JP4597494B2 - 下塗材組成物及びこれを用いた塗装方法 - Google Patents

下塗材組成物及びこれを用いた塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、錆を有する金属面に対して好ましく適用することができる下塗材組成物、及びこれを用いた塗装方法に関するものである。
建築物、土木構造物等に使用される金属部材に発生する錆は、美観性を損なうだけでなく、金属部材の強度低下の原因となるおそれがある。このため、錆が発生した部材に対しては、何らかの防錆処理が必要となる。
このような防錆処理としては、ケレン等によって錆をある程度除去した後、防錆下塗材を塗付し、さらに上塗材を塗付する方法が一般的である。
特開2000−140746号公報では、錆を有する金属面に対する塗装工法が開示されており、防錆下塗材として、エポキシ樹脂をベースとし、リン酸化合物及び有機キレート剤を含有する錆転換型防錆下塗材記載されている。
特開2000−140746号(特許請求の範囲)
しかしながら、錆が著しく発生した金属面に対して該公報に記載の下塗材を適用した場合には、錆層に塗料が吸い込まれてしまうため、多回数塗付しなければシール性が確保できないという問題がある。シール性が不十分であれば、上塗材の仕上り性、密着性等が低下するおそれもある。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、錆面に対するシール性が高く、優れた上塗り適合性を発揮することができる下塗材組成物、及びその下塗材組成物を用いた塗装方法を提供することを目的とするものである。
このような問題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、水酸基含有非水分散形樹脂と、キレート形成能を有する水酸基含有溶剤可溶形樹脂と、イソシアネート化合物とを必須成分とする下塗材組成物に想到した。すなわち、この下塗材組成物を使用すれば、錆を有する金属面に対し少ない塗装回数でシール性の高い下塗塗膜が形成でき、さらに、この下塗塗膜上に上塗材を形成すれば、仕上り性、密着性等に優れた塗膜が得られることを見い出し、本発明の完成に至ったのである。
本発明は下記の特徴を有するものである。

1. (A)水酸基含有非水分散形樹脂、(B)エポキシ樹脂とアミン化合物との反応物である水酸基含有溶剤可溶形エポキシ樹脂、(C)イソシアネート化合物を含有し、前記(B)成分がキレート形成能を有するカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基またはカルボニル基を含有するものであり、(A)成分/(B)成分の固形分重量比率が65/35〜35/65で、全溶剤のうち50重量%以上が脂肪族炭化水素であることを特徴とする下塗材組成物。
2.さらに脱水剤を含有することを特徴とする1.記載の下塗材組成物。

3.錆を有する金属面に対し、1.または2.記載の下塗材組成物を塗付した後、上塗材を塗付することを特徴とする塗装方法。
本発明によれば、錆面に対するシール性が高く、優れた上塗り適合性を発揮することができる下塗材組成物を得ることができる。
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
本発明の下塗材組成物は、(A)水酸基含有非水分散形樹脂、及び(B)キレート形成能を有する水酸基含有溶剤可溶形樹脂を結合剤とし、その硬化剤として(C)イソシアネート化合物を含有するものである。
[(A)水酸基含有非水分散形樹脂]
本発明における(A)成分は、水酸基含有非水分散形樹脂(以下「(A)成分」という)である。この(A)成分は、非水系溶剤に溶解可能な樹脂部分と溶解しない樹脂部分の両方を併せ有し、非水系溶剤に分散しているものである。(A)成分は、通常、非水系溶剤に可溶な樹脂の存在下で、各種のラジカル重合性不飽和モノマーを常法により重合させることによって得ることができる。
本発明組成物では、(A)成分が必須成分として含まれることにより、優れたシール性を発揮することが可能となる。
(A)成分は、水酸基含有モノマーを他の共重合可能なモノマーと共重合して得ることができる。水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、あるいはこれらとε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等ラクトン類との付加物、等が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を共重合することにより得られる。
水酸基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、スチレン誘導体、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸ジアルキルエステル、フルオロオレフィン、反応性シリル基含有ビニル系化合物等が挙げられる。この他、キレート形成能を有する化合物を使用することもできる。
(A)成分としては、重量平均分子量が10000〜300000、好ましくは50000〜150000のものが使用できる。重量平均分子量が10000より小さい場合は、少ない塗回数でシール性の良い塗膜を形成することが困難となる。また、耐水性等の塗膜物性が低下するおそれがある。重量平均分子量が300000より大きい場合は、十分な成膜性能が得られないおそれがある。
(A)成分の水酸基価は、通常10〜100KOHmg/g、好ましくは15〜80KOHmg/gである。水酸基価が10KOHmg/gより小さい場合には、十分な架橋密度が得られず、各種塗膜物性が劣り、100KOHmg/gより大きい場合は、ポットライフが短くなったり、密着性が低下したりする傾向となる。
(A)成分のガラス転移点は、通常−50〜100℃、好ましくは−30〜80℃である。
[(B)水酸基含有溶剤可溶形樹脂]
本発明では、結合剤として、上述の(A)成分に加え、(B)水酸基含有溶剤可溶形樹脂(以下「(B)成分」という)を使用する。この(B)成分は、錆層へ浸透性し、そのキレート形成能によって錆との結合性を高める役割を担うものである。(B)成分においてキレート形成能を有する官能基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、チオール基、カルボニル基等が挙げられる。
(B)成分としては、このようなキレート形成能を有し、さらに後述の(C)イソシアネート化合物と反応可能な水酸基を含有する溶剤可溶形樹脂を使用することができる。(B)成分の水酸基価は、通常10〜300KOHmg/g、好ましくは20〜200KOHmg/gである。
本発明における(B)成分としては、特に、水酸基含有溶剤可溶形変性エポキシ樹脂(以下「(B−1)成分」という)が好適である。この(B−1)成分は、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環させることにより、水酸基を生成させたものである。(B−1)成分としては、例えば、エポキシ樹脂とアミン化合物との反応物、エポキシ樹脂と脂肪酸との反応物等が挙げられる。このうち、本発明では特に、エポキシ樹脂とアミン化合物との反応物が好適である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との共重合型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレンノボラックのポリグリシジルエーテル、フェノール−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレン−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常100〜10000程度である。
アミン化合物としては、第2級アミノ基含有化合物が好適であり、例えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のジアルキルアミン類、N−メチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。このうち、アミン化合物としてはアルカノールアミン類が好適である。
エポキシ樹脂とアミン化合物とを反応させる方法については、公知の方法を採用することができる。エポキシ樹脂とアミン化合物の反応比率は、通常、エポキシ基1当量に対しアミノ基が0.5〜2.0程度とする。
本発明では、(A)成分/(B)成分の固形分重量比率が95/5〜5/95であることが望ましく、より望ましくは85/15〜15/85、さらに望ましくは65/35〜35/65である。これにより、錆層への浸透性、シール性、上塗り適合性のバランスに優れた塗膜を形成することができる。(A)成分の重量比率が小さい場合は、シール性が不十分となるおそれがある。また、上塗材として有光沢塗料を塗装した場合に、光沢度が低下する傾向となる。(B)成分の重量比率が小さい場合は、錆を安定化する効果が不十分となるおそれがある。
[(C)イソシアネート化合物]
本発明では、(A)成分及び(B)成分の硬化剤として、(C)イソシアネート化合物を混合する。このような硬化剤としては、例えば、バーノックDN−990、同DN−991、同DN−992(共に大日本インキ化学工業株式会社製)、デュラネートTSA(旭化成工業株式会社製)、タケネートD−177N(三井武田ケミカル株式会社製)等が例示できる。これら硬化剤は、溶解力の弱い溶剤へも溶解するので、好適に使用することができる。
その他、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーをアロハネート、ビウレット、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等により、誘導体化したもの、及びそれらの混合物等を溶解力の強い溶剤に溶解して使用することも可能である。
なお、本発明における(C)成分としては、通常、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を使用する。
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分の総量に対し、NCO/OH当量比率が0.1〜2.0(好ましくは0.2〜1.0、さらに好ましくは0.2〜0.95)となるように混合することが望ましい。このときNCO/OH当量比率がこのような値より大きい場合は、上塗材との密着性が低下するおそれがある。NCO/OH当量比率が小さい場合は、塗膜の架橋率が低くなり、硬化性、耐久性が劣る傾向となる。
[溶剤]
本発明の下塗材組成物は、溶剤として非水系溶剤を用いるもので、全溶剤のうち、50重量%以上が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形の塗料組成物である。このような脂肪族炭化水素系溶剤は、芳香族炭化水素系溶剤に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さいという特徴を有している。また、既存塗膜を含む面に塗装を行った際のリフティング防止にも寄与するものである。さらに、脂肪族炭化水素系溶剤は、適度な蒸発速度を有するため、本発明下塗材組成物の錆層への浸透性に対しても有利にはたらくものである。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカンのほか、テルピン油やミネラルスピリット等が例示できる。この他、「HAWS」、「LAWS」(シェル化学株式会社製品)等の脂肪族炭化水素系溶剤を高比率で含む溶剤を使用することもできる。
このような脂肪族炭化水素系溶剤の他には、通常塗料に用いられる非水系溶剤を使用することも可能であるが、その比率は50重量%未満(好ましくは40重量%未満、さらに好ましくは30重量%未満)とする。このような非水系溶剤としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が例示できる。
本発明では、このような非水系溶剤のうち、50重量%以上が脂肪族炭化水素となるように1種又は2種以上を組み合わせて使用する。特に、トルエン、キシレンを含まず、引火点21℃以上の第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。脂肪族炭化水素が50重量%より少ない場合は、臭気が強くなり作業安全性が低下したり、既存塗膜を含む面に塗装を行った際にリフティングが発生したりするおそれがある。さらには、錆層への浸透性が不十分となるおそれもある。
[脱水剤]
本発明の下塗材組成物では、脱水剤を混合することができる。脱水剤の混合により、錆面が水分を含む場合であっても、優れた密着性を発揮することができる。
脱水剤としては、例えば、オルト蟻酸トリアルキル、オルト酢酸トリアルキル、オルト硼酸トリアルキル、モノイソシアネート化合物等が挙げられる。このうち、オルト蟻酸トリアルキルとしては、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリブチル等が挙げられる。オルト酢酸トリアルキルとしては、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチル等が挙げられる。オルト硼酸トリアルキルとしては、オルト硼酸トリメチル、オルト硼酸トリエチル、オルト硼酸トリブチル等が挙げられる。モノイソシアネート化合物としてはフェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、イソシアネートエチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明組成物における脱水剤としては、特に、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリブチル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチルから選ばれる1種以上が好適である。このような化合物は、被塗面に残存した水分との化学反応により、エステルとアルコールを生じる。例えば、オルト酢酸トリメチルの場合は、酢酸メチルとメタノールを生じる。
脱水剤として上述の化合物を使用した場合は、化合物自体が揮発性を有し、さらには残存する水との反応生成物(エステル及びアルコール)も揮発性を有し、大気中に容易に揮発するため、形成塗膜の物性に悪影響を与えない点で好ましい。
本発明組成物における脱水剤の含有量は、樹脂の固形分((A)成分と(B)成分の合計固形分)100重量部に対し、通常0.5〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。このような含有量であれば、含水下地に対する密着性を十分に高めることができる。
[その他の成分]
本発明組成物では上述の成分の他、防錆顔料、着色顔料、体質顔料、硬化促進剤、安定錆形成助剤等を混合することもできる。
防錆顔料としては、例えば、亜鉛末、水酸化鉄、硫酸銅、硫酸ニッケル、クロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム、酸化鉄、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛等が挙げられる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系等の有機顔料が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、ジブチルスズアセテート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、チタニウムビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトナート)等の金属キレート化合物類等が挙げられる。
安定錆形成助剤としては、例えば、酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、硝酸クロム、リン酸クロム等が挙げられる。
本発明の下塗材組成物には、上述の成分以外にも、通常塗料に配合することが可能な各種添加剤を本発明の効果に影響しない程度に配合することが可能である。このような添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明下塗材組成物の固形分は、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。固形分をこのような範囲内に設定すれば、錆層への浸透性とシール性とのバランスが良好となり、さらに塗装作業性を高めることもできる。
[適用面・塗装方法]
本発明組成物は、建築物、土木構築物等における金属面用の下塗材として使用するものである。具体的には、例えば建屋鉄骨、鉄扉、手摺、柵、門扉、架台、軽量鉄骨、ガードレール、橋梁、鉄塔等に適用することができる。これら金属面は、既にアルキッド樹脂系塗料、塩化ゴム系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等による各種塗膜が形成されたものであってもよい。
下塗材を塗装する前処理としては、ディスクサンダー、ワイヤーホイル、スクレーパー、ワイヤーブラシ、サンドペーパー等によるケレンを行うことが望ましい。その他、シンナーや酸等による処理を行うこともできる。
また、前処理として錆面を洗浄することもできる。すなわち、錆面を洗浄した後に下塗材を塗装してもよい。特に、脱水剤を含む下塗材を使用すれば、このような洗浄工程によって水分が残存した場合であっても、下塗材における密着性の低下を十分に抑制することができる。そのため、洗浄後の錆面が完全に乾燥するのを待たなくても塗装工程に入ることができ、工期短縮の点においても有利である。
洗浄工程においては、錆面の付着物等が除去可能な方法を適宜採用すればよい。洗浄方法としては、例えば、水による高圧水洗等が挙げられる。
本発明における下塗材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装種々の方法を用いて塗装することができる。塗装時の塗付量は、通常50〜500g/m、好ましくは100〜300g/mである。
下塗材の塗回数は、被塗面の表面状態等によって適宜設定すればよいが、通常1〜2回である。本発明の下塗材では、このような少ない塗回数であっても、錆層への浸透性とシール性とを兼備した塗膜が形成できる。
下塗材の乾燥時間は、通常3時間以上とすればよい。
下塗材を乾燥させた後、各種上塗材を塗装することができる。
上塗材としては、化粧性を有するものであれば特に限定されず、各種のものを使用することができる。具体的には、例えば、アルキッド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等が挙げられる。これら上塗材は、弱溶剤形塗料または水性塗料であることが望ましい。
上塗材は1層で仕上げてもよく、2層以上を積層して仕上げることもできる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(下塗材製造)
表1に示す配合にて下塗材1〜10を製造し、以下に示す各試験を行った。なお、下塗材を製造する際の原料としては、下記のものを使用した。
・樹脂1:水酸基含有非水分散形樹脂(モノマー組成:MMA,EA,St,2−EHA,i−BMA,2−HEMA、固形分:50重量%、水酸基価:20KOHmg/g、重量平均分子量:80000、ガラス転移温度:35℃、溶剤:ミネラルスピリット)
・樹脂2:水酸基含有溶剤可溶形樹脂(モノマー組成:St,2−EHA,i−BMA,2−HEMA、固形分:50重量%、水酸基価:20KOHmg/g、重量平均分子量:20000、ガラス転移温度:35℃、溶剤:ミネラルスピリット)
・樹脂3:水酸基含有溶剤可溶形樹脂 (モノマー組成:MMA,St,n−BA,2−HEMA、固形分:50重量%、水酸基価:20KOHmg/g、重量平均分子量:40000、ガラス転移温度:50℃、溶剤:キシレン,酢酸ブチル)
・樹脂4:リン酸基・水酸基含有溶剤可溶形変性エポキシ樹脂(リン酸変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂のジアルカノールアミン付加物、固形分:50重量%、水酸基価:110KOHmg/g、溶剤:HAWS(シェル化学株式会社製品))
・硬化剤:イソシアネート化合物(固形分:80重量%、NCO含有率:15重量%)
・脱水剤:オルト酢酸トリメチル
但し、MMA:メチルメタクリレート,EA:エチルアクリレート,St:スチレン,2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート,n−BA:n−ブチルアクリレート,i−BMA:i−ブチルメタクリレート,2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
Figure 0004597494
(試験方法)
(1)浸透性試験
JIS G3141「冷間圧延鋼板及び鋼帯」に規定される鋼板SPCC−SBを屋外にて3ヵ月暴露することによって錆を発生させた鋼板に対し、下塗材を塗付量150g/mで刷毛塗りし、標準状態(温度23℃、湿度50%)にて7日間養生後、碁盤目テープ法(4×4mm・25マス)により、錆層に対する浸透性を評価した。評価は、
◎:剥離なし
○:錆層内破断が2/25未満
△:錆層内破断が2/25以上5/25未満
×:錆層内破断が5/25以上
とした。
また、暴露後の鋼板の表面を十分に水洗いし、標準状態で2時間放置後、下塗材を塗付量150g/mで刷毛塗りして得られた試験体についても、同様に試験を行った。
(2)上塗り適合性試験
JIS G3141「冷間圧延鋼板及び鋼帯」に規定される鋼板SPCC−SBを屋外にて3ヵ月暴露することによって錆を発生させた鋼板に対し、下塗材を塗付量150g/mで刷毛塗りした。標準状態にて3時間養生後、上塗材(商品名「クリーンマイルドウレタン」;エスケー化研株式会社製)を塗付量200g/mで刷毛塗りした。
標準状態にて7日養生後、塗膜表面の鏡面光沢度(測定角度:60度)を測定することにより上塗り適合性を評価した。評価は、
◎:鏡面光沢度70以上
○:鏡面光沢度65以上70未満
△:鏡面光沢度60以上65未満
×:鏡面光沢度60未満
とした。
(3)耐リフティング性試験
2液弱溶剤可溶形アクリルウレタン樹脂塗料(商品名「クリーンマイルドウレタン」;エスケー化研株式会社製)をブリキ板上にスプレーにて塗装したものを試験基材とした。この試験基材に、カッターを用いて5×4cmの切り傷(Xカット)を付け、Xカット部分に試験塗料を刷毛塗りしたときのリフティングの有無を目視にて確認した。評価は、
◎:リフティング発生せず
○:Xカット部にわずかにリフティング発生
△:Xカット部にリフティング発生
×:Xカット部以外の平面部分にもリフティング発生
とした。
(試験結果)
試験結果を表2に示すように、実施例1〜ではいずれの試験においても良好な結果を得ることができた。
これに対し、比較例1及び3では、上塗り適合性に劣る結果となった。比較例2では錆層への浸透性に劣る結果となった。比較例4では、上塗り適性及び耐リフティング性に劣る結果となった。
Figure 0004597494

Claims (3)

  1. (A)水酸基含有非水分散形樹脂、(B)エポキシ樹脂とアミン化合物との反応物である水酸基含有溶剤可溶形エポキシ樹脂、(C)イソシアネート化合物を含有し、前記(B)成分がキレート形成能を有するカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基またはカルボニル基を含有するものであり、(A)成分/(B)成分の固形分重量比率が65/35〜35/65で、全溶剤のうち50重量%以上が脂肪族炭化水素であることを特徴とする下塗材組成物。
  2. さらに脱水剤を含有することを特徴とする請求項1記載の下塗材組成物。
  3. 錆を有する金属面に対し、請求項1または請求項2記載の下塗材組成物を塗付した後、上塗材を塗付することを特徴とする塗装方法。
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