JPH09228252A - 複合布帛 - Google Patents

複合布帛

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JPH09228252A
JPH09228252A JP3154596A JP3154596A JPH09228252A JP H09228252 A JPH09228252 A JP H09228252A JP 3154596 A JP3154596 A JP 3154596A JP 3154596 A JP3154596 A JP 3154596A JP H09228252 A JPH09228252 A JP H09228252A
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JP
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powder
resin
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composite fabric
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JP3154596A
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Yasushi Miyake
泰史 三宅
Naoki Kataoka
直樹 片岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い防水性と透湿性を兼ね備え、かつ柔軟な
風合いを有する複合布帛を提供する。 【解決手段】 相対湿度90%での吸湿率が粉体重量に
対して20〜100重量%、相対湿度65%での吸湿率
が粉体重量に対して5〜10重量%、平均粒径が0.5
〜30μmの無機微粉体を含むポリウレタン重合体を主
体とした湿式凝固された樹脂層を少なくとも布帛の片面
に配した複合布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、編織物等の布帛の少な
くとも片面に湿式凝固されたポリウレタン樹脂層を有す
る透湿性、防水性に優れた複合布帛に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、特に衣料、生活資材用途を中心
に、快適性や健康への関心が高まると共に、透湿、防
水、撥水機能を有する布帛が求められている。従来から
これらの機能を布帛に付与する方法として、ポリウレタ
ンを主体とする樹脂を布帛上で湿式凝固させる方法が知
られている。一般的に湿式凝固法によって得られる布帛
は、防水性能には優れているが、透湿性能が不十分であ
るので、樹脂中に界面活性剤や親水性の高い物質を添加
する方法が提案されている。しかし、この方法では透湿
性能が向上しても防水性能が低下してしまい、両者の性
能を満足させることができない。これまでに、この防水
性能と透湿性能の両者を満足させる布帛として、例えば
特開平6−136320号公報では粒径0.02〜10
μmの疎水性シリカ系微粒子を含むポリウレタン樹脂皮
膜を湿式凝固法によって製造する方法、特開平6−27
2168号公報では、平均粒径1μm以下でN,N−ジ
メチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/1
00g以上の無機微粉体を樹脂皮膜中に含有するコーテ
ィング布帛が提案されているが、添加している粉体が疎
水性や親油性であるために防水性能の向上は図れるが、
十分な透湿性を得るに至っておらず、また湿式凝固加工
時の水と有機溶媒の置換速度が遅くなるため、加工の安
定性及び生産性に問題があった。
【0003】また、布帛上に湿式凝固法で得られる有孔
の高透湿樹脂層を形成し、次にこの樹脂層上に無孔の樹
脂層を形成させ、高い防水性能と透湿性能を得る方法も
試みられているが、複合布帛の透湿性能は6000g/
2 ・day程度であり、また異種の樹脂を2回積層さ
せるためにかかる加工コストは約2倍となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の技術欠点を解決し、高い防水性能と透湿性能を有し、
柔軟な風合、樹脂表面の滑り性に優れた複合布帛を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため鋭意検討を進めた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、ポリウレタン重合体を主
体とする湿式凝固された樹脂層が布帛の少なくとも片面
に配されており、樹脂層中に相対湿度90%での吸湿率
が粉体重量に対し20〜100重量%、かつ相対湿度6
5%での吸湿量が粉体重量に対し5〜10重量%である
平均粒径0.5〜30μmの無機微粉体が含まれている
ことを特徴とする複合布帛である。
【0006】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明におけるポリウレタン重合体としては、ポリ
エステル系、ラクトンエステル系、ポリエ−テル系、ポ
リエステル・ポリエ−テル共重合系、ポリカ−ボネ−ト
系ポリウレタン等が挙げられる。ポリウレタン重合体に
はウレタン成分が50〜100重量%含まれており、例
えば両末端にヒドロキシル基を持つ重合体、有機ポリイ
ソシアネート、多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤
及び多官能性活性水素原子を有する末端停止剤を1段ま
たは多段階に反応させ、または上記の両末端にヒドロキ
シル基を持つ重合体と有機ポリイソシアネートからなる
プレポリマーに、上記の鎖延長剤および末端封鎖剤を反
応させて得られる。
【0007】両末端にヒドロキシル基を有する線状の重
合体としては、ポリアルキレンエーテルジオール、例え
ば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシペンタメチレングリコール、ポリオキシ
プロピレンテトラメチレングリコール等のポリエーテル
ジオール等が挙げられる。
【0008】有機ポリイソシアネートとしては、例え
ば、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、2,
4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TD
I)、p−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジ
メチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、1−ア
ルキルフェニレン−2,4−および2,6−ジイソシア
ネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイ
ソシアネート、2,(α−イソシアネートエチル)フェ
ニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチル
メタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエー
テル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、シクロヘキシレン−4,4’−ジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート等のジイソシアネート類や、トリイソシアネート
類など2個以上のイソシアネート基を含むものなどが挙
げられる。
【0009】鎖伸長剤としてはエチレンジアミン、1,
2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キ
シリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミ
ン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピペラジン、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,8−ヘキ
サンジオール、水等の1種またはこれらの2種以上の混
合物などが挙げられる。
【0010】本発明において、必要に応じてポリウレタ
ンに他の重合体を併用することもできる。ポリウレタン
重合体を主体とする樹脂を、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、メチルエチルケトン、アルコ−ル
系/芳香族系溶剤等の有機溶媒、特に好ましくはジメチ
ルホルムアミドによって樹脂を溶解させ、樹脂溶液を製
造する。樹脂溶液における樹脂固形分比率は通常1〜3
0重量%、好ましくは5〜20重量%、溶液粘度は、5
00〜50000cps程度の樹脂溶液を用いると、繊
維質基材への樹脂溶液の浸透が抑制されるため、繊維質
基材が本来持つ柔軟な風合いを妨げることがないので好
ましい。
【0011】また、樹脂溶液中には、通常使用される各
種添加剤を含んでもよい。例えば、増粘剤、硬化剤、架
橋剤、顔料、光沢付与剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤等であるが、繊維質基材と樹脂層との
接着性を向上させる目的で、架橋剤として前述の有機ポ
リイソシアネート化合物、例えば4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネートに代表されるような、分子内に
2個以上のイソシアネート基を有す公知の脂肪族、脂環
族もしくは芳香族等の化合物が例示される。また、有機
ポリイソシアネートとして、遊離のイソシアネート基に
変換される封鎖されたイソシアネート基を有する化合物
を使用してもよいが、これら架橋剤を風合い硬化が見ら
れない程度、即ち樹脂固形分に対して1〜10重量%、
特に3〜7重量%程度の割合で使用することが好まし
い。
【0012】次に、有機溶媒によって溶解されたポリウ
レタン重合体を主体とする樹脂溶液は、水に浸漬するこ
とによって湿式凝固され樹脂層を形成する。樹脂層を布
帛の少なくとも片面に設ける方法としては、樹脂溶液を
フロ−ティングナイフコ−タ−、ナイフオ−バ−ロ−ル
コ−タ−、リバ−スロ−ルコ−タ−、ロ−ルドクタ−コ
−タ−、グラビアロ−ルコ−タ−、キスロ−ルコ−タ
−、ニップロ−ルコ−タ−、パイプドクター(コンマ)
コーターなどを用いて通常の方式で直接的に樹脂層を布
帛に積層する方法や、離型紙上で樹脂層を先に形成させ
接着剤により間接的に布帛に積層する方法等公知の方法
が適用できる。特に好ましくは樹脂溶液を直接的に布帛
上に塗布し、樹脂溶液塗布後に湿式凝固させる、湿式コ
ーティング法が加工コストを抑える方法として効果が高
い。
【0013】本発明で用いられる布帛としては、合成繊
維、半合成繊維、天然繊維からなる糸を経糸と緯糸に用
いた平織、綾織、朱子織などの織物、平編、ゴム編、パ
−ル編などのよこ編物やシングルトリコット編やシング
ルアトラス編、シングルコ−ド編、ハ−フトリコット
編、プレ−ントリコット編、クイ−ンズコ−ド編、綴れ
編などのたて編物、および不織布等が挙げられる。より
防水性能を向上させるためには空隙率の小さい織物が好
ましく、布帛の柔軟性が良好なタスラン、インターレー
ス等の噴射捲縮加工を施した嵩高加工糸を緯糸及び/ま
たは経糸に用いた織物が更に好ましい。
【0014】また、布帛が本来持つ柔軟な風合いを妨げ
ない目的で、布帛への樹脂溶液の浸透を抑制する方法、
例えばフッ素系撥水剤を主成分とする疎水性前処理剤を
付着させる方法を用いることも好ましい。疎水化前処理
剤の主成分として用いられるフッ素系撥水剤としては、
例えば炭素数3〜20のアルキル化合物の一部または全
部の水素をフッ素に置き替えたフルオロアルキル化合物
叉はパ−フルオロアルキル化合物から誘導されるアクリ
レ−ト叉はメタクリレ−トとビニル化合物との共重合体
からなるフッ素系撥水剤が挙げられる。また、上述のフ
ッ素系撥水剤に併用する形で、撥水性シリコ−ンを柔軟
性を向上させるために、主成分のフッ素系撥水剤の成分
量未満の範囲で用いても良い。この疎水化前処理剤とし
て併用される撥水性シリコ−ンとしては、例えば、ジメ
チルポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、ハ
イドロジェン変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロ
キサン、エポキシ変性ポリシロキサンおよびこれらの共
重合シリコ−ンが使用される。中でも、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサンや、ジメチルポリシロキサンとメ
チルハイドロジェンポリシロキサンの共重合体は、繊維
表面の疎水化効果が高く好ましい。
【0015】フッ素系撥水剤の布帛に対する付着量は、
繊維重量に対し0.1〜2重量%であることが好まし
い。さらに好ましくは0.3〜1重量%である。付着量
が0.1重量%より少ないと樹脂層と布帛層の結合効果
が大きく、風合いが硬化し易い。一方、付着量が2重量
%より多いと、過剰量となり無駄になるばかりでなく5
重量%以上では染色時の染色ムラとなったり、撥油性が
強すぎるための弊害、例えばウレタン層と基布層との接
着性等を損なう恐れがある。
【0016】また、疎水化前処理を行った布帛に樹脂層
を付与する前に布帛表面の空隙を損なわない程度に熱カ
レンダ−加工等で平滑化してもよい。本発明でいう複合
布帛とは、布帛の少なくとも片面に、ポリウレタン重合
体を主体とする湿式凝固された樹脂層が配されている繊
維/弾性樹脂複合体をいう。勿論、ポリウレタン樹脂が
一部、布帛の中に入り込んでいてもよい。
【0017】本発明で用いる無機微粉体の平均粒径は
0.5〜30μm、好ましくは3〜15μmである。平
均粒径が0.5μm未満の場合は、ポリウレタン重合体
を主体とする樹脂溶液を作成する段階において微小粉体
同志が溶液内において二次凝集しやすく分散性に劣り、
その結果、湿式凝固後に樹脂層中に巨大孔を形成させ、
得られる複合布帛の防水性能を低下させる。平均粒径が
30μmを越えると、粉体自体が大きいために防水性能
の向上効果は少ない。
【0018】樹脂層を形成するポリウレタン樹脂は、分
子量や重合度によって弾性性能、即ち柔軟性を制御でき
るが、柔軟性の高いポリウレタン樹脂を樹脂層に用いる
ならば、通常、柔軟性に比例して樹脂層の表面に粘着性
が発現し、生地張力制御バーやロールに巻き付く加工ト
ラブルを発生させ易くなる。これを解消させる方法とし
て、この樹脂溶液中にアルコキシ変性ポリシロキサン、
カルボキシル変性ポリシロキサン、これらの共重合体お
よびこれらとジメチルポリシロキサンなどのアルキルポ
リシロキサンとの共重合体等、親水基をその構造の中に
有する親水性シリコ−ンや、ソルビタン系やポリオキシ
エチレン系等の親水化剤を、樹脂固形分に対し0.1〜
10重量%添加する方法が知られているが、かかる親水
化剤の影響で樹脂層が親水化し、防水性能の低下という
問題を生じる。そこで、この樹脂層に柔軟性の高いポリ
ウレタン樹脂を用いる場合は、平均粒径3〜20μm、
好ましくは5〜15μmの無機微粉体を、樹脂に対して
5〜30重量%添加することによって防水性能と透湿性
能を向上させつつ、更に樹脂層の表面触感を改善させる
こともできる。
【0019】本発明で用いられる無機微粉体は、相対湿
度90%での吸湿量が粉体重量に対し20〜100重量
%であって、かつ相対湿度65%での吸湿量が粉体重量
に対し5〜10重量%であることを特徴とするものでな
ければならない。ここでいう吸湿量とは、以下の測定方
法によって測定する。先ず、微粉体を約2gガラスカッ
プに秤量し、105℃絶乾状態にて3時間以上放置し、
微粉体中の水分を蒸発させて微粉体純分の重量を正確に
秤量する。その後、相対湿度90%での吸湿量について
は温度40℃、相対湿度90%雰囲気下で、相対湿度6
5%での吸湿量については温度25℃、相対湿度65%
雰囲気下にて5時間以上放置し、絶乾直後の純分重量に
対する各雰囲気下放置後の重量増加分を吸湿量として定
義している。
【0020】相対湿度90%環境下では、微粉体周囲に
ほとんど水分が飽和状態にある環境であり、本発明者ら
はこの環境は、湿式凝固の時に粉体の周囲の溶媒が、樹
脂溶液中で有機溶媒から水に置換される直前の状態であ
ると推察している。そのため樹脂溶液中において、水分
飽和状態近くで粉体が水分を敬遠した場合、即ち相対湿
度90%での吸湿量が粉体重量に対し20重量%未満の
場合、粉体近くに有機溶媒が保持されるために水と有機
溶媒との置換が抑制される。従って、粉体付近には皮膜
状の実質的に無孔な樹脂層が形成され、かつその樹脂層
が幾重にも重なって存在するために、防水性能は保持さ
れるが透湿性が低下する。また粉体の吸湿量が大きすぎ
る場合、即ち相対湿度90%での吸湿量が粉体重量に対
し100重量%より大きい場合、無機微粉体では存在し
ないと思われるが、たとえ存在していたとしても吸湿量
が大きすぎると水と有機溶媒の置換が急激に行われるた
め、樹脂層内で巨大孔が形成されて防水性能が低下す
る。従って、相対湿度90%での吸湿量は粉体重量に対
し20〜100重量%が適切で、好ましくは50重量%
〜70重量%である。
【0021】また、通常、樹脂溶液として保存される状
態、即ち標準状態と呼ばれる気温20℃、相対湿度65
%環境下では、微粉体は水分よりも有機溶剤との親和性
の高い方が樹脂溶液内での微粉体の分散性、離散性の面
で有効である。しかしながら有機溶媒との親和性が強す
ぎる場合は湿式凝固時の溶媒置換速度が遅れる。無機微
粉体は通常、ジメチルホルムアミドを粉体重量に対して
10重量%以上吸着するため、相対湿度65%環境下で
の吸湿量は、粉体重量に対し5重量%〜10重量%が適
切である。
【0022】ここで用いられる無機微粉体としては、通
常の粉砕方法にて微粉化された粉体であればよく、その
代表としてはSiO2 、Al2 3 、Na2 O、K
2 O、CaO等を主成分とする、3〜50の微細孔を有
する結晶性無機微粉体である。好ましくは結晶性含水ア
ルミノケイ酸塩として分類されるもので、モルデナイ
ト、フェリエライト、A型、X型、Y型ゼオライト等、
一般的に疎水性ゼオライトと総称される。これらはSi
2とAl23を主成分とするもので、SiO2成分量が
Al23成分量に比べ比較的多い。このような疎水性ゼ
オライトは、−Si−O−Si−、または−Si−O−
Al−で形成される酸素環の種類によって多種の均一な
細孔径を有する結晶構造を形成するが、SiO2 のみか
らなる微粉体と異なり、Al23が存在するために粉体
内部で電荷の偏りが発生し粉体自身でイオン性を持つた
めに、水やDMF分子等のイオン性を持つ溶媒の吸着性
に優れ、かつ微粉体の持つイオン性、及び溶媒吸着性能
からウレタン樹脂溶液中での二次凝集が起こり難い特徴
も併せて有している。水分子の分子径は2.6であるた
め、この微粉体はより透湿性能を向上させる目的で、3
〜20の微細孔を有しているものがなお一層好ましい。
【0023】この無機微粉体は樹脂の重量に対して5〜
30重量%、好ましくは10〜25重量%含有している
ものがよい。5重量%未満では得られる複合布帛の透湿
性能と防水性能の向上効果は発揮されず、30重量%を
越えると樹脂層の皮膜強度を低下させ耐久性に問題を生
ずる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明する。以下の例において、全ての量は特に断らな
い限り重量を基準としたものである。また、実施例で示
した測定項目は、下記により測定したものである。 (a)防水性能 JIS L−1092(耐水度試験)に準ずる。 (b)透湿性 JIS L−1099(A−1法)に準ずる。 (c)表面触感 樹脂表面の表面触感を、ハンドリングにより○、○〜
△、△、△〜×、×の5段階で評価した。
【0025】
【実施例1】芯糸に繊度3dのナイロン66繊維(30
d/10f)、鞘糸に繊度0.5dのナイロン66極細
繊維のマルチフィラメント(50d/100f)を用
い、オーバーフィード率を芯糸10%、鞘糸25%に設
定し、通常のタスラン加工処理によって複合嵩高加工糸
を得た。
【0026】次に上記の複合嵩高加工糸を用い経糸密度
を130本/インチ、緯糸密度を70本/インチで用い
た平織物を製織し、以下の染色仕上げ加工を行った。 リラックス精錬 60℃×30分 染料 アリザリンライトブルー(Alizaline Light B lue)4GL(明成化学(株)製) 染色条件 100℃×40分 この染色上がりの平織物を、パ−フルオロアルキル系の
フッ素系撥水剤AG−710(明成化学(株)製)五重
量%、ハイドロジェンシロキサン約55%とジチルシロ
キサン約45%からなる共重合ポリシロキサン1重量%
とメラミン樹脂 M−3(住友化学(株)製)0.5重
量%及び水が93.5重量%からなる疎水化前処理液に
浸漬し、その後ニップロ−ルで絞り率60%になるよう
に均一に絞液した後、160℃で3分間、熱風乾燥機中
で乾燥し、フッ素系撥水剤の有効成分を該織物に対し固
形分で0.50%付着させた疎水化前処理反を作成し
た。
【0027】次に、ポリエステル系ソフトセグメントを
有するポリウレタン20重量%、溶剤系フッ素撥水剤
LS−520(明成化学(株)製)1.5重量%並びに
ジメチルホルムアミド73.5重量%に、相対湿度90
%の吸湿量が55重量%、相対湿度65%の吸湿量が
7.0重量%で平均粒径6μmのシリカマグネシア(組
成比 Al23:SiO2:MgO=0.3:61:2
7)を5重量%含むポリウレタン樹脂溶液を、前記前処
理後の織物にナイフコ−タ−にて100g/m2コ−テ
ィングし、6分間水中凝固させ、続いて60〜70℃の
温水中で20分間、洗浄し、乾燥した。その後、さらに
浸漬法で溶剤系のシリコーン系撥水剤を純分で約0.3
g/m2付着させ、本発明物の複合布帛の一例である実
施例1の複合布帛を得た。
【0028】
【実施例2】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれる無機微粉体が相対湿度90%の吸湿量が45重
量%、相対湿度65%の吸湿量が7.2重量%である平
均粒径10μmのアルミノケイ酸塩(組成比 Al
23:SiO2:ZnO=10:41:40)である以
外は実施例1と同様に加工を施し、実施例2の複合布帛
を得た。
【0029】
【実施例3】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれるシリカマグネシア微粉体の平均粒径が1μmで
ある以外は実施例1と同様に加工を施し、実施例3の複
合布帛を得た。
【0030】
【比較例1】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液を
コーティング後、水中凝固せずに130℃の乾熱で10
分乾燥させる以外は実施例1と同様に加工を施し、比較
例1の複合布帛を得た。
【0031】
【比較例2】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれる無機微粉体を含まない以外は実施例1と同様に
加工し、比較例2の複合布帛を得た。
【0032】
【比較例3】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれる無機微粉体が相対湿度90%の吸湿量が15重
量%、相対湿度65%の吸湿量が7.0重量%である平
均粒径10μmの合成ゼオライト粉末(組成比 Al2
3:SiO2:Na2O=46:36:18)である以
外は実施例1と同様に加工を施し、比較例3の複合布帛
を得た。
【0033】
【比較例4】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれる無機微粉体が相対湿度90%の吸湿量が39重
量%、相対湿度65%の吸湿量が25重量%である平均
粒径12μmのシリカゲル(組成比 SiO2:Na2
=76:24)である以外は実施例1と同様に加工を施
し、比較例4の複合布帛を得た。
【0034】
【比較例5】実施例2におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれるアルミノケイ酸塩の平均粒径が0.1μmであ
る以外は実施例2と同様に加工を施し、比較例5の複合
布帛を得た。
【0035】
【比較例6】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれるシリカマグネシア微粉体の平均粒径が40μm
である以外は実施例1と同様に加工を施し、比較例6の
複合布帛を得た。
【0036】
【比較例7】実施例1におけるポリウレタン樹脂溶液に
含まれる無機微粉体が相対湿度90%の吸湿量が25重
量%、相対湿度65%の吸湿量が2.7重量%である平
均粒径12μmの無孔の二酸化珪素微粉体である以外は
実施例1と同様に加工を施し、比較例7の複合布帛を得
た。
【0037】本発明における実施例および比較例で得ら
れた複合布帛について性能を測定評価し、結果をまとめ
て表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明で得られた複合布帛は、ポリウレ
タン重合体を主体とする湿式凝固されたの層が布帛の少
なくとも片面に形成されていながら、相反する性能であ
る防水性能と透湿性能を同時にかつ安価に実現すること
ができ、特に衣料用透湿防水布として雨具、冬季アウト
ドアとして有用なものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン重合体を主体とする湿式凝
    固された樹脂層が布帛の少なくとも片面に配されてお
    り、この樹脂層中に相対湿度90%での吸湿率が粉体重
    量に対して20〜100重量%、かつ相対湿度65%で
    の吸湿率が粉体重量に対して5〜10重量%である平均
    粒径0.5〜30μmの無機微粉体が含まれていること
    を特徴とする複合布帛。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001049579A (ja) * 1999-07-30 2001-02-20 Toyobo Co Ltd 透湿防水布帛
JP2013501859A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 マヴィック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 被覆マイクロファイバー・ウェブおよびその製造方法

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