JP2004277710A - ポリウレタン樹脂塗料用硬化剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及び/またはアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有するポリウレタン樹脂用硬化剤において、前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に0≦m−n≦6を満たすようにする。
【選択図】なし
Description
このようなポリウレタン樹脂塗料は、通常、ポリオールを主成分とする主剤とポリイソシアネートを主成分とする硬化剤から構成され、2液型の塗料として流通している。このうち、硬化剤におけるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート構造やアロファネート構造を有するポリイソシアネートが賞用されている。
1.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
2.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、アロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
3.(A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
4.前記(B)成分が、炭素数が異なる2種以上のアルコキシル基が混在するテトラアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
特に、本発明の硬化剤では、低温環境下における相分離や白濁等の発生を十分に防止することができる。したがって、寒冷地等での塗装作業に支障をきたすことがなく、耐汚染性等の塗膜物性において安定した塗膜性能を発現させることができる。
0≦m−n≦6(好ましくは0≦m−n≦4、さらに好ましくは0≦m−n≦2)
を満たすような(A)成分と(B)成分を組み合せて使用する。
本発明では、このような特定の成分を組み合わせることによって、飛躍的に相溶性を向上させることができる。よって、均一かつ透明な硬化剤を得ることができる。
特に、本発明の硬化剤では、低温環境下における相分離や白濁等の発生を十分に防止することができる。したがって、寒冷地等での塗装作業に支障をきたすことがなく、耐汚染性等の塗膜物性において安定した塗膜性能を発現させることができる。
なお、(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数とは、(B)成分においてアルコキシル基を構成する炭素原子の総数を、(B)成分中のアルコキシル基の総数で割った値である。
さらに本発明では、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を併有するものが好ましい。このような構造を併有することにより、脂肪族炭化水素系溶剤と混合した場合の安定性をより高めることができる。したがって、弱溶剤系ポリウレタン樹脂塗料用として好ましいものとなる。
また、モノアルコールの水酸基の一部または全部を、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部と反応させてウレタン化した後、触媒の存在下でイソシアヌレート化させる方法等によれば、イソシアヌレート化とアロファネート化を同時に行うこともできる。
(B)成分としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等の縮合物が挙げられる。このうち、テトラメトキシシラン縮合物、テトラエトキシシラン縮合物が耐汚染性発現の点において有利である。
なお、(B)成分の平均縮合度は、通常1〜100、好ましくは4〜20程度である。
このようなアルコキシル基の組合せとしては、炭素数1のメトキシ基と炭素数2〜12のアルコキシル基との組合せ、または炭素数2のエトキシ基と炭素数3〜12のアルコキシル基との組合せが、塗膜形成初期段階における耐汚染性発現の点で好適である。この中でも、メトキシ基と炭素数2〜12(好ましくは炭素数3〜10)のアルコキシル基とを組合せたものであって、全体のアルコキシル基のうち5当量%以上(好ましくは5〜50当量%)が炭素数2〜12のアルコキシル基であるもの(以下「B−1」成分という)が最適である。
Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4)
(式中、R1〜R4はメチル基と炭素数2〜12のアルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを平均縮合度1〜100となるように縮合させる。縮合方法は、公知の方法による。この場合、縮合の際に他のアルキルシリケートを混合して縮合することもできる。
上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノエトキシトリメトキシシラン、モノブトキシトリメトキシシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン等、あるいはこれらの縮合物が挙げられる。
また、本発明では、通常(A)成分と(B)成分をそれぞれ1種類ずつ使用して混合すればよいが、(A)成分と(B)成分のいずれか一方または両方において複数種の成分を使用することも可能である。この場合、少なくとも1種の組合せが本発明の条件を満たせば、相溶性の改善効果を得ることができる。
また、必要に応じ各種添加剤を混合することもできる。
主剤としては、少なくともポリオールを含むものであれば特に限定されず、ポリウレタン樹脂塗料の分野において公知の材料を適宜使用することができる。
ポリオールの水酸基価は、通常15〜100KOHmg/g程度である。また、ポリオールの重量平均分子量は、通常5000〜200000程度である。
また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも可能である。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO2)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)2O)nR+(n+1)H2O→nSiO2+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO2換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
重量平均分子量1000、平均縮合度約8、不揮発分100%のメチルシリケート(以下「テトラアルコキシシラン縮合物(1)」という)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、テトラアルコキシシラン縮合物(2)を合成した。
このテトラアルコキシシラン縮合物(2)のエステル交換率(全アルコキシル基に対するブトキシ基の比率)は38当量%、アルコキシル基の平均炭素数は2.2であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
ポリイソシアネート(1)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を得た。
なお、ポリイソシアネート(1)としては、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
上記硬化剤(1)を透明容器に入れ、−20℃環境下で2時間放置後、その外観を目視にて観察した。評価は以下の通りである。
◎:異常なし
○:ほとんど異常なし
×:白濁または相分離
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度35℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット)及び酸化チタンを主成分とする主剤に対し、上記硬化剤(1)を82:18の重量比率で均一に混合して塗料を作製した。
次に、300mm×150mm×1mmのアルミニウム板に対し、「SK#1000プライマー」(エスケー化研株式会社製)を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で8時間乾燥させた後、上記の方法によって得た塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
この試験体を長辺の1/3のところで45°に折り曲げ、面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、3ヵ月間屋外曝露を行った。評価は、垂直面の雨筋汚れの有無を目視観察することにより行った。評価は以下の通りである。
◎:雨筋汚れがみられない
○:雨筋汚れがわずかにみられる
△:雨筋汚染がみられる
×:著しい雨筋汚染がみられる
───────────────────────────
│ │実施例1│実施例2│実施例3│比較例1│
───────────────────────────
│低温安定性│ ○ │ ◎ │ ○ │ × │
│耐汚染性 │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ × │
───────────────────────────
ポリイソシアネート(2)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を得た。
なお、ポリイソシアネート(2)としては、イソシアヌレート構造・アロファネート構造併有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(2)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
ポリイソシアネート(3)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(2)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(3)を得た。
なお、ポリイソシアネート(3)としては、アロファネート構造含有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートとn−ブチルアルコールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(3)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
ポリイソシアネート(4)30重量部、テトラアルコキシシラン縮合物(1)40重量部、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)30重量部を均一に混合することにより、硬化剤(4)を得た。
なお、ポリイソシアネート(4)としては、イソシアヌレート構造・アロファネート構造併有ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートと2−オクタノールとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)を使用した。
硬化剤(1)を硬化剤(4)に替えた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
Claims (4)
- (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。 - (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、アロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。 - (A)炭素数m(但しmは1〜12の整数)のモノアルコールとイソシアネート化合物との反応によって得られる、イソシアヌレート構造及びアロファネート構造を有するポリイソシアネート、及び
(B)テトラアルコキシシラン縮合物、を含有し、
前記(B)成分におけるアルコキシル基の平均炭素数をnとした場合に、
0≦m−n≦6
を満たすことを特徴とするポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。 - 前記(B)成分が、炭素数が異なる2種以上のアルコキシル基が混在するテトラアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂塗料用硬化剤。
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