JP6654910B2 - 耐火多層シート - Google Patents

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Description

本発明は、耐火多層シートに関する。
建築材料の分野において、耐火性能を有する樹脂材料が求められており、そのような材料として、バインダー樹脂と熱膨張性黒鉛とを含む熱膨張性樹脂組成物からなる熱膨張材が用いられている(特許文献1−3)。
熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張材は、単体では破断し易いため、強度を上げるためにポリエチレンテレフタラート(PET)やポリエステル製の不織布からなる基材を用いることがある。
しかしながら、熱膨張材の上にPETやポリエステル製の基材を積層させた耐火多層シートでは、破断等を防止できたとしても、熱膨張材の収縮率と基材の収縮率に差があるため、例えば耐火多層シートを壁面に施工すると、熱膨張材と基材との間に比較的大きな隙間が発生する場合がある。
さらに、耐火多層シートの施工時に耐火多層シートが外力により引き延ばされた場合は、基材がPETやポリエステルから形成されていると、耐火多層シートに破断が生じる場合がある。
特開平9-227716 特開2000-143941 特開平10-95887
本発明の目的は、破断に対する強度が強く、かつ熱膨張材と基材との間の隙間が低減された耐火多層シートを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、基材としてポリエチレンポリプロピレン、ウレタン、スチレン等の発泡体を用いることにより、基材に弾性をもたせ、熱膨張材と基材の間の収縮の差を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1.バインダー樹脂と熱膨張性黒鉛とを含む熱膨張性樹脂組成物からなる熱膨張材と、熱膨張材の上に積層された基材とを備えた耐火多層シートにおいて、基材が発泡体からなる耐火多層シート。
項2.基材が発泡性樹脂を含有する項1に記載の耐火多層シート。
項3.前記発泡性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、およびスチレンから選択される項1または2に記載の耐火多層シート。
項4.基材の厚みが0.5mm〜50mmである項1〜3のいずれか一項に記載の耐火多層シート。
本発明によれば、耐火多層シートの熱膨張材と基材との間の隙間が低減されるため、耐火多層シートの破断に対する強度が増強されるのみならず、耐火多層シートの耐火性や耐水性も向上する。
本発明の耐火多層シートを示す略断面図。
以下、本発明を耐火多層シートに具体化した実施の形態を図1を参照して説明する。
図1を参照すると、耐火多層シート1は、熱膨張材2および基材3を備え、基材3は発泡体からなる。
熱膨張材2は、バインダー樹脂と熱膨張性黒鉛とを含む熱膨張性樹脂組成物から構成された熱膨張性シートである。熱膨張材2の厚みは特に限定されないが、例えば0.1mm〜6.0mmである。
熱膨張性樹脂組成物は、バインダー樹脂に熱膨張性黒鉛を含む樹脂組成物である。ボイド10は、熱膨張性樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練し、公知の成形方法で成形することにより得ることができる。
バインダー樹脂としては、公知の樹脂を広く使用でき、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を有するバインダー樹脂は、得られる熱膨張性樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。より柔軟で扱い易い熱膨張性樹脂組成物を得るためには、ブチル等の非加硫ゴムおよびポリエチレン系樹脂が好適に用いられる。また、ブチルゴムは接着性があるため、熱膨張材2と基材3の接着を良好にできる点でも好ましい。代わりに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュかそれより小さいと、黒鉛の膨張度が膨張断熱層を得るのに十分であり、また粒度が20メッシュかそれより大きいと、樹脂に配合する際の分散性が良く、物性が良好である。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物は、前記バインダー樹脂100重量部に対し、前記熱膨張性黒鉛を10〜350重量部及び前記無機充填剤を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。かかる熱膨張性樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。
熱膨張性樹脂組成物は無機充填剤をさらに含有してもよい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
上記の無機充填剤のうち、難燃剤として使用されているものも無機充填剤に含まれる。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm以上であると、分散性が良好である。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、熱膨張性樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで熱膨張性樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましいが、100μm以下の粒径が成形体の表面性、熱膨張性樹脂組成物の力学的物性の点で望ましい。
無機充填剤のうち、水酸化アルミニウムの具体例としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
無機充填剤を含有する場合、バインダー樹脂100重量部に対し、無機充填剤を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性黒鉛および前記無機充填剤の合計は、バインダー樹脂100重量部に対し、50〜600重量部の範囲が好ましい。
この配合によれば、前記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
前記熱膨張性樹脂組成物における熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量は、50重量部以上では燃焼後の残渣量を満足して十分な耐火性能が得られ、600重量部以下であると機械的物性が維持される。
さらに、熱膨張性樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含むことができる。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
化学式(1)中、R1およびR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。
熱膨張性樹脂組成物はさらに可塑剤を含有してもよい。
前記可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂成形体を製造する際に使用されている可塑剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、
ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、
エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、
アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル可塑剤、
トリー2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、リン酸と陸レジル(TCP)等の燐酸エステル可塑剤、
鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
前記可塑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記可塑剤の添加量は、少なくなると押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため可塑剤の添加量は限定されないが、前記バインダー樹脂100重量部に対して、可塑剤の添加量は20〜200重量部の範囲であることが好ましい。
さらに本発明に使用する前記熱膨張性樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
熱膨張性耐火材は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトとを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック等の熱膨張性耐火材等も挙げられる。
前記熱膨張性耐火材は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されない。50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。前記体積膨張率が3倍以上であると、膨張体積が前記バインダー樹脂の焼失部分を十分に埋めることができ、また50倍以下であると、膨張層の強度が維持され、火炎の貫通を防止する効果が保たれる。
基材3は発泡性樹脂を含有する層であり、一実施形態では発泡性樹脂を含有する成形シートである。基材3中の発泡性樹脂の割合は、例えば50%重量以上、60%重量以上、70%重量以上、80%重量以上、90重量%または100重量%であることができる。基材3の厚みは特に限定されないが、例えば0.5mm〜50mmである。
発泡性樹脂は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、およびスチレンから選択され、より好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンから選択される。発泡性樹脂がウレタンの場合、ウレタンは熱可塑性ウレタンであっても熱硬化性樹脂であってもよく、例えば熱膨張材2が熱可塑性の材料から形成されている場合は熱可塑性ウレタン、熱膨張材2が熱硬化性の材料から形成されている場合は熱硬化性ウレタンとするように、熱膨張材2のバインダー樹脂の種類に合わせて決定することができる。
耐火多層シート1は、熱膨張材2および基材3以外に、1または複数の追加の可燃層、準不燃層または不燃層を備えてもよい。
可燃層に使用される素材としては、例えば、布材、紙材、木材、天然樹脂、合成樹脂等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
準不燃層または不燃層に使用される素材としては、例えば、金属、無機材等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
布材としては、例えば、木綿、絹、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の織布、不織布からなるもの等を挙げることができる。
紙材としては、例えば、木材等の植物から取り出した繊維状物質、化学繊維を水等の分散媒中に分散させ、これを濾過して均一層を形成してから乾燥させた紙等が挙げられる。
紙に対して、塗料、撥水剤等を塗布して得られる加工紙、波状の紙をライナーと呼ばれる平面の紙により挟んで接着した段ボール等が挙げられる。
木材としては、例えば、天然木材から得られる木素材に限られず、木素材を含む集成木材、積層木材、積層木板等が挙げられる。
天然樹脂としては、例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、アルギン酸塩、キトサン、プルラン、ペクチン、カラゲナン、タンパク質、タンニン、リグニン、ロジン酸等を主成分とする高分子、天然ゴム等が挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、塩化ブチルゴム等の合成ゴム、
ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、
ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、錫、鉛、錫鉛合金、銅等が挙げられる。
また金属として金属箔を使用することが好ましく、前記金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔、錫箔、鉛箔、錫鉛合金箔、銅箔等が挙げられる。
無機材としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。無機繊維層は、前記無機繊維を用いた無機繊維クロスを使用することが好ましい。
一実施形態として、熱膨張材2および基材3以外の上記の1または複数の追加の層として、耐火多層シート1の外観を改善するために設けられる塗膜層が挙げられる。
塗膜層を構成する塗料は、油性塗料、ラッカー、合成樹脂塗料、水性塗料をはじめとする任意の塗料であってよい。塗料は、乾性油、樹脂、セルロースなどの塗膜形成成分;レベリング剤、スリップ剤、可塑剤、増粘剤、乳化剤、乾燥剤、消泡剤などの添加剤;溶剤;および顔料に加えて、耐火多層シート1に防食性、防腐性、防カビ性、防汚染性、防水性、殺菌性、耐薬品、耐火性を与えたり(保護機能)、遮熱性、撥水性、蛍光性、蓄光性、有害化学物質吸着性を与えたり(機能性付与)するための公知の成分を含んでもよい。
次に、耐火多層シート1の製造方法について説明する。
耐火多層シート1は、熱膨張性シートである熱膨張材2と発泡体の成形シートである基材3とを別々に作成し、プレス機等の加圧手段および/または熱溶着等の接着手段で熱膨張材2および基材3を貼り合わせるかまたは接着することにより形成される。
熱膨張材2は、成形シート状の熱膨張材2を用いる代わりに、コンベア上に熱膨張材2の材料である液状の熱膨張性樹脂組成物を広げ、シートに固まる前に基材3を積層してもよい。
耐火多層シート1が長尺の場合は、熱膨張材2および基材3の各々を巻回したローラーからそれぞれを繰り出し、加熱し、プレス機等の加圧手段で圧着してもよい。
得られた耐火多層シート1は、耐火多層シート1を取り付ける被着体の寸法に合わせて適切な寸法に必要に応じてカットし、建築物である被着体に取り付けて使用する。
本明細書において、「建築物」には、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建材;客船、輸送船、連絡船等の船舶;等の構造物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、「建材」は、建築物を作るために使われる任意の材料を指し、壁、床、レンガ、屋根、板材などの構造体;窓(引き違い窓、開き窓、上げ下げ窓等を含む)、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、及び欄間などの建具:配線、配管;などを含むがこれらに限定されない。
本発明は、上記の実施形態に限られず、以下のような種々の変形が可能である。
○熱膨張材2および基材3は、各々一層に限らず、同一または異なる材料から構成された複数の熱膨張材2および基材3から構成されてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.耐火多層シートの製造方法
市販の熱膨張材(ブチル系,厚さ2mm)のシートを110℃に加熱し、加熱した熱膨張材シートを常温に保持したポリエチレン製の基材(発泡倍率30倍,密度25kg/m3,厚さ10mm)のシートに対して圧着(加圧プレス)し、実施例1の耐火多層シートを作製した。
また、実施例1のポリエチレンの代わりに、ポリプロピレン製の基材(発泡倍率30倍,密度40kg/m3,厚さ10mm)のシートを用いて、実施例2の耐火多層シートを作製した。
市販の熱膨張材(ブチル系,厚さ2mm)のシートに、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム状の基材(厚さ100μm)のシートを積層し、比較例1の耐火多層シートを作製した。
2.2層間間隙の測定試験
次に、実施例1、実施例2、および比較例1の耐火多層シートを1m×1mの寸法にして、耐火多層シートを、床面に対し垂直に設置した鉄板の上に隙間なく設置し、50℃の環境下で24時間放置後、熱膨張材と基材との間の隙間を測定し、シートに垂直な方向における、観察された隙間のうちの最大の隙間の寸法を測定し、1mm未満を○とした。結果を表1に示す。
1・・・耐火多層シート、2…熱膨張材、3…基材。

Claims (4)

  1. バインダー樹脂と熱膨張性黒鉛とを含む熱膨張性樹脂組成物からなる熱膨張材と、熱膨張材の上に積層された基材とを備えた耐火多層シートにおいて、基材が発泡体からなる建具用耐火多層シート。
  2. 基材が発泡性樹脂を含有する請求項1に記載の建具用耐火多層シート。
  3. 前記発泡性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、およびスチレンから選択される請求項1または2に記載の建具用耐火多層シート。
  4. 基材の厚みが0.5mm〜50mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の建具用耐火多層シート。
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