JP2017008008A - 1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物及びその用途 - Google Patents

1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】ブルーミングやマイグレーションが起きにくい光重合増感剤。
【解決手段】式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤。

(R及びRは各々独立にC1〜8のアルキル基又はC1〜8のアルキル基を有するシリル基;RはH又はアリール基;XはH又はC1〜8のアルキル基;シリル基における複数あるアルキル基は各々独立である)
【選択図】なし

Description

本発明は、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物からなる光重合増感剤に関する。
紫外線や可視光線等の活性エネルギー線により重合する光重合性組成物は、重合速度が速く、熱重合性組成物に比べ有機溶剤の使用量を大幅に減らすことができることから、作業環境の改善、環境負荷を低減することができるという点で優れている。光重合性組成物に含まれる光重合性化合物はそれ自体では重合開始機能が乏しく、重合させるには通常、光重合開始剤を用いる必要がある。
光重合性組成物としては、光重合性化合物の重合を開始する種の違いにより、光ラジカル重合性組成物と光カチオン重合性組成物とに分けられる。一般に、ラジカル重合型は、重合速度が速く、生成する塗膜硬度が高いという特徴を持つが、基材との密着性が弱いという欠点がある。また、酸素の影響を受けやすく、特に薄膜の生成においては窒素封入などの設備が必要となる。一方、カチオン重合型は、基材との密着性が高く、可とう性に優れており、酸素による影響を受けにくいという特徴を有する。そのため、電子材料分野においては光カチオン重合性組成物が用いられている。
光ラジカル重合の開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノンやベンゾフェノン等のアルキルフェノン系重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤などが知られており(特許文献1、2等)、光カチオン重合の開始剤としては、アリールスルホニウム塩やアリールヨードニウム塩などのオニウム塩が用いられている(特許文献3等)。中でも光カチオン重合開始剤として用いられるオニウム塩は光ラジカル重合開始剤としても作用することが知られている。
しかし、アリールヨードニウム塩はその吸収波長が250nm近辺と低く、例えば高圧水銀ランプ等で重合させるときは、高圧水銀ランプ等の照射波長である360〜400nm近辺に吸収のある光重合増感剤を添加する必要がある。一方、アリールスルホニウム塩は、360nm付近に吸収を持つため、高圧水銀ランプ等を照射することにより重合を開始させることができるが、360nmよりもさらに長波長の紫外線LEDを用いる場合には、やはり光重合増感剤を使用する必要がある。
紫外線LEDは発熱が少なく長寿命であることから最近光源としてよく使用されているが、アリールヨードニウム塩又はアリールスルホニウム塩を光重合開始剤として用いた場合、いずれも紫外線LEDなどの光源が発する長波長の光では光重合反応が進行しにくい等の問題があり、光重合増感剤を添加するのが一般的である。光重合増感剤としては、アントラセン化合物、チオキサントン化合物が知られており、特にアントラセン化合物が用いられることが多い(特許文献4)。
アントラセン化合物としては、9,10−ジアルコキシアントラセン化合物が主に用いられている。例えば、光重合における光重合開始剤であるアリールヨードニウム塩に対し、光重合増感剤として9,10−ジブトキシアントラセンや9,10−ジエトキシアントラセン等の9,10−ジアルコキシアントラセン化合物が使用されている(特許文献5、6、7、8)。
しかしながら、光重合時あるいは重合物の保存中にブルーミングにより、光重合増感剤等の添加物が表面ににじみ出し、重合物の粉吹きや着色の問題を引き起こすことが知られている。例えば、フィルムとフィルムを接着する光接着剤の一成分としてこれらの光重合増感剤を使用する場合、光重合増感剤が上部に被せたフィルム(ポリエチレンフィルム等)に移行すること(マイグレーション)があり、上部フィルム上に光重合増感剤の粉吹きや着色の問題を引き起こす場合がある。
特開平6−345614号公報 特開平7−062010号公報 特開平5−249606号公報 特開平10−195117号公報 特開2002−302507号公報 特開平11−279212号公報 特開2000−344704号公報 WO2007/126066号公報
よって、光重合増感剤を含む光重合性組成物の重合時や当該光重合性組成物の光重合物の保存時等において、ブルーミングやマイグレーションが起きにくい光重合増感剤の開発が望まれている。
本発明者は、ナフタレン化合物の構造と光重合特性について鋭意検討した結果、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物が光重合において光重合増感剤として優れた効果を示すのみならず、当該化合物を光重合増感剤として含有する光重合性組成物の上にポリエチレンフィルムを被せた場合でもマイグレーション等を起こし難いことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下に記載の骨子を要旨とするものである。
上記目的を達成するために、第1発明では、下記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を提供する。
上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。但し、R及びRがともにメチル基である場合を除く。
第2発明では、下記一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を提供する。
上記一般式(3)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
第3発明では、下記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤を提供する。
上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
第4発明では、下記一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤を提供する。
上記一般式(3)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
第5発明では、第3発明又は第4発明に記載の光重合増感剤と、光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する光重合性組成物を提供する。
第6発明では、光重合性化合物が光カチオン重合性化合物である第5発明に記載の光重合性組成物を提供する。
第7発明では、光重合性化合物が光ラジカル重合性化合物である第5発明に記載の光重合性組成物を提供する。
第8発明では、第5発明乃至第7発明のいずれかひとつに記載の光重合性組成物に、波長300nmから420nmの範囲の光を含むエネルギー線を照射することを特徴とする光重合性組成物の重合方法を提供する。
第9の発明では、第5発明乃至第7発明のいずれかひとつに記載の光重合性組成物に、波長300nmから420nmの範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより得られる重合物を提供する。
本発明の光重合増感剤である上記一般式(1)又は(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、ナフタレン構造を持つ化合物でありながら、ジアルコキシアントラセンのように400nm近辺に紫外吸収を持つ化合物である。そして、本発明の1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、当該化合物を光重合増感剤として含有する光重合性組成物に波長が300nmから420nmの範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより、当該光重合増感剤化合物が励起され、光重合開始剤を活性化させ、光重合性組成物をすみやかに重合させることができる。更に、当該化合物を含有する光重合性組成物にフィルムを被せた場合でも光重合増感剤がフィルムにマイグレーション等を起こし難く、光重合増感剤として有用である。
以下、本発明を詳細に記述する。
(化合物)
本発明は、下記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物である。
上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
更に、上記一般式(1)においてR、Rがシリル基の場合は、下記一般式(3)の化合物となる。
上記一般式(3)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもかまわない。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
上記一般式(1)において、R、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、上記一般式(1)又は(3)において、Rで表されるアリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の具体例としては、R、Rで表されるアルキル基がメチル基である場合は、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がエチル基である場合は、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がプロピル基である場合は、1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジプロポキシ−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がブチル基である場合は、1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジブトキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(i−ブトキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がペンチル基である場合は、1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジペントキシ−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がヘキシル基である場合は、1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がヘプチル基である場合は、1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(n−ヘプチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基がオクチル基である場合は、1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
、Rで表されるアルキル基が2−エチルヘキシル基である場合は、1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
次に、上記一般式(3)において、Rで表される炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。そして、その複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
すなわち、3個のRで表される炭素数1〜8のアルキル基を有するシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ(n−プロピル)シリル基、トリ(i−プロピル)シリル基、トリ(n−ブチル)シリル基、トリヘキシルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、ジメチルオクチルシリル基等が挙げられる。
一般式(3)の化合物の具体例を示す。まず、シリル基がトリメチルシリル基である場合は、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリエチルシリル基である場合は、1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリ(n−プロピル)シリル基である場合は、1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリ(i−プロピル)シリル基である場合は、1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−プロピル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリ(n−ブチル)シリル基である場合は、1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(n−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリ(i−ブチル)シリル基である場合は、1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス[トリ(i−ブチル)シリルオキシ]−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がトリヘキシルシリル基である場合は、1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(トリヘキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がジメチルテキシルシリル基である場合は、1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルテキシルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
シリル基がジメチルオクチルシリル基である場合は、1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ビス(ジメチルオクチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
上記述べた一般式(1)又は(3)で表される化合物の中でも、合成の容易さと光重合増感剤としての性能の高さから、特に、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルが好ましい。
(製造方法)
次に、上記一般式(1)又は(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の製造方法について説明する。まず、本発明の上記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、下記の反応式−1に従って、一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物より合成される。
一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物は、すでに文献等に記載された一般的な方法で、1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物と炭酸ガスの反応で得ることができる。フェノールからサリチル酸を製造する、いわゆるコルベ・シュミッド反応の応用である。例えば、1,4−ジヒドロキシナフタレンを有機溶媒中、微粒子状の無水炭酸カリウムの存在下に炭酸ガスによってカルボキシル化する方法(特開昭57−126443号公報)、1,4−ジヒドロキシナフタレンのアルカリ金属化合物を炭酸ガスによってカルボキシル化する方法(特開昭59−141537号公報、特開平9−132545号公報)等が知られている。
当該コルベ・シュミッド反応によって得られた1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸を脱水剤存在下フェノール類と反応させることにより、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸のアリールエステルを合成することができる。
原料として用いられる1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物としては、1,4−ジヒドロキシナフタレン、5−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、5−エチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−エチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。当該1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物は、対応する1,4-ナフトキノン化合物を水素還元することにより得ることができる。
そして、一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、下記の反応式−1に従って、一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物とエーテル化剤を塩基性化合物の存在下に反応させることにより得ることができる。
上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、一般式(1)又は(2)における、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
原料である上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物としては、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸トリル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物としては、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、5−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、5−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸トリル、5−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナフチル、6−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物としては、6−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸トリル、6−エチル−1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナフチル等が挙げられる。
エーテル化剤としては、好適にはハロゲン化アルキル化合物又はジアルキル硫酸が使用される。ハロゲン化アルキル化合物としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化アミル、塩化ヘキシル、塩化ヘプチル、塩化オクチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化ペンチル、臭化ヘキシル、臭化ヘプチル、臭化オクチル、臭化−2−エチルヘキシル,臭化ノニル、臭化デシル等が挙げられる。また、ジアルキル硫酸としてはジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等が挙げられる。
エーテル化剤の使用量は、上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物に含まれる水酸基1分子に対し、通常2.0モル倍以上、4.0モル倍以下、好ましくは2.2モル倍以上、3.0モル倍以下である。エーテル化剤の使用量が2.0モル倍未満の場合は、未反応の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物が増加し、4.0モル倍を超えて添加した場合は、生成した1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の溶媒に対する溶解度が高くなり、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の単離収率が低下するため好ましくない。
反応温度は、通常0℃以上、150℃以下、好ましくは15℃以上、80℃以下である。反応温度が0℃未満の場合は、反応速度が遅すぎて反応に時間が掛かかり、150℃を超えて加熱した場合は、副反応が起きて生成物の純度が低下する。反応時間は、反応温度にもよるが、通常0.5〜20時間である。通常、反応は大気圧下で行い、反応容器内部はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
使用する塩基性化合物としては、無機塩基化合物及び有機塩基化合物どちらでも用いることができる。無機塩基化合物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、有機塩基化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン及びピリジン類が挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられ、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン等が挙げられ、三級アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられ、ピリジン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物に含まれる水酸基1分子に対し、通常2.0モル倍以上、4.0モル倍以下、好ましくは2.2モル倍以上、3.0モル倍以下である。塩基性化合物の使用量が2.0当量倍未満の場合は、未反応の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物が増加し、4.0モル倍を超えて添加した場合は、生成した1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の溶媒に対する溶解度が高くなり、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の単離収率が低下するため好ましくない。
使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。特に、アミド系溶媒が好ましい。
反応終了後、反応混合物を、水混和性の溶媒を用いた場合は酸性水を添加し、水と非混和性の溶媒を用いた場合はヘキサン等の貧溶媒に添加し、濃縮して析出した結晶をろ過・乾燥することにより、さらに必要に応じて再結晶することにより、純度良く目的物を得ることができる。
次に、上記一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の製造方法について説明する。一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は下記に示す(反応式−2)に従って、一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物とシリル化剤を反応させることにより得ることができる。
上記一般式(3)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。一般式(2)又は一般式(3)における、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
原料である上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物は、上記反応式1で例示した化合物と同様である。
上記反応式で用いるシリル化剤としては、好適にはハロゲン化シラン化合物、アルキルシリルアミン化合物又はビストリアルキルシリルアセトアミド化合物が使用される。ハロゲン化シラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ(n−プロピル)クロロシラン、トリ(i−プロピル)クロロシラン、トリブチルクロロシラン、ジメチル−t−ブチルクロロシラン、ジメチルテキシルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリエチルブロモシラン、トリ(i−プロピル)ブロモシラン、トリブチルブロモシラン、ジメチル−t−ブチルブロモシラン、ジメチル−n−オクチルブロモシラン等が挙げられる。また、ビストリアルキルシリルアセトアミドとしては、ビストリメチルシリルアセトアミド、ビストリエチルシリルアセトアミド、トリプロピルシリルアセトアミド等が挙げられる。アルキルシリルアミン化合物としては、N−トリメチルシリルイミダゾール、N−t−ブチルジメチルシリルイミダゾール、N−ジメチルエチルシリルイミダゾール、N−ジメチルn−プロピルシリルイミダゾール、N−ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール等が挙げられる。更に、ビストリアルキルシリルアセトアミド化合物としては、ビストリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド等が挙げられる。
これらのシリル化剤の中では、反応性の高さと生成物の活性の高さの観点から、トリメチルクロロシラン、トリ(i−プロピル)クロロシラン、N−トリメチルシリルイミダゾール又はビストリメチルシリルアセトアミドが好ましい。特に、N−トリメチルシリルイミダゾールが好ましい。
シリル化剤の使用量は、上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物に含まれる水酸基1分子に対し、通常2.0モル倍以上、4.0モル倍以下、好ましくは2.2モル倍以上、3.0モル倍以下である。シリル化剤の使用量が2.0倍未満の場合は、未反応の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物が増加し、4.0モル倍を超えて添加した場合は、生成した1,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸化合物の溶媒に対する溶解度が高くなり、1,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸化合物の単離収率が低下するため好ましくない。
反応温度は、通常0℃以上、150℃以下、好ましくは15℃以上、80℃以下である。反応温度が0℃未満の場合は、反応速度が遅すぎて反応に時間が掛かかり、150℃を超えて加熱した場合は、副反応が起きて生成物の純度が低下する。反応時間は、反応温度にもよるが、通常0.5〜20時間である。通常、反応は大気圧下で行い、反応容器内部はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
使用する塩基性化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン及びピリジン類が挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられ、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン等が挙げられ、三級アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられ、ピリジン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の使用量は、上記一般式(2)で表される1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物に含まれる水酸基1分子に対し、通常2.0モル倍以上、4.0モル倍以下、好ましくは2.2モル倍以上、3.0モル倍以下である。塩基性化合物の使用量が2.0モル倍未満の場合は、未反応の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸化合物が増加し、4.0モル倍を超えて添加した場合は、生成した1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の溶媒に対する溶解度が高くなり、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物の単離収率が低下するため好ましくない。
使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。
反応終了後、反応混合物をヘキサン等の貧溶媒に添加し、濃縮して析出した結晶をろ過・乾燥することにより、さらに必要に応じて再結晶することにより、純度良く目的物を得ることができる。
(光重合増感剤)
このようにして得られた、本発明の下記一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、光カチオン重合性化合物や光ラジカル重合性化合物を光重合開始剤存在下に重合させる際に、光重合増感剤として用いることができる。
上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
上記一般式(3)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもかまわない。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
また、本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤は、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を有効成分とするものであり、その全量を、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物とするもののほか、本発明の効果を損なわない限り、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物以外の光重合増感剤等を含んでもよい。
このような1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物以外の光重合増感剤としては、チオキサントン化合物(例えば2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン)、ナフタレン化合物(例えば1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール)、アントラセン化合物(例えば9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン)、ベンゼン化合物(例えば、ハイドロキノン、4-メトキシフェノール)、又はアミン化合物(例えばジエチルアミノ安息香酸メチル)等が挙げられる。
1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物に対する1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物以外の光重合増感剤の添加比率は、特に限定されないが、1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物に対して0.1重量倍以上10重量倍以下である。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、オニウム塩が好ましい。オニウム塩としては通常アリールヨードニウム塩またはアリールスルホニウム塩が用いられる。アリールヨードニウム塩としては4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサメトキシアンチモネート、4−イソプロピルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタメトキシフェニルボレート、4−イソプロピルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート等が挙げられ、例えばビーエーエスエフ社製イルガキュア250(「イルガキュア」はビーエーエスエフ社の登録商標)、ローディア社製ロードシル2074(「ロードシル」はローディア社の登録商標)、サンアプロ社製IK−1等を用いることができる。一方、アリールスルホニウム塩としてはS,S,S’,S’−テトラフェニル−S,S’−(4、4’−チオジフェニル)ジスルホニウムビスヘキサメトキシフォスフェート、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサメトキシフォスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサメトキシフォスフェート等が挙げられ、例えばダイセル社製CPI−100P、CPI101A、CPI−200K、ビーエーエスエフ社製イルガキュア270、ダウ・ケミカル社製UVI6992等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上併用しても構わない。
(光重合性組成物)
本発明の光重合性組成物は、本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤と、光重合開始剤としてのオニウム塩と、光ラジカル重合性化合物又は光カチオン重合性化合物と、を含有する組成物である。本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤と光重合開始剤としてのオニウム塩は、別々に光ラジカル重合性化合物又は光カチオン重合性化合物に添加してもよいし、本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤と、光重合開始剤とを配合することにより光重合開始剤組成物とし、当該光重合開始剤組成物と光重合性化合物とを配合することにより、光重合性組成物を調製することもできる。
光カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル等が挙げられる。エポキシ化合物として一般的なものは、脂環式エポキシ化合物、エポキシ変性シリコーン、芳香族のグリシジルエーテル等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられ、例えばダウ・ケミカル社製UVR6105、UVR6110、ダイセル社製セロキサイド2021P等を用いることができる。エポキシ変性シリコーンとしては、東芝GEシリコーン製UV−9300等が挙げられる。芳香族グリシジル化合物としては、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン等が挙げられる。ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。これらの光カチオン重合性化合物は、一種でも二種以上の混合物であっても良い。また、これらのオリゴマーであってもよい。
光ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の二重結合を有する有機化合物を用いることができる。これらの光ラジカル重合性化合物のうち、フィルム形成能等の面から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル(以下、両者をあわせて(メタ)アクリル酸エステルという)が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリ ル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート等が挙げられる。これらの光ラジカル重合性化合物は、一種でも二種以上の混合物であっても良い。また、これらのオリゴマーであってもよい。
また、本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤は、光ラジカル重合と光カチオン重合のどちらにも用いることができる。すなわち、光ラジカル重合性組成物における光ラジカル重合増感剤として用いることもでき、かつ、光カチオン重合性組成物における光カチオン重合増感剤としても用いることもできる。さらに、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物の両方を含むハイブリッド組成物中において、光ラジカル重合増感剤及び光カチオン重合増感剤の両方の効果を持つ化合物として用いることもできる。よって、用いられる光重合性化合物としては、光カチオン重合性化合物と光ラジカル重合化合物の混合物であってもよい。
光重合性組成物における光重合開始剤の使用量は、光重合性化合物100重量部に対し、光重合開始剤であるオニウム塩を0.1重量部以上、10.0重量部以下、好ましくは1.0重量部以上、5.0重量部以下の範囲で使用する。光重合性化合物に対する光重合開始剤の使用量が0.1重量部未満だと光重合性組成物を光重合させたとき、重合速度が遅くなり、一方、光重合開始剤の使用量が10.0重量部を超えて添加すると光重合性組成物を光重合させたときに得られる光重合物の物性が低下するおそれがあるため好ましくない。
本発明の一般式(1)又は一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤の光重合開始剤に対する使用量は、特に限定されないが、光重合開始剤に対して通常5重量%以上、100重量%以下の範囲、好ましくは10重量%以上、50重量%以下の範囲である。光重合増感剤の使用量が5重量%未満では光重合性化合物を光重合させるのに時間がかかりすぎてしまい、一方、100重量%を超えて使用しても添加に見合う効果は得られない。
なお、本発明の光重合性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、希釈剤、着色剤、有機又は無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤等の各種樹脂添加剤を配合してもよい。
(光重合方法)
本発明の重合物は、光重合性組成物に光を照射して重合することにより得ることができる。光重合性組成物に光を照射し重合させ硬化させる場合、当該光重合性組成物をフィルム状に成形して光重合させることもできるし、塊状に成形して光重合させることもできる。フィルム状に成形して光重合させる場合は、液状の当該光重合性組成物を例えばポリエステルフィルム等の基材にバーコーター等を用いて膜厚5〜300ミクロンになるように塗布する。一方、スピンコーティング法やスクリーン印刷法により、さらに薄い膜厚あるいは厚い膜厚にして塗布することもできる。
このようにして調製した光重合性組成物からなる塗膜に、300〜420nmの波長範囲を含む紫外線を1〜1000mW/cm程度の強さで光照射することにより、光重合物を得ることができる。用いる光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ガリウムドープドランプ、ブラックライト、中心波長が365nm、375nm、385nm、395nm又は405nmの紫外線LED、青色LED、白色LED、フュージョン社製のDバルブ、Vバルブ等が挙げられる。また、太陽光等の自然光を使用することもできる。特に、中心波長が365nm、375nm、385nm、395nm又は405nmの紫外線LEDが好ましい。
(タック・フリー・テスト)
本発明の光重合性組成物が光重合したかどうかを判定する方法としては、タック・フリー・テスト(指触テスト)がある。すなわち、光重合性組成物に光を照射すると、重合して表面のタック(べたつき)がなくなるため、光を照射してからタック(べたつき)がなくなるまでの時間を測定することにより、光重合時間を測定することができる。
(耐マイグレーション性の判定)
本発明の光重合性組成物に含まれる光重合増感剤がフィルム等に移行(マイグレーション)するかどうかを判定する方法としては、光重合増感剤を含む光重合性組成物を薄いフィルム状物に塗布したものを作成し、その上にポリエチレンフィルムを被せて一定温度(26℃)で一定期間保管し、その後ポリエチレンフィルムを剥がし、光重合増感剤がポリエチレンフィルムに移行しているかを調べ、耐マイグレーション性を判定した。剥がしたポリエチレンフィルムは、アセトンで表面の組成物を洗った後乾燥し、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、光重合増感剤に起因する吸収強度の増大を調べることにより耐マイグレーション性を測定した。なお、当該測定には、紫外・可視分光光度計(島津製作所製、型式:UV2200)を用いた。比較例の化合物である9,10−ジブトキシアントラセンと量的な比較するために、得られた吸光度を9,10−ジブトキシアントラセンの吸光度の値に換算した。換算に当たっては、紫外・可視分光光度計により本発明の化合物及び9,10−ジブトキシアントラセンの260nmにおける吸光度を測定し、その吸光度の値とモル濃度からそれぞれのモル吸光係数を計算し、その比をもちいて換算した。
下記の実施例により本発明を例示するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。また、特記しない限り、すべての部は重量部である。生成物の確認は下記の機器による測定に基づいて行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(合成実施例1)1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸
温度計、攪拌機付の100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸1.02g(5ミリモル)、ジメチル硫酸1.41g(12ミリモル)、ジメチルアセトアミド10gの赤褐色の溶液に水酸化ナトリウム0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。50℃で2時間攪拌後、生成した赤茶色のスラリーに10%硫酸水溶液5mlを加えた。反応液の色が薄くなり、薄黄緑色のスラリーとなった。このスラリーを吸引ろ過し、水洗い、乾燥して、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の黄緑色の粉末0.54g(2.34ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸に対する単離収率は48モル%であった。
(1)融点:133−134℃
(2)IR:3455,3040,2970,2860,1662,1641,1602,1457,1438,1390,1358,1258,1160,1117,1094,999,990,800,772cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ3.96(s,1H),4.01(s,1H),7.02(s,1H),7.56(t,J=8Hz,1H),7.63(t,J=8Hz,1H),8.19(d,J=8Hz,1H),8.38(d,J=8Hz,1H),11.60(s,1H).
(合成実施例2)1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸
温度計、攪拌機付の100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸1.02g(5ミリモル)、ジエチル硫酸1.85g(12ミリモル)、ジメチルアセトアミド10gの赤褐色の溶液に水酸化ナトリウム0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。50℃で2時間加熱後、生成した薄黄色のスラリーに10%硫酸水溶液5mlを加えた。反応液の色が薄くなり、薄肌色のスラリーとなった。このスラリーを吸引ろ過し、水洗い、乾燥して、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸の薄肌色の粉末0.75g(2.88ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸に対する単離収率は58モル%であった。
(1)融点:102−103℃
(2)IR(KBr、cm−1):3060,2970,2940,2860,1657,1599,1405,1270,1296,1247,1152,1106,1091,1028,793,797,738,722.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ1.40(t,J=8Hz,3H),1.48(t,J=8Hz,3H),4.15(q,J=8Hz,2H),4.43(q,J=8Hz,2H),7.04(s,1H),7.60(t,J=9Hz,1H),7.68(t,J=9Hz,1H),8.19(d,J=0Hz,1H),8.31(d、J=9Hz,1H),11.75(s,1H).
(合成実施例3)1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニル
温度計、攪拌機付の100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル1.40g(5ミリモル)、ジメチル硫酸1.41g(12ミリモル)、ジメチルアセトアミド10gの赤褐色の溶液に水酸化ナトリウム0.48g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。直ぐに沈殿が出るので、0.5時間攪拌後、10%硫酸水溶液5mlを加えた。液の色が薄くなり、薄き黄色のスラリーとなった。スラリーを吸引ろ過し、水洗い、メタノール洗い、乾燥して、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの黄緑色の粉末1.00g(3.25ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルに対する単離収率は65モル%であった。
(1)融点:115−116℃
(2)IR(KBr、cm−1):3090,3010,2950,2900,1712,1594,1459,1370,1348,1217,1189,1100,1071,990,964,934,767,726cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ4.05(s,3H),4.09(s,3H),7.26−7.33(m,4H),7.46(d,J=9Hz,2H),7.60−7.77(m,2H),8.27(d,J=9Hz,1H),8.30(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例4)1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニル
温度計、攪拌機付の100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル1.40g(5ミリモル)、ジエチル硫酸1.41g(12ミリモル)、ジメチルアセトアミド10gの赤褐色の溶液に水酸化ナトリウム1.85g(12ミリモル)の水4g溶液を加えた。直ぐに沈殿が出るので、0.5時間攪拌後、10%硫酸水溶液5mlを加えた。反応液の色が薄くなり、二層となった。有機層を水洗いし、1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの薄黄色の水飴状物1.37g(4.08ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルに対する単離収率は82モル%であった。
(1)融点:室温液状
(2)IR(ヌジョール、cm−1):3070,2960,2920,2880,1716,1594,1373,1344,1185,1160,1142,1096,1068,1023,933,907,759,734,687cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ1.55(t,J=8Hz,3H),1.58(t,J=8Hz,3H),4.22(q,J=8Hz,2H),4.26(q,J=8Hz,2H),7.25−7.38(m,3H),7.32(s,1H),7.47(d,J=9Hz,2H),7.58−7.65(m,2H),8.27(d,J=9Hz,1H),8.32(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例5)1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニル
温度計、攪拌機付の100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル1.40g(5ミリモル)、塩化メチレン7gの灰色スラリーにトリメチルシリルイミダゾール1.68g(12ミリモル)を加えた。4時間攪拌後、得られた黄色の溶液をn−ヘキサン20gに投入した。析出した白い沈殿をろ過紙、濾液を濃縮して、1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルの白黄色粉末1.2g(2.91ミリモル)を得た。原料の1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸に対する単離収率は59モル%であった。
(1)融点:77−78℃
(2)IR(KBr、cm−1):3080,2960,2920,1729,1680,1605,1490,1460,1375,1344,1248,1188,1163,1141,1076,884,833,794,721,685,644cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.38(s,18H),7.23−7.32(M,3H),7.41−7.56(m、3H),7.45(s,1H),7.52−7.56(m,1H),8.12(d,J=8Hz,1H),8.22(d,J=8Hz,1H).
(評価実施例1)
光カチオン重合性化合物として、脂環式エポキシ(ダイセル社製セロキサイド2021P)100重量部に、光重合開始剤として、4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート(ビーエーエスエフ社製イルガキュア250)4.0重量部、光重合増感剤として、合成実施例1で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸1.0重量部を加え、均一な光重合性組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布した。次いで、紫外線LED(イワサキ電気製 LHPUV365/2501)を用いて光照射した。照射光の中心波長は365nmで照射強度は35mW/cm2である。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は1.3秒であった。
(評価実施例2)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例2で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸にすること以外は、評価実施例1と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は1.6秒であった。
(評価実施例3)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例3で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例1と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は5.0秒であった。
(評価実施例4)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例4で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例1と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は1.5秒であった。
(評価実施例5)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例5で得られた1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例1と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は2.8秒であった。
(評価比較例1)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、9,10−ジブトキシアントラセンにすること以外は、評価実施例1と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は3.0秒であった。
(評価比較例2)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸を加えないこと以外は、評価実施例1と同様にして組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚18ミクロンになるように塗布し、紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例1と同様の条件で光照射した。光照射してから200秒経過しても重合しなかった。
評価実施例1〜5及び評価比較例1、2の結果を表1に示す。
表1の結果から次のことが明らかである。すなわち、本発明の1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を光重合増感剤として光カチオン重合させた場合、優れた光重合増感効果を示し、タック・フリー・テストの結果からも、公知の光重合増感剤である9,10−ジブトキシアントラセンと同等程度の光重合増感能を有することがわかる。
(評価実施例6)
光ラジカル重合性化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に、光重合開始剤として、4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート(ビーエーエスエフ社製イルガキュア250)4.0重量部と、光重合増感剤として、合成実施例1で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸重量1.0部を加え、均一な光重合性組成物とした。この組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて光照射した。照射光の中心波長は365nmで照射強度は20mW/cm2であった。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」0.7秒であった。
(評価実施例7)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例2で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸にすること以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は0.6秒であった。
(評価実施例8)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例3で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は1.3秒であった。
(評価実施例9)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例4で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は0.7秒であった。
(評価実施例10)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例5で得られた1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルにすること以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は0.2秒であった。
(評価比較例3)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、9,10−ジブトキシアントラセンにすること以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してからべたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」は1.2秒であった。
(評価比較例4)
光重合増感剤として、1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸を加えないこと以外は、評価実施例6と同様にして光重合性組成物を調製し、次いで組成物をバーコーターを用いてポリエステルフィルムルミラー(膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に膜厚30ミクロンになるように塗布した。その上に膜厚50ミクロンのタックフィルムで覆い、その上から紫外線LED(イワサキ電気製LHPUV365/2501)を用いて評価実施例6と同様の条件で光照射した。光照射してから200秒経過しても重合しなかった。
評価実施例6〜10及び評価比較例3、4の結果を表2にまとめた。
表2の結果から次のことが明らかである。すなわち、本発明の1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を光重合増感剤として光ラジカル重合させた場合、優れた光重合増感効果を示し、タック・フリー・テストの結果からも、公知の光重合増感剤である9,10−ジブトキシアントラセンと同等程度の光重合増感能を有することがわかる。
(光カチオン重合における耐マイグレーション性の評価実施例)
(評価実施例11)
光カチオン重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100重量部に対し、光重合増感剤として合成実施例1で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸1.0重量部を混合し光重合性組成物を調製した。調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.04、四日保管後0.05であった。

(評価実施例12)
1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例2で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸を使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸の吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.05、四日保管後0.05であった。
(評価実施例13)
1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例3で得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルを使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.01、四日保管後0.01であった。
(評価実施例14)
1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例4で得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルを使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.01、四日保管後0.01であった。
(評価実施例15)
1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、合成実施例5で得られた1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルを使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.02、四日保管後0.02であった。
(評価比較例5)
1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の代わりに、9,10−ジブトキシアントラセンを使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定したところ、一日保管後1.20、四日保管後1.20であった。
評価実施例11〜15及び評価比較例5の結果を表3に示す。
(光ラジカル重合における耐マイグレーション性の評価実施例)
(評価実施例16)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100重量部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部を使用すること以外は評価実施例11と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸の吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.09、四日保管後0.10であった。
(評価実施例17)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100重量部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部を使用すること以外は評価実施例12と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸の吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.13、四日保管後0.12であった。
(評価実施例18)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100重量部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部を使用すること以外は評価実施例13と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジメトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.02、四日保管後0.02であった。
(評価実施例19)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100部を使用すること以外は評価実施例14と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ジエトキシ−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.02、四日保管後0.02であった。
(評価実施例20)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100部を使用すること以外は評価実施例15と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた1,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−ナフトエ酸フェニルの吸光度を測定したところ、9,10−ジブトキシアントラセン換算した値は、一日保管後0.03、四日保管後0.03であった。
(評価比較例6)
光重合性化合物として、ダイセル社製脂環式エポキシ(セロキサイド2021P)100部の代わりに、光ラジカル重合性化合物である、トリメチロールプロパントリアクリレート100部を使用すること以外は評価比較例5と同様に光重合性組成物を調製し、調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が30ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で一日間保管したもの、四日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、260nmの吸光度を測定した。得られた9,10−ジブトキシアントラセンの吸光度を測定したところ、一日保管後2.40、四日保管後2.38であった。
評価実施例16〜20及び評価比較例6の結果を表4に示す。
以上の評価実施例11〜15及び評価比較例5の結果並びに評価実施例16〜20及び評価比較例6の結果より、次のことが明らかである。すなわち、本発明の光重合増感剤は、光カチオン重合性組成物及び光ラジカル重合性組成物のいずれにおいても、ポリエチレンフィルムへの移行度合いが公知の光重合増感剤である9,10−ジブトキシアントラセンよりも極めて低く、耐マイグレーション性が高いことが分かる。
以上の結果より、本発明の1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物は、光カチオン重合及び光ラジカル重合において、公知の光重合増感剤である9,10−ジブトキシアントラセン化合物と比較して、同等の光重合増感能を有するだけでなく、耐マイグレーション性も高い優れた化合物であり、光重合増感剤として極めて有用な化合物であることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物。

    (上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。但し、R及びRがともにメチル基である場合を除く。)
  2. 下記一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物。

    (上記一般式(3)において、R炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
  3. 下記一般式(1)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤。

    (上記一般式(1)において、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
  4. 下記一般式(3)で表される1,4−ビス(置換オキシ)−2−ナフトエ酸化合物を含有する光重合増感剤。

    (上記一般式(3)において、R炭素数1〜8のアルキル基を表し、複数あるRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Rは水素原子又はアリール基を表し、Xは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
  5. 請求項3又は4に記載の光重合増感剤、光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する光重合性組成物。
  6. 光重合性化合物が、光カチオン重合性化合物である請求項5に記載の光重合性組成物。
  7. 光重合性化合物が、光ラジカル重合性化合物である請求項5に記載の光重合性組成物。
  8. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光重合性組成物に、波長300nmから420nmの範囲の光を含むエネルギー線を照射することを特徴とする光重合性組成物の光重合方法。
  9. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光重合性組成物に、波長300nmから420nmの範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより得られる重合物。
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