JPH06136320A - 透湿防水性被覆成形物の製造法 - Google Patents

透湿防水性被覆成形物の製造法

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JPH06136320A
JPH06136320A JP28791592A JP28791592A JPH06136320A JP H06136320 A JPH06136320 A JP H06136320A JP 28791592 A JP28791592 A JP 28791592A JP 28791592 A JP28791592 A JP 28791592A JP H06136320 A JPH06136320 A JP H06136320A
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urethane resin
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Shinji Uchida
慎治 内田
Tomeyoshi Ohori
留好 大堀
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10μm
の範囲の疎水性シリカ系微粒子を樹脂分に対して、5〜
50重量%の割合で混合し、次いで成形物に塗布又は含
浸させた後、湿式加工を行うことを、特徴とする透湿防
水性被覆成形物の製造法。 【効果】 本発明方法によれば、従来の技術と比較し
て、従来と同程度の透湿性を有し、かつ耐水圧を大きく
向上させることができる。又、コスト的に有利な条件
で、ソフトな風合いを持ち、表面感触が良好な透湿防水
性被覆成形物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透湿性防水性被覆成形
物の製造法に関するものである。詳しくは透湿性を向上
させて且つ耐水圧を維持または更に向上させた透湿防水
性被覆成形物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より防水性、透湿性を有する被覆成
形物として、布帛にポリウレタン樹脂(以下PUと略記
する)を被覆したものが知られている。このPUにシリ
カ粒子を混合した樹脂皮膜を布帛上に形成した後撥水剤
処理を行うことにより、透湿性、防水性を向上させるこ
と(特公昭63−57546)が提案されている。また
ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(以下、PAUと略記す
る)、またはPAUとウレタン樹脂との混合物(以下P
AU−Uと略記する)の溶液を繊維物に塗布し、湿式加
工を行うことにより、透湿度の高い防水布を得ることも
知られている。これらの防水布は主としてウインドブレ
ーカーおよびスキーウェアー等に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな防水布、則ちPUを被覆したもの、またはPUにシ
リカ粒子を加えたもの(特公昭63−57546)等は
透湿度が不十分なため、激しい運動をした時に蒸れた
り、防水布の内側に結露を生じたりする為、不快感を生
じ、または風邪の原因になりやすい等の問題が指摘され
ている。
【0004】この問題解決のために透湿度の高いPAU
又はPAU−Uの使用が有効であるが、これらの樹脂は
PU使用の場合と比較して、約4倍のコスト高になる
為、汎用品として使用することが困難である。またPA
UまたはPAU−Uは透湿度においては十分であるもの
の耐水圧については、登山着、雨衣等に使用するには、
不十分である。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、PAU又は、PAU−U
と同程度の透湿性を維持し、かつ耐水圧を向上させるこ
とを可能とし、又、コストの面においては従来のPU系
樹脂と同程度のコスト(PAU系の約1/4に相当す
る)において、PU系樹脂より、ソフトな風合いで、表
面感触が良好であるものを得られるような透湿防水性被
覆成形物の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
はウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10μmの範囲の
疎水性SiO2 系微粒子を樹脂分に対して5〜50重量
%の割合いで混合し、次いで成形物に塗布又は含浸させ
た後湿式加工を行うことを特徴とする透湿防水性被覆成
形物の製造法に存する。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。先ずウレタ
ン樹脂溶液について説明する。本発明においてウレタン
樹脂溶液は好ましくはジメチルホルムアミド(以後DM
Fと略称する)を主体とした溶媒中で得られたウレタン
樹脂からなる溶液である。DMFを主体とした溶媒と
は、DMF単独またはDMFと他の溶媒との混合溶媒を
示す。そして混合溶媒の場合、DMFの含有率は通常5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好まし
くは90重量%以上である。
【0008】上記の他の溶媒としては、非ハロゲン系の
炭化水素、エーテル、エステル、ケトン等が好ましい。
これらの溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が
挙げられる。工業的には、DMF単独溶媒の方が汎用性
があり有利であるが、ウレタン樹脂溶液の使用上、他の
溶媒の共存が必要な場合、生成したウレタン樹脂溶液に
上記の他の溶媒を混合して使用することが出来る。
【0009】ウレタン樹脂はジイソシアネート、ポリオ
ール及び鎖延長剤の三成分を基本原料として製造され
る。上記のジイソシアネートとしては、湿式加工工程に
おける多孔化が容易であるとの観点から、芳香族ジイソ
シアネートが好ましい。そして、その具体例としては、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、メタフ
ェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート
等が挙げられるが、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートが最適である。
【0010】上記のポリオールとしては、ポリエーテル
ポリオール、ポリエステルポリオール、又はポリカーボ
ネイトポリオールが使用可能である。そして、ポリエー
テルポリオールとしては、ポリプロピレンエーテルグリ
コール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げ
られ、ポリエステルポリオールとしては、ポリブチレン
アジペート、ポリカプロラクトングリコールが挙げら
れ、またポリカーボネイトポリオールとしては、1,6
−ヘキサンポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0011】上記の鎖延長剤としては、低分子量のジオ
ール又はジアミンが用いられる。低分子量ジオールの代
表例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレ
ングリコール等が挙げられる。また、低分子量ジアミン
の代表例としては、ヒドラジン、エチレンジアミン及び
ヘキサメチレンジアミン等の1級ジアミン又はピペラジ
ン等の二級ジアミンが挙げられる。
【0012】上記の各基本原料において後述の薄塗り法
では、特に性能的に効果がある組合わせは、芳香族ジイ
ソシアネートポリエステルポリオールとポリエーテルポ
リオールとの併用又はポリエステル/ポリエーテルに共
重合ポリオール、低分子ジオールである。ポリエステル
ポリオールとポリエーテルポリオールとを併用する方法
としてはポリオール成分として上記ポリオールの混合
物を使用する方法、該混合物を使用して製造したポリ
ウレタン樹脂にポリエステルポリオール又はポリエーテ
ルポリオールを使用して製造したポリウレタン樹脂を混
合する方法。ポリエステルポリオールを使用して製造
したウレタン樹脂とポリエーテルポリオールを使用して
製造したウレタン樹脂を別々に製造し、混合する方法が
挙げられる。
【0013】上記、、の方法のうちでは性能と樹
脂の相溶性の面での方法が最も好ましい。ウレタン樹
脂の製法は次の各方法を採用することが出来る。鎖延長
剤としてジオールを用いる場合はDMF溶媒の存在下ポ
リオールとジオールを混合し、これにジイソシアネート
を添加するワンショット法、または、NCO/OH当量
比1以上の条件下にジイソシアネートとポリオールとを
反応させて末端にイソシアネート基をもつプレポリマー
を得、これをジオールで鎖延長させるプレポリマー法を
採用することが出来る。
【0014】また鎖延長剤として、ジアミンを用いる場
合はDMF溶媒の存在下、予めNCO/OH当量比1以
上の条件下にジイソシアネートとポリオールとを反応さ
せて、末端にイソシアネート基を持つプレポリマーを
得、これを溶媒中ジアミンで鎖延長する方法を採用する
ことが出来る。鎖延長剤としてジオール又はジアミンを
用いる際に、樹脂分濃度は通常10〜60重量%、好ま
しくは20〜40重量%である。
【0015】何故ならば濃度が低過ぎる場合は、使用上
必要な粘度の樹脂溶液が得られ難く、濃度が高すぎると
高粘度化しすぎて樹脂溶液製造上困難になるか、もしく
はゲル化を起しやすいからである。ジイソシアネート、
ポリオール及びジオール又はジアミンの組成比はイソシ
アネート当量がポリオールとジオール又はジアミンとの
当量の和にほぼ等しくなるようにする必要がある。
【0016】イソシアネート当量が多過ぎると樹脂溶液
が経時により粘度上昇したりゲル化を起したりする。一
方イソシアネート当量が少なすぎると高分子量化しな
い。ジイソシアネートポリオール及びジオール又はジア
ミンの当量比率は2:1:1〜4:1:3の範囲が好ま
しい。ジイソシアネートとジオール又はジアミンの当量
比が大きくなるに従って、樹脂中のハードセグメント含
有比率が増え樹脂が硬くなる。逆に当量比が少くなると
ハードセグメント含有比率が低下し、樹脂が軟らかくな
る。
【0017】樹脂が硬くなりすぎると被覆成形物風合い
が硬くなり好ましくない。また樹脂が軟らかくなり過ぎ
ると被覆成形物にベタツキが発生し、好ましくない。本
発明において透湿防水性被覆成形物は前述のようにウレ
タン樹脂溶液に疎水性シリカ系微粒子を混合し、基材と
なる成形物に塗布または含浸させた後、湿式加工を行う
ことにより製造される。
【0018】この場合疎水性シリカ系微粒子を混合した
液にイソシアネート系硬化剤を加えることによりウレタ
ン樹脂と基材との接着力を向上させることが出来る。本
発明でいう疎水性シリカ系微粒子とは親水性のSiO2
nH2 Oの表面を有機物と反応させた
【0019】
【化1】
【0020】基を含む微粒子である。
【0021】
【化2】
【0022】その代表例として日本シリカ工業株式会社
製のニプシールSS−10、ニプシールSS−15、ニ
プシールSS−20、ニプシールSS−30p、ニプシ
ールSS−40、ニプシールSS−50、ニプシールS
S−50A、ニプシールSS−70等があげられる。
【0023】本発明で用いるシリカ系微粒子の平均粒径
は通常0.02〜10μm、好ましくは0.1〜5μm
である。シリカ系微粒子の平均粒径が小さ過ぎる場合、
湿式工程で得られる被覆成形物の透湿度が低下し、また
大きすぎる場合は、耐水圧の向上効果が小さい。シリカ
系微粒子の特に好ましい平均粒径は0.1〜3μmであ
る。平均粒径が小さいほど耐水圧の向上効果が大きい。
【0024】本発明における樹脂溶液の成形物への塗布
又は含浸させる方式は、被塗布物の形状、物性に応じた
公知の方式を適用可能であり、例えば帯状物ではナイフ
コーター、ロールコーター、バーコーター等を用いた塗
布方式が適している。シリカ粒子の使用割合は樹脂分に
対して5〜50重量%であるが、使用目的即ち、厚塗
り、薄塗り法では、その最適な量は細分化される。
【0025】本発明における厚塗り法とはより高耐水圧
を目的として行われる方法であり、比較的樹脂の塗布量
が多い方法を意味する。より具体的にコーターヘッドと
被塗布物の間に間隙を有する塗布方法であり、平滑な被
塗布物の場合は樹脂分の塗布量が20g/m2 以上であ
る。この場合のシリカ粒子の樹脂に対する配合量は10
〜40重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0026】また、薄塗り法(以下かきとり方式と記
す)とは比較ソフトな風合いを得るために樹脂の塗布量
を少なくする方法である。より具体的にはコーターヘッ
ドと被塗布物の凸部が少なくとも接触する方法であり、
凹凸が少ない被塗布物の場合は凹部までも接触すること
もある。この場合のシリカ粒子の樹脂に対する配合量は
1〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。こ
の範囲以下の配合量では多孔化しにくく、透湿度が低く
なり、またこの範囲以上の場合は耐水圧が低くなる。
【0027】以上の方法で被覆するに当り、被覆物への
接着力を向上させる場合、イソシアネート系硬化剤を加
えることが好ましい。イソシアネート系硬化剤の代表例
としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三
量体を主体としたポリイソシアネート、前記イソシアネ
ートモノマーとトリメチロールプロパン又はグリセリン
等との反応物、ポリイソシアネートとフェノール類また
はメチルエチルケトオキシムとを反応させたブロックタ
イプのイソシアネート系硬化剤が挙げられる。
【0028】上記のイソシアネート硬化剤は、最終的に
調製された塗布液を基布に湿式コーティングし、乾燥後
熱処理を施す場合、塗布液中の樹脂分と基布との接着力
およびコーティング布の耐水圧向上に効果を示す。イソ
シアネート系硬化剤の使用割合は、ウレタン樹脂溶液に
対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは、1〜15
重量%である。イソシアネート系硬化剤の使用割合が上
記範囲より少ない場合は、前記の効果が殆ど奏せられ
ず、また、上記範囲より多い場合は、被覆成形物が硬く
なり過ぎる。
【0029】湿式加工方法としては、基材に調製された
塗布液を塗布または含浸し、次いで、必要に応じて水蒸
気に接触させた後、水または水とDMFとの混合溶媒に
浸漬して凝固させ、更に、多量の水で洗浄して乾燥する
方法が挙げられる。塗布液には、必要に応じて公知の他
の添加成分を含有させることが出来る。また、基材とし
ては、織布、不織布または多孔質の他の基材を適宜使用
することが出来る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例により
限定されるものではない。
【0031】(実施例1)(厚塗り法) ポリブチレンアジペート(OH価56.7)989.5
gとエチレングリコール77.5gとを70℃で溶融混
合し、これにDMF4064gを加え、溶解した後、6
0℃に保持して、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(以下MDIと略記する)420g加え、70
℃で3時間反応させた。その後、反応物にMDI16g
加え、粘度70000cps/28℃のポリウレタン樹
脂溶液(ポリエステル系ウレタン)を得た。(濃度27
%)上記のPU溶液100重量部に平均粒径1.7μm
の疎水性シリカ微粒子(日本シリカ製、商品名「ニプシ
ールSS−20」)10重量部(樹脂分に対し27重量
%)を加えて混合した後DMF70重量部とブロックタ
イプのイソシアネート硬化剤(大日本インキ製、商品名
「バーノックD500」)3重量部加えて塗布液を調整
した。
【0032】*布帛の製造 一方、染色後のナイロンタフタ(70デニール/34フ
ィラメント、経糸密度120/インチ、緯糸密度90/
インチ)に5重量%水溶液のフッソ系撥水エマルジョン
(旭硝子製、商品名「アサヒガード710」)を使用し
て絞り率35%のパッディング処理を行い、更に、16
0℃にて1分間の熱処理を行った。
【0033】次いで、鏡面ロールを有するカレンダー加
工機を使用し、温度170℃、圧力30kg/cm、速
度20m/分の条件下で上記のナイロンタフタにカレン
ダー加工を行って布帛を得た。ナイフオーバーロールコ
ーターを使用し、上記の布帛に前記の塗布液を塗布厚1
20μmで塗布(厚塗り)した後、20℃の水溶中に6
0秒浸漬して樹脂分を凝固させ、更に、50℃の温水中
に5分間浸漬し、続いて120℃で5分乾燥させた後1
60℃で2分乾燥を行ってPUコーティング布帛を得
た。
【0034】(比較例1)比較例1として実施例1のウ
レタン樹脂溶液にSiO2 系微粒子を加えずに調整した
塗布液を使用し実施例1と同様な方法で被覆成形物を得
た。
【0035】(比較例2)また比較例2として実施例1
のウレタン樹脂溶液に親水性微粒子(日本シリカ製「ニ
プシールE220A」平均粒径1〜2μm)を実施例1
の疎水性微粒子の代りに加えて上記の方法で被覆成形物
を得た。
【0036】(比較例3)更に比較例3として、上記ウ
レタン樹脂溶液に特公昭63−57546の実施例1使
用の粒子径約10μmのシリカゲル一次粒子がシロキサ
ン結合によって三次元網目構造をとった平均粒子径10
μ、細孔総容量1.5ml/gの多孔性微粒子を実施例
1の疎水性微粒子の代りに加えて実施例1と同じ方法で
被覆成形物を得た。
【0037】上記の各被覆成形物について、性能(耐水
圧、透湿度)を比較を行い、その結果を表1に示す。な
お、耐水圧および透湿度は次の方法に従って測定した。 耐水圧:JIS L1096に準拠 透湿度:JIS Z0208に準拠
【0038】
【表1】
【0039】上記の結果からウレタン樹脂に疎水性シリ
カ微粒子を加えると透湿度と耐水圧が大きく向上するこ
とがわかる。一方親水性シリカ微粒子又は特公昭63−
57546の実施例1で使用しているシリカゲルを添加
(比較例3)した場合透湿度は向上するものの耐水圧は
かえって低下することがわかる。
【0040】(実施例2)(かきとり式) 実施例1における塗布液のコーティングに際し、ナイロ
ンタフタにナイフコーターを接触させた状態で塗布する
方法(かきとり方式)を用いた以外は実施例1と同様に
して被覆成形物を得た。
【0041】(比較例4)又、比較例1で使用した塗布
液を、実施例2と同様な方法でコーティングし、これを
比較例4の被覆成形物とした。
【0042】(実施例3)実施例1で合成したウレタン
樹脂溶液(濃度27%)100重量部にポリエステル/
ポリエーテル系フレタン樹脂溶液 *100重量部を混合
したもの100重量部に対し、ニプシールSS−20,
32重量部(樹脂分に対し10重量%)を加えて混合し
た後、DMF32重量部とバーノックD500 2重量
部加えて塗布液を調整した。
【0043】(比較例5)比較例5として実施例1で合
成したウレタン樹脂溶液100重量部にポリエステル/
ポリエーテル系ウレタン樹脂溶液100重量部を混合し
たもの100重量部に対しDMF20重量部とバーノッ
クD500を2重量部を加えて塗布液を調整した。実施
例3と比較例5の塗布液を用いて実施例2と同様な方法
で被覆成形物を得た。その物性を実施例2と合せて表2
に示す。
【0044】*ポリエステル/ポリエーテル系ウレタン
樹脂溶液の製造 ポリカプロラクトンポリオール(OH価56.7)を溶
融したもの990g、ポリプロピレングリコール(OH
価57.0)およびエチレングリコール、124を混合
しこれにDMF4349g加えて溶解後、60℃に保持
してMDI713gを加え70℃で3時間反応させた。
その後反応物にMDI37gを徐々に加え粘度9000
0cp/25℃のウレタン樹脂溶液を得た。
【0045】
【表2】
【0046】上記の結果よりかきとり方式(薄塗り)の
場合、疎水性シリカを加えることにより風合いがソフト
になり表面感触も良くなり透湿度が大きく向上すること
が明らかである。
【0047】
【発明の効果】本発明方法によれば透湿防水性被覆成形
物を得るに際し、例えば被覆成形物の樹脂被覆厚み、又
は樹脂塗布量を多くした場合(樹脂分約20g/m2
上)において、透湿度を10000g/m2 以上に保持
し、かつ耐水圧を5000mm以上に、或は原料組成に
よっては10000mm以上に向上させることが可能で
ある。
【0048】またかきとり方式で塗布量を少くしてソフ
トな風合いにした場合シリカ系微粒子を加えないと透湿
度が約50%以上低下し2000〜5000/m2 、2
4h程度になるが、本発明の方法によれば透湿度をほと
んど低下させることなく(10000g/cm2 以上に
保持できる)耐水圧もシリカ系微粒子を加えない時の1
000mmという値以上に維持することが可能である。
【0049】従って、本発明で製造される透湿防水性被
覆成形物は、上記のような特徴を活かし、防水布用樹脂
としては勿論、織布または不織布にコーティングした人
工皮革、テント、包装材、オムツカバー等に好適に使用
することが出来る。又、本発明で製造される透湿防水性
被覆成形物は、上記の繊維加工の用途以外に、水蒸気、
酸素、炭酸ガス等の透過性の高い人工皮膚、密封包帯、
治療用フィルム等の医用向け製品、液体または気体混合
物の分離膜またはフィルター等に応用することも可能で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/29 NGB 7242−4J 9/04 C08L 75/04 NGE 8620−4J C09D 5/00 PPG 6904−4J PSD 6904−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10
    μmの範囲の疎水性シリカ系微粒子を樹脂分に対して5
    〜50重量%の割合いで混合し、次いで成形物に塗布又
    は含浸させた後湿式加工を行うことを特徴とする透湿防
    水性被覆成形物の製造法。
  2. 【請求項2】 ジメチルホルムアミドを主体とした溶媒
    中で得られたウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10μ
    mの範囲の疎水性シリカ系微粒子を樹脂分に対して10
    〜40重量%の割合いで混合し、次いで成形物に厚塗り
    法により塗布させた後湿式加工を行うことを特徴とした
    透湿性被覆成形物の製造法。
  3. 【請求項3】 ジメチルホルムアミドを主体とした溶媒
    中で得られたウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10μ
    mの範囲の疎水性シリカ系微粒子を樹脂総量に対して1
    〜30重量%配合し、次いで成形物に薄塗り法により塗
    布させた後、湿式加工を行うことを特徴とした透湿防水
    性被覆成形物の製造法。
  4. 【請求項4】 湿式加工方法が、基材に調製された塗布
    液を塗布または含浸し、次いで、必要に応じて水蒸気に
    接触させた後、水または水とジメチルホルムアミドとの
    混合溶媒に浸漬して凝固させ、更に、水で洗浄して乾燥
    することを特徴とする請求項1記載の透湿防水性被覆成
    形物の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3記載の成形物を塗布する
    際に、イソシアネート系硬化剤を添加することを特徴と
    する透湿防水性被覆成形物の製造法。
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