JPH11105225A - 積層素材およびその製造方法 - Google Patents

積層素材およびその製造方法

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JPH11105225A
JPH11105225A JP27144797A JP27144797A JPH11105225A JP H11105225 A JPH11105225 A JP H11105225A JP 27144797 A JP27144797 A JP 27144797A JP 27144797 A JP27144797 A JP 27144797A JP H11105225 A JPH11105225 A JP H11105225A
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resin
layer
film
water
thickness
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JP27144797A
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Keiji Takeda
恵司 竹田
Tomoko Miyazaki
朋子 宮崎
Jiro Amano
慈朗 天野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度な透湿性能を有するとともに、高い耐水性
能を有した積層素材とその製造方法を提供する。 【解決手段】厚さ0.1〜10μmの非多孔質ポリウレ
タン樹脂A層と、吸水膨潤率が樹脂A層より大きく厚さ
5〜50μmの非多孔質ポリウレタン樹脂B層からな
り、樹脂B層が樹脂A層の片面に積層されてなる複合フ
ィルムが、樹脂A層側で接着剤を介して繊維構造物に積
層してなる積層素材とその製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層素材に関す
る。さらに詳しくは、高い透湿性能とともに、高い耐水
性能を具備した透湿防水素材とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、被膜を利用した透湿防水素材にお
ける透湿性を向上させる手段として、被膜層の透湿性を
向上させる方法は有効な手段とされていた。
【0003】非多孔膜の場合、膜自身の親水化、ソフト
セグメント部分への立体ヘリックス構造間隙付与などに
よる高透湿化が、また、多孔膜の場合、気孔率を高くす
ることによる高透湿化などが行なわれていた。
【0004】近年、快適性の観点から衣服内の結露によ
るベタツキ、ムレ感の抑制を目的にさらなる高透湿化が
目指されており、透湿防水膜層のさらなる高透湿化への
アプローチ方法として非多孔膜、多孔膜のいずれの膜形
態においても薄膜化は有効な手段として実施されてい
た。
【0005】しかし、薄膜化による高透湿化には限界が
あり、透湿性を高くすればするほど膜強度が低下し、素
材自身の防水性能を犠牲にしてしまうといった問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した現
状を鑑み、透湿性、耐水性に優れた積層素材とその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の一態様は、厚さ0.1〜10μmの非多孔質
ポリウレタン樹脂A層と、吸水膨潤率が樹脂A層より大
きく厚さ5〜50μmの非多孔質ポリウレタン樹脂B層
からなり、樹脂B層が樹脂A層の片面に積層されてなる
複合フィルムが、樹脂A層側で接着剤を介して繊維構造
物に積層してなる積層素材である。
【0008】また、上記課題を解決するための本発明の
他の態様は、離型支持体上に、非多孔質ポリウレタン樹
脂Bを塗布し製膜を行う第1工程、該樹脂B層上に樹脂
Bよりも吸水膨潤率の小さな非多孔質ポリウレタン樹脂
Aを塗布し製膜を行う第2工程、第1工程および第2工
程によって得られた複合フィルムの該樹脂A層側または
繊維構造物に接着剤を塗布し、繊維構造物と複合フィル
ムを接着せしめる第3工程からなる積層素材の製造方法
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の積層素材において、布帛
に接着する複合フィルムは、非多孔質樹脂A層と、それ
よりも吸水膨潤率が大きい非多孔質樹脂B層からなるも
のである。
【0010】ここでいう「非多孔」とは走査電子顕微鏡
(以下、SEMと略す)および透過電子顕微鏡(以下、
TEMと略す)で観察した場合、これらの分解能では
「孔」が観察不可能な状態のことをいい、一般的には2
0nm以上の「孔」が非膨潤状態で存在しない状態をい
う。この場合の「孔」には製造工程などで膜中に生じた
場合の独立気泡、物理刺激により生じたピンホール、欠
陥などは含まれない。
【0011】本発明において、複合フィルムは吸水性の
異なる2種類の非多孔質樹脂からなるが、いずれの樹脂
もポリウレタン樹脂である。ポリウレタン樹脂でない場
合は、積層フィルムのストレッチ性、膜厚の異なる被膜
を積層した場合の薄膜の追随性、積層時の被膜同士の接
着耐久性などの乏しいものになる。
【0012】本発明で用いるポリウレタン樹脂とは、ポ
リイソシアネートとポリオールを反応せしめて得られる
共重合体のことをいう。
【0013】イソシアネート成分としては、芳香族ジイ
ソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび脂肪族ジ
イソシアネートの単独またはこれらの混合物を用いるこ
とができ、例えば、トリレン2,4−ジイソシアネー
ト、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロ
ヘキサンジイソシアネートなどである。また、ポリオー
ル成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオールを用いることができ、ポリエーテルポリオ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、ポ
リエステルポリオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコールなどのジオールとアジピン酸、セ
バシン酸などの2塩基酸との反応生成物やカプロラクト
ンなどの開環重合物などである。その他、エーテル/エ
ステル系、アミド系、カーボネート系のものも適宜利用
できる。
【0014】本発明において、複合フィルムの樹脂A層
は厚さ0.1〜10μmの低吸水性ポリウレタン樹脂、
樹脂B層は樹脂A層よりも吸水膨潤率の大きい厚さ5〜
50μmの高吸水性ポリウレタン樹脂であり、樹脂A層
側で部分的に接着剤を介して繊維構造物に積層してなる
積層素材である。
【0015】樹脂A層が低吸水性ポリウレタンであるこ
とで、高吸水性ポリウレタンのみでは発現できない耐水
性を発現することができ、また、膜厚が0.1〜10μ
mであることにより透湿性能も発現することができる。
【0016】低吸水性ポリウレタン樹脂Aとしては、ポ
リオールがポリエステルポリオール型の樹脂が挙げられ
る。
【0017】このとき樹脂A層は、被膜時の吸水膨潤率
が1%未満である樹脂Aであることが好ましい。被膜時
の吸水膨潤率が1%未満とは、膜厚30μmの樹脂単独
被膜を水に浸漬した際に、線膨潤率が1%未満であるも
ののことをいい、樹脂自身の吸水性が非常に低いことを
意味する。
【0018】樹脂A層の膜厚は、薄いと製膜が困難にな
り、厚いと透湿性が極端に低下するので、0.1〜10
μmの範囲にあることが重要である。そして高い耐水性
と高い透湿性をバランス良く実現するには、樹脂A層の
膜厚は0.3〜8μmが好ましく、0.5〜5μmがよ
り好ましい。また、樹脂B層が高吸水性のポリウレタン
樹脂であることで樹脂A層との積層時の透湿性低下を最
小限に抑え、かつ、耐水性が低い樹脂A層単独では成し
えない耐水性能を積層においても発現することができ
る。
【0019】高吸水性ポリウレタン樹脂Bとしては、ポ
リオールがポリエーテル型の樹脂が挙げられる。
【0020】このとき樹脂B層は、被膜時の吸水膨潤率
が10%以上であることが好ましい。被膜時の吸水膨潤
率が10%以上である樹脂とは、膜厚30μmの樹脂単
独被膜を水に浸漬した際に、線膨潤率が10%以上であ
るもののことをいい、樹脂自身の吸水性が非常に高いこ
とを意味する。
【0021】樹脂B層の膜厚は、薄いとフィルムのハン
ドリング上の問題があると同時に、積層をしても十分な
耐水圧が得らず、厚いと積層時のフィルムの透湿性が極
端に低下するので、5〜50μmであることが重要であ
る。そして、積層時に高い透湿性と高い耐水性を共有す
るために、また、樹脂A層の支持膜としての観点から、
膜厚は10〜30μmであることが好ましい。
【0022】また、本発明においては、樹脂A層側で部
分的に接着剤を介して繊維構造物に積層してなり、接着
剤による樹脂A層面の被覆率が30%以上70%未満で
あることが好ましい。
【0023】本発明における繊維構造物とは、例えば、
ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系などの合成
繊維、そして、綿、羊毛、絹などの天然繊維の織編物、
不織布などであるが、これに限定されるものではない。
【0024】本発明における接着剤には、アクリル系、
酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ポリウレタン系などの接
着剤を適宜利用できるが、フィルムとの接着性からポリ
ウレタン系のものがより好ましい。
【0025】接着剤による樹脂A層面の被覆率とは、フ
ィルムの単位面積あたりに占める接着剤の塗布面積の割
合をいう。被覆率は、十分な耐水性を発現するために3
0%以上、そして、十分な透湿性を得るために70%未
満であることが好ましい。
【0026】本発明において、素材内部が結露した場合
の快適性と広い適応範囲の観点から、フィルム側からの
透湿性が10000g/m2・24hr以上であること
が好ましい。
【0027】通常、汗は水蒸気の形で衣服内から樹脂層
を通して衣服外に排出されるため、衣服内で結露してい
ない状態では、従来素材でも十分に対応できる範囲にあ
る。しかし、発汗量が多くなり、衣服内で結露が生じる
までの状態になると液体水と接した系となり、結露した
汗をいかに衣服外へ排出するかが大きな問題となり、よ
り多く透湿する必要が出てくる。
【0028】ここでいう透湿性とは、JIS L 109
9 酢酸カリウム法での透湿性を評価した値をいう。
【0029】この方法は、特に発汗量が多く衣服内が結
露した状態での透湿を想定したものであり、本発明にお
いては、肌側に位置する高吸水性の樹脂が速やかに汗を
吸湿・吸汗し、低吸水性の薄膜を通して衣服外にすみや
かに排出されるため、衣服内が快適に保たれるのであ
る。
【0030】また、耐水圧に関しては、通常の降雨によ
る雨滴では20KPa程度で十分であるが、膝をついた
場合などには大きな水圧がかかることから98KPa以
上であることが好ましい。
【0031】本発明では水を透過させない低吸水性ポリ
ウレタンを表層に位置させることにより高吸水性ポリウ
レタンのみでは発現できない防水性を発現するのであ
る。
【0032】次に、本発明の積層素材の製造方法につい
て説明する。
【0033】本発明の積層素材は、離型支持体上に、非
多孔質ポリウレタン樹脂Bを塗布し製膜を行う第1工
程、該樹脂B層上に樹脂Bよりも吸水膨潤率の小さな非
多孔質ポリウレタン樹脂Aを塗布し製膜を行う第2工
程、第1工程および第2工程によって得られた複合フィ
ルムの該樹脂A層面または繊維構造物に接着剤を塗布
し、繊維構造物と複合フィルムを接着せしめる第3工程
とから製造できる。
【0034】本発明で用いる離型支持体とは、タフタ織
物、フィルム、紙など、表面が平滑で、しかもその表面
が支持上に形成させる樹脂膜に対し親和性の低いものの
ことをいう。通常は、シリコーン樹脂を塗布した離型紙
やフィルム、ポリプロピレンをラミネートした離型紙な
どが好ましい。
【0035】高吸水性樹脂B層に低吸水性樹脂Aを塗布
して、その上に繊維構造物を接着することで、樹脂B層
で迅速に水分を吸収し、樹脂A層を通過して繊維構造物
表面から大気中に蒸発させる積層素材となり、透湿性と
耐水性を兼ね備えたものとなる。
【0036】離型支持体上に樹脂Bを塗布するには、ナ
イフオーバーロールコーティング、ダイレクトロールコ
ーティング、リバースロールコーティング、グラビアコ
ーティングなどの一般的なコーティング処方により、所
望の膜厚となるように樹脂溶液の塗布量を適宜設定して
塗布すればよい。
【0037】次に、この樹脂B溶液を温度50℃〜15
0℃で0.5分〜10分間乾燥し被膜化する。
【0038】なお被膜化の際、耐溶剤性、膜強度を向上
させる目的で適宜、樹脂溶液に架橋剤としてイソシアネ
ート化合物を適宜併用してもよい。イソシアネート化合
物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、または、
これらのジイソシアネート類3モルと活性水素を含有す
る化合物1モルとの付加反応によって得られるトリイソ
シアネート類などを使用できる。
【0039】これらのイソシアネート類は、イソシアネ
ート基が遊離した形のものであっても、あるいは、安定
化のためにフェノール、メチルエチルケトオキシムなど
を付加させ、その後の熱処理によりブロックを解離させ
る形のものであってもよく、作業性や用途により適宜使
い分ければよい。
【0040】以上の第1工程に続き、第2工程で樹脂B
層上に樹脂Aを塗布し、複合フィルムを製造する。
【0041】樹脂Aの塗布は、グラビアコーティングや
スプレーコーティングなどの方法により、所望の膜厚と
なるように樹脂溶液の塗布量を適宜設定して行う。
【0042】次に、第1工程および第2工程で形成した
離型支持体上の複合フィルムの樹脂A層面または繊維構
造物に接着剤を塗布して接着した後、離型支持体からは
がして積層素材を得る。
【0043】接着剤の塗布方法としては、グラビアロー
ルを利用したドットコーティング、スプレーコーティン
グなど、部分的に塗布できる方法であればどのような方
法でも利用できる。
【0044】フィルムの樹脂A面または繊維構造物に接
着剤を塗布するとは、フィルムの樹脂A面または繊維構
造物のいずれか一方に接着剤を塗布することであり、圧
着後の接着剤によるフィルムの面積被覆率が30%から
70%の間になるよう接着剤を塗布することが好まし
い。
【0045】複合フィルムと繊維構造物の接着は圧着し
て熱処理を行うことで達成する。接着剤が塗布された状
態で複合フィルムと繊維構造物を圧着して張り合わせ、
熱処理により接着剤を固化させる。なお、接着剤の種類
によりウェットラミネート方式、ドライラミネート方
式、ホットメルトラミネート方式などがあるが、これら
の方法に限るものではない。
【0046】かかる構成から本発明における作用は低吸
水性のポリウレタン被膜を薄膜化することにより高透湿
性とし、薄膜化による膜強度低下からの耐水圧低下を高
吸水性ポリウレタン樹脂で補い、高吸水性樹脂の低耐水
圧を低吸水性ポリウレタン樹脂で補う相互補完機能と、
繊維構造物との接着面積の制御により達成されると考え
られる。
【0047】また、結露時を想定した透湿性が1000
0g/m2・24hr以上、耐水圧が98KPa以上で
あることにより、あらゆる条件下での快適性を得ること
ができる。
【0048】本発明はフィッシング、登山衣などのアウ
トドアウェア、スキー関連ウェア、ウインドブレーカ
ー、アスレチックウェア、ゴルフウェアレインウェア、
カジュアルコートなどのほか、屋外作業着、手袋、靴な
どにも用いることができる。
【0049】
【実施例】本発明に用いた基布、評価方法について以下
に示す。
【0050】 [基布] ナイロンタフタ 糸使い 70d−68f(タテ、ヨコ) 織り密度 116×88 目付 72g/m2 ナイロンツイル 糸使い 110d−20f(タテ、ヨコ) 織り密度 155×77 目付 130g/m2 ナイロン変化綾 糸使い 70d−24f(タテ)70d−40f(ヨコ) 織り密度 153×106 目付 100g/m2 ポリエステルタフタ-1 糸使い 75d−72f(タテ、ヨコ) 織り密度 110×95 目付 150g/m2 ポリエステルタフタ-2 糸使い 30d−10f(タテ、ヨコ) 織り密度 139×124 目付 105g/m2 [透湿性]JIS L 1099 酢酸カリウム法に準じ
て測定した。
【0051】[耐水圧]JIS L 1092 高水圧法
に準じて測定した。
【0052】[膜厚測定]フィルム断面をSEM観察
し、膜−膜界面から各樹脂層表面までの長さの平均を各
樹脂層の膜厚とした。
【0053】[吸水膨潤率]バットに満たした水(23
℃)中に膜厚30μmの樹脂単独膜を24時間浸漬した
後、膜膨潤による直線方向の長さ変化率(線膨潤率)を
計測し、その値を吸水膨潤率とした。
【0054】実施例1 イソシアネート成分がジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ポリオールがポリエチレンアジペートである低吸水
性ポリウレタン樹脂をDMF:MEK(重量比=1:
3)に溶解し、10重量%の樹脂溶液を調製した。樹脂
重量に対し、架橋剤である芳香族系ポリイソシアネート
を9部、反応促進剤であるアミン成分を2部添加し樹脂
A溶液とした。このとき、低吸水性ポリウレタン樹脂の
吸水膨潤率は0.8%であった。
【0055】また、イソシアネート成分がジフェニルメ
タンジイソシアネート、ポリオールがポリエチレングリ
コールである高吸水性ポリウレタン樹脂を、メチルエチ
ルケトン、ジメチルホルムアミド(重量比=1:1)に
溶解し、23重量%の樹脂B溶液を調製した。このと
き、高吸水性ポリウレタン樹脂の吸水膨潤率は、17%
であった。
【0056】樹脂B溶液を、ポリプロピレンフィルムを
ラミネートした離型フィルム上に塗布し、120℃で2
分間乾燥、樹脂B層を形成した。
【0057】ついで、形成した樹脂B層上に樹脂A溶液
を塗布し、120℃で2分間乾燥、150℃で2分間硬
化することにより積層被膜を形成した。
【0058】積層フィルム上に50メッシュのグラビア
ロールで接着剤を塗工し、予備乾燥ののち、基布である
ナイロンタフタと圧着し、120℃で5分間熱処理後、
室温で24時間以上熟成させた。熟成後、離型支持体を
はがし積層素材を得た。
【0059】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであり、接着剤による
フィルムの被覆率は65%であった。
【0060】表1に示すように、透湿性16800g/
2・24hr、耐水圧196KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0061】実施例2 基布にナイロンツイルを使用する以外は実施例1と同じ
方法で積層素材を得た。
【0062】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであり、接着剤による
フィルムの被覆率は58%であった。
【0063】表1に示すように、透湿性20800g/
2・24hr、耐水圧147KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0064】実施例3 基布にナイロン変化綾を使用する以外は実施例1と同じ
方法で積層素材を得た。
【0065】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであり、接着剤による
フィルムの被覆率は60%であった。
【0066】表1に示すように、透湿性21300g/
2・24hr、耐水圧202KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0067】実施例4 基布にポリエステルタフタ-1を使用する以外は実施例
1と同じ方法で積層素材を得た。
【0068】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであり、接着剤による
フィルムの被覆率は65%であった。
【0069】表1に示すように、透湿性25600g/
2・24hr、耐水圧147KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0070】実施例5 基布にポリエステルタフタ-2を使用する以外は実施例
1と同じ方法で積層素材を得た。
【0071】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであり、接着剤による
フィルムの被覆率は58%であった。
【0072】表1に示すように、透湿性22400g/
2・24hr、耐水圧147KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0073】実施例6 AG-710(旭硝子(株))の2%水溶液に基布を浸漬しマ
ングルで2dip/2nipを行い、110℃で2分間熱処理
を行うことで前撥水を行った。
【0074】ナイロンタフタに50メッシュのグラビア
ロールで接着剤を塗工し、予備乾燥後、実施例1と同様
のフィルムと圧着、120℃で5分間熱処理後、室温で
24時間以上熟成させた。 熟成後、離型支持体をはが
し積層素材を得た。
【0075】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.3μmであった。
【0076】また、接着剤によるフィルムの被覆率は4
8%であった。
【0077】表1に示すように、透湿性28000g/
2・24hr、耐水圧216KPaと透湿性と耐水性
の両者に優れた積層素材であった。
【0078】実施例7 樹脂B層の膜厚が20μmとなるよう塗布する以外は実
施例1と同じ方法で積層素材を得た。
【0079】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は20.1μmであった。
【0080】表1に示すように、透湿性12200g/
2・24hr、耐水圧235KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0081】実施例8 樹脂B層の膜厚が20μmとなるよう塗布する以外は実
施例2と同じ方法で積層素材を得た。
【0082】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は20.1μmであった。
【0083】表1に示すように、透湿性20800g/
2・24hr、耐水圧279KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0084】実施例9 樹脂A層の膜厚が6μmとなるよう塗布する以外は実施
例1と同じ方法で積層素材を得た。
【0085】樹脂A層の膜厚実測値は6.2μm、樹脂
B層の膜厚実測値は10.1μmであった。
【0086】表1に示すように、透湿性10500g/
2・24hr、耐水圧294KPaと、透湿性と耐水
性の両者に優れた積層素材であった。
【0087】比較例1 樹脂A層の膜厚0.08μmとする以外は実施例1と同
じ方法で積層素材を得た。
【0088】樹脂A層の膜厚は欠点のため測定不能、樹
脂B層の膜厚実測値は10.1μmであった。
【0089】表1に示すように、透湿性に優れるが、A
層が薄く膜に欠陥が存在するため耐水性の低い積層素材
であった。
【0090】比較例2 樹脂A層の膜厚を12μmとする以外は実施例1と同じ
方法で積層素材を得た。
【0091】樹脂A層の膜厚実測値は11.8μm、樹
脂B層の膜厚実測値は10.3μmであった。
【0092】表1に示すように、低吸水性である樹脂A
層が厚いため、耐水性には優れるが透湿性の低い積層素
材であった。
【0093】比較例3 樹脂B層の膜厚3μmとする以外は実施例1と同じ方法
で積層素材を得た。
【0094】樹脂A層の膜厚実測値は2.8μm、樹脂
B層の膜厚実測値は2.8μmであった。
【0095】表1に示すように、透湿性に優れるが、樹
脂B層が薄いため耐水性が低い積層素材であった。
【0096】比較例4 樹脂B層の膜厚60μmとする以外は実施例1と同じ方
法で積層素材を得た。
【0097】樹脂A層の膜厚実測値は61.0μm、樹
脂B層の膜厚実測値は2.8μmであった。
【0098】表1に示すように、低吸水性である樹脂A
層が厚いため、耐水性には優れるが透湿性の低い積層素
材であった。
【0099】
【表1】
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、高度な透湿性能を有す
るとともに、高い防水性能を有した積層素材を得ること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ0.1〜10μmの非多孔質ポリウレ
    タン樹脂A層と、吸水膨潤率が樹脂A層より大きく厚さ
    5〜50μmの非多孔質ポリウレタン樹脂B層からな
    り、樹脂B層が樹脂A層の片面に積層されてなる複合フ
    ィルムが、樹脂A層側で接着剤を介して繊維構造物に積
    層してなることを特徴とする積層素材。
  2. 【請求項2】接着剤による樹脂A層面の被覆率が30%
    以上70%未満であることを特徴とする請求項1に記載
    の積層素材。
  3. 【請求項3】複合フィルム側からの透湿性が10000
    g/m2・24hr以上であり、かつ、繊維構造物側か
    らの耐水圧が98KPa以上であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の積層素材。
  4. 【請求項4】樹脂Bの被膜時の吸水膨潤率が10%以上
    であり、かつ、樹脂Aの被膜時の吸水膨潤率が1%未満
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の積層素材。
  5. 【請求項5】離型支持体上に、非多孔質ポリウレタン樹
    脂Bを塗布し製膜を行う第1工程、該樹脂B層上に樹脂
    Bよりも吸水膨潤率の小さな非多孔質ポリウレタン樹脂
    Aを塗布し製膜を行う第2工程、第1工程および第2工
    程によって得られた複合フィルムの該樹脂A層面または
    繊維構造物に接着剤を塗布し、繊維構造物と複合フィル
    ムを接着せしめる第3工程からなることを特徴とする積
    層素材の製造方法。
  6. 【請求項6】樹脂Bの被膜時の吸水膨潤率が10%以上
    であり、かつ、樹脂Aの被膜時の吸水膨潤率が1%未満
    であることを特徴とする請求項5に記載の積層素材の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007056414A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Toray Coatex Co Ltd ダウンプルーフ性布帛
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