JP7142139B1 - 熱膨張性耐火材 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張性や、形状保持性、曲面にも追従する可撓性、難燃性を損なわずに、挿通性に優れる熱膨張性耐火材を提供する。
【解決手段】本発明によれば、マトリクスポリマー100質量部、熱膨張性黒鉛5~400質量部、無機リン酸系化合物1~400質量部を含有し、前記マトリクスポリマーがエラストマーを含み、前記熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が20未満である、熱膨張性耐火材が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性を有する耐火材に関する。
火災発生等の際に、加熱により膨張し延焼を防止することのできる耐火材が知られている。このような熱膨張性を有する耐火材として、例えば、特許文献1には、マトリクス樹脂に熱膨張性黒鉛を含有したものが示されている。
また、近年では、住宅等の構造物の開口部に使用する窓、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、および欄間等の建具に要求される性能の一つに防火性能があり、防火性能を高めるために、建具に熱膨張性耐火材を装着することが行われている。例えば、特許文献2には、防火性樹脂サッシの開口枠体を構成する枠材の内部に、熱膨張性耐火材を挿入することが記載されている。
特開2018-100410号 特開2005-9304号
熱膨張性耐火材には熱により膨張する材料が配合されており、膨張することで隙間を埋め、延焼や防煙の役目を果たす。そのために、従来の耐火材には、熱膨張性、加熱後の形状安定性、曲面にも追従する可撓性、および難燃性が要求されていた。
しかしながら、近年、防火性樹脂サッシの開口枠体を構成する枠材の内部や軒裏の換気部に設置される軒裏換気部材の内部にも熱膨張性耐火材が使用されるようになり、枠材や軒裏換気部材の長手方向に沿って熱膨張性耐火材を挿通する際、熱膨張性耐火材が柔らかいと、自重によりたわみが生じてしまい、挿通が困難な場合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱膨張性や、形状保持性、曲面にも追従する可撓性、難燃性を損なわずに、挿通性に優れる熱膨張性耐火材を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、特定のアスペクト比を有する熱膨張性黒鉛を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、マトリクスポリマー100質量部、熱膨張性黒鉛5~400質量部、無機リン酸系化合物1~400質量部を含有し、前記マトリクスポリマーがエラストマーを含み、前記熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が20未満である、熱膨張性耐火材が提供される。
本発明の耐火材によれば、熱膨張性、形状保持性、可撓性、難燃性を損なわずに、優れた挿通性が得られる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<耐火材>
本実施形態の耐火材は、熱膨張性、形状保持性、可撓性、難燃性が優れていることに加えて、挿通性も優れている。このため、本実施形態の耐火材は、細長い空間に挿通させて設置する用途に好適に使用できる。また、本実施形態の耐火材を設置する対象としては、窓、障子、扉、ドア、戸、ふすま、及び欄間、サッシ等の建具や、軒裏換気部材などが挙げられ、これらの耐火性を高める用途に好適に用いられる。さらに、建具や軒裏換気部材に設けられた細長い空間内に本実施形態の耐火材を挿通させて耐火材を設置するような用途に好適に使用できる。
本実施形態の耐火材は、マトリクスポリマーと、熱膨張性黒鉛と、無機リン系化合物と、繊維状化合物と、を含む。この耐火材は、一例では、シート状の耐火シートである。耐火シートの厚さは、例えば1~10mmである。耐火シートをロール状に巻いて耐火シートロールとして保管や運搬をしてもよい。なお、耐火材は、用途に合わせた形状に成型した成型品であってもよい。
耐火材は、例えば200℃以上で熱膨張を開始し強固な断熱層を形成することによって耐火性能を発揮する。耐火材の膨張倍率は、3~30倍が好ましく、5~25倍がより好ましく、7~20倍がさらに好ましい。
以下、耐火材の各成分について説明する。
<マトリクスポリマー>
マトリクスポリマーは、エラストマーを含む。エラストマーとしては、ゴムや熱可塑性エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラストマーは、加熱によって軟化し流動性を示す性質を有するエラストマーであり、このような性質を有さないゴムと区別可能である。
ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、エチレン・酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、再生ゴムなどの架橋可能なゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック及び共役ジエンを主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体が好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等があり、これらは単体だけでなく2種以上を組み合わせて使用しても良い。共役ジエンとしては1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン等があり、これらは単体だけでなく2種以上を組み合わせて使用しても良い。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体的な例としては、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)共重合体、スチレン・イソプレン・水添スチレン・イソプレン・スチレン(SEPS)共重合体、スチレン・エチレンプロピレン(SEP)共重合体、スチレン・エチレンプロピレン・スチレン(SEPS)共重合体、スチレン・エチレン‐エチレンプロピレン・スチレン(SEEPS)共重合体、等が挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量は、例えば15質量%以上70質量%以下であり 、20質量%以上60質量%以下が好ましい。この含有量は、例えば、5、10、15、18、20、23、25、30、31、35、40、45、50、55、60、65、70質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
これらのゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
マトリクスポリマーは、ゴムのみを含むか、又は、ゴムとスチレン系熱可塑性エラストマーの両方を含むことが好ましい。ゴムとスチレン系熱可塑性エラストマーの含有比率は100/0~5/95(質量比)であることが好ましい。このようなマトリクスポリマーであることにより、防火性樹脂サッシの開口枠体を構成する枠体の内部や軒裏換気部材の内部に枠体や軒裏換気部材の長手方向に沿って熱膨張性耐火材を挿入する際、円滑な挿入が出来る。ゴムとスチレン系熱可塑性エラストマーの質量比の合計を100とすると、ゴムの質量比は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
マトリクスポリマーは、エラストマーのみで構成されていてもよく、その他のポリマーを含んでいてもよい。その他のポリマーとしては、エラストマーではない樹脂(ポリオレフィン、ポリスチレンなど)などが挙げられる。マトリクスポリマー中のエラストマーの割合は、例えば、50~100質量%であり、例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<熱膨張性黒鉛>
熱膨張性黒鉛は、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸、硝酸等の無機酸と濃硝酸、過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理されたものであり、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。これらは200℃程度以上の温度に曝されると、例えば、100倍以上に熱膨張するものである。なお、これら天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末は、脱酸処理に加え、更に中和処理したタイプ他、各種品種があるがいずれも使用できる。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛は、熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が20未満である。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が20未満であることにより、防火性樹脂サッシの開口枠体を構成する枠体の内部や軒裏換気部材の内部に枠体や軒裏換気部材の長手方向に沿って熱膨張性耐火材を挿入する際、円滑な挿入が出来る。平均アスペクト比は、例えば5.0~19.9であり、具体的には、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、19.9であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
平均アスペクト比は、鉛直方向の厚さに対する水平方向の平均径の割合である。本発明に使用する熱膨張性黒鉛は概ね平板状をしているため、鉛直方向が厚み方向、水平方向が径方向に一致すると見ることができるため、水平方向の最大寸法を鉛直方向の厚みで除した値をアスペクト比とする。
そして、十分大きな数、すなわち10個以上の黒鉛片につきアスペクト比を測定し、その平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の平均粒径も、水平方向の最大寸法の平均値として求めることができる。
熱膨張性黒鉛の水平方向における最大寸法及び厚みは、例えば電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定することができる。
熱膨張性黒鉛の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対して5~400質量部であり、40~300質量部が好ましく、70~200質量部がさらに好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量が少なすぎると、火災時における耐火材の熱膨張性が悪くなる。一方で、熱膨張性黒鉛の含有量が多すぎると、熱膨張後の耐火材の形状安定性が悪くなる。
<無機リン系化合物>
無機リン系化合物は、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含むである。
リン酸系化合物としては、例えば、第1リン酸アルミニウム、第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム、第1リン酸カルシウム、第1リン酸亜鉛、第2リン酸アルミニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸カルシウム、第2リン酸亜鉛、第3リン酸アルミニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸亜鉛、第3リン酸マグネシウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。
亜リン酸系化合物としては、例えば、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸水素アルミニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。
次亜リン酸系化合物としては、例えば、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸亜鉛などが挙げられる。
メタリン酸系化合物としては、例えば、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸亜鉛、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ピロリン酸系化合物としては、例えば、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。
ポリリン酸系化合物としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
無機リン系化合物は、亜リン酸水素アンモニウム及びポリリン酸アンモニウムのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
無機リン系化合物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対して1~400質量部であり、30~300質量部が好ましく、60~200質量部がさらに好ましい。無機リン系化合物の含有量が1質量部未満であると、火災時における耐火材の形状安定性が悪い。一方で、無機リン系化合物の含有量が400質量を超えると、火災時における耐火材の熱膨張性が悪い。
熱膨張性黒鉛と無機リン酸系化合物の質量比(熱膨張性黒鉛/無機リン酸系化合物)は、0.05~100.00であり、0.07~100.00が好ましく、0.25~100.00がさらに好ましく、0.33~3.33がさらに好ましく、0.50~1.67がさらに好ましく、0.75~1.25がさらに好ましい。熱膨張性黒鉛と無機リン酸系化合物の質量比(熱膨張性黒鉛/無機リン酸系化合物)が低すぎると、熱膨張性が悪くなる。熱膨張性黒鉛と無機リン酸系化合物の質量比(熱膨張性黒鉛/無機リン酸系化合物)が高すぎると、形状安定性が悪くなる。この質量比は、例えば、0.05、0.07、0.25、0.33、0.40、0.50、0.70、1.67、2.00、3.00、3.33、3.95、5.00、10.00、20.00、50.00、100.00であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<その他の成分>
本実施形態では、その効果を阻害しない範囲で、通常のポリマー配合物に使用される可塑剤(軟化剤)、老化防止剤、加工助剤、滑剤、粘着付与剤、無機化合物(無機リン系化合物を除く)、加硫剤、加硫促進剤等を併用してもよい。成形性の調整に有効な可塑剤(軟化剤)の例としては、パラフィン系やナフテン系等のプロセスオイル、流動パラフィンやその他のパラフィン類、ワックス類、シリコーンオイルや液状ポリブテン等の合成高分子系軟化剤、フタル酸系やアジピン酸系、セバシン酸系やリン酸系等のエステル系可塑剤類、ステアリン酸やそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類や粘着付与剤などがあげられる。無機化合物(無機繊維化合物及び無機リン系化合物を除く)の例としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
本実施形態の耐火材は、上記各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混練装置を用いて混練されたものを、例えば、プレス成形、ロール成形、押し出し成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法でシート状に成形することで得ることが出来る。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。
1.耐火材の作製
表1~表4の配合に示した成分を、容量3リットルのニーダーミキサーを用いて120℃で2分間混練して組成物を得た。得られた組成物を更に熱プレス機でプレスして厚さ2mmのシート状の耐火材を得た。
表中の成分の詳細は、以下の通りである。
(1)マトリクスポリマー
・EPDM:エチレン・プロピレン・ジエンゴム、JSR株式会社製「EP-51」
・SBS:スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、クレイトンポリマージャパン株式会社製「D1101JU」
・ブチルゴム:JSR株式会社製「ブチル268」
・CR:クロロプレンゴム、デンカ株式会社製「S-40V」
(2)熱膨張性黒鉛
・EXP-200(アスペクト比14.3):富士黒鉛工業株式会社「EXP-200」アスペクト比14.3
・EXP-150(アスペクト比15.7):富士黒鉛工業株式会社「EXP-150」アスペクト比15.7
・EXP-100(アスペクト比18.2):富士黒鉛工業株式会社「EXP-100」アスペクト比18.2
・ADT501(アスペクト比25.2):ADT社製「ADT501」アスペクト比25.2
・EXP50T(アスペクト比30.6):日本黒鉛工業株式会社製「EXP50T」アスペクト比30.6
(3)無機リン系化合物
・亜リン酸水素アルミニウム:太平化学産業株式会社製「NSF」
・ポリリン酸アンモニウム:SCM Industrial Chemical Co.,Ltd.,製「HP-APP II」
2.評価
各実施例、比較例の耐火材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1~表4に示す。
評価方法の詳細は、以下の通りである。
<熱膨張性>
厚さ2mm、幅10mm、長さ50mmの試験片を300℃で0.5時間熱処理し、その膨張倍率を測定した。具体的には、熱処理後の体積を、熱処理前の体積で除することにより、体積膨張倍率を算出し、以下の基準で熱膨張性を判定した。なお、体積は、圧さ、幅、長さを実測して算出した。
◎:体積膨張倍率が10倍以上
○:体積膨張倍率が8倍以上10倍未満
△:体積膨張倍率が6倍以上8倍未満
×:体積膨張倍率が6倍未満
<形状保持性>
上記の熱膨張性を評価した後、3点曲げ試験治具(上部押し側先端R1mmおよび幅80mm、下部2点支点側R1mm、幅80mm、支点間距離20mm)を用い、熱膨張後の試験片を圧縮速度50mm/minの条件にて破壊した際の強度(3点曲げ破壊強度)を測定した。そして、以下の基準で形状保持性を判定した。
◎:3点曲げ破壊強度が1.0N以上
○:3点曲げ破壊強度が0.8N以上1.0N未満
△:3点曲げ破壊強度が0.5N以上0.8N未満
×:3点曲げ破壊強度が0.5N未満
<挿通性>
厚さ2mm、幅10mm、長さ150mmの試験片の、片方短辺から50mmまでを台座に固定し、21℃で1分間放置して、空中に浮かせた100mm長さの耐火材のたわみ量を測定した。そして、以下の基準でたわみ性を判定した。
◎:たわみ量が10mm未満
〇:たわみ量が10mm以上15mm未満
×:たわみ量が15mm以上
<可撓性>
厚さ1mm、幅25mm、長さ100mmのSUS板に両面テープを貼ったものを2枚用意し、長さ方向に3mmの間隔をあけて横並びにする。そこに厚さ2mm、幅10mm、長さ100mmの試験片を貼り、試料片を貼った面とは逆方向に折り曲げ、試験片に亀裂が入った時点での角度を測定し、以下の基準で可撓性を判定した。なお、亀裂が入ったときの角度が大きいほど、可撓性が良好であることを示す。
◎:180度の角度でも亀裂なし
○:135度以上180度未満の角度で亀裂が発生
×:135度未満の角度で亀裂が発生
<難燃性>
JIS K6269に準じて燃焼試験装置(スガ試験機(株)製,ON-1型)を用いて酸素指数を測定し、以下の基準で難燃性を判定した。なお、酸素指数が大きいほど、難燃性が高いことを示す。
◎:酸素指数が35以上
○:酸素指数が30以上35未満
×:酸素指数が30未満
Figure 0007142139000001
Figure 0007142139000002
Figure 0007142139000003
Figure 0007142139000004

Claims (3)

  1. マトリクスポリマー100質量部、熱膨張性黒鉛5~400質量部、無機リン酸系化合物1~400質量部を含有し、
    前記マトリクスポリマーがゴムとスチレン系熱可塑性エラストマーからなるエラストマーであり
    前記熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が20未満であり、
    軒裏換気部材に使用される、熱膨張性耐火材。
  2. 前記熱膨張性黒鉛と前記無機リン酸系化合物の質量比(熱膨張性黒鉛/無機リン酸系化合物)が0.05~100.00である、請求項1に記載の熱膨張性耐火材。
  3. 前記無機リン酸系化合物が、亜リン酸水素アルミニウムおよび/またはポリリン酸アンモニウムを含む、請求項1又は請求項2記載の熱膨張性耐火材。
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