JP3421509B2 - 防火付与組成物 - Google Patents

防火付与組成物

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弘 飯塚
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は防火付与組成物に関
し、更に詳しくは不燃性外装材、石膏ボード等に塗装し
たりまたはシート状で貼り付けることにより、火災にさ
らされた際に強固な発泡炭化複合膜を形成して、その防
火及び耐火性能を向上させる効果がある防火付与組成物
に関する。本発明はまた、棒状、ヒモ状、液状で一般建
造物の内外壁の目地部や隙間、穴等に挿入することによ
り、火災にさらされた際に強固な発泡炭化複合膜を形成
して、木材等の可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼によ
り発生するガス等の外部への流出を防いだりする効果が
あり、また、混入された有機物を難燃化する効果を与え
る防火付与組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリウレタン樹脂組成物に熱膨張性黒鉛
およびポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂により被覆さ
れてなるマイクロカプセルを添加した発泡型防火組成物
が提案されている(特開平7−70428号公報)。 【0003】この発泡型防火組成物は、施工箇所に応じ
て所定の形状に成形することができる。そのため、この
組成物を成形して得られる発泡型防火性成形品を用いる
と、施工が容易になり、しかも均一な厚みにしやすくな
る。上記発泡型防火性成形品は、火災発生時、加熱によ
り膨張(たとえば、10倍以上)、発泡して炭化層を形
成し、この炭化層が可燃性の目地下地材を炎と熱から遮
断することにより、可燃性の目地下地材が燃えるのを防
ぐことができる。また、加熱による内外装材等のひび割
れ、収縮、振動等により隙間が生じても、加熱により膨
張、発泡して隙間を塞ぐので、隙間から煙、炎、ガス等
が侵入または流出するのを防ぐことができる。 【0004】さらに、ポリリン酸アンモニウムの粉末
を樹脂で被覆してマイクロカプセル化すれば、成形品の
耐水性が向上して、長期にわたり防火性能が保持される
ことと、必須成分として熱膨張性黒鉛を用いれば、こ
の熱膨張性黒鉛が加熱により膨張し、この膨張した黒鉛
層が、高い防火性を発揮するとともに、加熱により軟化
し液状化したポリウレタン樹脂の流出と炭化物の脱落を
防ぐことが提案されている。 【0005】しかし、該公報に記載された発明では、膨
張した黒鉛層と樹脂が脱水炭化されてなる炭化層との複
合膨張体の熱伝導性が良く、より高い水準の防火性能を
要求される場合には充分に対応出来ないという問題点が
あった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来品に
比べて、耐水性が良く、長期間にわたり高い防火性能を
維持することができるとともに、火災発生時に、加熱に
より軟化し液状化したポリウレタン樹脂が流出したり、
炭化物が脱落したりすることがなく、特に、火災時の加
熱により熱膨張性黒鉛が膨張してなる黒鉛層とウレタン
樹脂が脱水・炭化されてなる炭化層との複合膨張体によ
り、熱伝導性の低い熱膨張してなる複合膨張体を作るこ
とを目的とした、より高い水準の防火性能を要求される
場合にも充分に対応出来る防火付与組成物を提供するこ
とを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため種々検討を重ねた結果、前記配合物にバ
ーミキュライトを併用することにより更に熱伝導性の低
い、加熱による複合発泡体を形成することが出来るこ
と、及び熱膨張性黒鉛及びポリリン酸アンモニウム粉
末が樹脂により被覆されてなるマイクロカプセルと併用
することにより、加熱に際し、発砲物の飛散、脱落が少
なく、比較的強固な発泡複合体を得ることを実験で確認
した。有機樹脂として、前記のウレタン樹脂の他にEV
A(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、及び、EEA
(エチレンーアクリレート共重合体)についても同様の
効果を確認し、この発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明にかかる防火付与組成物
は下記成分(A)、(B)、(C)および(D) (A)下記顔料成分(B)〜(D)を混合可能な有機樹
脂、(B)熱膨張性黒鉛、(C)バーミキュライト粉
末、および(D)ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂に
より被覆されてなるマイクロカプセルを必須成分として
含むことを特徴とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の防火付与組成物
について詳しく説明する。 【0010】本発明で用いられる成分(A)は、防火付
与組成物に用いられる顔料成分(B)〜(D)を混合可
能な有機樹脂である。本発明でいう顔料を混合可能な有
機樹脂とは以下のものが含まれる。 【0011】各種溶剤によって溶解されている一般塗
料用樹脂、例えばアルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、ウ
レタン系樹脂等であるが、これに限定されるものではな
い。 【0012】水によって溶解または分散されてなる一
般塗料用樹脂、例えば、アクリルエマルジョン、エチレ
ンー酢酸ビニルエマルジョン等であるが、これに限定さ
れるものではない。 【0013】無溶剤の一般塗料用樹脂、たとえばエポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂であるが、これに限定されるも
のではない。 【0014】常温で液体または半固体の各種ゴム系樹
脂、たとえばプロピレンゴム、クロロプレンゴム、エチ
レンープロピレンージエン三元共重合体(EPDM)な
どであるが、これに限定されるものではない。 【0015】熱可塑剤性の樹脂、たとえば、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリー(1ー)ブ
テン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂等があるが、これに限定される
ものではない。 【0016】本発明で用いられる成分(B)は、熱膨張
性黒鉛である。この熱膨張性黒鉛は、加熱すると黒鉛層
間に存在する化合物が熱分解して全体が膨張する性質を
持つ黒鉛である。この黒鉛の層間に存在し熱分解する、
前記の化合物としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、黒鉛酸性硫酸塩、ナトリウム黒鉛、カリウム黒鉛、
ハロゲン化黒鉛、黒鉛酸化物、塩化アルミニウム黒鉛化
物、塩化第二鉄黒鉛等が挙げられる。熱膨張性黒鉛は、
公知のものを使用することができる。 【0017】熱膨張性黒鉛の使用量は、通常は、成分
(A)である樹脂に対して10〜90重量%であり、好
ましくは20〜60重量%の範囲である。 【0018】これよりも量が少ないと、加熱初期の防火
性能が不充分となり、目標とする防火性能が発揮され
ず、これよりも量が多いと加熱時に剥離して防火の役目
を果たさない。 【0019】本発明に用いられる成分(C)はバーミキ
ュライト粉末である。わが国ではヒル石とも呼ばれる含
水ケイ酸塩鉱物である。ウンモ群鉱物によく似たフィロ
ケイ酸塩、カンラン岩が熱水変成により変質して生じた
もの、またはウンモ群鉱物の崩壊により生じた二次成鉱
物である。加熱されるとC軸方向に、もとの厚さの10
〜30倍と著しく伸びる。 【0020】バーミキュライト自体は極めて熱伝導が低
く、例えば、ケイ砂(SiO2 )に比べて約1/4であ
る。従って、上記(B)成分の熱膨張性黒鉛を単独で用
いた場合には熱膨張により多孔性であるが、バーミキュ
ライトを併用して空隙を充填することにより熱伝導を抑
えることができ、防火性能をさらに向上させることがで
きる。このように、熱膨張性黒鉛とバーミキュライトを
併用して用いることにより、併用効果が発現する。バー
ミキュライトの発砲温度は230℃位から始まるが、ほ
とんどが発泡するのは400〜600℃と高い温度であ
る。本発明に使用されるバーミキュライト粉末は、加熱
されて伸びた状態ではなく、鉱石をそのまま粉末にした
ものである。粒径としては、混合性、成形性等の面か
ら、直径3mm以下のものが望ましいが、これに限定さ
れるものではない。バーミキュライトの使用量は、通常
は、成分(A)である樹脂に対して10〜90重量%
で、好ましくは30〜70重量%の範囲である。この量
よりも少ないと熱伝導率が大きくなり充分な防火性能が
得られなくなり、これよりも量が多いと、加熱時に剥離
して防火の役目を果さなくなる。 【0021】本発明で用いられる成分(D)は、ポリリ
ン酸アンモニウム粉末が完全またはほぼ完全に樹脂によ
り被覆されてなるマイクロカプセルである。 【0022】ポリリン酸アンモニウムをマイクロカプセ
ル化する方法としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、界面重合法、イン・サイテュー(In situ)
重合法、液中硬化法、相分離法、液中乾燥法、融解分散
冷却法、スプレードライング法、粉床法等の公知の方法
を採用することができる。マイクロカプセル化に使用で
きる樹脂としては、特に限定はされないが、水が透過し
にくく耐水性に優れた被膜を形成するものが好ましく、
たとえば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹
脂、セラック樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミ
ド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これ
らは、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用しても
よい。上記の樹脂の中でも、より完全な樹脂による被
覆、樹脂の耐水性、カプセルの強度、より微細なカプセ
ル化が可能等の観点から、メラミンホルムアルデヒド樹
脂が好ましく用いられる。 【0023】ポリリン酸アンモニウムのマイクロカプセ
ルの粒子径は、特に限定されるわけではないが、100
μm以下であることが好ましい。100μm超の粒子径
を持つものの割合が多くなると、発泡型防火組成物中で
の硬沈降が生じて発泡型防火性成形品の製造が困難にな
ったり、均一な脱水・炭化が困難になったりするため、
好ましくないからである。 【0024】ポリリン酸アンモニウムは、リン含有量3
1.5±0.5重量%、窒素含有量14.5±0.5重
量%、分解温度275℃以上のものが好適である。この
ようなポリリン酸アンモニウムとしては、特に限定はさ
れないが、たとえば、住友化学工業株式会社製のポリリ
ン酸アンモニウム(商品名「スミセーフP」)等が挙げ
られる。 【0025】成分(D)であるポリリン酸アンモニウム
のマイクロカプセルの配合量は、通常は、成分(A)で
ある樹脂に対して10〜90重量%で、好ましくは20
〜70重量%の範囲である。 【0026】成分(D)の配合量がこの量よりも少ない
と、有機物全体を効果的に炭化することが困難になり、
熱膨張性黒鉛やバーミキュライトの発泡物の飛散を押え
ることが出来ず、充分な防火性能が得られなくなる。こ
れよりも量が多いと他の成分である熱膨張性黒鉛やバー
ミキュライトの配合量が少なくなり、全体として、防火
及び耐火性のある発泡炭化複合体の形成が出来ず、充分
な防火性能が得られなくなる。 【0027】本発明の防火付与組成物に補助成分(任意
成分)として、特に限定されないが、例えば、シリカ、
タルク、硫酸バリウム等の体質顔料;水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、カオリン、リン酸水素カルシ
ウム、ヘクトライト、亜硫酸ナトリウム・7水和物、エ
トリンジャイト、明礬石(アルナイト)、水滑石(ブル
ース石)、ダイアスポア、ギブス石(ハイドラーギライ
ト)、カオリナイト、モンモリロナイト、蛇紋石、消石
灰、石膏、リン酸亜鉛等の、加熱により水蒸気を発生す
る無機充填剤;アイアンオキシドイエロー、ライトイエ
ロー50、アイアンオキシドブラウン、アイアンオキシ
ドレッド、ライトブルー100、クロムオキシドグリー
ンGN等の着色顔料;ガラス繊維、セピオライト、ナイ
ロン繊維、植物繊維等の繊維状の物質、一般に発泡、膨
張型耐火塗料に使用されるジペンタエリスリット、メラ
ミン等の物質、フリット等のガラス粉等の配合も出来
る。 【0028】 【作用】本発明の防火性複合発泡物形成の過程は、加熱
により、最初に熱膨張性黒鉛が膨張し、同時に、防火付
与組成物が混入された有機樹脂成分がポリリン酸アンモ
ニウムにより脱水、炭化され、加熱により膨張した熱膨
張性黒鉛のからみ合いと炭化された樹脂成分の固化作用
により、飛散、脱落のない発泡物が形成され、更に加熱
温度が高くなると、この発泡物の中でバーミキュライト
粉末が膨張して、お互いにからみ合った熱膨張性黒鉛
と、炭化され固定化された樹脂成分の中で固定化され、
膨張したバーミキュライトとなり、膨張した熱膨張性黒
鉛及び炭化されて固定化された樹脂成分との発泡複合体
を形成し、この発泡体が、火災に際して隙間から炎、
煙、ガス等の侵入または流出を防いだり、塗装または貼
り付けられた不燃外装材、石膏ボード、パーティクルボ
ード、鉄板及び鋼材の防火または耐火の性能を発揮す
る。 【0029】バーミキュライト粉末を熱膨張性黒鉛と併
用しないで使用すると、発泡複合体によって防火性能を
発揮するこの系統の防火機構からすれば、バーミキュラ
イトの発泡温度は230℃位から発泡を始じめるとはい
え、ほとんどの発泡が400℃以上と高いので、火災初
期に於ける防火性能の面で不充分であり、また、発泡に
際しての発泡圧力が強いこともあって、すでに低い温度
で脱水、炭化されて固定化した有機樹脂組成物の炭化物
が、バーミキュライトの発泡により破壊され、結果とし
て、バーミキュライト発泡体の飛散、脱落を防止するこ
とが出来ない。熱膨張性黒鉛、バーミキュライト、カプ
セル化ポリリン酸アンモニウムの配合比率は任意の割合
で配合出来る。バーミキュライトの比率を高くすれば、
それだけ熱伝導の低い複合発泡物を作ることが出来る
が、反面、複合発泡物が飛散、脱落しやすくなる。 【0030】また、本発明の防火付与組成物はきわめて
耐水性に優れた組成物を提供する。更に、塩素等の有害
物質を発生させない防火付与組成物である。また、防火
付与組成物を混入可能な有機樹脂に混入して、不燃性、
外装材、石膏ボード、パーティクルボード、鉄板、鋼材
等に塗装したり、またはシート状で貼り付けることによ
り、火災にさらされた際に強固な発泡炭化複合膜を形成
して、その防火および耐火性能を向上させる効果があ
り、または、棒状、ヒモ状、液状で一般建造物の内外壁
の目地部や隙間、穴等に挿入され、火災にさらされた際
に強固な発泡炭化複合膜を形成して、木材等の可燃物を
防火したり、煙、炎、燃焼により発生するガス等の外部
への流出を防いだりする効果があり、また、混入された
有機物を難燃化する効果を与える防火付与組成物を提供
する。 【0031】 【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。下記
実施例および比較例中、「部」は「重量部」を表す。 【0032】実施例1 ポリエーテルポリオール[平均分子量≒3000、OH
V(水酸基価)≒56]32.9部に熱膨張性黒鉛(中
央化成株式会社製、商品名「熱膨張性黒鉛CA−6
0」)19.8部、バーミキュライト粉末24.4部お
よびマイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウム19.
4部を添加し、撹拌混合した。ここで、マイクロカプセ
ル化ポリリン酸アンモニウムは、住友化学工業株式会社
製のポリリン酸アンモニウム(商品名「スミセーフ
P」)と同等の組成のポリリン酸アンモニウムを液中硬
化法によりメラミンホルムアルデヒド樹脂でコーティン
グすることにより得られたものであり、その粒子径は
0.1〜100μm、20℃の水に対する溶解率は0.
3重量%以下であった。 【0033】さらに有機鉛系触媒(オクチル酸鉛)2.
0部を添加し、5分間撹拌した。次いで、第2液として
TDI系プレポリマー[ポリエーテルポリオールとTD
I(トリレンジイソシアネート)とのウレタンプレポリ
マー、平均分子量1500、NCO%≒2.9%]5
7.0部を添加し、2分間撹拌混合することにより、発
泡型防火組成物を得た。この発泡型防火組成物に用いた
各成分の配合量を表1に示す。 【0034】この組成物を5mm×100mm×150mmの
ポリエチレン容器に流し込み、1日間放置後、取り出
し、5mm×10mm×140mmに切断することにより、発
泡型防火性成形品を得た。 【0035】実施例2 EVA(日本ユニカ製エチレン−ビニル アセテート
コポリマー、NUC−3150)91.9部に熱膨張性
黒鉛19.8部、バーミキュライト粉末24.4部、マ
イクロカプセル化ポリリン酸アンモニウム19.4部の
混合粉末を170℃の温度で押し出し成形して、5mm×
10mm×140mmの成形品を得た。 【0036】実施例3 EEA(日本ユニカ製エチレン アクリレート コポリ
マー、VPDJ−9169)91.9部に熱膨張性黒鉛
19.8部、バーミキュライト粉末24.4部、マイク
ロカプセル化ポリリン酸アンモニウム19.4部の混合
粉末を170℃の温度で押し出し成形して、5mm×10
mm×14mmの成形品を得た。 【0037】比較例1 ポリエーテルポリオール[平均分子量≒3000、OH
V(水酸基価)≒56]36.7部に熱膨張性黒鉛(中
央化成株式会社製、商品名「熱膨張性黒鉛CA−6
0」)23.5部およびマイクロカプセル化ポリリン酸
アンモニウム30.8部を添加し、撹拌混合した。ここ
で、マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウムは、住
友化学工業株式会社製のポリリン酸アンモニウム(商品
名「スミセーフP」)と同等の組成のポリリン酸アンモ
ニウムを液中硬化法によりメラミンホルムアルデヒド樹
脂でコーティングすることにより得られたものであり、
その粒子径は0.1〜100μm、20℃の水に対する
溶解率は0.3重量%以下であった。 【0038】さらに有機鉛系触媒(オクチル酸鉛)2.
0部を添加し、5分間撹拌した。次いで、第2液として
TDI系プレポリマー[ポリエーテルポリオールとTD
I(トリレンジイソシアネート)とのウレタンプレポリ
マー、平均分子量1500、NCO%≒2.9%]6
3.3部を添加し、2分間撹拌混合することにより、発
泡型防火組成物を得た。この発泡型防火組成物に用いた
各成分の配合量を表1に示す。 【0039】この組成物を5mm×100mm×150mmの
ポリエチレン製容器に流し込み、1日間放置後、取り出
し、5mm×10mm×140mmに切断することにより、発
泡型防火性成形品を得た。 【0040】比較例2 EVA(日本ユニカ製エチレン−ビニル アセテート
コポリマー、NUC−3150)102部に熱膨張性黒
鉛23.5部、マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニ
ウム30.8部の混合粉末を170℃の温度で押し出し
成型して、5mm×10mm×14mmの成形品を得た。 【0041】比較例3 EEA(日本ユニカ製エチレン アクリレート コポリ
マー、 DPDJ−9169)102部、熱膨張性黒鉛
23.5部、マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウ
ム30.8部の混合粉末を170℃の温度で押し出し成
型して、5mm×10mm×14mmの成形品を得た。 【0042】 【表1】 【0043】前記実施例1〜3及び比較例1〜3で得ら
れた発泡型防火性成形品について、下記に示す防火性試
験と耐水性試験を行なった。それらの結果を表2に示し
た。防火性試験 (1)裏面温度の測定 図1にみるように、木質のパーティクルボード(148
mm×148mm×12mm)1の上に、フライアッシュスラ
グセメント系(=NFC、ノン石綿)外装材(65mm×
140mm×12mm)2を2枚並べて貼り合わせ、幅10
mmの目地部3を作製した。この目地部3に、発泡型防火
性成形品4を挿入して、試験体を得た。その後、図2に
みるように、目地部3の成形品4挿入側に1,100℃
の炎を当て、30分経過後の裏面温度を熱電対で測定し
た。図中、5はガスバーナー、6は熱電対差し込み穴、
7は熱電対である。 【0044】(2)発泡倍率の測定 発泡型防火性成形品をスレート板の上に置き、1,10
0℃の炎を当てて発泡させた時の発泡状態を確認し、体
積膨張倍数で評価した。 【0045】(3)炭化物の強度 発泡倍率の測定後の試験片について、50cmの高さか
ら自由落下させて、試験片の外観を評価した。外観に異
常のないものは〇、一部異常が認められるものは△、試
験片が破壊したものはXで評価した。 【0046】(4)炭化層の脱落 前記の裏面温度の測定を行なう際に観察した。炭化層の
脱落のないものは〇、脱落は無いが一部飛散が認められ
るものは△、一部脱落が認められるものはXで評価し
た。 【0047】(5)樹脂の流出 発泡型防火性成形品を5mm×10mm×20mmに切断して
スレート板に置き、ガスバーナーで加熱した。その際、
樹脂の流出がないものは〇、流出が認められるものはX
で評価した。 【0048】耐水性試験 発泡型防火性成形品を、i)40℃の水道水に1ケ月間
浸漬するか、あるいは、ii) 3ケ月間天然曝露した。こ
れらi)およびii) の各試験後に1,100℃の炎を当
てたときの状態と、i)およびii) の各試験を行わずに
1,100℃の炎を当てたときの状態とを比較し、発泡
性能に変化がないものは○、発泡性能が低下したものは
Xで評価した。 【0049】総合評価 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた発泡型防火性
成形品についての防火性試験及び耐水性試験の結果か
ら、発泡型防火性成形品としての性能を総合的に評価し
た。発泡型防火性成形品として特に優れており、高い水
準の防火性能を要求される場合にも対応できるものは
◎、通常の防火性能を要求される場合に対応できるが、
高い水準の防火性能を要求される場合には対応できない
ものは△、通常の防火性能を要求される場合に対応でき
ないものはXで評価した。 【0050】 【表2】 【0051】 【発明の効果】防火付与組成物に用いる各顔料成分を混
合可能な有機樹脂に混合し、成形して得た成形品の防火
性能は、熱膨張性黒鉛とマイクロカプセル化ポリリン酸
アンモニウムの配合物より得た成形品よりも明らかに高
い性能を発揮する。 【0052】このことから、各顔料成分を混合可能な有
機樹脂に混合して、不燃性外装材、石膏ボード、パーテ
ィクルボード、鉄板、鋼材等に塗装したり、またはシー
ト状で貼り付けることにより、火災にさらされた際に強
固な発泡炭化複合膜を形成して、その防火および耐火性
能を向上させる効果があり、または、棒状、ヒモ状、液
状で一般建造物の内外壁の目地部や隙間、穴等に挿入さ
れ、火災にさらされた際に強固な発泡炭化複合膜を形成
して、木材等の可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼によ
り発生するガス等の外部への流出を防いだりする効果を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 防火性試験に供される試験体の断面図であ
る。 【図2】 上記試験体を用いた防火性試験の説明図であ
る。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記成分(A)、(B)、(C)および
    (D)を必須成分として含む防火付与組成物。 (A)下記顔料成分(B)〜(D)を混合可能な有機樹
    脂、(B)熱膨張性黒鉛、(C)バーミキュライト粉
    末、および(D)ポリリン酸アンモニウム粉末が樹脂に
    より被覆されてなるマイクロカプセル。
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