JP3354485B2 - 透湿性塗料組成物 - Google Patents

透湿性塗料組成物

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JP3354485B2
JP3354485B2 JP10509998A JP10509998A JP3354485B2 JP 3354485 B2 JP3354485 B2 JP 3354485B2 JP 10509998 A JP10509998 A JP 10509998A JP 10509998 A JP10509998 A JP 10509998A JP 3354485 B2 JP3354485 B2 JP 3354485B2
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moisture
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート、モ
ルタル、サイディングボード、ALC、押出成形板、木
質合板等の、透湿性を有する各種基材の、表面仕上げに
適用される透湿性塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、建築物、土木構築物等の躯体の保
護、意匠性の付与および、美観性の向上のため塗装仕上
げが行われている。このような塗装仕上げの中で、建築
物、土木構築物等の躯体の保護という観点では、躯体内
部への雨水の浸入を防止する防水性が重要な機能となっ
ている。近年このような防水性の塗膜を施すことによ
り、外部からの雨水の浸入は遮蔽することが可能となっ
た。しかしながら、反対に建築物内部や土木構築物内部
で発生する水蒸気の、躯体内部への浸入による水分が、
防水性塗膜の水分遮蔽性能によって躯体内部に留まり、
冬期には躯体内部での凍結による躯体の破壊を生じた
り、防水性塗膜の裏面への局在化による塗膜の膨れの原
因になるという新たな問題を生じることになった。これ
に対して、防水性塗膜の改良によって、従来の防水性能
を維持し、水蒸気の透過のみを許容する、透湿機能を有
した新たな塗料組成物が開発されるようになってきた。
【0003】一方、躯体の保護の効果も長期にわたって
持続することが求められてきた。このため、近年フッ素
樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料、アクリルウレタ
ン樹脂塗料等の高耐久性塗料の出現により、躯体の保護
効果を飛躍的に長期化させることが可能となった。しか
しながら、これらの高耐久性塗料はその耐久性により、
かえって塗膜表面の汚染の問題がクローズアップされる
結果となった。
【0004】すなわち、これらの高耐久性塗料以前の塗
料によって形成される塗膜は、太陽光の紫外線によって
表面が劣化し、汚染物質の付着が生じたとしても、塗膜
表面の劣化部分とともに剥落除去されていたのである
が、塗膜の耐久性が向上したため、塗膜表面の劣化剥落
の機構が機能できなくなったのである。特に最近は、都
心や都市近郊において、自動車等からの排出ガスによ
り、大気中に油性の汚染物質が浮遊している状況で、そ
れら油性の汚染物質が、高耐久性塗料から形成された塗
膜表面に付着した場合には、著しいすす状あるいはすじ
状の汚染(以下、「雨筋汚れ」という)を生じ、都市景
観の向上のため施したはずの塗装仕上げが意味をなさな
い場合があった。防水性塗料においても、このような傾
向は否めず、塗膜表面の汚染により透湿効果の低下を招
く場合もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、透湿性と防水性の相反する効
果を有しながら、塗膜表面の耐汚染性、とりわけ汚染物
質の自然除去効果が非常に優れるため、経時的な透湿効
果の低下を生じない塗膜を形成する塗料組成物を得るこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明者らは、鋭意検討の結果、形成される塗
膜がミクロな気孔を有し、なおかつ、その塗膜表面へ付
着した汚染物質が、自然に除去される機構を有するもの
が、長期にわたる防水性、透湿性の両機能を維持できる
のではないかと想到し本発明を完成した。
【0007】すなわち、 1.(A)重量平均分子量が5000〜150000、
水酸基価が20〜100KOHmg/gである、非水デ
ィスパージョン形(以下、「NAD形」という)ポリオ
ール分散体の樹脂固形分100重量部に対して、(C)
テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合物
を、SiO2 換算で1.0〜50.0重量部含有し、前
記テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合
物が、該縮合物中のアルキル基が、炭素数1〜3と炭素
数4〜12のものの混在したものであり、その混在比率
は炭素数4〜12のアルキル基が、該縮合物中の全アル
キル基の5〜50%であることを特徴とする透湿性を有
する躯体用の透湿性塗料組成物。
【0008】2.(A)重量平均分子量が5000〜1
50000、水酸基価が20〜100KOHmg/gで
ある、NAD形ポリオール分散体の樹脂固形分100重
量部に対して、(B)イソシアネートをNCO/OH比
率で0.7〜2.0となるように含有しさらに(C)テ
トラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合物
を、SiO2 換算で1.0〜50.0重量部含有し、前
記テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合
物が、該縮合物中のアルキル基が、炭素数1〜3と炭素
数4〜12のものの混在したものであり、その混在比率
は炭素数4〜12のアルキル基が、該縮合物中の全アル
キル基の5〜50%であることを特徴とする透湿性を有
する躯体用の透湿性塗料組成物。
【0009】
【0010】3.テトラアルコキシシランの平均縮合度
4〜10の縮合物が、一般式
【化4】 (式中、R1 〜R4 は炭素数1〜3のアルキル基と炭素
数4〜12のアルキル基が混在しているものとする)で
表されるテトラアルコキシシランを、平均縮合度4〜1
0、重量平均分子量が500〜2500となるように縮
合したテトラアルコキシシラン低縮合物であることを特
徴とする1.又は2.に記載の透湿性を有する躯体用の
透湿性塗料組成物。
【0011】4.テトラアルコキシシランの平均縮合度
4〜10の縮合物が、(a)一般式
【化5】 (式中、R5 は炭素数1〜3のアルキル基とし、nは4
〜10の整数とする)で表されるアルキルシリケート低
縮合物を、(b)一般式
【化6】R6 −OH (式中、R6 は炭素数4〜12のアルキル基とする)で
表されるアルコールを用いて、(a)アルキルシリケー
ト低縮合物のアルキル基のうち5〜50%をエステル交
換した化合物であることを特徴とする1.又は2.に記
載の透湿性を有する躯体用の透湿性塗料組成物。
【0012】5.さらに(D)繰り返し単位の数が2〜
40のポリアルキレンオキサイド鎖を含有する、重量平
均分子量150〜3500のアルコキシシラン化合物
を、(A)ポリオールの樹脂固形分100重量部に対し
て、固形分で0.1〜20重量部含有することを特徴と
する1.〜4.のいずれかに記載の透湿性を有する躯体
用の透湿性塗料組成物。 .塗料中の全溶剤のうち、50重量%以上が脂肪族炭
化水素であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに
記載の透湿性を有する躯体用の透湿性塗料組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のNAD形樹脂分散体は、
溶剤中に樹脂粒子が分散したものであり、樹脂の一部
に、非水系溶剤に溶けるような成分を入れ、その他の部
分にその非水系溶剤に溶けない成分を入れたものであ
る。このような樹脂は成分中の非水系溶剤に溶けない部
分が、粒子状にまとまり、非水系溶剤に溶ける部分が膨
潤(一部溶解)して、粒子表面から非水系溶剤中に伸び
ている。非水系溶剤の存在下においては、この膨潤(一
部溶解)した部分が立体障害となり、粒子同士が融着せ
ず安定に存在している。このNAD形樹脂分散体の成膜
機構は、溶剤の揮発とともに、粒子間が接近し、最終的
に粒子同士が融着して塗膜を形成するものであり、形成
された塗膜はミクロな気孔を有していることが特徴であ
る。
【0014】このようなNAD形樹脂分散体は、NAD
形樹脂粒子をポリオールによって構成し、イソシアネー
トを硬化剤として使用する二液タイプもあり、二液タイ
プの場合は、三次元構造の強い膜が形成できることが特
徴である。従って、塗膜の耐候性を重視する場合には、
二液タイプのものを用いることが望ましい。
【0015】このような二液タイプのNAD形樹脂分散
体として用いるポリオール(以下「(A)成分」とい
う)も、非水系溶剤中に樹脂粒子として分散しているも
のであり、非水系溶剤に溶解可能な樹脂部分と溶解しな
い樹脂部分の両方を合わせ持っているものである。
【0016】非水系溶剤に溶解可能な樹脂部分とは、非
水系溶剤への溶解度が99.0重量%以上のものであ
る。これは、非水系溶剤の種類によるため、最終的に分
散させる非水系溶剤へ溶解するものであればよい。
【0017】逆に、非水系溶剤に溶解しない樹脂部分と
は、非水系溶剤へ全く溶解しないか、又は極少量(例え
ば、溶解度が1.0重量%未満)のものである。これ
も、非水系溶剤の種類によるため、最終的に分散させる
非水系溶剤にほとんど溶解しないものを用いる。具体例
としては、アクリルポリオールを溶解可能な樹脂部分に
用いたNAD形ポリオールが挙げられる。
【0018】(A)成分の溶解性パラメーター(以下
「SP」という。)は、6.5〜9.5程度であり、こ
のようなSPのものを使用することにより、弱溶剤とよ
ばれる溶解力の弱い溶剤類にも分散可能となり、弱溶剤
形の塗料とすることができる。弱溶剤形とすることによ
り、改装の場合に塗付面に存在する旧塗膜をあまり溶解
せず、積層塗膜の場合における中塗材塗膜と下塗材塗膜
の溶解力の相違による、中塗材塗膜の浮き上がり(リフ
ティング)現象が生じにくくなる。勿論、中塗材塗膜、
下塗材塗膜の組み合わせにより、溶解力の強い強溶剤に
分散して使用することも可能である。
【0019】非水系溶剤とは、水以外の溶剤のうちポリ
オールに使用できる溶剤を全て含有するが、一般的な溶
剤としては有機溶剤類があげられる。有機溶剤類として
は、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エ
ステル、ケトンなどがあげられる。但し、芳香族炭化水
素系溶剤、エステル、ケトンなどは単独で使用するとN
AD形樹脂分散体が安定に存在できないため、脂肪族炭
化水素系溶剤を主体として少量併用する程度である。
【0020】脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、
n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカンのほ
か、テルピン油やミネラルスピリットなどが例示でき
る。芳香族炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、ソルベントナフサ等があげられる。その他の溶剤と
しては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどが例示できる。この様
な非水系溶剤のうち、1種又は2種以上を組み合わせて
使用すればよい。(A)成分は、重量平均分子量が50
00〜150000、水酸基価が20〜100KOHmg/g
のものが透湿性と防水性のバランスから望ましい。
【0021】硬化剤に用いるイソシアネート(以下
「(B)成分」という)としては、バーノックDN−9
90、同DN−991、同DN−992(共に大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)、デュラネートTSA(旭化
成工業株式会社製)、タケネートD−177N(武田薬
品工業株式会社製)、デスモデュールZ−4270(住
友バイエルウレタン株式会社製)などが例示できる。こ
れらの硬化剤は、溶解力の弱い溶剤へも溶解するので、
好適に使用できる。
【0022】その他、トルエンジイソシアネート(TD
I)、4,4−ジフェニルメタンジソシアネート(pu
re−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモ
ノマーをアロハネート、ビウレット、2量化(ウレチジ
オン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カ
ルボジイミド反応等により、誘導体化したもの、及びそ
れらの混合物などを溶解力の強い溶剤に溶解して使用す
ることも可能である。(B)成分を溶解する溶剤につい
ては、(A)成分の非水系溶剤で例示したのと同様の溶
剤が使用できる。
【0023】さらに、これらの(B)成分は、アルコー
ル類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム
類、活性メチレン化合物類などのブロック剤を用いたブ
ロックイソシアネートの形態でも使用できる。これら
も、溶剤による溶液として使用することが好ましい。こ
れらの(B)成分と(A)成分との混合は、NCO/O
H比率で0.7〜2.0、好ましくは0.8〜1.5と
なるような比率で行うことが、透湿性と防水性のバラン
スから望ましい。
【0024】本発明では、耐汚染性を向上させ、透湿性
を経時的に低下させないために、テトラアルコキシシラ
ンの平均縮合度4〜10の縮合物(以下、「(C)成
分」という)を配合する。
【0025】(C)成分は、前述のNAD形樹脂分散体
から形成される気孔を有する塗膜中において、表面に局
在化して塗膜表面を親水性化する。表面が親水性化した
塗膜は、その表面に汚染物質が付着した場合でも、降雨
により水が汚染物質と塗膜表面の間に浸入して、汚染物
質を浮き上がらせ、雨水とともに洗い流してしまう。こ
のような機能によって、NAD形樹脂分散体塗膜の気孔
は経時的にも閉塞することが防止される。さらに(C)
成分は、NAD形樹脂分散体塗膜表面近辺において、適
度に縮合してシロキサン結合を形成する。このシロキサ
ン結合の網目は、水蒸気分子を透過し、水分子を透過さ
せないフィルター効果を発揮するため、このような
(C)成分を含有するNAD形樹脂分散体塗膜全体とし
ては、透湿性と防水性の両方の機能を発揮するものとな
る。
【0026】このような(C)成分は、テトラアルコキ
シシランの平均縮合度4〜10の縮合物であるが、該縮
合物中のアルキル基が炭素数1〜3と炭素数4〜12の
ものが混在している場合に、NAD形樹脂分散体塗膜中
における局在化の状態が適正なものとなり、(A)成分
との相溶性が良好となる。(C)成分は、テトラアルコ
キシシランの低縮合物であるが、高縮合度(縮合度が1
0より大きいもの)、高分子量のものは、製造が難し
く、粘度上昇等により取り扱いが不便であるため好まし
くない。逆に、平均縮合度が3以下で、低分子量のもの
は、揮発性が高くなりやはり取り扱いが不便であるため
好ましくない。(C)成分は、該低縮合物の全体のアル
キル基のうち、約5〜50%が炭素数4〜12のアルキ
ル基となるようにしたものが(A)成分との相溶性、塗
膜の耐汚染性に優れるため好ましいものとなる。
【0027】本発明の(C)成分において、縮合物中の
アルキル基が炭素数1〜3と炭素数4〜12のものが混
在しているものは、以下のような方法により製造するこ
とが可能であるが、これに限定されるものではない。
【0028】(製造例1)一般式
【化7】 (式中、 〜R は炭素数1〜3のアルキル基と炭素
数4〜12のアルキル基が混在しているものとする)で
表されるテトラアルコキシシランを平均縮合度4〜1
0、重量平均分子量が500〜2500となるように縮
合させる。縮合方法は、公知の方法による。
【0029】式中、 〜R のアルキル基の部分が、
炭素数1〜3のものと炭素数4〜12のものが混在して
いることにより、(A)成分との相溶性が飛躍的に向上
し、表面配向性に優れ、塗膜物性の優れた非汚染塗膜が
形成できるものである。このようなテトラアルコキシシ
ランを縮合して、低縮合物とした際に、全体のアルキル
基のうち、約5〜50%が炭素数4〜12のアルキル基
となるようにしたものが(A)成分との相溶性、塗膜の
耐汚染性に優れるため好ましいものとなるが、炭素数4
〜12のアルキル基が全体の約5〜50%となるように
するために、縮合の際に、他のアルキルシリケート(ア
ルキル基の炭素数は1〜3であるもの)を混合して縮合
するのは有効な手段である。
【0030】具体例としては、モノブトキシトリメトキ
シシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘ
トキシトリメトキシシラン、ジブトキシジエトキシシラ
ン等の低縮合物があげられるが、これに限定されるもの
ではない。
【0031】(製造例2) (a)一般式
【化8】 (式中、 は炭素数1〜3のアルキル基とし、nは4
〜10の整数とする)で表されるアルキルシリケート低
縮合物(以下、「(a)成分」という)を、(b)一般
【化9】 (式中、 は炭素数4〜12のアルキル基とする)で
表されるアルコール(以下、「(b)成分」という)を
用いて、(a)成分のアルキル基部分の約5〜50%を
エステル交換する。
【0032】(a)成分としては、具体的にはテトラメ
チルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n
−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケー
トなどの低縮合物があげられる。特に、テトラメチルシ
リケートやテトラエチルシリケートが一般的である。平
均縮合度は4〜10が好ましく、平均縮合度が大きくて
も小さくても、取り扱いが不便になるので好ましくな
い。
【0033】(b)成分としては、具体的にはn−ブチ
ルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルア
ルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアル
コール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコー
ル、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコー
ルが例示できる。
【0034】(a)成分を(b)成分によりエステル交
換する際には、(a)成分の全てのアルキル基(
を(b)成分のアルキル基( )にエステル交換して
しまうのではなく、(a)成分のアルキル基のうち、全
体の約5〜50%をエステル交換したものを使用する。
【0035】その交換比率は、(a)成分1モルに対し
て、(b)成分を1〜12モル用いて、エステル交換さ
せるとよい。この交換比率は、(a)成分の平均縮合度
によって適宜調整するが(a)成分のアルキル基のう
ち、全体の約5〜50%をエステル交換することによ
り、(A)成分との相溶性や、塗膜の耐汚染性が優れた
ものとすることができる。このエステル交換率が低くな
ると、相溶性が悪くなり、表面配向性が十分でなくな
る。また、エステル交換率が高くなると、加水分解反応
を起こしにくくなり、塗膜が親水性になりにくく、耐汚
染性が悪くなる傾向にある。
【0036】このようにして製造した(C)成分は、
(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、SiO
換算で1.0〜50.0重量部、好適には2.0〜3
0.0重量部配合する場合が、耐汚染性や耐ひび割れ性
に優れており望ましい。
【0037】ここでSiO 換算とは、アルコキシシラ
ンやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完
全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ
SiO )となって残る重量分にて表したものであ
る。一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反
応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらに
シラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反
応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行う
と、シリカ(SiO )となる。これらの反応は
【化10】 という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシ
リカ成分の量を換算したものである。実際の計算は、
【数1】 の式により行った。
【0038】次に本発明では、(D)ポリアルキレンオ
キサイド鎖を含有するアルコキシシラン化合物(以下
「(D)成分」という)をさらに加えることにより、塗
膜表面をさらに初期より親水性にすることが可能にな
り、初期より優れた耐汚染性を得ることが可能である。
(D)成分は、アルキレンオキサイドの繰り返し単位
と、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基を有する
化合物である。かかる(D)成分のポリアルキレンオキ
サイド繰り返し単位は、そのアルキレン部分の炭素数は
2〜4であり、繰り返し単位の数は2〜40、好ましく
は2〜20である。
【0039】このような(D)成分は、そのポリアルキ
レンオキサイド鎖の両末端がアルコキシシリル基であっ
てもよく、一端がアルコキシシリル基であって、他端が
その他の官能基であってもよい。このような片末端に有
することのできる官能基としては、例えば、ビニル基、
ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネー
ト基、メルカプト基等が挙げられる。特にヒドロキシル
基(水酸基)であるものの使用が好ましい。また、該官
能基は、アルコキシシリル基との間にウレタン結合、尿
素結合、シロキサン結合、アミド結合、エーテル結合等
を介して結合されたものであっても良い。
【0040】これらの(D)成分は、例えば、ポリアル
キレンオキサイド鎖含有化合物と、アルコキシシリル基
含有化合物(以下カップリング剤という。)を反応させ
て合成したものが使用できる。
【0041】前記ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合
物は、重量平均分子量が150〜3500であること
が、塗膜の降雨による汚染物質の洗浄効果、硬化物の耐
水性、に優れる点から好ましい。
【0042】このようなポリアルキレンオキサイド鎖含
有化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レン−プロピレングリコール、ポリエチレン−テトラメ
チレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリオキシエチレンジグリコール酸、ポリエチ
レングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルなど
が挙げられる。また、該ポリアルキレンオキサイド鎖含
有化合物は、1種もしくは2種以上の組み合わせから選
択することができる。2種以上のモノマーを使用する場
合は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体で
あっても構わない。
【0043】一方、カップリング剤は、例えば、一分子
中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基とその
ほかの置換基を有する化合物である。カップリング剤と
しては具体的には、例えば、β−(3、4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート官能
性シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロオピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ンなどが挙げられる。
【0044】(D)成分の合成は、特に限定されない
が、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物とカップリ
ング剤とを別々に用意し、例えば重合性二重結合を有す
る各化合物についてはラジカル重合開始剤を用いて共重
合させる他、アミノ基/エポキシ基、イソシアネート基
/水酸基またはイソシアネート基/アミノ基等の付加反
応など公知の方法によって合成することができる。ま
た、第1級、第2級アミノ基等の活性水素基を有するア
ルコキシシリル化合物にエチレンオキサイドを開環付加
せしめる方法によっても合成可能である。
【0045】ラジカル重合開始剤を用いて共重合させる
場合は、重合性二重結合を有するポリアルキレンオキサ
イド鎖含有化合物の少なくとも1種以上と、カップリン
グ剤の少なくとも1種以上を非反応性の適当な溶媒中で
反応させて得ることができる。この際、使用されるラジ
カル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5−
ジ(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3,1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
t−ブチルパーベンゾエートなどのパーエステル化合
物、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾブ
チレートなどのアゾ化合物、および有機過酸化物などが
挙げられる。
【0046】重合性二重結合を有するポリアルキレンオ
キサイド鎖含有化合物としては、例えば、ポリエチレン
グリコールビニルエーテルを用いることができ、カップ
リング剤には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランなどを単独もしくは2種以上の組み合わせで使
用できる。
【0047】イソシアネート/ポリオールの付加反応に
より合成する場合、例えばポリアルキレンオキサイド鎖
含有化合物には、ポリエチレングリコールなどの末端に
ヒドロキシル基を有する化合物と、カップリング剤には
イソシアネート含有カップリング剤などのイソシアネー
ト基を有する化合物を混合し合成させる。この合成方法
においては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズ
ジマレートまたはジオクチルスズジマレートなどの、ポ
リウレタン合成の分野において周知の有機金属系反応触
媒を使用することも可能である。
【0048】上述の反応によって合成される(D)成分
としては、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物の両
末端又は片末端にカップリング剤を付加したものが得ら
れるが、これらは、それぞれ単独で使用してもよく、ま
た混合物として使用してもよい。
【0049】これら(D)成分の中で、アルキレンオキ
サイド鎖がエチレンオキサイド鎖であり片末端が水酸基
であるものが、本発明の汚染防止効果、すなわち耐汚染
性ならびに染み込み抵抗性等が高いため最も好ましい。
【0050】(D)成分の配合割合は、(A)成分の樹
脂固形分100重量部に対し、固形分で0.1〜20重
量部配合することが、樹脂との相溶性、硬化物の耐水性
に優れる点から好ましい。
【0051】本発明の透湿性塗料組成物では、着色顔料
を配合して、着色(エナメル)塗膜とすることができ
る。このような着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロ
ム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、
オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、ア
ゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン
系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソイ
ンドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン
系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。
【0052】また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオ
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも
可能である。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、塗
膜表面における非汚染効果を損なうことの最も少ないホ
ワイトカーボン、珪藻土を使用することが最適である。
なお、これらの無機物質を塗料に添加する際に、粉体表
面をカップリング剤で処理したり、塗料にカップリング
剤を添加することは好ましい手段である。
【0053】本発明の透湿性塗料組成物には、通常塗料
に配合することが可能な各種添加剤を本発明の効果に影
響しない程度に配合することが可能である。このような
添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消
泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防
止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤等があげられる。
【0054】本発明の透湿性塗料組成物は、コンクリー
ト、モルタル、ALC、石膏ボード、石綿スレート板、
合板、木材、発泡フォーム等の、内部に水分を含有可能
な気孔を有する基材表面に塗装する場合に、最もその効
果を発揮できるものである。また場合により、これらの
基材表面に何らかの旧塗膜が存在する場合の、改装にお
いても効果的である。
【0055】また、本発明の透湿性塗料組成物は、各種
添加剤類を加えて塗料化した後、非水系溶剤で希釈して
から、ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロール
コーター、フローコーター等種々の方法により塗装する
ことができる。希釈するのに使用する非水系溶剤は、
(A)成分の非水溶剤として例示したものと同様のもの
を各種組み合わせて使用すればよい。
【0056】このとき、塗装する際の塗料全体の溶剤成
分((A)成分、(B)成分にて使用した非水系溶剤
と、希釈溶剤を合わせたもののうち、全体の50重量%
以上が脂肪族炭化水素である場合、改装工事にも好適に
用いることができる。これは、溶解力の強い溶剤を使用
した塗料を塗装すると、前述のようにリフティングと呼
ばれる中塗材塗膜の浮き上がり現象が発生するが、脂肪
族炭化水素が50%重量以上含有されている場合は、こ
のようなリフティング現象が発生しないためである。
【0057】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。 (合成例1)アルキルシリケート低縮合物1合成例 重量平均分子量1000、平均縮合度約8、不揮発分1
00%のメチルシリケート(以下、「メチルシリケート
A」という)100重量部に対して、n−ヘキシルアル
コール71.4重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウ
レート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時
間脱メタノール反応を行い、アルキルシリケート低縮合
物1を合成した。このアルキルシリケート低縮合物1の
エステル交換率は39%であり、900℃にて焼成して
得られたシリカ残量比率は37.6重量%であった。
【0058】(合成例2)アルキルシリケート低縮合物
2合成例 メチルシリケートAを100重量部、n−アミルアルコ
ール17.6重量部、ジブチル錫ジラウレート0.03
重量部を混合し、合成例1と同様にしてアルキルシリケ
ート低縮合物2を合成した。このアルキルシリケート低
縮合物2のエステル交換率は11%であり、シリカ残量
比率は50.3重量%であった。
【0059】(合成例3)ポリアルキレンオキサイド鎖
含有アルコキシシラン化合物合成例加熱装置、撹拌器、
還流装置、脱水装置、温度計を備えた反応槽に、ポリエ
チレングリコール200(平均分子量200;和光純薬
株式会社製)20重量部と、イソシアネート含有シラン
であるY−9030(日本ユニカー株式会社製)54.
3重量部、ジブチルスズジラウレート0.05重量部
とを仕込み、50℃にて8時間反応させ、淡黄色のポリ
エチレンオキサイド鎖含有アルコキシシラン化合物を得
た。このポリエチレンオキサイド鎖含有アルコキシシラ
ン化合物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ
ィー(以下GPCという)のポリスチレン換算により測
定した結果800であった。
【0060】表1に示した原料を使用して、表2に示し
た配合にて各塗料組成物を作製し、以下の試験方法に基
づいて評価を行った。
【表1】
【表2】
【0061】1.透湿性試験 300×300×2mmのガラス板に離型紙を敷き、そ
の上に作製した塗料組成物を、乾燥膜厚が約30μmと
なるようにスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥さ
せ、離型紙から塗膜を剥がして遊離塗膜をつくる。遊離
塗膜を直径約70mmの円形に6枚切り取り試験体とし
た。3枚は初期値とし、JISK 5400 8.17 水蒸気透過度
に準じて透湿性試験を行った。残りの3枚は、JISK 540
0 8.10 耐汚染性試験に準じ、塗膜全面に15重量%カ
ーボンブラック水分散ペースト液を均一に噴霧し、50
℃の恒温室中に2時間放置した。その後、ソニケーター
を用いて、10分間超音波洗浄を行い標準状態で24時間
放置後、前述同様に透湿性試験を行い評価した。評価基
準は以下の通りである。 透湿度40g/m ・24h以上:○ 20g/m ・24h以上40g/m ・24h未満:△ 20g/m ・24h未満:× なお、結果を表3に示した。
【0062】2.透水性試験 300×300×6mmのスレート板に、作製した塗料
組成物を乾燥膜厚が約30μmとなるようにスプレー塗
装し、標準状態で7日間乾燥させたものを試験体とし
た。その後、JISK 5400 8.16 透水度に準じて試験を行
った。なお、結果を表3に示した。
【0063】3.雨筋汚染性評価 300×150×3.0mmのアルミニウム板を図1に
示すように上方から3分の1の長さで角度αが135度
になるようにおりまげたもの(以下、「暴露用板」とい
う)に、SK#1000プライマー(エスケー化研株式
会社製、エポキシ樹脂系プライマー)を、乾燥膜厚が約
30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時
間乾燥させた。(暴露用板は凸面を表面とする) 次に、2.と同様にして塗料組成物を作製し、作製した
塗料組成物を前述のプライマーを塗装した暴露用板に乾
燥膜厚が約40μmとなるようにスプレー塗装し、標準
状態で7日間乾燥し試験体とした。作製した試験体を、
大阪府茨木市で南面を向き、面積が広い面(a面)を垂
直にし、さらに面積の狭い面(b面)が上部になるよう
に設置して、屋外暴露を実施し、1ヶ月後、3ヶ月後、
6ヶ月後の雨筋汚れの有無を目視にて評価した。評価基
準は以下の通り。 ○:垂直面に雨筋汚染無し ×:垂直面に雨筋汚染有り なお、結果を表3に示した。
【0064】4.汚れの染み込み抵抗性 150×75×0.8mmのアルミ板に、SK#100
0プライマーを乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー
塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った。次に、2.と
同様にして作製した塗料組成物を乾燥膜厚が40μmと
なるようにスプレー塗装し試験体を作製した。作製した
試験体を、標準状態で7日間乾燥養生した後、JISK5400
8.10 耐汚染性試験に準じ、塗膜面に15重量%カー
ボンブラック水分散ペースト液を、直径20mm、高さ
5mmとなるように滴下し、50℃の恒温室中に2時間
放置した。その後流水中にて洗浄し、塗膜表面の汚染の
程度を目視により評価した。評価基準は以下の通り。 ◎:染み込みなし ○:ごくわずかに染み込み有り △:わずかに染み込み有り ×:染み込み有り なお、結果を表3に示した。
【表3】
【0065】(実施例1〜実施例4)表3に示したよう
に、透湿性試験では初期状態においても非常に透湿性が
高く、その後汚染処理を行ったにも関わらず、超音波洗
浄により汚染物質が剥離するため、透湿度の値が低下し
なかった。また、実際の雨筋汚染性や染み込み抵抗性に
おいても耐汚染性が非常に高く、塗膜表面の汚染物質除
去性能に優れ、塗膜の内部構造が水蒸気を透過しやすい
ものになっているものと思われる。また、透湿性の高さ
に対して透水性が低いため、透湿・防水機能を有し、特
に透湿性が汚染物質の付着により低下しない優れた塗膜
を形成していると言える。
【0066】(実施例5)表3に示したように、透湿性
試験では初期状態においても非常に透湿性が高かった。
一方、雨筋汚染性においては汚れが残ってしまう結果と
なったが、染み込み抵抗性においては、全く染み込みが
見られず、汚れが付着していても内部には入っていない
ことがわかった。結果として透湿性は処理後も値の低下
は見られず、また、透湿性の高さに対して透水性が低い
ため、透湿・防水機能を有し、特に透湿性が汚染物質の
染み込みにより低下しない優れた塗膜を形成していると
言える。
【0067】(比較例1〜比較例2) 表3に示したように、透湿性試験では初期状態において
も透湿性が若干低く、その後汚染処理を行うと、超音波
洗浄により汚染物質を剥離しようとしても汚染物質が塗
膜表面に残るため、透湿度の値がより低下してしまっ
た。また、雨筋汚染性や汚れの染み込み抵抗性において
も非常に悪い結果となり、付着した汚染物質が染み込
み、除去し難い表面構造の塗膜を形成しているものと思
われる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、透湿性と防水性の相反する効
果を有しながら、その塗膜表面が汚染物質の染み込みに
対する抵抗性に優れ、降雨により付着した汚染物質を流
出する耐汚染性効果に優れるため、本来有している優れ
た透湿性能が汚染物質によって低下させられることがな
く、長期にわたって透湿性能を維持できるという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】暴露用板を表す斜視図
【符号の説明】
a:暴露した際に垂直となる面 b:暴露した際に上面となる面 α:折り曲げ角度(135゜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−206667(JP,A) 特開 平10−46104(JP,A) 特開 平7−48518(JP,A) 特開 平9−137119(JP,A) 特開 平9−157584(JP,A) 特開 平1−174572(JP,A) 特開 昭62−57467(JP,A) 特開 平6−136320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/02 C09D 5/00 C09D 131/02 C09D 175/04 C04B 41/64

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量が5000〜15
    0000、水酸基価が20〜100KOHmg/gであ
    る、非水ディスパージョン形(以下、「NAD形」とい
    う)ポリオール分散体の樹脂固形分100重量部に対し
    て、(C)テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜1
    0の縮合物を、SiO2 換算で1.0〜50.0重量部
    含有し、前記テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜
    10の縮合物が、該縮合物中のアルキル基が、炭素数1
    〜3と炭素数4〜12のものの混在したものであり、そ
    の混在比率は炭素数4〜12のアルキル基が、該縮合物
    中の全アルキル基の5〜50%であることを特徴とする
    透湿性を有する躯体用の透湿性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (A)重量平均分子量が5000〜15
    0000、水酸基価が20〜100KOHmg/gであ
    る、NAD形ポリオール分散体の樹脂固形分100重量
    部に対して、(B)イソシアネートをNCO/OH比率
    で0.7〜2.0となるように含有し、さらに(C)テ
    トラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合物
    を、SiO2 換算で1.0〜50.0重量部含有し、前
    記テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の縮合
    物が、該縮合物中のアルキル基が、炭素数1〜3と炭素
    数4〜12のものの混在したものであり、その混在比率
    は炭素数4〜12のアルキル基が、該縮合物中の全アル
    キル基の5〜50%であることを特徴とする透湿性を有
    する躯体用の透湿性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 テトラアルコキシシランの平均縮合度4
    〜10の縮合物が、一般式 【化1】 (式中、R1 〜R4 は炭素数1〜3のアルキル基と炭素
    数4〜12のアルキル基が混在しているものとする)で
    表されるテトラアルコキシシランを、平均縮合度4〜1
    0、重量平均分子量が500〜2500となるように縮
    合したテトラアルコキシシラン低縮合物であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の透湿性を有する躯体用
    透湿性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 テトラアルコキシシランの平均縮合度4
    〜10の縮合物が、(a)一般式 【化2】 (式中、R5 は炭素数1〜3のアルキル基とし、nは4
    〜10の整数とする)で表されるアルキルシリケート低
    縮合物を、(b)一般式 【化3】R6 −OH (式中、R6 は炭素数4〜12のアルキル基とする)で
    表されるアルコールを用いて、(a)アルキルシリケー
    ト低縮合物のアルキル基のうち5〜50%をエステル交
    換した化合物であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の透湿性を有する躯体用の透湿性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 さらに(D)繰り返し単位の数が2〜4
    0のポリアルキレンオキサイド鎖を含有する、重量平均
    分子量150〜3500のアルコキシシラン化合物を、
    (A)ポリオールの樹脂固形分100重量部に対して、
    固形分で0.1〜20重量部含有することを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の透湿性を有する
    躯体用の透湿性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 塗料中の全溶剤のうち、50重量%以上
    が脂肪族炭化水素であることを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載の透湿性を有する躯体用の透湿
    性塗料組成物。
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