JP2018192473A - 化粧方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸模様を有し、既存被膜を備えた既存壁面に対し、その表面劣化を修復し、仕上り性に優れた外観を得るとともに、膨れ、剥れ、割れ等の不具合発生を抑制することができる化粧方法を提供する。【解決手段】経年劣化した既存壁面に対し、表面処理材及び仕上材を順に塗付する。当該表面処理材として、ガラス転移温度が−40〜60℃である、特定のエポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)、及び平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子(B)を含み、上記無機質粒子(B)の含有量が、上記樹脂(A)の固形分100重量部に対し100〜500重量部であり、上記無機質粒子(B)は、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子(b1)を、(b1)/(B)=0.05/1〜0.5/1となる重量比で含むものを使用する。【選択図】なし

Description

本発明は、建築物等に適用可能な化粧方法に関するものである。
従来、建築物等の壁面には、コンクリート、モルタル、各種の板状壁材等が用いられている。このうち、例えば板状壁材としては、その表面に凹凸模様を設けて立体感を付与するとともに、保護と美装のために被覆材でコーティングを施したもの等が多く使用されている。
このような板状壁材で構成された壁面は、長期間屋外に曝される。そのため、板状壁材の表面では、太陽光、降雨、粉塵等の影響によって劣化が進行し、板状壁材の当初の美観性は経年により低下してしまう。さらに、このような板状壁材では、表面の遮水性低下によって、壁材内部に水が浸入しやすくなり、劣化が助長され、ひび割れ等の不具合が生じるおそれがある。
特に、板状壁材が凹凸模様を有する場合、凹凸模様を構成する凹部乃至凸部において、それぞれ太陽光の当り方、降雨の流れ具合等が異なるため、劣化の状態に差異が生じやすくなる。このような板状壁材では、外観や強度等が不均一となり、様々な表面劣化状態の領域が混在することとなりやすい。
特開平6−306305号公報には、劣化した被膜に対し、シーラーを塗装し、次いで仕上材として水性弾性塗料を塗装する方法が記載されている。また、特開平11−286646号公報には、エポキシ樹脂、ケチミン、固形樹脂、脱水剤等を含む建築物外装用シーラーが記載されている。
しかし、板状壁材の劣化面に対し、上記特許文献の方法を用いて化粧を施しても、劣化により生じた壁材表面のひび割れを十分に埋めることは困難であり、仕上材を塗付した後の仕上り性についても、満足な結果は得られにくい。仕上材の塗付によって、却って割れが顕在化する場合もある。
また、上記特許文献の方法では、シーラーによって壁材表面の状態を均質化することが困難な場合があり、その場合は仕上材塗装後の仕上り性、密着性等が不十分となりやすく、被膜の剥れ、膨れ等が生じるおそれもある。
上記特許文献の方法において、仕上材として厚膜型の材料を使用すれば、壁材表面のひび割れ等の不具合は目立たなくすることができる。しかし、その反面、壁材が有する凹凸模様を活かすことは困難となる。また、厚膜型の仕上材を用いた場合は、ひび割れ等の不具合が生じた部分に空隙が残存しやすく、この空隙が被膜の膨れ等を引き起こしたり、割れ再発の原因となるおそれもある。
特開平6−306305号公報 特開平11−286646号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、凹凸模様を有し、既存被膜を備えた既存壁面に対し、その表面劣化を修復し、仕上り性に優れた外観を得るとともに、膨れ、剥れ、割れ等の不具合発生を抑制することができる化粧方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、上述のような既存壁面に対し、特定の表面処理材及び仕上材を順に塗付する方法に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.経年劣化した既存壁面に対し、表面処理材及び仕上材を順に塗付する化粧方法であって、上記既存壁面は、表面に凹凸模様を有し、既存被膜を備えたものであり、
上記表面処理材は、ガラス転移温度が−40〜60℃である、エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)、及び平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子(B)を含み、
上記無機質粒子(B)の含有量が、上記樹脂(A)の固形分100重量部に対し100〜500重量部であり、
上記無機質粒子(B)は、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子(b1)を、(b1)/(B)=0.05/1〜0.5/1となる重量比で含むものであり、
該エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)が、
(a3)エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
(a4)カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
から選ばれる1種以上、
であることを特徴とする化粧方法。
2.上記既存壁面は、表面に凹凸模様を有し、既存被膜を備えた複数の板状壁材によって構成されたものである1.記載の化粧方法。
3.上記既存壁面は、上記板状壁材どうしの連結部にシーリング材が充填されたものである1.または2.に記載の化粧方法。
4.経年劣化した既存壁面に対し、表面処理材及び仕上材が順に塗付された化粧面であって、上記既存壁面は、表面に凹凸模様を有し、既存被膜を備えたものであり、
上記表面処理材は、ガラス転移温度が−40〜60℃である、エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)、及び平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子(B)を含み、
上記無機質粒子(B)の含有量が、上記樹脂(A)の固形分100重量部に対し100〜500重量部であり、
上記無機質粒子(B)は、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子(b1)を、(b1)/(B)=0.05/1〜0.5/1となる重量比で含むものであり、
該エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)が、
(a3)エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
(a4)カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
から選ばれる1種以上、
であることを特徴とする化粧面。
本発明によれば、凹凸模様を有し、既存被膜を備えた既存壁面に対し、その表面劣化を修復し、仕上り性に優れた化粧面を得ることができる。さらに、本発明で得られる化粧面は耐久性に優れており、膨れ、剥れ、割れ等の不具合発生を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、建築物、土木構造物等の既存壁面に適用することができる。このような既存壁面は、少なくとも基材と既存被膜で構成される。基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、金属、木材、ガラス等、あるいは各種板状壁材等が挙げられる。このうち板状壁材としては、例えばセメント、珪酸カルシウム、石灰、石膏等のいずれかを主成分する無機質硬化体が挙げられる。このような板状壁材の具体例としては、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、硬質木片セメント板等が挙げられる。
本発明では、既存壁面として、その表面に凹凸模様を有するものを対象とする。既存壁面における凹凸模様としては、種々のものが挙げられ、例えばタイル調模様、レンガ調模様、幾何学的模様、縞模様、格子模様、水玉模様、砂壁模様、ゆず肌模様、さざ波模様等の他、動植物等をデザイン化した図形模様等が挙げられる。具体的に、凹凸模様を正面から見たときの凸部の形状としては、例えば正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、菱形、多角形、不定形等の形状が挙げられる。また、凹凸模様における凸部の断面形状としては、例えば台形、正方形、長方形、半円形、波形、階段形、三角形、山形等が挙げられる。凹凸模様における凹部は、平坦で目地を形成するものが好ましい。凹部と凸部との高低差は、各々の部位で一定であっても相違していてもよいが、好ましくは20mm以下、より好ましくは1〜15mm程度である。このような凹凸模様は、基材、既存被膜のいずれか一方または両方に付されたものであればよい。
本発明における既存壁面では、基材の表面に、既存被膜が設けられている。この既存被膜は、1種または2種以上の被覆材を各種基材の表面にコーティングすることによって形成されたものである。被覆材としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とするものが挙げられる。これらは顔料等による色彩を有するものであってもよいし、透明性を有するものであってもよい。本発明では、2色以上の異色の被覆材による塗り分けが施された既存壁面を対象とすることもできる。
本発明は、上述のような既存壁面が経年劣化した際の改装方法として適用できる。経年劣化の程度は、特に限定されるものではないが、壁面として概ね5年以上(さらには8年以上)使用されたものは、本発明の対象とすることができる。
本発明の既存壁面としては、表面に凹凸模様を有すると共に既存被膜を備えた板状壁材が、複数併設されることによって構成されたものが好適である。本発明は、このような複数の板状壁材で構成された既存壁面を対象とした場合に、有利な効果を得ることができる。凹凸模様は、少なくとも板状壁材自体に付されていることが望ましい。
板状壁材どうしの連結部にはシーリング材または乾式目地材が充填されていてもよい。この場合、複数の板状壁材は、連結部を介して併設され、板状壁材どうしの間には、連結部が設けられる。連結部の幅は、好ましくは3〜20mm(より好ましくは5〜15mm)程度である。この連結部に、シーリング材または乾式目地材が充填される。
本発明では特に、既存壁面が、板状壁材どうしの連結部にシーリング材が充填されたものである場合に、有利な効果が得られる。シーリング材は、板状壁材と同様に経年劣化したものでもよいし、表面処理材の塗装前に、新たに打設されたものであってもよい。
シーリング材としては一般的なものが使用可能であり、例えば、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。
シーリング材の充填方法としては、特に限定されず、例えば、ガンやへら等による公知の方法を採用することができる。
シーリング材の充填前には、予めバックアップ材充填やプライマー塗付等の処理を行っておいてもよい。バックアップ材としては、例えば、発泡ポリエチレン系バックアップ材等を使用することができる。プライマーとしては、例えば、合成ゴム系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマー、シリコーンレジン系プライマー、シラン系プライマー等を使用することができる
本発明の化粧方法は、上述のような経年劣化した既存壁面に対し、表面処理材及び仕上材を順に塗付するものである。
本発明における表面処理材は、ガラス転移温度が−40〜60℃である、エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう)と、平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子(B)(以下「(B)成分」ともいう)とを必須成分とし、当該無機質粒子(B)を特定量含み、かつ当該無機質粒子(B)において、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子(b1)(以下「(b1)成分」ともいう)を特定重量比で含むものである。
このような表面処理材は、特定のガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)と官能基を有する(A)成分によって、優れた強靭性、密着性等を発揮し、劣化表面の強度の均質化、化粧面における膨れ、割れ、剥れ等の不具合発生の抑制等に寄与するものである。また、劣化表面がひび割れを有する場合は、その内部に充填された状態で強靭性、密着性等を発揮し、補強作用を示すとともに、ひび割れの進行抑制にも寄与するものである。
表面処理材中の無機質粒子(B)は、劣化表面の均質化に資するものである。具体的には、劣化による壁材表面の荒れ、ひび割れ等を修復して、表面を平坦化するとともに、全体の色調を整えることによって外観を均質化している。さらに、無機質粒子(B)は、化粧面における膨れ、割れ、剥れ等の不具合発生の抑制にも寄与するものである。このような効果が奏される理由は明らかではないが、(B)成分によって表面処理材の固形分比率が高まり、適度な粘性が付与され、被膜強度も向上すること、さらには(B)成分中の(b1)成分が可視光線乃至赤外線に対する反射性を示すこと、等が有効に作用しているものと推察される。
このような本発明の表面処理材は、シーリング材への密着性、追従性等においても優れた性能を有するものである。さらに、シーリング材の変位に追従しつつ、その変位を緩和する性能を付与することもできる。そのため、板状壁材どうしの連結部にシーリング材が充填されている場合、当該連結部付近における化粧面の膨れ、割れ、剥れ等の不具合発生を抑制することができ、化粧面の仕上外観を長期にわたり保持することができる。
表面処理材中の(A)成分としては、Tgが−40〜60℃である、エポキシ化合物由来の非水系樹脂を使用する。
エポキシ化合物由来の非水系樹脂は、樹脂を構成する成分として、少なくともエポキシ化合物を含むものである。このような非水系樹脂は、エポキシ基、及び/またはエポキシ基由来の水酸基を有する。このうちエポキシ基由来の水酸基は、例えば、エポキシ基とカルボキシル基との反応、エポキシ基とアミノ基との反応、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応等によって生成される。このような官能基は、密着性、膨れ防止性、剥れ防止性等に寄与するものである。
非水系樹脂は、水以外の有機溶剤を媒体とする樹脂である。媒体の種類は特に限定されないが、本発明では脂肪族炭化水素を含む溶剤(以下「脂肪族炭化水素系溶剤」ともいう)を使用することが望ましい。このような脂肪族炭化水素系溶剤は、芳香族炭化水素系溶剤に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水系溶剤である。このような溶剤は、劣化表面の均質化や補強、既存被膜のリフティング防止性、シーリング材上の密着性等の点でも好適である。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等が挙げられる。また本発明では、脂肪族炭化水素系溶剤として、テルピン油やミネラルスピリット等を使用することもできる。
非水系樹脂の溶剤としては、全溶剤中に脂肪族炭化水素を30重量%以上含むものがより好適である。特に、トルエン等を実質的に含まず、引火点21℃以上の消防法第四類第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。非水系樹脂の溶剤において、脂肪族炭化水素と混合可能な溶剤としては、例えば、ソルベントナフサ、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
(A)成分におけるエポキシ化合物としては、例えばエポキシ樹脂、エポキシ基含有ビニル単量体等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。なお、本発明においてビニル単量体とは、エチレン性不飽和結合を有する化合物の総称である。
このうちエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(エチレン性不飽和結合を含まない)が使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多価アルコールとエピクロルヒドリンとの縮合物、多価カルボン酸とエピクロルヒドリンとの縮合物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和結合とを有する化合物が使用でき、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明における(A)成分としては、樹脂骨格にビニル単量体の重合体を含むビニル樹脂が好適である。さらには、当該ビニル単量体として(メタ)アクリロイル基を有する単量体(アクリル単量体)を含むアクリル樹脂がより好適である。具体的に(A)成分としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。
(a1)エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体との反応によって得られる樹脂。
(a2)カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物との反応によって得られる樹脂。
このうち(a1)におけるエポキシ基含有ビニル単量体としては、上述のものが使用できる。上記(a1)では、エポキシ基含有ビニル単量体とその他のビニル単量体とを公知の方法によって重合すればよい。
上記(a2)におけるカルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。上記(a2)では、
カルボキシル基含有ビニル単量体とその他のビニル単量体との重合体に、エポキシ化合物を付加する方法;あるいは、
エポキシ化合物を付加したカルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体とを重合する方法;等を採用することができる。
上記(a1)、(a2)におけるその他のビニル単量体としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有ビニル単量体;
ビニルピリジン等のピリジン系ビニル単量体;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等のヒドラジノ基含有ビニル単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル単量体;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有ビニル単量体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有ビニル単量体;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有ビニル単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル単量体;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系ビニル単量体;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
なお、上記(a1)においては、その他の単量体としてカルボキシル基含有ビニル単量体を使用してもよい。上記(a2)においては、その他の単量体としてエポキシ基含有ビニル単量体を使用してもよいし、カルボキシル基含有ビニル単量体に替えて、アミノ基含有ビニル単量体及び/またはフェノール性水酸基含有ビニル単量体を使用してもよい。また、上記(a1)、(a2)では、各種官能基(エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等)を利用して、上述の成分以外の化合物等をさらに反応させることも可能である。
本発明の(A)成分としては、酸化重合性基を有する樹脂が好適である。この酸化重合性基は、酸化重合可能な二重結合であり、空気酸化によって硬化乾燥するものである。本発明では、(A)成分が酸化重合性基を有することにより、被膜の強靭性や密着性、劣化表面の補強作用等が高まり、本発明の効果を一層向上させることが可能となる。このような樹脂としては、具体的には以下に例示するものが使用できる。
(a3)エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂。
(a4)カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂。
(a5)酸化重合性基を有するビニル単量体と、エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体との反応によって得られる樹脂。
(a6)酸化重合性基を有するビニル単量体と、カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物との反応によって得られる樹脂。
(A)成分における酸化重合性基は、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂によって導入されることが望ましい。上記(a3)、(a4)では、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂で変性され、エポキシ基及び/またはエポキシ基由来の水酸基を有するビニル樹脂を得ることができる。
上記(a3)、(a4)における不飽和脂肪酸としては、例えば、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、クルミ油脂肪酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。(A)成分中の不飽和脂肪酸の比率は、固形分換算で好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%である。
上記(a3)、(a4)におけるアルキド樹脂としては、多価アルコールと多価カルボン酸を重縮合させ、これを乾性油及び/または不飽和脂肪酸等で変性したものが好適である。このうち多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多価カルボン酸としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、乾性油としては、例えば亜麻仁油、桐油、オイチシカ油、サフラワー油等が挙げられる。不飽和脂肪酸としては、上述のものが使用できる。(A)成分中のアルキド樹脂の比率は、固形分換算で好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%である。
上記(a3)では、
上記(a1)の樹脂に不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂を付加する方法;
上記(a1)の樹脂の重合時に不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂等を導入する方法;
不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂を付加したエポキシ基含有ビニル単量体等と、その他のビニル単量体とを重合する方法;
等を採用することができる。
上記(a4)では、
上記(a2)の樹脂に不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂を付加する方法;
上記(a2)の樹脂の重合時に不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂等を導入する方法;等を採用することができる。上記(a3)、(a4)では、特に、不飽和脂肪酸とアルキド樹脂の両成分が用いられる態様が好適である。
上記(a5)、(a6)における酸化重合性基を有するビニル単量体としては、例えば、ジシクロペンタジエンオキシアルキル(メタ)アクリレート等のジシクロペンタジエンオキシアルキル基含有ビニル単量体、アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有ビニル単量体を使用することができる。
上記(a5)では、酸化重合性基を有するビニル単量体と、エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体とを公知の方法によって重合すればよい。
上記(a6)では、酸化重合性基を有するビニル単量体と、カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体との重合体に、エポキシ化合物を付加する方法;
エポキシ化合物を付加したカルボキシル基含有ビニル単量体と、酸化重合性基を有するビニル単量体と、その他のビニル単量体とを重合する方法;等を採用することができる。また、上記(a4)、(a6)では、カルボキシル基含有ビニル単量体に替えて、アミノ基含有ビニル単量体及び/またはフェノール性水酸基含有ビニル単量体を使用してもよい。上記(a3)〜(a6)では、各種官能基(エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等)を利用して、上述の成分以外の化合物等をさらに反応させることも可能である。
(A)成分が酸化重合性基を有する場合、表面処理材には金属ドライヤーを混合することが望ましい。金属ドライヤーは、酸化重合反応における硬化触媒としてはたらく成分である。このような金属ドライヤーとしては、例えば、コバルト系、マンガン系、ジルコニウム系、スズ系、鉛系、亜鉛系、銅系、鉄系、カルシウム系等の公知の有機金属化合物が使用できる。具体的には例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸カルシウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。金属ドライヤーの混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、金属分として好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。
(A)成分の形態としては、溶剤可溶形、非水分散形が挙げられるが、本発明では溶剤可溶形が好適である。また、(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは5000〜300000、より好ましくは10000〜200000、さらに好ましくは20000〜100000である。このような(A)成分は、劣化表面の補強効果、被膜の強靭性、密着性等の点で好適である。
(A)成分のガラス転移点は、通常−40〜60℃、好ましくは−20〜55℃、より好ましくは0〜50℃である。Tgがこの範囲外である場合は、形成被膜において、膨れ、割れ、剥れ等の不具合が発生するおそれがある。なお、TgはFoxの計算式によって求められる値であり、本発明では(A)成分のビニル樹脂部分のTgが上記範囲内であることが望ましい。
表面処理材における(B)成分は、平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子である。(B)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂、珪石、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
(B)成分の平均粒子径は、通常0.1〜30μm、好ましくは0.15〜25μm、より好ましくは0.2〜20μmである。(B)成分の平均粒子径がこのような範囲内であれば、劣化表面の均質化、化粧面における不具合発生の抑制等の点で好適である。(B)成分の平均粒子径が小さすぎる場合は、劣化表面の色調を整えることが難しくなり、形成被膜に割れが生じるおそれもある。(B)成分の平均粒子径が大きすぎる場合は、劣化表面でのひび割れ充填性、平坦化、色調の均質化等において十分な効果が得られ難くなる。なお、(B)の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定されるメディアン径のことである。
(B)成分の混合比率は、上記樹脂(A)の固形分100重量部に対し、通常100〜500重量部、好ましくは180〜450重量部、より好ましくは200〜400重量部である。(B)成分の混合比率がこのような範囲内であれば、劣化表面の均質化、化粧面における不具合発生の抑制等の点で好適である。(B)成分が少なすぎる場合は、ひび割れ充填性が不十分となり、仕上り性等に支障をきたすおそれがある。また、形成被膜において膨れ等が発生するおそれがある。(B)成分が多すぎる場合は、表面処理材の粘度が高くなりやすく、ひび割れ充填性が不十分となる。また、密着性、割れ防止性等の点で十分な物性が得られ難くなる。
本発明における(b1)成分は、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子である。本発明では、(B)成分に(b1)成分が含まれることにより、劣化表面の均質化、化粧面での不具合発生の抑制等において十分な性能を得ることができる。
(b1)成分としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用できる。このうち本発明では、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上が望ましく、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上がより望ましい。なお、屈折率は、アッベ屈折計を用いて波長0.6μmの光で測定される値である。
(b1)成分の平均粒子径は、通常0.1〜2μmであり、好ましくは0.15〜1.2μm、より好ましくは0.2〜0.6μmである。(b1)成分の屈折率は、通常1.7〜3.0であり、好ましくは1.9〜2.9、より好ましくは2.2〜2.8である。(B)成分として、このような(b1)成分が含まれることにより、本発明では、よりいっそう優れた効果を得ることができる。
(B)成分に対する(b1)成分の重量比、即ち(b1)/(B)は、通常0.05/1〜0.5/1、好ましくは0.08/1〜0.4/1、より好ましくは0.1/1〜0.3/1である。(b1)/(B)がこのような範囲内であることにより、劣化表面の均質化、化粧面での不具合発生の抑制等の点で好適である。(b1)/(B)の値が小さすぎる場合は、劣化表面の色調を整えることが困難となり、仕上り性に悪影響を及ぼすおそれがある。また、形成被膜において膨れ等が生じやすくなる。(b1)/(B)の値が大きすぎる場合は、ひび割れ充填性が不十分となり、仕上り性に支障をきたすおそれがある。
このような表面処理材は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、上記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、着色材、増粘剤、脱水剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。本発明の表面処理材は、上記(A)成分、(B)成分、及び必要に応じ上述の各種成分を常法によって均一に混合することで製造できる。
本発明の表面処理材は、既存壁面に対し直接塗装することができるが、必要に応じ各種前処理を行っておくこともできる。前処理としては、例えば、劣化の著しい既存被膜の除去、高圧水洗等による汚染物質等の除去、パテ、フィラー等による補修、表面形状の復元等が挙げられる。既存壁面において、新たにシーリング材を打設した場合は、シーリング材の打設後、概ね2〜10日後に表面処理材を塗付することが望ましい。
表面処理材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。
表面処理材の塗付け量は、既存壁面の表面形状、使用する塗装器具等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1〜1kg/m、より好ましくは0.15〜0.5kg/mである。塗装時には溶剤を用いて表面処理材を適宜希釈することもできる。
塗装時における表面処理材の固形分は、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは60〜80重量%である。また、塗装時の表面処理材の粘度は、好ましくは1〜20Pa・s、より好ましくは1.5〜15Pa・s、さらに好ましくは2〜10Pa・sである。表面処理材の固形分、粘度がこのような範囲内であることにより、本発明の効果を安定して得ることができる。なお、ここに言う粘度は、BH型粘度計による20rpmにおける粘度(4回転目の指針値)を測定することにより求められる値であり、測定温度は23℃である。
表面処理材の乾燥時間は、常温(0〜40℃)で好ましくは1時間以上、より好ましくは2〜200時間程度である。
本発明では、上述の表面処理材の塗付・乾燥後に、仕上材を塗付する。本発明における仕上材としては、既存壁面の凹凸模様を活かすことができる材料が好適である。具体的に使用可能な仕上材としては、樹脂成分、及び着色顔料を含むものが挙げられる。
仕上材における樹脂成分としては、各種樹脂が使用できる。樹脂の種類としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。また、このような樹脂成分の形態としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂(樹脂エマルション)、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂等が挙げられ、この中でも、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂から選ばれる1種以上が好適である。このうち溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂としては、全溶剤のうち30重量%以上(好ましくは50重量%以上)が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形樹脂が好適である。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等、あるいはテルピン油やミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。また、これら樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。架橋反応性を有する樹脂成分を使用した場合は、被膜の耐久性、耐水性、耐候性、耐薬品性、密着性等を向上させることができる。
着色顔料としては、例えば公知の無機着色顔料、有機着色顔料等が使用できる。これら着色顔料の1種または2種以上を適宜使用することにより、仕上材を所望の色相に設定することができる。着色顔料の混合比率は、上記樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは5〜200重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。
このような仕上材は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、上記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、体質顔料、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、溶剤、水等が挙げられる。本発明の仕上材は、上記樹脂成分、着色顔料、及び必要に応じ上述の各種成分を常法によって均一に混合することで製造できる。
仕上材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。
仕上材の塗付け量は、既存壁面の表面形状、仕上材の種類や塗装器具の種類等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1〜1kg/m、より好ましくは0.15〜0.5kg/mである。塗装時には、必要に応じ仕上材を適宜希釈することもできる。
本発明において、仕上材は1種または2種以上使用できる。2種以上の仕上材を使用する場合、色調の異なる仕上材を用いることにより、2色以上の多色の外観に仕上げることも可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(表面処理材の製造)
表1、表2に示す比率にて各成分を常法にて均一に混合・攪拌して、表面処理材1〜22を製造した。なお、原料としては、それぞれ以下に示すものを使用した。
・非水系樹脂1:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体(Tg:36℃、重量平均分子量:51000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂2:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体のアルキド樹脂変性物(Tg:36℃、重量平均分子量:58000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂3:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体の亜麻仁油脂肪酸変性物(Tg:36℃、重量平均分子量:56000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂4:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体の大豆油脂肪酸変性物(Tg:36℃、重量平均分子量:52000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂5:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体の亜麻仁油脂肪酸変性物(Tg:20℃、重量平均分子量:57000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂6:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体のアルキド樹脂・亜麻仁油脂肪酸変性物(Tg:36℃、重量平均分子量:59000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂7:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体のアルキド樹脂・大豆油脂肪酸変性物(Tg:36℃、重量平均分子量:53000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂8:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸共重合体(Tg:36℃、重量平均分子量:53000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
・非水系樹脂9:スチレン・メチルメタクリレート・イソブチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸・グリシジルメタクリレート共重合体(Tg:63℃、重量平均分子量:52000、固形分:50重量%、溶剤:ミネラルスピリット)
なお、非水系樹脂2、5、及び6におけるアルキド樹脂は、ペンタエリスリトール・グリセリン・無水フタル酸重縮合物の大豆油脂肪酸変性物である。
・無機質粒子1:酸化チタン(平均粒子径0.3μm、屈折率2.71)
・無機質粒子2:炭酸カルシウム(平均粒子径4μm、屈折率1.56)
・無機質粒子3:炭酸カルシウム(平均粒子径16μm、屈折率1.56)
・無機質粒子4:珪石粉(平均粒子径6μm、屈折率1.54)
・無機質粒子5:タルク(平均粒子径8μm、屈折率1.57)
・無機質粒子6:炭酸カルシウム(平均粒子径35μm、屈折率1.56)
・金属ドライヤー:ナフテン酸コバルトとナフテン酸ジルコニウムの混合液(ミネラルスピリット溶液、Co分0.3重量%、Zr分3重量%)
・溶剤:ミネラルスピリット
・添加剤:分散剤、増粘剤、脱水剤、消泡剤
(試験体作製)
板状壁材として、促進耐候性試験機にて曝露された窯業系サイディングボートを用意した。この窯業系サイディングボードは、表面にタイル調の凹凸模様を有し、凹部には黒色のアクリル系被膜、凸部には淡褐色のアクリル系被膜を有するものであり、凹部よりも凸部の劣化が進行した状態であった。
この板状壁材2枚を併設し、ボード間の連結部(幅10mm)に変性シリコーン系シーリング材を充填したものを塗装対象の基材とした。
このようにして得られた基材の全面に対し、表面処理材を塗付け量0.3kg/mでローラー塗装し、4時間乾燥後、仕上材1(水性アクリル樹脂系つや有エマルションペイント、色相:黄色)または仕上材2(弱溶剤形ウレタン樹脂系つや有ペイント、色相:黄色)を塗付け量0.3kg/mでローラー塗装し、7日間乾燥した。なお、塗装、乾燥はすべて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)下で行った。
(評価方法)
・仕上り性
上記方法で作製した試験体について、その仕上外観(色調、光沢、ひび割れの有無等)を目視にて確認した。評価は、仕上り性に優れるものを「A」、仕上り性に劣るものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
・耐久性試験1
上記方法で作製した試験体(300×150mm)について、水浸漬18時間・−20℃3時間放置・50℃3時間放置を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、被膜外観を確認し、不具合(膨れ、剥れ、割れ等)の発生の状態を評価した。評価は、不具合発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。また、温冷繰返し試験後の各部位(連結部、凹部、凸部)の被膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価は、異常が認められなかったものを「A」、剥れが認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
・耐久性試験2
上記方法で得られた試験体(300×150mm)について、60cmの距離を設けて赤外線ランプを8時間照射した後、23℃の水に16時間浸漬するサイクルを、合計10サイクル行った後、その外観変化を目視にて観察した。評価は、不具合(膨れ、剥れ等)の発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合の発生が認められたものを「D」とする4段階(A>B>C>D)で行った。
(試験結果)
上記試験で使用した表面処理材と、その試験結果を表3、表4に示す。実施例1〜15では、概ね良好な結果が得られた。
Figure 2018192473
Figure 2018192473
Figure 2018192473
Figure 2018192473



Claims (3)

  1. 経年劣化した既存壁面に対し、表面処理材及び仕上材を順に塗付する化粧方法であって、上記既存壁面は、表面に凹凸模様を有し、既存被膜を備えたものであり、
    上記表面処理材は、ガラス転移温度が−40〜60℃である、エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)、及び平均粒子径0.1〜30μmの無機質粒子(B)を含み、上記無機質粒子(B)の含有量が、上記樹脂(A)の固形分100重量部に対し100〜500重量部であり、
    上記無機質粒子(B)は、平均粒子径0.1〜2μm、屈折率1.7〜3.0の無機質粒子(b1)を、(b1)/(B)=0.05/1〜0.5/1となる重量比で含むものであり、
    該エポキシ化合物由来の非水系樹脂(A)が、
    (a3)エポキシ基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
    (a4)カルボキシル基含有ビニル単量体と、その他のビニル単量体と、エポキシ化合物と、不飽和脂肪酸及び/またはアルキド樹脂との反応によって得られる樹脂、
    から選ばれる1種以上、
    であることを特徴とする化粧方法。
  2. 上記既存壁面は、表面に凹凸模様を有し、既存被膜を備えた複数の板状壁材によって構成されたものである請求項1記載の化粧方法。
  3. 上記既存壁面は、上記板状壁材どうしの連結部にシーリング材が充填されたものである請求項1または2に記載の化粧方法。



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