JP2008008113A - 目地形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の目地形成方法は、装飾塗材を用いて、目地構造を有する化粧面を仕上げる際に、水平方向の目地下縁部の傾斜角を鈍角にする工程、形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このような化粧面を得る方法としては、例えば、目地材を被塗面に貼り付けた上から、仕上塗材を塗付した後、目地材を除去して、天然石調、陶磁器タイル調、レンガ調等の模様を施す方法がある(例えば、特許文献1等)。
このような目地を含む化粧面を得る方法では、天然石やタイル、レンガ等を一枚一枚貼着する場合に比べて、工期が大幅に短縮され、コストも大幅に削減できる上、天然石、陶磁器タイル、レンガ等とほぼ同等の美観性を表出することができる。
特に水平方向となる目地部においては、このような現象が生じやすく、壁面の美観性に悪影響を与えるおそれがある。
1.装飾塗材を用いて、目地構造を有する化粧面を仕上げるに際し、
水平方向の目地下縁部の傾斜角を鈍角にする工程、
形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
2.装飾塗材を用いて、目地構造を有する化粧面を仕上げるに際し、
該装飾塗材として形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である塗材を使用し、かつ、水平方向の目地下縁部の傾斜角を鈍角にする工程を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
3.(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3)装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(5)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
4.(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
5.(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(4)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
6.(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
本発明では、上述の方法で仕上げることで、汚染物質がたまりやすい目地下縁部の汚染を表面から見えなくするとともに、目地下縁部に汚染物質が付着したとしても、その汚染物質が目地方向に洗い流されやすくすることによって、化粧面の美観性を長期に亘り維持することができる。
さらに、水平方向の目地下縁部の傾斜角(θ)とは、図2に示すように、目地下縁部の装飾塗材部断面(装飾塗材傾斜部断面)の角度のことである。
目地部と装飾塗材部との傾斜角(θ)が微視的に90°以下であっても、巨視的に傾斜角(θ)が鈍角とみなすことができれば、本発明に包含される。このような条件としては、90°以下となる装飾塗材部の厚さが0.3mm以下(好ましくは0.2mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下)となる場合である。
例えば、図3(c)、図3(d)では、目地部と装飾塗材部との傾斜角(θ)が微視的に90°である部分が存在するが、90°となる装飾塗材部の厚さが0.3mm以下となる場合、巨視的に傾斜角(θ)は鈍角とみなすことができる。このような場合、90°以下となる装飾塗材部の厚さは無視できるものと考え、目地下縁部の傾斜角(θ)は、図3(c)、図3(d)に示すように測定すればよい。
目地断面の形状は、図4のように、目地上縁部、下縁部の形状と組み合わせて、適宜設定することができる。
水に対する接触角が70度以下であることにより、該表面は、親水性が高くなり、目地にたまりやすい汚染物質を降雨等により、目地方向に洗い流すことができる。そのため、化粧面の美観性を長期に亘り維持することができる。
このような目地形成方法では、目地を連続的につなぎ合わせることによって、汚染物質が化粧面外へ洗い流されやすい構造となり、好ましい。特に、垂直方向の目地、斜め方向の目地を組み合わせることによって、よりいっそう目地方向に汚染物質が洗い流されやすい構造となる。
(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3)装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(5)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(4)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
まず(1)基材に対し、下塗材を塗付する。(図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8(a))
これら着色剤は、結合剤の固形分100重量部に対し、通常5〜1200重量部、好ましくは50〜1000重量部の比率で混合する。
また、基材自体や目地形成材自体が、目地色となる場合は、透明性を有する下塗材を基材に塗付してもよいし、下塗材を塗付する工程を省くこともできる。
本発明では、下塗材の接着力を利用して目地形成材を貼り付けることもできる。この場合は、下塗材の乾燥前に、その表面に目地形成材を押し当てて固定化すればよい。
目地幅は、通常0.5〜200mm程度であり、この範囲内で適宜設定することができる。目地形成材の高さは、通常0.5〜10mm程度である。
また、目地形成材として太幅のもの(目地幅5〜200mm程度)を使用した場合は、目地のデザインを強調することができ、目地を利用した優れた意匠性を得ることもできる。特に、目地色となる下塗材と装飾塗材の色相を同系色(共色)にすることにより、目地を利用した独特のデザインに仕上げることができる。
このような目地棒式目地形成材としては、底面及び/または上面に剥離材等を予め備えていてもよい。また、側面にも、剥離しやすいように、何らかの剥離材を備えていてもよい。
このような目地棒式目地形成材を用いた場合、下塗材から形成される塗膜または基材の色彩が目地色となる。
このような埋め込み式目地形成材では、装飾塗材を塗付した後、目地芯材を取り外して、目地を形成するもので、目地色としては、目地基材の色彩となる。
結合剤のガラス転移温度は適宜設定することができ、通常は−50〜50℃、好ましくは−40〜40℃、より好ましくは−30〜30℃である。
骨材の粒径は、通常0.01mm〜5mm、好ましくは0.05〜2mmである。
これら骨材は、結合剤の固形分100重量部に対し、通常30〜1200重量部、好ましくは100〜1000重量部の比率で混合する。
形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を得る場合、例えば、後述するようなシリケート化合物、コロイダルシリカ、あるいは、公知の光触媒成分等の親水化成分を装飾塗材に添加すればよい。また、結合剤として、アクリルシリコン樹脂等の親水性の樹脂を使用することによって、形成塗膜の水に対する接触角を70度以下にすることもできる。
装飾塗材の平均膜厚としては、特に限定されないが、0.5〜15mm(好ましくは1〜12mm)程度となるように、塗付すればよい。
目地形成材として、上面や底面に剥離材が予め備えてある目地形成材を使用することもでき、例えば上面に剥離材が予め備えてある目地形成材(図9(b))を使用した場合、装飾塗材が未硬化の状態で、剥離材を剥離し、さらに装飾塗材が硬化してから、目地形成材を取り外すことによって、余分な装飾塗材を切り取ることができ、目地部と装飾塗材部との縁をきれいに仕上げることができる。
また、目地下縁部表面の水に対する接触角が70度以下となるように、目地形成材の側面に、接触角が70度以下となるような塗剤を付与しておいてもよい。
目地形成材を取り外した後に、目地下縁部の傾斜角を鈍角にする方法では、目地形成材を取り外した後、ローラー、コテ、刷毛、櫛、へら等を用いて装飾塗材を押し付けたり、また硬化した装飾塗材を何らかの方法で削ることによって、傾斜角を鈍角にすることが可能である。
目地調整板の材質としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ポリカーボネート等のプラスチック板及びゴム板等、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄等の無機板等、合板等を用いることができる。
本発明では、少なくとも目地下縁部に該上塗材を塗付することによって、本発明の効果を発揮することができるが、化粧面全面に該上塗材を塗付することが好ましい。化粧面全面に塗付することによって、たとえ目地下縁部から汚染物質が流れ出たとしても、該汚染物質を降雨等により洗い流すことができ、雨筋汚染等を防止し、化粧面の美観性を長期に亘り維持することができる。また、このような場合、建築物の温度上昇を抑制することもできる。
シリケート化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、モノエトキシトリメトキシシラン、モノブトキシトリメトキシシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等、あるいはこれらの縮合物等が挙げられ、または、これらの多価アルコール変性物等が挙げられる。また、カルボキシル基、水酸基、フルオロ基、スルホン基、オキシアルキレン基等を含有するシリケート化合物を使用することもできる。このようなシリケート化合物の形態は、液状、ゾル状、ゲル状、粒状特に限定されない。ゾル状のシリケート化合物(シリカゾル)としては、例えば、平均一次粒子径が通常1〜200nm、好ましくは5〜100nmのものを使用することができる。
シリカゾルとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等、あるいはこれらの縮合物等を原料として製造することができ、上記シリケート化合物以外のアルコキシシラン化合物や、アルコール類、グリコール類、グルコールエーテル類、フッ素アルコール、シランカップリング剤、ポリオキシアルキレン基含有化合物等も併せて使用することができる。
このようなシリカゾルは、雨筋汚染をより防止することができ、化粧面の美観性を長期に亘り維持することができる。
シリカゾルが、被膜形成時にシリカ凝集体を形成するものであれば、装飾塗材の色相・質感保持の点で有利である。
シリカゾルは、結合剤の固形分100重量部に対し、通常固形分で50〜500重量部の比率で混合することが好ましい。
結合剤としては、例えば、上述の結合剤の中から適宜設定して用いることができる。
顔料としては、例えば、上述の着色顔料、体質顔料の中から適宜設定して用いることができる。
まず、(1)基材に対し、下塗材を塗付する(例えば、図11(a))。この工程では、(い)、(ろ)と同様の方法で、下塗材を塗付すればよい。
次に、(2)装飾塗材を塗付する(例えば、図11(b))。(2)の工程においても、(い)、(ろ)と同様の方法で、装飾塗材を塗付すればよい。
このような方法で用いるスタンプ式目地形成具としては、例えば、図12(a)〜(d)のようなものが挙げられ(ただし、これらに限定されるものではない。)、塗付した装飾塗材に、押し当てて、目地を形成させるものである。
スタンプ式目地形成具としては、例えば、図12に示すような、押圧部と非押圧部とからなるもの等が挙げられる。このようなスタンプ式目地形成具を用いた場合、通常、押圧部の断面形状が、目地断面形状を示す。
スタンプ式目地形成具の材質としては、上述した目地形成材に用いられる材質等が挙げられる。
また、押し当て時に、押圧部に装飾塗材が付着しないように、予め押圧部を水や溶剤等に浸した後に行うこともできる。また、予め押圧部に、上述した上塗材等を付与させて、押し当てることにより、押し当てると同時に、表面の水に対する接触角を70度以下にすることもできる。
スタンプ式目地形成具を押し当てた後に、目地下縁部の傾斜角を鈍角にする方法では、スタンプ式目地形成具を押し当てた後、ローラー、コテ、刷毛、櫛、へら等を用いて装飾塗材を押し付けたり、また硬化した装飾塗材を何らかの方法で削ることによって、傾斜角を鈍角にすることが可能である。
なお、図13に示すデザインは、上述した目地棒式目地形成材、埋め込み式目地形成材等にも適用可能である。
本発明の目地形成方法は、新築物件、改修物件等に適用することができ、現場での施工や、工場等での施工等に採用することができる。本発明では、特に現場にて、簡便に仕上げることができる。
・装飾塗材A:アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、最低造膜温度20℃)200重量部、酸化チタン分散液(固形分70重量%、粒子径0.3μm)40重量部、重質炭酸カルシウム(粒子径5〜10μm)140重量部、寒水石(粒子径0.1〜0.3mm)300重量部、造膜助剤10重量部、水60重量部、増粘剤5重量部、消泡剤3重量部を常法により均一に混合し、装飾塗材Aを得た(形成塗膜の水に対する接触角:90度)。
・装飾塗材B:アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、最低造膜温度20℃)200重量部、酸化チタン分散液(固形分70重量%、粒子径0.3μm)40重量部、重質炭酸カルシウム(粒子径5〜10μm)140重量部、寒水石(粒子径0.1〜0.3mm)300重量部、造膜助剤10重量部、水60重量部、増粘剤5重量部、消泡剤3重量部、下記に示すシリケート化合物A70重量部を常法により均一に混合し、装飾塗材Bを得た(形成塗膜の水に対する接触角:50度)。
・シリケート化合物A:テトラエトキシシランの縮合物である平均分子量750のエチルシリケート縮合物(平均分子量750、シリカ残量比率40重量%)100.0重量部と、平均分子量400のポリオキシエチレングリコールモノセチルエーテル(東京化成株式会社製)81.7重量部を混合し、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02重量部を添加して、75℃で8時間脱エタノール反応を行い、シリケート化合物Aを得た。
・上塗材A:アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、最低造膜温度20℃)200重量部、下記に示すシリケート化合物B70重量部、造膜助剤15重量部、増粘剤5重量部、消泡剤5重量部を常法により均一に混合し、上塗材Aを得た(形成塗膜の水に対する接触角:32度)
・シリケート化合物B:還流冷却器と攪拌羽根を備えた反応容器に、水分散性シリカゾル(pH7.6、固形分20重量%、平均1次粒子径27nm、電気伝導度0.6mS/cm)を500重量部仕込み、攪拌しながらトリフルオロエタノール0.3重量部を徐々に滴下した後、メトキシポリエチレングリコール0.15重量部を徐々に滴下した。次いで、80℃まで昇温して24時間攪拌を継続した後、室温まで放冷し、シリケート化合物Bを得た。
・上塗材B:アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、最低造膜温度20℃)200重量部、水溶性ウレタン樹脂(固形分35重量%)10重量部、水分散性シリカゾル(pH7.6、固形分20重量%、平均1次粒子径27nm)600重量部を混合し、さらに水を加えて固形分2重量%、pH7.2の上塗材Bを得た(形成塗膜の水に対する接触角:10度以下)。
また、上塗材Aの形成塗膜の水に対する接触角は、上塗材Aを、アルミ板(150mm×70mm)上に、アプリケーターにて、ウェット膜厚が0.125mmとなるように塗付し温度23度、相対湿度50%にて24時間乾燥させたものを試験体とし、該試験体をCA−A型接触角測定装置(協和界面科学株式会社製)にて測定(測定温度23度)した値である。
スレート板(900mm×900mm)の上に、下塗材Aをローラーにて塗付量200g/m2で塗付し、3時間養生させた。
次に、図9(d)に示すような目地棒式目地形成材(目地幅1cm、ポリエチレン製)を粘着剤にて、格子状に貼着させた。
次に、装飾塗材Aを塗膜厚が5mmとなるようにコテで塗付した。
次に、装飾塗材Aが乾燥する前に、目地棒式目地形成材を取り外し、目地下縁部の傾斜角が120°となるようにコテで押し付け、24時間養生させた。
次に、目地下縁部、及び、化粧面全面に、上塗材Aをスプレーにて塗付量200g/m2で塗付し、24時間養生させ、図1に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。
得られた試験体を、大阪府茨木市で南面向きに、垂直に静置し、屋外暴露を3か月間実施した。
3か月後、試験体表面の汚染状態について、目視にて評価した。評価は次の通り。結果は表1に示す。
4:表面の汚染がなく、優れた美観性を維持していた。
3:表面の汚染がほどんどなく、優れた美観性を維持していた。
2:表面の汚染が一部が見られた。
1:表面の汚染が見られた。
得られた試験体を、大阪府茨木市で南面向きに、垂直に静置し、屋外暴露を1年間実施した。
1年後、試験体表面の汚染状態について、目視にて評価した。評価は次の通り。結果は表1に示す。
4:表面の汚染がなく、優れた美観性を維持していた。
3:表面の汚染がほどんどなく、優れた美観性を維持していた。
2:表面の汚染が一部が見られた。
1:表面の汚染が見られた。
垂直に固定した試験体に、カーボン水溶液(カーボン0.1重量%)を吹付け、10分後、試験体上部から水1リットルを、試験体表面全面にいきわたるように、流し込んだ。その後、試験体表面の汚染状態について、目視にて評価した。評価は次の通り。結果は表1に示す。
4:表面の汚染がなく、優れた美観性を維持していた。
3:表面の汚染がほどんどなく、優れた美観性を維持していた。
2:表面の汚染が一部見られた。
1:表面の汚染が見られた。
スレート板(900mm×900mm)の上に、下塗材Aをローラーにて塗付量200g/m2で塗付し、3時間養生させた。
次に、図9(d)に示すような目地棒式目地形成材(目地幅1cm、ポリエチレン製)を粘着剤にて、格子状に貼着させた。
次に、装飾塗材Bを塗膜厚が5mmとなるようにコテで塗付した。
次に、装飾塗材Bが乾燥する前に、目地棒式目地形成材を取り外し、24時間養生させ、図1に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。(目地下縁部の傾斜角:120°)
得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。
スレート板(900mm×900mm)の上に、下塗材Aをローラーにて塗付量200g/m2で塗付し、3時間養生させた。
次に、装飾塗材Aを塗膜厚が5mmとなるようにコテで塗付した。
次に、装飾塗材Aが乾燥する前に、図12(a)に示すようなスタンプ式目地形成具(目地幅1cm、ポリエチレン製)を格子状に押し当て、24時間養生させた。(目地下縁部の傾斜角:120°)
次に、目地下縁部、及び、化粧面全面に、上塗材Aをスプレーにて塗付量200g/m2で塗付し、24時間養生させ、図14に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。
スレート板(900mm×900mm)の上に、下塗材Aをローラーにて塗付量200g/m2で塗付し、3時間養生させた。
次に、図9(d)に示すような目地棒式目地形成材(目地幅1cm、ポリエチレン製)を粘着剤にて、格子状に貼着させた。
次に、装飾塗材Bを塗膜厚が5mmとなるようにコテで塗付した。
次に、装飾塗材Bが乾燥する前に、目地棒式目地形成材を取り外し、24時間養生させ、図1に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。(目地下縁部の傾斜角:120°)
次に、目地下縁部、及び、化粧面全面に、上塗材Bをスプレーにて塗付量が固形分5g/m2で塗付し、24時間養生させ、図1に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。
スレート板(900mm×900mm)の上に、下塗材Aをローラーにて塗付量200g/m2で塗付し、3時間養生させた。
次に、図9(d)に示すような目地棒式目地形成材(目地幅2.5cm、ポリエチレン製)を用いて、図15に示すように、目地幅7.5mm、目地幅2.5mmとなるように粘着剤にて貼着させた。(目地幅7.5mmは、目地棒式目地形成材を3つつなぎ合わせて得ることができる。)
次に、装飾塗材Bを塗膜厚が5mmとなるようにコテで塗付した。
次に、装飾塗材Bが乾燥する前に、目地棒式目地形成材を取り外し、24時間養生させ、図13に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。(目地下縁部の傾斜角:120°)
次に、目地下縁部、及び、化粧面全面に、上塗材Aをスプレーにて塗付量200g/m2で塗付し、24時間養生させ、図15に示すような天然石調の化粧面を形成させ、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。
─────────────────────────────────
│ │実施例1│実施例2│実施例3│実施例4│実施例5│
─────────────────────────────────
│汚染性試験1│ 4 │ 4 │ 4 │ 4 │ 4 │
│汚染性試験2│ 3 │ 3 │ 3 │ 4 │ 3 │
│汚染性試験3│ 4 │ 3 │ 4 │ 4 │ 4 │
─────────────────────────────────
Claims (6)
- 装飾塗材を用いて、目地構造を有する化粧面を仕上げるに際し、
水平方向の目地下縁部の傾斜角を鈍角にする工程、
形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。 - 装飾塗材を用いて、目地構造を有する化粧面を仕上げるに際し、
該装飾塗材として形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である塗材を使用し、かつ、水平方向の目地下縁部の傾斜角を鈍角にする工程を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。 - (1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3)装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(5)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。 - (1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)脱着可能な目地形成材を貼り付ける工程、
(3´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(4)該装飾塗材が未硬化、または硬化した状態で、目地形成材を取り外し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。 - (1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
(4)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である上塗材を、少なくとも該目地下縁部に塗付する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。 - (1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2´)形成塗膜の水に対する接触角が70度以下である装飾塗材を塗付する工程、
(3)該装飾塗材が未硬化状態のうちに、スタンプ式目地形成具を用いて目地を形成し、該目地部の水平方向の目地下縁部の傾斜角が鈍角となるように処理する工程、
を含むことを特徴とする化粧面の目地形成方法。
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