JP2022094919A - 耐火性樹脂組成物、耐火シート及び建具 - Google Patents

耐火性樹脂組成物、耐火シート及び建具 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐火性及び耐寒性を発揮することが可能な耐火シートを製造可能な耐火性樹脂組成物を提供する。【解決手段】マトリックス樹脂、粘着付与剤、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有し、前記熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%以上である、耐火性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性黒鉛を含有する耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂組成物からなる耐火シート、及び耐火シートを備える建具に関する。
建築分野では、防火のために、建具、柱、壁材等の建築材料に耐火材が用いられる。耐火材としては、樹脂に、無機充填材及び熱膨張性黒鉛などが配合された耐火シート等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような耐火シートは、加熱により膨張して燃焼残渣が耐火断熱層を形成し、耐火断熱性能を発現する。
熱膨張性黒鉛を含有する耐火シートは、例えば、建築物の開口部に設けられるドア、窓などの建具と、これらを包囲するドア枠、窓枠などの枠との隙間に設けられ、火災時には該シートが厚み方向に膨張して、建具と枠材の隙間を閉塞し、延焼を防止することができる。
特開2017-141463号公報
一般に耐火シートは、耐火性を発現させるために熱膨張性黒鉛や無機充填材等の多くの無機化合物を含有させる必要がある。そのため、耐火シートが脆くなる傾向があり、特に寒冷地での使用に際しては、その傾向が顕著に表れ、耐火シートを建具に取り付ける際に折れたり、表面にひび割れが生じたりするなどの不具合が発生しやすく、取り扱い性に問題があった。特に、長尺の耐火シートの場合は前記した不具合が発生しやすく、改善が求められていた。
一方で、耐火シートの脆性を改善するために、上記無機化合物の含有量を低減することも考えられるが、この場合、熱膨張残渣の強度低下などにより、耐火性が低下してしまう。
そこで本発明は、優れた耐火性及び耐寒性を発揮することが可能な耐火シートを製造可能な耐火性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、マトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有する耐火性樹脂組成物において、前記熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計量を一定量以上とし、さらに粘着付与剤を含有させることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記の[1]~[8]のとおりである。
[1]マトリックス樹脂、粘着付与剤、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有し、前記熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%以上である、耐火性樹脂組成物。
[2]前記粘着付与剤の含有量が0.1~5質量%である、[1]に記載の耐火性樹脂組成物。
[3]前記粘着付与剤がロジン系化合物である、[1]又は[2]に記載の耐火性樹脂組成物。
[4]前記ロジン系化合物が、水素化ロジン、不均化ロジン、及びロジン系エステルからなる群から少なくとも1種選択される、[3]に記載の耐火性樹脂組成物。
[5]前記マトリックス樹脂が、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、及びアクリルゴムからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[6]リン成分を含有しない、[1]~[5]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火シート。
[8][7]に記載の耐火シートを備える建具。
本発明によれば、耐寒性及び耐火性に優れる耐火シートを製造できる耐火性樹脂組成物、及びこれよりなる耐火シートを提供することができる。
[耐火性樹脂組成物]
本発明の耐火性樹脂組成物は、マトリックス樹脂、粘着付与剤、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有し、前記熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%以上である、耐火性樹脂組成物である。
<マトリックス樹脂>
本発明の耐火性樹脂組成物は、マトリックス樹脂を含有し、該マトリックス樹脂中に、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材が分散している。
マトリックス樹脂は、ゴム成分を含有することが好ましく、該ゴム成分の含有量がマトリックス樹脂全量基準で15質量%以上であることがより好ましい。ゴム成分の含有量が15質量%以上であると、耐火性樹脂組成物により形成される耐火シートの強度が向上し、寒冷地で使用する際に、シートが折れたり、表面にひび割れが生じたりするなどの不具合が生じにくくなり、良好な耐寒性が得られる。耐寒性を向上させる観点から、ゴム成分の含有量は、マトリックス樹脂全量基準で、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、よりさらに好ましくは100質量%である。
ゴム成分の種類としては、ジエン系ゴム、ポリオレフィン系ゴムなどが挙げられ、これら以外にも、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)などが挙げられる。
上記したゴム成分の中では、ジエン系ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムから選択される少なくとも1種以上が好ましく、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムから選択される少なくとも1種以上がより好ましい。これらの中でも、熱膨張性黒鉛の分散性を向上させる観点から、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)から選択される少なくとも1種以上がさらに好ましい。
また、熱膨張性黒鉛の分散性を高め、耐火シートの耐寒性及び耐火性を向上させる観点から、ジエン系ゴムは異なる2種以上を併用して用いてもよい。例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)及びクロロプレンゴム(CR)を併用することが好ましい。
スチレン-ブタジエンゴム(SBR)及びクロロプレンゴム(CR)を併用する場合は、これらの含有量比(SBR/CR)は、質量比で90/10~10/90であることが好ましく、80/20~20/80であることがより好ましい。
スチレン-ブタジエンゴム(SBR)の結合スチレン量は、特に限定されないが、耐火シートの耐寒性を向上させる観点から、例えば10~60質量%であり、好ましくは15~55質量%であり、より好ましくは20~50質量%である。なお、結合スチレン量は、H-NMRにより測定することができる。
また、スチレン-ブタジエンゴムのムーニー粘度[ML(1+4)100℃]は、特に限定されないが、耐火シートの耐寒性を向上させる観点から、例えば30~150であり、好ましくは35~70であり、より好ましくは40~60である。
クロロプレンゴム(CR)のムーニー粘度[ML(1+4)100℃]は、特に限定されないが、耐火シートの耐寒性を向上させる観点から、例えば25~150であり、好ましくは30~100であり、より好ましくは35~75である。
なお、本明細書においてムーニー粘度は、JIS K6300に準拠して測定した値である。
また、マトリックス樹脂は、ゴム成分として用いる1種のみの樹脂で構成されてもよいし、複数の樹脂で構成されてもよい。複数の樹脂で構成される場合とは、ゴム成分を2種類以上用いる場合、ゴム成分を1種と非ゴム成分を1種以上併用する場合などが挙げられる。
熱膨張性黒鉛のマトリックス樹脂中の分散性を高めて、耐寒性及び耐火性を向上させる観点からは、マトリックス樹脂は、1種の樹脂で構成されるか、又は複数の樹脂で構成される場合であれば、該複数の樹脂のSP値差が2.0以下であることが好ましい。該SP値差は、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1以下である。ここで、複数の樹脂のSP値差とは、該複数の樹脂のうち、最もSP値の大きい樹脂と、最もSP値の小さい樹脂のSP値の差を意味する。なお、SP値とは、溶解度パラメーターであり、Fedors法により測定された値である。
本発明のマトリックス樹脂は、上記したゴム成分に加えて、ゴム成分以外の樹脂である非ゴム成分を含んでもよい。
ゴム成分以外の樹脂である非ゴム成分としては、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよいが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の中でも、耐火シートの耐火性を良好とする観点から、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂がより好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、塩化ビニルモノマー以外の重合体又は共重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、本発明においては、ポリ塩化ビニル系樹脂の塩素化物である塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂も、ポリ塩化ビニル系樹脂に含まれるものとする。
ポリ塩化ビニル樹脂の重合度は500~2000が好ましく、800~1500がより好ましい。このような範囲であると、樹脂成分の流動性が高まり、膨張倍率を所望の範囲に調整しやすくなる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体のけん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましくは5~90質量%、より好ましくは8~50質量%、さらに好ましくは12~35質量%である。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.5~15g/10minであり、より好ましくは1~8g/10minである。なお、エチレン-酢酸ビニル共重合体の190℃におけるメルトフローレートは、荷重2.16kgにおける測定値であり、JIS K7210:1999に準拠して測定される。
上記熱硬化性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、中でも、耐火性を向上させる観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は、芳香環を有するエポキシ樹脂でも、芳香環を有しないエポキシ樹脂でもよいが、不燃性を高める観点から、芳香環を有するエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ基を有するエポキシ樹脂化合物と、硬化剤とを反応させることにより得られる。
上記した芳香環を有するエポキシ樹脂を得るために用いるエポキシ樹脂化合物は、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂化合物、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂化合物、ビフェニル型のエポキシ樹脂化合物、ナフタレン型のエポキシ樹脂化合物、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂化合物、ビスフェノールAノボラック型のエポキシ樹脂化合物、テトラフェノールエタン型のエポキシ樹脂化合物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型のエポキシ樹脂化合物、アミノフェノール型のエポキシ樹脂化合物、アニリン型のエポキシ樹脂化合物、キシレンジアミン型のエポキシ樹脂化合物などが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂化合物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂化合物が好ましい。
硬化剤としては、重付加型または触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示される。また、触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。エポキシ樹脂化合物の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂化合物100質量部に対して50~150質量部の範囲内であることが好ましい。50質量部以上であると、エポキシ樹脂化合物が硬化しやすくなり、150質量部以下であると、硬化剤の配合量に応じた効果が得られる。
耐火性樹脂組成物全量基準に対して、マトリックス樹脂の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、そして好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。マトリックス樹脂の含有量がこれら下限値以上であると耐火シートの耐寒性が向上する。マトリックス樹脂の含有量がこれら上限値以下であると後述する熱膨張性黒鉛及び無機充填材の含有量を多く調整できるため、耐火性が向上する。
<粘着付与剤>
本発明の耐火性樹脂組成物は、粘着付与剤を含有する。粘着付与剤を含有することで、マトリックス樹脂と、熱膨張性黒鉛及び無機充填材の界面が十分に密着する。そのため、界面に空隙が発生しにくくなり、そこを起点に材料破断が起こらず、耐火シートが脆くなることが防止され、耐寒性も向上する。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン-インデン系化合物、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系化合物、ロジン系化合物、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系化合物等が挙げられる。これらの中では、少量でもマトリックス樹脂と無機充填材の界面の密着性をより良好にする観点、及び耐水性の観点から、ロジン系化合物が好ましい。
ロジン系化合物としては、例えば、トールロジン、ガムロジン、及びウッドロジンなどの未変性ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマール酸変性ロジン、並びにこれらのエステル(ロジン系エステル)などが挙げられる。ロジン系エステルとしては、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、及びエチレングリコールエステルなどが挙げられる。
上記した中では、水素化ロジン、不均化ロジン、ロジン系エステルから選択される少なくとも1種がより好ましく、不均化ロジンがさらに好ましい。
本発明の耐火性樹脂組成物中の粘着付与剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、そして好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下であり、よりさらに好ましくは5質量%以下である。粘着付与剤の含有量がこれら下限値以上であると、マトリックス樹脂と、熱膨張性黒鉛及び無機充填材の界面の密着性が良好となり、耐火シートの脆性が改善されて耐寒性を向上させやすくなる。また、粘着付与剤の含有量がこれら上限値以下であると耐火シートのべたつきが少なくなり、良好な取り扱い性が得られる。
<熱膨張性黒鉛、無機充填材>
本発明の耐火性樹脂組成物は、熱膨張性黒鉛及び無機充填材を含有する。耐火性樹脂組成物における熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量は35質量%以上である。熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%未満であると、耐火シートの膨張倍率が低下したり、熱膨張残渣の強度が低下したりして、耐火性が低下する。熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量は、耐火性を向上させる観点から、40質量%以上が好ましく、そして、マトリックス樹脂の配合量を増やして耐寒性を向上させる観点から、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは75質量%以下である。
熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張するものであり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、無機酸と、強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。無機酸としては、濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。また、強酸化剤としては、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
また、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の中和剤で中和してもよい。脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物及び上記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
耐火性樹脂組成物中の熱膨張性黒鉛の含有量は、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、そして好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。熱膨張性黒鉛の含有量がこれら下限値以上であると、炎の通過を阻止するのに適した膨張を得やすくなり、これら上限値以下であると耐火シートの熱膨張残渣の強度が高くなる傾向があり、また耐火シートの耐寒性が向上し、加工性が良好になる。
本発明の耐火性樹脂組成物は、無機充填材を含有する。無機充填材は、加熱されて膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制しつつ、骨材的に働いて熱膨張残渣の強度を向上させる。
耐火シートの耐寒性を向上させる観点から、無機充填材としては、比重が2.5以上の無機充填材Aを含むことが好ましい。該無機充填材Aを含有させることにより、単位体積あたりのマトリックス樹脂の量を増加させることができ、これにより耐火シートの脆性が改善され、耐寒性が向上しやすくなる。このような観点から、上記無機充填材Aの比重は好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上である。例えば後述する金属酸化物、金属炭酸塩などは、比重が2.5以上の無機充填材Aとして使用することができる。無機充填材Aは、一種を単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
無機充填材全量基準に対して無機充填材Aの含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。
無機充填材としては、上記した比重が2.5以上の無機充填材Aを使用することが好ましいが、比重2.5未満の無機充填材を使用することもできる。
本発明において使用できる無機充填材としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩、シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム等のリン酸金属塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム、オルトリン酸金属塩、メタリン酸金属塩、トリポリリン酸金属塩などが挙げられる。無機充填材は一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
これらの中でも、無機充填材としては、耐火性を向上させる観点から、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩などが好ましく、中でも酸化鉄、水酸化アルミニウム、及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種以上がより好ましい。より詳細には、無機充填材は、酸化鉄を少なくとも含むことがさらに好ましく、酸化鉄と炭酸カルシウムを併用することが特に好ましい。酸化鉄を用いることで、耐火シートの膨張倍率が比較的大きい場合であっても、熱膨張残渣の強度を維持しやすく、そのため耐火性が向上しやすくなる。
酸化鉄を使用する場合、その使用量は、無機充填材全量基準において、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
酸化鉄と炭酸カルシウムを併用する場合においてその質量比(酸化鉄/炭酸カルシウム)は、好ましくは10/90~90/10であり、より好ましくは20/80~80/20であり、さらに好ましくは30/70~70/30である。
耐火性樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは13質量%以上であり、そして好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
<その他成分>
耐火性樹脂組成物は、上記したマトリックス樹脂、粘着付与剤、熱膨張性黒鉛、無機充填材以外にも、臭素含有難燃剤、窒素含有難燃剤、リン酸エステル化合物などの各種有機系難燃剤、着色剤、酸化防止剤などの各種添加剤を含んでもよい。耐火性樹脂組成物は、耐火性の観点から、これらの中では有機系難燃剤を含有することが好ましい。
臭素含有難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフエノキシ)エタン、エチレンービス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等が挙げられる。
窒素含有難燃剤としては、例えば、メラミン、ブチルメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、リン酸メラミンなどのメラミン誘導体、シアヌル酸、メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートなどのシアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、N,N'-ジエチルイソシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、ビス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレートなどのイソシアヌル酸誘導体、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、エチレンジアミンリン酸塩などを挙げることができる。
リン酸エステル化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3-ジブロモプロピル)-2,3-ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、トリス(2エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
有機系難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、有機系難燃剤としては、上記した中ではエチレンジアミンリン酸塩を使用することが好ましい。耐火性樹脂組成物における有機系難燃剤の含有量は、例えば1~35質量%、好ましくは5~30質量%、より好ましくは10~25質量%である。
<リン成分>
本発明の耐火性樹脂組成物は、リン成分を含有しないことが好ましい。リン成分を含有しないことで、耐火性組成物から形成される耐火シートの耐水性が向上する。したがって、水に長期間暴露した後でも、優れた膨張倍率、残渣硬さ、及び膨張後の形状保持性を確保できるようになる。ここで、リン成分とは、リン原子を含む化合物であり、上記したマトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、無機充填材、及び必要に応じて配合される有機系難燃剤、着色剤、酸化防止剤などの添加剤としては、リン原子を含む化合物を用いないことが好ましい。
[耐火シート]
本発明の耐火性樹脂組成物を用いて、該耐火性樹脂組成物からなる耐火シートを形成させることができる。
耐火シートの厚み方向の膨張倍率は、特に制限されないが、耐火性及び耐水性の観点から、好ましくは5~70倍であり、より好ましくは10~60倍であり、さらに好ましくは15~55倍である。本発明の耐火シートは、水に長時間浸漬した後においても、上記した範囲の膨張倍率を示すことが好ましい。膨張倍率は、実施例に記載の方法で測定される。
耐火シートの厚さは特に限定されないが、耐火性及び取扱い性の観点から、0.2~10mmが好ましく、0.5~3.0mmがより好ましい。
本発明の耐火シートは、上記した通り耐寒性に優れ、使用時に折れたり、表面にひび割れが生じるなどの不具合が発生し難いため、シートの長さが長い場合でも取り扱い性に優れ、例えば長さ1m以上の長尺品として使用することができる。
本発明の耐火シートは例えば下記のようにして製造することができる。
まず、所定量のマトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材樹脂、並びに必要に応じて配合される有機系難燃剤、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を、混練ロールなどの混練機で混練して、耐火性樹脂組成物を得る。
次に、得られた耐火性樹脂組成物を、例えば、プレス成形、カレンダー成形、押出成形等、公知の成形方法によりシート状に成形することで耐火シートを得ることができる。
耐火シートは、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の各種の建築物、自動車、電車などの各種車両、船舶、航空機などの各種乗り物に使用できる。耐火シートは、建築物、乗り物などに火災が発生した場合に加熱されることで膨張して、空気の流れを遮断して、消火性を発揮できる。
耐火シートは、上記建築物、車両、船舶、航空機などを構成する部材に取り付けられて使用される。例えば、建築物では、窓、障子、ドア、戸、ふすま等の建具、柱、鉄骨コンクリート等の壁、床、屋根等に取り付けられて、火災や煙の侵入を低減又は防止することができる。これらの中では、建具に使用することが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態は、耐火シートを備える建具も提供する。
耐火シートは、耐火シート単体で使用されてもよいが、適宜他の部材が取り付けられて使用されてもよい。例えば、耐火シートは、耐火シート以外の部材が積層されていてもよく、耐火シートの少なくとも一方の面に基材が設けられてもよい。基材は、可燃材料層であってもよいし、準不燃材料層又は不燃材料層であってもよい。基材の厚みは特に限定されないが、例えば5μm~1mmである。可燃材料層に使用される素材としては、例えば、布材、紙材、木材、樹脂フィルム等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。基材が準不燃材料層又は不燃材料層である場合、使用される素材としては、例えば、金属、無機材等を挙げることができ、より具体的には、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、グラファイト繊維からなる織布又は不織布などが挙げられる。また、これら繊維と金属の複合材料であってもよく、例えば、アルミガラスクロスが好ましい。また、シート状の耐火材には、粘着剤層が積層されてもよい。粘着剤層は、上記基材の上に設けられてもよいし、耐火シートの表面に直接形成されてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[評価方法]
(1)膨張倍率
各実施例、比較例で得た耐火シートから作製した試験片(長さ100mm、幅100mm、厚さ1.5mm)を500mLの純水に60℃で密閉容器にて1週間浸漬した後、サンプルを取り出した。該サンプルを60℃にて96時間、蒸発、乾燥させて作成した試験片をステンレス製のホルダー(101mm角・高さ80mm)の底面に設置し、電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した。その後、試験片の高さ(一番高い部分)横幅・縦幅・厚さを測定し、((加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ))により、膨張倍率を算出した。
(2)残渣硬さ
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、直径1mmの3点圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、残渣上面からの10mm圧縮までの最大応力を測定し、燃焼後の試験片の圧縮強度(kgf/cm)を測定した。
(3)耐寒性(脆さ)
各実施例、比較例で得た長尺の耐火シートを巻き取ることにより得た耐火シートの巻回体を用いて、0℃、-20℃、及び-30℃下で耐火シートを再展開することで評価した。展開の過程で、シート外観を観察して、表面にヒビが入るまたは破断するか否かを確認した。以下の評価基準で評価した。
◎:シートにヒビが生じたり、シートが破断することなく展開可能であった。(-30℃)
〇:シートにヒビが生じたり、シートが破断することなく展開可能であった。(-20℃)
△:展開時にシートにヒビが生じた。(0℃)
×:展開時にシートが破断した。(0℃)
(4)べたつき
各実施例、比較例で得た長尺の耐火シートを巻き取ることにより得た耐火シートの巻回体を用いて、巻き取り後、1か月後、20℃下で耐火シートを再展開することで評価した。展開の過程で、展開可否及びシート外観を観察して、表面荒れが発生するか否かを確認した。以下の評価基準で評価した。
〇:シート表面が荒れることなく展開可能であった。
△:シート表面が荒れたが展開可能であった。
×:シートが展開不可能であった。
(5)溶出率
各実施例、比較例で得た耐火シートから作製した試験片(長さ50mm、幅50mm、厚さ1.5mm)の各々5枚を200gの純水に浸漬し、60℃で密閉容器にて1週間浸漬した後、サンプルを取り出し、浸漬した純水を60℃にて96時間、蒸発、乾燥させ、発生した析出物の質量を測定した。その値を用い溶出率を以下の式で算出して、耐水性の指標とした。
溶出率(%)=[(析出物の質量)/(純水浸漬前の耐火シートの質量)]×100
(実施例1~23、比較例1~6)
下記表1~3に示す配合にて、マトリックス樹脂、熱膨張性黒鉛、無機充填材、可塑剤、及び添加剤をロールに投入して150℃で5分間混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火性樹脂組成物を、150℃で3分間プレス成形して、厚さ1.5mmの耐火シートを得た。各実施例、比較例で使用した各成分は下記のとおりである。
(1)マトリックス樹脂
<クロロプレンゴム:CR>
・CR 東ソー株式会社製「Y-20E」
ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]:43~53
<スチレン-ブタジエンゴム:SBR>
・SBR JSR株式会社製「JSR1500」
結合スチレン量:23.5質量%、ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]:52
<ブチルゴム>
・ブチルゴム JSR社製「BUTYL065」
<ウレタンゴム>
・ウレタンゴム BASF社製「エラストランC60A10WN」
<アクリルゴム>
・アクリルゴム 大阪ソーダ社製「ラクレスターACL」
(2)熱膨張性黒鉛
・熱膨張性黒鉛1 ADT社製「ADT351」
・熱膨張性黒鉛2 エアウォーター社製「CA-60N」
(3)無機充填材
・酸化鉄:チタン工業株式会社「BL-100」、比重5.1
・炭酸カルシウム:備北粉化工業株式会社「ホワイトンBF-300」、比重2.93
(4)粘着付与剤
・不均化ロジン:荒川化学社製「R-CH」
・水素化ロジン:荒川化学社製「KR-150」
・ロジンエステル:荒川化学社製「GA-100」
(5)添加剤
・EDAP(エチレンジアミンリン酸塩) Albright & Wilson製「Amgard EDAP」
Figure 2022094919000001
Figure 2022094919000002
Figure 2022094919000003
実施例に示すように、熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%以上であり、粘着付与剤を含有する耐火性樹脂組成物により形成した耐火シートは、残渣硬さの値が高いことから耐火性が良好であり、かつ耐寒性にも優れることが分かった。
一方、比較例は、粘着付与剤及び無機充填材から選択される少なくとも一方が含有されていない場合、もしくは、熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%未満である場合を示すものである。比較例1~4により作製された耐火性樹脂組成物から形成した耐火シートは、耐火性に関しては、実施例と遜色ない程度の結果となったが、耐寒性が悪くなった。また、比較例5及び6により作製された耐火性樹脂組成物から形成した耐火シートは、耐寒性に関しては、実施例と遜色ない程度の結果となったが、熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が低く、膨張倍率又は残渣硬さが大幅に低下したため、耐火性が悪くなった。

Claims (8)

  1. マトリックス樹脂、粘着付与剤、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有し、
    前記熱膨張性黒鉛及び無機充填材の合計の含有量が35質量%以上である、耐火性樹脂組成物。
  2. 前記粘着付与剤の含有量が0.1~5質量%である、請求項1に記載の耐火性樹脂組成物。
  3. 前記粘着付与剤がロジン系化合物である、請求項1又は2に記載の耐火性樹脂組成物。
  4. 前記ロジン系化合物が、水素化ロジン、不均化ロジン、及びロジン系エステルからなる群から少なくとも1種選択される、請求項3に記載の耐火性樹脂組成物。
  5. 前記マトリックス樹脂が、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、及びアクリルゴムからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
  6. リン成分を含有しない、請求項1~5のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火シート。
  8. 請求項7に記載の耐火シートを備える建具。
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