JP2016528284A - N−アシルアミノ酸塩を調製するためのプロセス - Google Patents

N−アシルアミノ酸塩を調製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

N−アシルアミノ酸塩組成物およびこれらを脂肪酸アルキルエステルから製造するための改善されたプロセスを開示する。このプロセスは、脂肪酸アルキルエステルを、アルコキシド触媒の存在下に、少なくとも5psigの圧力でアミノ酸塩と反応させることを含む。触媒は、反応体として使用される脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モルパーセントの量で使用される。脂肪酸アルキルエステルを高転化率で転化させると共に、所望のN−アシルアミノ酸塩を良好な収率で得るためには、加圧を行うことおよび最小量のアルコキシド触媒を使用することが必要である。結果として得られるN−アシルアミノ酸塩組成物は着色が少なく、脂肪酸石鹸の量が許容可能であり、かつ副生成物であるアシル化物二量体の比率が小さい。様々なアミノ酸塩をグリシン塩と併用することによるか、または脂肪酸アルキルエステルもしくはアミノ酸塩のいずれかを過剰に使用することによって単相混合物を生成させると、この混合物を反応させた場合に、所望のN−アシルアミノ酸塩への高転化率での転化が促進される。

Description

本発明は、N−アシルアミノ酸塩およびこれらを調製するためのプロセスに関する。
N−アシルアミノ酸塩は、洗濯用洗剤、家庭用または工業用クリーナー、起泡剤、乳化剤、パーソナルケア用洗浄剤(personal cleanser)およびその他の用途に有用なアニオン性界面活性剤である。この塩には刺激性が極めて低いものが多く、パーソナルケア処方に特に有用である。
一般に、N−アシルアミノ酸塩はこれまで十分に活用されておらず、その理由の少なくとも一部はその製造の難しさにあった。N−アシルアミノ酸塩は、対応する脂肪族アシルクロリドおよびアミノ酸塩からショッテン・バウマン反応機構を用いて製造することができる(例えば、J.Am.Chem.Soc.78(1956)172および米国特許第6,703,517号明細書参照)が、このプロセスは費用が嵩む上に、副生成物として等モル量の望ましくない塩が生成する。別の合成方法は、脂肪酸をアミノアルコールと反応させることにより脂肪酸アミドを生成し、次いでこれを酸化することによりN−アシルアミノ酸を得るというものである(例えば、米国特許第8,093,414号明細書参照)。収率が比較的低いこと、酸化段階における選択性が低いこと、貴金属触媒を使用すること、および従来の有機ワークアップ(organic workup)が必要となることがこのプロセスの妨げとなっている。
他の公知のプロセスにおいては、N−アシルアミノ酸塩は脂肪酸から製造される。例えば、欧州特許第1672055号明細書および米国特許出願公開第2006/0239952号明細書には、脂肪酸をグリシンと反応させることによるN−アシルグリシン塩の合成が記載されている。このプロセスの生成物は、副生成物であるジ−およびトリペプチド(ジグリシン塩(diglycinate)およびトリグリシン塩(triglycinate))の比率が比較的高く(これらは意図された用途に望ましい場合も望ましくない場合もある)、このプロセスのアシル化されたアミノ酸単量体(mono−acylated product)への転化率は約92%である。米国特許第3,836,551号明細書には、脂肪酸とアミノ酸塩とを、溶融流体相中(すなわち、溶媒を使用せずに)、または極性非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキシド、またはN,N−ジメチルホルムアミド等)を用いた溶液中、または無極性有機溶媒(例えば、キシレン)の懸濁液中のいずれかで反応させることを教示している。通常の反応時間は約9時間であり、副生成物については議論されていない。一般に、この脂肪酸を用いる経路も同様に、高い反応温度が必要であることに起因してN−アシルアミノ酸塩に望ましくない着色が起こることから、余り好ましい経路ではない。
米国特許第5,898,084号明細書には、モノ−、ジ−またはトリグリセリドを強塩基の存在下にアミノ酸塩と反応させることによりN−アシルアミノ酸塩を調製することが記載されている。実施例においては、菜種油(トリグリセリド)をナトリウムメトキシド/メタノールの存在下にサルコシンナトリウムと反応させており、この反応はグリセリドが検出できなくなるまで継続される。続いて典型的な有機ワークアップが行われる。この参考文献は、この反応の過程で生成するグリセリンを、反応混合物中に残留させるかまたは従来のワークアップで一部もしくは全部を除去するかのいずれかとすることを示唆している。反応完結時における混合物は、通常、粘性の高いペースト状である。
同様に、脂肪酸アルキルエステルも出発物質として使用されてきた。米国特許第5,856,538号明細書には、脂肪酸アルキルエステル(例えば、オレイン酸メチル)をアミノ酸塩および30〜150%モル過剰の強塩基(例えば、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液)と反応させることが教示されている(第2欄65行〜第3欄2行ならびに実施例2および3参照)。実施例においてはサルコシンナトリウムが使用されているが、他のアミノ酸塩も好適であると教示されている。米国特許第5,856,538号明細書(第3欄22〜27行)には、この反応は、通常、「大気圧下で実施され、自己発生圧力下または高圧下で行うことも可能であるが、そのことによるさらなる利点はない」と教示されている。国際公開第95/07881号パンフレットには、脂肪酸エステルを出発物質としてN−アシルサルコシン塩を調製する方法が教示されている。この参考文献は、アミド化反応時の粘度を低減するためにアルコール溶媒(例えば、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール)を使用できることが示唆されている。実施例においては、この溶媒は、共沸蒸留により水を除去するために使用されている。
最近のUnilever社の公開公報には、反応媒体としての低分子量ポリオール(グリセロールやプロピレングリコール等)中において脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩から脂肪酸N−アシルアミド界面活性剤を調製することが記載されている(米国特許出願公開第2013/0029899号明細書、同第2013/0030197号明細書、同第2013/0030198号明細書、同第2013/0030199号明細書、同第2013/0030200号明細書、同第2013/0030201号明細書、同第2013/0030202号明細書および同第2013/0030203号明細書参照)。グリセロールに替えて、水、アルコールまたはトルエンを使用した比較実験の収率は非常に低かった。このプロセスに関し教示されている触媒には、「酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カルシウム、リン酸マグネシウムおよびこれらの混合物等の、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有する水酸化物、リン酸塩、硫酸塩および酸化物」が含まれる(米国特許出願第公開第2013/0030203号明細書第[0031]段落参照)。実施例においては酸化カルシウムが使用されている。
反応体として、ヤシ油脂肪酸グリシンナトリウム、ミリスチルグリシンナトリウムまたはラウリルグリシンナトリウムの調製に用いられるような脂肪酸アルキルエステル(特に、脂肪酸メチルエステル)およびグリシンアルカリ金属塩を用いる場合は、N−アシルアミノ酸塩の調製が特に困難となる。この反応は、試剤が混和性に欠け、プロセス温度が高いと反応混合物が固化し、着色が起こり、メタノールを除去する際に激しく泡立ち、副生成物が多量に生成するため、実に厄介である。副生成物である脂肪酸石鹸およびジペプチドの生成を最小限に抑えながら、着色の少ないN−アシルアミノ酸塩を高収率で得られる条件を見出せない場合が非常に多い。
要約すると、N−アシルアミノ酸塩を製造するための改善されたプロセスが必要とされている。特に、工業用として、他の公知の経路で起こるような塩の生成や選択性の問題を回避するプロセスが必要である。脂肪酸アルキルエステルを原料とするN−アシルグリシン塩の調製を複雑化させている特定の難題が解決できれば好ましい。理想的なプロセスにおいては、着色の少ないN−アシルアミノ酸塩が高収率で得られると共に、副生成物である脂肪酸石鹸およびジペプチドの比率が低減されるであろう。
一態様においては、本発明は、N−アシルアミノ酸塩組成物および脂肪酸アルキルエステルからN−アシルアミノ酸塩組成物を製造するための改善されたプロセスに関する。このプロセスは、脂肪酸アルキルエステルをアルコキシド触媒の存在下にアミノ酸塩と反応させることを含む。この反応は、少なくとも5psigの圧力で実施される。触媒は、反応体として使用される脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モルパーセントの量で使用される。驚くべきことに、本発明者らは、脂肪酸アルキルエステルを高い転化率で転化させると共に、所望のN−アシルアミノ酸塩を良好な収率で得るためには、加圧を行うことと、最小量のアルコキシド触媒を使用することとが必要であることを見出した。結果として得られる、有効成分(active)を多量に配合することができるN−アシルアミノ酸塩組成物は、着色が少なく、脂肪酸石鹸の量が許容範囲内にあり、副生成物であるアシル化物二量体(di−acylated by−product)の比率が小さい。
他の態様においては、本発明は、N−アシルアミノ酸塩を単離するための改善された手法に関する。このプロセスにおいては、C〜CアルコールでN−アシルアミノ酸塩組成物のスラリーを生成し、このスラリーからN−アシルアミノ酸塩を回収し、N−アシルアミノ酸塩を乾燥させることにより、N−アシルアミノ酸塩が、この組成物に含まれる未反応の出発物質(脂肪酸アルキルエステル、アミノ酸塩)から単離される。
他の態様においては、本発明は、脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩を含む単相混合物に関する。この単相混合物は、アルコキシド触媒を、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モル%の量で含むことができる。他の態様においては、本発明の単相混合物は、アミノ酸塩の混合物を含み、この塩混合物は、グリシン塩ではないアミノ酸塩と、グリシン塩を少なくとも20モル%とを含む。他の態様においては、本発明の単相混合物は、少なくとも30モル%過剰の脂肪酸アルキルエステルまたは少なくとも30モル%過剰のアミノ酸塩を含む。驚くべきことに、本発明者らは、アミノ酸塩と脂肪酸アルキルエステルとを反応させる場合に、上述の方法の1つにより出発物質の単相混合物を得ることが、対応するN−アシルアミノ酸塩を良好な転化率で得るために有益であることを見出した。
本発明の一プロセスにおいては、脂肪酸アルキルエステルを、十分なアルコキシド触媒の存在下に加圧下でアミノ酸塩と反応させることにより、N−アシルアミノ酸塩組成物が得られる。
好適な脂肪酸アルキルエステルは、直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸の低級アルキルエステルである。この脂肪酸アルキルエステルは、例えば、脂肪酸をアルカノールでエステル化するかまたはトリグリセリド(通常、動物性または植物性油脂である)をアルカノールとエステル交換することにより製造することができる。したがって、このエステルの脂肪族部分は、通常、6〜22個の炭素を有する飽和鎖および内部不飽和鎖の混合物となるであろう。
好ましい態様においては、脂肪酸アルキルエステルは、分留により得られる低級アルキルエステルである。つまり、油脂の鹸化により得られる脂肪酸を、低級アルカノールと反応させることにより、エステル(通常、メチルエステル)の混合物を得ることができる。この混合物を分留することにより、平均炭素数が所望の範囲にある脂肪酸アルキルエステルが得られる。別法として、油脂をアルカノールとエステル交換することにより、分留を行う前に1段階でエステルが得られる。
脂肪酸エステルは、その供給源に応じて、C16〜C22成分をとりわけ多くすることが可能である。例えば、大豆油のメタノリシスにより、パルミチン(C16)酸およびステアリン(C18)酸の飽和メチルエステルならびにオレイン(C18モノ不飽和)酸、リノール(C18ジ不飽和)酸およびα−リノレン(C18トリ不飽和)酸の不飽和メチルエステルが得られる。好ましい脂肪酸アルキルエステルは、C〜C22脂肪酸またはこれらの混合物、好ましくはC〜C18脂肪酸またはこれらの混合物から誘導されたものである。幾つかの例においては、C12〜C14脂肪酸が好ましいであろう。その例としては、カプリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチルおよびヤシ油由来のメチルエステルが挙げられる。好ましい脂肪酸アルキルエステルは、C〜Cアルカノールから誘導された、好ましくはメチルまたはエチルエステル、最も好ましくはメチルエステルである。
好適なアミノ酸塩は、アミノ酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。アミノ酸は、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、サルコシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、グルタミン、リシン、アルギニンおよびヒスチジンとすることができる。好ましいアミノ酸は1級アミノ基を有するものである。グリシン、アラニン、グルタミン、グルタミン酸およびアスパラギン酸から選択されるアミノ酸のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。グリシン塩が特に好ましい。後述の実施例1〜18に、グリシン、アラニンおよびグルタミンからのN−アシルアミノ酸塩の調製を例示する。
脂肪酸アルキルエステルに対するアミノ酸塩のモル比は幅広い範囲内で変化させることができる。使用に好ましい比は、使用するアミノ酸塩の種類、使用する脂肪酸アルキルエステルの種類、出発物質が選択されたモル比で単相混合物を形成することができるか否かおよび他の要素に応じて変化するであろう。例えば、アミノ酸塩としてグリシン塩が使用される場合は、ほぼ等モル量の反応体を使用することは許容範囲内であるどころか好ましい場合さえあるが、アミノ酸塩および脂肪酸アルキルエステルの他の組合せを用いる場合は、脂肪酸メチルエステルを過剰に使用するかまたはアミノ酸塩を過剰に使用する方が望ましい場合もある。したがって、アミノ酸塩としてグリシン塩が使用される場合、脂肪酸アルキルエステルに対するアミノ酸塩のモル比は、0.9:1〜1.1:1の範囲にあることが好ましい場合もある。グリシン塩を使用しない場合、アミノ酸塩を過剰に用いること、例えば、脂肪酸アルキルエステルに対するアミノ酸塩のモル比は、3:1〜1.3:1の範囲、好ましくは2:1〜1.5:1の範囲にあることがより望ましい場合もある。他の態様においては、脂肪酸アルキルエステルを過剰に用いることが好ましく、例えば、アミノ酸塩に対する脂肪酸アルキルエステルのモル比は、3:1〜1.3:1の範囲、好ましくは2:1〜1.5:1の範囲にある。驚くべきことに、本発明者らは、グリシン塩ではないアミノ酸塩を用いる場合、反応体のうちの1種を過剰に使用すると、出発物質の単相混合物をより容易に生成させることができ、それによって転化率がより高くなる可能性があることを見出した(下表3参照)。
脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩の反応は、アルコキシド触媒の存在下に行われる。アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等が好ましい。驚くべきことに、本発明者らは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物等の他のアルカリ性触媒を使用すると、脂肪酸アルキルエステルを望ましい高転化率で転化させる効果およびN−アシルアミノ酸塩を望ましい高収率で得る効果がはるかに低くなることを見出した。
使用されるアルコキシド触媒の量も重要である。予期せぬことに、本発明者らは、使用されるアルコキシド触媒の量が脂肪酸アルキルエステルの量を基準として10モルパーセント未満である場合は、脂肪酸アルキルエステルの転化率およびN−アシルアミノ酸塩の収率が許容できないことを見出した。したがって、本発明のプロセスにおいて、アルコキシド触媒は、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モルパーセントの量で使用される。好ましいアルコキシド触媒の量は、脂肪酸アルキルエステルを基準として12〜50モルパーセント、より好ましくは12〜30モルパーセントである。後述の実施例に示すように、アルコキシド触媒が10モルパーセント未満で使用される場合、N−アシルアミノ酸塩の収率は、通常、30%以下となる(表2の比較例19〜25参照)。
アルコキシド触媒は、固体形態でまたはアルコキシドを誘導するアルコールの溶液(ナトリウムメトキシド/メタノール、カリウムエトキシド/エタノール、カリウムt−ブトキシド/t−ブチルアルコール等)として市販されている。アルコキシドは、好ましくはC〜Cアルコキシド、より好ましくはC〜Cアルコキシド、最も好ましくはCまたはCアルコキシドである。アルコールは、通常、C〜C10アルコール、好ましくはC〜Cアルコール、より好ましくはC〜Cアルコールであり、アルコキシドを誘導するアルコールと同一のアルコールである必要はないが、同一であることが好ましい。ナトリウムメトキシド/メタノール、カリウムメトキシド/メタノール、ナトリウムエトキシド/エタノールおよびカリウムエトキシド/エタノールが最も好ましい。後述の実施例6および13〜15に、メタノール以外のアルコールを使用した例を示す。
幾つかの態様においては、本発明のプロセスは、添加された有機溶媒(例えば、アルコール、エーテル、エステル、炭化水素、ハロゲン化物、アミド等)の存在下に行うことができる。好ましい有機溶媒はアルコールであり、特に、アルコキシド触媒を誘導するアルコール(例えば、触媒がナトリウムメトキシドである場合はメタノール)である。したがって、触媒と一緒に提供されるアルコールおよび/またはアミノ酸塩と脂肪酸アルキルエステルとの反応により生成するアルコールを補うためにアルコールを添加することが望ましい場合がある。添加されるアルコールは、触媒を誘導するアルコールまたは脂肪酸アルキルエステルから遊離するアルコールと同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、添加されるアルコールは、触媒中に存在するものと同一であり、脂肪酸アルキルエステルから遊離するアルコールとも同一である。したがって、好ましい一態様においては、触媒は、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムメトキシド/メタノールであり、脂肪酸アルキルエステルは脂肪酸メチルエステルであり、添加される溶媒はメタノールである。添加される有機溶媒の量は一般に重要ではなく、多くの要素に応じて異なるであろう。好ましくは、使用される有機溶媒の量は、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として1〜200重量%の範囲、より好ましくは15〜100重量%の範囲、さらに好ましくは40〜80重量%の範囲、最も好ましくは50〜70重量%の範囲となるであろう。
脂肪酸アルキルエステルおよびN−アシルアミノ酸塩の反応は、少なくとも5psigの圧力(すなわち、周囲の大気圧を5psi超える)で行われる。好ましくは、圧力は、5〜50psigの範囲、より好ましくは5〜30psigの範囲にある。驚くべきことに、本発明者らは、アルコキシド塩基が使用される場合は、例えごく僅かでも加圧を行うことが、脂肪酸アルキルエステルを所望のN−アシルアミノ酸塩に転化させることに有益であることを見出した。例えば、22モルパーセントのナトリウムメトキシド触媒を用いて、大気圧(0psig)下で65℃のメタノール中で還流した場合(表2、比較例28および29)または75℃のメタノール/イソプロパノール中で還流した場合(表2、比較例30)と、66℃のメタノール中で僅かに加圧(7psig)を行った結果(表1、実施例12)とを比較されたい。大気圧下で反応を行うとアミノ酸塩の収率は基本的にゼロとなる。他方、同量の触媒を用いて僅かに加圧を行うと、得られるアミノ酸塩の収率は78%となる。
しかしながら、圧力のみで解決できる訳ではない。他の塩基性触媒(例えば、NaOH、KCO、CaO)を使用する場合、30〜35psigにおいても収率は低いかまたはゼロである(表2、比較例27、31および32参照)。
この反応は、任意の好都合な温度で行うことができる。好ましくは、反応は、65℃〜200℃の範囲、より好ましくは65℃〜130℃の範囲、最も好ましくは65℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
好ましい態様においては、本発明のプロセスは、比較的低い温度および圧力を組み合わせて、特に、65℃〜100℃、より好ましくは75℃〜95℃の温度および5psig〜30psig、より好ましくは10psig〜25psigの範囲の圧力で行われる。本発明者らは、比較的温和な条件下において、着色の少ないN−アシルアミノ酸塩、好ましくはN−アシルグリシン塩を高収率(93%以上)で生成させる一方で、副生成物であるアシル化物二量体(N−アシルジペプチド)の形成を回避すると共に、脂肪酸石鹸の生成量を最小限に抑えることができることを見出した(表1、実施例16〜18参照)。
所望によりポリオールを使用することができるが、必須ではない。幾つかの場合においては、反応混合物を流体に維持するのに有効な量でポリオールを含有させることができる。ポリオールが使用される場合、好ましくは、ポリオールは、グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合物である。「流体」とは、反応温度において反応混合物が良好な流動性を維持することを意味し、反応混合物は、妥当な量のエネルギーを必要として、撹拌およびポンプ送液が可能な状態を維持する。使用されるいずれかのポリオールの量は、脂肪酸エステルの鎖長、アミノ酸塩およびポリオールの性質、反応温度ならびに他の要素に依存するであろう。ポリオールを含有させる場合、ポリオール、脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩の総量を基準として、少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも10重量%を使用することが好ましい。後述の実施例2〜5および7(表1)に、本発明のプロセスにおいてポリオールとしてグリセリンを使用した例を示す。
好ましくは、反応混合物の最終粘度は10,000cP未満、より好ましくは1000cP未満、最も好ましくは200cP未満(各粘度はアミド化反応温度で測定)となるであろう。
アミノ酸塩からN−アシルアミノ酸塩への転化は任意の所望の温度で行われる。一部の最終用途では、アミノ酸塩の一部のみを転化し、それによって脂肪酸アルキルエステルおよびアミド化物の混合物を得ることが望ましい場合もある。しかしながら、好ましくは、アミノ酸塩の少なくとも85モル%がN−アシルアミノ酸塩に転化する。より好ましくは、アミノ酸塩の少なくとも90モル%がN−アシルアミノ酸塩に転化する。
本発明のプロセスにより、副生成物であるアシル化物の二−および三量体(本明細書においては「ジ−およびトリペプチド」または「N−アシルジペプチド」および「N−アシルトリペプチド」とも称する)が生成する比率を最小限に抑えることが可能になる。好ましくは、副生成物であるアシル化物二量体の量は、N−アシルアミノ酸塩および副生成物の総量を基準として、10モル%未満、より好ましくは5モル%未満である。
脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩の反応は、ある程度の水が存在する場合は、加水分解反応が競争的に起こるのに十分な塩基性条件下で行われる。したがって、通常、脂肪酸アルキルエステルの一部は加水分解されて脂肪酸塩(「石鹸」)となる。好ましくは、水はアミド化反応から実質的に排除されるが、少量の水は、特に反応条件が十分に温和である場合は許容される。供給業者によっては、提供されるアミノ酸塩は水を様々な含有量で含み、5重量%までの場合もそれを超える場合もある。表1に示すように、本発明者らは、反応条件が十分に温和であり、例えば、温度が65℃〜100℃の範囲にあり、圧力が5psig〜30psigである場合は、石鹸の生成量を最小限に抑えられることを見出した。好ましくは、N−アシルアミノ酸塩と一緒に生成する対応する脂肪酸石鹸は、20モルパーセント未満、好ましくは10モルパーセント未満、さらに好ましくは5モルパーセント以下である。比較例(表2)に示すように、脂肪酸石鹸の量を低減することが難しい可能性もある。
所望の生成物はN−アシルアミノ酸塩である。この塩はアニオン性界面活性剤として幅広い用途があり、パーソナルケア、洗濯用洗剤、布帛の処理、工業用または家庭用クリーナー、乳化重合、漂白、油田用化学製品等の産業に有用である。N−アシルグリシン塩およびN−アシルサルコシン塩、特にアルカリ金属塩は、身体用洗浄剤、シャンプー、固形石鹸、液体ハンドソープ等のパーソナルケア用として特に関心が寄せられている。本発明のプロセスに流動化剤としてグリセリンまたはプロピレングリコールを使用すると、特に、グリセリンまたはプロピレングリコールを含有させるように配合するのが通常であるパーソナルケア製品に有利となる可能性がある。したがって、N−アシルアミノ酸塩の調製にグリセリンまたはプロピレングリコールを使用した場合は、これらの除去が不要となる可能性がある。
反応体が脂肪酸メチルエステルおよびアルカリ金属グリシン塩である場合、N−アシルアミノ酸塩の調製が難しくなる可能性がある。この反応は、試剤が混和性を欠き、プロセス温度が高いと反応混合物が固化し、着色が起こり、メタノールを除去する際に激しく泡立ち、副生成物が多量に生成するため、実に厄介である。極めて刺激性の低いアニオン性界面活性剤であるN−アシルグリシン塩をこれまでパーソナルケアおよび他の用途に幅広く利用することができなかったのは、おそらく経済性の高いプロセスが利用できなかったことに起因している。
本発明のプロセスにより製造されるN−アシルアミノ酸塩は着色が少ない。好ましくは、ASTM D1209に準拠して、40mmセル中で20重量%水溶液を用いて測定したこの塩のハーゼン単位色数(APHA color)は、100未満、好ましくは50未満である。着色が少ないことは、特にほとんどのパーソナルケア用途に望ましいことであるが、必ずしも容易に達成できるものではない。例えば、触媒として酸化カルシウムを使用した場合、ハーゼン単位色数ははるかに高くなる傾向にある(表2の比較例26参照)。
本発明のN−アシルアミノ酸塩を含む水性混合物は、有効成分の配合量を高くすることができる。水性界面活性剤組成物の有効成分配合量を高くすることは難しい場合があるが、本発明者らは、本発明のN−アシルアミノ酸塩は、水性組成物の有効成分含有量を少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも35重量%としても、50重量%までとしても良好な混和性を示すことを見出した。一般に、ポリオール溶媒を含有させない場合に最も高い有効成分含有量が達成される。
総括すると、加圧を行うと共に十分なアルコキシド塩基を含有させると、着色が少なく、脂肪酸石鹸含有量が低く、かつ副生成物であるアシル化物二量体の比率が低減されたN−アシルアミノ酸塩組成物を、温和な条件下で、高収率かつ高転化率で生成させることが可能である。
他の態様においては、本発明は、N−アシルアミノ酸塩を単離するための改善された手法に関する。このプロセスにおいては、N−アシルアミノ酸塩組成物のC〜Cアルコールスラリーを生成し、このスラリーからN−アシルアミノ酸塩を回収し、N−アシルアミノ酸塩を乾燥させることによって、N−アシルアミノ酸塩が、組成物中の未反応の出発物質(脂肪酸アルキルエステル、アミノ酸塩)から単離される。好適なC〜Cアルコールはよく知られており、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等およびこれらの混合物が挙げられる。メタノールおよびエタノールが好ましい。特にメタノールが好ましい。一般に、N−アシルアミノ酸塩(および未反応の出発物質)のアルコールスラリーを生成するのに十分なC〜Cアルコールが使用される。好ましくは、アミノ酸塩に対するアルコールの重量比は、2:1〜100:1の範囲、より好ましくは3:1〜10:1の範囲にある。N−アシルアミノ酸塩は、スラリーを、デカンテーション、濾過、遠心分離等の任意の好適な手段に付すことによって回収することができる。スラリーを焼結ガラス等で濾過した後、N−アシルアミノ酸塩をさらなるC〜Cアルコールで洗浄すると好都合である。次いで、この塩を任意の所望の方法で常温以上の温度で乾燥させることにより、残留アルコールを除去する。
他の態様においては、本発明は、脂肪酸アルキルエステルと、アミノ酸塩と、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モル%のアルコキシド触媒とを含む単相混合物に関する。本明細書において用いられる「単相混合物」とは、N−アシルアミノ酸塩を製造するための出発物質の混合物を指す。本発明者らによる「単相」とは、出発物質の混合物が均質な液体または懸濁液であり、分離した脂肪酸アルキルエステル相が存在しないことを指す。驚くべきことに、本発明者らは、出発物質を常温常圧(ambient)条件下に手早く合一して混合すると、反応体の単相液体混合物が生成し、続いて出発物質を反応させると、一般に、アミノ酸塩が高い転化率で対応するN−アシルアミノ酸塩へと上首尾に転化することを見出した。反応が進行している最中は、反応混合物中に1以上の相が存在し得ることに留意されたい。しかしながら、この反応がある程度進行するまでは、出発物質の混合物は単相混合物(すなわち、液状の脂肪酸アルキルエステルの実質的な相分離がはっきりと認められない)であろう。一方、使用される出発物質(アルコール溶媒を含む)を合一した際に脂肪酸アルキルエステルが固体のアミノ酸塩と分離している場合、このような混合物を反応させると、通常、脂肪酸アルキルエステルから所望のN−アシルアミノ酸塩への転化率は比較的低くなるであろう。これはアシル化反応の結果を予測するための有用な手段となる。
脂肪酸アルキルエステル、アミノ酸塩および10%モル過剰のアルコキシド触媒の全ての組合せが単相混合物となる訳ではない。本発明者らは、グリシン塩を用いた場合は単相混合物が比較的生成し易いが、他のアミノ酸塩ではグリシン塩よりも単相混合物が生成し難い(下表3参照)ことを見出した。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、アミノ酸塩を脂肪酸アルキルエステルと反応させて対応するN−アシルアミノ酸塩を得ようとする場合、反応体を単相に一体化させることが高転化率の達成に有益なようである。
幾つかの態様においては、単相混合物は、アミノ酸塩と、脂肪酸アルキルエステルと、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モル%のアルコキシド触媒とを含むことができる。下表1の実施例はこの内容を満たしている。
他の態様においては、単相混合物は、アミノ酸塩混合物を含む。この塩混合物は、グリシン塩ではないアミノ酸塩と、少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも30モル%のグリシン塩とを含む。下表3(第3欄)の結果に例示するように、列挙したアミノ酸塩およびアルコキシド塩基に加えてグリシンナトリウムを30モル%(アミノ酸塩の総量を基準とする)を含有させることにより、所望のN−アシルアミノ酸塩への転化率が劇的に向上する。転化率の改善は、出発物質がこの比率のグリシン塩の存在下に単相を形成できることに起因している可能性がある。
他の態様においては、単相混合物は、脂肪酸アルキルエステルを少なくとも30モル%過剰、好ましくは少なくとも40モル%過剰、最も好ましくは少なくとも50モル%過剰に含む。別法として、単相混合物は、アミノ酸塩を少なくとも30モル%過剰、好ましくは少なくとも40モル%過剰、最も好ましくは少なくとも50モル%過剰に含む。表3(第4欄および第5欄)に示すように、多くのアミノ酸の場合、脂肪酸アルキルエステル対アミノ酸塩のモル比を1:1として用いるよりも、脂肪酸アルキルエステルまたはアミノ酸塩のどちらか一方を過剰にした方が、N−アシルアミノ酸塩を高転化率で転化させるためにうまく作用することが分かる。この場合も同様に、この予期しなかった転化率の改善は、1種の反応体を過剰に使用することで出発物質の単相混合物をより容易に形成することができることに起因している可能性がある。
以下の実施例は本発明の単なる例示である。当業者は、本発明の趣旨および特許請求の範囲内の多くの変形を認識するであろう。
N−アシルグリシン塩の調製:手順例
200mLのParr社製ステンレス鋼製反応装置にラウリン酸メチル(70.0g、0.315mol)、グリシンナトリウム(31.0g、0.317mol)、ナトリウムメトキシド(30重量%メタノール溶液、10.8g、0.060mol、ラウリン酸メチルの量を基準として19モル%)を仕込み、メタノール(50g、出発物質の仕込み量を基準として33重量%)を加える。反応装置を密閉し、130℃に(50psigで)加熱し、200rpmで5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、圧力をゆっくりと開放する。得られた粉末を結晶皿に移し、一夜乾燥させることによって残留メタノールを除去する。水を加えて所望の濃度のN−ラウリルグリシン塩の水性混合物を得る。
全体として本明細書に記載した手順に従い、表1に概要を示した反応体および条件を用いて、N−ラウリルグリシン塩および他のN−アシルアミノ酸塩を製造する。脂肪酸メチルエステルの転化率、N−アシルアミノ酸塩の収率および副生成物(N−アシルジペプチドおよび脂肪酸石鹸)の含有量をH NMRにより測定する。生成した溶融物を室温に冷却し、水で希釈して水溶液を得る。N−アシルアミノ酸塩の20重量%水溶液を用いてハーゼン単位色数を測定する(ASTM D1209)。
メタノールはN−アシルアミノ酸塩を調製するための溶媒として非常に優れている。一部のパーソナルケア用途には、メタノールを除去するかまたは一切使用しないことが望ましい場合もある。「メタノールフリーの」N−ラウリルグリシン塩を製造するための幾つかの選択肢を示す:
1.溶媒としてエタノールまたはIPAを使用。反応をエタノールまたはイソプロパノール中で行い、次いで水性N−ラウリルグリシン塩混合物から余剰溶媒を除去(100℃、大気圧で約1時間)する。この方法は、溶媒を除去するために、ラウリルグリシンナトリウムに対する水を1.8:1(w:w)と少なくすることが必要である。
2.共沸剤としてエタノールまたはIPAを使用。反応をメタノール中で行うが、共沸(大気圧中、100℃で約2時間)溶媒としてほぼ等モル量のエタノールまたはイソプロパノールを加える。この方法は、溶媒を除去するために、ラウリルグリシンナトリウムに対する水を約2.5:1(w:w)として使用する。
3.水によるストリッピング。反応をメタノール中で行い、水のみを使用してメタノールをストリッピング(大気圧中、100℃で約2時間)する。この方法は、メタノールを除去するために、ラウリルグリシンナトリウムに対する水を約7:1(w:w)として使用する。
N−アシルアミノ酸の調製:N−アシルグリシン塩粉末の単離
200mLのParr社製ステンレス鋼製反応装置にラウリン酸メチル(70.0g、0.315mol)、グリシンナトリウム(31.0g、0.317mol)、ナトリウムメトキシド(30重量%メタノール溶液、10.8g、0.060mol、ラウリン酸メチルの量を基準として19モル%)を仕込み、メタノール(50g、出発物質の仕込み量を基準として33重量%)を加える。反応装置を密閉して130℃に(50psigで)加熱し、200rpmで5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、圧力をゆっくりと開放する。
スラリーを生成するために、湿潤した粉末にメタノールを加える。次いでスラリーを目の粗い焼結ガラス漏斗を通して濾過し、メタノールで洗浄することによりN−アシルグリシン塩を粉末として回収する。オーブン(60℃)で一夜乾燥させた後の粉末は、メタノールも残留出発物質も基本的に含まない。濾液を濃縮し、ラウリン酸メチルおよび/またはグリシンナトリウムの比率を求めるために分析し、さらなるN−アシルグリシン塩を製造するために再使用する。
Figure 2016528284
Figure 2016528284
単相混合物の効果
Steposol(登録商標)C−42(ラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル混合物)および表3に特定したアミノ酸の塩を使用し、全体として、上に記載したN−アシルグリシン塩を製造するための手順に従った。
表3第2欄に示すように、グリシンを使用しなかった場合は、反応の成果が幾分安定しない。セリン塩およびアラニン塩をSteposol(登録商標)C−42およびアルコキシド塩基と組み合わせた場合は、出発物質の単相混合物が生成し、この混合物を反応させると、良好な転化率(67〜87%)でN−アシルアミノ酸塩に転化する。一方、他のアミノ酸塩を使用した場合は、Steposol(登録商標)C−42およびアルコキシド塩基を含む出発物質は2相混合物を形成し、この2相混合物の反応により得られる所望の生成物は50%以下である。
他の一連の実験においては、手順を改変し、列挙したアミノ酸塩およびアルコキシド塩基に加えて、グリシンナトリウムを30モル%(アミノ酸塩の総量を基準とする)を含有させる(表3第3欄)。この表に示すように、反応体であると同時に反応体の単相混合物の生成を助ける、添加されたグリシンナトリウムの存在下においては、転化率が劇的に増大する。
他の実験においては、グリシン塩を含有させることではなく、Steposol(登録商標)C−42およびアミノ酸塩の比率を変更することにより、同じく改変を行った。1つの群においては、メチルエステルを1.5:1のモル過剰として使用する(表3第4欄)。他の群においては、アミノ酸塩を1.5:1のモル過剰として使用する(表3第5欄)。興味深いことに、反応体のいずれかを過剰に用いることにより、モル比を1:1とした場合よりも優れた成果が得られる。転化率が顕著に改善される理由の少なくとも一部は、反応体のいずれかを過剰に使用することで出発物質の単相混合物を得ることが可能になることに起因しているであろう。
Figure 2016528284
先の実施例は例示のみを目的とするものである。次に示す特許請求の範囲に本発明を定める。

Claims (33)

  1. N−アシルアミノ酸塩を含む組成物を製造するために、脂肪酸アルキルエステルを、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モル%のアルコキシド触媒の存在下に、少なくとも5psigの圧力でアミノ酸塩と反応させることを含むプロセス。
  2. 前記触媒がC〜Cアルコキシドを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記触媒がナトリウムメトキシド/メタノールである、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記触媒が12〜50モル%の範囲の量で使用される、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記反応が5psig〜50psigの範囲の圧力で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記脂肪酸アルキルエステルがC〜C22メチルエステルである、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記アミノ酸塩が、グリシン、アラニン、グルタミン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択されるアミノ酸のアルカリ金属塩である、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記アミノ酸塩がグリシンのアルカリ金属塩である、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記反応が、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群から選択されるポリオールの存在下に行われる、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記反応が65℃〜200℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記反応が、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として1〜200重量%の添加されたアルコール溶媒の存在下に行われる、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記反応が、40〜80重量%の前記アルコール溶媒の存在下に行われる、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記アミノ酸塩から前記N−アシルアミノ酸塩への転化率が少なくとも85モル%である、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記N−アシルアミノ酸塩を含む20重量%水溶液のハーゼン単位色数が100未満である、請求項1に記載のプロセス。
  15. 請求項1に記載のプロセスにより製造されるN−アシルアミノ酸塩組成物。
  16. 副生成物であるアシル化物二量体の含有量が5モル%未満である、請求項15に記載のN−アシルアミノ酸塩組成物。
  17. 請求項15に記載のN−アシルアミノ酸塩組成物を含み、前記N−アシルアミノ酸塩の有効成分含有量が少なくとも20重量%である、水性処方。
  18. 前記N−アシルアミノ酸塩組成物のC〜Cアルコールスラリーを生成し、前記N−アシルアミノ酸塩を前記スラリーから回収し、前記N−アシルアミノ酸塩を乾燥させることにより、前記組成物中の未反応の出発物質から前記N−アシルアミノ酸塩を単離する、請求項1に記載のプロセス。
  19. 前記C〜Cアルコールがメタノールである、請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記N−アシルアミノ酸塩の回収に濾過が用いられ、得られた濾液から回収された未反応の出発物質が、さらなるN−アシルアミノ酸塩を製造するために再使用される、請求項18に記載のプロセス。
  21. 脂肪酸アルキルエステルと、アミノ酸塩と、脂肪酸アルキルエステルの量を基準として少なくとも10モル%のアルコキシド触媒とを含む単相混合物。
  22. アミノ酸塩の混合物を含む請求項21に記載の混合物であって、前記アミノ酸塩の混合物が、グリシン塩およびグリシン塩ではないアミノ酸塩を含み、前記アミノ酸塩の混合物が、前記グリシン塩を少なくとも20モル%含む、混合物。
  23. 前記グリシン塩ではないアミノ酸塩が、バリン、プロリン、グルタミン、リシンおよびサルコシンからなる群から選択されるアミノ酸から誘導される、請求項22に記載の混合物。
  24. アミノ酸塩の混合物を含む請求項21に記載の混合物であって、前記アミノ酸塩の混合物が、グリシン塩およびグリシン塩ではないアミノ酸塩を含み、前記アミノ酸塩の混合物が、前記グリシン塩を少なくとも30モル%含む、混合物。
  25. 前記脂肪酸アルキルエステルを少なくとも30モル%過剰で含む、請求項21に記載の混合物。
  26. 前記アミノ酸塩を少なくとも30モル%過剰で含む、請求項21に記載の混合物。
  27. 請求項21に記載の混合物を反応させることにより生成するN−アシルアミノ酸塩組成物。
  28. 前記アミノ酸塩が、グリシン塩およびグリシン塩ではないアミノ酸塩を含む混合物であり、前記塩混合物が、前記グリシン塩を少なくとも20モル%含む、請求項1に記載のプロセス。
  29. 前記アミノ酸塩が、グリシン塩およびグリシン塩ではないアミノ酸塩を含む混合物であり、前記塩混合物が、前記グリシン塩を少なくとも30モル%含む、請求項1に記載のプロセス。
  30. 前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩の総量を基準として少なくとも30モル%過剰で使用される、請求項1に記載のプロセス。
  31. 前記アミノ酸塩が、脂肪酸アルキルエステルおよびアミノ酸塩の総量を基準として少なくとも30モル%過剰で使用される、請求項1に記載のプロセス。
  32. 〜C22メチルエステルを、C〜C22メチルエステルの量を基準として少なくとも10モル%のアルコキシド触媒の存在下に、5psig〜30psigの範囲の圧力および65℃〜100℃の範囲の温度でグリシン塩と反応させることにより、N−アシルグリシン塩組成物を生成することを含む、プロセス。
  33. 前記N−アシルグリシン塩組成物のハーゼン単位色数が20未満であり、脂肪酸石鹸の含有量が5モル%以下であり、副生成物であるアシル化物二量体の含有量が1モル%以下である、請求項32に記載のプロセス。
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