JPH10183816A - 耐火構造体及び耐火壁の施工方法 - Google Patents
耐火構造体及び耐火壁の施工方法Info
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- JPH10183816A JPH10183816A JP28853597A JP28853597A JPH10183816A JP H10183816 A JPH10183816 A JP H10183816A JP 28853597 A JP28853597 A JP 28853597A JP 28853597 A JP28853597 A JP 28853597A JP H10183816 A JPH10183816 A JP H10183816A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 施工性及び耐火性に優れた耐火構造体、並び
に、耐火壁の施工方法を提供する。 【解決手段】 厚み5〜100mmの不燃性材料からな
るボード(a)の少なくとも片面に、厚み0.5〜40
mmの耐火膨張シート(b)を設けてなる耐火構造体で
あって、前記耐火膨張シート(b)は、300℃に加熱
した場合において、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み
(D′)との関係が、 D′/D=1.1〜20 である。
に、耐火壁の施工方法を提供する。 【解決手段】 厚み5〜100mmの不燃性材料からな
るボード(a)の少なくとも片面に、厚み0.5〜40
mmの耐火膨張シート(b)を設けてなる耐火構造体で
あって、前記耐火膨張シート(b)は、300℃に加熱
した場合において、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み
(D′)との関係が、 D′/D=1.1〜20 である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井材、床材、間
仕切り壁等の建築材料に使用される耐火性及び施工性に
優れた壁用耐火構造体に関する。
仕切り壁等の建築材料に使用される耐火性及び施工性に
優れた壁用耐火構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】建築材料には、耐火性、即ち、それ自体
が燃えにくく、断熱性に優れ、更には、火炎を裏面に回
すことがない性質が要求される。耐火性の試験方法とし
ては、表面を1000℃程度に加熱した場合の裏面の温
度を測定する方法があり、建築材料においては、この場
合における裏面の温度が260℃程度よりも低くなるこ
とが要求されている。
が燃えにくく、断熱性に優れ、更には、火炎を裏面に回
すことがない性質が要求される。耐火性の試験方法とし
ては、表面を1000℃程度に加熱した場合の裏面の温
度を測定する方法があり、建築材料においては、この場
合における裏面の温度が260℃程度よりも低くなるこ
とが要求されている。
【0003】このような耐火性に優れた建築材料として
は、石膏やパーライト等からなる耐火壁が広く用いられ
ている。しかしながら、これらのものに充分な耐火性を
発揮させるためには、厚みを厚くする必要があり、施工
性に問題があった。
は、石膏やパーライト等からなる耐火壁が広く用いられ
ている。しかしながら、これらのものに充分な耐火性を
発揮させるためには、厚みを厚くする必要があり、施工
性に問題があった。
【0004】特開昭61−1753号公報には、耐火壁
の周縁に加熱膨張層を付設したものが開示されている。
しかしながら、このものは、耐火壁の収縮による目地部
の隙間発生を抑制することにより火炎が裏面に回るのを
防止することを主目的とするものであり、断熱性に劣る
ものであった。
の周縁に加熱膨張層を付設したものが開示されている。
しかしながら、このものは、耐火壁の収縮による目地部
の隙間発生を抑制することにより火炎が裏面に回るのを
防止することを主目的とするものであり、断熱性に劣る
ものであった。
【0005】特開平6−80909号公報には、セメン
ト、含水無機物等からなる組成物の微粉を吹きつける方
法が開示されている。しかしながら、この方法は、現場
での吹きつけ施工を必要とするため施工性に劣り、ま
た、厚みが均一にならない場合は充分な耐火性を発揮す
ることができなかった。更には、施工する際に微粉が飛
散するために、健康面への影響が大きかった。
ト、含水無機物等からなる組成物の微粉を吹きつける方
法が開示されている。しかしながら、この方法は、現場
での吹きつけ施工を必要とするため施工性に劣り、ま
た、厚みが均一にならない場合は充分な耐火性を発揮す
ることができなかった。更には、施工する際に微粉が飛
散するために、健康面への影響が大きかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、施工性及び耐火性に優れた耐火構造体、並びに、耐
火壁の施工方法を提供することを目的とする。
み、施工性及び耐火性に優れた耐火構造体、並びに、耐
火壁の施工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
厚み5〜100mmの不燃材料からなるボード(a)の
少なくとも片面に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シ
ート(b)を設けてなる耐火構造体であって、上記耐火
膨張シート(b)は、300℃に加熱した場合におい
て、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み(D′)との関
係が、 D′/D=1.1〜20 である耐火構造体である。以下に本発明を詳述する。
厚み5〜100mmの不燃材料からなるボード(a)の
少なくとも片面に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シ
ート(b)を設けてなる耐火構造体であって、上記耐火
膨張シート(b)は、300℃に加熱した場合におい
て、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み(D′)との関
係が、 D′/D=1.1〜20 である耐火構造体である。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の耐火構造体は、不燃材料からなる
ボード(a)の少なくとも片面に、耐火膨張シート
(b)を設けてなるものである。上記不燃材料からなる
ボード(a)としては特に限定されず、例えば、けい酸
カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、パーラ
イトセメント板、ロックウール板、スレート板、ALC
板、窯業系板、モルタル、プレキャストコンクリート
板、ガラス繊維強化コンクリート板、セメントと木片と
の複合体等に代表される無機系ボード;鉄板、ステンレ
ス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム・亜鉛合金メッ
キ鋼板、表面処理鋼板、チタン板、ホーロー鋼板、フッ
素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、銅板等に代表される金
属板等が挙げられる。
ボード(a)の少なくとも片面に、耐火膨張シート
(b)を設けてなるものである。上記不燃材料からなる
ボード(a)としては特に限定されず、例えば、けい酸
カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、パーラ
イトセメント板、ロックウール板、スレート板、ALC
板、窯業系板、モルタル、プレキャストコンクリート
板、ガラス繊維強化コンクリート板、セメントと木片と
の複合体等に代表される無機系ボード;鉄板、ステンレ
ス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム・亜鉛合金メッ
キ鋼板、表面処理鋼板、チタン板、ホーロー鋼板、フッ
素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、銅板等に代表される金
属板等が挙げられる。
【0009】上記不燃材料からなるボード(a)とし
て、無機系ボードが用いられる場合、該無機系ボードの
厚みは、5〜100mm、好ましくは10〜70mmで
ある。5mm未満であると、充分な耐火性を発揮するこ
とができず、100mmを超えると、施工性が劣るの
で、上記範囲に限定される。
て、無機系ボードが用いられる場合、該無機系ボードの
厚みは、5〜100mm、好ましくは10〜70mmで
ある。5mm未満であると、充分な耐火性を発揮するこ
とができず、100mmを超えると、施工性が劣るの
で、上記範囲に限定される。
【0010】上記無機系ボード(a)の密度は、0.2
〜2.5gf/cm3 が好ましい。0.2gf/cm3
未満であると、耐熱性が低下し、火炎が貫通する恐れが
あり、2.5gf/cm3 を超えると、施工性に劣るも
のとなる。より好ましくは、0.3〜2.2gf/cm
3 である。
〜2.5gf/cm3 が好ましい。0.2gf/cm3
未満であると、耐熱性が低下し、火炎が貫通する恐れが
あり、2.5gf/cm3 を超えると、施工性に劣るも
のとなる。より好ましくは、0.3〜2.2gf/cm
3 である。
【0011】上記不燃材料からなるボード(a)とし
て、上記無機系ボード及び金属系ボードを合わせた複合
ボードもしくは金属系ボードのみから構成されるもので
ある場合、上記金属ボードの厚みは、0.1〜5mmで
ある。上記金属ボードの厚みが0.1mm未満では、用
いられた金属系ボードの耐火性強化の硬化は得られず、
又、5mmを超えると、施工性が低下するおそれがあ
る。
て、上記無機系ボード及び金属系ボードを合わせた複合
ボードもしくは金属系ボードのみから構成されるもので
ある場合、上記金属ボードの厚みは、0.1〜5mmで
ある。上記金属ボードの厚みが0.1mm未満では、用
いられた金属系ボードの耐火性強化の硬化は得られず、
又、5mmを超えると、施工性が低下するおそれがあ
る。
【0012】上記耐火膨張シート(b)は、火災時の熱
によって膨張することにより耐火断熱層を形成するもの
である。このため、上記不燃材料からなるボード(a)
の裏面へ熱が伝わるのを防止し、更には、上記不燃材料
からなるボード(a)が熱により収縮して亀裂が発生し
たり、上記不燃材料からなるボード(a)同士の間に隙
間が発生したりした場合にも、炎が上記不燃材料からな
るボード(a)の裏面に回り込むことを防止する。
によって膨張することにより耐火断熱層を形成するもの
である。このため、上記不燃材料からなるボード(a)
の裏面へ熱が伝わるのを防止し、更には、上記不燃材料
からなるボード(a)が熱により収縮して亀裂が発生し
たり、上記不燃材料からなるボード(a)同士の間に隙
間が発生したりした場合にも、炎が上記不燃材料からな
るボード(a)の裏面に回り込むことを防止する。
【0013】上記耐火膨張シート(b)は、300℃に
加熱した場合において、加熱前の厚み(D)と加熱後の
厚み(D′)との関係が、 D′/ D=1.1〜20 である。1.1未満であると、断熱性が悪くなり、20
を超えると、膨張した形状を維持できず、上記不燃材料
からなるボード(a)から剥落してしまうので、上記範
囲に限定される。好ましくは、 D′/ D=1.5〜15 である。又、300℃に加熱した場合において、加熱後
の厚み(D′)が加熱前の厚み(D)の2倍以上になる
ものが、より好適に用いられる。
加熱した場合において、加熱前の厚み(D)と加熱後の
厚み(D′)との関係が、 D′/ D=1.1〜20 である。1.1未満であると、断熱性が悪くなり、20
を超えると、膨張した形状を維持できず、上記不燃材料
からなるボード(a)から剥落してしまうので、上記範
囲に限定される。好ましくは、 D′/ D=1.5〜15 である。又、300℃に加熱した場合において、加熱後
の厚み(D′)が加熱前の厚み(D)の2倍以上になる
ものが、より好適に用いられる。
【0014】上記耐火膨張シート(b)の厚みは、0.
5〜40mm、好ましくは1〜15mmである。0.5
mm未満であると、膨張しても充分な断熱性を発揮せ
ず、40mmを超えると、重量が重くなり、施工性に問
題が生じるので、上記範囲に限定される。
5〜40mm、好ましくは1〜15mmである。0.5
mm未満であると、膨張しても充分な断熱性を発揮せ
ず、40mmを超えると、重量が重くなり、施工性に問
題が生じるので、上記範囲に限定される。
【0015】本発明においては、上記耐火膨張シート
(b)は、粘着性を有するものであることが好ましい。
粘着性を有するものとすることにより、上記耐火膨張シ
ート(b)を上記不燃材料からなるボード(a)に簡便
に設置することができ、施工性が向上する。
(b)は、粘着性を有するものであることが好ましい。
粘着性を有するものとすることにより、上記耐火膨張シ
ート(b)を上記不燃材料からなるボード(a)に簡便
に設置することができ、施工性が向上する。
【0016】請求項2記載の発明は、上記厚み5〜10
0mmの不燃性材料からなるボード(a)が、無機系ボ
ード及び/又は金属系ボードを複数枚合わせた複合ボー
ド(a’)であることを特徴とする請求項1記載の耐火
構造体である。
0mmの不燃性材料からなるボード(a)が、無機系ボ
ード及び/又は金属系ボードを複数枚合わせた複合ボー
ド(a’)であることを特徴とする請求項1記載の耐火
構造体である。
【0017】本発明における耐火構造体のうち、特に無
機系ボード及び金属系ボードを前記する構造で複数枚合
わせた複合ボード(a’)は、火炎の貫通を確実に遮断
でき、且つ、意匠性にも富むものである。
機系ボード及び金属系ボードを前記する構造で複数枚合
わせた複合ボード(a’)は、火炎の貫通を確実に遮断
でき、且つ、意匠性にも富むものである。
【0018】請求項3記載の発明は、厚み0.1〜5.
0mmの金属板及び厚み5〜40mmのけい酸カルシウ
ム板を合わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面
に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設
けてなることを特徴とする請求項2記載の耐火構造体で
ある。
0mmの金属板及び厚み5〜40mmのけい酸カルシウ
ム板を合わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面
に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設
けてなることを特徴とする請求項2記載の耐火構造体で
ある。
【0019】本発明における上記けい酸カルシウムは、
厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分な耐
火性を示さず、40mmを超えると施工性が悪くなるの
で上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜40mmの
けい酸カルシウム板に積層される金属板の厚みは、請求
項1記載の発明において記述した通り、0.1〜5.0
mmに限定される。
厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分な耐
火性を示さず、40mmを超えると施工性が悪くなるの
で上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜40mmの
けい酸カルシウム板に積層される金属板の厚みは、請求
項1記載の発明において記述した通り、0.1〜5.0
mmに限定される。
【0020】請求項4記載の発明は、厚み0.1〜5.
0mmの金属板及び厚み5〜40mmの石膏ボードを合
わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面に、厚み
0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設けてなる
ことを特徴とする請求項2記載の耐火構造体である。
0mmの金属板及び厚み5〜40mmの石膏ボードを合
わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面に、厚み
0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設けてなる
ことを特徴とする請求項2記載の耐火構造体である。
【0021】本発明における上記けい酸カルシウムは、
厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分な耐
火性を示さず、40mmを超えると施工性が悪くなるの
で上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜40mmの
けい酸カルシウム板に積層される金属板の厚みは、請求
項1記載の発明において記述した通り、0.1〜5.0
mmに限定される。
厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分な耐
火性を示さず、40mmを超えると施工性が悪くなるの
で上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜40mmの
けい酸カルシウム板に積層される金属板の厚みは、請求
項1記載の発明において記述した通り、0.1〜5.0
mmに限定される。
【0022】請求項5記載の発明は、厚み0.1〜5.
0mmの金属板及び厚み5〜50mmの窯業系サイディ
ングを合わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面
に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設
けてなることを特徴とする請求項2記載の耐火構造体で
ある。
0mmの金属板及び厚み5〜50mmの窯業系サイディ
ングを合わせた複合ボード(a’)の少なくとも片面
に、厚み0.5〜40mmの耐火膨張シート(b)を設
けてなることを特徴とする請求項2記載の耐火構造体で
ある。
【0023】本発明における上記窯業系サイディング
は、厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分
な耐火性を示さず、50mmを超えると施工性が悪くな
るので上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜50m
mの窯業系サイディングに積層される金属板の厚みは、
請求項1記載の発明において記述した通り、0.1〜
5.0mmに限定される。
は、厚みが5mm未満では、得られる耐火構造体が十分
な耐火性を示さず、50mmを超えると施工性が悪くな
るので上記範囲に限定される。又、上記厚み5〜50m
mの窯業系サイディングに積層される金属板の厚みは、
請求項1記載の発明において記述した通り、0.1〜
5.0mmに限定される。
【0024】請求項6記載の発明は、上記耐火膨張シー
ト(b)が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化
合物及び無機充填剤を含有する樹脂組成物からなること
を特徴とする請求項1〜5記載の耐火構造体である。
ト(b)が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化
合物及び無機充填剤を含有する樹脂組成物からなること
を特徴とする請求項1〜5記載の耐火構造体である。
【0025】上記熱可塑性樹脂及びゴム物質としては特
に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1−)
ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイ
ソブチレン、ニトリルゴム等が挙げられる。
に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1−)
ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイ
ソブチレン、ニトリルゴム等が挙げられる。
【0026】クロロプレン系樹脂、塩素化ブチル系樹脂
等のハロゲン化された樹脂は、それ自体難燃性が高く、
熱による脱ハロゲン化反応により、架橋が起こり、加熱
後の残渣の強度が向上する点において好ましい。上記熱
可塑性樹脂及びゴム物質として例示したものは、非常に
柔軟でゴム的性質を持っていることから、上記無機充填
剤を高充填することが可能であり、得られる耐火膨張シ
ート(b)が柔軟でフレキシブルなものとなる。より柔
軟でフレキシブルな耐火膨張シート(b)を得るために
は、ポリエチレン系樹脂や非加硫ゴムが好適に用いられ
る。
等のハロゲン化された樹脂は、それ自体難燃性が高く、
熱による脱ハロゲン化反応により、架橋が起こり、加熱
後の残渣の強度が向上する点において好ましい。上記熱
可塑性樹脂及びゴム物質として例示したものは、非常に
柔軟でゴム的性質を持っていることから、上記無機充填
剤を高充填することが可能であり、得られる耐火膨張シ
ート(b)が柔軟でフレキシブルなものとなる。より柔
軟でフレキシブルな耐火膨張シート(b)を得るために
は、ポリエチレン系樹脂や非加硫ゴムが好適に用いられ
る。
【0027】上記熱可塑性樹脂及びゴム物質は、単独で
用いても、2種以上を併用してもよい。樹脂の溶融粘
度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上の樹脂を
ブレンドしたものをベース樹脂としてもちいてもよい。
用いても、2種以上を併用してもよい。樹脂の溶融粘
度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上の樹脂を
ブレンドしたものをベース樹脂としてもちいてもよい。
【0028】上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質に
は、更に、請求項1記載の発明における耐火膨張シート
(b)の耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施
されてもよい。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の
架橋や変性を行う時期については特に限定されず、予め
架橋、変性した熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質を用い
てもよく、後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分
を配合する際同時に架橋や変性してもよいし、又は、熱
可塑性樹脂及び/又はゴム物質に他の成分を配合した後
に架橋や変性してもよく、いずれの段階でおこなっても
よい。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法
については特に限定されず、熱可塑性樹脂又はゴム物質
について通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、
過酸化物等を使用する架橋、電子線照射による架橋方法
等が挙げられる。
は、更に、請求項1記載の発明における耐火膨張シート
(b)の耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施
されてもよい。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の
架橋や変性を行う時期については特に限定されず、予め
架橋、変性した熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質を用い
てもよく、後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分
を配合する際同時に架橋や変性してもよいし、又は、熱
可塑性樹脂及び/又はゴム物質に他の成分を配合した後
に架橋や変性してもよく、いずれの段階でおこなっても
よい。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法
については特に限定されず、熱可塑性樹脂又はゴム物質
について通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、
過酸化物等を使用する架橋、電子線照射による架橋方法
等が挙げられる。
【0029】上記リン化合物としては特に限定されず、
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
【0030】
【化1】
【0031】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数
6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭
素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のア
リールオキシ基を表す。
6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数
6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭
素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のア
リールオキシ基を表す。
【0032】上記赤リンは、少量の添加で難燃効果が向
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
【0033】上記ポリリン酸アンモニウム類としては特
に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取
扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いら
れる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製「AP4
22」、「AP462」、住友化学工業社製「スミセー
フP」、チッソ社製「テラージュC60」等が挙げられ
る。
に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取
扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いら
れる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製「AP4
22」、「AP462」、住友化学工業社製「スミセー
フP」、チッソ社製「テラージュC60」等が挙げられ
る。
【0034】上記一般式(1)で表される化合物として
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸
は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
上記リン化合物は、単独で用いても、2種異常を併用し
てもよい。
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸
は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
上記リン化合物は、単独で用いても、2種異常を併用し
てもよい。
【0035】上記無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチ
モン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイド
ロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、けい酸カルシウム、シリカ、珪
藻土、ドーンナイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベン
トナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セ
リサイト、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アル
ミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラッ
ク、炭素バルーン、木炭粉末、グラファイト、チタン酸
カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸アルミニウ
ム、ホウ酸亜鉛、硫化モリブデン、炭化けい素、炭素繊
維、ガラス繊維、スラグ繊維、ステンレス繊維、各種金
属粉、各種磁性粉、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げ
られる。なかでも、含水無機物及び金属炭酸塩が好適に
用いられる。
例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチ
モン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイド
ロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、けい酸カルシウム、シリカ、珪
藻土、ドーンナイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベン
トナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セ
リサイト、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アル
ミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラッ
ク、炭素バルーン、木炭粉末、グラファイト、チタン酸
カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸アルミニウ
ム、ホウ酸亜鉛、硫化モリブデン、炭化けい素、炭素繊
維、ガラス繊維、スラグ繊維、ステンレス繊維、各種金
属粉、各種磁性粉、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げ
られる。なかでも、含水無機物及び金属炭酸塩が好適に
用いられる。
【0036】水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した
水のために吸熱が起こり、温度上昇が抑制されて高い耐
熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存
し、これが骨材となって作用することで残渣強度が向上
する点で特に好ましい。水酸化マグネシウムと水酸化ア
ルミニウムは、脱水反応を起こす温度領域がずれて異な
るため、これらを併用すると、上記脱水反応による温度
上昇抑制効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的
な温度上昇抑制効果を奏し得るものである。
等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した
水のために吸熱が起こり、温度上昇が抑制されて高い耐
熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存
し、これが骨材となって作用することで残渣強度が向上
する点で特に好ましい。水酸化マグネシウムと水酸化ア
ルミニウムは、脱水反応を起こす温度領域がずれて異な
るため、これらを併用すると、上記脱水反応による温度
上昇抑制効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的
な温度上昇抑制効果を奏し得るものである。
【0037】炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩
は、上記リン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、
特にリン化合物としてポリリン酸アンモニウムを使用し
た場合に高い膨張効果が得られる。又、上記金属炭酸塩
の中では、更に、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸
塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロン
チウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸亜鉛等の周期
律表IIb族金属の炭酸塩が好ましい。一般的に、無機
充填剤は、骨材的な働きをすることから、残渣強度の向
上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。上記無機充
填剤は、単独で用いてもよく、2種以上が併用してもよ
い。
は、上記リン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、
特にリン化合物としてポリリン酸アンモニウムを使用し
た場合に高い膨張効果が得られる。又、上記金属炭酸塩
の中では、更に、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸
塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロン
チウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸亜鉛等の周期
律表IIb族金属の炭酸塩が好ましい。一般的に、無機
充填剤は、骨材的な働きをすることから、残渣強度の向
上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。上記無機充
填剤は、単独で用いてもよく、2種以上が併用してもよ
い。
【0038】上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜
100μmのものが使用でき、より好ましくは約1〜5
0μmである。又、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小
さいものとを組み合わせて使用することがより好まし
く、組み合わせて用いることによって、シートの力学的
性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。
100μmのものが使用でき、より好ましくは約1〜5
0μmである。又、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小
さいものとを組み合わせて使用することがより好まし
く、組み合わせて用いることによって、シートの力学的
性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。
【0039】上記耐火膨張シート(b)には、熱可塑性
樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物及び無機充填剤の
他に、中和処理された熱膨張性黒鉛、多価アルコール等
が添加されてもよい。
樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物及び無機充填剤の
他に、中和処理された熱膨張性黒鉛、多価アルコール等
が添加されてもよい。
【0040】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより得られるグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより得られるグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
【0041】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛とする。上記
脂肪族低級アミンとしては特に限定されず、例えば、モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げ
られる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水
酸化物、酸化物、炭酸塩、有機酸塩等が挙げられる。上
記中和処理された熱膨張性黒鉛の具体例としては特に限
定されず、例えば、日本化成社製、商品名「CA−60
S」等が挙げられる。
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛とする。上記
脂肪族低級アミンとしては特に限定されず、例えば、モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げ
られる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水
酸化物、酸化物、炭酸塩、有機酸塩等が挙げられる。上
記中和処理された熱膨張性黒鉛の具体例としては特に限
定されず、例えば、日本化成社製、商品名「CA−60
S」等が挙げられる。
【0042】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が20メッ
シュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所望の
耐火断熱層が得られず、粒度が200メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分
散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が20メッ
シュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所望の
耐火断熱層が得られず、粒度が200メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分
散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0043】上記多価アルコールは、分子中に水酸基を
2つ以上有する炭化水素化合物であるが、その炭素数は
1〜50が好ましい。上記多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、モノペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ネオ
ペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、
マンニトール、グルコースフルクトース、デンプン、セ
ルロース等が挙げられる。上記多価アルコールは、単独
で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
2つ以上有する炭化水素化合物であるが、その炭素数は
1〜50が好ましい。上記多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、モノペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ネオ
ペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、
マンニトール、グルコースフルクトース、デンプン、セ
ルロース等が挙げられる。上記多価アルコールは、単独
で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0044】上記多価アルコールとしては、分子中の水
酸基数と炭素数との比〔(水酸基数)/(炭素数)〕が
0.2〜2.0であるものが好ましく、より好ましく
は、ペンタエリスリトール類、ソルビトール、マンニト
ール等に代表されるような、〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が0.7〜1.5のものである。なかでも、ペン
タエリスリトール類は、水酸基含有率が高いため炭化促
進効果が高く、最も好ましいものである。
酸基数と炭素数との比〔(水酸基数)/(炭素数)〕が
0.2〜2.0であるものが好ましく、より好ましく
は、ペンタエリスリトール類、ソルビトール、マンニト
ール等に代表されるような、〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が0.7〜1.5のものである。なかでも、ペン
タエリスリトール類は、水酸基含有率が高いため炭化促
進効果が高く、最も好ましいものである。
【0045】上記分子中の水酸基数と炭素数との比
〔(水酸基数)/(炭素数)〕が0.2〜2.0の範囲
にある多価アルコールは、燃焼時に脱水縮合して効果的
に炭化層を形成する。上記比〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が0.2未満であると、燃焼時に脱水縮合よりも
炭素鎖の分解が起こり易くなるため、充分な炭化層を形
成することができず、2.0を超えると、炭化層の形成
には差し支えないが、耐水性が大幅に低下する。耐水性
が低下すると、成形直後の耐火膨張シート(b)成形体
を水冷する際に、上記多価アルコールが溶出したり、該
成形体の保管中に、吸湿して上記多価アルコールがブリ
ードアウトする等の問題点がある。
〔(水酸基数)/(炭素数)〕が0.2〜2.0の範囲
にある多価アルコールは、燃焼時に脱水縮合して効果的
に炭化層を形成する。上記比〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が0.2未満であると、燃焼時に脱水縮合よりも
炭素鎖の分解が起こり易くなるため、充分な炭化層を形
成することができず、2.0を超えると、炭化層の形成
には差し支えないが、耐水性が大幅に低下する。耐水性
が低下すると、成形直後の耐火膨張シート(b)成形体
を水冷する際に、上記多価アルコールが溶出したり、該
成形体の保管中に、吸湿して上記多価アルコールがブリ
ードアウトする等の問題点がある。
【0046】以下、請求項1記載の発明の耐火膨張シー
ト(b)を構成する樹脂組成物として、好ましいものを
具体的に例示しながら説明する。以下に説明する樹脂組
成物1〜5を構成する熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質
等の各材料としては、上述したものが使用される。先
ず、請求項1記載の発明における樹脂組成物1として、
熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中和処
理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤からなり、上記リ
ン化合物及び中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が、
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対
して合計量で20〜200重量部、中和処理された熱膨
張性黒鉛と上記リン化合物との重量比〔(中和処理され
た熱膨張性黒鉛)/(リン化合物)〕が、0.01〜
9、上記無機充填剤の配合量が、上記熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質100重量部に対して50〜500重量
部、上記無機充填剤と上記リン化合物との重量比〔(無
機充填剤)/(リン化合物)〕が、0.6〜1.5の樹
脂組成物が挙げられる。
ト(b)を構成する樹脂組成物として、好ましいものを
具体的に例示しながら説明する。以下に説明する樹脂組
成物1〜5を構成する熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質
等の各材料としては、上述したものが使用される。先
ず、請求項1記載の発明における樹脂組成物1として、
熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中和処
理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤からなり、上記リ
ン化合物及び中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が、
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対
して合計量で20〜200重量部、中和処理された熱膨
張性黒鉛と上記リン化合物との重量比〔(中和処理され
た熱膨張性黒鉛)/(リン化合物)〕が、0.01〜
9、上記無機充填剤の配合量が、上記熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質100重量部に対して50〜500重量
部、上記無機充填剤と上記リン化合物との重量比〔(無
機充填剤)/(リン化合物)〕が、0.6〜1.5の樹
脂組成物が挙げられる。
【0047】上記無機充填剤の中では、上記含水無機
物、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表
IIb族金属の金属炭酸塩、上記含水無機物と上記金属
炭酸塩の混合物が好ましい。
物、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表
IIb族金属の金属炭酸塩、上記含水無機物と上記金属
炭酸塩の混合物が好ましい。
【0048】上記リン化合物及び上記中和処理された熱
膨張性黒鉛の配合量は、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴ
ム物質100重量部に対して合計量で20〜200重量
部が好ましい。20重量部未満であると、充分な耐火性
が得られず、200重量部を超えると、機械的物性の低
下が大きく、使用に耐えない。
膨張性黒鉛の配合量は、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴ
ム物質100重量部に対して合計量で20〜200重量
部が好ましい。20重量部未満であると、充分な耐火性
が得られず、200重量部を超えると、機械的物性の低
下が大きく、使用に耐えない。
【0049】上記無機充填剤の配合量は、上記熱可塑性
樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、50〜
500重量部が好ましい。50重量部未満であると、充
分な耐火性が得られず、500重量部を超えると、機械
的物性の低下が大きく、使用に耐えない。より好ましく
は、60〜300重量部である。上記無機充填剤と上記
リン化合物との重量比〔(無機充填剤)/(リン化合
物)〕が、0.6〜1.5が好ましい。
樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、50〜
500重量部が好ましい。50重量部未満であると、充
分な耐火性が得られず、500重量部を超えると、機械
的物性の低下が大きく、使用に耐えない。より好ましく
は、60〜300重量部である。上記無機充填剤と上記
リン化合物との重量比〔(無機充填剤)/(リン化合
物)〕が、0.6〜1.5が好ましい。
【0050】上記中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リ
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕は、0.01〜9が好ましい。中和
処理された熱膨張性黒鉛と上記リン化合物との重量比
を、0.01〜9とすることによって、燃焼残渣の形状
保持性と高い耐火性能を得ることができる。中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の配合比率が高過ぎると、燃焼時に膨
張した黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得られない。
一方、リン化合物の配合比率が高過ぎると、断熱層の形
成が充分ではなくなるので、充分な断熱効果が得られな
い。
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕は、0.01〜9が好ましい。中和
処理された熱膨張性黒鉛と上記リン化合物との重量比
を、0.01〜9とすることによって、燃焼残渣の形状
保持性と高い耐火性能を得ることができる。中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の配合比率が高過ぎると、燃焼時に膨
張した黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得られない。
一方、リン化合物の配合比率が高過ぎると、断熱層の形
成が充分ではなくなるので、充分な断熱効果が得られな
い。
【0051】上記中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リ
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕が、0.01〜9の上記範囲内にお
いても、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が高い
と、高い膨張倍率は得られるが形状保持性が充分ではな
くなる。この場合、燃焼時の形状保持性の観点から、中
和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比は、
0.01〜2が好ましい。より好ましくは、0.02〜
0.3であり、更に好ましくは、0.025〜0.2で
ある。上記中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が10
重量部以下の時は、形状保持性が比較的良好で、加熱残
渣が崩れ落ちることがない。
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕が、0.01〜9の上記範囲内にお
いても、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が高い
と、高い膨張倍率は得られるが形状保持性が充分ではな
くなる。この場合、燃焼時の形状保持性の観点から、中
和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比は、
0.01〜2が好ましい。より好ましくは、0.02〜
0.3であり、更に好ましくは、0.025〜0.2で
ある。上記中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が10
重量部以下の時は、形状保持性が比較的良好で、加熱残
渣が崩れ落ちることがない。
【0052】上記樹脂組成物1の耐火の機構は、必ずし
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、中和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱に
より膨張して断熱層を形成し、熱の伝達を阻止する。無
機充填剤は、その際熱容量の増大に寄与する。リン化合
物は、膨張断熱層の形状保持能力を有する。
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、中和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱に
より膨張して断熱層を形成し、熱の伝達を阻止する。無
機充填剤は、その際熱容量の増大に寄与する。リン化合
物は、膨張断熱層の形状保持能力を有する。
【0053】次に、請求項1記載の発明における樹脂組
成物2として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物及び上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周
期律表IIb族金属の金属炭酸塩からなり、上記リン化
合物及び金属炭酸塩の合計量が、熱可塑性樹脂及び/又
はゴム物質100重量部に対して50〜900重量部、
上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量比〔(金属炭
酸塩)/(リン化合物)〕が、0.6〜1.5の樹脂組
成物が挙げられる。
成物2として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物及び上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周
期律表IIb族金属の金属炭酸塩からなり、上記リン化
合物及び金属炭酸塩の合計量が、熱可塑性樹脂及び/又
はゴム物質100重量部に対して50〜900重量部、
上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量比〔(金属炭
酸塩)/(リン化合物)〕が、0.6〜1.5の樹脂組
成物が挙げられる。
【0054】上記リン化合物及び金属炭酸塩の合計量と
しては、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重
量部に対して、50〜900重量部を配合することが好
ましい。上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量比
〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、0.6〜1.
5が好ましい。上記金属炭酸塩とリン化合物との重量比
を0.6〜1.5とすることによって、発泡膨張し、か
つ、強固な皮膜を形成することができる。上記金属炭酸
塩が多過ぎると、充分な膨張倍率が得られず、上記リン
化合物が多過ぎると、破断強度が低下し、樹脂組成物2
の機械的物性が低下する。
しては、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重
量部に対して、50〜900重量部を配合することが好
ましい。上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量比
〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、0.6〜1.
5が好ましい。上記金属炭酸塩とリン化合物との重量比
を0.6〜1.5とすることによって、発泡膨張し、か
つ、強固な皮膜を形成することができる。上記金属炭酸
塩が多過ぎると、充分な膨張倍率が得られず、上記リン
化合物が多過ぎると、破断強度が低下し、樹脂組成物2
の機械的物性が低下する。
【0055】上記樹脂組成物2の耐火の機構は、必ずし
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時にリン化合物より発生するポリリ
ン酸と炭酸塩との化学反応により、脱炭酸、脱アンモニ
ア反応が促進する。リン化合物はポリリン酸を発生させ
るとともに、発泡皮膜のバインダーとして働く。金属炭
酸塩は骨材的役割を果たすと考えられる。
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時にリン化合物より発生するポリリ
ン酸と炭酸塩との化学反応により、脱炭酸、脱アンモニ
ア反応が促進する。リン化合物はポリリン酸を発生させ
るとともに、発泡皮膜のバインダーとして働く。金属炭
酸塩は骨材的役割を果たすと考えられる。
【0056】次に、請求項1記載の発明における樹脂組
成物3として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期
律表IIb族金属の金属炭酸塩並びに含水無機物及び/
又はカルシウム塩からなり、上記リン化合物、金属炭酸
塩並びに含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量
が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対
して50〜900重量部、上記金属炭酸塩並びに含水無
機物及び/又はカルシウム塩の合計量と上記リン化合物
との重量比〔(金属炭酸塩並びに含水無機物及び/又は
カルシウム塩の合計量)/(リン化合物)〕が、0.6
〜1.5、含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量
が、上記金属炭酸塩100重量部に対して1〜70重量
部の樹脂組成物が挙げられる。上記カルシウム塩として
は特に限定されず、例えば、硫酸カルシウム、石膏、二
リン酸カルシウム等が挙げられる。
成物3として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期
律表IIb族金属の金属炭酸塩並びに含水無機物及び/
又はカルシウム塩からなり、上記リン化合物、金属炭酸
塩並びに含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量
が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対
して50〜900重量部、上記金属炭酸塩並びに含水無
機物及び/又はカルシウム塩の合計量と上記リン化合物
との重量比〔(金属炭酸塩並びに含水無機物及び/又は
カルシウム塩の合計量)/(リン化合物)〕が、0.6
〜1.5、含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量
が、上記金属炭酸塩100重量部に対して1〜70重量
部の樹脂組成物が挙げられる。上記カルシウム塩として
は特に限定されず、例えば、硫酸カルシウム、石膏、二
リン酸カルシウム等が挙げられる。
【0057】上記リン化合物、金属炭酸塩並びに含水無
機物及び/又はカルシウム塩の合計量としては、熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜
900重量部を配合することが好ましい。50重量部未
満であると、加熱後の残渣量が不充分となり、耐火断熱
層を形成することができず、900重量部を超えると、
樹脂組成物3の機械的物性が低下する。含水無機物及び
/又はカルシウム塩の合計量としては、上記金属炭酸塩
100重量部に対して、1〜70重量部を配合すること
が好ましい。70重量部を超えると、良好な形状保持性
が発揮できない。
機物及び/又はカルシウム塩の合計量としては、熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜
900重量部を配合することが好ましい。50重量部未
満であると、加熱後の残渣量が不充分となり、耐火断熱
層を形成することができず、900重量部を超えると、
樹脂組成物3の機械的物性が低下する。含水無機物及び
/又はカルシウム塩の合計量としては、上記金属炭酸塩
100重量部に対して、1〜70重量部を配合すること
が好ましい。70重量部を超えると、良好な形状保持性
が発揮できない。
【0058】上記リン化合物に対する上記金属炭酸塩並
びに含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量との重
量比〔(金属炭酸塩並びに含水無機物及び/又はカルシ
ウム塩の合計量)/(リン化合物)〕は、0.6〜1.
5が好ましい。
びに含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量との重
量比〔(金属炭酸塩並びに含水無機物及び/又はカルシ
ウム塩の合計量)/(リン化合物)〕は、0.6〜1.
5が好ましい。
【0059】上記樹脂組成物3の耐火の機構は、必ずし
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時にリン化合物より発生するポリリ
ン酸と炭酸塩との化学反応により、脱炭酸、脱アンモニ
ア反応が促進する。リン化合物はポリリン酸を発生させ
るとともに、発泡皮膜のバインダーとして働く。金属炭
酸塩は骨材的役割を果たす。含水無機物及び/又はカル
シウム塩は、上記金属炭酸塩と同様に骨材的役割を果た
すと考えられる。
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時にリン化合物より発生するポリリ
ン酸と炭酸塩との化学反応により、脱炭酸、脱アンモニ
ア反応が促進する。リン化合物はポリリン酸を発生させ
るとともに、発泡皮膜のバインダーとして働く。金属炭
酸塩は骨材的役割を果たす。含水無機物及び/又はカル
シウム塩は、上記金属炭酸塩と同様に骨材的役割を果た
すと考えられる。
【0060】又、請求項1記載の発明における樹脂組成
物4として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化
合物、多価アルコール及び上記アルカリ金属、アルカリ
土類金属及び周期律表IIb族金属の金属炭酸塩からな
り、上記リン化合物、多価アルコール及び金属炭酸塩の
合計量が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量
部に対して50〜900重量部、上記多価アルコールと
上記リン化合物との重量比〔(多価アルコール)/(リ
ン化合物)〕が、0.05〜20、上記金属炭酸塩と上
記リン化合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合
物)〕が、0.01〜50の樹脂組成物が挙げられる。
物4として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化
合物、多価アルコール及び上記アルカリ金属、アルカリ
土類金属及び周期律表IIb族金属の金属炭酸塩からな
り、上記リン化合物、多価アルコール及び金属炭酸塩の
合計量が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量
部に対して50〜900重量部、上記多価アルコールと
上記リン化合物との重量比〔(多価アルコール)/(リ
ン化合物)〕が、0.05〜20、上記金属炭酸塩と上
記リン化合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合
物)〕が、0.01〜50の樹脂組成物が挙げられる。
【0061】上記リン化合物、多価アルコール及び金属
炭酸塩の配合量としては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質100重量部に対して、その3成分の合計量が50
〜900重量部となるように配合することが好ましい。
上記3成分の合計量が50重量部未満であると、加熱後
の残渣量が不充分となり、耐火断熱層を形成することが
できず、900重量部を超えると、樹脂組成物4の機械
的物性が低下する。より好ましくは、100〜700重
量部であり、更に好ましくは、200〜500重量部で
ある。
炭酸塩の配合量としては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質100重量部に対して、その3成分の合計量が50
〜900重量部となるように配合することが好ましい。
上記3成分の合計量が50重量部未満であると、加熱後
の残渣量が不充分となり、耐火断熱層を形成することが
できず、900重量部を超えると、樹脂組成物4の機械
的物性が低下する。より好ましくは、100〜700重
量部であり、更に好ましくは、200〜500重量部で
ある。
【0062】上記多価アルコールと上記リン化合物との
重量比〔(多価アルコール)/(リン化合物)〕は、よ
り高い耐火性能と残渣の形状保持性を発揮する観点か
ら、0.05〜20が好ましい。上記重量比が0.05
未満であると、発泡断熱層は脆くなるため使用に耐えら
れなくなり、20を超えると、発泡膨張せず、充分な耐
火性能が得られない。より好ましくは、0.3〜10で
あり、更に好ましくは、0.4〜5である。
重量比〔(多価アルコール)/(リン化合物)〕は、よ
り高い耐火性能と残渣の形状保持性を発揮する観点か
ら、0.05〜20が好ましい。上記重量比が0.05
未満であると、発泡断熱層は脆くなるため使用に耐えら
れなくなり、20を超えると、発泡膨張せず、充分な耐
火性能が得られない。より好ましくは、0.3〜10で
あり、更に好ましくは、0.4〜5である。
【0063】上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量
比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。上記重量比が0.01
未満であると、発泡断熱層は脆くなる。リン化合物は金
属炭酸塩のバインダー的役割を果たしているので、上記
重量比が50を超えると、リン化合物がバインダーとし
て機能せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発
泡膨張が不充分となるため、充分な耐火性能が得られな
い。
比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。上記重量比が0.01
未満であると、発泡断熱層は脆くなる。リン化合物は金
属炭酸塩のバインダー的役割を果たしているので、上記
重量比が50を超えると、リン化合物がバインダーとし
て機能せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発
泡膨張が不充分となるため、充分な耐火性能が得られな
い。
【0064】上記樹脂組成物4においては、リン化合
物、多価アルコール及び金属炭酸塩とを組み合わすこと
によって、充分な耐熱性を有し、かつ、燃焼後の残渣を
強固なものにし、形状保持を図るものである。多価アル
コールと金属炭酸塩に対するリン化合物の配合割合が大
き過ぎると、燃焼時に大きく膨張するため、断熱層が脆
くなり、材料を垂直において燃焼させた後も崩れない程
度に充分強固な燃焼残渣が得られなくなる。上記金属炭
酸塩の配合量が多過ぎたり、粒径が小さいと、吸油量が
大きくなって、発泡時のマトリックス粘度が大きくなる
ために、発泡が抑制され、断熱効果が充分ではなくな
る。金属炭酸塩の配合量が少ないと、粘度が低過ぎて発
泡せずに流れてしまう。
物、多価アルコール及び金属炭酸塩とを組み合わすこと
によって、充分な耐熱性を有し、かつ、燃焼後の残渣を
強固なものにし、形状保持を図るものである。多価アル
コールと金属炭酸塩に対するリン化合物の配合割合が大
き過ぎると、燃焼時に大きく膨張するため、断熱層が脆
くなり、材料を垂直において燃焼させた後も崩れない程
度に充分強固な燃焼残渣が得られなくなる。上記金属炭
酸塩の配合量が多過ぎたり、粒径が小さいと、吸油量が
大きくなって、発泡時のマトリックス粘度が大きくなる
ために、発泡が抑制され、断熱効果が充分ではなくな
る。金属炭酸塩の配合量が少ないと、粘度が低過ぎて発
泡せずに流れてしまう。
【0065】上記樹脂組成物4の耐火の機構は、必ずし
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時によりリン化合物は脱水、発泡す
ると共に、炭化触媒としても作用する。多価アルコール
はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成し、形状
保持性の優れた断熱層を形成する。金属炭酸塩は骨材的
役割を果たし、炭化層をより強固なものとする。
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時によりリン化合物は脱水、発泡す
ると共に、炭化触媒としても作用する。多価アルコール
はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成し、形状
保持性の優れた断熱層を形成する。金属炭酸塩は骨材的
役割を果たし、炭化層をより強固なものとする。
【0066】更に、請求項1記載の発明における樹脂組
成物5として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、多価アルコール
並びにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表I
Ib族金属の金属炭酸塩からなり、上記リン化合物、上
記中和処理された熱膨張性黒鉛、上記多価アルコール及
び金属炭酸塩の合計量が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質100重量部に対して50〜900重量部、上記多
価アルコールと上記リン化合物との重量比〔(多価アル
コール)/(リン化合物)〕が、0.05〜20、上記
中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リン化合物との重量
比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)/(リン化合
物)〕が、0.01〜9、上記金属炭酸塩と上記リン化
合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕
が、0.01〜50の樹脂組成物が挙げられる。
成物5として、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン
化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、多価アルコール
並びにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表I
Ib族金属の金属炭酸塩からなり、上記リン化合物、上
記中和処理された熱膨張性黒鉛、上記多価アルコール及
び金属炭酸塩の合計量が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質100重量部に対して50〜900重量部、上記多
価アルコールと上記リン化合物との重量比〔(多価アル
コール)/(リン化合物)〕が、0.05〜20、上記
中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リン化合物との重量
比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)/(リン化合
物)〕が、0.01〜9、上記金属炭酸塩と上記リン化
合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕
が、0.01〜50の樹脂組成物が挙げられる。
【0067】上記リン化合物、上記中和処理された熱膨
張性黒鉛、上記多価アルコール及び上記金属炭酸塩の配
合割合としては、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質
100重量部に対して、それらの合計量が50〜900
重量部であることが好ましい。上記4成分の合計量が5
0重量部未満であると、加熱後の残渣量が不充分とな
り、耐火断熱層を形成することができず、900重量部
を超えると、樹脂組成物5の機械的物性が低下する。よ
り好ましくは、100〜700重量部であり、更に好ま
しくは、200〜500重量部である。
張性黒鉛、上記多価アルコール及び上記金属炭酸塩の配
合割合としては、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質
100重量部に対して、それらの合計量が50〜900
重量部であることが好ましい。上記4成分の合計量が5
0重量部未満であると、加熱後の残渣量が不充分とな
り、耐火断熱層を形成することができず、900重量部
を超えると、樹脂組成物5の機械的物性が低下する。よ
り好ましくは、100〜700重量部であり、更に好ま
しくは、200〜500重量部である。
【0068】上記中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リ
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕が、0.01〜9であることが好ま
しい。上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物と
の重量比を、0.01〜9とすることによって、燃焼残
渣の形状保持性と高い耐火性能を得ることができる。中
和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が高過ぎると、燃
焼時に膨張した黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得ら
れない。一方、リン化合物の配合比率が高過ぎると、断
熱層の形成が充分でないために、充分な断熱効果が得ら
れない。
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕が、0.01〜9であることが好ま
しい。上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物と
の重量比を、0.01〜9とすることによって、燃焼残
渣の形状保持性と高い耐火性能を得ることができる。中
和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が高過ぎると、燃
焼時に膨張した黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得ら
れない。一方、リン化合物の配合比率が高過ぎると、断
熱層の形成が充分でないために、充分な断熱効果が得ら
れない。
【0069】燃焼時の形状保持性という点からは、上記
中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比
は、0.01〜5であることがより好ましい。樹脂組成
物5自体が難燃性であっても、形状保持性が不充分であ
ると脆くなった残渣が崩れ落ち、火炎を貫通させてしま
う可能性もあるため、適用される用途において形状保持
性が必要であるか否かによって、中和処理された熱膨張
性黒鉛の配合比率を選択することができる。更に好まし
くは、上記範囲は、0.01〜2である。
中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比
は、0.01〜5であることがより好ましい。樹脂組成
物5自体が難燃性であっても、形状保持性が不充分であ
ると脆くなった残渣が崩れ落ち、火炎を貫通させてしま
う可能性もあるため、適用される用途において形状保持
性が必要であるか否かによって、中和処理された熱膨張
性黒鉛の配合比率を選択することができる。更に好まし
くは、上記範囲は、0.01〜2である。
【0070】上記多価アルコールと上記リン化合物との
重量比〔(多価アルコール)/(リン化合物)〕は、よ
り高い耐火性能と残渣の形状保持性を発揮する観点か
ら、0.05〜20であることが好ましい。重量比が
0.05未満であると、発泡焼成層が脆くなるため使用
に耐えられなくなり、20を超えると、発泡膨張せず、
充分な耐火性能が得られない。より好ましくは、0.3
〜10であり、更に好ましくは、0.4〜5である。
重量比〔(多価アルコール)/(リン化合物)〕は、よ
り高い耐火性能と残渣の形状保持性を発揮する観点か
ら、0.05〜20であることが好ましい。重量比が
0.05未満であると、発泡焼成層が脆くなるため使用
に耐えられなくなり、20を超えると、発泡膨張せず、
充分な耐火性能が得られない。より好ましくは、0.3
〜10であり、更に好ましくは、0.4〜5である。
【0071】上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量
比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。重量比が0.01未満
であると、発泡焼成層が脆くなる。リン化合物は金属炭
酸塩のバインダー的役割を果しているので、上記重量比
が50を超えると、リン化合物がバインダーとして機能
せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発泡膨張
が不充分となるため、充分な耐火性能が得られない。
比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。重量比が0.01未満
であると、発泡焼成層が脆くなる。リン化合物は金属炭
酸塩のバインダー的役割を果しているので、上記重量比
が50を超えると、リン化合物がバインダーとして機能
せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発泡膨張
が不充分となるため、充分な耐火性能が得られない。
【0072】上記樹脂組成物5の耐火の機構は、必ずし
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時によりリン化合物は脱水、発泡す
ると共に、炭化触媒としても作用する。多価アルコール
はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成し、形状
保持性の優れた断熱層を形成する。金属炭酸塩は骨材的
役割を果たし、炭化層をより強固なものとする。中和処
理された熱膨張性黒鉛は、その際に膨張して断熱層を形
成し、熱の伝達を阻止するためにより有効に作用する。
も明らかではないが、以下のように発現するものと考え
られる。即ち、加熱時によりリン化合物は脱水、発泡す
ると共に、炭化触媒としても作用する。多価アルコール
はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成し、形状
保持性の優れた断熱層を形成する。金属炭酸塩は骨材的
役割を果たし、炭化層をより強固なものとする。中和処
理された熱膨張性黒鉛は、その際に膨張して断熱層を形
成し、熱の伝達を阻止するためにより有効に作用する。
【0073】上記樹脂組成物からなる耐火膨張シート
(b)は、25℃での初期の嵩密度が0.8〜2.0g
/cm3 であるものが好ましい。25℃での初期の嵩密
度を0.8〜2.0g/cm3 の範囲内とすることによ
って、上記耐火膨張シート(b)に要求される断熱性、
耐火性等の物性を損なわず、しかも、作業性に優れたも
のとすることができる。
(b)は、25℃での初期の嵩密度が0.8〜2.0g
/cm3 であるものが好ましい。25℃での初期の嵩密
度を0.8〜2.0g/cm3 の範囲内とすることによ
って、上記耐火膨張シート(b)に要求される断熱性、
耐火性等の物性を損なわず、しかも、作業性に優れたも
のとすることができる。
【0074】25℃における初期の嵩密度が0.8g/
cm3 未満であると、樹脂組成物中に充分な量の膨張
剤、炭化剤、不燃性充填剤等を添加することができず、
加熱後の膨張倍率、残渣量が不充分となり、耐火断熱層
を形成することができない。25℃における初期の嵩密
度が2.0g/cm3 を超えると、上記樹脂組成物の質
量が大きくなり過ぎるために、大面積の樹脂組成物の張
り付け作業等における作業性が低下する。より好ましく
は、1.0〜1.8g/cm3 である。
cm3 未満であると、樹脂組成物中に充分な量の膨張
剤、炭化剤、不燃性充填剤等を添加することができず、
加熱後の膨張倍率、残渣量が不充分となり、耐火断熱層
を形成することができない。25℃における初期の嵩密
度が2.0g/cm3 を超えると、上記樹脂組成物の質
量が大きくなり過ぎるために、大面積の樹脂組成物の張
り付け作業等における作業性が低下する。より好ましく
は、1.0〜1.8g/cm3 である。
【0075】請求項7記載の発明は、上記耐火膨張シー
ト(b)が、粘着性を有するものであることを特徴とす
る請求項1〜6記載の耐火構造体である。
ト(b)が、粘着性を有するものであることを特徴とす
る請求項1〜6記載の耐火構造体である。
【0076】上記耐火膨張シート(b)に粘着性を付与
する手段は、特に限定されるものではないが、例えば、
上記熱可塑性樹脂組成物もしくはゴム物質組成物に粘着
付与剤を添加することにより行うことができる。
する手段は、特に限定されるものではないが、例えば、
上記熱可塑性樹脂組成物もしくはゴム物質組成物に粘着
付与剤を添加することにより行うことができる。
【0077】上記粘着付与剤としては特に限定されず、
例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、油脂類、高分子低重合
物等が挙げられる。上記粘着付与樹脂としては特に限定
されず、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ダンマル、コ
ーパル、クマロン、インデン樹脂、ポリテルペン、非反
応性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油系炭化水素
樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、油脂類、高分子低重合
物等が挙げられる。上記粘着付与樹脂としては特に限定
されず、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ダンマル、コ
ーパル、クマロン、インデン樹脂、ポリテルペン、非反
応性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油系炭化水素
樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0078】上記可塑剤は、単独では上記耐火膨張シー
ト(b)に粘着性を付与することは難しいが、上記粘着
付与樹脂と併用することにより粘着性をより向上させる
ことができる。上記可塑剤としては特に限定されず、例
えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ア
ジピン酸エステル系可塑剤、サバチン酸エステル系可塑
剤、リシノール酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可
塑剤、エポキシ系可塑剤、塩化パラフィン等が挙げられ
る。
ト(b)に粘着性を付与することは難しいが、上記粘着
付与樹脂と併用することにより粘着性をより向上させる
ことができる。上記可塑剤としては特に限定されず、例
えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ア
ジピン酸エステル系可塑剤、サバチン酸エステル系可塑
剤、リシノール酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可
塑剤、エポキシ系可塑剤、塩化パラフィン等が挙げられ
る。
【0079】上記油脂類は、上記可塑剤と同様の作用を
有し、可塑性付与と粘着調整剤の目的で用いることがで
きる。上記油脂類としては特に限定されず、例えば、動
物性油脂、植物性油脂、鉱物油、シリコーン油等が挙げ
られる。
有し、可塑性付与と粘着調整剤の目的で用いることがで
きる。上記油脂類としては特に限定されず、例えば、動
物性油脂、植物性油脂、鉱物油、シリコーン油等が挙げ
られる。
【0080】上記高分子低重合物は、粘着性付与以外に
耐寒性向上、流動調整の目的で用いることができる。上
記高分子低重合物としては特に限定されず、例えば、天
然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエン
ゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−
BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチル
ゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、
EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒ
ドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリ
コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレ
タンゴム(U)等の低重合体等が挙げられる。
耐寒性向上、流動調整の目的で用いることができる。上
記高分子低重合物としては特に限定されず、例えば、天
然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエン
ゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−
BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチル
ゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、
EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒ
ドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリ
コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレ
タンゴム(U)等の低重合体等が挙げられる。
【0081】本発明においては、耐火膨張シート(b)
が上記のように粘着性を有するものであるので、上記耐
火膨張シート(b)を不燃性材料からなるボード(a)
に簡便に設置することができ、施工性がより向上する。
が上記のように粘着性を有するものであるので、上記耐
火膨張シート(b)を不燃性材料からなるボード(a)
に簡便に設置することができ、施工性がより向上する。
【0082】請求項8記載の発明は、請求項1〜6記載
の耐火構造体の耐火膨張シート(b)の層上に、更に、
前記耐火膨張シート(b)の膨張を妨げずに前記耐火膨
張シート(b)の形状を保持することができる部材
(c)の層を設けてなることを特徴とする壁用耐火構造
体である。
の耐火構造体の耐火膨張シート(b)の層上に、更に、
前記耐火膨張シート(b)の膨張を妨げずに前記耐火膨
張シート(b)の形状を保持することができる部材
(c)の層を設けてなることを特徴とする壁用耐火構造
体である。
【0083】上記耐火膨張シート(b)の膨張を妨げず
とは、上記耐火膨張シート(b)の層上に部材(c)を
設けてなる壁用耐火構造体を300℃に加熱した場合に
おいて、上記耐火膨張シート(b)の加熱前の厚み
(D)と加熱後の厚み(D′)とが、 D′/ D=1.1〜20 の関係を満たすことをいう。
とは、上記耐火膨張シート(b)の層上に部材(c)を
設けてなる壁用耐火構造体を300℃に加熱した場合に
おいて、上記耐火膨張シート(b)の加熱前の厚み
(D)と加熱後の厚み(D′)とが、 D′/ D=1.1〜20 の関係を満たすことをいう。
【0084】上記部材(c)は、加熱時に膨張する上記
耐火膨張シート(b)の壁に沿った形状を保持するため
のものである。上記部材(c)としては、260℃にお
いて形状を保持することができるものであれば特に限定
されず、例えば、セラミックシート;鉄、ステンレス、
アルミ等の金属板、金属網又は金属ラス;紙等が挙げら
れる。これらのうち、上記耐火膨張シート(b)が膨張
する際に網の目を抜けて膨張を許すため、金属網が好適
に用いられる。又、上記部材(c)を設けた後、更にそ
の層上に、上記耐火膨張シート(b)の層を設けること
により、上記部材(c)が上記耐火膨張シート(b)の
層内に存在するようにしてもよい。
耐火膨張シート(b)の壁に沿った形状を保持するため
のものである。上記部材(c)としては、260℃にお
いて形状を保持することができるものであれば特に限定
されず、例えば、セラミックシート;鉄、ステンレス、
アルミ等の金属板、金属網又は金属ラス;紙等が挙げら
れる。これらのうち、上記耐火膨張シート(b)が膨張
する際に網の目を抜けて膨張を許すため、金属網が好適
に用いられる。又、上記部材(c)を設けた後、更にそ
の層上に、上記耐火膨張シート(b)の層を設けること
により、上記部材(c)が上記耐火膨張シート(b)の
層内に存在するようにしてもよい。
【0085】上記部材(c)の厚みは、部材(c)の機
能である膨張を妨げずに形状保持を行える程度であれば
よく、好ましくは、上記耐火膨張シート(b)の加熱前
の厚み(D)の0.05〜10倍である。0.05倍未
満であると、上記耐火膨張シート(b)の形状を充分に
保持することができず、10倍を超えると、上記耐火膨
張シート(b)の膨張を妨げ、耐火性を低下させる。
能である膨張を妨げずに形状保持を行える程度であれば
よく、好ましくは、上記耐火膨張シート(b)の加熱前
の厚み(D)の0.05〜10倍である。0.05倍未
満であると、上記耐火膨張シート(b)の形状を充分に
保持することができず、10倍を超えると、上記耐火膨
張シート(b)の膨張を妨げ、耐火性を低下させる。
【0086】本発明の耐火構造体は、例えば、天井材、
床材、間仕切り壁等の内壁等の建築材料として好適に用
いることができる。
床材、間仕切り壁等の内壁等の建築材料として好適に用
いることができる。
【0087】請求項9記載の発明は、壁材の少なくとも
片面に、耐火膨張シート(b)を設置し、更にその上
に、前記耐火膨張シート(b)の膨張を妨げずに前記耐
火膨張シート(b)の形状を保持することができる部材
(c)を設置することを特徴とする耐火壁の施工方法で
ある。
片面に、耐火膨張シート(b)を設置し、更にその上
に、前記耐火膨張シート(b)の膨張を妨げずに前記耐
火膨張シート(b)の形状を保持することができる部材
(c)を設置することを特徴とする耐火壁の施工方法で
ある。
【0088】本発明の耐火壁の施工方法においては、先
ず、壁材の少なくとも片面に、上記耐火膨張シート
(b)を設置する。上記耐火膨張シート(b)の設置
は、壁材の片面のみに行ってもよく、両面に行ってもよ
い。外壁等として用いる場合は、片面のみに設置し、間
仕切り壁等として用いる場合は、両面に設置することが
好ましい。
ず、壁材の少なくとも片面に、上記耐火膨張シート
(b)を設置する。上記耐火膨張シート(b)の設置
は、壁材の片面のみに行ってもよく、両面に行ってもよ
い。外壁等として用いる場合は、片面のみに設置し、間
仕切り壁等として用いる場合は、両面に設置することが
好ましい。
【0089】上記設置の方法としては特に限定されず、
例えば、クギ、ビス、ボルト等によって固定する方法等
を採用することができる。また、上記耐火膨張シート
(b)として粘着性を有するものを用いることにより、
上記のような固定方法を実施することなく、上記耐火膨
張シート(b)を壁材に固定することができ、一人でも
簡便に施工することが可能となる。
例えば、クギ、ビス、ボルト等によって固定する方法等
を採用することができる。また、上記耐火膨張シート
(b)として粘着性を有するものを用いることにより、
上記のような固定方法を実施することなく、上記耐火膨
張シート(b)を壁材に固定することができ、一人でも
簡便に施工することが可能となる。
【0090】次に、壁材に設置された上記耐火膨張シー
ト(b)の上に、上記部材(c)を設置する。上記部材
(c)の設置の方法としては特に限定されず、例えば、
クギ、ビス、ボルト等によって固定する方法等を採用す
ることができる。又、上記耐火膨張シート(b)の上に
上記部材(c)を設置した上に、更に、上記耐火膨張シ
ート(b)を設置することもできる。
ト(b)の上に、上記部材(c)を設置する。上記部材
(c)の設置の方法としては特に限定されず、例えば、
クギ、ビス、ボルト等によって固定する方法等を採用す
ることができる。又、上記耐火膨張シート(b)の上に
上記部材(c)を設置した上に、更に、上記耐火膨張シ
ート(b)を設置することもできる。
【0091】本発明の耐火壁の施工方法は、工場等にお
ける耐火壁の製造工程において実施してもよく、又、既
存の壁に対して適用することにより、既存の壁に耐火処
理を施すこともできる。
ける耐火壁の製造工程において実施してもよく、又、既
存の壁に対して適用することにより、既存の壁に耐火処
理を施すこともできる。
【0092】
【発明の実施の形態】本発明の耐火構造体の実施の形態
について、図を用いて説明する。不燃性材料からなるボ
ード(a)1の片面に耐火膨張シート(b)2を設けた
耐火構造体の概略を図1(イ)に示す。上記不燃性材料
からなるボード(a)1が、無機系ボード11と金属ボ
ード12が積層された複合ボード(A)である耐火構造
体の概略を図1(ロ)に示す。又、不燃性材料からなる
ボード(a)1の両面に耐火膨張シート(b)2を設け
た壁用耐火構造体の概略を図2に示す。不燃性材料から
なるボード(a)1と耐火膨張シート(b)2との固定
は、クギ、ビス、ボルト等によって行う。耐火膨張シー
ト(b)2として粘着性を有するものを用いることによ
り、クギ、ビス、ボルト等による固定を不要とすること
も可能である。
について、図を用いて説明する。不燃性材料からなるボ
ード(a)1の片面に耐火膨張シート(b)2を設けた
耐火構造体の概略を図1(イ)に示す。上記不燃性材料
からなるボード(a)1が、無機系ボード11と金属ボ
ード12が積層された複合ボード(A)である耐火構造
体の概略を図1(ロ)に示す。又、不燃性材料からなる
ボード(a)1の両面に耐火膨張シート(b)2を設け
た壁用耐火構造体の概略を図2に示す。不燃性材料から
なるボード(a)1と耐火膨張シート(b)2との固定
は、クギ、ビス、ボルト等によって行う。耐火膨張シー
ト(b)2として粘着性を有するものを用いることによ
り、クギ、ビス、ボルト等による固定を不要とすること
も可能である。
【0093】不燃性材料からなるボード(a)1の片面
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設けた壁
用耐火構造体の概略を図3に示す。耐火膨張シート
(b)2及び部材(c)4は不燃性材料からなるボード
(a)1に対して共に共通のクギ3により固定されてい
る。尚、耐火膨張シート(b)2として粘着性を有する
ものを用いることにより、耐火膨張シート(b)2を一
時的に不燃性材料からなるボード(a)1に固定するこ
とができるので、その後に行う部材(c)4の設置及び
クギ3による固定が行い易くなり、施工性を向上させる
ことができる。又、予め耐火膨張シート(b)に上記の
部材(c)が積層されたものを用いて施工することも可
能である。
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設けた壁
用耐火構造体の概略を図3に示す。耐火膨張シート
(b)2及び部材(c)4は不燃性材料からなるボード
(a)1に対して共に共通のクギ3により固定されてい
る。尚、耐火膨張シート(b)2として粘着性を有する
ものを用いることにより、耐火膨張シート(b)2を一
時的に不燃性材料からなるボード(a)1に固定するこ
とができるので、その後に行う部材(c)4の設置及び
クギ3による固定が行い易くなり、施工性を向上させる
ことができる。又、予め耐火膨張シート(b)に上記の
部材(c)が積層されたものを用いて施工することも可
能である。
【0094】不燃性材料からなるボード(a)1の両面
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設けた耐
火構造体の概略を図4に示す。耐火膨張シート(b)2
及び部材(c)4は不燃性材料からなるボード(a)1
に対して共に共通のクギ3により固定されている。この
ような構造においては、耐火膨張シート(b)2が直火
に触れることがないように、部材(c)としてセラミッ
クシート等の炎が貫通しないものを用いることが好まし
い。
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設けた耐
火構造体の概略を図4に示す。耐火膨張シート(b)2
及び部材(c)4は不燃性材料からなるボード(a)1
に対して共に共通のクギ3により固定されている。この
ような構造においては、耐火膨張シート(b)2が直火
に触れることがないように、部材(c)としてセラミッ
クシート等の炎が貫通しないものを用いることが好まし
い。
【0095】不燃性材料からなるボード(a)1の片面
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設け、更
に、耐火膨張シート(b)2を設けた耐火構造体の概略
を図5に示す。部材(c)4は耐火膨張シート(b)2
に挟まれた構造となっている。
に耐火膨張シート(b)2及び部材(c)4を設け、更
に、耐火膨張シート(b)2を設けた耐火構造体の概略
を図5に示す。部材(c)4は耐火膨張シート(b)2
に挟まれた構造となっている。
【0096】本発明の耐火構造体を実際に間仕切り壁等
として使用する場合には、本発明の耐火構造体を2組以
上組み合わせて用いることにより、より優れた効果を発
揮させることもできる。例えば、図6に示すように、本
発明の耐火構造体を部材(c)4を内側として向き合わ
せ、間に空隙を設けることにより、より優れた耐火性を
発揮させることが可能である。
として使用する場合には、本発明の耐火構造体を2組以
上組み合わせて用いることにより、より優れた効果を発
揮させることもできる。例えば、図6に示すように、本
発明の耐火構造体を部材(c)4を内側として向き合わ
せ、間に空隙を設けることにより、より優れた耐火性を
発揮させることが可能である。
【0097】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0098】(実施例1〜4)表1に示した各種配合組
成に従って、二軸押出機にて混練、押出を行い、耐火膨
張シート(4mm厚)を得た。セメントと木片との複合
体である無機系ボード(14mm厚)に得られた耐火膨
張シートを積層し、金網を耐火膨張シート層に積層しビ
スで固定して評価サンプルを作製した。得られた評価サ
ンプルについて、耐火性及び形状保持性を下記方法によ
り評価した。結果を表1に示した。尚、表1中の示され
るメタロセンポリエチレンとしては、ダウ社製、商品名
「EG8200」、ブチルゴムとしては、エクソン社
製、商品名「ブチル065」、ポリブテンとしては、出
光石油化学社製、商品名「100R」、粘着付与樹脂と
しては、エクソン社製、商品名「エスコレッツ532
0」、熱膨張性黒鉛としては、日本化成社製、商品名
「C−60S」、ポリリン酸アンモニウムとしては、ヘ
キスト社製、商品名「AP422」、水酸化アルミニウ
ムとしては、昭和電工社製、商品名「H42M」、赤リ
ンとしては、堺化学工業社製、商品名「ノーパレッド1
20」を用いた。
成に従って、二軸押出機にて混練、押出を行い、耐火膨
張シート(4mm厚)を得た。セメントと木片との複合
体である無機系ボード(14mm厚)に得られた耐火膨
張シートを積層し、金網を耐火膨張シート層に積層しビ
スで固定して評価サンプルを作製した。得られた評価サ
ンプルについて、耐火性及び形状保持性を下記方法によ
り評価した。結果を表1に示した。尚、表1中の示され
るメタロセンポリエチレンとしては、ダウ社製、商品名
「EG8200」、ブチルゴムとしては、エクソン社
製、商品名「ブチル065」、ポリブテンとしては、出
光石油化学社製、商品名「100R」、粘着付与樹脂と
しては、エクソン社製、商品名「エスコレッツ532
0」、熱膨張性黒鉛としては、日本化成社製、商品名
「C−60S」、ポリリン酸アンモニウムとしては、ヘ
キスト社製、商品名「AP422」、水酸化アルミニウ
ムとしては、昭和電工社製、商品名「H42M」、赤リ
ンとしては、堺化学工業社製、商品名「ノーパレッド1
20」を用いた。
【0099】(実施例5〜9)表1及び表2に示した各
種配合組成に従って、二軸押出機にて混練、押出を行
い、耐火膨張シート(4mm厚)を得た。2枚の厚さ1
mmのアルミ板の間にセメントと木片との複合体である
無機系ボード(10mm厚)をサンドイッチ状に積層し
た複合ボードに、得られた耐火膨張シートを積層したこ
と以外、実施例1と同様にして耐火構造体の評価サンプ
ルを作製した。得られた評価サンプルについて、耐火性
及び形状保持性を下記方法により評価した。結果を表1
及び表2に示した。尚、表1及び表2に示されている炭
酸カルシウムとしては、白石カルシウム社製、商品名
「ホワイトン5B」、(粒径1.8μm);ペンタエリ
スリロールとしては、三井東圧化学工業社製;石膏とし
ては、サンエス石膏社製を用いた。
種配合組成に従って、二軸押出機にて混練、押出を行
い、耐火膨張シート(4mm厚)を得た。2枚の厚さ1
mmのアルミ板の間にセメントと木片との複合体である
無機系ボード(10mm厚)をサンドイッチ状に積層し
た複合ボードに、得られた耐火膨張シートを積層したこ
と以外、実施例1と同様にして耐火構造体の評価サンプ
ルを作製した。得られた評価サンプルについて、耐火性
及び形状保持性を下記方法により評価した。結果を表1
及び表2に示した。尚、表1及び表2に示されている炭
酸カルシウムとしては、白石カルシウム社製、商品名
「ホワイトン5B」、(粒径1.8μm);ペンタエリ
スリロールとしては、三井東圧化学工業社製;石膏とし
ては、サンエス石膏社製を用いた。
【0100】(実施例10)表2に示した各種配合組成
に従って、二軸押出機にて混練、押出を行い、耐火膨張
シート(4mm厚)を得た。図1(ロ)に示されるよう
に、厚み0.5mmステンレス鋼板/厚み20mmけい
酸カルシウム板からなる複合ボード(A)を作製し、該
複合ボード(A)のけい酸カルシウム板側に、得られた
耐火膨張シートを積層し、金網を耐火膨張シート層に積
層しビスで固定して耐火構造体の評価サンプルを作製し
た。得られた評価サンプルについて、耐火性及び形状保
持性を下記方法により評価した。結果を表2に示した。
に従って、二軸押出機にて混練、押出を行い、耐火膨張
シート(4mm厚)を得た。図1(ロ)に示されるよう
に、厚み0.5mmステンレス鋼板/厚み20mmけい
酸カルシウム板からなる複合ボード(A)を作製し、該
複合ボード(A)のけい酸カルシウム板側に、得られた
耐火膨張シートを積層し、金網を耐火膨張シート層に積
層しビスで固定して耐火構造体の評価サンプルを作製し
た。得られた評価サンプルについて、耐火性及び形状保
持性を下記方法により評価した。結果を表2に示した。
【0101】(実施例11)実施例10のけい酸カルシ
ウム板に替えて、厚み12.5mmの石膏ボードを用い
たこと以外、実施例5と同様にして耐火構造体の評価サ
ンプルを作製した。得られた評価サンプルについて、耐
火性及び形状保持性を下記方法により評価した。結果を
表2に示した。
ウム板に替えて、厚み12.5mmの石膏ボードを用い
たこと以外、実施例5と同様にして耐火構造体の評価サ
ンプルを作製した。得られた評価サンプルについて、耐
火性及び形状保持性を下記方法により評価した。結果を
表2に示した。
【0102】(実施例12)実施例10のけい酸カルシ
ウム板に替えて、厚み14mmのセメントと木片との複
合体を用いたこと以外、実施例5と同様にして耐火構造
体の評価サンプルを作製した。得られた評価サンプルに
ついて、耐火性及び形状保持性を下記方法により評価し
た。結果を表2に示した。尚、実施例5〜7で用いたブ
チルゴム、ポリブテン、粘着付与樹脂、熱膨張性黒鉛、
ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムは、い
ずれも実施例1〜4で用いたものと同一である。
ウム板に替えて、厚み14mmのセメントと木片との複
合体を用いたこと以外、実施例5と同様にして耐火構造
体の評価サンプルを作製した。得られた評価サンプルに
ついて、耐火性及び形状保持性を下記方法により評価し
た。結果を表2に示した。尚、実施例5〜7で用いたブ
チルゴム、ポリブテン、粘着付与樹脂、熱膨張性黒鉛、
ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムは、い
ずれも実施例1〜4で用いたものと同一である。
【0103】(比較例1)無機系ボードのみを評価サン
プルとしたこと以外は、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表3に示した。
プルとしたこと以外は、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表3に示した。
【0104】(比較例2)吹き付け剤として、水酸化ア
ルミニウム35重量%、ポルトランドセメント25重量
%、炭酸カルシウム20重量%、バーミキュライト7重
量%、パーライト8重量%、けい酸塩粉末3重量%、ガ
ラス繊維1重量%からなる吹き付け剤を、実施例1にお
いて用いた無機系ボードに10mm厚になるように吹き
付けて、評価サンプルを作製した。得られた評価サンプ
ルを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示し
た。なお、吹き付け作業完了までに1時間を要し、作業
中にマスク着用の必要があり、施工性に劣るものであっ
た。
ルミニウム35重量%、ポルトランドセメント25重量
%、炭酸カルシウム20重量%、バーミキュライト7重
量%、パーライト8重量%、けい酸塩粉末3重量%、ガ
ラス繊維1重量%からなる吹き付け剤を、実施例1にお
いて用いた無機系ボードに10mm厚になるように吹き
付けて、評価サンプルを作製した。得られた評価サンプ
ルを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示し
た。なお、吹き付け作業完了までに1時間を要し、作業
中にマスク着用の必要があり、施工性に劣るものであっ
た。
【0105】(比較例3〜5)表2に示した配合にて耐
火膨張シートを作製したこと以外は、実施例1と同様に
して評価サンプルを作製し、評価した。結果を表3に示
した。比較例4、5は、形状保持性を有していないた
め、耐火性を発現できない。
火膨張シートを作製したこと以外は、実施例1と同様に
して評価サンプルを作製し、評価した。結果を表3に示
した。比較例4、5は、形状保持性を有していないた
め、耐火性を発現できない。
【0106】(評価方法) (1)耐火性 耐火性の評価は、図7に示すようにして耐火炉にて行っ
た。JIS A 1304に準拠して、炉内温度を1時
間で925℃まで昇温した後、不燃性材料からなるボー
ドの裏面温度を測定し、裏面温度が260℃以下のもの
を○、260℃を超えるものを×とした。
た。JIS A 1304に準拠して、炉内温度を1時
間で925℃まで昇温した後、不燃性材料からなるボー
ドの裏面温度を測定し、裏面温度が260℃以下のもの
を○、260℃を超えるものを×とした。
【0107】(2)形状保持性 燃焼後の評価サンプルが崩落せず、形状保持しているも
のを○、していないものを×とした。
のを○、していないものを×とした。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【発明の効果】本発明の耐火構造体は、上述の構成から
なるので、厚みを厚くすることなく優れた耐火性を発揮
することができる。従って、施工性にも優れたものであ
る。また、本発明の耐火壁の施工方法は、上述の構成か
らなるので、耐火性に優れた耐火壁を優れた施工性で得
ることができる。
なるので、厚みを厚くすることなく優れた耐火性を発揮
することができる。従って、施工性にも優れたものであ
る。また、本発明の耐火壁の施工方法は、上述の構成か
らなるので、耐火性に優れた耐火壁を優れた施工性で得
ることができる。
【図1】(イ)は本発明の耐火構造体の第一の実施の形
態を示す断面概略図である。(ロ)は本発明の耐火構造
体の第二の実施の形態を示す断面概略図である。
態を示す断面概略図である。(ロ)は本発明の耐火構造
体の第二の実施の形態を示す断面概略図である。
【図2】本発明の耐火構造体の第三の実施の形態を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図3】本発明の耐火構造体の第四の実施の形態を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図4】本発明の耐火構造体の第五の実施の形態を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図5】本発明の耐火構造体の第六の実施の形態を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図6】本発明の耐火構造体の第七の実施の形態を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図7】耐火性の評価方法を説明するための断面概略図
である。
である。
1 不燃性材料からなるボード(a) 11 無機系ボード 12 金属ボード 2 耐火膨張シート(b) 3 クギ 4 部材(c) 5 耐火炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 文治 大阪市三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 厚み5〜100mmの不燃性材料からな
るボード(a)の少なくとも片面に、厚み0.5〜40
mmの耐火膨張シート(b)を設けてなる耐火構造体で
あって、前記耐火膨張シート(b)は、300℃に加熱
した場合において、加熱前の厚み(D)と加熱後の厚み
(D′)との関係が、D′/D=1.1〜20であるこ
とを特徴とする耐火構造体。 - 【請求項2】 上記厚み5〜100mmの不燃性材料か
らなるボード(a)が、無機系ボード及び/又は金属系
ボードを複数枚合わせた複合ボード(a’)であること
を特徴とする請求項1記載の耐火構造体。 - 【請求項3】 厚み0.1〜5.0mmの金属板及び厚
み5〜40mmのけい酸カルシウム板を合わせた複合ボ
ード(a’)の少なくとも片面に、厚み0.5〜40m
mの耐火膨張シート(b)を設けてなることを特徴とす
る請求項2記載の耐火構造体。 - 【請求項4】 厚み0.1〜5.0mmの金属板及び厚
み5〜40mmの石膏ボードを合わせた上記複合ボード
(a’)の少なくとも片面に、厚み0.5〜40mmの
耐火膨張シート(b)を設けてなることを特徴とする請
求項2記載の耐火構造体。 - 【請求項5】 厚み0.1〜5.0mmの金属板及び厚
み5〜50mmの窯業系サイディングを合わせた上記複
合ボード(a’)の少なくとも片面に、厚み0.5〜4
0mmの耐火膨張シート(b)を設けてなることを特徴
とする請求項2記載の耐火構造体。 - 【請求項6】 上記耐火膨張シート(b)が、熱可塑性
樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物及び無機充填剤を
含有する脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜
5記載の耐火構造体。 - 【請求項7】 上記耐火膨張シート(b)が、粘着性を
有するものであることを特徴とする請求項1〜6記載の
耐火構造体。 - 【請求項8】 請求項1〜7記載の耐火構造体の耐火膨
張シート(b)の層上に、更に、前記耐火膨張シート
(b)の膨張を妨げずに前記耐火膨張シート(b)の形
状を保持することができる部材(c)の層を設けてなる
ことを特徴とする壁用耐火構造体。 - 【請求項9】 壁材の少なくとも片面に、耐火膨張シー
ト(b)を設置し、更にその上に、前記耐火膨張シート
(b)の膨張を妨げずに前記耐火膨張シート(b)の形
状を保持することができる部材(c)を設置することを
特徴とする耐火壁の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28853597A JPH10183816A (ja) | 1996-10-31 | 1997-10-21 | 耐火構造体及び耐火壁の施工方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-290259 | 1996-10-31 | ||
JP29025996 | 1996-10-31 | ||
JP28853597A JPH10183816A (ja) | 1996-10-31 | 1997-10-21 | 耐火構造体及び耐火壁の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10183816A true JPH10183816A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=26557221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28853597A Pending JPH10183816A (ja) | 1996-10-31 | 1997-10-21 | 耐火構造体及び耐火壁の施工方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH10183816A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000127297A (ja) * | 1998-10-28 | 2000-05-09 | Sekisui Chem Co Ltd | 耐火被覆材 |
CN104358322A (zh) * | 2014-11-12 | 2015-02-18 | 国网辽宁省电力有限公司鞍山供电公司 | 便于电缆增容的可拆卸式防火封堵的施工方法及结构 |
KR20180038747A (ko) * | 2016-10-07 | 2018-04-17 | (주)엘지하우시스 | 건축용 패널 및 이의 제조방법 |
-
1997
- 1997-10-21 JP JP28853597A patent/JPH10183816A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000127297A (ja) * | 1998-10-28 | 2000-05-09 | Sekisui Chem Co Ltd | 耐火被覆材 |
CN104358322A (zh) * | 2014-11-12 | 2015-02-18 | 国网辽宁省电力有限公司鞍山供电公司 | 便于电缆增容的可拆卸式防火封堵的施工方法及结构 |
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