JP2004277710A - ポリウレタン樹脂塗料用硬化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】イソシアネート化合物とシリケート化合物とを含むポリウレタン樹脂塗料用硬化剤における相溶性を改善し、相分離や白濁等の発生を防止する。
【解決手段】(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及び/またはアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有するポリウレタン樹脂用硬化剤において、前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に0≦m−n≦6を満たすようにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂塗料に適した硬化剤に関する。
建築物、土木構築物等においては、その躯体の保護や美観性の向上等を目的として、各種の塗料によって塗装仕上げが行われている。このうち、ポリウレタン樹脂塗料は、耐候性、耐水性、耐薬品性等の塗膜物性に優れるとともに、価格面においても比較的安価であることから汎用的に使用されている。
このようなポリウレタン樹脂塗料は、通常、ポリオールを主成分とする主剤とポリイソシアネートを主成分とする硬化剤から構成され、2液型の塗料として流通している。このうち、硬化剤におけるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート構造やアロファネート構造を有するポリイソシアネートが賞用されている。
しかし、近年、都市部等においては、自動車等からの排出ガスによって大気中に油性の汚染物質が浮遊している状況である。上述のような一般的なポリウレタン樹脂塗料の形成塗膜においては、このような油性の汚染物質によって雨筋汚染が発生しやすく、美観性が大きく損われるという問題がある。
これに対し、ポリウレタン樹脂塗料の耐汚染性を高める手法が、例えばWO94/06870号公報(特許文献1)等に記載されている。特許文献1記載の塗料は、メチルシリケート等のシリケート化合物をポリウレタン樹脂塗料に混合したものである。
WO94/06870号公報
特許文献1等に記載の塗料について実際の商品形態を考慮すると、上述のようなシリケート化合物は主剤、硬化剤のいずれかに混合しなければならない。このうち、主剤側には樹脂、顔料の他に、様々な添加剤が多数含まれるため、シリケート化合物の安定性が確保されにくいという現状がある。このため、通常、シリケート化合物は硬化剤側に混合することが望ましい。ところが、イソシアネート化合物とシリケート化合物の混合物においては、相溶性が不十分であるために相分離や白濁等が発生する場合がある。このような問題は、特に低温環境下において発生しやすい。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、イソシアネート化合物とシリケート化合物とを含むポリウレタン樹脂塗料用硬化剤において、その相溶性を改善することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を行った結果、それぞれ特定の化学構造を有するイソシアネート化合物とシリケート化合物を組み合せた硬化剤に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
2.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、アロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
3.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
4.前記(B)成分が、炭素数が異なる2種以上のアルコキシル基が混在するテトラアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
本発明では、特定の2成分を組み合わせることによって、飛躍的に相溶性を向上させることができる。よって、均一かつ透明なポリウレタン樹脂塗料用硬化剤を得ることができる。
特に、本発明の硬化剤では、低温環境下における相分離や白濁等の発生を十分に防止することができる。したがって、寒冷地等での塗装作業に支障をきたすことがなく、耐汚染性等の塗膜物性において安定した塗膜性能を発現させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態とともに詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂塗料用硬化剤は、(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及び/またはアロファネート構造を有するポリイソシアネート(以下「(A)成分」という)と、(B)テトラアルコキシシラン縮合物(以下「(B)成分」という)とを混合したものである。
本発明では、(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6(好ましくは0≦m−n≦4、さらに好ましくは0≦m−n≦2)
を満たすような(A)成分と(B)成分を組み合せて使用する。
本発明では、このような特定の成分を組み合わせることによって、飛躍的に相溶性を向上させることができる。よって、均一かつ透明な硬化剤を得ることができる。
特に、本発明の硬化剤では、低温環境下における相分離や白濁等の発生を十分に防止することができる。したがって、寒冷地等での塗装作業に支障をきたすことがなく、耐汚染性等の塗膜物性において安定した塗膜性能を発現させることができる。
なお、(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数とは、(B)成分においてアルコキシル基を構成する炭素原子の総数を、(B)成分中のアルコキシル基の総数で割った値である。
硬化剤における(A)成分は、主剤中に含まれるポリオールとの架橋反応によって塗膜を形成する成分である。この(A)成分は、炭素数1〜12のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られるものである。
モノアルコールとしては、炭素数が1〜12のものであれば特に限定されず使用可能である。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプチルアルコール、n−オクタノール、2−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネートが使用される。この中でも、耐黄変性等に優れる点で、脂肪族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネートが好適である。具体的に(A)成分におけるイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトシクロブタン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。これらイソシアネート化合物のなかでも、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートから選ばれる1種以上が好適である。
(A)成分は、その骨格中にイソシアヌレート構造またはアロファネート構造を有するものである。このような構造を有することにより、脂肪族炭化水素系溶剤と混合した場合の安定性を高めることができる。したがって、弱溶剤系ポリウレタン樹脂塗料用として適している。
さらに本発明では、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を併有するものが好ましい。このような構造を併有することにより、脂肪族炭化水素系溶剤と混合した場合の安定性をより高めることができる。したがって、弱溶剤系ポリウレタン樹脂塗料用として好ましいものとなる。
(A)成分の製造方法は公知の方法によればよい。具体的には、例えば、モノアルコールとイソシアネート化合物を触媒の存在下でイソシアヌレート化させる方法、モノアルコールの水酸基の一部または全部を、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部と反応させて、アロファネート化触媒の存在化でアロファネート化させる方法等が挙げられる。
また、モノアルコールの水酸基の一部または全部を、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部と反応させてウレタン化した後、触媒の存在下でイソシアヌレート化させる方法等によれば、イソシアヌレート化とアロファネート化を同時に行うこともできる。
本発明における(B)成分は、塗膜形成途上において表面に局在化し、塗膜表面を親水性にすることができるものである。
(B)成分としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等の縮合物が挙げられる。このうち、テトラメトキシシラン縮合物、テトラエトキシシラン縮合物が耐汚染性発現の点において有利である。
なお、(B)成分の平均縮合度は、通常1〜100、好ましくは4〜20程度である。
本発明は、(B)成分として、炭素数が異なる2種以上のアルコキシル基が混在するテトラアルコキシシラン縮合物を使用する場合において特に効果的である。
このようなアルコキシル基の組合せとしては、炭素数1のメトキシ基と炭素数2〜12のアルコキシル基との組合せ、または炭素数2のエトキシ基と炭素数3〜12のアルコキシル基との組合せが、塗膜形成初期段階における耐汚染性発現の点で好適である。この中でも、メトキシ基と炭素数2〜12(好ましくは炭素数3〜10)のアルコキシル基とを組合せたものであって、全体のアルコキシル基のうち5当量%以上(好ましくは5〜50当量%)が炭素数2〜12のアルコキシル基であるもの(以下「B−1」成分という)が最適である。
(B−1)成分は、以下のような方法により製造することが可能であるが、これに限定されるものではない。
(1)一般式
Si(OR)(OR)(OR)(OR
(式中、R〜Rはメチル基と炭素数2〜12のアルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを平均縮合度1〜100となるように縮合させる。縮合方法は、公知の方法による。この場合、縮合の際に他のアルキルシリケートを混合して縮合することもできる。
上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノエトキシトリメトキシシラン、モノブトキシトリメトキシシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン等、あるいはこれらの縮合物が挙げられる。
(2)テトラメトキシシラン縮合物に炭素数2〜12のアルコールを反応させて、テトラメトキシシラン縮合物におけるメトキシ基の5当量%以上(好ましくは5〜50当量%)をエステル交換する。この方法における炭素数2〜12のアルコールとしては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプチルアルコール、n−オクタノール、2−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール等が挙げられる。
(A)成分と(B)成分の混合比率は、主剤との混合比率、主剤中のポリオールの種類や含有量等を勘案して適宜設定することができる。通常は、(A)成分:(B)成分の重量比率で90:10〜10:90(好ましくは80:20〜20:80)の範囲内とすればよい。
また、本発明では、通常(A)成分と(B)成分をそれぞれ1種類ずつ使用して混合すればよいが、(A)成分と(B)成分のいずれか一方または両方において複数種の成分を使用することも可能である。この場合、少なくとも1種の組合せが本発明の条件を満たせば、相溶性の改善効果を得ることができる。
本発明の硬化剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、溶剤を混合することができる。使用可能な溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、テルピン油、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素系溶剤、その他、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
また、必要に応じ各種添加剤を混合することもできる。
本発明の硬化剤は、塗装直前に主剤と混合することによって使用するものである。
主剤としては、少なくともポリオールを含むものであれば特に限定されず、ポリウレタン樹脂塗料の分野において公知の材料を適宜使用することができる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、シリコン変性アクリルポリオール、フッ素含有アクリルポリオール、シリコーン含有アクリルポリオール、フッ素含有ポリオール、シリコーン含有ポリオール等が挙げられる。これらは、可溶形、分散形のいずれであってもよい。このうち、アクリルポリオール、シリコン変性アクリルポリオール、フッ素含有ポリオール、及びシリコーン含有ポリオールから選ばれる1種以上を使用した場合は、塗膜の耐候性を向上させることができる点等において好適である。
ポリオールの水酸基価は、通常15〜100KOHmg/g程度である。また、ポリオールの重量平均分子量は、通常5000〜200000程度である。
主剤には、着色顔料を配合することもできる。このような着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄色酸化鉄、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料等が使用できる。
また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも可能である。
この他、主剤には、通常塗料に使用可能な各種添加剤を配合することも可能である。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
これら主剤と上述の硬化剤との混合においては、硬化剤中のポリイソシアネートと主剤中のポリオールの比率が、NCO/OH比率で0.7〜2.0(好ましくは0.8〜1.5)となる範囲内が好適である。このときNCO/OH比率が0.7より小さいと、塗膜の架橋率が低くなり、硬化性、耐久性が不十分となるほか、汚染物質が塗膜の密度の粗い分子内へ潜り込むため、塗膜の洗浄を行っても汚染物質が除去しにくく、汚染回復性に劣る傾向となる。NCO/OH比率が2.0よりも大きい場合は、未反応のイソシアネートが残存し、初期の乾燥性を悪化させるため、タックと呼ばれる表面のべたつきが発生し、汚染物質が物理的に付着しやすくなる。
さらに、主剤と硬化剤との混合においては、硬化剤中のテトラアルコキシシラン縮合物が、主剤中のポリオールの樹脂固形分100重量部に対して、SiO換算で1.0〜50.0重量部(好ましくは2.0〜30.0重量部)となる範囲内が好適である。テトラアルコキシシラン縮合物が1.0重量部未満では、塗膜に親水性が発現されないため耐汚染性が不十分となる。逆に50.0重量部を越える場合は、硬化塗膜の外観が悪化したり、塗膜に割れが発生しやすくなったりする。
なお、SiO換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(合成例)
重量平均分子量1000、平均縮合度約8、不揮発分100%のメチルシリケート(以下「テトラアルコキシシラン縮合物(1)」という)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、テトラアルコキシシラン縮合物(2)を合成した。
このテトラアルコキシシラン縮合物(2)のエステル交換率(全アルコキシル基に対するブトキシ基の比率)は38当量%、アルコキシル基の平均炭素数は2.2であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
(実施例1)
ポリイソシアネート(1)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を得た。
なお、ポリイソシアネート(1)としては、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
(低温安定性)
上記硬化剤(1)を透明容器に入れ、−20℃環境下で2時間放置後、その外観を目視にて観察した。評価は以下の通りである。
◎:異常なし
○:ほとんど異常なし
×:白濁または相分離
(耐汚染性)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度35℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)及び酸化チタンを主成分とする主剤に対し、上記硬化剤(1)を82:18の重量比率で均一に混合して塗料を作製した。
次に、300mm×150mm×1mmのアルミニウム板に対し、「SK#1000プライマー」(エスケー化研株式会社製)を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で8時間乾燥させた後、上記の方法によって得た塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
この試験体を長辺の1/3のところで45°に折り曲げ、面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、3ヵ月間屋外曝露を行った。評価は、垂直面の雨筋汚れの有無を目視観察することにより行った。評価は以下の通りである。
◎:雨筋汚れがみられない
○:雨筋汚れがわずかにみられる
△:雨筋汚染がみられる
×:著しい雨筋汚染がみられる
(表1)
───────────────────────────
│ │実施例1│実施例2│実施例3│比較例1│
───────────────────────────
│低温安定性│ ○ │ ◎ │ ○ │ × │
│耐汚染性 │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ × │
───────────────────────────
(実施例2)
ポリイソシアネート(2)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を得た。
なお、ポリイソシアネート(2)としては、イソシアヌレート構造・アロファネート構造併有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(2)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
(実施例3)
ポリイソシアネート(3)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(3)を得た。
なお、ポリイソシアネート(3)としては、アロファネート構造含有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(3)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
(比較例1)
ポリイソシアネート(4)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(1)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(4)を得た。
なお、ポリイソシアネート(4)としては、イソシアヌレート構造・アロファネート構造併有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートと2−オクタノールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(4)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。

Claims (4)

  1. (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、及び
    (B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
    前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
    0≦m−n≦6
    を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
  2. (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、アロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
    (B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
    前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
    0≦m−n≦6
    を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
  3. (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
    (B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
    前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
    0≦m−n≦6
    を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
  4. 前記(B)成分が、炭素数が異なる2種以上のアルコキシル基が混在するテトラアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。






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