JP7207980B2 - 耐火多層シート - Google Patents
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Description
また、従来、例えば、特許文献1に開示されるように、層間接着性を向上させるため、熱膨張材と基材の間に熱可塑性樹脂を含有する介在層が配置されることも知られている。
また、耐火多層シートが備える基材の熱膨張材が設けられた面とは反対側の面に、粘着層を設けることが検討されている。粘着層の表面には、一般的にセパレーターが貼付されるが、セパレーターに関しても、耐火多層シートをロール状に巻き付ける際に、剥がれや皺などが発生することがある。
すなわち、本発明は、下記[1]~[9]の耐火多層シートである。
[1]基材と、前記基材の一方の面に設けられる熱膨張材と、粘着層と、セパレーターとを備える耐火多層シートであって、前記熱膨張材が、バインダー樹脂及び熱膨張性黒鉛を含む熱膨張性樹脂組成物からなり、前記粘着層と前記セパレーターが、前記熱膨張材の前記基材が設けられた面と反対側の面にこの順に設けられ、前記基材の厚みが前記耐火多層シートの厚みの1~20%であり、前記セパレーターの厚みが前記耐火多層シートの厚みの0.3~10%である、前記耐火多層シート。
[2]前記基材の引張伸びが20%以上である、[1]に記載された耐火多層シート。
[3]前記セパレーターの引張伸びが1%以上である、[1]又は[2]に記載された耐火多層シート。
[4]前記基材と前記熱膨張材の接着強度が5N/10mm以上である、[1]~[3]のいずれか1つに記載された耐火多層シート。
[5]前記基材が熱可塑性樹脂で形成される、[1]~[4]のいずれか1つに記載された耐火多層シート。
[6]前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン及びポリ酢酸ビニルからなる群から選択される少なくとも1種である、[5]に記載された耐火多層シート。
[7]前記基材の前記熱膨張材が設けられた面と反対の面に、この順に設けられる粘着層及びセパレーターを更に備える、[1]~[6]のいずれか1つに記載された耐火多層シート。
[8]前記バインダー樹脂が、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂又はエラストマー樹脂である、[1]~[7]のいずれか1つに記載された耐火多層シート。
[9]前記セパレーターの離型層が有機樹脂で形成される、[1]~[8]のいずれか1つに記載された耐火多層シート。
本発明の耐火多層シートは、基材と、前記基材の一方の面に設けられる熱膨張材と、前記熱膨張材の前記基材が設けられた面と反対側の面に設けられる粘着層とセパレーターをこの順で備える。
図1は、本発明の耐火多層シートの一実施形態を示す。熱膨張材2が基材1の一方の面に設けられている。粘着層3が、熱膨張材2の基材1が設けられた面と反対側の面に設けられ、更に、セパレーター4が、粘着層3の熱膨張材2が設けられた面と反対側の面に設けられている。
本発明の耐火多層シートの基材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー樹脂等により形成されるが、これらの中では熱可塑性樹脂が好ましい。また、基材の好ましい形態は、フィルムである。また、フィルムとして内部に空洞を有するフィルムも好適に使用できる。
前記した中では、熱膨張材との接着性の観点から、好ましい熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニルである。さらに、難燃性の観点から、ポリ塩化ビニルがより好ましい。また、内部に空洞を有するポリエチレンテレフタレートフィルムも好ましい。
前記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー樹脂の1種又は2種以上が使用される。
本発明において、熱膨張材は、バインダー樹脂及び熱膨張性黒鉛を含む熱膨張性樹脂組成物からなる。本発明では、熱膨張材が熱膨張性黒鉛を含むから、高い熱膨張性と残渣硬さを有し、結果的に優れた耐火性を有している。
熱膨張性樹脂組成物に使用されるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(1-)ブテン、及びポリペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリビニルアセタール、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン、及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
本発明においては、これら樹脂のうち1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリ塩化ビニルは、塩化ビニル単独重合体であってもよいし、塩化ビニル系共重合体でもよい。塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体の共重合体であって、塩化ビニル由来の構成単位を50質量%以上含有する。
塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリロニトリル、スチレン等の芳香族ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
また、ポリ塩化ビニルは、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル系共重合体などを塩素化したポリ塩素化塩化ビニルでもよい。
ポリ塩化ビニルは、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは45質量%以下である。本発明では、これら上限値以下とすることで熱膨張性黒鉛を多量に配合することが可能になる。
熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、無機酸と、強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。無機酸としては、濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。強酸化剤としては濃硝酸、過硫酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で更に中和処理してもよい。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1,000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、膨張して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、10個の熱膨張性黒鉛について、それぞれ最大寸法(長径)及び最小寸法(短径)測定し、最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値の平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定できる。
熱膨張性樹脂組成物における熱膨張性黒鉛の含有量は、熱膨張性樹脂組成物全量基準で、例えば5質量%以上である。熱膨張性黒鉛の含有量を前記基準で5質量%以上とすると、熱膨張性樹脂組成物に優れた耐火性を付与できる。また、熱膨張性黒鉛の含有量を前記基準で60質量%以下とすると、熱膨張性樹脂組成物に一定割合以上のバインダー樹脂を含有させられるので、熱膨張性樹脂組成物のバインダー樹脂中に熱膨張性黒鉛を適切に分散させることが可能になる。そのため、熱膨張性樹脂組成物の成形性が良好となり、更に、熱膨張材の基材に対する接着性も良好となる。
熱膨張性黒鉛の含有量は、耐火性を向上させる観点から、前記基準で好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。また、熱膨張性黒鉛の含有量は、成形性、分散性の観点から、前記基準で好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
本発明における熱膨張材は、難燃剤としてはリン原子含有化合物を含有していてよい。リン原子含有化合物としては、赤リン、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、及びリン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム、下記一般式(1)で表されるリン系化合物等が挙げられる。これらリン原子含有化合物の使用により、熱膨張材に適切な耐火性を付与できる。難燃剤は、これら1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記した難燃剤の中では、耐火シートの耐火性を向上させる観点から、リン酸エステル、亜リン酸金属塩、及びポリリン酸アンモニウムから選択される1種又は2種以上が好ましい。なお、これら3成分は、全てを使用してもよいし、3成分のうち2成分を使用してもよい。複数種の難燃剤を使用することで、効果的に耐火多層シートの耐火性を向上させやすくなる。
熱膨張性樹脂組成物における難燃剤の含有量は、例えば1~60質量%である。1質量%以上とすることで、耐火多層シートに適切な耐火性を付与できる。また、60質量%以下とすると、熱膨張性樹脂組成物に一定割合以上のバインダー樹脂を含有させられるから、熱膨張性樹脂組成物のバインダー樹脂中に難燃剤を適切に分散させられる。そのため、熱膨張性樹脂組成物の成形性が良好となり、更に、熱膨張材の基材に対する接着性も良好となる。
熱膨張性樹脂組成物における難燃剤の含有量は、耐火性を向上させる観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは4質量%以上である。また、熱膨張性樹脂組成物における難燃剤の含有量は、成形性、分散性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以下である。
本発明における熱膨張性樹脂組成物は、更に可塑剤を含有してもよい。特にバインダー樹脂成分がポリ塩化ビニルである場合、熱膨張性樹脂組成物の成形性などを向上させる観点から可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤は、一般にポリ塩化ビニルと併用される可塑剤であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のアジピン酸エステル可塑剤、トリー2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイル等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のおける熱膨張性樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量は、熱膨張性樹脂組成物全量基準で5~30質量%が好ましく、7~25質量%がより好ましく、10~20質量%が更に好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲内であると、熱膨張性樹脂組成物の成形性が向上する傾向にあり、また、熱膨張材が柔らかくなり過ぎることを抑制できる。
本発明における熱膨張性樹脂組成物は、上記した熱膨張性黒鉛以外の無機充填剤を更に含有してもよい。熱膨張性黒鉛以外の無機充填剤としては特に制限されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の水和金属化合物以外の金属化合物、ガラス繊維、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、木炭粉末、各種金属粉、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、及び脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における熱膨張性樹脂組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて上記以外の添加成分を含有させられる。この添加成分の種類は特に限定されず、各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、滑剤、収縮防止剤、結晶核剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、分散剤、及び表面処理剤等が挙げられる。添加剤の添加量は成形性等を損なわない範囲で適宜選択でき、添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の耐火多層シートは、熱膨張材の基材が設けられた面と反対側の面に粘着層、セパレーターを順次備える。
粘着層は、粘着剤層からなるものでもよいし、基材の両表面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープでもよいが、粘着剤層からなることが好ましい。なお、両面粘着テープは、その一方の粘着剤層が熱膨張材又はセパレーターに貼り合わせられることで、粘着層を構成することになる。
粘着剤層を構成する粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。粘着層の厚みは、特に限定されないが、例えば、10~500μm、好ましくは50~200μmである。
セパレーターは、例えば、セパレーター用基材と、セパレーター用基材の少なくとも一方の面に設けられる離型層とを備えるものを使用する。離型層は、セパレーター用基材に剥離処理を施すことで形成できる。セパレーターは、離型層が設けられた面が粘着層に接触するように配置させるとよい。また、セパレーターは、セパレーター用基材の両面が剥離処理されて、両面に離型層が設けられてもよい。
離型層は、特に制限されないが、例えば、有機樹脂で構成される。有機樹脂は、シリコーン樹脂ではないこと、シロキサン結合を有さないことが好ましい。有機樹脂としては、剥離剤として公知のものを使用でき、例えば、フッ素系樹脂、長鎖アルキル含有樹脂、アルキド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系エラストマーなどを使用できる。
セパレーター用基材としては、樹脂フィルム、紙などを使用できる。樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はエラストマー樹脂などから形成されるとよい。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はエラストマー樹脂の具体例としては、樹脂フィルムで列挙されたものを使用できるが、熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の耐火多層シートの製造方法は、特定の製造方法に限定されない。本発明の耐火多層シートの製造方法の一実施態様は、以下のとおりである。基材、熱膨張性樹脂組成物が押出成形、カレンダー成形等により成形された熱膨張材、両面粘着テープ、セパレーターを、それぞれローラーから繰り出して、この順で積層して熱プレスし、長尺の耐火多層シートをローラーに巻き取る。
本発明の耐火多層シートの製造方法の別の一実施態様は、以下のとおりである。基材、熱膨張性樹脂組成物が押出成形、カレンダー成形等により成形された熱膨張材、セパレーターを、それぞれローラーから繰り出す。その際、熱膨張材又はセパレーターの片面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する。ついで、これらをこの順で積層して熱プレスし、長尺の耐火多層シートをローラーに巻き取る。
本発明の耐火多層シートの製造方法の更に別の一実施態様は、以下のとおりである。基材、熱膨張性樹脂組成物が押出成形、カレンダー成形等により成形された熱膨張材、片面に粘着剤層が設けられたセパレーターを、それぞれローラーから繰り出す。その際、セパレーターに設けられた粘着剤層は熱膨張材側に向いている。これらをこの順で積層して熱プレスし、長尺の耐火多層シートをローラーに巻き取る。
上記の実施態様のそれぞれにおいて、押出成形、カレンダー成形等によりフィルム状に成形された熱膨張性樹脂組成物が基材上に積層されて得られる、基材と熱膨張材からなる積層体が使用されてもよい。
本発明の耐火多層シートは、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建築物における壁、床、レンガ、屋根、板材等の構造体、窓(引き違い窓、開き窓、上げ下げ窓等)、障子、ドア、戸、ふすま、欄間等の建具、配線、配管を含む建材として利用される。さらに、本発明の耐火多層シートは、客船、輸送船、連絡船等の船舶、自動車、列車等の車輌、航空機等を含む構造物に利用される。
[実施例]
各物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
<巻き取り時外観>
実施例及び比較例で作成した耐火多層シートをロールに巻き取った後、巻き取られた耐火多層シートを平坦化して1mの試験片を切り出した。前記試験片の外観を、基材及びセパレーターに皺、剥がれを全く目視できない場合を「A」、基材及びセパレーターに1~5か所の皺、剥がれを目視できる場合を「B」、基材及びセパレーターに6~10か所の皺、剥がれを目視できる場合を「C」、基材及びセパレーターに11か所以上の皺、剥がれを目視できる場合を「D」と評価した。
<膨張倍率>
試験片(長さ100mm、幅100mm)を実施例及び比較例で作成した耐火多層シートから切り出して電気炉に供給し、500℃で30分間加熱した。その後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ/加熱前の試験片の厚さ)を計算し、その値が130%以上の場合を「A」、100%以上130%未満を「B」、70%以上100%未満を「C」と評価した。なお、熱膨張材の膨張倍率が70%以上の耐火多層シートは建材として使用可能なものである。
<残渣硬さ>
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製フィンガーフィリングテスター)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定した。破断点応力が0.2kgf/cm2以上である場合を「A」、0.15kgf/cm2以上0.2kgf/cm2未満である場合を「B」、0.10以上0.15未満である場合を「C」と評価した。なお、熱膨張材の残渣硬さが0.10以上の耐火多層シートは建材として使用可能なものである。
<基材、セパレーターの引張伸び>
引張伸びは、JIS K 7113に準拠してAUTOGRAPH(島津製作所製、AGS-J)を用い、引張速度20mm/分で引張り、破断時の伸びを測定した。
<基材と熱膨張材の接着強度>
接着強度は、JIS Z 0237に準拠してAUTOGRAPH(島津製作所製、AGS-J)を用い、180℃ピール試験を引張速度100mm/分の条件にて実施した。
[基材]
PVC1:ポリ塩化ビニルフィルム(厚み200μm)、アキレス社製、片面コロナ処理あり
PVC2:ポリ塩化ビニルフィルム(厚み200μm)、日本カーバイド工業社製、コロナ処理なし
PVC3:ポリ塩化ビニルフィルム(厚み50μm)、日本カーバイド工業社製、コロナ処理なし
PVC4:ポリ塩化ビニルフィルム(厚み350μm)、日本カーバイド工業社製、コロナ処理なし
PVC5:ポリ塩化ビニルフィルム(厚み500μm)、日本カーバイド工業社製、コロナ処理なし
PET1:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み200μm)、東洋紡社製クリスパー、コロナ処理なし
PET2:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み500μm)、東洋紡社製クリスパー、コロナ処理なし
[熱膨張性樹脂組成物]
<樹脂>
PVC:ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学社製TKシリーズ)
<熱膨張性黒鉛>
ADT351、ADT社製、平均アスペクト比21.3
<難燃剤>
ポリリン酸アンモニウム:クラリアント社製AP422、平均粒子径15μm
亜リン酸アルミニウム:太平化学産業社製APA100、平均粒子径42μm
トリフェニルホスフェート:東京化成工業株式会社製Triphenyl Phosphate EP、平均粒子径100μm
<可塑剤>
DIDP:ジイソデシルフタレート
<無機充填剤>
炭酸カルシウム:白石カルシウム社製BF300
[粘着層]
アクリル系粘着剤:綜研化学社製SKダイン
[セパレーター]
PET1:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)、東洋紡社製クリスパー
PET2:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み10μm)、東洋紡社製クリスパー
PET3:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み200μm)、東洋紡社製クリスパー
PET4:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み240μm)、東洋紡社製クリスパー
PP1:ポリプロピレンフィルム(厚み30μm)、フタムラ化学社製
PP2:ポリプロピレンフィルム(厚み120μm)、フタムラ化学社製
紙1:剥離紙(厚み50μm)、住化加工紙社製スミリーズ
紙2:剥離紙(厚み240μm)、住化加工紙社製スミリーズ
上記全てのセパレーターとして、フッ素系樹脂離型剤により粘着層に接する面に離型処理が行われているものを使用した。
表1及び2に示した配合を有する熱膨張性樹脂組成物を、一軸押出機に供給し、150℃で押出成形して、ロールから繰り出される、表1及び2に示した基材上に積層することで、表1及び2に示した厚さの基材と熱膨張材を備える積層体を形成した。ついで、ロールから繰り出される、表1及び2に示したセパレーター上に厚さ100μmのアクリル系粘着剤層が形成されている積層体と、基材と熱膨張材を備える前記積層体を、熱膨張材とアクリル系粘着剤層が接するように積層して熱プレスし、作成された耐火多層シートをロールに巻き取り、前記される各物性を評価、測定した。結果を表1及び2に示す。
Claims (6)
- 基材と、前記基材の一方の面に設けられる熱膨張材と、粘着層と、セパレーターとを備える耐火多層シートであって、
前記熱膨張材が、バインダー樹脂及び熱膨張性黒鉛を含む熱膨張性樹脂組成物からなり、
前記粘着層と前記セパレーターが、前記熱膨張材の前記基材が設けられた面と反対側の面にこの順に設けられ、
前記基材の厚みが前記耐火多層シートの厚みの1~20%であり、前記セパレーターの厚みが前記耐火多層シートの厚みの0.3~10%であり、
前記基材の引張伸びが5%以上であり、
前記セパレーターの引張伸びが1%以上であり、
前記基材と前記熱膨張材の接着強度が5N/10mm以上である、前記耐火多層シート。 - 前記基材が熱可塑性樹脂で形成される、請求項1に記載された耐火多層シート。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン及びポリ酢酸ビニルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載された耐火多層シート。
- 前記基材の前記熱膨張材が設けられた面と反対の面に、この順に設けられる粘着層及びセパレーターを更に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載された耐火多層シート。
- 前記バインダー樹脂が、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂又はエラストマー樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載された耐火多層シート。
- 前記セパレーターの離型層が有機樹脂で形成される、請求項1~5のいずれか1項に記載された耐火多層シート。
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