JP7439010B2 - 被覆材、及び被膜形成方法 - Google Patents

被覆材、及び被膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な被覆材、及び被膜形成方法に関する。
鋼材や、コンクリート、木材、合成樹脂等の基材を火災から保護する目的として、火災時等の温度上昇によって発泡し、炭化断熱層を形成する被覆材が種々提案されている。このような被覆材としては、合成樹脂に、発泡剤、炭化剤、難燃剤等を配合したものが知られている。このような被覆材は、その被膜厚によって、耐熱保護性能が決定されることが多く、目的の耐熱保護性能を得るためには、所定の被膜厚で均一になるように塗付することが重要であり、中でも、合成樹脂の選択が重要となる。
例えば、厚塗り用の被覆材として、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物からなる組成物に、難燃剤、発泡剤、炭化剤を配合した被覆材が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開平5-70540号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、合成樹脂としてアクリル樹脂やエポキシ樹脂を使用した被覆材と比較すると温度上昇時における被膜の発泡倍率が低く、さらには炭化断熱層(発泡層)の灰化や収縮等の問題が生じ、所望の耐熱保護性能を得るには、まだ改善の余地があった。また、近年の気候変動や、急激な天候変動等による塗装環境の変化に対応する必要がある。しかし、塗装環境によっては被膜の硬化性等が劣り、被膜性能が得られにくく、十分な耐熱保護性能が得られ難くなる場合があった。本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、塗装環境によらず、被膜の硬化性に優れ、被膜性能を安定的に確保できるとともに、温度上昇時に、安定した炭化断熱層を形成することができ、優れた耐熱保護性能を確保することができる被覆材を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明者らは、その被膜が火災時等の温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材について、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を特定の混合比率で含み、さらに耐熱性付与粉体及び吸水剤を含むことにより、塗装環境によらず、被膜の硬化性に優れ、被膜性能を安定的に確保でき、さらに、その形成被膜は火災等による温度上昇の際に、優れた発泡性を示し、炭化断熱層を形成して、基材の耐熱保護性能を維持することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.その被膜が200℃以上に温度上昇することによって炭化断熱層を形成する被覆材であり、
前記被覆材は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、耐熱性付与粉体、及び吸水剤を含み、
前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物の混合比率が、NCO/OH当量比率で1.2~3.5であり、
前記吸水剤が、A型ゼオライトであることを特徴とする被覆材。
2.前記被覆材は、ポリオール化合物、耐熱性付与粉体、及び吸水剤を含む主剤とポリイソシアネート化合物を含む硬化剤を有することを特徴とする請求項1に記載の被覆材。
3. 前記ポリオール化合物の固形分100重量部に対して、前記吸水剤を0.5~50重量部含むことを特徴とする1.または2.に記載の被覆材。
4.前記耐熱性付与粉体は、発泡剤、炭化剤、難燃剤、及び充填剤から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の被覆材。
5.基材に対し、被覆材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法であって、
1.~4.のいずれかに記載の被覆材を、1工程ないし数工程塗り重ねて塗付し、
前記1工程あたりの乾燥膜厚が300μm以上であることを特徴とする被膜形成方法。
本発明は、その被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材であって、上記被覆材は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、耐熱性付与粉体、及び吸水剤を含み、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合比率が、NCO/OH当量比率で1以上であることにより、塗装環境によらず、被膜の硬化性(硬化速度、被膜硬度、等)に優れ、被膜性能を安定的に確保できる。さらに、火災時等による温度上昇に際し、優れた発泡性を有するとともに、炭化断熱層の灰化・収縮等を抑制して安定した炭化断熱層を形成し、基材の耐熱保護性を高めることができる。
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
(被覆材)
本発明の被覆材は、その被膜が火災等の温度上昇(加熱)により炭化断熱層を形成するものであり、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、耐熱性付与粉体及び吸水剤を含むことを特徴とする。具体的に、本発明の被覆材により形成される被膜は、200℃以上(より好ましくは250℃以上)に温度上昇することによって、優れた発泡性を有し、炭化断熱層を形成することにより基材の耐熱保護性能を高めることができる。
本発明の被覆材は、被膜形成成分(A)として、ポリオール化合物(A1)及びポリイソシアネート化合物(A2)を必須成分として含む。前記ポリオール化合物(A1)とポリイソシアネート化合物(A2)は、反応して被膜を形成する成分である。
本発明では、ポリオール化合物(A1)として、ポリエーテルポリオール(a1)を含むことが好ましい。ポリエーテルポリオール(a1)は、その分子量が、好ましくは1000以上(より好ましくは3000以上20000以下、さらに好ましくは5000以上18000以下、特に好ましくは6000以上15000以下、最も好ましくは6500以上12000以下)である。ポリオール化合物(A1)として、このようなポリエーテルポリオール(a1)を含むことにより、被膜の温度上昇(好ましくは被膜表面温度が200℃以上、さらに好ましくは250℃以上)によって、優れた発泡性を示し、基材の耐熱保護性能を高めることができる。なお、本発明においてポリオール化合物(A1)の分子量は、数平均分子量(Mn)であり、ポリスチレン重合体をリファレンスとして用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求めた、いわゆるポリスチレン換算分子量である。
上記ポリエーテルポリオール(a1)は、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール誘導体、ソルビトール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加重合により得られるものである。本発明では、上記多価アルコール類と、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドとの付加重合により得られる重合体が好適であり、末端にエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドが付加されたものがより好適である。さらに、上記のポリエーテルポリオールとして、活性水素原子を有する官能基が3つ以上(官能基数3以上)のポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。この場合、硬化性に優れ、安定して被膜を形成することができるため本発明の効果が得られやすい。活性水素原子を有する官能基としては水酸基が好適である。
このようなポリエーテルポリオール(a1)としては、水酸基価(固形分)が好ましくは3~150mgKOH/g(より好ましくは5~100mgKOH/g、さらに好ましくは7~40mgKOH/g、最も好ましくは10~30mgKOH/g)である。このようなポリオール化合物(a1)を使用することにより、いっそう優れた発泡性を発揮し、基材の耐熱保護性能を高めることができる。なお、本発明において水酸基価とは、固形分1gに含まれる水酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値(mgKOH/g)であり、「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
また、上記ポリエーテルポリオール(a1)の含有量は、ポリオール化合物(A1)の全量に対して、50重量%以上100重量%以下(より好ましくは60~99重量%、さらに好ましくは70~98重量%)であることが好ましい。
本発明では、上記ポリオール化合物(A1)として、フッ素含有ポリオール(a2)を含むことが好ましい。これにより、被膜の温度上昇(好ましくは被膜表面温度が200℃以上、さらに好ましくは250℃以上)によって、優れた発泡性を有するとともに、炭化断熱層の灰化・収縮等を抑制して安定した炭化断熱層を形成し、基材の耐熱保護性を高めることができる。
このようなフッ素含有ポリオール(a2)としては、特に限定されないが、例えば、フルオロオレフィンモノマー、フルオロアルキル基含有アクリル系モノマー等の含フッ素モノマーと、水酸基含有ビニル系モノマーと、必要に応じて他の重合性モノマーとを共重合することにより得られるものである。フルオロオレフィンモノマーしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のパーフルオロオレフィン類、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。フルオロアルキル基含有アクリル系モノマーとしては、例えば、パーフルオロメチルメタクリレート、パーフルオロイソノニルメチルメタクリレート、2-パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2-パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。本発明では、好ましくはテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンから選ばれる1種以上、より好ましくはクロロトリフルオロエチレンを使用することが好ましい。
水酸基含有ビニル系単量体としては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル等のヒドロキシアリルエーテル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
その他の重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマー等が挙げられ、必要に応じこれらの1種または2種以上が使用できる。
このようなフッ素含有ポリオール(a2)としては、フッ素含有ポリオール(a2)固形分中のフッ素含有率が、10~50重量%(より好ましくは15~40重量%、さらに好ましくは20~35重量%)であることが好ましい。また、水酸基価(固形分)が、5~100mgKOH/g(より好ましくは10~80mgKOH/g)であることが好ましい。さらに、分子量[数平均分子量(Mn)]が、5000~100000(より好ましくは8000~60000)であることが好ましい。このようなフッ素含有ポリオール(a2)を含むことにより、火災等による温度上昇の際には、被膜が優れた発泡性を発揮し炭化断熱層を形成し、高温雰囲気下でも灰化・収縮を抑制することができ、基材の耐熱保護性能を高めることができる。
フッ素含有ポリオール(a2)の含有量は、ポリオール化合物(A1)の全量に対して、固形分換算で好ましくは0.1~30重量%(より好ましくは0.5~20重量%、さらに好ましくは1~10重量%)である。この範囲を満たすことにより、基材の耐熱保護性能を高めるとともに、上塗材との密着性を十分に確保することができる。
本発明のポリオール化合物(A1)としては、上記(a1)成分、(a2)成分の他に、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシ含有ポリオール、シリコーン含有ポリオール、ひまし油、ひまし油変性ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
上記ポリオール化合物(A1)は、20℃において液体であることが好ましく、それぞれの粘度は、0.05~10Pa・s(より好ましくは0.1~5.0Pa・s)であることが好ましい。これにより、本発明の効果が得られやすい。なお、ポリオール成分の粘度は、温度20℃において、BH型粘度計で測定した20rpmにおける粘度(5回転目の指針値)である。
本発明のポリイソシアネート化合物(A2)としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(pure-MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等、あるいはこれらをアロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレトジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化した誘導体等;及び、これらをアルコール類、フェノール類、ε-カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン化合物類等でブロックした、ブロックイソシアネート等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
本発明では、ポリイソシアネート化合物(A2)として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)及び/またはその誘導体(以下「HMDI類」ともいう。)を含むことが好ましい。上記HMDI類の含有量は、ポリイソシアネート化合物(A2)の全量に対して、90重量%以上(より好ましくは95重量%以上)であることが好ましい。また、ポリイソシアネート化合物(A2)が、HMDI類のみからなる態様も好適である。また、誘導体としては、ビウレット体、及び/またはイソシアヌレート体が好適である。このような場合、形成被膜の硬化性に優れ、温度上昇時には、より優れた発泡性を発揮し、基材の耐熱保護性を高めることができる。
本発明では、ポリイソシアネート化合物(A2)として、固形分中のイソシアネート基含有量が10重量%以上(好ましくは15重量%以上30重量%以下)を含むことが好ましい。このような場合、形成被膜の硬化性に優れた効果を発揮することができ、安定した被膜を形成することができる。なお、本発明において、イソシアネート基含有量とは、ポリイソシアネート化合物の固形分中に含まれるイソシアネート基の含有量(重量%)と定義され、イソシアネート基を過剰のアミンで中和した後、塩酸による逆滴定によって求められる値である。
本発明では、ポリオール化合物(A1)とポリイソシアネート化合物(A2)の混合比率が、NCO/OH当量比率で1以上(好ましくは1.2~3.5、より好ましくは1.5~3.0)であることを特徴とする。このような場合、塗装環境によらず、硬化性に優れ、所望の厚さで均一な被膜が形成可能である。また、被覆材を重ね塗りする場合において、層間の密着性に優れ、厚膜を安定して形成することができる。さらに、形成被膜は、火災等による温度上昇等には、より優れた発泡性を有し、安定した炭化断熱層を形成して基材の耐熱保護性能を高めることができる。さらに、形成被膜は、耐久性(例えば、防水性、耐透水性、耐割れ性、下地追従性等)に優れ、初期の外観(美観性)を長期にわたり維持することができるとともに、火災等による温度上昇等には、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明では、ポリオール化合物(A1)とポリイソシアネート化合物(A2)の反応を促進する硬化触媒を併用することができる。硬化触媒とはイソシアネート基が反応して硬化するのを促進させる作用を有する物質である。硬化触媒としては、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒、及び無機系触媒等各種が挙げられる。例えば、アミン系触媒としては、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及び、ヘキサメチレンジアミンもしくはこれらの誘導体または溶剤との混合物等が挙げられる。有機金属系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機金属化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、オクチル酸錫等の有機金属塩等が挙げられる。無機系触媒としては、塩化スズ等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用でき、溶剤と混合して使用することもできる。本発明では、特に、有機金属系触媒を含むことが好適である。この場合、硬化を促進するとともに、被膜形成成分(A)の硬化性を高めることができ、本発明の効果を高めることができる。硬化触媒の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01~3重量部(より好ましくは0.05~2.5重量部)である。
上記被膜形成成分(A)より形成される硬化被膜は、示差熱分析法(DTA法)において発熱ピークを有し、その発熱ピークが200~400℃(より好ましくは250~380℃)の温度範囲に極大値を有することが好ましい。このような場合、火災等による温度上昇に際し、発泡性がよりいっそう向上し、優れた炭化断熱層を形成することが可能であり、基材の耐熱保護性を高めることができる。
その作用機構は、限定されるものではないが、例えば、被膜形成成分(A)の硬化被膜は、温度上昇に伴い軟化し始め、その後、ウレタン結合等の分解反応が進行するものである。被膜形成成分(A)の硬化被膜の発熱ピークが上記温度範囲に極大値を有する場合、分解があまり進行せずに被膜が軟化した状態で、効率的に発泡、炭化反応を進行することができるため、発泡性が向上し、さらには炭化断熱層を安定して形成することができると考えられる。特に、本発明では被膜形成成分(A)が、ポリオール化合物(A)として、フッ素含有ポリオール(a2)を含むことにより、硬化被膜の発熱ピークを高温側にシフトさせることができる。これにより、硬化被膜の難燃性を高め、200℃未満での分解を抑制することができ、本発明の効果を十分に発揮できるものと考えられる。
なお、本発明において、被膜形成成分(A)の硬化被膜の示差熱分析法は、上記ポリオール化合物(A1)とポリイソシアネート化合物(A2)を含む硬化被膜を試料として測定したものである。示差熱分析法は、示差熱分析装置(例えば、「示差熱天秤 Thermo plus EVO2 TG-DTAシリーズ」Rigaku社製、等)を用いて測定したものであり、白金のサンプルパンに試料を3±1mg取り、標準物質としてα-アルミナを使用し、昇温速度20℃/分で、100~900℃まで変化させて測定したものである。
本発明の被覆材において、耐熱性付与粉体(B)は、火災時等の温度上昇によって上記被膜形成成分(A)との相互作用(例えば、脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、炭化促進効果、炭化断熱層形成効果等の少なくとも1つ)により炭化断熱層を形成する成分である。耐熱性付与粉体(B)としては、例えば、発泡剤(b1)、炭化剤(b2)、難燃剤(b3)、及び充填剤(b4)等から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
発泡剤(b1)は、火災時等の温度上昇によって被膜に発泡作用を付与するものであり、具体的には、被膜表面の温度が好ましくは200℃以上となった場合に発泡作用を付与するものである。発泡剤(b1)としては、例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾビステトラゾーム及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。発泡剤(b1)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは10~200重量部(より好ましくは20~150重量部)である。
炭化剤(b2)は、火災時等の温度上昇によって、上記被膜形成成分(A)の炭化とともに脱水炭化することにより、炭化断熱層を形成する作用を付与するものである。炭化剤(b2)としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、デンプン、カゼイン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本発明では、特にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れている点で好ましい。炭化剤(b2)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは10~200重量部(より好ましくは20~120重量部)である。
難燃剤(b3)としては、例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、塩素化パラフィン、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、リン酸ホウ素、ポリリン酸ホウ素、リン酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本発明では、難燃剤(b3)として、例えば、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、またはポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩とピロ硫酸ジメラムとの複合化合物等から選ばれる少なくとも1種以上のリン化合物を含むことが好ましく、さらには、ポリリン酸アンモニウムとこれらを併用して含むことも好ましい。難燃剤(b3)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは30~800重量部(より好ましくは50~500重量部)である。
充填剤(b4)としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、粘土、クレー、シラス、マイカ、珪砂、珪石粉、石英粉、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。充填剤(b4)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは3~200重量部(より好ましくは5~150重量部)である。
さらに、本発明では、上記成分に加えて金属水和物(b5)、繊維(b6)等を含むこともできる。金属水和物(b5)は、温度上昇時に、脱水反応等による吸熱性を示すものであり、上記充填剤(b4)とは異なるものである。このような金属水和物(b5)としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。また、金属水和物(b5)の平均粒子径は、好ましくは0.1~20μm(より好ましくは0.2~15μm、さらに好ましくは0.3~8μm、最も好ましくは0.4~3μm)である。金属水和物(b5)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.1~50重量部(より好ましくは0.2~30重量部)である。
本発明では、充填剤(b4)と金属水和物(b5)を併用することが好ましく、この場合、金属水和物(b5)の含有量は、充填剤(b4)に対して、好ましくは0.1~20重量%(より好ましくは0.3~15重量%、さらに好ましくは0.5~10重量%)である。この場合、発泡性、特に高温下における炭化断熱層の収縮等を抑制し、安定した炭化断熱層を形成することができるため、本発明の効果を高めることができる。なお、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定される。
繊維(b6)は、厚塗り性を高め、被膜のひび割れを抑制することができる。また、繊維(b6)は、火災等による温度上昇の際には、被膜のタレ等を生じ難くすることができるとともに、被膜内部の熱伝導性を高めることができる。その結果、優れた発泡性を示し、均一な炭化断熱層を形成して、基材の耐熱保護性能を高めることができる。このような繊維(b6)としては、例えば、アクリル繊維、アセテート繊維、アラミド繊維、銅アンモニア繊維(キュプラ)、ナイロン繊維、ノボロイド繊維、パルプ繊維、ビスコースレーヨン、ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリクラール繊維、ボリノジック繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維等の有機質繊維、炭素繊維、ロックウール繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ-アルミナ繊維、スラグウール繊維、セラミックファイバー、カーボン繊維、炭化珪素繊維等の無機繊維等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。
本発明では、繊維(b6)として、無機繊維を含むことが好適であり、中でも、ロックウール繊維、スラグウール繊維、ガラス繊維、セラミックファイバー等の人造鉱物繊維が好適である。これにより、被膜のひび割れをよりいっそう抑制することができる。さらに、火災等による温度上昇の際には、被膜のタレ等を生じ難くすることができるとともに、被膜内部の熱伝導性をいっそう高めることができる。その結果、被膜内部(芯部)まで均一に優れた発泡性を示し、より均一で優れた強度を有する炭化断熱層を形成し、基材の耐熱保護性能をよりいっそう高めることができる。
また、繊維(b6)の大きさ(繊維長及び繊維径)は、被覆材の性能、適用基材、塗付具等の仕様に応じて設定すればよく、平均繊維長は、好ましくは10~1000μm(より好ましくは15~800μm、さらに好ましくは20~600μm)、平均繊維径は、好ましくは0.5~10μm(より好ましくは1~8μm)の範囲内であることが好適である。また、そのアスペクト比(繊維長/繊維径)は、好ましくは3~300(より好ましくは5~200)である。上記範囲を満たす場合、厚塗り性が高まり、形成被膜の割れが生じ難くなるとともに、火災等による温度上昇の際には、被膜のタレ等を生じ難くすることができ、安定した炭化断熱層を形成することができる。繊維(b6)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.5~30重量部(より好ましくは1~25重量部、さらに好ましくは2~20重量部)である。
本発明の被覆材は、吸水剤(C)を含むことを特徴とする。吸水剤(C)は、被覆材中及び/または空気中の水分を吸着する作用を付与するものである。被覆材中及び/または空気中の水分は、上記ポリイソシアネート化合物(A2)と反応しやすい。このため被覆材の塗装方法や塗装環境、特に、被覆材をスプレー塗装する場合や高湿度下(さらには、雨天時や高温高湿度下)で塗装(被膜形成)する場合には、空気中の水分の影響を受けやすく、ポリイソシアネート化合物(A2)とポリオール化合物(A1)との反応が阻害され、硬化性(硬化速度、被膜強度、等)や基材への密着性が低下し、その結果十分な耐熱保護性が得られない場合がある。本発明では、吸水剤(C)を配合することにより、被覆材中または空気中の水分を吸着することにより、塗装方法や塗装環境によらず、硬化性、基材への密着性を十分に確保することができ、安定して厚膜を形成することができる。
吸水剤(C)としては、上記効果を奏するものであれば特に限定されないが、例えば、水結合剤(c1)及び脱水剤(c2)等が使用できる。これらは、これらは、1種又は2種以上で使用することができる。また、吸水剤(C)の態様としては、ペレット状、粉末状、液状、ペースト状等、いずれも使用可能である。本発明では、ペレット状、粉末状であることが好ましい。
上記水結合剤(c1)は、水と反応することにより被覆材中及び/または空気中の水を除く作用を有するものである。このような水結合剤としては、例えば、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリブチル等のオルト蟻酸アルキルエステル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸トリアルキル;オルト硼酸トリメチル、オルト硼酸トリエチル、オルト硼酸トリブチル等のオルト硼酸トリアルキル;モノイソシアネート化合物としてはフェニルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p-トルエンスルホニルイソシアネート、イソシアネートエチルメタクリレート等のモノイソシアネート化合物;テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2-エトキシブトキシ)シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のアルコキシシラン類;無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物等が挙げられる。
上記脱水剤(c2)は、水を結晶水、吸着水等として取り込むことにより被覆材中及び/または空気中の水を除く作用(水吸着性)を有するものである。さらに、脱水剤は、温度上昇時(高温下)に、吸着水を脱水することができるため耐熱保護性を高めることができる。このような脱水剤としては、例えば、シリカゲル、合成ゼオライト、天然ゼオライト、合成クレー、活性アルミナ、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、半水石膏、無水石膏、結晶石膏、セメント、活性炭、アクリル酸重合体部分架橋物(高分子吸水剤)等が挙げられる。
本発明では吸水剤(C)として、上記脱水剤(c2)が好ましい。中でも、シリカゲル、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ等の多孔質無機粒子が好ましく、その態様としては粉末状が好適である。本発明では特に、粉末状の合成ゼオライトが好ましい。合成ゼオライトの種類としては、A型、X型、Y型、L型、モルデナイト型、チャバザイド型が挙げられ、本発明ではA型ゼオライトが好適である。また、多孔質無機粒子の平均細孔径は、水分子の分子径(2.3~3.9Å程度)よりも大きいものであればよく、好ましくは2.3~30Å(より好ましくは2.5~10Å、さらに好ましくは3~8Å、特に好ましくは3.5~5Å)である。この場合、水吸着性に優れるとともに、上記(A)成分の硬化性に優れ、硬化速度及び被膜硬度を高めることができる。また、基材への密着性に優れ、均一な被膜が形成可能であり、火災等による温度上昇の際には、被膜の発泡性を阻害することなく(不燃性ガス等を吸着しない)、基材の耐熱保護性能を維持する効果を十分に発揮することができる。なお、多孔質無機粒子の平均細孔径は、例えば、窒素吸着測定により測定することができる。
なお、吸水剤(C)が粉末状の場合にはその平均粒子径は、好ましくは30~500μm(より好ましくは40~400μm、さらに好ましくは50~300μm)である。
吸水剤(C)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.5~50重量部(より好ましくは1~50重量部、さらに好ましくは1.5~30重量部)である。
本発明の被覆材は、さらに高沸点化合物(D)を含むことが好ましい。高沸点化合物(D)は、20℃において液体であり、沸点が100℃以上(より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上)の高沸点液状化合物である。このような高沸点化合物(D)を含むことにより、上記耐熱性付与成分(B)等の分散安定性等を高めることができる。また、密着性に優れた良好な被膜を形成、特に被膜の弾性が向上し被膜の割れ等を防止することができる。さらに、その被膜が火災等によって高温に曝された場合には、被膜の適度な軟化に寄与し発泡性をよりいっそう高め、形成した炭化断熱層の脱落(剥離)等を抑制し、基材の耐熱保護性能を高めることができる。
高沸点化合物(D)としては、上記を満たすものであれば特に限定されず、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(ブチルジグリコール)、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジヘキシル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル化合物;アジピン酸-1,3ブチレングリコール系ポリエステル、アジピン酸-1,2プロピレングリコール系ポリエステル等のアジピン酸系ポリエステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジ-2-エチルヘキシル、マレイン酸ジイソノニル、マレイン酸ジイソデシル等のマレイン酸エステル化合物;リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸-2エチルヘキシルジフェニル等のリン酸エステル化合物;
トリス-2-エチルヘキシルトリメリテート等のトリメット酸エステル化合物;メチルアセチルリジノレート等のリシノール酸エステル化合物;エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル、エポキシ化脂肪酸ブチル、エポキシ化脂肪酸2-エチルヘキシル、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系エステル化合物;安息香酸グリコールエステル等の安息香酸系エステル化合物;1-フェニル-1-キシリルエタン、1-フェニル-1-エチルフェニルエタン等の芳香族炭化水素化合物、γ-ブチロラクトン等のラクトン類、石油樹脂(炭素原子数が8~10である芳香族炭化水素留分重合物)とスチリルキシレン等の混合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。
本発明では、高沸点化合物(D)として、フタル酸エステル化合物、脂肪族二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、さらには、アルキル基の炭素数が4~11(より好ましくは5~10、さらに好ましくは6~9)のフタル酸エステル化合物、脂肪族二塩基酸エステル化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。その具体例としては、例えば、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソノニル等が好適である。
高沸点化合物(D)の含有量は、上記ポリオール化合物(A1)の固形分100重量部に対して、好ましくは5~150重量部(より好ましくは8~100重量部、さらに好ましくは10~80重量部)である。上記範囲を満たす場合、上記粉体成分の分散性が高まり、厚塗り性に優れ、火災等による温度上昇の際には、優れた発泡性を有し、基材の耐熱保護性能を維持する効果を十分に発揮することができる。さらには、優れた上塗材適性を得ることができる。
その他、添加剤としては、本発明の効果を著しく阻害しないものであればよく、例えば、顔料、湿潤剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、希釈溶媒等が挙げられる。
このうち酸化防止剤としては、例えば、リン系、硫黄系又はヒンダード型フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような酸化防止剤を含むことにより、平常時だけでなく、火災等による温度上昇に際しても被膜の劣化を抑制することができ、温度上昇によって形成される炭化断熱層の性状を高めることができる。
本発明の被覆材は、加熱残分が、好ましくは70~98重量%(より好ましく75~95重量%、さらに好ましくは80~93重量%)である。被覆材の加熱残分が、上記範囲を満たす場合、厚塗り性に優れ、良好な塗装作業性を得ることができる。これにより、十分な耐熱保護性を発揮することができる。なお、被覆材の加熱残分は、JIS K 5601-1-2の方法にて測定された値であり、加熱温度は105℃、加熱時間は60分)である。
また、本発明では、被覆材の粘度が、好ましくは5~70Pa・s(より好ましくは7~60Pa・s、さらに好ましくは10~50Pa・s、特に好ましくは15~40Pa・s)である。被覆材の粘度が、上記範囲を満たす場合、塗装作業性、厚塗り性に優れ、均一な被膜が形成することができる。その結果、十分な耐熱保護性を得ることができる。なお、被覆材の粘度は、被覆材調製後(2液型の場合は、主剤と硬化剤を混合後)、直ちに温度23℃において、BH型粘度計で測定した20rpmにおける粘度(5回転目の指針値)である。
本発明では、上記加熱残分、及び上記粘度の範囲を満たす被覆材を塗付して被膜を形成することにより、被膜の厚膜化が可能となり、基材へ良好な密着性を示し均一な被膜を安定して形成することができる。さらに、形成被膜は、火災等による温度上昇の際に、優れた発泡性を示し、炭化断熱層を形成して、基材の耐熱保護性能を維持することができる。
本発明の被覆材は、上記ポリオール化合物(A1)を含む主剤、及び上記ポリイソシアネート化合物(A2)を含む硬化剤を有する2液型の被覆材であることが好ましい。すなわち、流通時には主剤と、硬化剤とを、それぞれ別のパッケージに保存した状態とし、使用時(塗付時)にこれらを混合すればよい。この場合、上記耐熱性付与粉体(B)、及び吸水剤(C)、(必要に応じて高沸点化合物(D)、硬化触媒、添加剤)はそれぞれ、主剤と硬化剤の少なくとも一方に混合すればよいが、本発明では主剤に混合することが好ましい。また、主剤と硬化剤の混合時に、各成分を添加することもできる。
本発明の被覆材は、建築物・土木構築物等の構造物の表面被覆に適用する発泡性耐火被覆材として好適なものである。具体的には、壁、柱、床、梁、屋根、階段、天井、戸等の各種基材に施工することができる。適用可能な基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、煉瓦、プラスチック、木材、金属、鉄骨(鋼材)、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材は、その表面に、既に被膜が形成されたもの、何らかの下地処理(防錆処理、難燃処理等)が施されたもの、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
本発明の被覆材を基材に塗付する際には、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、こて等の塗付具を使用することができる。中でも、本発明の被覆材は、塗付時に空気中の水分とポリイソシアネート化合物(A2)との反応を抑制することができるため、スプレー塗装用として特に好適である。
(被膜形成方法)
本発明の被膜形成方法は、基材に対し、上記被覆材を塗付して被膜を形成するものであり、塗装方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装(エアスプレー、エアレススプレー)等の種々の方法を用いて塗装することができる。
本発明の被覆材は、スプレー塗装(エアスプレー、エアレススプレー)する場合においても好適である。本発明の被覆材は、吸水剤(C)を含むことにより空気中の水分とポリイソシアネート化合物(A2)との反応を抑制することができるため、スプレー塗装時に被覆材が霧化された場合であっても、良好な硬化性を確保することができ、効率的に厚膜を形成することができる。また、被覆材は、気温-10~45℃下での塗装が可能であり、特に30℃以上(さらには35℃以上)の高温下であっても良好な塗装作業性、硬化性を得ることができる。さらに、塗装時の湿度は特に限定されないが、湿度70%Rh以上(さらには80%Rh以上)の高湿条件下(雨天時を含む)であっても良好な塗装作業性、硬化性、基材への密着性を得ることができる。その結果、耐熱保護性に優れた被膜を形成することができる。また、塗装後の被覆材の養生(乾燥)環境が、高多湿下の場合であっても、優れた硬化性及び基材への密着性を得ることができ、耐熱保護性に優れた被膜を形成することができる。
本発明の被覆材を基材に塗付する際には、上記方法により1工程ないし数工程塗り重ねて塗付すれば良いが、1工程あたりの乾燥膜厚が好ましくは300μm以上(より好ましくは400~8000μm)となるように塗付することが好ましい。本発明の被覆材は、1工程あたりの乾燥膜厚が1000μmを超えるように塗付した場合であっても、優れた硬化性及び基材への密着性を得ることができ、耐熱保護性に優れた被膜を形成することができる。また、被膜最終的に形成される被膜厚は、所望の機能性、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.4~8mm程度である。また、本発明の被覆材は、上記(C)成分の存在下において上記ポリオール化合物(A1)と上記ポリイソシアネート化合物(A2)の反応により被膜を形成するため硬化性に優れており、その乾燥は、好ましくは常温、次工程への間隔は、好ましくは2時間以上(より好ましくは3時間以上30日以内)で行えばよい。
(下塗材)
また、本発明では、必要に応じて、上記被覆材を塗付する前に、基材に対して、表面処理を行うことや下塗材を塗付することができる。これにより、基材との付着性向上、防食性(防錆性)等を高めることができる。基材の表面処理としては、例えば、溶剤や酸等による表面処理、ディスクサンダー、ワイヤーホイル、スクレーパー、ワイヤーブラシ、サンドペーパー等によるケレン等を行うことができる。
下塗材としては、例えば、シーラー、プライマー、下地調整材、サーフェーサー、パテ等のほか、フラットタイプの塗料も適用できる。これらは、クリヤータイプ又は着色タイプのいずれであっても良い。また、水系・溶剤系のいずれであっても良く、塗装箇所等に応じて適宜選択でき、1種または2種以上を使用することができる。下塗材としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂成分を含むことが好適であり、上記樹脂成分以外にも、各種添加剤を本発明の効果に影響しない程度に配合することが可能である。このような添加剤としては、例えば、防錆顔料、体質顔料、着色顔料、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
下塗材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を用いて塗付することができる。塗付け量は、好ましくは30~500g/m(より好ましくは50~300g/m)である。下塗材の塗回数は、基材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。
(仕上材)
本発明は、上記被覆材により形成される被覆材層(被膜)の上に、仕上材層を積層するができる。このような仕上材層としては、上記被覆材層が、火災等による温度上昇の際に発泡し、炭化断熱層を形成するのを阻害しないものであれば、特に限定されず、公知の仕上材を積層することができる。このような仕上材層は、上塗材を塗付したり、あるいは各種シート材料を貼着して積層することができる。
上記上塗材としては、クリヤータイプ又は着色タイプ、艶有りタイプ又は艶消しタイプ、硬質タイプ又は弾性タイプ、薄膜タイプ又は厚膜タイプ等のいずれのものも使用することができる。また、水系・溶剤系のいずれであっても良く、所望の目的に応じて適宜選択できる。また、本発明の上塗材としては、樹脂成分を含むことが好ましい。このような樹脂の形態としては、例えば、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、無溶剤型樹脂、水分散型樹脂、水溶性樹脂等が挙げられる。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。本発明では特に、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
さらに、上記樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。樹脂成分が架橋反応型樹脂である場合は、形成被膜の耐水性、耐久性、密着性が高まり、降雨、結露等による被膜の膨れ・剥れの発生や耐熱性能の低下を抑制することができる。このような架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基-イソシアート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基から選ばれる1種以上の架橋反応型樹脂を含むことが好適である。
上記上塗材の樹脂成分以外の成分として、例えば、着色顔料、体質顔料、骨材等を混合することができる。このような成分を適宜配合することにより、所望の色彩やテクスチャーを表出することができる。着色顔料、体質顔料、骨材等の混合量は、上記被覆材の効果(発泡性、耐熱保護性等)を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは樹脂成分の固形分100重量部に対して、好ましくは1~2000重量部(より好ましくは5~1000重量部)である。
本発明では特に、上記着色顔料、体質顔料として、赤外線反射性及び/又は赤外線透過性を有する顔料を使用することが好適である。これにより、耐熱保護性等の効果をよりいっそう高めることができる。
赤外線反射性を有する顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ、鉄-クロム複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物、マンガン-イットリウム複合酸化物、黒色酸化鉄、鉄-マンガン複合酸化物、鉄-銅-マンガン複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マンガン-クロム複合酸化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
赤外線透過性を有する顔料としては、例えばペリレン顔料、アゾ顔料、黄鉛、チタニウムレッド、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、紺青等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
さらに、上塗材には、その他、通常塗料に使用可能な各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、例えば増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、繊維類、低汚染化剤、親水化剤、撥水剤、カップリング剤、触媒等が挙げられる。
本発明の被膜形成方法において、上塗材は塗り重ねて塗付、あるいは2種以上の上塗材を積層して塗付することもできる。2種以上の上塗材を積層する場合には、第1上塗材(中塗材)として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂から選ばれる1種以上(特に好ましくは、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)の樹脂成分を含むことが好ましい。これにより、上記被覆材と上塗材の層間の密着性をよりいっそう高めることができる。さらには、被膜物性に優れた上塗材被膜を形成することができる。
上塗材の塗付は、公知の塗付方法によれば良く、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を用いて塗付することができる。塗付け量は、好ましくは30~5000g/m(より好ましくは50~3000g/m)である。上塗材の塗回数は、基材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。また、乾燥は好ましくは、常温で行えばよい。
上記シート材料としては、例えば、化粧フィルム、化粧シート、シート建材、壁紙等が挙げられる。また、その厚みは、好ましくは0.01~30mm(より好ましくは0.05~20mm)である。これらは、公知の接着剤(粘着剤)等を介して貼着すればよい。
以下に実施例を示して、本発明の特徴をより明確にする。但し、本発明はこの範囲には限定されない。
各原料としては以下のものを使用した。
・ポリオール化合物(A1)
(a1-1)ポリエーテルポリオール(数平均分子量7000、官能基数3、水酸基価24mgKOH/g)
(a1-2)ポリエーテルポリオール(数平均分子量5100、官能基数3、水酸基価33mgKOH/g)
(a1-3)ポリエーテルポリオール(数平均分子量4000、官能基数3、水酸基価43mgKOH/g)
(a2)フッ素含有ポリオール(クロロトリフルオロエチレン-ビニルエーテル-ヒドロキシアルキルビニルエーテル共重合体、フッ素含有率27重量%、水酸基価(固形分)52mgKOH/g、固形分60重量%、芳香族炭化水素溶媒含有)
・ポリイソシアネート化合物(A2)
(A2)ビウレット型ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO含有量23.5%)
・耐火性付与成分(B)
(b1)発泡剤:メラミン
(b2)炭化剤:ペンタエリスリトール
(b3-1)難燃剤:ポリリン酸アンモニウム
(b3-2)難燃剤:ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩
(b4)充填剤:酸化チタン
(b5)金属水和物:水酸化アルミニウム(平均粒子径:1μm)
(b6)繊維:ロックウール繊維(平均繊維長125μm、平均繊維径4.5μm)
・吸水剤(C)
(C1)粉末状合成ゼオライト(平均粒子径150μm以下、A型、平均細孔径4Å)
(C2)粉末状合成ゼオライト(平均粒子径150μm以下、X型、平均細孔径9Å)
(C3)合成シリカゲル(平均粒子径40μm、A型、平均細孔径24Å)
・高沸点化合物(D)
(D1)フタル酸ジイソノニル(沸点420℃)
・硬化触媒:有機金属系触媒
・添加剤1:分散剤、消泡剤、増粘剤等
・添加剤2:希釈溶剤等
(実施例1~14、比較例1~3)
<被覆材の製造>
表1に示す配合に従って、(A1)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及びその他(硬化触媒、添加剤1、2を常法により混合し主剤を調製した。次いで、(A2)成分(硬化剤)を表1に示すNCO/OH当量比となるように混合し被覆材を得た。
<試験体の作製>
予めさび止め塗装した鋼板(縦150mm×横70mm×厚さ1.6mm)の全面に、被覆材を下記の塗装環境下で、乾燥膜厚1.5mmとなるようにスプレーで塗付し、養生(下記工程間隔)後、同じ被覆材を乾燥膜厚1.5mmとなるようにスプレーで塗付、養生(24時間、7日間)させたものを試験体とした。
・塗装環境(塗付及び養生条件)
[1]常温(25℃、60%Rh、工程間隔16時間)
[2]高温高湿度下(30℃、90%Rh、工程間隔16時間)
[3]高温高湿度下(30℃、90%Rh、工程間隔3時間)
<硬化性評価>
(被膜硬度)
A型デュロメータ(ゴム硬度計、アスカー社製)にて被膜の硬度を測定した。評価基準は以下の通りである。
A:硬度80以上
B:硬度70超80以下
C:硬度55超70以下
D:硬度55以下
(層間密着性)
7日間養生後の試験体の被膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価基準は、異常なしものを「A」、層間で剥離を生じたものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)とした。
以下の通りである。
<耐熱性評価>
予めさび止め塗装した鋼板(縦150mm×横70mm×厚さ1.6mm)の全面に被覆材を塗付条件[2]で乾燥膜厚1.5mmとなるようにスプレーで塗付し、16時間養生後、同じ被覆材を乾燥膜厚1.5mmとなるようにスプレーで塗付し、7日間養生させたものを試験体とし、以下の評価を実施した。結果は、表1に示す。
<耐熱性評価>
ISO 5660-1 コーンカロリーメーター法に基づき、電気ヒーター(CONEIII、株式会社東洋精機製)を用いて、試験体表面に50kW/mの輻射熱を30分間放射したときの発泡倍率、及び鋼板裏面温度を測定し、さらに緻密性、灰化性を評価した。各評価基準は以下の通りである。
(発泡倍率)
AA:発泡倍率35倍超
A:発泡倍率25倍超35倍以下
B:発泡倍率20倍超25倍以下
C:発泡倍率15倍超20倍以下
D:発泡倍率15倍以下
(裏面温度)
AA:430℃未満
A:430℃以上470℃未満
B:470℃以上500℃未満
C:500℃以上550℃未満
D:550℃超
(緻密性評価)
発泡倍率を測定した試験体を切断し、その断面における炭化断熱層の緻密性を目視にて確認した。評価基準は、緻密性が高いものを「A」、緻密性が低いものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)とした。
(灰化性評価)
上記耐熱性評価2において、輻射熱を30分間放射後に形成された炭化断熱層の断面を確認し、灰化(白色)部分の割合を算出した。評価基準は、灰化の少ないものを「A」、灰化が進行したものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)とした。
Figure 0007439010000001


Claims (5)

  1. その被膜が200℃以上に温度上昇することによって炭化断熱層を形成する被覆材であり、
    前記被覆材は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、耐熱性付与粉体、及び吸水剤を含み、
    前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物の混合比率が、NCO/OH当量比率で1.2~3.5であり、
    前記吸水剤が、A型ゼオライトであることを特徴とする被覆材。
  2. 前記被覆材は、ポリオール化合物、耐熱性付与粉体、及び吸水剤を含む主剤とポリイソシアネート化合物を含む硬化剤を有することを特徴とする請求項1に記載の被覆材。
  3. 前記ポリオール化合物の固形分100重量部に対して、前記吸水剤を0.5~50重量部含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆材。
  4. 前記耐熱性付与粉体は、発泡剤、炭化剤、難燃剤、及び充填剤から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の被覆材。
  5. 基材に対し、被覆材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法であって、
    請求項1~請求項4のいずれかに記載の被覆材を、1工程ないし数工程塗り重ねて塗付し、
    前記1工程あたりの乾燥膜厚が300μm以上であることを特徴とする被膜形成方法。

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