JP6995676B2 - 被膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関するものである。
建築物の屋根材、壁材、梁、柱、手摺等においては、その基材を保護し、美観性等を高める目的で各種被覆材によって塗装が施されている。このような塗装は、一般的に屋外で行われることから、冬期においては低い外気温の影響を受けることとなる。被覆材のうち、水系の材料は媒体が水であるため、氷点を下回るような低温環境下での使用は困難である。そのため、低温環境下での塗装には、溶剤系被覆材が適用されるケースが多い。
溶剤系被覆材のうち、脂肪族炭化水素を主たる媒体とする弱溶剤系被覆材は、低温環境下で適用可能であることに加え、強溶剤系被覆材に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さいといった長所をもつため、環境対応型の被覆材として好ましいものである。例えば、特許文献1等には、脂肪族炭化水素溶剤、水酸基含有非水分散型樹脂、ポリイソシアネート等を主成分とする弱溶剤系被覆材が記載されている。
特開2005-97472号公報
このような弱溶剤系被覆材は、上述のように低温環境下でも適用できるものであるが、その乾燥過程において結露等によって被膜に水分が付着する場合がある。このような水分の付着は、被膜の光沢低下等の不具合を引き起こすおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、弱溶剤系被覆材の乾燥が低温環境下の状態を経て行われる際、結露等の水分に起因する不具合を抑え、仕上り性に優れた被膜が形成できる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、基材に被膜を塗付し、低温環境下の状態を経て被膜を乾燥させる際には、特定の被覆材の使用が有効であることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材に対し、被覆材を塗付し乾燥させて被膜を形成する被膜形成方法であって、
上記被覆材は、
ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及び非水溶剤を含み、
上記ポリオール化合物として、
重量平均分子量が50000以下であるアクリルポリオール化合物(a)を、ポリオール化合物の固形分総量中35重量%以上含み、
上記アクリルポリオール化合物(a)は、樹脂構成成分中に芳香族モノマーを含み、その比率は、樹脂構成成分中に30重量%以上50重量%以下であり、
上記非水溶剤として、脂肪族炭化水素溶剤を含むものであり、
上記被覆材の乾燥は、少なくとも低温環境下の状態を経て行われる
ことを特徴とする被膜形成方法。
2.上記ポリオール化合物として、
重量平均分子量が50000超であるアクリルポリオール化合物(b)を含むことを特徴とする1.記載の被膜形成方法。
3.上記基材が金属製基材であることを特徴とする1.または2.に記載の被膜形成方法。
本発明によれば、低温環境下の状態を経て被膜を乾燥させる際、結露等の水分に起因する不具合を抑え、仕上り性に優れた被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材に対し、被覆材を塗付し乾燥させて被膜を形成する被膜形成方法である。
基材としては、建築物、土木構造物等に使用される各種基材が挙げられ、例えば、屋根材、壁材、梁、柱、手摺、エアコン室外機、扉、柵、架台、ガードレール、橋梁、鉄塔等に使用されるものを対象とすることができる。このような基材としては、例えば、各種金属からなる金属製基材、セメント等を用いた無機質基材、プラスチック等を用いた有機質基材等が挙げられる。
本発明では、特に、基材が金属製基材である場合に、顕著な効果を得ることができる。金属製基材としては、例えば、鉄、冷延鋼、アルミニウム鋼、ステンレス鋼、銅鋼、溶融亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼、電気亜鉛メッキ鋼、電気合金メッキ鋼、合金メッキ鋼、銅メッキ鋼、錫メッキ鋼等、あるいはこれらに表面処理(例えば、リン酸塩系処理剤、クロム酸塩系処理剤等による表面処理)を施したもの等が挙げられる。また、これら金属製基材は、例えば、アルキッド樹脂系、塩化ゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の各種既存被膜を有するものであってもよい。このような金属製基材は、一般的に熱伝導率が高く、結露等が生じやすいものであるが、本発明では、金属製基材に被膜を形成する場合であっても、結露等の水分に対する耐性を十分に確保することができる。
本発明では、被覆材として、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及び非水溶剤を含むものを使用する。
本発明では、ポリオール化合物として、重量平均分子量が50000以下であるアクリルポリオール化合物(a)(以下「(a)成分」ともいう)を含む。そして、このアクリルポリオール化合物(a)は、ポリオール化合物の固形分総量中20重量%以上含まれる。このような条件を満たす被覆材の使用により、本発明では、低温環境下での乾燥段階において、結露等の水分に起因する不具合(例えば、光沢低下等)を抑え、仕上り性に優れた被膜を形成することができる。
アクリルポリオール化合物(a)の重量平均分子量は50000以下であり、好ましくは40000以下、より好ましくは35000以下、さらに好ましくは30000以下である。(a)成分の重量平均分子量がこのような範囲内であることにより、上述のような本発明の効果を得ることが可能となる。(a)成分の重量平均分子量が上記値を超える場合は、結露等の水分の影響を受け、被膜の光沢等が低下しやすくなる。
(a)成分の重量平均分子量の下限は、好ましくは5000以上であり、より好ましくは8000以上、さらに好ましくは10000以上である。(a)成分の重量平均分子量の下限がこのような範囲内であれば、本発明の効果向上化の点で好ましく、また被膜の耐久性等を高めることもでき、初期の仕上り性(光沢、色調等)を長期にわたり保持することができる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定したものである。
(a)成分としては、樹脂構成成分に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマーと、必要に応じその他のモノマーとを含み、これらを重合したものが使用できる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリロイル基とアルキル基とを有する化合物である。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとを併せて(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物の総称である。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸t-ペンチル、(メタ)アクリル酸1-エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2-メチルブチル、(メタ)アクリル酸3-メチルブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルブチル、(メタ)アクリル酸2-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4-メチルペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
上記その他のモノマーとしては、例えば、芳香族モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、含フッ素モノマー、紫外線吸収性基含有モノマー、光安定性基含有モノマー等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
(a)成分は、上記その他のモノマーとして、芳香族モノマーを含むものが好適である。芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、2-メチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
芳香族モノマーの使用は、本発明の効果向上化の点で好ましく、より優れた仕上り性(光沢等)が得られる点でも好ましいものである。芳香族モノマーの比率は、(a)成分の樹脂構成成分中、好ましくは5重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは30~50重量%である。なお、本発明において、「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
(a)成分の水酸基価は、好ましくは1~200KOHmg/gであり、より好ましくは3~100KOHmg/g、さらに好ましくは5~80KOHmg/gである。(a)成分の水酸基価がこのような範囲内であれば、仕上り性、耐久性等において、十分な性能を発揮することができる。なお、水酸基価は、樹脂固形分1gに含まれる水酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値である。
(a)成分のガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)は、好ましくは-20~80℃、より好ましくは-10~60℃である。なお、ガラス転移温度はFoxの計算式により求められる値である。
(a)成分の形態としては、例えば、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂等が挙げられる。本発明では、(a)成分が溶剤可溶型樹脂であることが望ましい。(a)成分が溶剤可溶型樹脂であれば、結露等の水分に対する耐性を十分に高めることができる。(a)成分としては、脂肪族炭化水素溶剤を含む非水溶剤に溶解したものが好適である。
本発明において、(a)成分は、ポリオール化合物の固形分総量中20重量%以上(好ましくは35重量%以上、より好ましくは50重量%以上)含まれる。(a)成分の比率がこのような範囲内であることにより、結露等の水分に起因する不具合を抑え、仕上り性に優れた被膜を形成することが可能となる。(a)成分の比率が上記値に満たない場合は、結露等の水分の影響を受け、被膜の光沢等が低下しやすくなる。
本発明では、ポリオール化合物を、(a)成分のみで構成することもできるし、(a)成分と、(a)成分以外の1種以上のポリオール化合物で構成することもできる。後者の場合、(a)成分の比率の上限は、ポリオール化合物の固形分総量中、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下である。(a)成分の比率の上限がこのような範囲内であれば、被膜の耐久性等を高めることができ、初期の仕上り状態(光沢、色調等)を長期にわたり保持することが可能となる。
(a)成分以外のポリオールとしては、重量平均分子量が50000超であるアクリルポリオール化合物(b)(以下「(b)成分」ともいう)を含むことが望ましい。このような(b)成分を(a)成分と併用することにより、結露等の水分に起因する不具合を抑え、仕上り性(光沢等)に優れた被膜を形成することができ、しかも、その仕上り状態を長期にわたり保持することができる。
(b)成分の重量平均分子量は、50000超であり、好ましくは55000以上、より好ましくは60000以上である。(b)成分の重量平均分子量がこのような範囲内であれば、耐久性向上等の点で好適である。(b)成分の重量平均分子量の上限は、好ましくは400000以下であり、より好ましくは200000以下、さらに好ましくは150000以下である。(b)成分の重量平均分子量の上限がこのような範囲内であれば、仕上り性(光沢等)を確保することができる。
(b)成分としては、樹脂構成成分に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマーと、必要に応じその他のモノマーとを含み、これらを重合したものが使用できる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマー、その他のモノマーについては、それぞれ上記(a)成分と同様ものが使用できる。(b)成分において、その他のモノマーとして芳香族モノマーを使用する場合、芳香族モノマーの比率は、(b)成分の樹脂構成成分中、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは1~20重量%である。
(b)成分の水酸基価は、好ましくは1~200KOHmg/gであり、より好ましくは3~100KOHmg/g、さらに好ましくは5~80KOHmg/gである。(b)成分のガラス転移温度は、好ましくは-20~80℃、より好ましくは-10~60℃である。
(b)成分の形態としては、例えば、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂等が挙げられる。本発明では、(b)成分が非水分散型樹脂であることが望ましい。(b)成分が非水分散型樹脂であれば、耐久性等を十分に高めることができる。(b)成分としては、脂肪族炭化水素溶剤を含む非水溶剤に分散したものが好適である。
(b)成分の比率は、ポリオール化合物の固形分総量中、好ましくは5~80重量%であり、より好ましくは10~65重量%、さらに好ましくは15~50重量%である。(b)成分の比率がこのような範囲内であれば、水分への耐性、仕上り性等を高めることができ、その仕上り状態を長期にわたり保持することができる。
本発明におけるポリイソシアネート化合物は、被膜形成時に、上記ポリオール化合物と架橋反応して被膜を硬化させる成分である。
このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(pure-MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーをアロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により、誘導体化したもの、および、それらの混合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合は、NCO/OH当量比率が、0.7~2.0となる範囲内で行うことが望ましく、0.8~1.5となる範囲内で行うことがより望ましい。NCO/OH当量比率がこのような範囲内であれば、被膜の硬化性、耐久性、耐汚染性等の点で好適である。
本発明における被覆材は、非水溶剤として、脂肪族炭化水素溶剤を含む。このような脂肪族炭化水素溶剤は、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水溶剤である。その一方、脂肪族炭化水素溶剤は、一般的に強溶剤よりも乾燥に時間を要することから、被膜の乾燥段階において結露等の影響を受けやすくなる。これに対し、本発明では、脂肪族炭化水素溶剤を含む場合であっても、結露等の水分に対する耐性を十分に確保することができる。
脂肪族炭化水素溶剤は、脂肪族炭化水素を含む溶剤であり、例えば、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、テルピン油、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明では、非水溶剤として、全溶剤中に脂肪族炭化水素を30重量%以上含むものが好ましく使用できる。特に、トルエン等を実質的に含まず、引火点21℃以上の消防法第四類第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。非水溶剤において、脂肪族炭化水素溶剤と混合可能な溶剤としては、例えば、ソルベントナフサ、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明における被覆材は、顔料を含むことができる。顔料を含むことにより、被膜の色調、光沢等を調整することができる。
顔料としては、着色顔料、体質顔料等が使用できる。このうち、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒色酸化鉄、コバルトブラック、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、珪藻土、タルク、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
被覆材における顔料の比率は、ポリオール化合物の固形分100重量部に対し、好ましくは1~200重量部、より好ましくは5~150重量部、さらに好ましくは10~120重量部である。
被覆材には、上述の成分の他、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内であれば、各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、皮張り防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、低汚染化剤、触媒等が挙げられる。但し、本発明の被覆材では、耐久性向上化等の点から、ポリアルキレングリコール、セルロース誘導体等の親水性高分子は、配合したとしても少量に抑えることが望ましい。本発明では、これら親水性高分子を含まない態様も好適である。
本発明における被覆材の形態は、特に限定されないが、ポリオール化合物を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とからなる2液型とすることが望ましい。すなわち、流通時には別々にパッケージした状態としておき、被膜形成時(塗装時)にこれらを混合して使用することが望ましい。このような形態であれば、被覆材の流通時における安定性を確保することができ、被膜形成時ないし形成後の硬化性、仕上り性、耐久性等の点でも好適である。
被覆材の塗付(塗装)においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。被覆材の塗付け量は、基材の状態、使用する塗装器具等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.05~0.5kg/m、より好ましくは0.1~0.4kg/mである。塗装時には非水溶剤を用いて被覆材を適宜希釈することもできる。
本発明では、被膜が乾燥する過程において、少なくとも低温環境下の状態を経る。このような場合、その乾燥過程において結露等によって被膜に水分が付着するおそれがあるが、本発明では、このような水分に起因する不具合を抑え、仕上り性(光沢等)に優れた被膜を形成することができる。
低温環境下とは、気温10℃以下の環境下のことであり、本発明では、より低い温度の環境下、例えば、気温5℃以下(さらには気温0℃以下)の環境下の状態を経て被膜を形成することもできる。本発明は、乾燥過程に少なくとも低温環境下の状態が含まれるものであり、低温環境下の状態と、それ以外(例えば、気温10℃を超える環境下等)の状態が含まれていてもよい。なお、本発明において、被膜の乾燥とは、被覆材塗付後、指触乾燥、半硬化乾燥の段階を経て、硬化乾燥に至るまでを指す。被膜の乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2~168時間である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
ポリオール化合物としては、以下に示すものを用意した。
・ポリオール化合物1:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量18000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率40重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物2:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量18000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率30重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物3:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量18000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率10重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物4:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量26000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率20重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物5:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量12000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率10重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物6:溶剤可溶型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量42000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率10重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
・ポリオール化合物7:非水分散型アクリルポリオール(アクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸アルキルエステル-メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル-スチレン共重合体、水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量84000、ガラス転移温度35℃、スチレン比率10重量%、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)
(被覆材の調製)
ポリオール化合物と黒色顔料分散液(カーボンブラックのミネラルスピリット分散液)とを、重量比4:1にて混合することにより、主剤を調製した。次いで、硬化剤として、ポリイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体、NCO含有量21重量%)を用意し、主剤と硬化剤とをNCO/OH当量比率が1.0となるように混合することにより、被覆材を得た。各被覆材において使用したポリオール化合物は、表1に示す通りである。
(試験1)
フィルムアプリケーターを用いて、125μmの膜厚でアルミニウム板に被覆材を塗付け、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)にて48時間静置して乾燥させた。以上の方法で得られた被膜の20°鏡面光沢度(以下単に「光沢度」ともいう)を測定した。評価は以下の通りである。
A:光沢度85以上
B:光沢度80以上85未満
C:光沢度75以上80未満
D:光沢度75未満
(試験2)
フィルムアプリケーターを用いて、125μmの膜厚でアルミニウム板に被覆材を塗付けた後、5℃恒温器内にて2時間静置し、標準状態にて5分間静置するサイクル(このサイクルで結露を発生させた)を計3回行い、さらに5℃恒温器内にて24時間、標準状態にて24時間静置した。以上の方法で得られた被膜の光沢度を測定し、上記試験1での光沢度に対する光沢保持率を算出した。評価は以下の通りである。
A:光沢保持率80%以上
B:光沢保持率70%以上80%未満
C:光沢保持率60%以上70%未満
D:光沢保持率60%未満
試験結果を表1に示す。実施例1~9では、比較例1~2に比べ、結露に対する耐性が良好であった。実施例1~9については、以下の試験3を実施した。
(試験3)
アルミニウム板に被覆材をスプレー塗装し(塗付け量0.2kg/m)、標準状態にて14日乾燥養生することにより、試験体を作製した。この試験体について、アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用い、光照射6時間・結露2時間(計8時間)を1サイクルとして40サイクルまで促進劣化試験を行った。この際、促進劣化試験前後の光沢度から光沢保持率を算出した。評価は以下の通りである。
A:光沢保持率80%以上
B:光沢保持率70%以上80%未満
C:光沢保持率60%以上70%未満
D:光沢保持率60%未満
試験結果を表1に示す。実施例1~9は、いずれも耐久性が良好であった。この中でも、特に実施例2~4が優れていた。
Figure 0006995676000001

Claims (3)

  1. 基材に対し、被覆材を塗付し乾燥させて被膜を形成する被膜形成方法であって、
    上記被覆材は、
    ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及び非水溶剤を含み、
    上記ポリオール化合物として、
    重量平均分子量が50000以下であるアクリルポリオール化合物(a)を、ポリオール化合物の固形分総量中35重量%以上含み、
    上記アクリルポリオール化合物(a)は、樹脂構成成分中に芳香族モノマーを含み、その比率は、樹脂構成成分中に30重量%以上50重量%以下であり、
    上記非水溶剤として、脂肪族炭化水素溶剤を含むものであり、
    上記被覆材の乾燥は、少なくとも低温環境下の状態を経て行われる
    ことを特徴とする被膜形成方法。
  2. 上記ポリオール化合物として、
    重量平均分子量が50000超であるアクリルポリオール化合物(b)を含むことを特徴とする請求項1記載の被膜形成方法。
  3. 上記基材が金属製基材であることを特徴とする請求項1または2に記載の被膜形成方法。

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