JP2016117882A - 非硬化型熱膨張性パテ組成物 - Google Patents

非硬化型熱膨張性パテ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張倍率が高く耐火性能(空隙封鎖性能)に優れ、熱膨張後の型崩れも生じにくく耐火性能の持続性にも優れ、且つ、軽量で搬送性に優れ、さらに施工性も良好な非硬化型熱膨張性パテ組成物を提供する。【解決手段】バインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを含有してなる非硬化型熱膨張性パテ組成物であって、該パテ組成物の硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である、非硬化型熱膨張性パテ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、主に建築物(建物や船舶等)における防火壁や床等に設けられた電線やケーブル・配管等の貫通孔の閉塞材として有用な非硬化型熱膨張性パテ組成物に関する。
建物や船舶などの建造物では、各設備・各部屋を画分する壁や床などの防火区画体に貫通孔(それらは設備や部屋などの隅や角に設けることが多い)を穿設し、この貫通孔に空調設備の配管や各種電線ケーブル等の各種貫通物が挿通される。しかしながら、ある区画で火災が発生すると、その熱や炎により貫通物を構成する発泡断熱材、被覆材、樹脂パイプ等の可燃性樹脂が燃焼、溶融して焼失し、その結果貫通孔に空隙が生じ、これが炎道となって隣室へ延焼が進んでしまう。
貫通孔に対する防火措置としては、耐火性又は不燃性のパテ、あるいはこのパテと難燃性・不燃性の材料とを組み合わせたものを開口内に充填し、間隙を閉塞することが行われる。前述の通り火災時には、炎と熱で貫通物を構成する可燃性樹脂が燃焼、溶融し、空隙が生じる。したがって、火災時の熱によって膨張し、生じた空隙を閉塞することができる熱膨張性のパテが、提案されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
熱膨張性パテの熱膨張性材料としては、熱膨張性黒鉛(以下、「膨張性黒鉛」ともいう。)が汎用されている。膨張性黒鉛は、層間に存在する化合物が火災時の熱によって熱分解し、生じた分解ガスの圧力で、各層の間が押し広げられて膨張する。
特開昭55−118987号公報 特開2011−036290号公報
しかしながら、熱膨性黒鉛を含むパテの製造では、材料を十分に均一分散させるために高粘度の混合物を長時間加圧して混練することが欠かせない。この工程では高いせん断応力等がかかるために、膨張性黒鉛が潰れて破壊されてしまい、膨張倍率が低下してしまう。この膨張性黒鉛の破壊は、混練時間を短縮することによりある程度軽減することができる。しかし、混練時間の短縮は、材料の分散不均一性を招きやすく、パテ製品の品質低下に繋がる。
したがって、十分な混練時間を確保した上で、耐火性能上十分なパテの膨張倍率を実現するためには、材料物性から導かれる理論値以上の多量の膨張性黒鉛を配合するか、あるいは施工に使用するパテの使用量を増やす必要がある。しかし、多量の膨張性黒鉛を配合すると混練時のせん断応力の上昇を招きコストが高くなり、しかも所望の物性のパテに調製するのが困難となる。
また、近年、建物や船舶などの建造物の高層化が進んでいる。従来の耐火パテは比重が高いものが多く、パテの使用量を増やすことは作業者が搬送する材料の重量を増やすことになり、搬送と施工に多大な労力を要することになる。
熱膨張性パテが十分な性能を発揮するためには、施工対象に対してパテが適切な形で施工される必要がある。従来は施工時に開口部の隙間などに小さくちぎって充填する施工方法が多かった。しかし近年では施工を簡易にするため、パテを薄いシート状やテープ状に延伸して成型したものを施工対象に巻きつけたり貼り付けたりする工法が増えてきている。しかし、従来のパテは、かかる工法に適用するには強度が十分でなく、施工の際に破断したりパテ内部に空隙が生じたり、パテの一体性がくずれてささくれが生じたりしやすいものであった。それ故、シート状やテープ状に成形した際の強度を高めるには厚みを厚くする必要があり、パテの適用形態には制限があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、熱膨張倍率が高く耐火性能(空隙封鎖性能)に優れ、熱膨張後の型崩れも生じにくく耐火性能の持続性にも優れ、且つ、軽量で搬送性に優れ、さらに施工性も良好な非硬化型熱膨張性パテ組成物を提供することを課題とする。すなわち本発明は、防火性に必要な諸性能(熱膨張倍率が高く空隙封鎖性能に優れ、熱膨張後の型崩れも生じにくく耐火性能の持続性にも優れる)を備え、且つ、軽量で搬送性に優れ、さらにシート状ないしテープ状に成形した際にも十分な強度を有し破断や空隙を生じにくく、所望の形状に自由に成形することができる非硬化型熱膨張性パテ組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた。その結果、膨張性黒鉛を配合した非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造において、樹脂製マイクロバルーン(以下、単に「樹脂バルーン」ともいう。)を配合することにより、施工に適した柔らかさを付与することができること、加圧混練しても膨張性黒鉛が潰れにくくなり、熱膨張性を促進させ、得られるパテ組成物が優れた熱膨張倍率を示すこと、さらに熱膨張後の形状も良好に保持できることを見い出した。さらにこのパテ組成物は軽量で搬送性に優れ、且つ、グリーン強度が高く、シート状ないしテープ状を含む所望の形状に自由に成形可能な物性を有することを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち上記課題は以下の発明により解決された。
〔1〕
バインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを含有してなる非硬化型熱膨張性パテ組成物であって、該パテ組成物の硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である、非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔2〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物の硬さが36N以下である、〔1〕記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔3〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記膨張性黒鉛の含有量に対する前記樹脂製マイクロバルーンの含有量の比(樹脂製マイクロバルーン/膨張性黒鉛)が、体積比で0.2〜14.0である、〔1〕又は〔2〕に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔4〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記樹脂製マイクロバルーンの含有量が3.0〜61.0体積%であり、前記膨張性黒鉛の含有量が3.0〜25.0体積%である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔5〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記バインダー樹脂の含有量が15.0〜50.0質量%、前記樹脂製マイクロバルーンの含有量が0.4〜15.0質量%、前記膨張性黒鉛の含有量が5.0〜40.0質量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔6〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、無機充填剤の含有量が50質量%以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔7〕
前記無機充填剤が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、無機バルーン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及びシリカからなる群から選ばれる1種又は2種類以上である、〔6〕に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔8〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物が、難燃剤を含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔9〕
前記難燃剤が、ポリフェニレンエーテル、リン酸エステル、赤燐、及びポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、〔8〕に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔10〕
前記バインダー樹脂が、ポリブテン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔11〕
前記樹脂製マイクロバルーンの殻を構成する樹脂が、アクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔12〕
前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、無機バルーンの含有量が0〜5体積%である、〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔13〕
可塑剤を含有する、〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
〔14〕
少なくともバインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを混合することを含む、非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
〔15〕
前記膨張性黒鉛の混合量に対する前記樹脂製マイクロバルーンの混合量の比(樹脂製マイクロバルーン/膨張性黒鉛)を、体積比で0.2〜14.0とする、〔14〕に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
〔16〕
混合する原料の総量中、前記樹脂製マイクロバルーンの割合を3.0〜61.0体積%とし、前記膨張性黒鉛の割合を3.0〜25.0体積%とする、〔14〕又は〔15〕に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
〔17〕
前記バインダー樹脂が、ポリブテン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、〔14〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
〔18〕
得られるパテ組成物が、硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である、〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
本発明の非硬化型熱膨張性パテ組成物(以下、単に「本発明のパテ組成物」ともいう。)は、原料として用いる膨張性黒鉛が有する熱膨張性能を効果的に発現させることができ、これと樹脂バルーンによる膨張の促進とが相俟って、優れた熱膨張倍率を示し、火災時に強固な耐火バリアを形成することができる。さらに本発明のパテ組成物は、軽量で搬送性に優れ、さらに貫通孔の場所、施工対象の形状を問わず、所望の形状に自由に成形し、施工することができる。
図1は、実施例の熱膨張試験に用いた、パテをセットした状態の試験治具を模式的に示す断面図である。図1aは電気炉内で加熱する前の状態(成形したパテ組成物を試験治具にセットした状態)を示し、図1bは、成形したパテ組成物をセットした試験治具を電気炉内で加熱した後の状態を示す。 図2は、実施例の試験例6の結果を示すグラフである。破線は樹脂バルーンを含有する本発明のパテ組成物の結果を、実線は樹脂バルーンを含有しないパテ組成物の結果を示す。 図3は、実施例のグリーン強度の測定方法を模式的に示す説明図である。
本発明のパテ組成物は、特定のバインダー樹脂と、樹脂バルーンと、膨張性黒鉛とを少なくとも含有する。本発明のパテ組成物は硬化性成分を含有せず、その物性は非硬化性である。本発明のパテ組成物は、硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である。
本発明のパテ組成物の好ましい実施形態について以下に説明する。
[バインダー樹脂]
本発明に用いるバインダー樹脂は、組成物をパテ状にまとめることが可能な性状の樹脂であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂を採用することができる。例えば、本発明に用いるバインダー樹脂は、ポリブテン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレン(EP)ゴム、エチレンプロピレンジエン(EPDM)ゴム、クロロプレンゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の樹脂を含む構成とすることができる。
本発明に用いるバインダー樹脂は、より好ましくはポリブテン、ポリブタジエン、ブチルゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み、より好ましくはポリブテン、ポリブタジエン、及びブチルゴムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の樹脂からなる。
本発明のパテ組成物中、バインダー樹脂の含有量は、組成物をパテ状にまとめる観点、良好な固さのパテとする観点から、15.0〜50.0質量%が好ましく、18.0〜45.0質量%がより好ましく、20.0〜40.0質量%がさらに好ましい。
バインダー樹脂は常法により合成して得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
[樹脂製マイクロバルーン]
本発明に用いる樹脂バルーンは、球状の樹脂製の殻をもつ中空、軽量の粒子である。一般的に液状ガスを内包した状態で樹脂を成形し、これを加熱処理することにより、体積で数十倍に膨張させ、所望の粒径の中空球状の粒子とすることで製造される。
樹脂バルーンは適度な弾性を有し、圧力や機械的ストレスによっても破壊されにくい。樹脂バルーンはパテ組成物製造時の混練工程時に、せん断応力に対してクッションのような役割を果たし、後述する膨張性黒鉛の破壊(潰れ)を効果的に抑える作用を示す。これにより、膨張性黒鉛が本来的に有する熱膨張性能を良好に維持した状態で混入してパテ組成物を調製することができる。
また、樹脂バルーンを配合することにより、上記混練工程において、膨張性黒鉛が潰れて熱膨張性能の低下を招くまでの時間を長く取れることから、加圧混練時間が変化しても、得られるパテ組成物の品質のバラツキを抑えることができる。
また、火災時に樹脂バルーンの殻が破れると、バルーン中の液状ガス(炭化水素等)が燃焼し、近傍に存在する膨張性黒鉛の熱膨張を効果的に促進しうる。この効果は一般的に知られている樹脂バルーンの効果ではなく、本発明者らがはじめて見出したものである。本発明のパテ組成物において、目的の膨張倍率を達成するために樹脂バルーンは不可欠な材料である。
樹脂バルーンの殻を構成する樹脂は樹脂バルーンを形成可能な樹脂であれば特に制限はない。例えば、樹脂バルーンの殻を構成する樹脂をアクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群から選ばれる樹脂を含む構成とすることができる。なかでも、樹脂バルーンの殻を構成する樹脂がアクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群から選ばれる樹脂からなることが好ましい。本明細書において、アクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群から選ばれる樹脂とは、本発明の効果を損なわない範囲でアクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群から選ばれる樹脂を変性させたもの、例えば共重合体としたものも含まれる意味である。
樹脂バルーンの殻がアクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群から選ばれる樹脂を含むことにより、加圧混練時における膨張性黒鉛の潰れを効果的に抑制することができる。また、燃焼時においては殻が不完全燃焼を起こしやすく、生じたすすがバインダーの役割をし、熱膨張後のパテの型崩れを抑える方向に働くと考えられる。
本発明に用いる樹脂バルーンの平均粒子径は、通常は10〜150μmであり、50〜80μmであることがより好ましい。当該平均粒子径は、レーザー回折法(測定器:SALD−2000/島津製作所)により、粒度分布を測定し、累積体積が50%となるときの粒子径とした。
本発明に用いる樹脂バルーンの真比重は、好ましくは0.02〜0.07である。そのため、樹脂バルーンを用いることによりパテ組成物を軽量化し、搬送性ないし施工性を高めることができる。
樹脂バルーンはそのまま使用してもよく、また、取り扱いやすいように無機粉体と複合化して真比重0.1〜0.3程度とした製品を用いてもよい。
上記の作用を効果的に発現させるために、本発明のパテ組成物中、樹脂バルーンの含有量は、0.4〜15.0質量%が好ましく、2.0〜14.0質量%がより好ましく、2.5〜13.0質量%がさらに好ましい。
また、同様の観点から、本発明のパテ組成物中、樹脂バルーンの含有量は、3.0〜61.0体積%が好ましく、4.0〜45.0体積%がより好ましく、10.0〜40.0体積%がさらに好ましい。
本発明に用いる樹脂バルーンは常法により製造することができ、市販品を用いることもできる。樹脂バルーンの市販品として、例えば、EMC40(商品名、日本フィライト社製)、フェノセット・マイクロスフィア BJO−930(商品名、Malayan Adhesive&Chemicals社製)、マツモトマイクロスフェアー(商品名、松本油脂製薬社製)等を挙げることができる。
[膨張性黒鉛]
本発明に用いる膨張性黒鉛は、二次元的に広がる六員環構造の網平面の層と層とがC軸方向に積層している六方晶結晶の前記各層間に、熱分解性の物質を挿入した層間化合物である。例えば発煙硫酸や硫酸と濃硝酸、各種の硝酸塩、過塩素酸、各種の過塩素酸塩、クロム酸、各種のクロム酸塩、重クロム酸などを含む酸化性溶液に黒鉛を浸漬した後、水洗、乾燥して製造される。
膨張性黒鉛は、急激に加熱されると、層間に挿入されている化合物や結晶粒界に挿入された化合物が熱分解し、そのときに発生する分解ガスの圧力で各層の間が押し広げられ、膨張する。
膨張性黒鉛は粉末状のものを使用することが好ましい。熱膨張性黒鉛の熱膨張性を効果的に発現させる観点から、本発明のパテ組成物中、膨張性黒鉛の含有量は、5.0〜40.0質量%が好ましく、6.0〜35.0質量%がより好ましく、7.0〜30.0質量%がさらに好ましい。
また、同様の観点から、本発明のパテ組成物中、膨張性黒鉛の含有量は、3.0〜25.0体積%が好ましく、4.0〜20.0体積%がより好ましく、5.0〜15.0体積%がさらに好ましい。本明細書において「体積%」は25℃における値である。
本発明のパテ組成物において、膨張性黒鉛の含有量に対する樹脂バルーンの含有量の比(樹脂バルーンの含有量/膨張性黒鉛の含有量(体積比))は、0.2〜14.0が好ましく、2.0〜13.0がより好ましく、2.1〜12.0がより好ましく、2.3〜10.0がさらに好ましい。
膨張性黒鉛と樹脂バルーンの含有量の比を上記好ましい範囲とすることにより、製造時における膨張性黒鉛の破壊をより効果的に抑制でき、パテ組成物の熱膨張性能をより高めることができる。
膨張性黒鉛は商業的に入手可能であり、例えば、SS−3(商品名、エアー・ウォーター社製)、955025L (商品名、伊藤黒鉛工業社製)等を用いることができる。
[無機充填材]
本発明のパテ組成物は、無機充填剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、無機バルーン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及びシリカからなる群から選ばれる1種又は2種類以上を含んでもよく、この場合、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
パテ組成物の比重をあまり上げずに、且つ、パテ組成物が火災時に、形状を良好に保持できるようにするために、本発明のパテ組成物中、無機充填剤の含有量は50.0質量%以下が好ましく、40.0質量%以下がより好ましい。また、本発明のパテ組成物は無機充填剤を含有しなくてもよいが、パテ組成物中に無機充填剤を5質量%以上含有することが好ましく、10質量%以上含有することがより好ましく、15質量%以上含有することがさらに好ましい。
[難燃剤(型崩れ抑制剤)]
本発明のパテ組成物は難燃剤を含有することが好ましい。難燃剤には火災時におけるパテ組成物の型崩れを抑制する作用がある。難燃剤は、好ましくは、ポリフェニレンエーテル、リン酸エステル、赤燐、及びポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリリン酸アンモニウム及びポリフェニレンエーテルから選ばれる1種又は2種が好ましい。
本発明のパテ組成物中、難燃剤の含有量は、40.0質量%以下が好ましく、5.0〜35.0質量%がより好ましく、10.0〜35.0質量%がさらに好ましい。なお、難燃剤の含有量は多いほど型崩れ抑制効果は高まるが、前記好ましい範囲であれば十分に型崩れを抑制できる。
[可塑剤]
本発明のパテ組成物には、組成物の柔らかさ、接着性、手触りなどを改善するために可塑剤を使用することができる。また可塑剤を使用した場合、パテの接触する対象が可塑剤入りのPVCシースなどの場合、相互における可塑剤の移行を防ぎ、可塑剤の移行による影響を抑えることができる。可塑剤としては安息香酸エステル化合物、エポキシ化合物、リン酸エステル化合物、塩素化パラフィン化合物、アジピン酸化合物、フタル酸エステル化合物などが好適である。
本発明のパテ組成物が可塑剤を含有する場合、パテ組成物中の可塑剤の含有量は5.0〜20.0質量%が好ましく、7.0〜16.0質量%がより好ましい。
本発明のパテ組成物では、上記した成分の他に、製造を容易にするための加工補助剤として界面活性剤や滑材等を添加してもよい。また保管性・耐候性改善のための老化防止剤や、施工時の形状保持性改善のための繊維チップなどを適量配合してもよい。
また、本発明のパテ組成物は無機バルーンを含有してもよいが、シート状への成形性をより高める観点から、パテ組成物中の無機バルーンの含有量は0〜5体積%が好ましく、0〜4体積%がより好ましく、0〜3体積%がさらに好ましく、0〜2体積%がさらに好ましい。本発明のパテ組成物は無機バルーンを含有しないことがより好ましい。無機バルーンとしては、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、アルミナバルーン、シラスバルーンを挙げることができる。
本発明のパテ組成物は、比重が0.4〜1.5であることが好ましく、0.5〜1.3であることがより好ましい。比重を上記好ましい範囲内とすることにより、パテ組成物がより軽量となり、搬送性ないし施工性が向上する。
本発明のパテ組成物は、成形性の観点から、パテの硬さが50N(ニュートン)以下が好ましく、46N以下がより好ましく、44N以下がさらに好ましく、42N以下がさらに好ましく、40N以下がさらに好ましく、36N以下がさらに好ましく、31N以下がさらに好ましい。本発明のパテ組成物の硬さは通常は10N以上であり、15N以上がより好ましい。本発明で規定するパテ組成物の硬さ(N)は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明のパテ組成物は、特にシート状への成形性(シート状に成形した際の破断抑制)の観点から、グリーン強度が0.020MPa以上が好ましく、0.025MPa以上がより好ましく、0.028MPa以上がさらに好ましく、0.030MPa以上がさらに好ましく、0.035MPa以上がさらに好ましい。また、本発明のパテ組成物のグリーン強度は通常は0.100MPa以下であり、0.080MPa以下、さらに0.070MPa以下であっても、シート状への良好な成形性を実現できる。
パテ組成物のグリーン強度(MPa)は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明のパテ組成物は、防火性能をより効果的に発現するために、熱膨張倍率が4倍以上であることが好ましく、4.5倍以上でることがより好ましく、5倍以上であることがさらに好ましい。
パテ組成物の熱膨張倍率は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
[パテ組成物の製造方法]
本実施の形態に係るパテ組成物は、各原料を公知のニーダーミキサー、バンバリーミキサーなどを用いて、常法により混練し、均質なパテ状の組成物とすることにより得ることができる。すなわち、少なくともバインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを混合してパテ状の組成物とすることにより得ることができる。
混練時の温度は60〜70℃とすることが好ましい。また、混練時間は、5〜20分とすることが好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づき更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[調製例] パテ組成物の調製
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・ブチルゴム:商品名:JSR BUTYL 065、JSR社製、比重0.92
・ポリブテンオイル:商品名:LV−50、JX日鉱日石エネルギー社製、数平均分子量2400、40℃での動粘度206000mm/s、100℃での動粘度4700mm/s
・可塑剤A:アジピン酸系可塑剤(商品名:DOA、ジェイプラス社製)
・可塑剤B:フタル酸エステル系可塑剤(商品名:DINP、ジェイプラス社製)
・樹脂バルーンA:アクリロニトリル樹脂の殻を持ち、炭酸カルシウムの無機粉体でコーティングされている樹脂製マイクロバルーン(商品名:MFL−HD60CA、松本油脂製薬社製、平均粒子径が50〜70μm、真比重が0.12±0.02)
・樹脂バルーンB:フェノール樹脂の殻を持つ樹脂製マイクロバルーン(商品名、フェノセット・マイクロスフィアBJO−930、Malayan Adhesive&Chemicals社製)、平均粒子径が平均粒子径65μm(レーザー法)、真比重が0.2)
・無機バルーン:商品名:フライアッシュバルーン、日本フィライト社製
・炭酸カルシウム:炭酸カルシウムの粉末(商品名:ホワイトン、備北粉化工業社製)
・熱膨張性黒鉛:固定炭素95%、粒度+50mesh 80%以上(商品名:955025L、伊藤黒鉛工業社製)
・型崩れ抑制剤A:ポリフェニレンエーテル(表1中のPPE、商品名:ユーピロン、三菱エンジニアリングプラスチック社製)
・型崩れ抑制剤B:ポリリン酸アンモニウム(商品名:EXOLIT AP422、クラリアントジャパン社製)
上記各原料を、下記表1に示す割合(単位:質量%、樹脂バルーンと膨張性黒鉛についてはパテ組成物中の体積%も表1中に括弧書きで併記した)で配合し、1L型加圧双腕型ニーダー(モリヤマ社製)を用いて混練し、パテ組成物を得た。原料の配合順序は、膨張性黒鉛を最後に配合し、膨張性黒鉛を配合してからの混練は、加圧しながら60秒間の混練とした。
[試験例1] 比重の測定
JIS K7112のA法(水中置換法)により測定した。結果を表1に示す。表1に示されるように、実施例のパテ組成物は、樹脂バルーンを含有しない比較例1〜5、7〜10のパテ組成物に比べて比重が小さく軽量であることがわかる。
[試験例2] 熱膨張試験
上記調製例で得られたパテ組成物を直径26mm、高さ10mmの円柱状に成形した後、図1に示すように試験治具にセットし、450℃の電気炉内で30分放置した。その後、電気炉から試験治具を取り出し、放冷し、電気炉内で熱膨張したパテ組成物成形品の高さを1mm単位で測定し、次式により熱膨張倍率を求めた。図1中、外側パイプの内径は26mm、内側パイプの外径は22mmである。また、内側パイプの質量は60gである。

熱膨張倍率(倍)=h/h (h及びhは図1参照)

結果を下記表1に示す。表1中、予測膨張倍率は、実験値から導かれる予測値であり、膨張黒鉛の含有量が5体積%の場合4倍、10体積%の場合5倍、15体積%の場合6倍である。この予測値は、種々の組成のパテ組成物を用いて、試験例2と同じ条件で測定して得られた熱膨張倍率に基づく経験的な数値であり、製品設計時に参考とする数値である。
表1に示されるように、樹脂バルーンを含まない比較例1〜5、7〜10のパテ組成物は、熱膨張倍率が予測値を下回っているのに対し、実施例1〜17のパテ組成物はいずれも、得られた実際の熱膨張倍率が予測値を上回り、優れた熱膨張性を示すことがわかった。
[試験例3] 型崩れ性試験
上記調製例で得られたパテ組成物を直径26mm、高さ10mmの円柱状に成形した後、450℃の電気炉内で30分放置し、その後、電気炉から試験治具を取り出し、放冷した。型崩れの程度を下記評価基準に基づき評価した。A〜Cが合格レベルである。
<評価基準>
A:まとまりがあり、手で楽に持ち上げることができ、向きを変えても型崩れしない
B:まとまりがあり、手で持ち上げることができる
C:まとまりがあるが、手で持ち上げると崩れてしまう
D:ある程度まとまりも残っているが、全体的には崩れている
E:まとまりがなく、バラバラに崩れている
結果を下記表1に示す。
表1に示されるように、実施例のパテ組成物はいずれも、熱膨張後も型崩れしにくいことがわかった。
[試験例4] パテの性状評価
上記調製例で調製したパテ組成物について、その性状を評価し、下記表1に記した。表1に示されるように、実施例のパテ組成物はいずれも、柔軟性と形状保持性を両立した適度な硬さ(柔らかさ)を有し、施工しやすい性状であった。すなわち、本発明のパテ組成物は施工性に優れるものであった。
[試験例5] 混練工程後の膨張性黒鉛の状態観察
パテ組成物調製時の混練工程において、樹脂バルーンによる膨張性黒鉛の潰れ防止性に関し、より直接的な目視観察により評価した。具体的には、実施例7と同じ配合組成のパテ組成物と、このパテ組成物において樹脂バルーンに代えて同体積の炭酸カルシウムを配合したパテ組成物とを、上記調製例に準じて調製し(膨張性黒鉛配合後の混練を加圧しながら120秒の混練とした)、キーエンス社製マイクロスコープにより目視観察した。
その結果、樹脂バルーンに代えて同体積の炭酸カルシウムを配合して調製したパテ組成物では、膨張性黒鉛が潰れて破壊されていたのに対し、樹脂バルーンを配合したパテ組成物では、膨張性黒鉛は初期の形状をほぼ維持していることがわかった。
[試験例6] パテ組成物熱膨張性能の加圧混練時間依存性
パテ組成物調製時の加圧混練時間と、パテ組成物の熱膨張倍率との関係を調べた。具体的には、実施例7と同じ配合組成のパテ組成物と、比較例4と同じ配合組成のパテ組成物のそれぞれを、膨張性黒鉛を配合してからの加圧混練時間を振って(15秒、30秒、45秒、60秒、120秒、360秒、660秒)調製し、パテ組成物の熱膨張性能に対する加圧混練時間の影響を調べた。
結果を図2に示す。図2に示されるように、同じ体積分の膨張黒鉛を含んでいるにも関わらず、樹脂バルーンを含有するパテ組成物(破線)では、樹脂バルーンを含有しないパテ組成物(実線)よりも熱膨張倍率が大きく高められていた。この結果は、段落[0016]に記載したように、樹脂バルーンが膨張黒鉛の近傍に存在することにより、熱膨張倍率を効果的に高められることを実証した実験結果である。
また、樹脂バルーンに代えて炭酸カルシウムを配合した比較例4のパテ組成物では、加圧混練時間が長くなるにつれて熱膨張倍率が低下いくのに対し、樹脂バルーンを含有するパテ組成物では、加圧混練時間の長さに伴う熱膨張倍率の低下はほとんど認められなかった。この結果は、本発明のパテ組成物が、その製造において加熱混練時間を厳密に制御しなくても品質のバラツキが生じないことを示している。すなわち、本発明のパテ組成物はその製造面においても優位性を有するものであった。
[試験例7] 燃焼試験
上記試験例5で用いたパテ組成物を、電気炉を用いて450℃で30分間加熱することにより燃焼させた。燃焼後のパテ組成物を観察したところ、樹脂バルーンを含むパテ組成物では燃焼後にすすが発生していたのに対し、樹脂バルーンに代えて炭酸カルシウムを用いたパテ組成物ではすすは発生していなかった。そして、樹脂バルーンを含むパテ組成物では、燃焼後のパテ組成物にまとまりがあった。この結果から、樹脂バルーンを用いることで燃焼時に樹脂バルーンが不完全燃焼し、発生したすすが燃え残ったもののバインダーとして機能し、型崩れを防止する作用を発揮していると推定される。
[試験例8] パテの硬さ
パテ組成物を押し潰すのに要する力を、普及型メカニカルフォースゲージ(型番:FB−100N 株式会社イマダ)を使用して評価を行った。パテ組成物をφ29mm×高さ40mmの円筒状に成形し、得られた成形体を20℃に設定した恒温槽で3時間静置した後、この成形体円筒の軸方向に10mm押しつぶすのに必要な力(N)を測定した。より詳細には、パテに接する面をφ30mmの円形とした冶具を取り付けたメカニカルフォースゲージを用いて、円筒状のパテ組成物を円筒軸方向に10mm押しつぶすのに要した力(N)を測定した。測定された力の数値が小さいほど、パテ組成物を充填する際に必要な力が小さくなるため、施工性に優れたパテ組成物といえる。
下記表1に示される通り、本発明のパテ組成物はパテ組成物を充填する際に必要な力が小さくてすみ、装置を用いた硬さの測定においても、施工性に優れた性状であることが示された。
[試験例9] シート状成形性
パテ組成物を、押出機を用いて幅:95mm、厚さ:3mmのシート状に押出延伸して成型後、圧延ロールでシート厚さを調整し、長さ:285mmの平面視長方形のシート状になるようにカットした。前記各工程は全て連続して行われ、いずれの工程においても、シート表面又は内部に破断、空隙、ささくれのいずれも生じなかったものを○、破断、空隙、ささくれのいずれか1つでも生じたものを×とした。
[試験例9] グリーン強度
実施例のパテ組成物を、図3に示すダンベル状に成形し、図3に示す通りに両端部をそれぞれ長さ50mm、幅55mmのアルミ箔で挟み込み、試験片とした。この試験片のアルミ箔部分のうち、端から25mmの部分を、図3に示す通りに引っ張り試験器のチャックで挟み、下記の試験条件で引っ張り試験を実施した。この引っ張り試験において得られた最大強度をグリーン強度(MPa)とした。
(試験条件)
・引張り速度 : 500mm/min
・チャック間 : 90mm
・試料厚 : 約2mm
・試料幅 : 約43mm
・試料数 : n=2 (2つの試料の平均値を本発明におけるグリーン強度とした)
・試験温度 : 25℃(試験片全体が当該試験温度になった状態で試験を実施した)
・引張試験機 : 島津オートグラフAGS−Xシリーズ
下記表2に示される通り、上記実施例1〜17のパテ組成物は、樹脂バルーンを含有するにも関わらず、グリーン強度がいずれも0.029MPa以上と高く、シート状に成形した際にちぎれ(破断)が生じにくいことが、装置を用いた測定においても実証された。
1:パテ組成物(熱膨張前)
2:パテ組成物(熱膨張後)
3:外側パイプ(銅製)
4:内側パイプ(銅製)


Claims (18)

  1. バインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを含有してなる非硬化型熱膨張性パテ組成物であって、該パテ組成物の硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である、非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  2. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物の硬さが36N以下である、請求項1記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  3. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記膨張性黒鉛の含有量に対する前記樹脂製マイクロバルーンの含有量の比(樹脂製マイクロバルーン/膨張性黒鉛)が、体積比で0.2〜14.0である、請求項1又は2に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  4. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記樹脂製マイクロバルーンの含有量が3.0〜61.0体積%であり、前記膨張性黒鉛の含有量が3.0〜25.0体積%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  5. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、前記バインダー樹脂の含有量が15.0〜50.0質量%、前記樹脂製マイクロバルーンの含有量が0.4〜15.0質量%、前記膨張性黒鉛の含有量が5.0〜40.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  6. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、無機充填剤の含有量が50質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  7. 前記無機充填剤が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、無機バルーン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及びシリカからなる群から選ばれる1種又は2種類以上である、請求項6に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  8. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物が、難燃剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  9. 前記難燃剤が、ポリフェニレンエーテル、リン酸エステル、赤燐、及びポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項8に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  10. 前記バインダー樹脂が、ポリブテン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  11. 前記樹脂製マイクロバルーンの殻を構成する樹脂が、アクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、及び塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  12. 前記非硬化型熱膨張性パテ組成物中、無機バルーンの含有量が0〜5.0体積%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  13. 可塑剤を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物。
  14. 少なくともバインダー樹脂と、樹脂製マイクロバルーンと、膨張性黒鉛とを混合することを含む、非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
  15. 前記膨張性黒鉛の混合量に対する前記樹脂製マイクロバルーンの混合量の比(樹脂製マイクロバルーン/膨張性黒鉛)を、体積比で0.2〜14.0とする、請求項14に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
  16. 混合する原料の総量中、前記樹脂製マイクロバルーンの割合を3.0〜61.0体積%とし、前記膨張性黒鉛の割合を3.0〜25.0体積%とする、請求項14又は15に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
  17. 前記バインダー樹脂が、ポリブテン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、及びイソプレンゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
  18. 得られるパテ組成物が、硬さが50N以下、比重が0.5〜1.5、熱膨張倍率が4倍以上である、請求項14〜17のいずれか1項に記載の非硬化型熱膨張性パテ組成物の製造方法。
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