JP6896134B1 - 熱膨張性パテ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な加工性、非付着性、熱膨張性、形状保持性を有しつつ、アルミガラスクロス面への優れた密着性を有する熱膨張性パテ組成物を提供する。【解決手段】本発明によれば、有機バインダ、熱膨張性化合物、無機リン系化合物、前記無機リン系化合物以外のその他無機化合物、を含む熱膨張性パテ組成物であって、前記有機バインダ、前記熱膨張性化合物、前記無機リン系化合物、前記その他無機化合物の4成分の合計を100質量%としたときの各成分の割合が、前記有機バインダ0.5〜20質量%、前記熱膨張性化合物0.5〜50質量%、前記無機リン系化合物1〜99質量%、前記その他無機化合物0〜92.5質量%を含有し、前記無機リン系化合物が、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含む、熱膨張性パテ組成物が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性パテ組成物に関する。
一般に、建築物等において建築基準法で定められた防火区画等に配管類や電力ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類を貫通させる場合、延焼防止等の観点から防火区画等には一定の耐火性能が求められている。そのため、建築物内の配管類・ケーブル類と防火壁等との間には、防火性能を付与した防火用目地材として、液状ポリマーに金属水和物等を配合したパテ状の耐火材が用いられている(特許文献1参照)。
また、火災時に配管類が変形したり、ケーブル被覆材が燃焼したりすることで生じた隙間を塞ぐことが出来るパテ状耐火材として、バーミキュライトや、熱膨張性黒鉛や、マイクロカプセル化したポリリン酸アンモニウムを有機樹脂に混合した樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)や、ベース樹脂に熱膨張性黒鉛と共にポリカーボネート樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂等の形崩れ防止用樹脂を配合した熱膨張性の組成物(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
特開平6−306364号公報 特開平10−8595号公報 特開平9−176498号公報
ところで、住宅の断熱材としてアルミガラスクロスが壁に施工されることがある。この場合、アルミガラスクロスのアルミ面がパテ状耐火材の被着体となるため、パテ状耐火材には、アルミガラスクロスへの密着性が求められる。また、パテ状耐火材には、加工性、作業時の非付着性、熱膨張性、形状保持性も求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、十分な加工性、非付着性、熱膨張性、形状保持性を有しつつ、アルミガラスクロス面への優れた密着性を有する熱膨張性パテ組成物を提供するものである。
本発明によれば、有機バインダ、熱膨張性化合物、無機リン系化合物、前記無機リン系化合物以外のその他無機化合物、を含む熱膨張性パテ組成物であって、前記有機バインダ、前記熱膨張性化合物、前記無機リン系化合物、前記その他無機化合物の4成分の合計を100質量%としたときの各成分の割合が、前記有機バインダ0.5〜20質量%、前記熱膨張性化合物0.5〜50質量%、前記無機リン系化合物1〜99質量%、前記その他無機化合物0〜92.5質量%を含有し、前記無機リン系化合物が、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含む、熱膨張性パテ組成物が提供される。
本発明者が鋭意検討を行ったところ、各成分を上記の割合で含有する熱膨張性パテ組成物が上記課題を解決可能であることを見出し、本発明の完成に到った。
1.熱膨張性パテ組成物の組成
本発明の熱膨張性パテ組成物(以下、パテ組成物)は、有機バインダ、熱膨張性化合物、無機リン系化合物、無機リン系化合物以外の無機化合物を含有する。
<有機バインダ>
有機バインダは、有機化合物からなる結合剤であり、有機バインダを適量配合することによって、パテ組成物を施工に適した硬さにすることができる。
有機バインダは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどの有機高分子を含むことが好ましい。有機高分子としては、親水性高分子が好ましい。親水性高分子としては、水に可溶な水溶性高分子や、水を吸収して膨張可能な吸水性高分子が挙げられ、具体的には、例えば、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、変性アクリル酸エステル系共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・フェニルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル共重合体、アルギン酸ソーダなどが挙げられる。
セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロール、その誘導体が挙げられ、カルボキシメチルセルロースの誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウムなどの塩が挙げられる。変性アクリル酸エステル系共重合体としては、スルホエチルアクリレート−アクリルアミド−アクリル酸共重合体ナトリウム塩の架橋物が挙げられる。
有機バインダ、熱膨張性化合物、無機リン系化合物、無機リン系化合物以外のその他無機化合物(以下、「4成分」)の合計を100質量%としたときの、有機バインダの割合は、0.5〜20質量%であって、1.5〜14質量%が好ましく、2〜9質量%がより好ましい。有機バインダの割合が小さすぎると、パテ組成物が軟らかすぎて、加工性又は非付着性が不十分になる場合がある。有機バインダの割合が大きすぎると、パテ組成物が硬くなりすぎて、加工性が不十分になる場合がある。この割合は例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<熱膨張性化合物>
熱膨張性化合物としては、加熱時に膨張するものであれば特に限定はないが、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。これらの中でも、膨張開始温度が低いことから熱膨張性黒鉛が好ましい。
熱膨張性黒鉛とは、天然グラファイト、熱分解グラファイト等のグラファイト粉末を、硫酸や硝酸等の無機酸と、濃硝酸や過マンガン酸塩等の強酸化剤とを用いて表面処理したものであり、かつグラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。これらは常圧下で膨張開始温度(200℃程度)以上の温度に曝されると、100倍以上に熱膨張する。なお、前記天然グラファイト、熱分解グラファイト等のグラファイト粉末は、脱酸処理を施したものや、更に中和処理したもの等であってもよい。
上記4成分の合計を100質量%としたときの、熱膨張性化合物の割合は、0.5〜50質量%であって、1〜35質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。熱膨張性化合物の割合が小さすぎると、熱膨張性が不十分になる場合がある。熱膨張性化合物の割合が大きすぎると、熱膨張後の形状安定性が悪くなる場合がある。この割合は例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<無機リン系化合物>
無機リン系化合物は、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含む。パテ組成物が無機リン系化合物を含むことで、パテ組成物と金属との密着性が向上する。無機リン系化合物としては、無機リン系の金属塩又はアンモニウム塩が好ましい。金属塩の金属としては、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が好ましい。
リン酸系化合物としては、例えば、第1リン酸アルミニウム、第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム、第1リン酸カルシウム、第1リン酸亜鉛、第2リン酸アルミニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸カルシウム、第2リン酸亜鉛、第3リン酸アルミニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸亜鉛、第3リン酸マグネシウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。
亜リン酸系化合物としては、例えば、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸水素アルミニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。
次亜リン酸系化合物としては、例えば、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸亜鉛などが挙げられる。
メタリン酸系化合物としては、例えば、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸亜鉛、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ピロリン酸系化合物としては、例えば、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。
ポリリン酸系化合物としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
この中で、亜リン酸水素アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムが好ましく、無機リン酸系化合物は、これらのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記4成分の合計を100質量%としたときの、無機リン系化合物の割合は、1〜99質量%であって、2〜40質量%が好ましく、3〜35質量%がより好ましい。この割合が1質量%より小さいと形状保持性やアルミニウムへの密着性が悪くなる傾向がある。この割合は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<無機リン系化合物以外のその他無機化合物>
その他無機化合物は、無機リン系化合物以外の無機化合物である。その他無機化合物の形状は、特に限定されず、繊維状であっても粒子状であってもよく、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ランダム形状などが挙げられる。その他無機化合物は、中空であっても中実であってもよい。その他無機化合物の平均粒子径は、例えば10〜1000μmであり、20〜800μmが好ましく、30〜500μmがさらに好ましく、40〜200μmがさらに好ましい。「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
その他無機化合物としては、例えば、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、亜リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、けい酸カルシウム等のカルシウム塩;珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、フライアッシュ、無機中空フィラー、パーライト、黒曜岩、真珠岩、松脂岩、珪藻土、脱水汚泥、ホウ素、四ホウ酸ナトリウム水和物(ホウ砂)などが挙げられる。
上記4成分の合計を100質量%としたときのその他無機化合物の割合は、0〜92.5質量%であって、28〜91質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましい。その他無機化合物の割合が高すぎると、非付着性が不十分になる場合がある。この割合は、例えば、0、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、92.5質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上記4成分の合計を100質量%としたときの、全無機化合物の割合(つまり、無機リン系化合物の割合とその他無機化合物の割合の合計)は、例えば、1〜99質量%であり、具体的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
全無機化合物中の無機リン系化合物の割合(質量%)は、例えば、1〜100質量%であり、具体的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
その他、物性の損なわれない程度で酸化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、凍結防止剤等の添加剤を適宜添加できる。
本発明のパテ組成物は、建築物内の配管類・ケーブル類と防火壁等との間の隙間をふさぐ際には、その作業を容易にする観点から、水を含有することが好ましい。パテ組成物が水を含有する場合、水以外の固形分の割合は、30〜70質量%であることが好ましく、35〜65質量%であることがより好ましい。水の割合が小さい(固形分の含有量が多い)と、ボソボソになりパテとして作業性が悪い場合がある。水の割合が大きい(固形分の含有量が少ない)と、柔らかすぎてパテとしての形状を保てない場合がある。
本発明のパテ組成物の固形分中の上記4成分の割合は、例えば50〜100質量%であり、80〜100質量%が好ましい。この割合は、例えば、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明のパテ組成物は、建築物内の配管類・ケーブル類と防火壁等との間の隙間をふさぐ目地材に用いることができる。
2.熱膨張性パテ組成物の製造方法
本発明のパテ組成物は、ミキサーなどを用いて、上記4成分、必要に応じて添加剤、及び水を混合・撹拌することによって製造することができる。
1.熱膨張性パテ組成物の作製
表1〜表5に示す各成分を当該表中の組成(単位は質量%)に従って、ミキサーを用いて混合・撹拌して、実施例・比較例のパテ組成物を作製した。
Figure 0006896134
Figure 0006896134
Figure 0006896134
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Figure 0006896134
表中の成分の詳細は、以下の通りである。
<有機バインダ>
・カルボキシメチルセルロースナトリウム:林純薬工業(株)製
・カルボキシメチルセルロースアンモニウム:ニチリン化学工業(株)製
・変性ポリアクリル系架橋物:(株)日本触媒製、アクアリックCS6S
<熱膨張性化合物>
・熱膨張性黒鉛:エア・ウオーター・ケミカル(株)製、SS−3
<無機リン系化合物>
・亜リン酸水素アルミニウム:太平化学産業(株)製、NSF
・ポリリン酸アンモニウム:SCM Industrial Chemical Co.,Ltd.製、HP−APP II
・第1リン酸ナトリウム:純正化学(株)製
・第2リン酸ナトリウム:純正化学(株)製
・亜リン酸ナトリウム:米山化学工業(株)製
・次亜リン酸ナトリウム:米山化学工業(株)製
・リン酸一アンモニウム:米山化学工業(株)製
・リン酸二アンモニウム:米山化学工業(株)製
・ヘキサメタリン酸ナトリウム:米山薬品工業(株)製
・ピロリン酸ナトリウム:純正化学(株)製
<その他無機化合物(無機リン系化合物以外の無機化合物)>
・水酸化アルミニウム:住友化学(株)製、C−301N
2.各種評価
実施例・比較例のパテ組成物について、以下に示す各種評価を行った。その結果を表1〜表5に示す。表に示すように、全ての実施例では、アルミガラスクロスに対する密着性と熱膨張性の評価項目において良好な結果が得られた。一方、全ての比較例では、アルミガラスクロスに対する密着性と熱膨張性の一方又は両方での結果が悪かった。
・加工性
乾燥前のパテ組成物をJIS A5752に準拠し荷重150g、温度21℃において軟度の測定を行った。規定の円錐を試験片に垂直に貫入させ、その貫入深さを0.1mm単位で測定した。そして、貫入深さに基づいて、加工性を以下の基準で判定した。
◎:120[1/10mm]以上200未満[1/10mm]
○:70[1/10mm]以上120[1/10mm]未満、又は、200[1/10mm]以上230[1/10mm]未満
×:70[1/10mm]未満、又は、230[1/10mm]以上
・非付着性
ラテックスゴム手袋を装着し、パテを10回握った後の手袋の付着物の重量を測定し、以下の式に基づいて付着物重量を算出した。そして、付着物重量に基づいて、非付着性を以下の基準で判定した。
付着物重量(g)=(パテを10回握った後の手袋の重量)−(元の手袋の重量)
◎:0.20[g]未満
○:0.20[g]以上0.50[g]未満
×:0.50[g]以上
・対アルミガラスクロス密着性
アルミガラスクロスを20mm幅×20cm長さの短冊状に切断し、そのアルミ面に乾燥前のパテ組成物を塗り、その上に固定用のSUS板を貼り付ける。これを110℃・24時間の条件で乾燥させた後にアルミガラスクロスを300mm/分の速度で180度方向に剥離し、剥離力を測定した。ここで、剥離力が大きいほど、アルミガラスクロスに対する密着性が高いことを示す。そして、剥離力に基づいて、対アルミガラスクロス密着性を以下の基準で判定した。
◎:0.5[N/20mm]以上
○:0.3[N/20mm]以上0.5[N/20mm]未満
×:0.3[N/20mm]未満
・熱膨張性
実施例・比較例のパテ組成物を用いて、縦30mm×横30mm×厚み4mmの試験片を作製し、これを110℃・24時間の条件で乾燥させた。そして、乾燥後の試験片を300℃で保持された雰囲気内に0.5時間放置した後の体積を測定し、その体積から膨張倍率を算出した。そして、体積膨張倍率に基づいて、熱膨張性を以下の基準で判定した。
◎:2.0倍以上
○:1.5倍以上、2.0倍未満
×:1.5倍未満
・乾燥後の形状安定性
実施例・比較例のパテ組成物を用いて、縦30mm×横30mm×厚み4mmの試験片を作製し、これを110℃・24時間の条件で乾燥させた。その試験片を3点曲げ試験治具(上部押し側先端R1mmおよび幅80mm、下部2点支点側R1mm、幅80mm、支点間距離20mm)を用い、試験片を圧縮速度50mm/minの条件にて破壊した際の強度(3点曲げ破壊強度)を測定し、試験片の断面積で除した。ここで、3点曲げ破壊強度が大きいほど、乾燥後の形状安定性が高いことを示す。そして、3点曲げ破壊強度に基づいて、乾燥後の形状安定性を以下の基準で判定した。
◎:700[N/mm]以上
○:500[N/mm]以上、700[N/mm]未満
×:500[N/mm]未満
・熱膨張後の形状安定性
実施例・比較例のパテ組成物を用いて、縦30mm×横30mm×厚み4mmの試験片を作製し、これを110℃・24時間の条件で乾燥させた。乾燥後の試験片を300℃で保持された雰囲気内に0.5時間放置した後、3点曲げ試験治具(上部押し側先端R1mmおよび幅80mm、下部2点支点側R1mm、幅80mm、支点間距離20mm)を用い、試験片を圧縮速度50mm/minの条件にて破壊した際の強度(3点曲げ破壊強度)を測定した。ここで、3点曲げ破壊強度が大きいほど、熱膨張後の強度が高いことを示す。そして、3点曲げ破壊強度に基づいて、熱膨張後の形状安定性を以下の基準で判定した。
◎:2.0[N/mm]以上
○:1.0[N/mm]以上、2.0[N/mm]未満
×:1.0[N/mm]未満

Claims (3)

  1. 有機バインダ、熱膨張性黒鉛、無機リン系化合物、前記熱膨張性黒鉛及び前記無機リン系化合物以外のその他無機化合物、を含む熱膨張性パテ組成物であって、
    前記有機バインダ、前記熱膨張性黒鉛、前記無機リン系化合物、前記その他無機化合物の4成分の合計を100質量%としたときの各成分の割合が、前記有機バインダ0.5〜20質量%、前記熱膨張性黒鉛0.5〜50質量%、前記無機リン系化合物1〜99質量%、前記その他無機化合物0〜92.5質量%を含有し、
    前記無機リン系化合物が、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含み、
    前記有機バインダが親水性高分子である、熱膨張性パテ組成物。
  2. 有機バインダ、熱膨張性黒鉛、無機リン系化合物、前記熱膨張性黒鉛及び前記無機リン系化合物以外のその他無機化合物、を含む熱膨張性パテ組成物であって、
    前記有機バインダ、前記熱膨張性黒鉛、前記無機リン系化合物、前記その他無機化合物の4成分の合計を100質量%としたときの各成分の割合が、前記有機バインダ0.5〜20質量%、前記熱膨張性黒鉛0.5〜50質量%、前記無機リン系化合物1〜99質量%、前記その他無機化合物0〜92.5質量%を含有し、
    前記無機リン系化合物が、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、メタリン酸系化合物、ピロリン酸系化合物及びポリリン酸系化合物のうちの少なくとも1種を含み、
    水をさらに含有し、水以外の固形分が30〜70質量%である、熱膨張性パテ組成物。
  3. 前記無機リン系化合物が、亜リン酸水素アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムうちの少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の熱膨張性パテ組成物。
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