
図1における有機揮発物質除去装置のように、吹き込まれた気体の作用によって、トナー粒子の混合液は外部循環経路を通り、蒸発容器に戻ることが好ましい。ポンプやその他機械的動力によって循環させてしまうと、ポンプ等の循環装置にトナー粒子が付着し循環機能を低下させることがある。更には、付着物とトナー粒子との融着によって、トナー粒子の合一させてしまうことがある。
吹き込みノズル6に吹き込む気体としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、ラドンや、窒素、二酸化炭素、水蒸気、空気、オゾン、といった種々の気体を選定できる。気体としては単体で用いることもでき、2つ以上を任意の割合で組み合わせて使用することも可能である。気体の中でも、水蒸気を用いることがより好ましい。水蒸気は多くの気体の中でも低圧モル熱容量が大きいため、有機揮発物質の除去を効率的に行えるためより好ましい。また、トナー粒子の分散液と気体の混合物が外部循環経路にから蒸発容器に戻った後、速やかに気体を回収することが好ましい。気体の回収量が気体の吹き込み量を下回る場合、蒸発容器内の圧力が上がり、トナー粒子の分散液の循環が滞ることがある。気体が水蒸気の場合、種々の凝縮機により水蒸気を回収することが出来るため好ましい。また、トナー粒子の分散液の分散媒が水系分散媒体である場合、水蒸気を用いることで、分散媒に気体が溶け込むことによるpHの変化等の影響が殆どなく、トナー粒子への影響も少ないため好適に用いることができる。
蒸発容器内のトナー粒子の分散液の温度は、90℃以上100℃以下であることが好ましい。トナー粒子の分散液の温度が90℃以上100℃以下の場合、エジェクター内部での気体とトナー粒子の分散液との混合が好適に行われる。また、トナー粒子の分散液の循環も安定的に行われるため好ましい。
蒸発容器内のトナー粒子の分散液が90℃より小さい場合、有機揮発物質が揮発しにくく、トナー粒子の分散液から有機揮発物質を除去しにくくなるため好ましくない。更に、吹き込む気体の熱がトナー粒子の分散液に移行してしまうことで、気体の圧力および体積が小さくなりトナー粒子の分散液が循環しにくくなるばかりか、トナー粒子の分散液と気体との気液界面が低下するため、有機揮発物質の除去効率が低下する。
蒸発容器内のトナー粒子の分散液が100℃より大きい場合、トナー粒子の分散液の分散媒が吹き込む気体の熱を吸収することによって気化しやすくなる。トナー粒子の分散液がエジェクター内で気化すると、エジェクター内の圧力が大きくなり、ベンチュリー効果によるトナー粒子の分散液の吸入が起こりにくくなる。これによって、トナー粒子の分散液の循環が不安定になり、場合によっては循環が停止してしまうため好ましくない。
気体の温度は100℃以上160℃以下であることが好ましい。吹き込む気体の温度が100℃以上160℃以下である場合、トナー粒子分散液に気体が分散され外部循環経路に送液される。このため、有機揮発物質が気体側へ移行し有機揮発物質の除去効果を好適に発揮するため好ましい。
気体の温度が100℃より小さい場合、気体の持つ熱容量が小さくなり、有機揮発物質の除去効率を低下させるため好ましくない。
気体の温度が160℃より大きい場合、気体の持つ熱量によってトナー粒子の分散液の一部が気化し、エジェクター内部や、外部循環経路で圧力変動が大きくなり、トナー粒子の分散液の循環が不安定になるため好ましくない。また、場合によっては循環が出来なくなるため好ましくない。循環が安定していない状態で、160℃より大きい気体が吹き込まれると、局所的に熱が加わりトナー粒子どうしが合一したり、外部循環経路の一部にトナー粒子の融着が発生してしまう。合一したトナー粒子や付着物が、トナー中に混入すると、電子写真特性を悪化させるため好ましくない。
気体の圧力が0.1MPa以上0.6MPa以下であることが好ましい。
気体の圧力が0.1MPaより小さい場合、トナー粒子の分散液が外部循環経路を循環するのに必要な力を十分に得られない場合があるため好ましくない。また、トナー粒子の分散液と気体との混合も不十分となり、有機揮発物質の除去効率が低下する。
気体の圧力が0.6MPaより大きい場合、エジェクターから外部循環経路に液が排出されたときの圧力変動が大きくなり、外部循環経路内の気体の体積が著しく大きくなる。そのためトナー粒子の分散液の循環が不安定になるばかりか、圧力変動により装置の劣化が進む。更には、トナー粒子の合一も発生してしまうため好ましくない。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法によりトナー粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水でトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は公知の乾燥手段により乾燥される。
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法によりトナー粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水でトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
以下に、懸濁重合法によるトナー粒子の製造において用いられる各種材料について説明する。
(重合性単量体)
本発明に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
本発明に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート
、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に用いられる着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
本発明に用いられる着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、トナー中の分散性の点などの観点から選択される。
着色剤は、重合性単量体100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が通常用いられる。
<離型剤>
本発明に用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
本発明に用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックスなどが例示できる。ワックスは重合性単量体100質量部に対して1質量部以上40質量部以下、より好ましくは4質量部以上30質量部以下含有されるのがよい。
<荷電制御剤>
本発明に用いられる荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
本発明に用いられる荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
本発明に用いられる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度や分解副生物の性状等を総合的に考慮して選択される。該重合開始剤の添加量は、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下が用いられる。
<有機溶剤>
本発明で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
本発明で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができる。例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
本発明で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができる。例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
本発明で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法により得られたトナー粒子には、各種粉体特性を改良する目的で、外添剤を添加することができる。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
本発明の製造方法により得られたトナー粒子には、各種粉体特性を改良する目的で、外添剤を添加することができる。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下が用いられ、好ましくは0.05質量部以上5質量以下部が用いられる。これらの外添剤は単独で用いても、併用しても良い。また、これらの外添剤は疎水化処理されたものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明に用いられる磁性材料としては以下のものが挙げられる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明に用いられる磁性材料としては以下のものが挙げられる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は、重合性単量体100質量部に対して20質量部以上200質量部以下、好ましくは重合性単量体100質量部に対して40質量部以上150質量部以下がよい。
本発明に磁性材料を用いる場合には、トナー粒子中での磁性材料の分散性を向上させるために、磁性材料の表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
以下に、懸濁重合法により得られるトナー粒子の各種測定方法について説明する。
<アスペクト比の測定方法>
トナー粒子のアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
トナー粒子のアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし4.044μm以上100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上100.0μm未満に限定に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
Dv50とDn50との比(Dv50/Dn50)が1に近いほど粒度分布がシャープである。
<有機揮発成分の測定>
(1)測定に使用する資料は次の手順で調整した。約100mLのトナー粒子の分散液に塩酸を加えpH1.4以下とした処理液を、加圧濾過機に入れ濾過を行う。濾過後、加圧濾過機に200mLの水を加え再度濾過を行い洗浄した。洗浄作業を2回行った後、加圧濾過機の内部の圧力が0.2MPaとなるように設定し10分加圧しトナー粒子のケーキを得る。濾過後のトナー粒子のケーキを解砕し、常温で18時間乾燥させトナー粒子を得る。
(1)測定に使用する資料は次の手順で調整した。約100mLのトナー粒子の分散液に塩酸を加えpH1.4以下とした処理液を、加圧濾過機に入れ濾過を行う。濾過後、加圧濾過機に200mLの水を加え再度濾過を行い洗浄した。洗浄作業を2回行った後、加圧濾過機の内部の圧力が0.2MPaとなるように設定し10分加圧しトナー粒子のケーキを得る。濾過後のトナー粒子のケーキを解砕し、常温で18時間乾燥させトナー粒子を得る。
ヘッドスペース法によるトナーのトルエン換算の有機揮発成分量の定量は以下のようにして測定することができる。
ヘッドスペース用バイアル瓶(容積22mL)にトナー粒子300mgを精秤し、クリンパーを用いてクリンプキャップとフッ素樹脂コーティングされた専用セプタムでシールする。このバイアルをヘッドスペースサンプラーにセットし、下記条件でガスクロマトグラム(GC)分析を行なう。そして、得られたGCチャートのピークの総面積値をデータ処理により算出する。この際、トナー粒子を封入していない空のバイアルもブランクとして同時に測定し、ブランク測定における測定値についてはトナー測定データから差し引く。
一方、バイアルの中にトルエンのみを精秤したものを数点(例えば0.1μL、0.5μL、1.0μL)準備し、トナー粒子サンプルの測定を行なう前に下記分析条件にてそれぞれ測定を行なった後、トルエンの仕込み量とトルエン面積値から検量線を作成する。
トルエン換算の有機揮発成分量は、この検量線を元にトナーの有機揮発成分の面積値をトルエンの質量に換算し、更にトナー質量を基準とした量に換算することによって得られる。
<測定装置および測定条件>
ヘッドスペースサンプラー:HEWLETT PACKARD 7694
オーブン温度:150℃
サンプル加熱時間:60分
サンプル ループ(Ni):1mL
ループ温度:170℃
トランスファーライン温度:190℃
加圧時間:0.50分
LOOP FILL TIME:0.01分
LOOP EQ TIME:0.06分
INJECT TIME:1.00分
GCサイクル時間:80分
キャリアーガス:He
GC:HEWLETT PACKARD 6890GC(検出器:FID)
カラム:HP−1(内径0.25μm×30m)
オーブン:(1)35℃:20分ホールド、(2)20℃/分で300℃まで昇温20分ホールド
INJ:300℃、スプリットレス、コンスタントプレッシャー(20psi)モード
DET:320℃
ヘッドスペースサンプラー:HEWLETT PACKARD 7694
オーブン温度:150℃
サンプル加熱時間:60分
サンプル ループ(Ni):1mL
ループ温度:170℃
トランスファーライン温度:190℃
加圧時間:0.50分
LOOP FILL TIME:0.01分
LOOP EQ TIME:0.06分
INJECT TIME:1.00分
GCサイクル時間:80分
キャリアーガス:He
GC:HEWLETT PACKARD 6890GC(検出器:FID)
カラム:HP−1(内径0.25μm×30m)
オーブン:(1)35℃:20分ホールド、(2)20℃/分で300℃まで昇温20分ホールド
INJ:300℃、スプリットレス、コンスタントプレッシャー(20psi)モード
DET:320℃
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン23.0質量部に対して、C.I.ピグメントイエロー155を1.88質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.58質量部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業株式会社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
スチレン23.0質量部に対して、C.I.ピグメントイエロー155を1.88質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.58質量部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業株式会社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(着色剤含有組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.02質量部
・スチレン 15.34質量部
・n−ブチルアクリレート 9.59質量部
・ポリエステル樹脂 1.92質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.75質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.05質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)4.79質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.31質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.02質量部
・スチレン 15.34質量部
・n−ブチルアクリレート 9.59質量部
・ポリエステル樹脂 1.92質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.75質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.05質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)4.79質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.31質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.71質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.51質量部、10wt%塩酸1.13質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水10.20質量部に塩化カルシウム2水和物1.46質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
造粒タンクにイオン交換水129.71質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.51質量部、10wt%塩酸1.13質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水10.20質量部に塩化カルシウム2水和物1.46質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
(造粒工程)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速25m/sで20分間撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速25m/sで20分間撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。
(反応工程)
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子の分散液を得た。
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子の分散液を得た。
(有機揮発物質除去工程)
トナー粒子の分散液を図1に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液を図1に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
図2(b)に示す吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を10、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0612W/(m・K)とした。
トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、その後気体の吹き込みライン12から気体を送り、エジェクター4の図2(a)に示す吹き込みノズル6より気体を吹き込み、有機揮発物質除去を行った。この時吹き込んだ気体は水蒸気であり、水蒸気の圧力は0.42MPa、温度145℃のものを使用し、吹き込み流量は80kg/hrであった。この時の、トナー粒子分散液の循環流量は7L/minであった。
蒸発容器内の温度が100℃になった時点から4hr有機揮発物質除去工程を行った。揮発成分除去工程の経過時間が3、4時間のトナー粒子の分散液を約100mL採取し、有機揮発成分の測定を行った。
有機揮発成分除去工程前と有機揮発成分除去工程終了後のトナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、Dv50/Dn50、アスペクト比と、有機揮発成分の測定結果を表1に示す。
(洗浄/濾過/乾燥工程)
有機揮発物質除去工程を経たトナー粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。その後、トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
有機揮発物質除去工程を経たトナー粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。その後、トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
(外添工程)
トナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
トナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
<現像性に関する評価>
評価機としてLBP7200C(キヤノン社製)の改造機を使用し、イエローカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、坪量80g/m2)を用いた。
評価機としてLBP7200C(キヤノン社製)の改造機を使用し、イエローカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、坪量80g/m2)を用いた。
(1)カブリ
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と記録材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはブルーフィルターを用いた。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と記録材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはブルーフィルターを用いた。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
吹き込む気体の圧力を0.1Mpa、温度を100℃とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込む気体の圧力を0.1Mpa、温度を100℃とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例3〕
吹き込む気体の圧力を0.6Mpa、温度を160℃とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込む気体の圧力を0.6Mpa、温度を160℃とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例4〕
蒸発容器の内部のトナー粒子の分散液の液温を90℃に温調した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
蒸発容器の内部のトナー粒子の分散液の液温を90℃に温調した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
吹き込む気体の圧力を0.08Mpa、温度を95℃とした以外は実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込む気体の圧力を0.08Mpa、温度を95℃とした以外は実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
吹き込む気体の圧力を0.7Mpa、温度を165℃とした以外は実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込む気体の圧力を0.7Mpa、温度を165℃とした以外は実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
トナー粒子の分散液の液温を85℃とした以外は実施例5と同様の条件、方法によりトナーを得た。
トナー粒子の分散液の液温を85℃とした以外は実施例5と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
吹き込む気体を窒素に変えた以外は実施例7と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込む気体を窒素に変えた以外は実施例7と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を2.5、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0357W/(m・K)とした以外は実施例8と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を2.5、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0357W/(m・K)とした以外は実施例8と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例10〕
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0705W/(m・K)とした以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0705W/(m・K)とした以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例11〕
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を20.0とした以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を20.0とした以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例12〕
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0705W/(m・K)とした以外は実施例11と同様の条件、方法によりトナーを得た。
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0705W/(m・K)とした以外は実施例11と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例13〕
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例9と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
〔実施例14〕
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例10と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例10と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
〔実施例15〕
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例11と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例11と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
〔実施例16〕
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例12と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
図3に示す有機揮発物質除去装置にてトナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した以外は実施例12と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験終了後、ポンプ8を確認すると、回転軸部にトナー粒子の付着物が認められた。
〔参考例1〕
図4に示す有機揮発物質除去装置にて、トナー粒子の分散液の有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
図4に示す有機揮発物質除去装置にて、トナー粒子の分散液の有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した。また、気体吹き込み口13より水蒸気を20L/minで吹き込み、有機揮発物質除去を行った。吹き込んだ水蒸気の圧力は0.10MPa、温度100℃のものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
有機揮発物質除去工程終了後、ポンプを確認したところ融着物が確認された。
〔参考例2〕
重合工程迄は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子の分散液を得た。
重合工程迄は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子の分散液を得た。
有機揮発物質除去工程の水蒸気の吹き込み流量を、参考例1の条件から徐々に上げ、80L/minとする運転条件を試みたが、外部循環経路の振動が大きくなり、トナー粒子分散液の流量が不安定になったため実験を取りやめた。外部循環経路を確認したところ、ポンプおよび気体吹き込み口13付近に融着物が確認された。
〔参考例3〕
トナー粒子の分散液を図5に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液を図5に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、気体の吹き込みライン12より水蒸気を20L/min送り気体の吹き込み口13より水蒸気を吹き込み、有機揮発物質除去を行った。吹き込んだ水蒸気の圧力は0.10MPa、温度100℃のものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例1〕
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を1.5、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0300 W/(m・K)とした以外は実施例9と同様の条件、方法で実験を行ったが、循環が全く行われず実験を中止した。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を1.5、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0300 W/(m・K)とした以外は実施例9と同様の条件、方法で実験を行ったが、循環が全く行われず実験を中止した。
〔比較例2〕
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0800 W/(m・K)とした以外は比較例1と同様の条件、方法で実験を行ったが、循環が全く行われず実験を中止した。
トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0800 W/(m・K)とした以外は比較例1と同様の条件、方法で実験を行ったが、循環が全く行われず実験を中止した。
〔比較例3〕
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を21.0とした以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を21.0とした以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例4〕
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を21.0、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0800 W/(m・K)とした以外は比較例3と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験開始後2hr程度から循環流量が2L/minに低下した。運転後、処理液の循環ラインを確認したところ、トナーがライン内に付着し、ラインを閉塞させていることが確認された。
吹き込みノズルの最小の内径をD1、排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2を21.0、トナー粒子の分散液の熱伝導率をk=0.0800 W/(m・K)とした以外は比較例3と同様の条件、方法によりトナーを得た。実験開始後2hr程度から循環流量が2L/minに低下した。運転後、処理液の循環ラインを確認したところ、トナーがライン内に付着し、ラインを閉塞させていることが確認された。
〔比較例5〕
トナー粒子の分散液を、図6に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液を、図6に示す有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器1に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。
トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8で外部循環経路にトナー粒子の分散液を10L/minにて送液した。また、熱交換器14にて加熱し有機揮発物質除去を行った以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
有機揮発物質除去工程終了後、ポンプ、熱交換器を確認したところ、ポンプ、熱交換器に融着物が確認され、熱交換器の一部は閉塞していた。
上記実施例、参考例、比較例の有機揮発物質除去工程の運転条件、有機揮発物質除去工程前後の体積メディアン径、粒度分布、アスペクト比、有機揮発物質除去工程3,4hrでの有機揮発成分の量、カブリの結果を表1に示す。
1:有機揮発物質除去装置、2:蒸発容器(揮発物質除去容器)、3:外部循環経路、4:エジェクター、5:ケーシング、6:吹き込みノズル、7:排出ノズル、8:ポンプ、9:吸入口、10:撹拌翼、11:蒸発容器底弁、12:気体の吹き込みライン、13:気体吹き込み口、D1:吹き込みノズル最小内径、D2:排出ノズル最小内径
Claims (7)
- 樹脂粒子分散液から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を含む樹脂粒子の製造方法において、
該有機揮発物質除去工程は、揮発物質除去容器および該揮発物質除去容器と連結した外部循環経路を有する有機揮発物質除去装置にて行れ、
該外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
該エジェクターは、
(i)ケーシングと、
(ii)該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
(iii)該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該ケーシングの内部に該揮発物質除去容器から排出された液体を吸入する吸入口と、
(iv)該液体及び該気体を該ケーシングから該外部循環経路に排出する排出ノズルと、
を有し、
該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2が2.5以上20.0以下でかつ、
該液体の熱伝導率が0.0357W/(m・K)以上0.0705W/(m・K)以下
であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。 - 該外部循環経路には、該液体を循環させるポンプを具備しない請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 該気体が水蒸気である請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 該揮発物質除去容器の内部の該樹脂粒子分散液の温度が90℃以上100℃以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 該気体の温度が100℃以上160℃以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 該気体の圧力が0.1MPa以上0.6MPa以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 着色剤を含有するトナー粒子分散液から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を含むトナー粒子の製造方法において、
該有機揮発物質除去工程は、揮発物質除去容器および該揮発物質除去容器と連結した外部循環経路を有する有機揮発物質除去装置にて行れ、
該外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
該エジェクターは、
(i)ケーシングと、
(ii)該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
(iii)該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該ケーシングの内部に該揮発物質除去容器から排出された液体を吸入する吸入口と、
(iv)該液体及び該気体を該ケーシングから該外部循環経路に排出する排出ノズルと、
を有し、
該吹き込みノズルの最小の内径をD1、該排出ノズルの最小の内径をD2としたときの断面積比(D2/D1)2が2.5以上20.0以下でかつ、
該液体の熱伝導率が0.0357W/(m・K)以上0.0705W/(m・K)以下
であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
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