JP2016199710A - 延焼防止部材及び延焼抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱時の高い膨張倍率、及び加熱後の十分な機械強度を有しながら、良好な可撓性を有する、延焼防止部材、及びこれを用いて、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法を提供する。【解決手段】防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するための延焼防止部材であって、(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続する構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材。【選択図】なし
Description
本発明は、防火設備に用いられる構造物に設置される延焼を抑制するための延焼防止部材、及び防火設備に用いられる構造物に設置される延焼防止部材を用いた延焼を抑制する方法に関する。ここに構造物とは防火戸、防火窓等を含む。
家屋、ビル、鉄道車両、船舶を含む建造物等の防火のためには種々の防火設備が従来用いられている。防火設備に用いられる構造物が、火災時に隙間(例えば、建造物における、扉と扉枠との隙間、窓と窓枠との隙間、屋根と壁との隙間、換気口等)を有すると、この隙間が気体(空気等)の通路並びに/又は炎及び熱の伝搬経路となって延焼が生じる場合がある。構造物を構成する部材自体が十分な防火性能を有している場合であっても、このような延焼が生じると、結果として建造物の十分な防火を実現できない。従って、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制することが望まれている。ここに、防火設備とは建築基準法等の各種規制に定められる防火設備を含む。
特許文献1は、エポキシ樹脂100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部及び無機充填剤50〜500重量部からなることを特徴とする耐火性樹脂組成物を記載する。
特許文献2は、熱可塑性樹脂に、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充填剤を含有してなり、それぞれの含有量が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部、無機充填剤が50〜500重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:100であることを特徴とする耐火性樹脂組成物を記載する。
特許文献3は、ブチルゴムを樹脂成分として含有し、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成する、常温で粘着性を有する熱膨張性シートの片面に、熱溶融性フィルム、金属箔ラミネートフィルム、金属蒸着フィルム又は金属箔から選ばれる基材層が積層され、該基材層の非積層面に離型処理が施されていることを特徴とする粘着性耐火シートを記載する。
特許文献4は、(A)水酸化アルミニウム粉末、(B)酸化チタン粉末、(C)ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂により被覆されたマイクロカプセル、(D)メラミン化合物粉末又はペンタエリスリトール粉末、(E)平均粒径が50〜200μmの熱膨張性黒鉛を含有することを特徴とする耐火用粉体を記載する。
特許文献5は、ポリウレタンに、少なくとも、ポリ燐酸アンモニウム、及び、水酸化アルミニウム若しくは水酸化マグネシウム、及び、多価アルコール系炭化層形成剤、及び、メラミン骨格を有する含窒素化合物、及び、膨張黒鉛を含有する難燃性付与材が含有されてなることを特徴とする難燃性樹脂組成物を記載する。
特許文献6は、(A)熱膨張性黒鉛、(B)ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂により被覆されてなるマイクロカプセル、(C)水酸化アルミニウム粉末、メラミン化合物粉末及びペンタエリスリトール粉末を含有することを特徴とする耐火用粉体を記載する。
特許文献1〜3は、いずれも耐火性の組成物を建築材の被覆等に用い、膨張断熱層を形成することに着目するものであり、構造物の隙間からの延焼の抑制には着目していない。加えて、特許文献1に記載される耐火性組成物はエポキシ樹脂を用いているため硬く、当該組成物を、例えば構造物の種々の形状に適合させたり巻物シートの形態で供給したりすることは困難である。また特許文献2は、使用できる熱可塑性樹脂としてポリエチレン系樹脂等を記載するが、当該文献では、例えば構造物の種々の形状に適合させたり巻物シートの形態で供給したりすることを可能にするような、良好な可撓性を有する部材の必要性には着目していない。また特許文献3に記載される粘着性耐火シートは、巻物として供給できるが、巻物からの展開を可能にするためには基材層の離型処理を必要とし、従って煩雑な製造工程を必要とするという欠点がある。
なお、特許文献4〜6には、ポリウレタン樹脂を含む防火組成物又は難燃性組成物が記載されているが、これら文献は、ポリウレタン樹脂を用いた製品自体を難燃化することに着目するものであって、既に存在する構造物に適用して当該構造物の延焼を抑制することは想定しない。またこれにより、特許文献4〜6に記載される組成物は、高い膨張倍率によって構造物の隙間を封止する作用を有するように設計されてはいない。
本発明者らは、構造物に対して延焼防止部材を適用し、当該延焼防止部材が加熱時の高い膨張倍率及び加熱後の十分な機械強度を示すようにすることによって、構造物の隙間を介した気体の流れ並びに炎及び熱の伝搬を抑制して構造物の延焼を抑制することに着目した。また、このように用いられる延焼防止部材に良好な可撓性を付与することによって、種々の形状の構造物に対して延焼防止部材を適用できるようにするとともに、延焼防止部材を例えば巻物シート等の取り扱い性に優れる形状で提供することに着目した。
従って本発明は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するために有用な延焼防止部材であって、加熱時の高い膨張倍率及び加熱後の十分な機械強度を有しながら良好な可撓性を有する延焼防止部材、及びこれを用いて、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法の提供を目的とする。
本発明の一態様は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するための延焼防止部材であって、
(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び
(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、
を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材を提供する。
本発明の別の態様は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法であって、上記延焼防止部材を、該構造物の少なくとも一部に配置することを含む、方法を提供する。
(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び
(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、
を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材を提供する。
本発明の別の態様は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法であって、上記延焼防止部材を、該構造物の少なくとも一部に配置することを含む、方法を提供する。
本発明によれば、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するために有用な延焼防止部材であって、加熱時の高い膨張倍率及び加熱後の十分な機械強度を有しながら良好な可撓性によって優れた取扱い性を与える延焼防止部材、及びこれを用いて、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法の提供が可能になる。
<延焼防止部材>
本開示は、一態様として、
(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び
(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、
を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材を提供する。
本開示は、一態様として、
(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び
(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、
を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材を提供する。
本開示の延焼防止部材は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するために有用である。延焼防止部材は、構造物の所望の位置に適用されることによって構造物により延焼を抑制できる。防火設備に用いられる構造物の例は、これらに限定されないが、例えば建造物における、扉及び扉枠の組合せ、窓及び窓枠の組合せ、屋根と壁の組み合わせ、通気口等である。典型的な態様において、延焼防止部材は、例えば約250℃超のような高温で加熱された際に、膨張し、かつその形態を大きく損なわずに維持することによって、構造物において、気体、炎及び熱を遮断するバリア層を形成できる。このようなバリア層によって延焼は抑制される。
本開示の延焼防止部材は、その成分組成に起因して良好な可撓性を有することができる。延焼防止部材の形状は、構造物と組合せることができれば種々可能である。構造物の形状に沿うように(すなわち構造物の形状に追随するように)設置された延焼防止部材は、特に良好な延焼防止性能を示すことができ有利である。また本開示の延焼防止部材は、例えば巻物シートの形状で容易に運搬でき、部材への貼り付け時の自動化等に有利である。
(A)ポリウレタンバインダー
(A)ポリウレタンバインダーを用いること(すなわちバインダーとしてポリウレタンを用いること)は、延焼防止部材に優れた可撓性を付与する点で有利である。本開示の延焼防止部材は、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対して約30質量部以上という多量の(B)膨張性黒鉛を含むにも関わらず可撓性に優れることができる。しかしながら、本部材は長期間にわたって使用されるため、耐水性を有している必要がある。
(A)ポリウレタンバインダーを用いること(すなわちバインダーとしてポリウレタンを用いること)は、延焼防止部材に優れた可撓性を付与する点で有利である。本開示の延焼防止部材は、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対して約30質量部以上という多量の(B)膨張性黒鉛を含むにも関わらず可撓性に優れることができる。しかしながら、本部材は長期間にわたって使用されるため、耐水性を有している必要がある。
したがって耐水性の観点から、(A)ポリウレタンバインダーとしては、炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールを使用できる。本開示で、炭素原子が10以上連続した構造とは、10以上の炭素原子が炭素−炭素結合によって結合している構造を意図する。炭素原子が連続した構造は、典型的には、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換の炭化水素鎖における炭素鎖であってよく、また分子中の主鎖又は側鎖であってよい。炭素原子が連続した構造は、長期間の安定的な耐水性の観点から、飽和炭化水素鎖における炭素鎖であることが好ましい。ポリオールは、炭素原子が連続した構造以外の構造にて存在している炭素原子をさらに有してもよい。
ポリウレタンポリマーは、1種でも2種以上のブレンド物でもよい。ポリウレタンポリマーは、典型的には、1種又は2種以上のポリオールと、1種又は2種以上のイソシアネートと、触媒とを含む反応成分(以下、単に反応成分ともいう。)から製造できる。
ポリオールは、例えばポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリアルキレンポリオール、及びポリエーテルポリオールからなる群から選ばれる1種以上であることができる。
好ましい態様において、ポリオールの水酸基価は、反応性の観点から約10mgKOH/g以上、又は約20mgKOH/g以上、又は約30mgKOH/g以上であり、可撓性の観点から、約500mgKOH/g以下、又は約300mgKOH/g以下、又は約200mgKOH/g以下である。
好ましい態様において、ポリオールの分子量は可撓性の観点から約200以上、又は約300以上、又は約400以上であり、組成物の流動性の観点から約10000以下、又は約7000以下、又は約5000以下である。
また、好ましい態様において、ポリオールの室温25℃において回転式粘度計で測定される粘度は、製造時の安全性を考慮し引火性の観点から約10mPa・s以上、又は約50mPa・s以上、又は約100mPa・s以上であり、組成物の流動性の観点から約50000mPa・s以下、又は約10000mPa・s以下、又は約5000mPa・s以下である。
炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールの好適な例は、ヒマシ油、変性ヒマシ油、変性カルダノール、ダイマー酸変性ジオール、ポリブタジエンジオール等である。これらのポリオールは疎水性であるため、延焼防止部材に優れた耐湿性を付与して延焼防止部材の耐候性に寄与する点で有利である。ポリオールの連続する炭素原子の数は、疎水性の観点からより好ましくは10以上、又は12以上であり、一方、粘度の観点から、好ましくは300以下、又は200以下である。なお、ポリオールの総炭素数は、20以上、又は50以上であってよく、また500以下、又は200以下であってよい。
特に好ましいポリオールの例は、炭素数12〜100のアルキル基を含有するポリオールであり、更に好ましい例は、ヒマシ油、変性ヒマシ油及びダイマー酸変性ジオールである。
ポリオールは市販品であってもよい。ELA−DR(精製ひまし油)、HS 1−160、HS 2G−120、HS 2G−160R、HS KA−001、HS 2T−1208、HS 3G−500B(ひまし油変性ポリオール、豊国製油(株)(大阪市八尾市)から市販で入手可能)、URIC H−30等の精製ひまし油、URIC HF1300、URIC H−1830及びURIC Y−403(以上、ひまし油変性ポリオール、伊藤製油(株)(三重県四日市市)から市販で入手可能)、URIC H−57、URIC AC−009及びURIC H−368(以上、芳香族変性ひまし油変性ポリオール、伊藤製油(株)から市販で入手可能)、Pripol2033(水素化ダイマージオール、クローダジャパン(株)(東京都千代田区)から市販で入手可能)、Nikanol Y100(キシレンレジン、フドー(株)(神奈川県横浜市)から市販で入手可能)、 NX−9001LV、GX−9005、GX−9007及びGX−9201(以上カルダノール変性ジオール、カードライト(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)等を例示できる。
好ましい態様において、炭素原子が10以上連続する構造を含有するポリオールの総ポリオール量に対する割合は、優れた耐湿性を得る観点から約60質量%以上、又は約80質量%以上、又は約90質量%以上である。
イソシアネートの好適な例は、芳香族含有液状ポリイソシアネート等である。中でも、芳香族含有液状ポリイソシアネートは、延焼防止部材の良好な強度に寄与する点で有利である。本開示で、「芳香族含有液状ポリイソシアネート」とは、芳香環を有するとともに、25℃において液状であるポリイソシアネートを意図する。
芳香族含有液状ポリイソシアネートの好適な例としては、ポリメリックMDI、TDI(トルエンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、PPDI(フェニレンジイソシアネート)、NDI(1,5−ジナフタレンイソシアネート)、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン等が挙げられる。中でも粘度および入手性の観点から好ましい例はポリメリックMDIである。これらは変性されていてもよい。
好ましい態様において、芳香族含有液状ポリイソシアネートの総イソシアネート量に対する割合は、良好な可撓性を得る観点から約70質量%以上、又は約80質量%以上、又は約90質量%以上である。
イソシアネートは市販品であってもよい。市販品としては、Sumidule 44V10、44V20、44V40(ポリメリックMDI、住化バイエルウレタン(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)、Milionate MTL(MDIカルボジイミド、日本ポリウレタン工業(株)東京都港区から市販で入手可能)、コロネートT65、T80、T100(TDI異性体混合物、日本ポリウレタン工業(株)(東京都港区)から市販で入手可能)、タケネート500(XDI、三井化学(株)(東京都港区)から市販で入手可能)等が挙げられる。
好ましい態様においては、(A)ポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続する構造を含有するポリオールに由来する構造及び芳香族含有液状ポリイソシアネートに由来する構造の両者を含む。
好ましい態様において、反応成分中のポリオールとイソシアネートとの量比は、NCO/OH比が約0.85以上、又は約0.9以上、又は約0.95以上、また約1.15以下、又は約1.1以下、又は約1.05以下となるように調整する。
触媒としては、ウレタンの重合に使用できることが知られている種々の触媒を1種又は2種以上の組合せで使用できる。例えば、3級アミン、アルミニウム、ビスマス、スズ、バナジウム、亜鉛、又はジルコニウムをベースとする触媒を使用できる。中でも、スズ含有触媒は活性が高いため少量の添加で反応速度を上げられる点から好ましい。触媒の使用量は、例えば、ポリオールとイソシアネートの合計100質量部に対して約0.001質量部以上、又は約0.01質量部以上であってよく、また約5質量部以下、又は約1質量部以下であってよい。
反応成分は、1種又は2種以上の添加剤を更に含んでいてよい。添加剤としては、ポリアミン等の鎖延長剤等を例示できる。一般にポリアミンはポリイソシアネートと反応し、ポリウレアを形成する。反応速度や硬度などの物性のコントロールをために使用される。添加剤の含有量は、例えば、ポリオールの量100質量部に対して約0.5質量部以上、又は約1質量部以上であってよく、また約10質量部以下、又は約5質量部以下であってよい。これらの添加タイミングは目的に応じて適宜選択してよい。例えば、好ましいポリアミンは常温で液状の芳香環を有するポリアミンであり、ETHACURE100(ジエチルメチルベンゼンジアミン、DETDA)、ETHACURE410(メチレンビスセカンダリブチルアニリン)(ともにアルべマール(株)(東京都千代田区)から市販で入手可能)等を使用することができる。
好ましい態様において、(A)ポリウレタンバインダーの、回転式粘度計を用いて25℃で測定される粘度は、延焼防止部材中で他の成分(特に(B)膨張性黒鉛)が良好に分散するようにする観点、及び延焼防止部材の製造容易性の観点から、約3000mPa・s以下、又は約1500mPa・s以下、又は約1000mPa・s以下である。
(B)膨張性黒鉛
本開示で、膨張性黒鉛とは、加熱時に膨張する特性を有する黒鉛を意図する。膨張性黒鉛は、典型的には、天然の鱗片状黒鉛の層間に層間化合物が挿入されたものである。このような膨張性黒鉛は、燃焼時の熱によって層間化合物がガスを発生させることで膨張できる。膨張した黒鉛は前述したバリア層の形成、従って延焼防止性能の発現に寄与する。膨張性黒鉛は、1種でも2種以上のブレンド物であってもよい。
本開示で、膨張性黒鉛とは、加熱時に膨張する特性を有する黒鉛を意図する。膨張性黒鉛は、典型的には、天然の鱗片状黒鉛の層間に層間化合物が挿入されたものである。このような膨張性黒鉛は、燃焼時の熱によって層間化合物がガスを発生させることで膨張できる。膨張した黒鉛は前述したバリア層の形成、従って延焼防止性能の発現に寄与する。膨張性黒鉛は、1種でも2種以上のブレンド物であってもよい。
好ましい態様において、(B)膨張性黒鉛の膨張開始温度は、延焼防止部材の耐熱性の観点から約130℃以上、又は約150℃以上、又は約180℃以上であり、火災時の良好な膨張の観点から、約400℃以下、又は約300℃以下、又は約250℃以下である。本開示で、膨張開始温度は、一定温度で30分間加熱したときに目視にて膨張が確認された時の温度の値である。なお温度間隔は10℃間隔で測定した。
好ましい態様において、(B)膨張性黒鉛の粒径は、膨張性の観点から、約10μm以上、又は約30μm以上、又は約50μm以上であり、組成物の可撓性の観点から、約1000μm以下、又は約500μm以下、又は約300μm以下である。本開示で、粒径は、メッシュによりふるい分けされた重量分布の平均から計算される値である。
膨張性黒鉛は市販品であってもよい。市販品としては、GREP−EG((株)鈴裕化学(茨城県守谷市)から市販で入手可能)、並びに、SYZR502、SYZR502FP、SYZR503、SYZR802及びSYZR803(以上、三洋貿易(株)(東京都千代田区)から市販で入手可能)、9532400A、9950200、9550250、955025L、9280170、95100150及び9510045(以上、伊藤黒鉛工業(株)(三重県桑名市)から市販で入手可能)等を例示できる。
(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(B)膨張性黒鉛の量は、良好な難燃性、及び加熱されたときの延焼防止部材の高い膨張倍率を得る観点から、約30質量部以上、又は約50質量部以上、又は約60質量部以上であり、延焼防止部材を製造する際の良好な成膜性の観点、及び良好な可撓性の観点から、約180質量部以下、又は約150質量部以下である。
延焼防止部材は、上記の(A)及び(B)の成分に加え、追加成分を含有できる。以下、追加成分の好適な例を挙げる。
追加成分(C)リン含有難燃剤
リン含有難燃剤としては、有機リン化合物、リン酸塩、赤リン等が挙げられる。難燃作用及び取扱い性の観点で、有機リン化合物は特に好適である。好適な有機リン化合物の例としては、リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、またホスフィン酸、ホスホン酸、亜リン酸、リン酸並びにそれらの金属塩及びアミン塩、等が挙げられる。リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、レゾルシノール(ビス)ジフェニルホスフェート及びビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が挙げられる。ポリリン酸塩エステルの具体例としては、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム及び被覆ポリリン酸アンモニウムが挙げられる。本開示で「被覆ポリリン酸アンモニウム」は、樹脂でのコーティング又はカプセル化により耐水性が改善されたポリリン酸アンモニウムを指す。ホスフィン酸の具体例は、ジイソオクチルホスフィン酸である。
リン含有難燃剤としては、有機リン化合物、リン酸塩、赤リン等が挙げられる。難燃作用及び取扱い性の観点で、有機リン化合物は特に好適である。好適な有機リン化合物の例としては、リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、またホスフィン酸、ホスホン酸、亜リン酸、リン酸並びにそれらの金属塩及びアミン塩、等が挙げられる。リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、レゾルシノール(ビス)ジフェニルホスフェート及びビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が挙げられる。ポリリン酸塩エステルの具体例としては、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム及び被覆ポリリン酸アンモニウムが挙げられる。本開示で「被覆ポリリン酸アンモニウム」は、樹脂でのコーティング又はカプセル化により耐水性が改善されたポリリン酸アンモニウムを指す。ホスフィン酸の具体例は、ジイソオクチルホスフィン酸である。
リン含有難燃剤は市販品であってもよい。市販品としては、Exolit AP422、AP462(ポリリン酸アンモニウム)、AP750(メラミン変性ポリリン酸アンモニウム)、OP1200、OP1312、OP930(ホスフィン酸金属塩)、OP550(リン含有ポリオール)、RP607(赤リン)(いずれもクラリアント社(東京都文京区)から入手可能)、FCP−770(被覆されたポリリン酸アンモニウム、(株)鈴裕化学(茨城県守谷市)から市販で入手可能)、アピノン303(リン酸グアニジニウム)、アピノン405(リン酸グアニル尿素、)、MPP−A(メラミンポリリン酸塩)(いずれも(株)三和ケミカル(神奈川県平塚市)から入手可能)、NcendXP−30(縮合リン酸エステル系)、AntiblazeMC(ポリリン酸アンモニウム)、AntiblazePI(ポリリン酸アンモニウム)、AntiblazeTMCP(トリス(1−クロロ−2−プロピル)リン酸塩)、Antiblaze195(トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート)、AntiblazeV−6(含ハロゲン縮合リン酸エステル)(いずれもアルベマーレ日本(株)(東京都千代田区)から入手可能)等が挙げられる。
(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(C)リン含有難燃剤の量は、良好な難燃性を得る観点から、約5質量部以上、又は約10質量部以上、又は約20質量部以上であり、耐水性の観点から、約70質量部以下、又は約60質量部以下、又は約50質量部以下である。
追加成分(D)分散剤
分散剤は、膨張性黒鉛や固体のリン系難燃剤等の充填物をポリウレタンバインダー中に充填する際に塗工に必要な粘度を確保するために適宜添加される。減粘効果を有する分散剤が有利に使用できる。一般に、分散剤は粒子の表面に部分的に吸着し、粒子間の1)電気的な反発、2)立体的な反発等により、粒子を凝集させずに安定化すると考えられている。分散剤は界面活性剤、カップリング剤等の低分子化合物、及び様々な官能基を有する高分子化合物に分類される。分散剤を粒子表面に吸着させるための官能基として、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、アミド基、エステル基、エーテル基等が挙げられる。
分散剤は、膨張性黒鉛や固体のリン系難燃剤等の充填物をポリウレタンバインダー中に充填する際に塗工に必要な粘度を確保するために適宜添加される。減粘効果を有する分散剤が有利に使用できる。一般に、分散剤は粒子の表面に部分的に吸着し、粒子間の1)電気的な反発、2)立体的な反発等により、粒子を凝集させずに安定化すると考えられている。分散剤は界面活性剤、カップリング剤等の低分子化合物、及び様々な官能基を有する高分子化合物に分類される。分散剤を粒子表面に吸着させるための官能基として、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、アミド基、エステル基、エーテル基等が挙げられる。
具体的には、界面活性剤タイプの分散剤としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、第一工業製薬(株)(京都府京都市)から入手可能なネオゲンシリーズ、ネオコールシリーズ、プライサーフシリーズ及びソルゲンシリーズ、花王(株)(東京都墨田区)から入手可能なレオドールシリーズ及びエキセルシリーズ、太陽化学(株)(三重県四日市市)から入手可能なチラバゾールシリーズ等が挙げられる。カップリング剤タイプとしては、信越化学工業(株)(東京都千代田区)から入手可能なシランカップリング剤KBMシリーズ及びKBEシリーズ、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(東京都港区)から入手可能なシランカップリング剤SILQUEST Silanesシリーズ、エボニック・ジャパン社(東京都新宿区)から入手可能なシランカップリング剤ダイナシランシリーズ、味の素ファインテクノ(株)(神奈川県川崎市)から入手可能なチタネート系及びアルミネート系のカップリング剤プレンアクトシリーズ等が挙げられる。高分子化合物タイプの分散剤としては、ビックケミージャパン社(東京都新宿区)から入手可能なDISPERBYKシリーズ、楠本化成(株)(東京都千代田区)から入手可能なDISPARLONシリーズ、共栄社化学(株)(大阪府大阪市)から入手可能なフローレンシリーズ、ニューセンチュリーコーティングス社(米国アリゾナ州)から入手可能なAgriSperseシリーズ、日油(株)(東京都渋谷区)から入手可能なマリアリムシリーズ等が挙げられる。
また分散剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また分散剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
リン含有分散剤は、延焼防止部材中で、(B)膨張性黒鉛及び(C)リン含有難燃剤を良好に分散させ粘度を下げることができるため特に好ましい。リン含有分散剤としては、リン酸塩エステル系分散剤、リン酸エステル系分散剤等が挙げられる。市販品としては、Disperbyk140及びDisperbyk145(リン酸エステル塩系分散剤、ビックケミージャパン(株)(東京都新宿区)から市販で入手可能)、PhosmerM及びPhosmerPE(アシッド・ホスホキシアルキル・メタアクリレート、ユニケミカル(株)(奈良県生駒郡三郷町)から市販で入手可能)、プライサーフA212C、AL、A208F、A208N、M208F及びDOM(第一工業製薬(株)(京都府京都市)から市販で入手可能)等を例示できる。
好ましい態様において、延焼防止部材中の、(A)ポリウレタンバインダー以外の成分100質量部に対するリン含有分散剤の含有量は、これらの成分の分散性向上効果を良好に得る観点から、約0.1質量部以上、又は約0.2質量部以上、又は約0.5質量部以上であり、耐水性の観点から、約10質量部以下、又は約5質量部以下、又は約3質量部以下である。
追加成分(E)脱水剤
さらに、好ましい追加成分として脱水剤を挙げることができる。脱水剤は延焼防止部材を製造する際に組成物中の水分とイソシアネートとの反応による発泡を調整することができる。脱水剤としては、具体的にはシリカゲル、モレキュラーシーブ等のゼオライト類、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を挙げることができる。分散性において特にゼオライトが好ましい。延焼防止部材中の、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(E)脱水剤の含有量は、例えば約0質量部以上、又は約2質量部以上であってよく、また約20質量部以下、又は約10質量部以下であってよい。
さらに、好ましい追加成分として脱水剤を挙げることができる。脱水剤は延焼防止部材を製造する際に組成物中の水分とイソシアネートとの反応による発泡を調整することができる。脱水剤としては、具体的にはシリカゲル、モレキュラーシーブ等のゼオライト類、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を挙げることができる。分散性において特にゼオライトが好ましい。延焼防止部材中の、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(E)脱水剤の含有量は、例えば約0質量部以上、又は約2質量部以上であってよく、また約20質量部以下、又は約10質量部以下であってよい。
追加成分(F)無機中空粒子
好ましい追加成分として、無機中空粒子を更に使用してもよい。無機中空粒子は、それ自体が不燃性であり、真比重が小さいことから、延焼防止部材を軽量化することができるため、製造時の負荷が小さいという利点を与える。無機中空粒子としては中空ガラス、セラミックバブルス等を例示でき、グラスバブルス(スリーエムジャパン(株)(東京都品川区))、ウィンライト(シラスバルーン、(株)アクシーズケミカル(鹿児島県鹿児島市))、ハードライト(パーライトバルーン、昭和化学工業(株)(東京都目黒区))等として市販で入手することができる。延焼防止部材中の、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(F)無機中空粒子の含有量は、例えば約0質量部以上約50質量部以下であってよい。
好ましい追加成分として、無機中空粒子を更に使用してもよい。無機中空粒子は、それ自体が不燃性であり、真比重が小さいことから、延焼防止部材を軽量化することができるため、製造時の負荷が小さいという利点を与える。無機中空粒子としては中空ガラス、セラミックバブルス等を例示でき、グラスバブルス(スリーエムジャパン(株)(東京都品川区))、ウィンライト(シラスバルーン、(株)アクシーズケミカル(鹿児島県鹿児島市))、ハードライト(パーライトバルーン、昭和化学工業(株)(東京都目黒区))等として市販で入手することができる。延焼防止部材中の、(A)ポリウレタンバインダー100質量部に対する(F)無機中空粒子の含有量は、例えば約0質量部以上約50質量部以下であってよい。
その他の追加成分として、無機化合物を使用することができる。これらは様々な目的で使用されうる。例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物は高温時の脱水反応を利用した難燃剤として作用し、また炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等はそれ自体不燃性であり、延焼防止部材のコストを下げることができる。さらに、ホウ酸亜鉛、メラミン化合物、ナノクレイ等のリン系以外の難燃剤、着色剤、老化防止剤等を例示できる。
延焼防止部材を製造する方法は種々可能である。例えば、(A)ポリウレタンバインダーの原料であるポリオールと、延焼防止部材の他の成分とを混合した後、さらにポリウレタンバインダーの硬化成分となるポリイソシアネートを混合し、得られた混合物を反応させることによって、延焼防止部材を得ることができる。より好ましい製造方法として、例えば2つの離型性のあるフィルム状基材の間に前記混合物を塗布し、得られた積層物を所望の厚みの隙間に通すことにより均一なシートを作製し、さらに加熱オーブン中で加熱硬化した後、フィルム状基材を剥離除去することで、シート状の延焼防止部材を得ることができる。さらに上記2つのフィルム状基材の少なくとも片方に粘着テープを使用すると、粘着剤が付与されたシート状延焼防止部材を作製することができる。
延焼防止部材の形状としては、シート、ブロック等を例示できる。構造物の種々の形状に沿うように適用できる点、及び運搬及び施工が容易である点で、シートが好ましい。中でも、運搬及び施工の容易性の点で巻物シートが好ましい。
延焼防止部材が機能するためには、構造物において火災時に存在する隙間を埋める必要がある。したがって延焼防止部材の初期厚み及び膨張倍率は、延焼防止部材の膨張後の大きさが当該隙間よりも十分に大きくなるように制御される。
好ましい態様において、延焼防止部材の厚みは、良好な延焼防止性能を得る観点から、約0.3mm以上、又は約0.5mm以上、又は約0.8mm以上であり、可撓性の利点を良好に得る観点および設置場所の制限から、約10mm以下、又は約5mm以下、又は約3mm以下である。このような厚みの延焼防止部材はシート、好ましくは巻物シートとして供給できる。
好ましい態様において、延焼防止部材の加熱時の膨張倍率は、良好な延焼防止性能を得る観点から、約10倍以上、又は約15倍以上、又は約20倍以上であり、膨張後の形状維持の観点から、約50倍以下、又は約40倍以下、又は約30倍以下である。
好ましい態様において、延焼防止部材のガラス転移温度(Tg)は、良好な可撓性を得る観点から、約50℃以下、又は約40℃以下、又は約25℃以下、又は約20℃以下であり、延焼防止部材の良好な機械強度を得る観点から、約−40℃以上、又は約−30℃以上、又は約−20℃以上である。延焼防止部材の厚みが比較的大きくなると、ガラス転移温度がより低い方が延焼防止部材の可撓性の点では有利である。このような観点で、例えば延焼防止部材の厚みが約0.3mm以上、又は約0.5mm以上、又は約0.8mm以上である場合、ガラス転移温度は、好ましくは約25℃以下、又は約20℃以下であることができる。
好ましい態様において、延焼防止部材のショアA硬度は、良好な機械強度を得る観点から、約20以上、又は約30以上、又は約40以上であり、良好な可撓性を得る観点から、約80以下、又は約75以下、又は約70以下である。
好ましい態様において、延焼防止部材の貯蔵弾性率は、べたつき防止による取り扱い性の観点および良好な機械強度を得る観点から、約0.1MPa以上、又は約0.5MPa以上、又は約1.0MPa以上であり、良好な可撓性を得る観点から、約100MPa以下、又は約50MPa以下、又は約10MPa以下である。
延焼防止部材の加熱後の残渣残存率はできるだけ高い方が望ましい。好ましい態様において、残渣残存率は、良好な延焼防止能を発揮する観点で、約60%以上、又は約70%以上である。
なお上述の各特性値は、本開示の[実施例]の項に記載する方法、又はこれと同等であることが当業者に理解される方法で測定される値である。
延焼防止部材は、空隙が存在する、あるいは高温時に空隙が発生する場所に配置され、高温にさらされた際に空隙を満たすように膨張し、炎を遮断することで延焼を防止する。延焼防止部材の配置方法としては、構造物の空隙部に挿入し密閉する方法、構造物における基材に対しタッカー等で直接固定する方法、粘着剤により構造物に貼り付ける方法等がある。
延焼防止部材を、空隙部に挿入し密閉する方法、及び基材に対しタッカー等で直接固定する方法の場合には、延焼防止部材の少なくとも片面に滑り性のよい材料の層(本開示で、滑り層ともいう。)が積層されていることが好ましい。滑り性のよい材料としては、樹脂フィルム、紙、金属箔等が使用でき、厚みは約1μm〜約50μmが好ましい。
延焼防止部材を粘着剤により貼り付ける方法の場合には、延焼防止部材に直接又は基材を介して、粘着層が設けられていることが好ましい。粘着層を構成する粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤を使用することが可能である。例えば、アクリル系粘着剤としては、イソオクチルアクリレート/アクリル酸系粘着剤、ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート系粘着剤等を例示できる。
好ましい態様において、延焼防止部材の剥離力は、構造物に延焼防止部材を良好に固定する観点から、約1N/cm以上、又は約3N/cm以上、又は約5N/cm以上である。本開示で、剥離力は、300mm/分の速度でJIS Z 0237(2009年度版)に準拠して測定される値である。
<延焼抑制方法>
本開示はまた、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法であって、前述の本開示に係る延焼防止部材を、該構造物の少なくとも一部に配置することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法であって、前述の本開示に係る延焼防止部材を、該構造物の少なくとも一部に配置することを含む、方法を提供する。
構造物としては前述で列挙したようなものが挙げられる。延焼防止部材は、構造物において、少なくとも、気体の通路、並びに炎及び熱の伝搬経路となる可能性がある部位に配置するのがよい。例えば、扉の扉枠に対向する部位及び/又は扉枠の扉に対向する部位、窓の窓枠に対向する部位及び/又は窓枠の窓に対向する部位、換気口と対向する屋根材、換気口と対向する壁材等に延焼防止部材を配置できる。
好ましい態様において、延焼防止部材はシートである。好ましい態様においては、シートである延焼防止部材を構造物の形状に沿って当該構造物に固定することによって、延焼防止部材を構造物の少なくとも一部に配置する。延焼防止部材を構造物の形状に沿って当該構造物に固定する方法としては、前述の、空隙部に挿入し密閉する方法、基材に対しタッカー等で直接固定する方法、粘着剤により貼り付ける方法等が挙げられる。例えば、構造物の延焼防止部材を配置する面が曲面であれば、延焼防止部材をその曲面に沿うように配置して固定することができる。
接着固定の方法としては、延焼防止部材及び/又は構造物に接着剤を適用した後に延焼防止部材と構造物とを貼り合せる方法、予め接着剤(例えば粘着剤)が付与された延焼防止部材を用い、該接着剤を構造物に接着する方法等を例示できる。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な態様を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
<材料>
(ポリオール)
Nikanol Y100(キシレンレジン、水酸基価25mgKOH/g、粘度100mPa・s、フドー(株)(神奈川県横浜市)から市販で入手可能)
HS 3G−500B(ひまし油変性ポリオール、水酸基価50mgKOH/g、粘度2200mPa・s、豊国製油(株)から市販で入手可能)
Pripol2033(水素化ダイマージオール、水酸基価207mgKOH/g、粘度2500mPa・s、クローダジャパン(株)から市販で入手可能)
URIC H−30(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度690mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC HF1300(ひまし油変性ポリオール、水酸基価90mgKOH/g、粘度210mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC Y−403(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度220mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC Y−406(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度250mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC AC−009(芳香族変性ひまし油変性ポリオール、水酸基価225mgKOH/g、粘度1550mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
P2010(メチルペンタンジオールアジピン酸ポリエステルポリオール、水酸基価55mgKOH/g、粘度5700mPa・s、Mw2000、(株)クラレから市販で入手可能)
P510(メチルペンタンジオールアジピン酸ポリエステルポリオール、水酸基価219mgKOH/g、粘度510mPa・s、Mw500、(株)クラレ(東京都千代田区)から市販で入手可能)
(ポリオール)
Nikanol Y100(キシレンレジン、水酸基価25mgKOH/g、粘度100mPa・s、フドー(株)(神奈川県横浜市)から市販で入手可能)
HS 3G−500B(ひまし油変性ポリオール、水酸基価50mgKOH/g、粘度2200mPa・s、豊国製油(株)から市販で入手可能)
Pripol2033(水素化ダイマージオール、水酸基価207mgKOH/g、粘度2500mPa・s、クローダジャパン(株)から市販で入手可能)
URIC H−30(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度690mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC HF1300(ひまし油変性ポリオール、水酸基価90mgKOH/g、粘度210mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC Y−403(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度220mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC Y−406(ひまし油変性ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、粘度250mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
URIC AC−009(芳香族変性ひまし油変性ポリオール、水酸基価225mgKOH/g、粘度1550mPa・s、伊藤製油(株)から市販で入手可能)
P2010(メチルペンタンジオールアジピン酸ポリエステルポリオール、水酸基価55mgKOH/g、粘度5700mPa・s、Mw2000、(株)クラレから市販で入手可能)
P510(メチルペンタンジオールアジピン酸ポリエステルポリオール、水酸基価219mgKOH/g、粘度510mPa・s、Mw500、(株)クラレ(東京都千代田区)から市販で入手可能)
(イソシアネート)
Sumidule 44V10(ポリマーMDI、イソシアネート(NCO)当量31%、粘度130mPa・s、住化バイエルウレタン(株)から市販で入手可能)
Milionate MTL(MDIカルボジイミド、イソシアネート(NCO)当量29%、粘度50mPa・s、日本ポリウレタン工業(株)から市販で入手可能)
なお上記粘度は回転粘度計で測定される値である。
Sumidule 44V10(ポリマーMDI、イソシアネート(NCO)当量31%、粘度130mPa・s、住化バイエルウレタン(株)から市販で入手可能)
Milionate MTL(MDIカルボジイミド、イソシアネート(NCO)当量29%、粘度50mPa・s、日本ポリウレタン工業(株)から市販で入手可能)
なお上記粘度は回転粘度計で測定される値である。
(膨張性黒鉛)
SYZR502(粒径300μm、膨張開始温度180℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR503(粒径300μm、膨張開始温度300℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR802(粒径180μm、膨張開始温度180℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR803(粒径180μm、膨張開始温度300℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
GREP−EG(粒径500μm、膨張開始温度300℃、(株)鈴裕化学から市販で入手可能)
SYZR502(粒径300μm、膨張開始温度180℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR503(粒径300μm、膨張開始温度300℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR802(粒径180μm、膨張開始温度180℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
SYZR803(粒径180μm、膨張開始温度300℃、三洋貿易(株)から市販で入手可能)
GREP−EG(粒径500μm、膨張開始温度300℃、(株)鈴裕化学から市販で入手可能)
(リン含有難燃剤)
FCP−770(被覆ポリリン酸アンモニウム、粒径10μm、(株)鈴裕化学から市販で入手可能)
Exolit422(ポリリン酸アンモニウム、粒径10μm、クラリアント(株)から市販で入手可能)
FCP−770(被覆ポリリン酸アンモニウム、粒径10μm、(株)鈴裕化学から市販で入手可能)
Exolit422(ポリリン酸アンモニウム、粒径10μm、クラリアント(株)から市販で入手可能)
(分散剤)
Disperbyk145(リン酸エステル塩系分散剤、酸価76mgKOH/g、アミン価71mgKOH/g、ビックケミージャパン(株)から市販で入手可能)
プライサーフA212C(リン酸部分エステル、第一工業製薬 (株)から市販で入手可能)
Disperbyk145(リン酸エステル塩系分散剤、酸価76mgKOH/g、アミン価71mgKOH/g、ビックケミージャパン(株)から市販で入手可能)
プライサーフA212C(リン酸部分エステル、第一工業製薬 (株)から市販で入手可能)
(ゼオライト)
モレキュラーシーブ4A (パウダー、巴工業(株)(東京都品川区)から市販で入手可能)
モレキュラーシーブ4A (パウダー、巴工業(株)(東京都品川区)から市販で入手可能)
(無機中空粒子)
GB K17(ガラス微小中空球、真比重0.37g/ml、粒径0.045mm、スリーエムジャパン(株)(東京都品川区)から市販で入手可能)
ウィンライトMSB−3011(パーライトバルーン、真比重0.9g/ml、粒径0.1mm、林化成(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)
ハードライトB−05S(パーライトバルーン、真比重0.8g/ml、粒径0.06mm、アクシーズケミカル(株)(鹿児島県鹿児島市)から市販で入手可能)
GB K17(ガラス微小中空球、真比重0.37g/ml、粒径0.045mm、スリーエムジャパン(株)(東京都品川区)から市販で入手可能)
ウィンライトMSB−3011(パーライトバルーン、真比重0.9g/ml、粒径0.1mm、林化成(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)
ハードライトB−05S(パーライトバルーン、真比重0.8g/ml、粒径0.06mm、アクシーズケミカル(株)(鹿児島県鹿児島市)から市販で入手可能)
(無機フィラー)
CaCO3 ♯1(炭酸カルシウム1級、三共製粉(株)(岡山県新見市)から市販で入手可能)
MgCO3(炭酸マグネシウム、ナイカイ商事(株)(東京都港区)から市販で入手可能)
CaCO3 ♯1(炭酸カルシウム1級、三共製粉(株)(岡山県新見市)から市販で入手可能)
MgCO3(炭酸マグネシウム、ナイカイ商事(株)(東京都港区)から市販で入手可能)
<延焼防止部材サンプルの作製>
[実施例1]
A部(イソシアネート硬化剤)
Sumidule44V10 2.0gを用いた。
B部(ベースレジン)
2.0gのHS 3G−500B、3.0gのPripol2033及び3.0gのY−100(以上、ポリオールとして)、並びに0.2gのDisperbyk145(分散剤として)をプラスチック容器内でよく混合した。次いで、3.0gのFCP−770(難燃剤として)、4.0gのGREP−EG及び3.0gのSYZR802(以上、膨張性黒鉛として、並びに0.3gのゼオライト4Aを容器内に加え、遊星遠心ミキサーで、2分間、2000rpmにて混合した。
A部とB部とを、遊星遠心ミキサーで2分間、2000rpmにて混合し、1.5分間減圧して、材料組成物を得た。
[実施例1]
A部(イソシアネート硬化剤)
Sumidule44V10 2.0gを用いた。
B部(ベースレジン)
2.0gのHS 3G−500B、3.0gのPripol2033及び3.0gのY−100(以上、ポリオールとして)、並びに0.2gのDisperbyk145(分散剤として)をプラスチック容器内でよく混合した。次いで、3.0gのFCP−770(難燃剤として)、4.0gのGREP−EG及び3.0gのSYZR802(以上、膨張性黒鉛として、並びに0.3gのゼオライト4Aを容器内に加え、遊星遠心ミキサーで、2分間、2000rpmにて混合した。
A部とB部とを、遊星遠心ミキサーで2分間、2000rpmにて混合し、1.5分間減圧して、材料組成物を得た。
上記で得た材料組成物をシリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み50μm、SP−PET、パナック(株)(東京都港区)から市販で入手可能)上に塗布し、別のシリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み50μm、東セロ(株)(東京都千代田区)から市販で入手可能)を被せた。得られた積層物を1.1mmのギャップに通し、25℃で24時間硬化させて、上記材料組成物に由来する厚み1.0mmの層を形成した。この層の両面から上記のポリエステルフィルムを剥離除去して、実施例1に係る延焼防止部材サンプルを得た。
[実施例2〜14、比較例1〜4]
材料含有量を表1に示すとおりに変更した他は実施例1と同様に延焼防止部材サンプルを作製した(実施例2〜14及び比較例1〜3)。また、市販で入手可能な製品「Fiblock」(厚み1.6mmのエポキシ系シート、積水化学工業(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)(比較例4)を、比較の延焼防止部材サンプルとして用意した。
材料含有量を表1に示すとおりに変更した他は実施例1と同様に延焼防止部材サンプルを作製した(実施例2〜14及び比較例1〜3)。また、市販で入手可能な製品「Fiblock」(厚み1.6mmのエポキシ系シート、積水化学工業(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)(比較例4)を、比較の延焼防止部材サンプルとして用意した。
<延焼防止部材層を有するテープの作製>
[実施例15〜17]
実施例12で用いたのと同じ材料組成物を用い、シリコーン処理済ポリエステルフィルムの代わりに表2に示す層構成のテープを作製した。実施例15の場合を例示する。材料組成物をシリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み38μm、A31、帝人(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)のシリコーン未処理面上に塗布し、シリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み38μm、A31、帝人(株)から市販で入手可能)のシリコーン処理面を被せた。得られた積層物を1.08mmのギャップに通し、125℃で10分間硬化させて、上記材料組成物に由来する厚み1.0mmの層を形成した。この層の片面から上記のポリエステルフィルムを剥離除去して、上の手順で、延焼防止部材層を有するテープサンプルを得た。なお実施例17では、粘着剤付きテープを作製した後、テープ上に延焼防止部材層を作製した。
[実施例15〜17]
実施例12で用いたのと同じ材料組成物を用い、シリコーン処理済ポリエステルフィルムの代わりに表2に示す層構成のテープを作製した。実施例15の場合を例示する。材料組成物をシリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み38μm、A31、帝人(株)(大阪府大阪市)から市販で入手可能)のシリコーン未処理面上に塗布し、シリコーン処理済ポリエステルフィルム(厚み38μm、A31、帝人(株)から市販で入手可能)のシリコーン処理面を被せた。得られた積層物を1.08mmのギャップに通し、125℃で10分間硬化させて、上記材料組成物に由来する厚み1.0mmの層を形成した。この層の片面から上記のポリエステルフィルムを剥離除去して、上の手順で、延焼防止部材層を有するテープサンプルを得た。なお実施例17では、粘着剤付きテープを作製した後、テープ上に延焼防止部材層を作製した。
<評価>
各サンプルについて、以下の評価を行った。
(1)膨張倍率
各サンプルから、ポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をアルミナ板上に置き、円筒スチール管を被せた。該板をオーブンに入れ、370℃で15分間保持して、試験片を熱膨張させた。該板をオーブンから取り出して放冷した。スチール管を取り除き、膨張した試験片の高さをノギスで測定した。膨張倍率=膨張後の高さ/初期高さ、に従って膨張倍率を算出した。
各サンプルについて、以下の評価を行った。
(1)膨張倍率
各サンプルから、ポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をアルミナ板上に置き、円筒スチール管を被せた。該板をオーブンに入れ、370℃で15分間保持して、試験片を熱膨張させた。該板をオーブンから取り出して放冷した。スチール管を取り除き、膨張した試験片の高さをノギスで測定した。膨張倍率=膨張後の高さ/初期高さ、に従って膨張倍率を算出した。
(2)残渣残存率
上記(1)と同様に、各サンプルからポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をアルミナ板上に置き、円筒スチール管を被せた。該板をオーブンに入れ、370℃で15分間保持して、試験片を熱膨張させた。該板をオーブンから取り出して放冷した。スチール管を取り除き、膨張した試験片の重量を測定した。残渣残存率=膨張後の重量/初期重量、に従って残渣残存率を算出した。
上記(1)と同様に、各サンプルからポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をアルミナ板上に置き、円筒スチール管を被せた。該板をオーブンに入れ、370℃で15分間保持して、試験片を熱膨張させた。該板をオーブンから取り出して放冷した。スチール管を取り除き、膨張した試験片の重量を測定した。残渣残存率=膨張後の重量/初期重量、に従って残渣残存率を算出した。
(3)可撓性
各サンプルから、長さ100mm×幅25mmの試験片を切り出した。試験片を1インチコアに巻き付け、クラック又は他の問題が試験片に生じたか否かを観察した。
各サンプルから、長さ100mm×幅25mmの試験片を切り出した。試験片を1インチコアに巻き付け、クラック又は他の問題が試験片に生じたか否かを観察した。
(4)耐湿性
各サンプルから、ポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をスチール製の軟膏缶の上に置き、高加速寿命試験装置(PC−304R8、平山製作所製(埼玉県春日部市))を用いて121℃、湿度100%、72時間の条件で評価した。装置から取り出し、24時間後の外観を目視で観察した。
各サンプルから、ポンチを用いて25mmφの試験片を切り出した。試験片をスチール製の軟膏缶の上に置き、高加速寿命試験装置(PC−304R8、平山製作所製(埼玉県春日部市))を用いて121℃、湿度100%、72時間の条件で評価した。装置から取り出し、24時間後の外観を目視で観察した。
(5)粘弾性特性
各サンプルから、長さ3.5cm×幅0.5cmの試験片を切り出した。動的粘弾性測定装置を用い、試験片のガラス転移温度(Tg)を測定した。Tgは、周波数1Hz、引張モードで、昇温速度5℃/分にて得られる貯蔵弾性率(E’)/損失弾性率(E”)のtanδをプロットして得たピーク温度をTgとした。
また、室温付近(25℃)における貯蔵弾性率も記録した。
各サンプルから、長さ3.5cm×幅0.5cmの試験片を切り出した。動的粘弾性測定装置を用い、試験片のガラス転移温度(Tg)を測定した。Tgは、周波数1Hz、引張モードで、昇温速度5℃/分にて得られる貯蔵弾性率(E’)/損失弾性率(E”)のtanδをプロットして得たピーク温度をTgとした。
また、室温付近(25℃)における貯蔵弾性率も記録した。
(6)接着力
実施例17で作製した粘着剤付きシートサンプルを10mm幅、100mm長さにスリットし、SUS304の板(20mm幅、120mm長さ)に貼り付け、2kgゴムローラーで1往復した。次いで180度方向に剥離した時の剥離力をテンシロン(Toyo Baldwin Co.Ltd.RTM−100)を用いて、引張速度300mm/分で25℃において測定した。3つのサンプルについて測定した平均の値は2.9N/cmであった。
実施例17で作製した粘着剤付きシートサンプルを10mm幅、100mm長さにスリットし、SUS304の板(20mm幅、120mm長さ)に貼り付け、2kgゴムローラーで1往復した。次いで180度方向に剥離した時の剥離力をテンシロン(Toyo Baldwin Co.Ltd.RTM−100)を用いて、引張速度300mm/分で25℃において測定した。3つのサンプルについて測定した平均の値は2.9N/cmであった。
本開示の延焼防止部材は長期に亘り使用される場合が多く、設置場所によっては風雨にさらされる場合も考えられる。炭素原子が10以上連続した構造を含有するポリオールを含まないウレタンバインダーを用いた比較例1では、樹脂が分解し耐湿性が十分でなかったため、十分な使用には耐えられないと推定できる。膨張性黒鉛の配合量が少な過ぎる比較例2では膨張倍率が低く、膨張性黒鉛の配合量が多すぎる比較例3では粘度が高すぎるため均一なシートを作製することが困難であった。また市販品の比較例4は常温で硬いため、曲げることが困難であった。このような部材は、構造物の曲率の高い部分に適用することは困難であり、またロール状物として提供することも難しい。
本開示に係る延焼防止部材は、防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するために有用である。
Claims (6)
- 防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制するための延焼防止部材であって、
(A)ポリウレタンバインダー:100質量部、及び
(B)膨張性黒鉛:30質量部以上180質量部以下、
を含み、(A)のポリウレタンバインダーは、炭素原子が10以上連続する構造を含有するポリオールに由来する構造を含む、延焼防止部材。 - 前記延焼防止部材が、ガラス転移温度25℃以下を有し、さらにリン含有難燃剤を含む、請求項1に記載の延焼防止部材。
- 巻物シートである、請求項1又は2に記載の延焼防止部材。
- 厚み0.3mm以上10mm以下を有する、請求項3に記載の延焼防止部材。
- 防火設備に用いられる構造物により延焼を抑制する方法であって、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の延焼防止部材を、前記構造物の少なくとも一部に配置することを含む、方法。 - 前記延焼防止部材がシートであり、
前記延焼防止部材を前記構造物の形状に沿って前記構造物に固定することによって、前記延焼防止部材を前記構造物の少なくとも一部に配置する、請求項5に記載の方法。
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