JP6914405B1 - 耐火材 - Google Patents

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Abstract

【課題】隙間閉塞性に優れる耐火材を提供すること。【解決手段】本発明に係る耐火材は、ポリマー成分、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有し、前記熱膨張性黒鉛が、粒度が48メッシュを超える粉末を5〜75重量%、粒度が150メッシュ未満の粉末を5〜65重量%含有することを特徴とする耐火材である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性を有する耐火材に関する。
火災発生等の際に、加熱により膨張し延焼を防止することのできる耐火材が知られている。従来、このような熱膨張性を有する耐火材として、マトリックス樹脂に熱膨張性黒鉛を含有したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018−100410号公報
上述の耐火材は、熱により膨張することで隙間を埋め、延焼防止や防煙の役目を果たす。しかしながら、膨張した後の耐火材に密度が疎な部分があると、耐火材で埋めた隙間から煙が漏れたり、空気が流入したりして、隙間の閉塞性が保たれないという問題が生じ得る。そのため、耐火材には、膨張後においても密度が疎な部分が生じにくく、高い隙間閉塞性を有するものが求められてる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、隙間閉塞性に優れる耐火材を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の粒径分布を有する熱膨張性黒鉛を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ポリマー成分、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有する耐火材であって、
前記熱膨張性黒鉛が、48メッシュの篩を通過しない粉末を5〜75重量%、100メッシュの篩を通過する粉末を5〜65重量%含有し、
前記熱膨張性黒鉛において、48メッシュの篩を通過しない前記粉末の含有量S1と100メッシュの篩を通過する前記粉末の含有量S2との和が、50〜95重量%であることを特徴とする耐火材。
〔2〕
前記ポリマー成分100重量部に対して、
前記熱膨張性黒鉛の含有量が10〜600重量部であり、
前記無機充填材の含有量が10〜600重量部であることを特徴とする〔1〕に記載の耐火材。
〔3〕
前記無機充填材は、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物及び次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を10〜90重量%含有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の耐火材。
〔4〕
前記熱膨張性黒鉛の含有量が、前記無機充填材1質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の耐火材。
〔5〕
前記熱膨張性黒鉛において、
48メッシュの篩を通過しない前記粉末の前記含有量S1と100メッシュの篩を通過する前記粉末の前記含有量S2との差|S1−S2|が、0〜30重量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の耐火材。
〔6〕
前記熱膨張性黒鉛において、
65メッシュの篩を通過して100メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS3とし、48メッシュの篩を通過して65メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS4とし、35メッシュの篩を通過して48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS5としたとき、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の耐火材。
S3>S4 ・・・(1)
S5>S4 ・・・(2)
本発明の耐火材によれば、優れた隙間閉塞性が得られる。
隙間閉塞性の評価に用いた装置の概略構成図
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<耐火材>
本実施形態の耐火材は、ポリマー成分と、所定の粒子径分布を有する熱膨張性黒鉛と、無機充填材と、を含む。この耐火材は、一例では、シート状の耐火シートである。耐火シートの厚さは、例えば1〜10mmである。耐火シートをロール状に巻いて耐火シートロールとして保管や運搬をしてもよい。なお、耐火材の形状はシート状でなくてもよく、ブロック状などの別の形状であってもよい。また、耐火材は、用途に合わせた形状に成型した成型品であってもよい。
耐火材は、例えば200℃以上で熱膨張を開始し強固な断熱層を形成することによって耐火性能を発揮する。耐火材の膨張倍率は、3〜30倍が好ましく、5〜25倍がより好ましく、7〜20倍がさらに好ましい。
以下、耐火材の各成分について説明する。
<ポリマー成分>
本実施形態の耐火シートに用いるポリマー成分としては、特に制限されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせであってもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイソブチレン樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーとしては、特に制限されないが、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、及び塩化ビニル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
ゴムとしては、特に制限されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等の主鎖中に少量の二重結合を導入した、例えば、エチレン− プロピレン−ジエンゴムが挙げられる。
合成樹脂、エラストマー及びゴムは、一種又は二種以上を使用することができる。樹脂分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上の樹脂分をブレンドしたものをベース樹脂として用いてもよい。
ポリマー成分の含有量は、耐火材の総量に対して、好ましくは5〜48質量%であり、より好ましくは10〜45質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。ポリマー成分の含有量が5質量%以上であることにより、熱膨張性、形状保持性、及び可撓性がより向上する傾向にある。また、ポリマー成分の含有量が48質量%以下であることにより、隙間閉塞性、形状保持性、及び難燃性がより向上する傾向にある。
<熱膨張性黒鉛>
熱膨張性黒鉛は、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸、硝酸等の無機酸と濃硝酸、過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理されたものであり、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。これらは200℃程度以上の温度に曝されると、例えば、100倍以上に熱膨張するものである。なお、これら天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末は、脱酸処理に加え、更に中和処理したタイプ他、各種品種があるがいずれも使用できる。
熱膨張性黒鉛の形状は鱗片状であり、熱を与えることでアコーデオン状に膨張する。その熱膨張性は、膨張前の黒鉛の径が大きいほど大きく膨張する傾向にある。一般的に、膨張した黒鉛同士の間には隙間が生じ、その部分が熱膨張後の耐火材の密度が疎な部分となり、隙間閉塞性に劣る。
これに対して、本実施形態においては、48メッシュ(目開き300μm)の篩を通過しない比較的に径の大きい粉末と、100メッシュ(目開き150μm)の篩を通過する比較的に径の小さい粉末をそれぞれ所定量用いる。これにより、径の大きい熱膨張性黒鉛(長く広がる黒鉛)同士の隙間を径の小さい熱膨張性黒鉛(短く広がる黒鉛)が埋めるため、上記のような密度が疎な部分が生じにくくなり、隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
より具体的には、熱膨張性黒鉛に含まれる48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、5〜75重量%であり、好ましくは15〜65重量%であり、より好ましくは25〜55重量%であり、さらに好ましくは30〜45重量%である。48メッシュの篩を通過しない粉末が5重量%未満であると、大きく膨張する熱膨張性黒鉛が少なくなり、隙間閉塞性が悪化する。一方、48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量が75重量%超であると、大きく膨張する熱膨張性黒鉛が多過ぎるために却って隙間が多くなり、隙間閉塞性が悪化する。
また、熱膨張性黒鉛に含まれる100メッシュの篩を通過する粉末の含有量は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、5〜65重量%であり、好ましくは15〜65重量%であり、より好ましくは25〜55重量%であり、さらに好ましくは30〜45重量%である。100メッシュの篩を通過する粉末が5重量%未満であると、小さく膨張する熱膨張性黒鉛が少なすぎて、大きく膨張する熱膨張性黒鉛の隙間が埋められず、隙間閉塞性が悪くなる。一方、100メッシュの篩を通過する粉末が65重量%超えであると、小さく膨張する熱膨張性黒鉛が多過ぎて、膨張性そのものが悪くなり、隙間閉塞性が悪くなる。
また、熱膨張性黒鉛において、48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量S1と100メッシュの篩を通過する粉末の含有量S2との差|S1−S2|は、好ましくは0〜45重量%であり、より好ましくは0〜30重量%であり、さらに好ましくは0〜15重量%であり、よりさらに好ましくは0〜10重量%である。差|S1−S2|が上記範囲内であることにより、48メッシュの篩を通過しない比較的に径の大きい粉末と、100メッシュの篩を通過する比較的に径の小さい粉末とが、それぞれ所定量ずつ含まれることになるため、上述したように隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
さらに、熱膨張性黒鉛において、含有量S1と含有量S2との和は、好ましくは50〜95重量%であり、より好ましくは60〜90重量%であり、さらに好ましくは65〜85重量%である。含有量S1と含有量S2との和が上記範囲内であることにより、48メッシュの篩を通過しない比較的に径の大きい粉末と、100メッシュの篩を通過する比較的に径の小さい粉末とが、それぞれ所定量ずつ含まれることになるため、上述したように隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
さらに、上記同様の観点から、48メッシュの篩を通過し、かつ、100メッシュの篩を通過しない粒子の含有量は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは5〜28重量%であり、さらに好ましくは15〜28重量%である。48メッシュの篩を通過し、かつ、100メッシュの篩を通過しない粒子の含有量が30重量%以下であることにより、相対的に48メッシュの篩を通過しない比較的に径の大きい粉末と、100メッシュの篩を通過する比較的に径の小さい粉末とが、それぞれ所定量ずつ含まれることになるため、上述したように隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
上記のような粒子径分布を有する熱膨張性黒鉛としては、粒子径分布において1つのブロードなピークを有する多分散の黒鉛を用いてもよいし、異なる粒子径分布を有する黒鉛を複数混合して用いてもよい。
このなかでも、異なる粒子径分布を有する黒鉛を複数混合し、粒子径分布において2以上のピークを有する熱膨張性黒鉛が好ましい。このような熱膨張性黒鉛としては、特に制限されないが、例えば、下記式(1)及び(2)を満たすものを挙げることができる。このような熱膨張性黒鉛を用いることにより、隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
S3>S4 ・・・(1)
S5>S4 ・・・(2)
S3:65メッシュの篩を通過して100メッシュの篩を通過しない粉末の含有量
S4:48メッシュの篩を通過して65メッシュの篩を通過しない粉末の含有量
S5:35メッシュの篩を通過して48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量
65メッシュの篩を通過して100メッシュの篩を通過しない粉末の含有量S3は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは10〜25質量%であり、さらに好ましくは15〜20質量%である。
48メッシュの篩を通過して65メッシュの篩を通過しない粉末の含有量S4は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは3〜10質量%である。
35メッシュの篩を通過して48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量S5は、熱膨張性黒鉛の総量に対して、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは10〜25質量%であり、さらに好ましくは15〜20質量%である。
上記式(1)において、S3は、S4の1.2倍以上が好ましく、1.5〜5.0倍がより好ましく、1.5〜3.0倍がさらに好ましい。また、同様に、上記式(2)において、S5は、S4の1.2倍以上が好ましく、1.5〜5.0倍がより好ましく、1.5〜3.0倍がさらに好ましい。このような熱膨張性黒鉛を用いることにより、隙間閉塞性がより向上する傾向にある。
なお、本実施形態においてメッシュの篩を用いた粉末の含有量の測定は、JIS Z 8801に従って行うことができる。さらに、メッシュの篩の目開きにおいても同規格に従うものとする。
熱膨張性黒鉛の含有量は、ポリマー成分100重量部に対して10〜600重量部であり、10〜300重量部が好ましく、30〜150重量部がさらに好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量が10重量部以上であることにより、火災時における耐火材の熱膨張性がより向上する傾向にある。一方で、熱膨張性黒鉛の含有量が600重量部以下であることにより、熱膨張後の耐火材の形状安定性がより向上する傾向にある。
また、熱膨張性黒鉛の含有量は、無機充填材1質量部に対して、好ましくは1〜10質量部であり、より好ましくは1.2〜5質量部であり、さらに好ましくは1.5〜2.5質量部である。無機充填材の含有量が上記範囲内であることにより、火災時における耐火材の熱膨張性と熱膨張後の耐火材の形状安定性がより向上する傾向にある。
<無機充填材>
無機充填材としては、特に制限されないが、例えば、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベントナイト、活性白土、セピオライト、ガラス繊維、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。無機充填材は単体で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の添加によって、耐火材のコールドフロー耐性、形状保持性及び難燃性を向上させることができる。また、分散性の観点から、無機充填材の平均粒径は、レーザー回折法の測定値で1〜50μmが好ましい。
上記の中でも、無機充填材は、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、及び次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような無機充填剤を含むことにより、形状保持性及び難燃性がより向上する傾向にある。
リン酸系化合物としては、特に制限されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、第1リン酸アルミニウム、第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム、第1リン酸カルシウム、第1リン酸亜鉛、第2リン酸アルミニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸カルシウム、第2リン酸亜鉛、第3リン酸アルミニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸亜鉛、第3リン酸マグネシウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸亜鉛、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウムなどがある。
亜リン酸系化合物としては、特に制限されないが、例えば、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸水素アルミニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム亜リン酸亜鉛、などがある。
次亜リン酸系化合物としては、特に制限されないが、例えば、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸亜鉛などがある。
これらの中で、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸水素アルミニウム、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムが形状保持性の観点で好ましい。
無機充填材がリン酸系化合物、亜リン酸系化合物、及び次亜リン酸系化合物のうち少なくとも1種を含む場合、その総含有量は、好ましくは5〜95重量%であり、より好ましくは20〜85重量%であり、さらに好ましくは35〜75重量%である。リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、及び次亜リン酸系化合物の含有量が5重量%以上であると、十分な形状保持性及び難燃性が得られる傾向がある。また、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、及び次亜リン酸系化合物の含有量が95重量%以下であると十分な可撓性が得られる傾向がある。
無機充填材の含有量は、ポリマー成分100重量部に対して10〜600重量部であり、50〜450重量部が好ましく、100〜400重量部がさらに好ましく、200〜350重量部がさらに好ましい。無機充填材の含有量が10重量部以上であると、十分な形状保持性及び難燃性が得られる傾向にあり、600重量部以下であると、十分な可撓性と強度が得られる傾向がある。
<加硫剤と加硫促進剤>
本実施形態の耐火材は、加硫剤と加硫促進剤を含有してもよい。加硫剤及び加硫促進剤は、加硫可能なポリマーの架橋度を向上させ、ポリマー自体の強度を向上させるものである。ポリマーの強度は、硬度にて評価できる。なお、本実施形態の耐火材は、加硫剤と加硫促進剤を含有していなくてもよい。言い換えると、本実施形態の耐火材は、加硫されていなくてもよい。
<その他の成分>
本実施形態では、その効果を阻害しない範囲で、通常のポリマー配合物に使用される可塑剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、滑剤、粘着付与剤等を併用してもよい。成形性の調整に有効な軟化剤や可塑剤の例としては、パラフィン系やナフテン系等のプロセスオイル、流動パラフィンやその他のパラフィン類、ワックス類、シリコーンオイルや液状ポリブテン等の合成高分子系軟化剤、フタル酸系やアジピン酸系、セバシン酸系やリン酸系等のエステル系可塑剤類、ステアリン酸やそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類や粘着付与剤などがあげられる。
本実施形態の耐火材は、上記各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混練装置を用いて混練されたものを、例えば、プレス成形、ロール成形、押し出し成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法でシート状に成形することで得ることが出来る。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。
1.耐火材の作製
表1〜表2の配合に示した成分を、容量3リットルのニーダーミキサーを用いて120℃で2分間混練して組成物を得た。得られた組成物を更に熱プレス機でプレスして厚さ5mmのシート状の耐火材を得た。
Figure 0006914405
Figure 0006914405
表中の成分の詳細は、以下の通りである。
(1)ポリマー成分
ブチルゴム:JSR株式会社製「ブチル268」
クロロプレンゴム:デンカ株式会社製「S−40V」
(2)熱膨張性黒鉛
三洋貿易株式会社「SYZR−9550250」
富士黒鉛工業株式会社製「EXP−100S」
(3)無機充填材
水酸化アルミニウム:住友化学株式会社製「C−301N」
亜リン酸水素アルミニウム:太平化学産業株式会社製「NSF」
ポリリン酸アンモニウム:HP−APP II(SCM Industrial Chemical Co.,Ltd.,「HP−APP II」、重合度1000以上)
(4)軟化剤
JXTGエネルギー株式会社製「日石ポリブテンLV−100」
2.評価
各実施例、比較例の耐火材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1〜表2に示す。
評価方法の詳細は、以下の通りである。
<熱膨張性黒鉛の粒度分布>
熱膨張性黒鉛を約15g秤量し、JIS Z 8801に規定の各メッシュの篩を用い、目開きの大きい篩から順番に篩分け試験を行い、その粒度分布を求めた結果(N=3の平均)を表3に記す。なお、各実施例、各比較例における48メッシュの篩を通過しない粉末の割合と100メッシュの篩を通過する粉末の割合は、この粒度分布の結果から算出したものである。例えば、48メッシュの篩を通過しない粉末の割合は、「SYZR−9550250」では77.8重量%、「EXP−100S」では1.5重量%となっているので、熱膨張性黒鉛が前者をx重量%、後者をy重量%含有する場合には、その熱膨張性黒鉛において、48メッシュの篩を通過しない粉末の割合(%)は、(77.8・x+1.5・y)/100となる。
Figure 0006914405
<隙間閉塞性>
隙間閉塞性は、図1に示す装置を用いて評価した。具体的には、まず、開口部直径25mm、長さ75mmの金属製の円筒20に、縦70mm、横40mm、厚み1.5mmのシート状をなす耐火材10をセットする。次いで、円筒20を炉31内に配置すると共に、円筒20の両側に、10mmφの配管21,22を取り付ける。次いで、一方の配管21からエアー(圧力0.5kPa、流量3.0L/分)を供給する。そして、エアーを供給した状態のまま、円筒20をバーナー30にて800℃まで加熱する。このとき、円筒20内の耐火材10が膨張して、円筒20内を閉塞する。円筒20の内部が耐火材10で閉塞されて、一方の配管21内の圧力(この圧力は、圧力計41により検出される。)が0.5kPaに達すると、制御部40によりエアーの供給が停止される。円筒20の内部に隙間が存在する場合には、他方の配管22からエアーが漏出するため、一方の配管21内の圧力が低下する。そして、一方の配管21内の圧力が低下すると、制御部40によりエアーの供給が再開される。
耐火材の隙間閉塞性の評価は、上記のような装置を用いて、エアー供給停止時からエアー供給再開までの時間を測定することにより行い、以下の基準で隙間閉塞性を判定した。なお、エアー供給再開までの時間が長いほど、耐火材の隙間閉塞性が高いことを示す。
◎:エアー供給再開までの時間が60分超え
○:エアー供給再開までの時間が30分超え60分以内
△:エアー供給再開までの時間が5分超え30分以内
×:エアー供給再開までの時間が5分以内
<熱膨張性>
厚さ5mm、幅30mm、長さ30mmの耐火材を300℃で0.5時間熱処理し、その膨張倍率を測定した。具体的には、熱処理後の体積を、熱処理前の体積で除することにより、体積膨張倍率を算出し、以下の基準で熱膨張性を判定した。なお、体積は、圧さ、幅、長さを実測して算出した。
◎:体積膨張倍率が10倍以上
○:体積膨張倍率が6倍以上10倍未満
△:体積膨張倍率が3倍以上6倍未満
×:体積膨張倍率が1倍以上3倍未満
<形状保持性>
上記の熱膨張性を評価した後、3点曲げ試験治具(上部押し側先端R1mmおよび幅80mm、下部2点支点側R1mm、幅80mm、支点間距離20mm)を用い、熱膨張後の試験片を圧縮速度50mm/minの条件にて破壊した際の強度(3点曲げ破壊強度)を測定した。そして、以下の基準で形状保持性を判定した。
◎:3点曲げ破壊強度が1.5N以上
○:3点曲げ破壊強度が1N以上1.5N未満
×:3点曲げ破壊強度が1N未満
<可撓性>
厚さ5mmの耐火材から試験片を1号ダンベルの形状に打ち抜き、試験片の中央を押さえた状態で試験片の両端を徐々に持ち上げ、試験片に亀裂が入った時点での角度(中央と一端を結ぶ直線と、中央と他端を結ぶ直線がなす角度)を測定し、以下の基準で可撓性を判定した。なお、亀裂が入ったときの角度が大きいほど、可撓性が良好であることを示す。
◎:180度の角度でも亀裂が発生しなかった
○:90度以上180度未満の角度で亀裂が発生した
△:45度以上90度未満の角度で亀裂が発生した
×:45度未満の角度で亀裂が発生した
<難燃性>
JIS K7201に準じて燃焼試験装置(スガ試験機(株)製,ON−1D型)を用いて酸素指数を測定し、以下の基準で難燃性を判定した。なお、酸素指数が大きいほど、難燃性が高いことを示す。
◎:酸素指数が50以上
○:酸素指数が40以上50未満
△:酸素指数が35以上40未満
×:酸素指数が35未満
本発明は、隙間閉塞性に優れる耐火材として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. ポリマー成分、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有する耐火材であって、
    前記熱膨張性黒鉛が、48メッシュの篩を通過しない粉末を5〜75重量%、100メッシュの篩を通過する粉末を5〜65重量%含有し、
    前記熱膨張性黒鉛において、48メッシュの篩を通過しない前記粉末の含有量S1と100メッシュの篩を通過する前記粉末の含有量S2との和が、50〜95重量%であることを特徴とする耐火材。
  2. 前記ポリマー成分100重量部に対して、
    前記熱膨張性黒鉛の含有量が10〜600重量部であり、
    前記無機充填材の含有量が10〜600重量部であることを特徴とする請求項1に記載の耐火材。
  3. 前記無機充填材は、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物及び次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を10〜90重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火材。
  4. 前記熱膨張性黒鉛の含有量が、前記無機充填材1質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐火材。
  5. 前記熱膨張性黒鉛において、
    48メッシュの篩を通過しない前記粉末の前記含有量S1と100メッシュの篩を通過する前記粉末の前記含有量S2との差|S1−S2|が、0〜30重量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火材。
  6. 前記熱膨張性黒鉛において、
    65メッシュの篩を通過して100メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS3とし、48メッシュの篩を通過して65メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS4とし、35メッシュの篩を通過して48メッシュの篩を通過しない粉末の含有量をS5としたとき、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐火材。
    S3>S4 ・・・(1)
    S5>S4 ・・・(2)
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