JP2000038785A - 粘着性耐火シ―ト - Google Patents
粘着性耐火シ―トInfo
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Abstract
着性を有しているので施工性がよく、離型紙を介在させ
ることなく巻物の状態で保管しても、使用時に容易に巻
物から展開が可能な粘着性耐火シートを提供する。 【解決手段】 加熱によって膨張して耐火断熱層を形成
する熱膨張性シートの片面に基材層が積層され、該基材
層の非積層面に離型処理が施されている。
Description
柱、梁等に被覆して使用される粘着性耐火シートに関
し、さらに詳しくは、H型鋼や角形鋼管等の鉄骨に被覆
して使用され、加熱によって膨張して耐火性能を発現す
る粘着性耐火シートに関するものである。
建築物の構造材をなす梁、柱等として軽量な鉄骨が用い
られるようになっている。このような建築物の構造材と
して用いられる鉄骨には、建設省告示第2999号やJ
IS A 1304により耐火性能基準が定められてお
り、その基準を満たすために、鉄骨の表面を耐火性能に
優れた材料(耐火被覆材)で被覆する方法が一般的に実
施されている。
して、例えば特開平6−32664号公報には、水ガラ
スや水硬性セメントにバーミキュライト、ロックウール
等の無機成分を混合したものが開示されている。しかし
ながら、この被覆材料は、施工時に現場で鉄骨に対して
塗布又は吹き付ける必要があるため施工性に問題があっ
た。また、鉄骨に形成される耐火被覆層の厚さにむらが
生じ易く、むらが生じた場合は十分な耐火性を発現させ
ることができなかった。また、上記耐火被覆層にひび割
れが発生して耐火性が低下する場合があった。さらに、
湿式又は半乾式により吹き付けた場合は硬化するまでに
長時間を必要とするため、作業効率が悪かった。
実質的にハロゲンを含有しない熱可塑性樹脂からなる表
面層と裏面層を有し、裏面層に水和金属化合物及び/又
はリン化合物と、膨張性黒鉛とからなる難燃剤が添加さ
れた難燃性装飾材が提案されている。しかしながら、こ
の難燃性装飾材は粘着性がないため、鉄骨の耐火被覆材
として使用する場合は施工性に問題があった。
しては、適度の粘着性を付与することによって、鉄骨の
周囲に被覆する作業が容易となり作業能率を向上させる
ができる。しかしながら、粘着性を有するシート状の被
覆材料を巻物の状態で保存すると、シート同士が接着し
て施工時に展開することが困難となるため、シート間に
離型紙を介在させる必要があった。このような離型紙の
使用は、コスト上昇を招くと共に不要な廃棄物が発生す
るという問題点があった。
み、加熱時に優れた耐火性能を発現すると共に粘着性を
有しているので施工性がよく、離型紙を介在させること
なく巻物の状態で保管しても、使用時に容易に巻物から
展開が可能な粘着性耐火シートを提供することにある。
トは、ブチルゴムを樹脂成分として含有し、加熱によっ
て膨張して耐火断熱層を形成する、常温で粘着性を有す
る熱膨張性シートの片面に、熱溶融性フィルム、金属箔
ラミネートフィルム、金属蒸着フィルム又は金属箔から
選ばれる基材層が積層され、該基材層の非積層面に離型
処理が施されていることを特徴とする。
の片面に基材層が積層され、該基材層の非積層面に離型
処理が施されたものである。
箔ラミネートフィルム、金属蒸着フィルム又は金属箔か
ら選ばれるいずれか1種が用いられる。
低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム等が用いられる。これらのフ
ィルムの端材等をリサイクル使用する場合は、融点16
0℃以下の低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム等の使用が好ましい。
例えば、アルミ箔/PE(ポリエチレン)、アルミ箔/
OPP(2軸延伸ポリプロピレン)、アルミ箔/PE
T、アルミ箔/紙、アルミ箔/PE割布、アルミ箔/O
PP割布、アルミ箔/PET割布等の構成を有するラミ
ネートフィルムが挙げられる。上記金属箔としては、ア
ルミ箔以外にステンレス箔等が使用される。
の少なくとも片面に樹脂フィルムがラミネートされてい
ればよく、両面に異なる樹脂フィルムがラミネートされ
ていてもよい。また、上記金属箔の片面にのみ樹脂フィ
ルムがラミネートされた金属箔ラミネートフィルムの場
合は、金属箔側に熱膨張性シートを貼り付け、樹脂フィ
ルム側に離型処理を施すことが好ましい。
PE、OPP、PET等の樹脂フィルムにアルミ蒸着し
たものが用いられる。
フィルム又は金属箔ラミネートフィルムの場合、金属層
の厚みが厚くなると防炎効果は高くなるが、本発明の粘
着性耐火シートを巻物の状態で保管する場合は剛性が大
きくなり、巻物にするのが困難となる場合がある。その
うえ、重量も増すため取扱い性が悪くなる。
の基材層試験片に80℃において500gの荷重を3分
間かけた場合に2%未満であることが好ましく、より好
ましくは1%未満であり、さらに好ましくは0.5%未
満である。上記クリープ特性が2%以上になると、例え
ばカレンダー塗工法等によって熱膨張性シートを基材層
上に直接塗工して粘着性耐火シートを成形する場合に、
基材層にかかるテンションによって伸長して残留応力が
生じるため、粘着性耐火シートを巻物として保管する際
に寸法変化を起こすことがある。
特に制限がなく、例えばシリコーン離型処理等の一般的
な方法が用いられる。上記基材層に離型処理が施される
ことによって、本発明の粘着性耐火シートを巻物の状態
で保管してもシート同士の接着が起こらず、使用時に容
易に展開することができる。
に対する展開力としては、基材層離型処理面側と熱膨張
性シートとを貼り付けた幅25mmの試験片を23℃で
1時間養生した後300mm/分の速度で90度方向に
剥離した場合に、30gf/25mm以上150gf/
25mm未満であることが好ましく、より好ましくは5
0gf/25mm以上100gf/25mm未満であ
る。上記展開力が、30gf/25mm未満では巻物と
して保管、輸送する際に巻物にゆるみを生じることがあ
り、150gf/25mm以上になると巻物の展開が困
難となり作業性が低下する。
リコーン離型処理が施されることによって巻物として保
管されても、該粘着性耐火シート同士の接着が起こら
ず、使用時に容易に展開が可能となる。また、上記熱膨
張性シートの片面に基材層を積層することによって、加
熱後に形成される耐火断熱層を補強することができる。
するブチルゴムを樹脂成分として含有することによって
粘着性が付与される。また、上記ブチルゴムには粘着性
が損なわれない範囲で他の熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質が併用されてもよい。
は、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、クロロプレン系樹脂、ポリブタジエン、ポリ
イソブチレン、ニトリルゴム等が挙げられる。
用いても、2種以上を併用してもよい。ブチルゴムの溶
融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上をブ
レンドしたものを用いてもよい。
クロロプレン系樹脂、塩素化ブチル系樹脂等のハロゲン
化された樹脂は、それ自体難燃性が高く、さらに熱によ
る脱ハロゲン化反応によって架橋が起こり、加熱後の燃
焼残渣の強度が向上する点において好ましい。
したものは、非常に柔軟でゴム的性質を持っていること
から、上記ブチルゴムと同様に無機充填剤を高充填する
ことが可能であり、後述する樹脂組成物の柔軟性とフレ
キシビリティが損なわれることはない。より柔軟でフレ
キシブルな樹脂組成物を得るためには、ブチルゴムと併
用する樹脂成分としては非加硫ゴムやポリエチレン系樹
脂が好ましい。
更に、本発明の粘着性耐火シートの耐火性能を阻害しな
い範囲で、架橋や変性が施されてもよい。上記樹脂成分
の架橋や変性を行う場合は、予め架橋、変性した樹脂成
分に、後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分を配
合してもよく、他の成分の配合と同時又は配合した後で
架橋や変性が施されてもよい。
ず、ブチルゴム、熱可塑性樹脂又はゴム物質について通
常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物等
を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法等が挙
げられる。
ム、リン化合物並びに無機充填剤を含有する樹脂組成物
から形成されるものが好ましい。
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、
炭素数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、
炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、
炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル
基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜1
6のアリールオキシ基を表す。
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取
扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いら
れる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製「AP4
22」、「AP462」、住友化学社製「スミセーフ
P」;チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュ
C70」、「テラージュC80」等が挙げられる。
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸は
高価ではあるが、高難燃性の点においては好ましい。上
記リン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用して
もよい。
例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチ
モン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイド
ロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、けい酸カルシウム等のカルシウ
ム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、
タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナ
イト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサ
イト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブ
ラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉
末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム
「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミ
ニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ステン
レス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フラ
イアッシュ、脱水汚泥などが挙げられる。これらの中で
も、含水無機物及び金属炭酸塩が好ましい。
ウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成
した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高
い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が
残存し、これが骨材となって働くことで燃焼残渣の強度
が向上する点で特に好ましい。水酸化マグネシウムと水
酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異
なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広
がり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることか
ら、併用することが好ましい。
酸塩は、上記リン化合物との反応で膨張を促すと考えら
れ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウム
を使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、上
記金属炭酸塩は有効な骨材として働き、燃焼後に形状保
持性の高い燃焼残渣を形成する。
トリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類
金属炭酸塩;炭酸亜鉛等の周期律表IIb族金属の炭酸塩
などが好ましい。
きをすることから、燃焼残渣の強度向上や熱容量の増大
に寄与すると考えられる。上記無機充填剤は、単独で用
いてもよく2種以上を併用してもよい。
100μmのものが好ましく、より好ましくは、約1〜
50μmである。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径
の小さいものを組み合わせて使用することがより好まし
く、組み合わせて用いることによって、熱膨張性シート
の力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能
となる。
合物並びに無機充填剤の他に、中和処理された熱膨張性
黒鉛及び多価アルコールが添加されてもよい。
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及
びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、
例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、有機酸塩等が挙げられる。
としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東
ソー社製「GREP−EG」、UCAR Carbon
社製「GRAFGUARD#160」、「GRAFGU
ARD#220」等が挙げられる。
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メ
ッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定
の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
樹脂成分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下
が避けられない。
2つ以上有する炭化水素化合物であり、その炭素数は1
〜50が好ましい。多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、モノペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール、ネオペンタエリスリトール、ソルビトール、
イノシトール、マンニトール、グルコース、フルクトー
ス、デンプン、セルロース等が挙げられる。上記多価ア
ルコールは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
酸基数と炭素数との比〔(水酸基数)/(炭素数)〕
が、0.2〜2であるものが好ましく、より好ましく
は、ペンタエリスリトール類、ソルビトール、マンニト
ール等に代表されるような、〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が、0.7〜1.5のものである。中でも、ペン
タエリスリトール類は、水酸基含有率が高いため炭化促
進効果が高く、最も好ましいものである。
〔(水酸基数)/(炭素数)〕が0.2〜2の範囲にあ
る多価アルコールは、燃焼時に脱水縮合して効果的に炭
化層を形成する。上記比〔(水酸基数)/(炭素数)〕
が、0.2未満であると燃焼時には脱水縮合よりも炭素
鎖の分解が起こり易くなるため、充分な炭化層を形成す
ることができず、2を超えると炭化層の形成には差し支
えないが、耐水性が大幅に低下する。耐水性が低下する
と、成形直後の樹脂組成物を水冷する際に、上記多価ア
ルコールが溶出したり、成形体の保管中の湿度によっ
て、上記多価アルコールがブリードアウトする等の問題
点がある。
しい樹脂組成物としては、以下に説明する樹脂組成物
(1)〜(5)が挙げられる。
を含有する樹脂成分、リン化合物、中和処理された熱膨
張性黒鉛並びに無機充填剤からなり、リン化合物及び中
和処理された熱膨張性黒鉛の配合量は、ブチルゴムを含
有する樹脂成分100重量部に対して合計量で20〜2
00重量部が好ましく、上記中和処理された熱膨張性黒
鉛とリン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性
黒鉛)/(リン化合物)〕は0.01〜9が好ましい。
ムを含有する樹脂成分100重量部に対して50〜50
0重量部が好ましく、上記無機充填剤とリン化合物との
重量比〔(無機充填剤)/(リン化合物)〕は0.6〜
1.5が好ましい。
としては、上記含水無機物;アルカリ金属、アルカリ土
類金属及び周期律表IIb族金属から選ばれる金属の炭酸
塩が好ましく、より好ましくは、含水無機物と金属炭酸
塩との混合物である。
和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱により膨張して耐火
断熱層を形成し、熱の伝達を阻止する。無機充填剤は、
その際熱容量の増大に寄与し、リン化合物は、耐火断熱
層の形状保持能力を有する。樹脂組成物(1)の配合比
は、これらの諸機能がバランスよく発現するようになさ
れている。
を含有する樹脂成分、リン化合物、並びに、アルカリ金
属、アルカリ土類金属及び周期律表IIb族金属から選ば
れる金属の炭酸塩からなり、リン化合物及び金属炭酸塩
の合計量は、ブチルゴムを含有する樹脂成分100重量
部に対して50〜900重量部が好ましく、上記金属炭
酸塩とリン化合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン
化合物)〕は0.6〜1.5が好ましい。
リン化合物より発生するポリリン酸と炭酸塩との化学反
応により、脱炭酸、脱アンモニア反応が促進する。リン
化合物は、ポリリン酸を発生させるとともに、発泡皮膜
のバインダーとして働き、金属炭酸塩は骨材的役割を果
たす。
を含有する樹脂成分、リン化合物、含水無機物及び/又
はカルシウム塩、並びに、アルカリ金属、アルカリ土類
金属及び周期律表IIb族金属から選ばれる金属の炭酸塩
からなり、上記リン化合物、金属炭酸塩並びに含水無機
物及び/又はカルシウム塩の合計量は、ブチルゴムを含
有する樹脂成分100重量部に対して50〜900重量
部が好ましく、リン化合物に対する、金属炭酸塩並びに
含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量の重量比
〔(金属炭酸塩並びに含水無機物及び/又はカルシウム
塩の合計量)/(リン化合物)〕は0.6〜1.5が好
ましい。上記含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計
量は、金属炭酸塩100重量部に対して1〜70重量部
が好ましい。
カルシウム、石膏、二リン酸カルシウム等が挙げられ
る。
リン化合物より発生するポリリン酸と炭酸塩との化学反
応により、脱炭酸、脱アンモニア反応が促進する。リン
化合物は、ポリリン酸を発生させるとともに、発泡皮膜
のバインダーとして働き、金属炭酸塩は骨材的役割を果
たす。含水無機物及び/又はカルシウム塩は、金属炭酸
塩と同様に骨材的役割を果たすと考えられる。
を含有する樹脂成分、リン化合物、多価アルコール、並
びに、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表II
b族金属から選ばれる金属の炭酸塩からなり、上記リン
化合物、多価アルコール及び金属炭酸塩の合計量は、ブ
チルゴムを含有する樹脂成分100重量部に対して50
〜900重量部が好ましく、上記多価アルコールとリン
化合物との重量比〔(多価アルコール)/(リン化合
物)〕は0.05〜20が好ましい。上記金属炭酸塩と
リン化合物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合
物)〕は0.01〜50が好ましい。
物、多価アルコール及び金属炭酸塩を組合わせることに
よって、十分な耐熱性を有し、かつ、燃焼後の残渣を強
固なものとし、形状保持を図るものである。また、加熱
により、リン化合物は脱水、発泡すると共に、炭化触媒
として作用する。多価アルコールは、リン化合物の触媒
作用を受けて炭化層を形成し、形状保持性の優れた断熱
層を形成する。金属炭酸塩は骨材的役割を果たし、炭化
層をより強固なものとする。
を含有する樹脂成分、リン化合物、中和処理された熱膨
張性黒鉛、多価アルコール、並びに、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属及び周期律表IIb族金属から選ばれる金
属の炭酸塩からなり、上記リン化合物、中和処理された
熱膨張性黒鉛、多価アルコール及び金属炭酸塩の合計量
は、ブチルゴムを含有する樹脂成分100重量部に対し
て50〜900重量部が好ましい。
比〔(多価アルコール)/(リン化合物)〕は0.05
〜20、上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物
との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)/(リン
化合物)〕は0.01〜9、上記金属炭酸塩とリン化合
物との重量比〔(金属炭酸塩)/(リン化合物)〕は
0.01〜50が、それぞれ好ましい。
りリン化合物は脱水、発泡すると共に炭化触媒として作
用する。多価アルコールは、リン化合物の触媒作用を受
けて炭化層を形成し、形状保持性の優れた断熱層を形成
する。金属炭酸塩は骨材的役割を果たし、炭化層をより
強固なものとする。中和処理された熱膨張性黒鉛は、そ
の際に膨張して耐火断熱層を形成し、熱の伝達を阻止す
るためにより有効に作用する。
ために、例えば、上記ブチルゴムを含有する樹脂成分に
粘着付与剤を添加することができる。上記粘着付与剤と
しては特に限定されず、例えば、粘着付与樹脂、可塑
剤、油脂類、高分子低重合物等が挙げられる。市販品と
しては、例えば、トーネックス社製「エスコレッツ53
20」、出光石油化学社製「アイマーブP125」等が
例示される。
構成する樹脂組成物に、樹脂組成物の物性を損なわない
範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止
剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加され
てもよい。
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサ
ー、二本ロール等従来公知の混練装置を用いて溶融混練
することにより得ることができる。得られた樹脂組成物
は、例えば、プレス成形、押出成形、カレンダー成形
等、従来公知の成形方法によって、上記熱膨張性シート
に成形することができる。
期のかさ密度が0.8〜2g/cm 3 であるものが好ま
しく、より好ましくは、1〜1.8g/cm3 である。
25℃での初期のかさ密度を0.8〜2g/cm3 の範
囲内とすることによって、上記熱膨張性シートに要求さ
れる断熱性、耐火性等の物性を損なわず、しかも、作業
性に優れたものとすることができる。
g/cm3 未満であると、樹脂組成物中に充分な量の膨
張剤、炭化剤、不燃性充填剤等を添加することができ
ず、加熱後の膨張倍率、残渣量が不充分となり、十分な
耐火断熱層を形成することができない。25℃における
初期のかさ密度が、2g/cm3 を超えると、上記シー
トの重量が大きくなり過ぎるために、大面積の熱膨張性
シートの張り付け作業等における作業性が低下する。
加熱したときのかさ密度が0.05〜0.5g/cm3
であるものが好ましく、より好ましくは、0.1〜0.
3g/cm3 である。500℃で1時間加熱したときの
かさ密度が、0.05g/cm3 未満であると、隙間が
多すぎるため、膨張時の崩れにより耐火断熱層を層とし
て形成することができなくなり、0.5g/cm3 を超
えると、膨張倍率が不充分となり、耐火性能を充分に発
揮することができず、耐火断熱層を形成することができ
なくなる。
加熱条件下で30分間体積膨張させた後の熱伝導率が、
0.01〜0.3kcal/m・h・℃であることが好
ましい。50kW/m2 の加熱条件下で30分間体積膨
張させた後の熱伝導率が、0.3kcal/m・h・℃
を超えると、断熱性能が不充分であるため充分な耐火性
能を発揮することができず、0.01kcal/m・h
・℃未満であるものは、有機物及び無機物の混合物では
作ることができない。
(DSC)により測定される、10℃/分の昇温速度で
600℃まで昇温した場合の総吸熱量が、100J/g
以上であることが好ましい。総吸熱量が100J/g以
上であると温度上昇が遅くなるため、断熱性能がより良
好となる。
する方法としては、共押出法によって熱膨張性シート及
び基材層の成形すると同時に積層する方法;熱膨張性シ
ートと基材層とを別々に成形した後加熱プレス等で積層
する方法;基材層に熱膨張性シート用樹脂組成物をカレ
ンダー塗工して積層する方法等、従来公知の方法が用い
られる。
mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mmであ
る。熱膨張性シートの厚みが、0.2mm未満では膨張
しても十分な断熱性が発現せず、10mmを超えると重
量が重くなり取扱い性が悪くなる。
が好ましい。基材層の厚みが、0.02mm未満では取
扱い時に破れを起こすおそれがあり、0.3mmを超え
ると可燃物の量が増加するため耐火性が低下するおそれ
がある。
基材層の厚みDbとの比が、Da/Db=1〜100の
範囲であることが好ましい。Da/Dbが、1未満にな
ると可燃物の量が増加するため耐火性が低下するおそれ
があり、100を超えると重量も増すため取扱い性が悪
くなる。
は、不燃性材料からなるシートと積層した後該不燃性材
料からなるシート側が外側となるように配置してH型鋼
などの鉄骨に被覆するのが好ましいが、熱膨張性シート
が常温で粘着性を有することによって、不燃性材料から
なるシートに簡単に接着したり、鉄骨に仮止めしたりす
ることができるので、鉄骨の耐火被覆作業時において施
工性が向上する。上記熱膨張性シートが粘着性を有する
とは、不燃性材料からなるシートや鉄骨に仮止め固定が
可能となるような性質を有することを意味し、広く粘着
性及び/又は接着性を有することをいう。
災等において加熱されると燃焼膨張して耐火断熱層を形
成し、この耐火断熱層によって鉄骨等へ熱が伝わるのを
防止する。従って、この耐火断熱層は、鉄骨等の全周で
隙間なく形成されることが好ましい。
不燃性を有するものであれば特に限定されないが、上記
粘着性耐火シートの膨張によって形成される耐火断熱層
に追随してある程度変形し、耐火断熱層の形状が崩れな
いように保持し得る材料が好ましい。このような不燃性
材料からなるシートとしては、例えば、鋼板、亜鉛メッ
キ鋼板、ステンレス板、アルミ・亜鉛合金板、アルミニ
ウム板等の金属板材料;珪酸カルシウム板、繊維混入珪
酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード板、強
化石膏板、パーライトセメント板、繊維強化セメント
板、木片セメント板、木粉セメント板、スラグ石膏板等
の無機質板;ロックウール保温板、セラミックウールブ
ランケット、アルミナシリカ繊維フェルト、セラミック
紙、水酸化アルミ紙等のシート状物が挙げられる。
しくは、厚みの薄い金属板(箔)である。厚みの薄い金
属板は、熱膨張性シートが膨張する際に変形や湾曲する
ことによって、破れや切断を起こさずに膨張を吸収す
る。上記金属板の厚みは、0.1〜1mmが好ましい。
厚みが、0.1mm未満では防炎材料や形状保持材とし
て機能せず、1mmを超えると耐火断熱層の形成時に変
形し難くなり、十分な耐火断熱層が形成されなくなる恐
れがある。
と粘着性耐火シートの間、不燃性性材料からなるシート
と粘着性耐火シートの間に適当な断熱材料を配置しても
よい。上記断熱材料としては、耐熱性を有するのであれ
ば特に限定されず、例えば、ロックウール、ガラスウー
ル、耐熱ガラスウール、セラミックウール等、公知の断
熱材料が用いられる。
ましい。厚みが、5mm未満では断熱効果が不十分であ
り、30mmを超えると重量が重くなるため施工性が低
下する。
る。
した配合量のブチルゴム(エクソン化学社製「ブチルゴ
ム065」)、ポリブテン(出光石油化学社製「100
R」)、粘着付与剤(トーネックス社製「エスコレッツ
5320」)、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント
社製「AP422」、平均粒径15μm)、中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」、5
0メッシュ)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハ
イジライトH−31」、平均粒径18μm)、及び、炭
酸カルシウム(白石カルシウム社製「ホワイトンBF−
300」、平均粒径8μm)を、二軸押出機に供給して
押出成形を行い、一定厚みの熱膨張性シートを得た。こ
の熱膨張性シートを、表1に示した片面シリコーン離型
処理した基材層の非離型処理面に対向させて熱プレスを
行い、粘着性耐火シートを得た。
チルゴム、粘着付与剤、ポリリン酸アンモニウム、中和
処理された熱膨張性黒鉛、水酸化アルミニウム及び炭酸
カルシウム(いずれも実施例1と同様のものを使用)か
らなる樹脂組成物を混練後、表2に示した片面シリコー
ン離型処理した基材層の非離型処理面に、該樹脂組成物
をカレンダー塗工機を使用して一定厚みで塗工し、熱膨
張性シートと基材層とが積層された粘着性耐火シートを
得た。尚、実施例5において基材としてアルミ/紙のラ
ミネートフィルムを使用し、紙側に離型処理を施し、ア
ルミ側に熱膨張性シートを積層した。
性シートについて下記の性能評価を行い、その結果を表
1及び2に示した。 (1)粘着性耐火シートの展開性 粘着性耐火シートを巻物にした状態で常温で5日間放置
した後展開し、容易に展開できたものを○、容易に展開
できなかったものを×と表示した。さらに、25mm幅
の粘着性耐火シート試験片の離型処理面側を熱膨張性シ
ートに貼り付けて23℃で1時間養生した後、300m
/分の速度で90度方向に剥離した場合の展開力を測定
した。
た耐火試験を行った後、粘着性耐火シートの燃焼によっ
て形成される耐火断熱層を目視観察し、耐火断熱層に崩
れ等が認められなかったものを○、耐火断熱層が崩れ等
によって十分に形成されなかったものを×で表示した。
鉄板に貼り付けた後80℃のオーブンに入れ、残留応力
により収縮を生じたものを×、収縮を生じなかったもの
を○で表示した。
り付けた後、夏場を想定した80℃の試験槽内に入れ、
温度が安定したから500gの一定荷重を3分間かけた
後の試験片の伸度(%)をクリープ特性として評価し
た。この荷重は製造工程で基材層にかかる荷重を想定し
たものである。
mmの熱膨張性シート試験片をSUS板に貼り付けて2
3℃で1時間養生した後、300m/分の速度で90度
方向に剥離した場合の剥離力を測定した。
成であり、巻物の状態で保管しても使用時に容易に展開
することができ、離型紙を使用する必要がないので、コ
ストアップを招かず、しかも不要なゴミも発生しない。
さらに、基材層が積層されていることによって、燃焼時
に形成される燃焼残渣(耐火断熱層)を補強する効果が
あるため、燃焼残渣の崩壊が防止され優れた耐火断熱性
を発現する。
Claims (6)
- 【請求項1】 ブチルゴムを樹脂成分として含有し、加
熱によって膨張して耐火断熱層を形成する、常温で粘着
性を有する熱膨張性シートの片面に、熱溶融性フィル
ム、金属箔ラミネートフィルム、金属蒸着フィルム又は
金属箔から選ばれる基材層が積層され、該基材層の非積
層面に離型処理が施されていることを特徴とする粘着性
耐火シート。 - 【請求項2】 熱膨張性シートが、ブチルゴム、リン化
合物及び無機充填剤を含有する樹脂組成物からなること
を特徴とする請求項1記載の粘着性耐火シート。 - 【請求項3】 基材層の離型処理面側の熱膨張性シート
に対する展開力が、幅25mmの試験片を300mm/
分の速度で90度方向に剥離した場合に30gf/25
mm以上150gf/25mm未満であることを特徴と
する請求項1又は請求項2記載の粘着性耐火シート。 - 【請求項4】 基材層のクリープ特性が、10mm幅の
試験片に80℃で500gの荷重を3分間かけた場合に
2%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の粘着性耐火シート。 - 【請求項5】 熱膨張性シートの厚みが0.2〜10m
mであり、かつ基材層の厚みが0.02〜0.3mmで
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
載の粘着性耐火シート。 - 【請求項6】 熱膨張性シートの厚みDaと基材層の厚
みDbとの比が、Da/Db=1〜100の範囲にある
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
粘着性耐火シート。
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