JP2023150286A - 被膜形成方法 - Google Patents

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大貴 柳樂
Taiki Nagira
康典 田中
Yasunori Tanaka
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Abstract

【課題】基材に対し、特定の条件を満たす第1被覆材、及び第2被覆材を塗付することにより工期を短縮することができるとともに、各被膜が優れた密着性を有する被膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明は、基材に対し、第1被覆材、及び第2被覆材を塗付する被膜形成方法であって、上記第1被覆材は、水酸基価が150mgKOH/g以下のポリオール成分(A1)、イソシアネート成分(B1)、硬化促進剤(P1)、及び粉体成分(C1)を含み、上記第第2被覆材は、ポリオール成分(A2)、及びイソシアネート成分(B2)を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関する。
従来、建築物、土木構築物等においては、その躯体の保護や美観性の向上等を目的として、下塗材、主材、上塗材などの被覆材を用いて種々の機能性を付与した複層仕上げ塗装が行われている。中でも、2液硬化型の被覆材は、塗膜物性に優れ、かつ、常温硬化型であるため多く採用されている。
しかし、環境条件によっては、2液硬化型の被覆材は、硬化に時間がかかる場合がある。特に複層仕上げ塗装の場合には、各工程において塗膜を十分に乾燥・硬化させる必要があるため工期が長期化する場合があった。これに対して、例えば、特許文献1には、予め塗装面に反応促進剤を塗布しておき、その上に2液型のポリウレタン被覆材を塗布するする方法が記載されている。
特開平8-276151号公報
特許文献1は、ポリウレタン被覆材が、予め塗装された反応促進剤と反応し、速やかに硬化するものであるが、複層仕上げ塗装に用いられる被覆材とは別に、反応促進剤溶液の設定が必要であり、工程が煩雑になるおそれがある。さらに、各被膜間で十分な密着性が得られず、被膜の耐久性、美観性(仕上り性)等の向上効果が得られ難い場合があった。本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、工期を短縮することができるとともに、各被膜が優れた密着性を有する被膜形成方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明者らは、基材に対し、特定の条件を満たす第1被覆材、及び第2被覆材を塗付することにより工期を短縮することができるとともに、各被膜が優れた密着性を有することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材に対し、第1被覆材、及び第2被覆材を塗付する被膜形成方法であって、
上記第1被覆材は、水酸基価が150mgKOH/g以下のポリオール成分(A1)、イソシアネート成分(B1)、硬化促進剤(P1)、及び粉体成分(C1)を含み、
上記第第2被覆材は、ポリオール成分(A2)、及びイソシアネート成分(B2)を含むことを特徴とする被膜形成方法。
2.上記第2被覆材は、硬化促進剤(P2)を含み、
上記第1被覆材のポリオール成分(A1)(固形分)に対する硬化促進剤(P1)の含有量(P1w)と、上記第2被覆材のポリオール成分(A2)(固形分)に対する硬化促進剤(P2)の含有量(P2w)との重量比が、(P1w)/(P2w)>1を満たすことを特徴とする1.に記載の被膜形成方法。
本発明は、基材に対し、第1被覆材、及び第2被覆材を塗付する被膜形成方法であって、上記第1被覆材、第2被覆材は、いずれもポリオール成分及びイソシアネート成分を含む被覆材である。本発明では、第1被覆材として、特定の水酸基価を有するポリオール成分(A1)を必須成分とすることにより、工期を短縮することができるとともに、各被膜が優れた密着性を有することができる。
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
本発明の被膜形成方法は、基材に対し、第1被覆材、及び第2被覆材を順に塗付することを特徴とするものである。まず、各構成について説明する。
<基材>
本発明の対象となる基材としては、建築物・土木構築物等の構造物、具体的に、壁、柱、床、梁、屋根、階段、天井、戸等の各種基材が挙げられる。このような基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、煉瓦、プラスチック、木材、金属、鉄骨(鋼材)、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材は、その表面に、既に被膜が形成されたもの、何らかの下地処理(防錆処理、難燃処理等)が施されたもの、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。本発明は、鉄骨(鋼材)の耐熱保護性、美観性等を高めるのに最適な被膜形成方法である。
<第1被覆材>
本発明では、上記基材に対して、第1被覆材を塗付し、第1被膜を形成する。第1被覆材は、ポリオール成分(A1)、イソシアネート成分(B1)、硬化促進剤(P1)、及び粉体成分(C1)を必須成分として含むものである。前記ポリオール成分(A1)とポリイソシアネート成分(B1)は、反応して被膜を形成する成分である。
ポリオール成分(A1)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油、ひまし油変性ポリオール、エポキシ変性ポリオール、シリコーン変性ポリオール、フッ素変性ポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール等が挙げられる。これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。これらのポリオールは、20℃において液体であることが好ましく、溶剤可溶型、非水ディスパージョン(NAD)型等の形態でも使用することができる。
上記ポリオール成分(A1)の水酸基価は150mgKOH/g以下(好ましくは1~130mgKOH/g、より好ましくは3~100mgKOH/g)であることを特徴とする。このようなポリオール成分(A1)成分を含有することによって、硬化性、密着性に優れた被膜を形成することができる。また、第1被膜層中の硬化促進剤(P1)が第2被覆材へ移行し、第2被覆材の硬化を補助することができ、第2被覆材の硬化時間(指触乾燥時間)を短縮することができるため、工期短縮を図ることができる。上記作用機構は、以下に限定されるものではないが、ポリオール成分(A1)が上記水酸基価を満たすことにより第1被覆材の形成被膜は、適正な架橋密度となるため、硬化性、密着性を確保しつつ、第2被覆材への触媒移行性が高まり硬化を補助することができるものと考えられる。なお、ここに言う水酸基価とは、固形分1gに含まれる水酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値(KOHmg/g)である。また、本発明において「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
本発明では、ポリオール成分(A1)として、ポリエーテルポリオール(A1-1)を含むことが好ましい。これにより、いっそう密着性に優れた被膜を形成することができる。
ポリエーテルポリオール(A1-1)は、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール誘導体、ソルビトール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加重合により得られるものである。本発明では、上記多価アルコール類と、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドとの付加重合により得られる重合体が好適であり、末端にエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドが付加されたものも使用できる。さらに、上記のポリエーテルポリオールとして、活性水素原子を有する官能基(水酸基)が3つ以上(官能基数3以上)のポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。この場合、硬化性に優れ、安定して被膜を形成することができるため本発明の効果が得られやすい。活性水素原子を有する官能基としては水酸基が好適である。
このようなポリエーテルポリオール(A1-1)としては、水酸基価が、好ましくは1~150mgKOH/g(より好ましくは5~100mgKOH/g、特に好ましくは10~50mgKOH/g)である。また、上記ポリエーテルポリオール(A1-1)は、その分子量が、好ましくは500以上(より好ましくは1000~20000、さらに好ましくは3000~18000、特に好ましくは5000~15000)である。なお、本発明においてポリオール成分の分子量は、数平均分子量(Mn)であり、ポリスチレン重合体をリファレンスとして用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求めた、いわゆるポリスチレン換算分子量である。
上記ポリエーテルポリオール(A1-1)の含有量は、ポリオール成分(A1)の全量に対して、70重量%以上(より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上)であることが好ましい。また、上記ポリオール成分(A1)が、ポリエーテルポリオール(A1―1)のみの態様であってもよく、その上限は、好ましくは100重量%以下(より好ましくは99.9重量%以下、さらに好ましくは99.5重量%以下)である。
本発明では、ポリオール成分(A1)として、上記ポリエーテルポリオール(A1-1)に加えて、所望の性能に応じ、その他のポリオール(A1-2)を併用することができる。例えば、被膜の難燃性、防火性、耐火性等を高める場合には、フッ素変性ポリオール、エポキシ変性ポリオール、シリコーン変性ポリオール等を併用することができる。また、密着性、防錆性等を高めるためには、ポリエステルポリオール、エポキシ変性ポリオール、アクリルポリオール等を併用することができる。
上記ポリオール(A1-2)の含有量は、ポリオール成分(A1)の全量に対して、固形分換算で好ましくは0.1~30重量%(より好ましくは0.3~20重量%、さらに好ましくは0.5~10重量%)である。この範囲を満たすことにより、所望の性能を付与できる共に、基材との密着性、及び第2被覆材との密着性においても好適である。
ポリイソシアネート成分(B1)としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(pure-MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等、あるいはこれらをアロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレトジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化した誘導体等;及び、これらをアルコール類、フェノール類、ε-カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン化合物類等でブロックした、ブロックイソシアネート等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
本発明では、ポリイソシアネート成分(B1)として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)及び/またはその誘導体(以下「HMDI類」ともいう。)を含むことが好ましい。上記HMDI類の含有量は、ポリイソシアネート成分(B1)の全量に対して、90重量%以上(より好ましくは95重量%以上)であることが好ましい。また、ポリイソシアネート成分(B1)が、HMDI類のみからなる態様も好適である。また、誘導体としては、ビウレット体、及び/またはイソシアヌレート体が好適である。この場合、硬化性に優れ、密着性、仕上り性に優れた被膜を形成できる。
ポリイソシアネート成分(B1)のNCO含有量は、好ましくは10~35重量%(より好ましくは13~32重量%、さらに好ましくは15~30重量%)である。このような場合、硬化性に優れ、密着性、仕上り性に優れた被膜を形成できる。
ポリオール成分(A1)とポリイソシアネート成分(B1)の混合は、ポリオール成分(A1)とポリイソシアネート成分(B1)のNCO/OH当量比で好ましくは0.6~3.5(より好ましくは0.9~3.0)となるような比率で行う。このような場合、硬化性に優れ、所望の厚さで均一な被膜が形成可能であり、仕上り性、密着性を高めることができる。さらに、形成被膜は、耐久性(例えば、防水性、耐透水性、耐割れ性、下地追従性等)に優れ、初期の外観(美観性)を長期にわたり維持することができる。
硬化促進剤(P1)は、上記ポリオール成分(A1)と上記ポリイソシアネート成分(B1)の反応を促進するものであり、イソシアネート基が反応して硬化するのを促進させる作用を有する物質である。硬化促進剤(P1)としては、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒、及び無機系触媒等各種が挙げられる。例えば、アミン系触媒としては、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及び、ヘキサメチレンジアミンもしくはこれらの誘導体または溶剤との混合物等が挙げられる。有機金属系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機金属化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、オクチル酸錫等の有機金属塩等が挙げられる。無機系触媒としては、塩化スズ等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用でき、溶剤と混合して使用することもできる。本発明では、特に、有機金属系触媒を含むことが好適である。この場合、硬化を促進するとともに、樹脂成分の硬化性を高めることができ、本発明の効果を高めることができる。
硬化促進剤(P1)の含有量は、上記ポリオール成分(A1)(固形分)100重量部に対して、好ましくは0.001~4重量部(より好ましくは0.005~3重量部、さらに好ましくは0.1~2重量部)である。この場合、十分な硬化性を得ることができ、本発明の効果を高めることができる。また、(P1)の含有量は、被膜形成時の環境(気温等)に応じて調整することが好ましく、例えば、20℃以上40℃以下の環境下では、ポリオール成分は0.005~1重量部、さらに好ましくは0.01~0.5重量部)である。また、20℃未満(好ましくは-5℃以上20℃未満)の環境下では、ポリオール成分(A1)(固形分)100重量部に対して、好ましくは0.01~4重量部(より好ましくは0.05~3重量部、さらに好ましくは0.1~2重量部)である。このような場合、例えば、第1被覆材の可使時間(ポットライフ)は、2時間以上(より好ましくは4時間以上、さらに好ましくは6時間以上)となるように設定することができる。これにより、塗装作業性を高めることができ、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。
本発明の第1被覆材は、粉体成分(C1)を含み、形成被膜における該粉体成分(C1)の体積濃度(以下「粉体体積濃度(PVC)」ともいう。)が好ましくは30~90%(より好ましくは35~80%)となるように配合する。このような粉体体積濃度(PVC)であれば、十分な密着性を有する塗膜を形成することができる。さらには、十分な作業性を確保しつつ、硬化時間(指触乾燥時間)を短縮することができるため、工期短縮を図ることができる。上記作用機構は、以下に限定されるものではないが、本発明の第1被覆材は、上記ポリオール成分(A1)に対して粉体成分を多く含むため、硬化促進剤(P1)を余剰に配合した場合であっても十分な可使用時間及び作業性を確保することができる。このような第1被膜層に対して、第2被覆材を塗付することにより、第1被膜層中の硬化促進剤(P1)が第2被覆材へ移行し、第2被覆材の硬化を補助することができる。これにより、第2被覆材の可使時間を十分に確保しつつ、第2被覆材の硬化時間(指触乾燥時間及び硬化乾燥時間)を短縮することができる。その結果、工期を短縮した場合であっても、十分な密着性、及び優れた仕上り性を得ることができる。
なお、粉体体積濃度(PVC)は、乾燥被膜に含まれる粉体成分の体積百分率であり、被覆材を構成する樹脂成分(上記(A1)成分及び(B1)成分)と粉体成分(C1)の重量部数及び比重から計算により求められる値である。なお、樹脂成分の比重は1とする。
粉体成分(C1)は、特に限定されないが、例えば、着色顔料、体質顔料、及びその他の機能性粉体等が挙げられる。
着色顔料としては、有彩色顔料、白色顔料、黒色顔料等が使用できる。このうち、有彩色顔料は、例えば、黄色、橙色、赤色、緑色、青色、紫色等の有彩色を呈する顔料である。このような有彩色顔料としては、例えば、酸化第二鉄、含水酸化第二鉄、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン等の無機質のもの、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機質のもの等が挙げられる。一方、白色顔料は、白色を呈する顔料であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、鉄黒、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物等の無機質のもの、その他カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。また、その表面に何らかの処理がされたものであってもよい。着色顔料の平均粒子径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01~0.9μmである。
体質顔料(充填剤ともいう)としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、シリカ、珪藻土、珪砂、珪石粉、石英粉、含水微粉珪酸、マイカ、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。体質顔料の平均粒子径は、好ましくは0.1~100μm(好ましくは1~80μm)である。
その他の機能性粉体は、被膜の機能性に応じて使用すればよいが、例えば、被膜の難燃性、防火性、耐火性等を高める場合には、発泡剤、炭化剤、難燃剤、繊維等から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。このような成分は、例えば、特開2018-154808号公報、特開2019-65259号公報、特開2019-89996号公報、特開2019-183151号公報等に記載されているものを使用することができる。
本発明第1被覆材には、上記成分に加えて、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、湿潤剤、可塑剤、硬化遅延剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、希釈溶媒等が挙げられる。
本発明の第1被覆材は、上記ポリオール成分(A1)を含む主剤、及び上記ポリイソシアネート成分(B1)を含む硬化剤を有する2液型の被覆材であることが好ましい。すなわち、流通時には主剤と、硬化剤とを、それぞれ別のパッケージに保存した状態とし、使用時(塗付時)にこれらを混合すればよい。この場合、上記粉体成分(C1)、及び硬化促進剤(P1)はそれぞれ、主剤と硬化剤の少なくとも一方に混合すればよいが、本発明では主剤に混合することが好ましい。また、主剤と硬化剤の混合時に、各成分を添加する3成分型とすることもできる。
<第2被覆材>
本発明では、上記基材面上に形成された第1被膜に対し、第2被覆材を塗付して第2被膜を形成する。第2被覆材は、第1被膜の耐久性、美観性等を高め、さらに必要に応じ種々の色彩等を付与することができるものである。このような第2被覆材は、樹脂成分として、ポリオール成分(A2)及びポリイソシアネート成分(B2)を必須成分として含む。前記ポリオール成分(A2)とポリイソシアネート成分(B2)は、反応して被膜を形成する成分である。
ポリオール成分(A2)としては、上述のポリオール成分(A1)と同様のものが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。
ポリオール成分(A2)の水酸基価は、好ましくは1~1000mgKOH/g(より好ましくは3~900mgKOH/g)である。このような場合、第1被膜との密着性によりいっそう優れ、耐久性、美観性等を高めることができる。
本発明では、ポリオール成分(A2)として、ポリエーテルポリオール(A2-1)を含むことが好ましい。上記ポリエーテルポリオール(A2-1)は、上述のポリエーテルポリオール(A1-1)と同様のものが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。
このようなポリエーテルポリオール(A2―1)の水酸基価は、好ましくは100mgKOH/g以上(より好ましくは150~1000mgKOH/g、さらに好ましくは200~800mgKOH/g)である。また、ポリエーテルポリオール(A2-1)は、その分子量が好ましくは50~4000(より好ましくは100~2000、さらに好ましくは150~1000)である。このような(A2―1)成分を使用することにより、第1被膜との密着性によりいっそう優れ、耐久性、美観性等を高めることができる。
また、ポリエーテルポリオール(A2-1)は、上記ポリエーテルポリオール(A1-1)よりも水酸基価の大きいポリオールを含むことが好ましい。本発明では、上記ポリエーテルポリオール(A1-1)と上記ポリエーテルポリオール(A2-1)の水酸基価の差が、好ましくは5mgKOH/g以上(より好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、特に好ましくは100mgKOH/g以上、最も好ましくは150mgKOH/g以上)である。このような場合、第1被膜との密着性がよりいっそう高まり、耐久性、美観性等を高めることができる。
さらに、ポリエーテルポリオール(A2-1)は、上記ポリエーテルポリオール(A1-1)よりも分子量の小さいポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。すなわち、第1被覆材としては、相対的に分子量の大きいポリエーテルポリオール(A1-1)を含み、第2被覆材としては、相対的に分子量の小さいポリエーテルポリオール(A2-1)を含むものが好ましい。上記ポリエーテルポリオール(A1-1)と上記ポリエーテルポリオール(A2-1)の分子量の差は、好ましくは2000以上(より好ましくは3000以上、さらに好ましくは4000以上)である。これにより、密着性、耐久性、美観性等をいっそう高めることができる。
なお、第1被覆材、第2被覆材のいずれか、または両方が複数のポリエーテルポリオールを含む場合は、第1被覆材の少なくとも1種のポリエーテルポリオール(A1-1)と、第2被覆材の少なくとも1種のポリエーテルポリオール(A2-1)とが、上記条件を満たせばよく、第1被覆材の全てのポリエーテルポリオール(A1-1)に対し、第2被覆材の全てのポリエーテルポリオール(A2-1)が上記条件を満たすことがより好ましい。
さらに、第2被覆材は、ポリオール成分(A2)として、アクリルポリオール(A2-2)を含むことが好ましい。アクリルポリオール(A2-2)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマーと、必要に応じその他のモノマーとを構成成分として含み、これらを重合したものが使用できる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリロイル基とアルキル基とを有する化合物である。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとを併せて(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物の総称である。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸t-ペンチル、(メタ)アクリル酸1-エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2-メチルブチル、(メタ)アクリル酸3-メチルブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルブチル、(メタ)アクリル酸2-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記その他のモノマーとしては、例えば、芳香族モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、含フッ素モノマー、紫外線吸収性基含有モノマー、光安定性基含有モノマー等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
さらに、本発明では、(A2-2)成分として、アクリルポリオールとポリエステルを含むポリエステル含有アクリルポリオールを使用することもできる。ポリエステル含有アクリルポリオールは、例えば、重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマーと、その他の重合性モノマーを反応させて得ることができる。
重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールを縮合反応させてポリエステル樹脂を得る際に、多塩基酸及び/または多価アルコールとして、重合性不飽和基を有するものを一部使用することによって得ることができる。また、重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂中の水酸基またはカルボキシル基と反応可能なモノマー、具体的にはマレイン酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル等を、ポリエステル樹脂と反応させることによって得ることもできる。
アクリルポリオール(A2-2)の水酸基価は、好ましくは1~200KOHmg/gであり(より好ましくは3~100KOHmg/g、さらに好ましくは5~80KOHmg/g)である。アクリルポリオール(A2-2)の水酸基価がこのような範囲内であれば、優れた密着性向上効果が得られる。また、ポリエーテルポリオール(A2-1)とアクリルポリオール(A2-2)の重量比(固形分)は、好ましくは90:10~10:90(より好ましくは80:20~20:80、さらに好ましくは70:30~50:50)である。このような場合、第1被覆材との密着性に優れるとともに、第2被覆材上に仕上材等の被膜を形成した場合においても優れた密着性を発揮することができる。
また、本発明ではポリオール成分(A2)の固形分中に、上記ポリエーテルポリオール(A2-1)と上記アクリルポリオール(A2-2)の固形分含有量(合計)が、好ましくは50重量%以上(より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上)である。その上限は特に限定されず、上記ポリエーテルポリオール(A2-1)と上記アクリルポリオール(A2-2)のみの態様であってもよい。このような場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。
第2被覆材におけるポリイソシアネート成分(B2)は、上記ポリオール成分(A2)との硬化反応を生じる成分である。ポリイソシアネート(B2)としては、上述のポリイソシアネート(B1)と同様のものが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。
上記(A2)成分と、(B2)成分の混合は、(A2)成分と(B2)成分のNCO/OH当量比で好ましくは0.6~3.5(より好ましくは0.9~3.0)となるような比率で行う。このような場合、硬化性に優れ、本発明の効果を十分に発揮することができる。
さらに、本第2被覆材には、ポリオール成分(A2)とポリイソシアネート成分(B2)の反応を促進する硬化促進剤(P2)を含むことが好ましい。なお、第2被覆材の硬化促進剤(P2)は、上記硬化促進剤(P1)と同様のものが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。なお、硬化促進剤(P1)と硬化促進剤(P2)は、同一のものを使用、あるいは異なるものを使用してもよい。
硬化促進剤(P2)の含有量は、上記ポリオール成分(A2)(固形分)100重量部に対して、好ましくは0~3重量部(より好ましくは0.005~2重量部、さらに好ましくは0.01~0.5重量部)である。この場合、十分な作業性(可使時間)、硬化性を確保することができ、本発明の効果を高めることができる。本発明では、硬化促進剤(P2)の含有量がゼロ(含まない)の態様においても、上記硬化促進剤(P1)の作用により、ポリオール成分(A2)とイソシアネート成分(B2)の反応が進行し、硬化性、密着性に優れた被膜を形成することができる。また、(P2)の含有量は、被膜形成時の環境(気温等)に応じて調整することが好ましく、例えば、20℃以上40℃以下の環境下では、ポリオール成分(A2)(固形分)100重量部に対して、好ましくは0~2重量部(より好ましくは0.001~1重量部、さらに好ましくは0.005~0.5重量部)である。また、20℃未満(好ましくは-5℃以上20℃未満)の環境下では、ポリオール成分(A2)(固形分)100重量部に対して、好ましくは0~3重量部(より好ましくは0.005~2重量部、さらに好ましくは0.01~1重量部)である。このような場合、例えば、第2被覆材の可使時間(ポットライフ)は、2時間以上(より好ましくは4時間以上、さらに好ましくは6時間以上)となるように設定することができる。これにより、塗装作業性を高めることができ、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。
さらに、本発明では、第1被覆材のポリオール成分(A1)(固形分)100重量部に対する硬化促進剤(P1)の含有量(P1w)と、第2被覆材のポリオール成分(A2)(固形分)100重量部に対する硬化促進剤(P2)の含有量(P2w)とが、下記式[1]を満たすことが好ましい。これにより、十分な作業性を確保しつつ、硬化時間(指触乾燥時間)を短縮することができるため、工期短縮を図ることができる。
式[1]・・・(P1w)/(P2w)>1(より好ましくは≧5、さらに好ましくは≧10)
上記作用機構は、以下に限定されるものではないが、本発明の第1被覆材は、上記ポリオール成分(A1)に対して粉体成分を多く含むため、硬化促進剤(P1)を増量した場合であっても十分な可使時間及び作業性を確保することができ、第1被膜層に硬化促進剤(P1)を保持することができる。このような第1被膜層に対して、第2被覆材を塗付することにより、第1被膜層中の硬化促進剤(P1)が第2被覆材へ移行し、第2被覆材の硬化を補助することができる。これにより、第2被覆材の可使時間を十分に確保しつつ、第2被覆材の硬化時間(指触乾燥時間)を短縮することができる。その結果、工期を短縮した場合であっても、十分な密着性、及び優れた仕上り性を得ることができる。
本発明の第2被覆材は、粉体成分(C2)を含むことが好ましい。また、形成被膜における該粉体成分(C2)の体積濃度(「粉体体積濃度(PVC)」)が、好ましくは30%未満(より好ましくは0~25%)であることが好ましい。このような粉体体積濃度(PVC)であれば、第1被膜層中の硬化促進剤(P1)が第2被覆材へ移行し易く、第2被覆材の硬化を補助することができる。これにより、第2被覆材の可使時間を十分に確保しつつ、第2被覆材の硬化時間を短縮することができる。その結果、工期を短縮した場合であっても、十分な密着性、及び優れた仕上り性を得ることができる。
粉体成分(C2)としては、上述の粉体成分(C1)と同様のものが挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を含むことができる。特に、第2被覆材では、着色顔料、及び/または体質顔料を含むことが好ましい。これにより、被膜形成時の凝集力が高まり、密着性等においてより優れた効果を得ることができる。また、平均粒子径1μm以上(好ましくは5~50μm)の粉体成分を含むことにより、密着性等をいっそう高めることも可能である
また、第2被覆材には、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、粉体成分(C2)として、上記発泡剤、上記炭化剤、上記難燃剤、上記充填剤、上記繊維等を含んでもよい。
本発明第2被覆材には、上記成分に加えて、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、湿潤剤、可塑剤、硬化遅延剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、希釈溶媒等が挙げられる。
本発明第2被覆材は、ポリオール成分(A2)を含む主剤と、ポリイソシアネート成分(B2)を含む硬化剤とを塗装直前に混合して、塗装を行えばよい。また本発明では、主剤、硬化剤とは別に、希釈剤として塗装時に溶剤を混合することもできる。溶剤は主剤、硬化剤のいずれか、または両方に含むことができる。希釈剤(溶剤)の混合量は、第2被覆材の希釈後における固形分が、25~90重量%(より好ましくは30~85重量%)であることが望ましい。このような範囲内であれば本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明では、上記被覆材(第1被覆材及び第2被覆材)により形成される被膜を保護するために、必要に応じてさらに上塗材を塗付することもできる。このような上塗材としては、公知の上塗材を使用することができる。本発明では、上記第2被覆材により形成される第2被膜を有することにより、種々の上塗材との良好な密着性を得ることができる。このような上塗材としては、例えば、クリヤータイプ又は着色タイプ、艶有りタイプ又は艶消しタイプ、硬質タイプ又は弾性タイプ、薄膜タイプ又は厚膜タイプ等のいずれのものも使用することができる。また、水系・溶剤系のいずれであっても良く、所望の目的に応じて適宜選択できる。
本発明の上塗材としては、樹脂成分を含むことが好ましい。このような樹脂の形態としては、例えば、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、無溶剤型樹脂、水分散型樹脂、水溶性樹脂等が挙げられる。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。本発明では特に、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
さらに、上記樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。樹脂成分が架橋反応型樹脂である場合は、形成被膜の耐水性、耐久性、密着性が高まり、降雨、結露等による被膜の膨れ・剥れの発生等を抑制することができる。また、第1被覆材の耐熱保護性を安定して保持することができる。このような架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基とイソシアート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基から選ばれる1種以上の架橋反応を生じる架橋反応型樹脂を含むことが好適である。
上記上塗材の樹脂成分以外の成分として、例えば、着色顔料、体質顔料、骨材等を混合することができる。このような成分を適宜配合することにより、所望の色彩やテクスチャーを表出することができる。着色顔料、体質顔料、骨材等の混合量は、上記被覆材の効果(発泡性、耐熱保護性等)を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは樹脂成分の固形分100重量部に対して、好ましくは1~2000重量部(より好ましくは5~1000重量部)である。
本発明では特に、上記着色顔料、体質顔料として、赤外線反射性及び/又は赤外線透過性を有する顔料を使用することが好適である。これにより、耐熱保護性等の効果をよりいっそう高めることができる。
赤外線反射性を有する顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ、鉄-クロム複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物、マンガン-イットリウム複合酸化物、黒色酸化鉄、鉄-マンガン複合酸化物、鉄-銅-マンガン複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マンガン-クロム複合酸化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
赤外線透過性を有する顔料としては、例えばペリレン顔料、アゾ顔料、黄鉛、チタニウムレッド、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、紺青等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
さらに、上塗材には、その他、通常塗料に使用可能な各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、例えば増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、繊維類、低汚染化剤、親水化剤、撥水剤、カップリング剤、触媒等が挙げられる。
<被膜形成方法>
本発明の被膜形成方法は、基材に対し、第1被覆材、第2被覆材を塗付することを特徴とする。具体的に、
(1)基材に対し、第1被覆材を塗付し、第1被膜層を形成する工程、
(2)上記第1被膜上に、第2被覆材を塗付し、第2被膜層を形成する工程、
を含むものである。さらに必要に応じて、
(3)上記第2被膜上に、上塗材を塗付し、上塗層を形成する工程、
を含むこともできる。
上記(1)工程において、被覆材を基材に塗付する際には、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装(エアスプレー、エアレススプレー)、こて等の塗付具を用いて塗装することができる。第1被覆材の塗装時の塗付け量、塗回数等は、各種被覆材の機能性に応じて設定すればよい。
例えば、第1被覆材が、粉体成分(C1)として発泡剤、炭化剤等を含む場合には、1工程ないし数工程塗り重ねて塗付すれば良く、その1工程あたりの乾燥膜厚が好ましくは400μm以上(より好ましくは500~5000μm)となるように塗付することが好ましい。最終的に形成される被膜厚は、所望の機能性、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.4~10mm程度である。この場合、第1被覆材の塗装時の塗付け量は、好ましくは0.4~20.0Kg/m(より好ましくは0.6~17.0Kg/m)の範囲である。
また、本発明の第1被覆材は、上記(A1)成分と上記(B1)成分の反応により被膜を形成するため硬化性に優れており、その乾燥は好ましくは0~40℃で行えばよく、次工程(上記(2)工程)への間隔は、好ましくは5時間以上(より好ましくは10時間以上30日以内)で行えばよい。また、上記(1)工程と、上記(2)工程は別の場所で行われもよい。例えば、上記(1)工程を予め工場内等で行った後(プレコート)、基材の設置場所へ搬送し、その後、上記(2)工程を行うこともできる。
上記(2)工程において、第2被覆材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を用いて塗装することができる。第2被覆材の塗装時の塗付け量は、好ましくは30~500g/m(より好ましくは50~300g/m)である。第2被覆材の塗回数は、第1被覆材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。なお、本発明の被覆材は、1回塗りにおいても十分に本発明の効果を発揮することができる。
第2被覆材の乾燥は好ましくは、0~40℃で行えばよく、次工程(上記(3)工程)は、第2被覆材が指触乾燥後に行うことができる。その間隔は、好ましくは2時間以上(より好ましくは3時間以上30日以内)で行えばよい。なお、本発明の被膜形成方法によれば、第2被覆材の硬化性に優れるため、次工程(上記(3)工程)との間隔を短く設定することができる。また、上記(1)工程、上記(2)工程と上記(3)工程は別の場所で行われもよい。例えば、上記(1)工程を予め工場内等で行った後(プレコート)、基材の設置場所へ搬送し、その後、上記(2)工程、及び上記(3)工程を行う、あるいは、上記(1)工程、及び上記(2)工程を予め工場内等で行った後(プレコート)、基材の設置場所へ搬送し、その後、上記(3)工程を行うこともできる。
上記(3)工程において、上塗材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を用いて塗付することができる。塗付け量は、好ましくは30~5000g/m(より好ましくは50~3000g/m)である。仕上材の塗回数は、適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。また、乾燥は好ましくは、常温で行えばよい。
<構造体>
本発明によれば、基材に対し、上記第1被覆材により形成される第1被膜、上記第2被覆材により形成される第2被膜を有する構造体を得ることができる。本発明の構造体は、密着性、耐久性に優れる。さらに、本発明の構造体は、第2被膜の上に上塗材により形成される上塗層を有することにより、よりいっそう密着性に優れ、さらには美観性、耐候性等を向上することができる。
以下に実施例を示して、本発明の特徴をより明確にする。但し、本発明はこの範囲には限定されない。
原料としては以下のものを使用した。
[ポリオール成分(A)]
・ポリオール1:ポリエーテルポリオール[水酸基価(固形分)24mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量7000、固形分100重量%]
・ポリオール2:ポリエーテルポリオール[水酸基価(固形分)33mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量5100、固形分100重量%]
・ポリオール3:ポリエーテルポリオール[水酸基価(固形分)55mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量3000、固形分100重量%]
・ポリオール4:ポリエーテルポリオール[水酸基価(固形分)160mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量1000、固形分100重量%]
・ポリオール5:ポリエーテルポリオール[水酸基価(固形分)400mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量400、固形分100重量%]
・ポリオール6:アクリルポリオール[水酸基価(固形分)40KOHmg/g、固形分50重量%、媒体:芳香族炭化水素化合物、エステル化合物]
なお、上記(A)成分は、全て20℃において液体である。
[ポリイソシアネート成分(B)]
・イソシアネート1:ビウレット型ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO含有量23.5%)
[粉体成分(C)]
・着色顔料:酸化チタン(比重4.2)
・体質顔料:重質炭酸カルシウム(比重2.7)
・機能性粉体1:メラミン(比重1.57)
・機能性粉体2:ペンタエリスリトール(比重1.55)
・機能性粉体3:ポリリン酸アンモニウム(比重1.9)
[硬化促進剤(P)]
・硬化促進剤:有機金属(スズ)系触媒
・添加剤1:分散剤、消泡剤等
・添加剤2:希釈溶剤(芳香族炭化水素)
(第1被覆材の調製)
表1に示す配合に従って、(A1)成分、(C1)成分、(P1)成分、添加剤1、2を常法により混合し主剤を調製した。次いで、硬化剤として(B)成分を混合し、第1被覆材1~6を得た。なお、(P1)成分の配合量P1wは、表3、表4に示した。
Figure 2023150286000001
(第2被覆材の調製)
表2に示す配合に従って、(A2)成分、(C2)成分、(P2)成分、添加剤1、2を常法により混合し主剤を調製した。次いで、硬化剤として(B2)成分を混合し、第2被覆材1~3を得た。なお、(P2)成分の配合量P2wは、表3、4に示した。
Figure 2023150286000002
(上塗材の調製)
アクリルポリオール(水酸基価20KOHmg/g、固形分50重量%、媒体:脂肪族炭化水素化合物)100重量部、二酸化チタン40重量部、添加剤(増粘剤、消泡剤)10重量部を常法にて均一に混合、攪拌して主剤を調製した。次いで、ポリイソシアネート(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート、NCO含有量12%)50重量部、希釈溶剤(脂肪族炭化水素)50重量部を混合し硬化剤を調製した。主剤と、硬化剤を、それぞれポリオール成分とポリイソシアネート成分のNCO/OH当量比が1.0となるように混合したものを上塗材とした。
(実施例1~14、比較例1、2)
各被覆材について、以下の評価を実施した。なお、第1被覆材と第2被覆材の組み合わせ、及び(P1)成分と(P2)成分の配合量は、表3、4に示した。また、以下の塗装、養生等はすべて温度25℃(相対湿度50%)で行った。
<硬化性評価>
150mm×70mmの鋼板に、第1被覆材を1.5Kg/mでスプレー塗付し24時間養生した。次いで、第2被覆材を塗付け量100g/mで刷毛塗りし、JIS K5400に規定される指触乾燥、及び硬化乾燥の状態となる時間を評価した。
(指触乾燥)
A:4時間未満
B:4時間以上6時間未満
C:6時間以上10時間未満
D:10時間以上
(硬化乾燥)
A:24時間未満
B:24時間以上36時間未満
C:36時間以上48時間未満
D:48時間以上
<密着性評価1>
150mm×70mmの鋼板に、第1被覆材を1.5Kg/mでスプレー塗付し7日間養生した。次いで、第2被覆材を塗付け量100g/mで刷毛塗りし、24時間養生し試験体[I]を作製した。
<密着性評価1>
作製した試験体[I]について、JIS K 5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて可塑剤含有材料の表面との密着性を評価した。評価基準は、以下の通りである。
A:欠損部面積が10%未満
B:欠損部面積が10%以上25%未満
C:欠損部面積が25%以上50%未満
D:欠損部面積が50%以上
<密着性評価2>
150mm×70mmの鋼板に、第1被覆材を1.5Kg/mでスプレー塗付し7日間養生した。次いで、第2被覆材を塗付け量100g/mで刷毛塗りし、24時間養生した。次に、上塗材を塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し72時間養生し試験体[II]を作製した。
作製した試験体[II]について、JIS K 5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて被覆材及び上塗材との密着性を評価した。評価基準は、上記密着性評価1と同様である。
<密着性評価3>
150mm×70mmの鋼板に、第1被覆材を1.5Kg/mでスプレー塗付し24時間養生した。次いで、第2被覆材を塗付け量100g/mで刷毛塗りし、3時間養生した。次に、上塗材1を塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し72時間養生し試験体[III]を作製した。
作製した試験体[III]について、JIS K 5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて被覆材及び上塗材との密着性を評価した。評価基準は、上記密着性評価1と同様である。
<仕上り性評価>
試験体[III]の仕上り性を目視で評価した。仕上り性に優れるものを「A」、仕上りに異常が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
Figure 2023150286000003
Figure 2023150286000004

Claims (2)

  1. 基材に対し、第1被覆材、及び第2被覆材を塗付する被膜形成方法であって、
    上記第1被覆材は、水酸基価が150mgKOH/g以下のポリオール成分(A1)、イソシアネート成分(B1)、硬化促進剤(P1)、及び粉体成分(C1)を含み、
    上記第第2被覆材は、ポリオール成分(A2)、及びイソシアネート成分(B2)を含むことを特徴とする被膜形成方法。
  2. 上記第2被覆材は、硬化促進剤(P2)を含み、
    上記第1被覆材のポリオール成分(A1)(固形分)に対する硬化促進剤(P1)の含有量(P1w)と、上記第2被覆材のポリオール成分(A2)(固形分)に対する硬化促進剤(P2)の含有量(P2w)との重量比が、(P1w)/(P2w)>1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の被膜形成方法。

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