JPH11124774A - 透湿性防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

透湿性防水布帛およびその製造方法

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JPH11124774A
JPH11124774A JP9285058A JP28505897A JPH11124774A JP H11124774 A JPH11124774 A JP H11124774A JP 9285058 A JP9285058 A JP 9285058A JP 28505897 A JP28505897 A JP 28505897A JP H11124774 A JPH11124774 A JP H11124774A
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water
moisture
film
permeable waterproof
resin
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JP9285058A
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Tomoko Miyazaki
朋子 宮崎
Keiji Takeda
恵司 竹田
Jiro Amano
慈朗 天野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた透湿性能と十分な防水性能を具備し、か
つ洗濯を始めとする耐久性に優れた透湿性防水布帛とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】繊維布帛の少なくとも片面に、吸水膨潤性
樹脂からなる無孔の連続被膜を有し、該被膜中にシリカ
の微粒子が含有されてなることを特徴とする透湿性防水
布帛とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な透湿性能お
よび防水性能を具備した透湿性防水布帛とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】衣料分野あるいは医療材料分野などにお
いては、被膜を利用した透湿性防水素材が広く用いられ
ている。近年、特にスポーツ用途を始めとする衣料分野
において、激しい運動をした際にも快適性を維持できる
ように、より高い透湿性能、結露防止性能をもった素材
が希求されており、機能向上のために様々な手段が講じ
られてきた。
【0003】透湿防水素材の中でも、ポリウレタン樹脂
の被膜を利用したものには、主として湿式加工法により
製造される微多孔膜を用いるものと、乾式加工法により
製造される緻密層からなる無孔膜を用いるものが提案さ
れている。一般に、樹脂層が微多孔である場合、透湿性
には優れるものの防水性および洗濯耐久性が不十分なも
のとなり易く、無孔である場合には、良好な防水性と洗
濯耐久性が得られる一方で、高い透湿性を発現するもの
を得ることは難しい。
【0004】近年、特に高発汗時の結露による不快感を
軽減するために、吸水膨潤性樹脂被膜の利用が有効であ
ることが知られ、検討が重ねられている。これは、衣服
内に蒸気として存在する汗のみならず、液状汗、ひいて
は衣服内面に結露した汗を吸水膨潤膜が素早く膜内に吸
収し、衣服外に放出することで、着用快適性が維持され
るものである。このような性質の樹脂を用いることで、
樹脂膜が無孔であっても、高い透湿性能が発現できるこ
とが確認されている。
【0005】しかしながら、被膜が吸水膨潤するため
に、含水時に強度低下が起こって被膜が破壊しやすくな
ったり、膜表面がべたついて滑りが悪いために、特に洗
濯などに際しての摩擦耐久性に比較的劣る、といった欠
点がある。また、布帛と被膜とで吸水による形態変化が
大きく異なるために接着点に応力が生じ、膜が剥離し易
くなるなど、耐久性および防水性に改善の余地があっ
た。
【0006】一方、シリカ微粒子を配合することで、透
湿性を低下させることなく防水性および耐久性を向上さ
せる技術については、次のような提案がされている。
【0007】特開平5−247849号公報および特開
平6−128527号公報には、ポリアミノ酸ウレタン
樹脂、或いはポリアミノ酸ウレタン樹脂とウレタン樹脂
との混合溶液に、粒径0.02〜10μmの範囲のシリ
カ系微粒子を配合し、湿式加工を行うことで耐水圧向上
を図る技術が提案されている。また、特開平6−136
320号公報では、同様の技術をウレタン樹脂溶液に適
用することで、透湿性および耐水圧向上効果が得られる
ことが述べられている。
【0008】特開平5−78984号公報には、ポリウ
レタン主体の有孔の樹脂被膜中に、実質的に無孔で平均
粒径が0.1μm以下の二酸化珪素微粉末を1%以上含
有する透湿防水性コーティング布帛が提案されている。
ポリウレタン樹脂中に二酸化珪素微粉末を均一にミクロ
分散させることで、湿式凝固時に凝固しようとする樹脂
と二酸化珪素微粉末との界面で微妙な凝固速度のずれを
生じ、1μm以下の微細孔が多数形成される結果、防水
性能を低下させることなく透湿性能が大幅に向上される
ものと推定されている。
【0009】しかし、いずれの場合も、耐水圧はたかだ
か98kPa程度であり、また、湿式加工法であるため
に製造設備が煩雑で製造コストが高いという問題、さら
に被膜が有孔であるがゆえに孔の汚染などにより耐水圧
の低下が起こるなどの微多孔質膜ならではの耐久性面で
の問題点を残している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸水
膨潤性樹脂被膜を用いて得られる高湿度下での優れた透
湿性能を維持しながら、被膜が吸水膨潤することによる
欠点を粒子の添加によって解消し、高い耐久性と防水性
とを兼ね備えた高性能の透湿性防水布帛とその製造方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の一態様は、繊維布帛の少なくとも片面に、吸
水膨潤性樹脂からなる無孔の連続被膜を有し、該被膜中
にシリカ微粒子が含有されてなる透湿性防水布帛であ
る。
【0012】また、本発明の他の態様は、吸水膨潤性樹
脂を主成分とする有機溶剤系の樹脂塗工液中に、オルガ
ノシリカゾルを加えて混合した後、離型支持体に塗布し
熱処理して製膜し、次いで得られた被膜を布帛にラミネ
ートする透湿性防水布帛の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の透湿性防水布帛は、繊維
布帛の少なくとも片面に吸水膨潤性樹脂からなる無孔の
連続被膜を有する。
【0014】本発明に用いられる繊維布帛とは、羊毛、
絹、綿などの天然繊維、ナイロン、ポリエステル、アク
リルなどの合成繊維およびこれらの混紡、混繊、混編に
より作製された編物、織物、不織布等のことをいう。所
望に応じて、適宜撥水処理などの前処理が施されていて
も差し支えない。
【0015】本発明において、「無孔」とは走査電子顕
微鏡(以下、SEMと略す)および透過電子顕微鏡(以
下、TEMと略す)で観察した場合、これらの分解能で
は「孔」が観察不可能な状態のことをいい、一般的には
非膨潤状態において20nm以上の「孔」が存在しない
状態をいう。この場合の「孔」は、製造工程などで膜中
に生じた独立気泡、物理刺激により生じたピンホール、
欠陥などを含まない。
【0016】本発明に用いられる吸水膨潤性被膜は、大
きな吸湿・吸水量を示し、収着した水により樹脂自体が
可塑化されて高い透湿度を発現する。
【0017】吸水性の大きな樹脂被膜によって液状汗が
吸収される結果、高発汗時にも衣服内湿度の上昇および
結露を抑えることが出来るため、着用者にとって快適な
状態を維持できるのである。
【0018】水分の移動が迅速に行われ、素材内におけ
る湿度の上昇を防ぐために、樹脂の被膜時の吸水膨潤率
は10%以上であることが好ましい。被膜時の吸水膨潤
率が10%以上であるとは、膜厚30μmの樹脂単独被
膜を水に浸漬した際に、線膨潤率が10%以上であるも
ののことをいい、樹脂自身の吸水性が非常に高いことを
意味する。
【0019】逆に、吸水性が高いことは結露防止の観点
からは有利ではあるが、それに伴う膨潤があまりに大き
くなると、強度低下や布帛−膜の剥離など、被膜が吸水
膨潤することによる弊害が顕著になるため、吸水膨潤率
は30%未満であることが望ましい。
【0020】一般に、樹脂膜において、吸水膨潤につれ
て構造弛緩などにより強度は低下するが、本発明に用い
る樹脂膜は、この低下率の出来るだけ小さいもの、望ま
しくは浸水後の強度保持率が80%以上であるものが望
ましい。
【0021】浸水後の強度保持率が80%以上であると
は、膜厚30μmの樹脂単独被膜を室温の蒸留水に30
分以上浸漬し、表面の水滴を軽く拭った直後に測定され
る引張強度が、気乾時に測定される引張強度の80%以
上を維持していることをいい、樹脂自身の強度が吸水に
よりほとんど低下しないことを意味する。
【0022】上記のような機能を発現する樹脂として、
吸水性能を有するエラストマーを用いることができる。
【0023】具体的には、スチレン系エラストマーとし
て、ポリブタジエンとポリスチレンとの共重合体やポリ
イソプレンとポリスチレンとの共重合体など、オレフィ
ン系エラストマーとして、エチレン・プロピレン・メチ
レンとポリプロピレンとの共重合体、ウレタン系エラス
トマーとして、ポリイソシアネートとポリオールとを反
応せしめて得られる共重合体、エステル系エラストマー
として、ポリエチレンテレフタレートと高分子量ポリエ
チレンエーテルグリコールとの共重合体やポリブチレン
テレフタレートと高分子量ポリアルキレンエーテルグリ
コールとの共重合体など、ポリアミド系エラストマーと
してナイロン6とポリエーテルとの共重合体などの親水
化されたものを使用できる。
【0024】特に、ウレタン系エラストマー、エステル
系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどの水膨
潤性エラストマーがより好ましい。吸水膨潤による構造
弛緩、強度低下が小さいものとして、その中でもウレタ
ン系エラストマーの使用が特に好ましい。
【0025】ウレタン系エラストマーにおいては、イソ
シアネート成分として、芳香族ジイソシアネートおよび
脂肪族ジイソシアネートの単独またはこれらの混合物、
例えば、トリレン2,4−ジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジ
イソシアネートなどを用い、また、ポリオール成分とし
て、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオー
ル、例えば、ポリエーテルポリオールとしてはポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどを、ポリエステルポリオール
としては、エチレングリコール、プロピレングリコール
などのジオールとアジピン酸、セバチン酸などの2塩基
酸との反応生成物やカプロラクトンなどの開環重合物を
用いることができる。その他、エーテル/エステル系、
アミド系、カーボネート系のものも適宜利用できる。
【0026】特に好ましい性能を得るためには、イソシ
アネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートを、ポリオールとしてポリエチレングリコールを
含んでなることが望ましい。
【0027】本発明において、吸水膨潤性被膜の膜厚
は、5〜50μmであることが望ましい。膜厚5μm未
満の被膜を欠点なく調製することは非常に難しく、ま
た、あまりに薄いと強度的にも問題が生じる。逆に、膜
厚が50μmよりも大きくなると、十分な透湿性が得ら
れなくなる。
【0028】本発明においては、シリカ微粒子として、
一般式SiO2・nH2Oで表される親水性シリカあるい
は親水性シリカの表面を有機物などで処理して疎水化さ
せたもの、など特に限定することなく用いることが出来
る。
【0029】吸水膨潤性樹脂被膜中にシリカ微粒子が含
有されてなることで、特に含水時に低下する樹脂強度を
粒子分散強化によって補い、膜表面のべたつきを低減し
て摩擦耐久性を向上し、さらに布帛との接着性をも高め
ることが出来る。シリカ微粒子自体が吸水性を示すた
め、被膜の透湿性を低下させることがなく、吸水時に体
積変化を伴わないため、被膜の膨潤を助長することもな
い。特に、洗濯に代表される湿潤時の摩擦に対して、こ
れらの効果は複合化され、より顕著に耐久性の向上が認
められる。
【0030】本発明において用いられるシリカ粒子の平
均粒径は、1μm以下であることが好ましく、中でも
0.05〜0.5μmの範囲にあることが特に望まし
い。
【0031】粒径が1μmよりも大きくなると、粒子分
散強化による強度向上効果が得られにくい。小さすぎる
と表面粗面化による滑り性向上、接着性向上などの効果
が小さくなるので、0.05〜0.5μmの範囲のもの
が最も望ましい効果を発揮する。
【0032】これらのシリカ微粒子が被膜中で凝集した
りすると、膜の性質にムラが生じ、良好な性能が発現さ
れないので、樹脂被膜中で良好に分散させることが好ま
しい。分散状態を良好なものにするには、被膜に用いる
吸水膨潤性樹脂の組成に応じて、シリカの性状を選定す
ればよい。
【0033】シリカの添加量は、被膜に用いる吸水膨潤
性樹脂や目的とする素材の性質に応じて適宜調整すると
よいが、一般的には樹脂固形分に対して0.5〜60重
量%の範囲が適当である。添加量がこの範囲よりも小さ
くなると、十分な効果が得られず、また、過剰に加える
と被膜中でのシリカ微粒子の分散性が悪くなり、被膜が
脆くなることがある。
【0034】本発明による透湿性防水布帛の衣料素材へ
の利用を想定すると、着用快適性の保持と広い適応範囲
の観点から、透湿度が10,000g/m2・24hr
以上、耐水圧が196kPa以上であることが好まし
い。
【0035】ここでいう透湿度とは、JIS L 10
99 酢酸カリウム法での透湿度を評価したもののこと
をいう。この方法は特に発汗量が多く、衣服内が結露し
た状態での透湿を想定したものである。
【0036】また、ここでいう耐水圧とは、JIS L
1092 高水圧法により耐水圧を評価したものをい
う。
【0037】さらに、洗濯機による連続洗濯を24時間
行った後にも、素材の損傷がなく上記耐水圧の80%以
上、すなわち157kPa以上を維持していることが望
ましい。
【0038】次に、本発明の透湿性防水布帛の製造方法
を説明する。
【0039】本発明の透湿性防水布帛は、吸水膨潤性樹
脂を主成分とする有機溶剤系の樹脂塗工液中にオルガノ
シリカゾルを加えて混合した後、離型支持体に塗布し熱
処理して製膜し、次いで得られた被膜を布帛にラミネー
トすることによって得ることが出来る。
【0040】吸水膨潤性樹脂を主成分とする有機溶剤系
の樹脂塗工液は、吸水膨潤性樹脂に有機溶剤を加えて、
塗工、製膜に適した樹脂濃度、溶液粘度に調整して得
る。
【0041】この際用いられる有機溶剤としては、塗工
性および作業効率の面から、一般的にジメチルホルムア
ミド、メチルエチルケトン、トルエンなどが好ましく用
いられる。
【0042】オルガノシリカゾルとは、シリカ微粒子を
各種有機溶剤中に分散させた溶液のことをいい、溶剤種
によって、シリカ微粒子を親水性のまま、あるいは表面
を疎水化して溶解させたものがあるが、何れのものでも
樹脂塗工液中で良好に分散するものである限り、用いる
ことができる。
【0043】但し、ゾル中に含まれる水分が多いと、熱
処理時に発泡による膜ウキが生じたり、イソシアネート
架橋剤を添加する場合にこれを消費してしまうなどウレ
タン樹脂の強度低下を招く恐れがあるため、注意を要す
る。望ましくは、ゾル中の含水率は1%未満であること
が好ましい。
【0044】なお、樹脂塗工液の溶剤としてジメチルホ
ルムアミド、メチルエチルケトンの単独もしくはこれら
の混合液を使用する場合には、メチルエチルケトンある
いはn−プロピルセロソルブのシリカゾルを好ましく用
いることができる。
【0045】樹脂被膜の耐溶剤性、膜強度を向上させ、
シリカ微粒子と樹脂との接着性を高めることを目的とし
て、この溶液にさらに適宜イソシアネートなどの架橋剤
を加えてもよい。
【0046】イソシアネート化合物としては、2,4−
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネートまたはこれらのジイソシアネート
類3モルと活性水素を含有する化合物、1モルとの付加
反応によって得られるトリイソシアネート類などを使用
できる。これらのイソシアネート類は、イソシアネート
基が遊離した形のものであっても、あるいはフェノー
ル、メチルエチルケトオキシムなどを付加させることに
より安定させ、その後の熱処理によりブロックを解離さ
せる形のものであってもよく、作業性や用途により適宜
使い分ければよい。
【0047】離型支持体としては、タフタ織物、フィル
ム、紙など、表面が平滑で、しかもその表面が支持体上
に形成させる樹脂膜に対し、親和性が低いものを用いる
ことが出来る。シリコーン樹脂を塗布した離型紙やフィ
ルム、ポリプロピレンをラミネートした離型紙などが好
ましい。
【0048】離型支持体上に樹脂塗工液を塗布するに
は、ナイフオーバーロールコーティング、ダイレクトロ
ールコーティング、リバースロールコーティング、グラ
ビアコーティングなどの方法が採用でき、離型支持体上
に樹脂塗工液を所望の膜厚となるように塗布すればよ
い。
【0049】離型支持体上に塗工された溶液は、熱処理
によって有機溶剤が蒸発し、被膜化される。
【0050】熱処理は、溶剤や架橋剤の種類および樹脂
液濃度や塗布厚によって異なるが、一般に温度50℃〜
150℃で0.5分〜10分間乾燥を行うとよい。
【0051】次いで、作製した樹脂膜を布帛とラミネー
トする。
【0052】ラミネートは、反応性接着剤を被膜もしく
は布帛または両者に塗布して、乾燥もしくは半乾燥し、
貼り合わせて圧着するドライラミネート法、あるいは、
接着剤を塗布した被膜もしくは布帛または両者を、乾燥
させることなく貼り合わせて圧着するウェットラミネー
ト法などの方法により積層する。または、あらかじめ樹
脂被膜中に架橋剤を混合するなど反応性を付与してお
き、布帛と熱圧着することでラミネートしてもよい。
【0053】被膜と布帛とを貼り合わせた後に、離型支
持体を離型し、透湿性防水布帛を得ることができる。
【0054】得られた透湿性防水布帛には、必要に応じ
て、フッ素系撥水剤、シリコン系撥水剤などを用いて撥
水処理を施してもよい。
【0055】本発明によれば、吸水膨潤性樹脂被膜を用
いて得られる高湿度下での優れた透湿性能を維持しなが
ら、被膜が吸水膨潤することに起因する欠点を粒子の添
加により解消することによって、耐久性と防水性が向上
し、高性能の透湿性防水布帛が得られる。
【0056】さらに、特に洗濯に対する耐久性が従来の
吸水膨潤性樹脂を用いたものと比べて格段に向上してい
るために、耐用年数が長く、素材としての信頼性も高い
ものとなっている。
【0057】本発明は、衣料素材に利用すれば、フィッ
シング、登山衣などのアウトドアウェア、スキー関連ウ
ェア、ウインドブレーカー、アスレチックウェア、ゴル
フウェア、レインウェア、カジュアルコートなどのほ
か、屋外作業着、手袋、靴などにも用いることができ
る。
【0058】
【実施例】各実施例における評価方法を以下に示す。
【0059】[透湿度]JIS L 1099 酢酸カリ
ウム法に準じて測定した。
【0060】[耐水圧]JIS L 1092 高水圧法
に準じて測定した。
【0061】[洗濯後の耐水圧]自動反転渦巻式電気洗濯
機の洗濯槽に、試験片と追加布を合わせて約500gに
なるように調整した後、水道水約25lを入れ、24時
間連続で洗濯を行った。
【0062】洗濯終了後、試験片を取り出して軽く絞
り、室温で風乾させた。
【0063】上記耐水圧と同様、JIS L 1092
高水圧法に準じて測定した。
【0064】実施例1 ポリエチレングリコールと、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートとを反応せしめて得られたエーテル
系ポリウレタンエラストマー(吸水膨潤率17.4%)
を、メチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合
比が2:3である溶媒中に溶解させ、固形分23重量%
の樹脂液を調製した。
【0065】この樹脂液中に、メチルエチルケトン中に
表面を疎水化したシリカ微粒子を分散させたオルガノシ
リカゾル(シリカ粒径0.1〜0.2μm、含水率0.
5%未満)を、シリカが固形分に対して23%となるよ
うに添加混合し、塗工液を調製した。
【0066】ポリプロピレンフィルムをラミネートして
ある離型紙上に、ナイフを用いて樹脂塗工液を塗布し、
120℃で2分間熱処理して溶剤を揮散させ、樹脂被膜
を形成せしめた。
【0067】樹脂被膜の膜厚は12μmであり、SEM
観察によっても孔は認められない連続被膜であった。
【0068】親水性のウレタン系2液反応型接着剤溶液
に、硬化剤として脂肪族系ポリイソシアネート、硬化促
進剤としてアミン成分を添加し、接着剤液を調製した。
【0069】作製しておいた樹脂被膜に、ナイフを用い
て接着剤液を全面塗布し、120℃で1分間熱処理し、
接着剤液を半乾燥させた。
【0070】次いで、ナイロンフィラメント平織物(経
糸:70デニール/68フィラメント、緯糸:70デニ
ール/68フィラメント使い)を積層し、マングルを用
いて室温で圧着した。
【0071】圧着後、直ちに巻取り、張力のかかった状
態で室温で5日静置し、硬化反応を完全に進行せしめ
た。
【0072】静置熟成後、離型紙から離型し透湿性防水
布帛を得た。
【0073】得られた布帛の透湿度は、25,000g
/m2・24hr、初期耐水圧265kPaと、非常に
高い透湿度と耐水圧を具備した透湿性防水布帛であっ
た。
【0074】この透湿性防水布帛の24時間連続洗濯後
の耐水圧は220kPaであり、高い洗濯耐久性を示し
た。
【0075】実施例2 オルガノシリカゾルとして、シリカ微粒子のn−プロピ
ルセロソルブ溶液を(シリカ粒径0.1〜0.2μm、
含水率1.0%未満)シリカが樹脂固形分に対して約1
9%となるように添加した以外は、実施例1と同じ方法
で被膜を製造し、実施例1と同様に布帛とラミネートし
た。
【0076】樹脂被膜は、膜厚13μmの無孔の連続被
膜であった。
【0077】表1に示すように、24,000g/m2
・24hrと非常に高い透湿度を示すと同時に、初期お
よび連続洗濯後も十分な耐水圧を有する布帛が得られ
た。
【0078】比較例1 樹脂塗工液中にオルガノシリカゾルを添加しなかった以
外は、実施例1と全く同様に被膜と布帛とをラミネート
し、透湿性防水布帛を調製した。
【0079】樹脂被膜の膜厚は12μmであった。
【0080】表1に示すように、透湿度が23,000
g/m2・24hr、耐水圧216kPaと初期性能に
は優れるが、連続洗濯により被膜が膨潤・剥離し、24
時間洗濯後は耐水圧の測定が出来ないほどであった。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、優れた透湿性を備えな
がら、十分な防水性能を備え、かつ特に洗濯耐久性に非
常に優れた透湿性防水布帛を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維布帛の少なくとも片面に、吸水膨潤性
    樹脂からなる無孔の連続被膜を有し、該被膜中にシリカ
    微粒子が含有されてなることを特徴とする透湿性防水布
    帛。
  2. 【請求項2】前記吸水膨潤性樹脂がエラストマーであ
    り、その被膜の吸水膨潤率が10%以上30%未満であ
    ることを特徴とする請求項1記載の透湿性防水布帛。
  3. 【請求項3】前記吸水膨潤性樹脂が、イソシアネートと
    して4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポ
    リオールとしてポリエチレングリコールを含むウレタン
    系エラストマーであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の透湿性防水布帛。
  4. 【請求項4】前記吸水膨潤性樹脂からなる被膜の厚みが
    5〜50μm、シリカ粒子の粒径が1μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の透湿性防
    水布帛。
  5. 【請求項5】透湿度で10,000g/m2・24h以
    上、耐水圧で196KPa以上であることを特徴とする
    請求項1〜4いずれかに記載の透湿性防水布帛。
  6. 【請求項6】吸水膨潤性樹脂を主成分とする有機溶剤系
    の樹脂塗工液中に、オルガノシリカゾルを加えて混合し
    た後、離型支持体に塗布し熱処理して製膜し、次いで得
    られた被膜を布帛にラミネートすることを特徴とする透
    湿性防水布帛の製造方法。
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