JP2002339478A - 耐火パテ及びその製造方法 - Google Patents

耐火パテ及びその製造方法

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Hiroshi Iizuka
弘 飯塚
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Mitsui Kinzoku Paints and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱膨張性黒鉛による着色を極力おさえて、人
目に付いた場所に施工しても美観を損なわない耐火パテ
を提供する。 【解決手段】 少なくとも熱膨張性黒鉛と、ポリリン酸
アンモニウム粉末が樹脂により被覆されてなるマイクロ
カプセルとを有機樹脂に混合してなる耐火パテであっ
て、前記熱膨張性黒鉛が前記有機樹脂に対して少なくと
も10重量%以上含有され、明度が7以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火区画貫通部の
防火措置工法などにおいて用いられる、熱膨張性黒鉛含
有の耐火パテに関し、熱膨張性黒鉛による着色を最低限
にして着色顔料による着色も可能となるように工夫した
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防火区画貫通部の防火措置工法に
おいては、熱膨張性黒鉛及び有機樹脂等を含有する耐火
パテが使用される。かかる耐火パテは、火災にさらされ
た際に強固な発泡炭化複合膜を形成して防火及び耐火性
能を発揮するものである。
【0003】かかる耐火パテとしては、熱膨張性黒鉛
と、バーミキュライト粉末と、ポリリン酸アンモニウム
粉末が樹脂により被覆されてなるマイクロカプセルと、
これらを混合可能な有機樹脂とを含有するものが知られ
ている(特開平10−8595号公報)。このような耐
火パテは、熱膨張性黒鉛を有機樹脂に対して少なくとも
10重量%含有するので、全てグレー色あるいは黒灰色
(マンセル値N4〜N2)である。
【0004】このような耐火パテは、従来、鉄骨ビルデ
ィングの空調、給水、廃水等の導管等の設備に用いられ
るものであり、人目に付かない場所に使用されるのがほ
とんどであった。近年、住宅用のビルディングへの防火
処理の必要性から、例えば、マンションなどの共同廊下
側のエアコンの配管の周囲等の人目に付く場所への施工
が必要となってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐火パテは、グレー色あるいは黒灰色であり、美観の点
で問題があり、壁の色と同系色で目立たない色の耐火パ
テの出現が望まれている。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み、熱膨張性
黒鉛による着色を極力おさえて、人目に付いた場所に施
工しても美観を損なわない耐火パテを提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に種々検討を重ねた結果、熱膨張性黒鉛は、有機樹脂等
の他の材料と混練りする際に破砕されるほど、黒色が強
くなり、また、破砕を十分にするほど混練りしなくて
も、防火効果は変化ないことを知見し、本発明を完成さ
せた。
【0008】かかる本発明は、少なくとも熱膨張性黒鉛
と、ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂により被覆され
てなるマイクロカプセルとを有機樹脂に混合してなる耐
火パテであって、前記熱膨張性黒鉛が前記有機樹脂に対
して少なくとも10重量%以上含有され、明度が7以上
であることを特徴とする耐火パテにある。
【0009】かかる第1の態様では、熱膨張性黒鉛が有
機樹脂に対して10重量%以上含有されているにもかか
わらず、明度が7以上となり、防火効果を維持したま
ま、黒色の着色度合いが低減したものとなる。
【0010】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、さらにバーミキュライト粉末が含有されていること
を特徴とする耐火パテにある。
【0011】かかる第2の態様では、バーミキュライト
粉末を含有することにより、さらに熱伝導性の低い耐火
パテとなる。
【0012】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、着色顔料が含有されていることを特徴とする
耐火パテにある。
【0013】かかる第3の態様では、着色顔料により効
果的な着色が可能であり、壁の色等の環境にあわせた着
色が可能である。
【0014】本発明の第4の態様は、少なくとも熱膨張
性黒鉛と、ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂により被
覆されてなるマイクロカプセルとを有機樹脂に混合して
なる耐火パテの製造方法であって、前記熱膨張性黒鉛以
外の原料を混練した後、前記熱膨張性黒鉛を前記有機樹
脂に対して少なくとも10重量%以上添加して耐火パテ
とすることを特徴とする耐火パテの製造方法にある。
【0015】かかる第4の態様では、熱膨張性黒鉛が有
機樹脂に対して10重量%以上添加されているにもかか
わらず、明度が高く、防火効果を維持したまま、黒色の
着色度合いが低減した耐火パテを製造できる。
【0016】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、明度が7以上の耐火パテを得ることを特徴とする耐
火パテの製造方法にある。
【0017】かかる第5の態様では、明度が7以上と、
いわゆる黒灰色ではない耐火パテとなり、着色も可能な
ものとなる。
【0018】本発明の第6の態様は、第4又は5の態様
において、着色顔料を添加することを特徴とする耐火パ
テの製造方法にある。
【0019】かかる第6の態様では、着色顔料により、
効果的に着色された耐火パテを得ることができる。
【0020】本発明の第7の態様は、第4〜6の何れか
の態様において、バーミキュライト粉末を添加すること
を特徴とする耐火パテの製造方法にある。
【0021】かかる第7の態様では、バーミキュライト
粉末を含有することにより、さらに熱伝導性の低い耐火
パテを得ることができる。
【0022】かかる本発明では、熱膨張性黒鉛を従来と
同等量含有しているにもかかわらず、熱膨張性黒鉛によ
る着色を最低限に低下させて、明度の高い耐火パテを実
現することができる。
【0023】本発明の耐火パテは、ベースとして有機樹
脂が用いられる。かかる有機樹脂には、以下のものが含
まれる。
【0024】例えば、常温で液体または半固体の各種ゴ
ム系樹脂、例えばプロピレンゴム、クロロプレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPD
M)、ブチルゴム、ニトリルゴムなどであるが、これに
限定されるものではない。
【0025】さらに、熱可塑剤性の樹脂、例えばポリプ
ロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ−(1−)
ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂等があるが、これに限定される
ものではない。
【0026】また、本発明の耐火パテは、可塑剤とし
て、必要に応じて、プロセスオイル、塩化パラフィン、
ジオクチルフタレート(DOP)等を添加する。
【0027】本発明の耐火パテは、必須成分として熱膨
張性黒鉛を含有する。この熱膨張性黒鉛は、加熱すると
黒鉛層間に存在する化合物が熱分解して全体が膨張する
性質を持つ黒鉛であり、公知のものを使用することがで
きる。この黒鉛の層間に存在して熱分解する前記化合物
は、特に限定はされないが、例えば、黒鉛酸性硫酸塩、
ナトリウム黒鉛、カリウム黒鉛、ハロゲン化黒鉛、黒鉛
酸化物、塩化アルミニウム黒鉛化物、塩化第二鉄黒鉛等
が挙げられる。
【0028】熱膨張性黒鉛の使用量は、通常は、有機樹
脂に対して10〜90重量%の範囲である。これよりも
量が少ないと、加熱初期の防火性能が不充分となり、目
標とする防火性能が発揮されず、これよりも量が多いと
加熱時に剥離して防火の役目を果たさないからである。
【0029】本発明の耐火パテは、好適には、バーミキ
ュライト粉末を含有する。バーミキュライトは、わが国
ではヒル石とも呼ばれる含水ケイ酸塩鉱物である。ウン
モ群鉱物によく似たフィロケイ酸塩、カンラン岩が熱水
変成により変質して生じたもの、またはウンモ群鉱物の
崩壊により生じた二次成鉱物である。加熱されるとC軸
方向に、もとの厚さの10〜30倍と著しく伸びる。
【0030】バーミキュライト自体は極めて熱伝導が低
く、例えば、ケイ砂(SiO )に比べて約1/4で
ある。従って、上記熱膨張性黒鉛を単独で用いた場合に
は熱膨張により多孔性であるが、バーミキュライトを併
用して空隙を充填することにより熱伝導を抑えることが
でき、防火性能をさらに向上させることができる。この
ように、熱膨張性黒鉛とバーミキュライトを併用して用
いることにより、併用効果が発現する。バーミキュライ
トの発砲温度は230℃位から始まるが、ほとんどが発
泡するのは400〜600℃と高い温度である。
【0031】本発明に使用されるバーミキュライト粉末
は、加熱されて伸びた状態ではなく、鉱石をそのまま粉
末にしたものである。粒径としては、混合性、成形性等
の面から、直径3mm以下のものが望ましいが、これに
限定されるものではない。
【0032】バーミキュライトの使用量は、通常は、有
機樹脂に対して10〜90重量%の範囲である。この量
よりも少ないと熱伝導率が大きくなり充分な防火性能が
得られなくなり、これよりも量が多いと、加熱時に剥離
して防火の役目を果さなくなる。
【0033】本発明の耐火パテは、ポリリン酸アンモニ
ウム粉末が完全またはほぼ完全に樹脂により被覆されて
なるマイクロカプセルを含有する。
【0034】ポリリン酸アンモニウムをマイクロカプセ
ル化する方法としては、特に限定はされないが、例え
ば、界面重合法、イン・サイテュー(In situ)
重合法、液中硬化法、相分離法、液中乾燥法、融解分散
冷却法、スプレードライング法、粉床法等の公知の方法
を採用することができる。マイクロカプセル化に使用で
きる樹脂としては、特に限定はされないが、水が透過し
にくく耐水性に優れた被膜を形成するものが好ましく、
例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹
脂、セラック樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミ
ド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これ
らは、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用しても
よい。上記の樹脂の中でも、より完全な樹脂による被
覆、樹脂の耐水性、カプセルの強度、より微細なカプセ
ル化が可能等の観点から、メラミンホルムアルデヒド樹
脂が好ましく用いられる。
【0035】ポリリン酸アンモニウムのマイクロカプセ
ルの粒子径は、特に限定されるわけではないが、100
μm以下であることが好ましい。100μm超の粒子径
を持つものの割合が多くなると、発泡型防火組成物中で
の硬沈降が生じて発泡型防火性成形品の製造が困難にな
ったり、均一な脱水・炭化が困難になったりするため、
好ましくないからである。
【0036】ポリリン酸アンモニウムは、リン含有量3
1.5±0.5重量%、窒素含有量14.5±0.5重
量%、分解温度275℃以上のものが好適である。この
ようなポリリン酸アンモニウムとしては、特に限定はさ
れないが、例えば、クラリアントジャパン(株)製のポ
リリン酸アンモニウム(商品名「EXOLIT46
2」)等が挙げられる。
【0037】ポリリン酸アンモニウムのマイクロカプセ
ルの配合量は、通常は、有機樹脂に対して10〜90重
量%の範囲である。この配合量がこの量よりも少ない
と、有機物全体を効果的に炭化することが困難になり、
熱膨張性黒鉛やバーミキュライトの発泡物の飛散を抑え
ることが出来ず、充分な防火性能が得られなくなる。こ
れよりも量が多いと他の成分である熱膨張性黒鉛やバー
ミキュライトの配合量が少なくなり、全体として、防火
及び耐火性のある発泡炭化複合体の形成が出来ず、充分
な防火性能が得られなくなるからである。
【0038】本発明の耐火パテは、必要に応じて、酸化
チタン、アイアンオキシドイエロー、ライトイエロー5
0、アイアンオキシドブラウン、アイアンオキシドレッ
ド、ライトブルー100、クロムオキシドグリーンGN
等の着色顔料が選択使用される。
【0039】本発明の耐火パテは、必要に応じて補助成
分(任意成分)を含有してもよい。かかる補助成分は特
に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム等の体質顔料;水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、カオリン、リン酸水素カルシ
ウム、ヘクトライト、亜硫酸ナトリウム・7水和物、エ
トリンジャイト、明礬石(アルナイト)、水滑石(ブル
ース石)、ダイアスポア、ギブス石(ハイドラーギライ
ト)、カオリナイト、モンモリロナイト、蛇紋石、消石
灰、石膏、リン酸亜鉛等の、加熱により水蒸気を発生す
る無機充填剤;ガラス繊維、セピオライト、ナイロン繊
維、植物繊維等の繊維状の物質、一般に発泡、膨張型耐
火塗料に使用されるジペンタエリスリット、メラミン等
の物質、フリット等のガラス粉等の配合も出来る。
【0040】本発明の耐火パテは、加熱により、最初に
熱膨張性黒鉛が膨張し、同時に、防火付与組成物が混入
された有機樹脂成分がポリリン酸アンモニウムにより脱
水、炭化され、加熱により膨張した熱膨張性黒鉛のから
み合いと炭化された樹脂成分の固化作用により、飛散、
脱落のない発泡物が形成され、更に加熱温度が高くなる
と、この発泡物の中でバーミキュライト粉末が膨張し
て、お互いにからみ合った熱膨張性黒鉛と、炭化され固
定化された樹脂成分の中で固定化され、膨張したバーミ
キュライトとなり、膨張した熱膨張性黒鉛及び炭化され
て固定化された樹脂成分との発泡複合体を形成し、この
発泡体が、火災に際して隙間から炎、煙、ガス等の侵入
または流出を防いだり、熱の伝導を抑えたりして、防火
区画貫通部の防火または耐火の性能を発揮する。
【0041】バーミキュライト粉末を熱膨張性黒鉛と併
用しないで使用すると、発泡複合体によって防火性能を
発揮するこの系統の防火機構からすれば、バーミキュラ
イトの発泡温度は230℃位から発泡を始めるとはい
え、ほとんどの発泡が400℃以上と高いので、火災初
期に於ける防火性能の面で不充分であり、また、発泡に
際しての発泡圧力が強いこともあって、すでに低い温度
で脱水、炭化されて固定化した有機樹脂組成物の炭化物
が、バーミキュライトの発泡により破壊され、結果とし
て、バーミキュライト発泡体の飛散、脱落を防止するこ
とが出来ない。熱膨張性黒鉛、バーミキュライト、カプ
セル化ポリリン酸アンモニウムの配合比率は任意の割合
で配合出来る。バーミキュライトの比率を高くすれば、
それだけ熱伝導の低い複合発泡物を作ることが出来る
が、反面、複合発泡物が飛散、脱落しやすくなる。
【0042】このような組成を有する本発明の耐火パテ
は、基本的には、各成分を混合することにより得ること
ができるが、熱膨張性黒鉛を有機樹脂に対して10重量
%以上含有するので、通常の作り方をすると、黒灰色
(マンセル値N4〜N2)の耐火パテとなるが、混練の
際に熱膨張性黒鉛が微粒子状に粉砕されないようにする
ことにより、明度が7以上の耐火パテとすることができ
る。また、熱膨張性黒鉛が微粒子状に粉砕されないよう
にすると共に着色顔料である酸化チタンを添加すること
による相乗効果により、明度が向上し、7以上の耐火パ
テを得ることができる。
【0043】すなわち、例えば、熱膨張性黒鉛以外の成
分を必要に応じて加熱しながら予め混合した後、粘度が
低下しているうちに熱膨張性黒鉛を添加して均一に混合
することにより、熱膨張性黒鉛が必要以上に粉砕される
ことなく、明度が7以上の耐火パテとすることができ
る。
【0044】かかる耐火パテの色調は明るいグレーであ
るが、必要に応じて、着色顔料で着色可能なものであ
る。例えば、酸化チタンなどの白色顔料を添加すれば、
マンセル値N8〜N9の色調となり、さらに、黄色や緑
色、茶色等の着色顔料を添加することにより、それぞれ
の色調を有する耐火パテとすることができる。なお、着
色顔料は他の成分と共に最初から混合しておくのが好ま
しい。
【0045】なお、熱膨張性黒鉛をできるだけ最後に混
合して粉砕の程度を小さくするようにすれば、それ以外
の成分の配合順序、混合方法等は特に限定されない。
【0046】以上説明したように、本発明の耐火パテ
は、熱膨張性黒鉛を所定量以上含有しているにもかかわ
らず、従来のように黒灰色(マンセル値N4〜N2)で
はなく、所望により、着色顔料で着色できる明度7以上
のものであり、人目に付く場所への施工に好適なもので
ある。
【0047】本発明の耐火パテは、例えば、図1に示す
ように使用される。図1に示すように、壁1に形成され
た貫通孔2に、空調設備等に用いられる導管3及び断熱
材4が貫通するように設けられている場合、耐火パテ5
は、導管3を覆う断熱材4と貫通孔2との隙間を埋める
ように設けられる。なお、導管3は一本ではなく複数本
配置される場合もある。
【0048】このような施工において、壁1の一方側で
発生した火災が反対側へ延焼するのを防止することがで
きる。すなわち、断熱材4の燃焼による延焼を防止し、
導管3が樹脂製の場合には、導管3自体の燃焼による延
焼を防止し、導管3が金属製の場合には、導管3を介し
ての熱伝導による反対側での発火をも防止することがで
きる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的な実施例
および比較例を示すが、本発明は下記実施例に限定され
ない。下記実施例および比較例中、「部」は「重量部」
を表す。なお、表1には配合表を示す。
【0050】(実施例1)可塑剤として、出光興産
(株)製のプロセスオイル(商品名「ダイアナプロセス
オイルPS−32)5.0部、有機樹脂として、日本石
油(株)製のワックス(商品名「日石マイクロワックス
180」)5.0部、日本ブチル(株)製のブチルゴム
(商品名「JSR BUTYL 065」)2.0部、
及び電気化学工業(株)製のクロロプレンゴム(商品名
「デンカ クロロプレン S−40V」)5.5部と、
防火付与剤として、クラリアントジャパン(株)製のカ
プセル化ポリリン酸アンモニウム(商品名「EXOLI
T462」)5.5部、及びバーミキュライト6.0部
と、体質顔料として、沈降性硫酸バリウム51.0部と
をニーダーに投入し、加熱しながら攪拌して樹脂成分を
溶解し、その後、ダイアナプロセスオイル5.0部、日
石マイクロワックス180を9.0部加えて均一に攪拌
した。最後に、住金ケミカル(株)製の熱膨張性黒鉛
6.0部を投入して均一になるまで混合して耐火パテと
した。
【0051】樹脂を溶解するまでに要したニーダーの攪
拌時間は2時間であり、混練物の最高温度は123℃で
あった。
【0052】得られた耐火パテの色調は、マンセル値で
N−7の近似値であった。
【0053】(実施例2)最初の段階で、沈降性硫酸バ
リウムを48.0部とすると共に、着色顔料として、酸
化チタン(チタン白)3.0部を添加した以外は、実施
例1と同様にして耐火パテを得た。
【0054】得られた耐火パテの色調は、マンセル値で
N−8.5の近似値であった。
【0055】(実施例3)最初の段階で、着色顔料とし
て、酸化チタン(チタン白)2.9部及びマピコイエロ
ー0.1部を添加した以外は、実施例2と同様にして耐
火パテを得た。
【0056】得られた耐火パテの色調は、マンセル値で
10Y−8.5/2の近似値であった。
【0057】(比較例)最初の段階で、熱膨張性黒鉛を
添加した以外は、実施例1と同様にして耐火パテを得
た。
【0058】得られた耐火パテの色調は、マンセル値で
N−4であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の耐火パテ
は、熱膨張性黒鉛による着色を極力おさえて、人目に付
いた場所に施工しても美観を損なわないようなものであ
り、必要に応じて所望の色に着色できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火パテの使用態様の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 壁 2 貫通孔 3 導管 4 断熱材 5 耐火パテ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱膨張性黒鉛と、ポリリン酸
    アンモニウム粉末が樹脂により被覆されてなるマイクロ
    カプセルとを有機樹脂に混合してなる耐火パテであっ
    て、前記熱膨張性黒鉛が前記有機樹脂に対して少なくと
    も10重量%以上含有され、明度が7以上であることを
    特徴とする耐火パテ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらにバーミキュラ
    イト粉末が含有されていることを特徴とする耐火パテ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、着色顔料が含
    有されていることを特徴とする耐火パテ。
  4. 【請求項4】 少なくとも熱膨張性黒鉛と、ポリリン酸
    アンモニウム粉末が樹脂により被覆されてなるマイクロ
    カプセルとを有機樹脂に混合してなる耐火パテの製造方
    法であって、前記熱膨張性黒鉛以外の原料を混練した
    後、前記熱膨張性黒鉛を前記有機樹脂に対して少なくと
    も10重量%以上添加して耐火パテとすることを特徴と
    する耐火パテの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、明度が7以上の耐火
    パテを得ることを特徴とする耐火パテの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、着色顔料を添
    加することを特徴とする耐火パテの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6の何れかにおいて、バーミ
    キュライト粉末を添加することを特徴とする耐火パテの
    製造方法。
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