JP2023062245A - 被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種下地及び上塗材との密着性に優れる被覆材を提供する。【解決手段】本発明の被覆材は、構成成分として、非水分散型樹脂(A)、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)、金属キレート化合物(C)、及びポリイソシアネート化合物(D)を含み、前記非水分散型樹脂(A)は、水酸基を有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被覆材に関するものである。
従来、建築物、土木構築物等を構成する基材としては、コンクリート、モルタル、スレート板、珪酸カルシウム板、サイディングボード等の無機質基材が多く用いられている。これらの面に塗装を施す場合には、密着性を確保し、さらには経時的な被膜の膨れ、剥れ、浮き等を防止するために、通常、下塗材が施されている。また、旧塗膜面の改修、特に外装用建材において設けられている高耐候性や耐汚染性等の機能性を有する塗膜の改修時においても、同様に下塗材が必要となる。このため、様々な基材や塗膜等の下地に対して良好な密着性を有する下塗材が要望されている。
このような下塗材としては、主に溶剤系下塗材、水性系下塗材に分類されるが、密着性の点から溶剤系下塗材が使用されることが多い。中でも、近年では、塗装時の安全性や作業衛生等の点、あるいは環境問題を考慮して、例えば、特許文献1のような脂肪族炭化水素系溶剤を主たる溶剤とする弱溶剤形下塗材が多く使用されている。
特開2020-066744号公報
一方で、上述のとおり環境問題等へ配慮から、上塗材としても、弱溶剤形上塗材や水性上塗材が使用されることが多い。しかしながら、弱溶剤形下塗材や上塗材の塗装条件等によっては、十分な密着性を確保することが難しい場合があり、改善の余地があった。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、密着性に優れ、弱溶剤形下塗材として好適に使用できる被覆材を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、非水分散型樹脂、及び特定の化合物を必須成分とする被覆材に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.構成成分として、非水分散型樹脂(A)、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)、金属キレート化合物(C)、及びポリイソシアネート化合物(D)を含み、
前記非水分散型樹脂(A)は、水酸基を有することを特徴とする被覆材。
2.前記非水分散型樹脂(A)は、水酸基価が1~150mgKOH/gであることを特徴とする1.に記載の被覆材。
3.構成成分として、着色顔料(E)及び/または体質顔料(F)を含み、形成被膜の顔料体積濃度が30~80%であることを特徴とする1.または2.に記載の被覆材。
本発明の被覆材によれば、密着性等において優れた性能が発揮できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の被覆材は、構成成分として、非水分散型樹脂(A)、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)、金属キレート化合物(C)、及びポリイソシアネート化合物(D)を含むものである。
非水分散型樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう)は、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)に溶解可能な樹脂部分と溶解しない樹脂部分の両方を併せ有するものであり、樹脂粒子の形態で上記非水溶剤(B)中に分散しているものである。(A)成分は、例えば、上記非水溶剤(B)に可溶な樹脂の存在下で、各種のビニル系モノマーを常法により重合させることによって得ることができる。
使用されるビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマーと、その他のモノマー等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリロイル基とアルキル基とを有する化合物である。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとを併せて(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物の総称である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸t-ペンチル、(メタ)アクリル酸1-エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2-メチルブチル、(メタ)アクリル酸3-メチルブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルブチル、(メタ)アクリル酸2-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記その他のモノマーとしては、例えば、芳香族モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、含フッ素モノマー、紫外線吸収性基含有モノマー、光安定性基含有モノマー等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
(A)成分の水酸基価(固形分)は、好ましくは1~150mgKOH/g(より好ましくは5~100mgKOH/g、さらに好ましくは10~80mgKOH/g)である。このような水酸基価を有する(A)成分を使用することにより、硬化性(初期乾燥性)が高まり、密着性を高めることができる。なお、本発明において「a~b」は「a以上b以下」と同義である。
さらに、(A)成分は、酸価を有することが好ましい。これにより本発明の効果を高めることができる。(A)成分の酸価(固形分)は、好ましくは0.1~30mgKOH/g(より好ましくは0.3~20mgKOH/g)である。このような範囲内であれば、上記効果をよりいっそう高めることができる。
(A)成分中の酸価を上記範囲内に設定するには、上記その他のモノマーとして、例えば、カルボキシル基含有ビニル単量体等を使用すればよい。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル、ω-カルボキシ-ポリブチロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリバレロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプリロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリラウリロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー、(メタ)アクリル酸ヘプタマー、(メタ)アクリル酸ヘキサマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは10,000~500,000(より好ましくは20,000~300,000)である。(A)成分のガラス転移温度は、好ましくは-5℃~70℃、より好ましくは10℃~60℃である。なお、ガラス転移温度は、樹脂を構成するビニル単量体に基づき、Foxの計算式によって求められる値である。
上記脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)(以下「(B)成分」ともいう)は、トルエン、キシレン等に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水溶剤である。脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。本発明では、ミネラルスピリット等の混合溶剤を使用することによって、脂肪族炭化水素を導入することもできる。脂肪族炭化水素は、(B)成分の総量に対し、5重量%以上(より好ましくは10~80重量%)含まれることが好ましい。
(B)成分は、脂肪族炭化水素と混合可能な溶剤を含むものであってもよい。このような溶剤としては、例えば、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤の他、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、好適な溶剤として、例えば、混合アニリン点またはアニリン点が12~70℃である石油系溶剤(芳香族炭化水素含有石油混合溶剤)等が挙げられる。なお、混合アニリン点またはアニリン点は、JIS K2256:2013の方法で測定される値である。
(B)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは100~500重量部、より好ましくは120~400重量部である。なお、(B)成分には、各成分の媒体として使用される溶剤も包含される。
上記金属キレート化合物(C)(以下「(C)成分」ともいう)における金属としては、例えば、Al、Ti、Zr、Ca、Sn、Sr、Ba、Y、V、Nb、Ta、Cr,Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Bi、ランタノイド系等の各種金属類が挙げられる。金属キレート化合物の調製法としては、公知慣用の各種の方法を採用することができ、例えば、上記各種金属類のアルコキシド類と、キレート化剤を反応させる方法等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンの如きβ-ジケトン化合物類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸-iso-プロピル、アセト酢酸-tert-ブチル、アセト酢酸-iso-ブチル、アセト酢酸-2-メトキシエチル、3-ケト-n-バレリック酸メチル等の如き、β-ケトエステル化合物類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類の如き、アルカノールアミン類等が挙げられる。
本発明では、(C)成分として、アルミニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物から選ばれる1種以上が好ましい。特に、アルミニウムキレート化合物が好ましい。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n-プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(イソプロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n-ブチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシプロピオニルアセトナトアルミニウム、アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、モノエチルアセトアセテートビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(n-プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等が挙げられる。
上記アルミニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物は、1種または2種以上を適宜併用して使用することができる。(C)成分の配合量は、前記(A)成分の固形分100重量部に対して、好ましくは0.5~10重量部(より好ましくは1.0~8重量部、より好ましくは1.5~8重量部)である。このような範囲であることにより、基材及び上塗材に対して十分な密着性を得ることができる。特に、上塗材との密着性向上に効果を奏し、上塗材が水性被覆材の場合であっても、密着性において優れた効果を発揮することができる。
本発明の被覆材には、さらに、前記キレート補助剤(C’)(以下「(C’)成分」ともいう)を添加することが好ましい。(C’)成分としてとしては、上記キレート化剤を使用することができ、特に、アセト酢酸エステル類、β-ジケトン等の化合物等が好ましい。これにより、十分な貯蔵安定性を得ることができ、密着性をよりいっそう高めることができる。前記(C)成分に対して(C’)成分を重量比1:1~5で添加することが好ましい。このような範囲の場合、上記効果を十分に得ることができる。
ポリイソシアネート化合物(D)(以下「(D)成分」ともいう)は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有し、前記(A)成分と反応するものである。(D)成分としては、(A)成分と常温で反応しうるものが好適である。なお、ここでいう常温とは、好ましくは-10℃以上50℃以下、より好ましくは5℃以上40℃以下を示す。
(D)成分としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートとアルコール成分、必要に応じてポリオール成分等をアルファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により誘導体化したもの、及びそれらの混合物が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に飽和脂肪族基を有する化合物であり、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI))、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)等が挙げられる。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有する化合物であり、例えば、5-イソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン等が挙げられる。この中でもHDIは耐候性と柔軟性が非常に優れており最も好ましい。
アルコール成分としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
ポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等が挙げられる。本発明では特に、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが好適である。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(D)成分の配合量は前記(A)成分の固形分100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部(より好ましくは0.2~5重量部)である。このような範囲であることにより、
十分な密着性を得ることができる。特に、下地との密着性において、優れた効果を発揮することができる。また、(D)成分のイソシアネート基と(A)成分の水酸基とのモル比[NCO]/[OH]で、好ましくは0.01~0.5(より好ましくは0.05~0.3)である。このような範囲であることにより、貯蔵安定性に優れ、十分な密着性を得ることができる。
さらに、(D)成分として、固形分中のイソシアネート基含有量が10重量%以上(より好ましくは15重量%以上30重量%以下)であるポリイソシアネート化合物を含むことが好ましい。これにより、十分な密着性を得ることができるとともに、耐水性が高まり被膜の膨れ等の抑制に効果的である。なお、本発明において、イソシアネート基含有量とは、ポリイソシアネート化合物の固形分中に含まれるイソシアネート基の含有量(重量%)と定義され、イソシアネート基を過剰のアミンで中和した後、塩酸による逆滴定によって求められる値である。
本発明の被覆材は、上記成分に加えて、着色顔料(E)及び/または体質顔料(F)を含むことが好ましい。
着色顔料(E)(以下「(E)成分」ともいう)としては、有彩色顔料、白色顔料、黒色顔料等が使用できる。このうち、有彩色顔料は、例えば、黄色、橙色、赤色、緑色、青色、紫色等の有彩色を呈する顔料である。このような有彩色顔料としては、例えば、酸化第二鉄、含水酸化第二鉄、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン等の無機質のもの、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機質のもの等が挙げられる。一方、白色顔料は、白色を呈する顔料であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、鉄黒、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物等の無機質のもの、その他カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。また、その表面に何らかの処理がされたものであってもよい。(E)成分の平均粒子径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01~0.9μmである。
(E)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対して、好ましくは5~100重量部(より好ましくは10~80重量部)である。(E)成分がこのような比率であれば、被覆材を所望の色彩に着色することができ、隠蔽性、美観性等を高めることができる。
体質顔料(F)(以下「(F)成分」ともいう)は、例えば、固形分調整、粘性調整、艶調整(艶低減化等)、あるいは貯蔵安定性や顔料混和性の向上化等の目的で使用することができる。
(F)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。(F)成分の平均粒子径は、好ましくは0.1~100μm(好ましくは1~80μm)である。
(F)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対して、好ましくは10~500重量部(より好ましくは20~300重量部)である。
本発明では、上記(E)成分及び/または上記(F)成分を、形成塗膜における顔料容積濃度が好ましくは30~80%(より好ましくは35~65%)となるように配合する。このような顔料容積濃度であれば、十分な密着性を有する塗膜を形成することができる。
本発明の被覆材は、上述の成分の他、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、増粘剤、皮張り防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。また、上記(A)成分以外の樹脂成分を含むものであってもよい。本発明の被覆材は、構成成分として上記(A)~(D)成分(好ましくは(A)~(F)成分)と、必要に応じこのような各成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。また、本発明の被覆材は、1液型の形態にて使用することが望ましい。
本発明の被覆材は、下塗材として基材や旧塗膜に好ましく適用できるものである。
基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、スレート板、珪酸カルシウム板、ALC板、押出成型板、スレート瓦、セメント瓦、新生瓦、磁器タイル、サイディングボード、金属、ガラス、木材、合板等が挙げられる。
また、旧塗膜としては、上記基材の上に塗装されている塗膜であり、例えば、建築用耐候性上塗り塗料(JISK5658:2010)、鋼構造物用耐候性塗料(JISK5659:2008)、つや有合成樹脂エマルションペイント(JISK5660:2008)、建築用防火塗料(JISK5661:1970)、合成樹脂エマルションペイント(JISK5663:2008)、路面標示用塗料(JISK5665:2011)、多彩模様塗料(JISK5667:2003)、合成樹脂エマルション模様塗料(JISK5668:2010)、アクリル樹脂系非水分散形塗料(JISK5670:2008)、鉛・クロムフリーさび止めペイント(JISK5674:2008)、屋根用高日射反射率塗料(JISK5675:2011)、建物用床塗料(JISK5970:2008)、建築用塗膜防水材(JISA6021:2011)、建築用仕上塗材(JISA6909:2014)等により形成された塗膜が挙げられる。特に本発明では、フッ素樹脂塗膜、シリコン樹脂塗膜等にも適用できる。
本発明の被覆材の塗装においては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を採用することができる。また工場内で塗装する場合は、ロールコーター、フローコーター等を用いて塗装することもできる。
被覆材の塗付け量は、好ましくは0.1~0.6kg/m(より好ましくは0.2~0.5kg/m)である。また、塗付回数は、基材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。乾燥時間は、好ましくは1時間以上1週間以内とすればよい。また乾燥温度は、好ましくは-10℃以上50℃以下(より好ましくは-5℃以上40℃以下)であればよい。
本発明では、上記被覆材の塗付・乾燥後に、上塗材を塗付することができる。上塗材を塗付することによって、仕上げ表面の保護、あるいは、美観性の向上等を図ることができる。
上塗材における樹脂成分としては、各種樹脂が使用できる。樹脂の種類としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。また、このような樹脂成分の形態としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂(樹脂エマルション)、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂等が挙げられ、この中でも、水溶性樹脂、水分散性樹脂等の水性上塗材、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂等の溶剤系(好ましくは弱溶剤系)上塗材から選ばれる1種以上が好適である。本発明の被覆材を下塗材とした場合、水性上塗材であっても十分な密着性を確保することができる。
このような上塗材は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、上記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、着色顔料、体質顔料、骨材、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、低汚染化剤、親水化剤、撥水剤、触媒、溶剤、水等が挙げられる。本発明の上塗材は、上記樹脂成分、及び必要に応じ上述の各種成分を常法によって均一に混合することで製造できる。上塗材の形態は、例えば、1液型、2液型、またはそれ以上の多液型とすることができる。
上塗材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。
上塗材の塗付け量は、既存壁面の表面形状、上塗材の種類や塗装器具の種類等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1~0.5kg/m(より好ましくは0.2~0.4kg/m)である。塗装時には、必要に応じ上塗材を適宜希釈することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
<被覆材の製造>
表1に示す配合に従い、各成分を定法により混合・攪拌し被覆材を得た。
なお、以下に示す原料を使用した。
(A)非水分散型樹脂
・(A1):非水分散型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アクリルエステル・メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル共重合体分散液[水酸基価40mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、重量平均分子量70000、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット(アニリン点42℃)]
・(A2):非水分散型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アクリルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体分散液[水酸基価0mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、重量平均分子量70000、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット(アニリン点42℃)]
(B)脂肪族炭化水素含有非水溶剤
・ミネラルスピリット
(C)金属キレート化合物
・アルミニウムキレート化合物[エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(Al含有量:9.8重量%)]
(C’)キレート補助剤
・アセチルアセトン
(D)ポリイソシアネート化合物
・(D1):ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液[固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:21重量%]
・(D2):ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液[固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:12重量%]
(E)着色顔料
・ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.3μm、比重:4.2)
(F)体質顔料
・炭酸カルシウム(平均粒子径:10~20μm、比重2.7)
(添加剤)
・消泡剤、増粘剤、分散剤、等
(実施例1~10、比較例1~4)
得られた各被覆材を使用し、下記の評価を実施した。
<密着性評価1>
□既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、被覆材を塗付け量0.30kg/mとなるように塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で24時間乾燥させた試験体[I]を作製した。
□作製した試験体[I]を、JIS K 5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
AA:欠損部面積が5%未満
A:欠損部面積が5%以上10%未満
AB:欠損部面積が10%以上25%未満
B:欠損部面積が25%以上40%未満
C:欠損部面積が40%以上55%未満
D:欠損部面積が55%以上
<密着性評価2>
□既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、被覆材を塗付け量0.30kg/mとなるように塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で24時間乾燥させ、次いで、水性上塗材(アクリルシリコン樹脂エマルション塗料)を塗付け量0.20kg/mとなるように塗付し、50℃環境下で、24時間乾燥させた試験体[II]を作製した。
□作製した試験体[II]を、密着性評価1と同様の方法で評価した。
<密着性評価3>
作製した試験体[II]を、20℃の水に3日間浸漬させた後、試験体を取り出し、乾燥(23℃、3時間)させ、塗膜状態を目視にて、膨れ、剥れ、白化等を観察し評価した。
評価基準は、ほぼ異常がなかったものを「A」、異常があったものを「D」とする4段階評価(A>B>C>D)評価とした。
実施例1~10において、良好な密着性が得られた。特に、実施例3~7において、基材及び水性上塗材の両方に対して優れた密着性を得ることができた。
また、実施例1~10について、下記の評価を実施した。
<貯蔵安定性>
被覆材製造後、20℃下にて14日間放置したときの外観変化を目視にて観察した。
評価基準は、ほぼ異常がなかったものを「A」、異常があったものを「D」とする4段階評価(A>B>C>D)評価とした。
実施例2~4、7~10では、特に異常は認められず、良好な貯蔵安定性を確保することができた。一方、実施例1、5、6では、やや異常(粘度上昇)が確認された。
Figure 2023062245000001

Claims (3)

  1. 構成成分として、非水分散型樹脂(A)、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(B)、金属キレート化合物(C)、及びポリイソシアネート化合物(D)を含み、
    前記非水分散型樹脂(A)は、水酸基を有することを特徴とする被覆材。
  2. 前記非水分散型樹脂(A)は、水酸基価が1~150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の被覆材。
  3. 構成成分として、着色顔料(E)及び/または体質顔料(F)を含み、形成被膜の顔料体積濃度が30~80%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆材。
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