JP7281322B2 - 被膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関するものである。
建築物の壁面、屋根等においては、その基材を保護し、美観性等を高める目的で各種被覆材によって塗装が施されている。これらの部位に塗装を施す際には、密着性の確保、仕上り性向上等の目的で下塗材を塗付した後に、各種色彩を有する上塗材を塗付することが行われている。
このような下塗材や上塗材は、いずれも、主に非水系と水系に分類される。近年では、塗装時の安全性や作業衛生等の観点、あるいは大気汚染に及ぼす影響等の観点から、水系の材料が多く使用される傾向にある。
但し、下塗材については、非水系の材料が使用されるケースがある。これは、非水系下塗材が被塗面表層部を補強する作用等を有し、密着性等において優れた性能を発揮できるため、被塗面の状態等によっては非水系のほうが適していること等による。
非水系下塗材としては、脂肪族炭化水素溶剤を主たる溶剤とする弱溶剤形下塗材が挙げられる。この弱溶剤形下塗材は、トルエン、キシレン等を主たる溶剤とする強溶剤形下塗材に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さいといった長所をもつため、環境対応型の被覆材として好ましいものである。例えば、特開2003-246963号公報には、特定の変性エポキシ樹脂と、その硬化剤を必須成分とする弱溶剤形下塗材が記載されている。
特開2005-97472号公報
ところで、建築物の壁面、屋根等の塗装は、一般的に屋外で行われる。このような屋外では、気温、湿度、天気等の影響を受けやすくなる。上述のように非水系下塗材と水系上塗材を用いて塗装を行う際、気象条件等によっては、水系上塗材が被膜の均一性を欠き、仕上り性が不十分となるおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、非水系下塗材と水系上塗材を用いて塗装を行う際、優れた仕上り性を安定的に得ることを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、基材に対し、特定2種の被覆材を順に塗付する方法に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 基材に対し、第1被覆材を塗付した後、第2被覆材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法であって、
上記第1被覆材は、樹脂成分、及び脂肪族炭化水素溶剤を含み、不揮発分が60重量%以下、不揮発分に対する樹脂成分比率が50重量%以上であり、
上記第1被覆材の樹脂成分は、エポキシ樹脂とアミン硬化剤を含み、
上記エポキシ樹脂と上記アミン硬化剤との混合比率[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]が、0.6~1.5であり、
上記第2被覆材は、樹脂成分、水、及び分配係数-1.0以上1.3以下の溶剤を含み、粘度が2Pa・s以下である
ことを特徴とする被膜形成方法。
本発明によれば、優れた仕上り性を安定的に得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材に対し、第1被覆材を塗付した後、第2被覆材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法である。
基材としては、建築物、土木構造物等に使用される各種基材が挙げられ、例えば、屋根、内外壁、天井、梁、柱、手摺、扉、間仕切り、柵、架台、ガードレール、橋梁、塔等に使用されるものを対象とすることができる。このような基材としては、例えば、セメント等を用いた無機質基材、各種金属からなる金属製基材、プラスチック等を用いた有機質基材等が挙げられる。本発明は、基材が、その表面に既存被膜を有するもの等である場合にも適用できる。
既存被膜は、1種または2種以上の被覆材を各種基材の表面にコーティングすることによって形成されたものである。被覆材としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とするものが挙げられる。これらは顔料等による色彩を有するものであってもよいし、透明性を有するものであってもよい。
本発明は、このような既存被膜を有する、経年劣化した基材の改装方法として適用できる。経年劣化の程度は、特に限定されるものではないが、概ね5年以上(さらには8年以上)使用されたものを対象とすることができる。
第1被覆材は、樹脂成分、及び脂肪族炭化水素溶剤を含むものである。このような第1被覆材は、非水系下塗材として使用することができる。
第1被覆材における樹脂成分としては、各種樹脂が使用できる。樹脂の種類としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。この中でも、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。このような樹脂成分の形態としては、溶剤可溶形樹脂、及び/または非水分散形樹脂が好適である。これら樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。例えば、エポキシ樹脂は、アミン硬化剤と組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2以上のエポキシ基を有するものが使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールFエポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との共重合型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレンノボラックのポリグリシジルエーテル、フェノール-ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA-ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレン-ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル等、あるいはこれらの変性物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(固形分当たり)は、好ましくは300~2000g/eq、より好ましくは400~1800g/eqである。ここで、エポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量をエポキシ基の数で除した値である。なお、本発明において、「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
アミン硬化剤は、上記エポキシ樹脂と反応することによって架橋被膜を形成する成分である。アミン硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環状アミン、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドアミン、脂環式ポリアミドアミン、芳香族ポリアミドアミン等、あるいはこれらの変性物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
アミン硬化剤の活性水素当量(固形分当たり)は、好ましくは50~500g/eq、より好ましくは60~400g/eqである。活性水素当量とは、アミン硬化剤の分子量をアミノ基の水素原子数で除した値である。
第1被覆材がエポキシ樹脂とアミン硬化剤を含む場合、第1被覆材は、2液型の形態とすることが望ましい。すなわち、流通時にはエポキシ樹脂を含む主剤とアミン硬化剤を含む硬化剤からなる2液型の形態としておき、これらを塗装時に混合して使用することが望ましい。
エポキシ樹脂とアミン硬化剤との混合比率は、特に限定されないが、[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]が、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.3~2、さらに好ましくは0.6~1.5となる範囲内で設定すればよい。
脂肪族炭化水素溶剤は、トルエン、キシレン等の強溶剤に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水溶剤である。脂肪族炭化水素溶剤としては、例えば、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用できる。また本発明では、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素含有混合溶剤を使用することによって、脂肪族炭化水素溶剤を導入することもできる。脂肪族炭化水素溶剤は、第1被覆材中の溶剤総量に対し5重量%以上含まれることが好ましく、10~80重量%含まれることがより好ましい。
第1被覆材では、溶剤として、上記脂肪族炭化水素溶剤以外のものも使用できる。このような溶剤としては、例えば、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤の他、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。また、アルキレングリコールアルキルエーテル、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート、アルコール等も使用できる。上記脂肪族炭化水素溶剤以外の溶剤としては、混合アニリン点またはアニリン点が12~70℃である石油系溶剤(芳香族炭化水素含有石油混合溶剤)を含む態様が好ましい。混合アニリン点またはアニリン点は、JIS K2256の方法で測定される値である。
第1被覆材では、上述の成分の他、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を混合することも可能である。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、皮張り防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。第1被覆材は、以上のような各成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。
第1被覆材は、不揮発分が60重量%以下、好ましくは5~50重量%、より好ましくは10~45重量%である。このような不揮発分を有する第1被覆材は、塗装作業性が良好であり、基材に浸透して、基材を含浸補強しつつ、基材表面に均一な被膜を形成することができる。なお、不揮発分は、塗装時(塗付時)における不揮発分であり、第1被覆材を希釈後に塗装に供する場合は、希釈後の不揮発分のことを言う。本発明における不揮発分は、JIS K5601-1-2の方法にて測定される加熱残分であり、加熱温度は105℃、加熱時間は60分である。
第1被覆材は、不揮発分に対する樹脂成分比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70~100重量%である。このように不揮発分中に樹脂成分を多く含む第1被覆材は、シール性の高い被膜を形成することができる。このような被膜は、水等の吸い込みを十分に遮断することができ、基材への水の浸入を抑制することができる。
第1被覆材を塗付(塗装)する際には、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗装等、種々の方法を用いることができる。塗装時の塗付け量は、好ましくは30~500g/m、より好ましくは50~300g/mである。第1被覆材の塗回数は、基材の表面状態等によって適宜設定すればよいが、好ましくは1~2回である。
第1被覆材の乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2~400時間程度である。また乾燥温度は、好ましくは-10~50℃、より好ましくは-5~40℃である。本発明では、第1被覆材の乾燥温度が比較的低い場合(例えば-10~15℃)であっても、優れた性能を発揮することができる。
[第2被覆材]
本発明では、第1被覆材の塗付・乾燥後に、第2被覆材を塗付する。第2被覆材としては、樹脂成分、水、及び分配係数3.0以下の溶剤を含み、粘度が2Pa・s以下であるものを使用する。このような第2被覆材は、水系上塗材として使用でき、塗装作業性が良好であり、薄く均一な被膜を形成することができる。
本発明では、このような第1被覆材と第2被覆材を使用することにより、優れた仕上り性を安定的に得ることができる。その作用機構は、以下に限定されるものではないが、第1被覆材は、脂肪族炭化水素溶剤を含み、不揮発分が特定範囲内であることにより、上述のような利点を有する。その一方、脂肪族炭化水素溶剤は、一般的に強溶剤よりも乾燥に時間を要することから、気象条件等によっては、被膜内に残存しやすくなる。第1被覆材の不揮発分が上記範囲内であれば、脂肪族炭化水素溶剤が相対的に多くなり、このような傾向は強くなりやすい。このように第1被覆材の被膜内に脂肪族炭化水素溶剤が残存した状態では、第2被覆材塗付時にはじき等が生じやすく、被膜が不均一となるおそれがある。また、第1被覆材において、不揮発分に対する樹脂成分比率が上記範囲内であること、第2被覆材において粘度が特定値以下であることも、第2被覆材の被膜が不均一になることを助長するおそれがある。
これに対し、本発明では、第2被覆材が特定分配係数の溶剤を含むため、第2被覆材の被膜が均一となり、仕上り良好な状態を安定的に得ることができる。
第2被覆材における樹脂成分としては、各種樹脂が使用できる。樹脂の種類としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。このような樹脂成分の形態としては、水溶性樹脂、及び/または樹脂エマルション(水分散性樹脂)が好適である。第2被覆材は、少なくとも樹脂エマルションを含むことが望ましい。これら樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。
第2被覆材は、媒体として水を含み、さらに、分配係数3.0以下の溶剤を含むものである。本発明では、第2被覆材が分配係数3.0以下の溶剤を含むことにより、第2被覆材の被膜が均一となり、仕上り良好な状態を安定的に得ることができる。このような溶剤の分配係数は、3.0以下であり、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.3以下、さらに好ましくは-1.0~1.0である。なお、本発明において、分配係数(LogPow)は、JIS Z7260-107:2000「分配係数(1-オクタノール/水)の測定-フラスコ振とう法」に記載の方法によって測定される値である。本発明では、「LogPow」の値を「分配係数」とする。
分配係数が2.0超3.0以下の溶剤としては、例えば、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
分配係数が1.3超2.0以下の溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
分配係数が1.0超1.3以下の溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ベンジルアルコール等が挙げられる。
分配係数が-1.0以上1.0以下の溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
第2被覆材における分配係数3.0以下の溶剤の混合比率は、上記樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.1~30重量部、より好ましくは0.5~25重量部、さらに好ましくは1~20重量部である。
第2被覆材は、着色顔料を含むことができる。着色顔料としては、公知の着色顔料が使用でき、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、金属顔料、パール顔料等が挙げられる。これら着色顔料の1種または2種以上を適宜使用することにより、第2被覆材を所望の色相に設定することができる。第2被覆材における着色顔料の混合比率は、上記樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは1~500重量部、より好ましくは5~200重量部、さらに好ましくは10~150重量部である。
第2被覆材は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、上記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、体質顔料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、体質顔料、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、低汚染化剤、撥水剤、触媒、水等が挙げられる。本発明の第2被覆材は、上記各種成分を常法によって均一に混合することで製造できる。
第2被覆材の塗付時の粘度は、2Pa・s以下であり、好ましくは1.5Pa・s以下、より好ましくは0.1~1.2Pa・sである。このような第2被覆材は、塗装作業性が良好であり、薄く均一な被膜を形成することが可能となる。なお、本発明において、粘度は、BH型粘度計で回転数を20rpmとして測定したときの4回転目の値である。第2被覆材を希釈後に塗装に供する場合は、希釈後の粘度を測定する。
第2被覆材を塗付(塗装)する際には、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。第2被覆材の塗付け量は、好ましくは50~500g/m、より好ましくは80~400g/mである。塗装時には、必要に応じ適宜希釈することもできる。第2被覆材の塗回数は、好ましくは1~2回である。第2被膜の乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。
本発明は、第1被覆材及び/または第2被覆材の乾燥が、少なくとも低温環境下の状態を経て行われる場合に特に有効である。低温環境下とは、気温15℃以下の環境下のことであり、本発明では、より低い温度の環境下、例えば、気温0~10℃の環境下の状態を経て被膜を形成することもできる。なお、本発明において、被膜の乾燥とは、被覆材塗付後、指触乾燥、半硬化乾燥の段階を経て、硬化乾燥に至るまでを指す。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(第1被覆材の調製)
○第1被覆材1
エポキシ樹脂{フェノールノボラック型ビスフェノールAエポキシ樹脂溶液、固形分50重量%、エポキシ当量(固形分)800g/eq}、脂肪族炭化水素含有混合溶剤(ミネラルスピリット)、石油系溶剤(混合アニリン点14℃)、及び添加剤(増粘剤、分散剤、消泡剤)を含む主剤に、アミン硬化剤{脂肪族ポリアミドアミン、固形分70重量%、活性水素当量(固形分)120g/eq}を混合し、第1被覆材1を作製した。第1被覆材1の不揮発分は37重量%、不揮発分に対する樹脂比率は98重量%、溶剤総量に対する脂肪族炭化水素溶剤の比率は32重量%であった。
○第1被覆材2
エポキシ樹脂(同上)、着色顔料(酸化チタン)、脂肪族炭化水素含有混合溶剤(同上)、石油系溶剤(同上)、及び添加剤(同上)を含む主剤に、アミン硬化剤(同上)を混合し、第1被覆材2を作製した。第1被覆材2の不揮発分は43重量%、不揮発分に対する樹脂比率は76重量%、溶剤総量に対する脂肪族炭化水素溶剤の比率は43重量%であった。
○第1被覆材3
エポキシ樹脂(同上)、脂肪族炭化水素含有混合溶剤(同上)、石油系溶剤(同上)、及び添加剤(同上)を含む主剤に、アミン硬化剤(同上)を混合し、第1被覆材3を作製した。第1被覆材3の不揮発分は28重量%、不揮発分に対する樹脂比率は98重量%、溶剤総量に対する脂肪族炭化水素溶剤の比率は46重量%であった。
(第2被覆材の調製)
○第2被覆材1
樹脂エマルション(アクリルシリコン樹脂エマルション、固形分50重量%)200重量部に対し、着色顔料(酸化チタン)60重量部、溶剤1(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、分配係数0.3)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材1を得た。
○第2被覆材2
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤2(エチレングリコールモノブチルエーテル、分配係数0.8)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材2を得た。
○第2被覆材3
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤3(ベンジルアルコール、分配係数1.1)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材3を得た。
○第2被覆材4
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤4(トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、分配係数1.5)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材4を得た。
○第2被覆材5
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤5(2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、分配係数3.5)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材5を得た。
○第2被覆材6
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤6(2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、分配係数4.9)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材6を得た。
○第2被覆材7
樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、着色顔料(同上)60重量部、溶剤7(フタル酸ジブチル、分配係数4.7)8重量部、増粘剤1重量部、消泡剤1重量部を均一に混合し、さらに水を加えて、粘度1.0Pa・s(測定温度5℃)の第2被覆材7を得た。
(試験)
アクリル樹脂の既存被膜を有するスレート板に対し、第1被覆材を塗付け量150g/mにて刷毛塗りし、160分乾燥後、第2被覆材を塗付け量150g/mにて刷毛塗りし、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て5℃環境下にて行った。以上の方法で得られた試験体の外観を目視にて確認した。評価は、均一な被膜が形成されたものを「AA」、被膜が不均一となったものを「E」とする6段階(優:AA>A>B>C>D>E:劣)で行った。使用した第1被覆材と第2被覆材の組合せ、及び試験結果を表1に示す。
Figure 0007281322000001

Claims (1)

  1. 基材に対し、第1被覆材を塗付した後、第2被覆材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法であって、
    上記第1被覆材は、樹脂成分、及び脂肪族炭化水素溶剤を含み、不揮発分が60重量%以下、不揮発分に対する樹脂成分比率が50重量%以上であり、
    上記第1被覆材の樹脂成分は、エポキシ樹脂とアミン硬化剤を含み、
    上記エポキシ樹脂と上記アミン硬化剤との混合比率[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]が、0.6~1.5であり、
    上記第2被覆材は、樹脂成分、水、及び分配係数-1.0以上1.3以下の溶剤を含み、粘度が2Pa・s以下である
    ことを特徴とする被膜形成方法。

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