JPH06108365A - 透湿防水性コーテイング布帛及びその製造方法 - Google Patents

透湿防水性コーテイング布帛及びその製造方法

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JPH06108365A
JPH06108365A JP27787392A JP27787392A JPH06108365A JP H06108365 A JPH06108365 A JP H06108365A JP 27787392 A JP27787392 A JP 27787392A JP 27787392 A JP27787392 A JP 27787392A JP H06108365 A JPH06108365 A JP H06108365A
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Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Kiyoshi Nakagawa
清 中川
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高透湿性能を有し,しかも防水性能とその洗
濯耐久性に優れた透湿防水性コーティング布帛及びその
製造方法を提供する。 【構成】 繊維布帛上に,実質的に無孔で平均粒径が0.
1μm以下の二酸化ケイ素微粉末を1重量%以上含有さ
せたポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布し,
湿式製膜して有孔の第1樹脂層を形成し,これに撥水性
を付与した後,第1樹脂層の上に水溶性またはエマルジ
ョン系ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布
し,乾式製膜して有孔の第2樹脂層を形成する。 【効果】 優れた防水性能とその洗濯耐久性を有すると
ともに,透湿性能においても良好なコーティング布帛が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,透湿防水性コーテイン
グ布帛およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿式コーティング加工法や乾式コーティ
ング加工法により得られるコーティング布帛は,樹脂層
が有孔のものと無孔のものが知られている。一般に樹脂
層が無孔のときは,優れた防水性と優れた耐洗濯性を得
やすいが,透湿性能が不十分となりやすい傾向にある。
そこで,透湿性能を向上させるために,例えば,ポリウ
レタン樹脂の湿式コーティング加工法では,アニオン系
界面活性剤,ノニオン系界面活性剤,親水性高分子等を
併用することにより,また,ポリウレタン樹脂の乾式コ
ーティング加工法では,樹脂をエマルジョン化すること
により,樹脂層形成時に有孔化をはかり,高透湿性能を
得ようとしている。
【0003】しかしながら,透湿性能を向上させようと
すると,防水性能の低下を招くのが常であり,また,有
孔を均一微細化して防水性能の低下を抑えることができ
たとしても,樹脂層中に細孔が存在している限り,着用
時に汗,油等の汚染物質が吸着されたり,洗濯時の洗剤
が吸着されたりして樹脂皮膜が親水化され,その結果,
防水性能が低下してしまう現象は避け難く,未だに樹脂
層が有孔で高透湿性能を有し,かつ優れた防水性能とそ
の洗濯耐久性を有したコーティング布帛は得られていな
いのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,コーティング布帛の樹脂
層が有孔で高透湿性能を有し,しかも優れた防水性能と
その洗濯耐久性の優れた透湿防水性コーティング布帛を
得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「繊維布帛上に,ポリウレタン樹脂主体の撥
水性を有する有孔の第1樹脂層を有し,その上にポリウ
レタン樹脂主体の撥水性または非撥水性の有孔の第2樹
脂層を有し,1.5kg/cm2 以上の耐水圧と6000g/
2・24h以上の透湿度を有することを特徴とする透
湿防水性コーティング布帛」および「繊維布帛上に,実
質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の二酸化ケイ素微
粉末(微粒子)を1重量%以上含有させたポリウレタン
樹脂主体の合成重合体溶液を塗布し,湿式製膜して有孔
の樹脂層を形成させる第1工程,上記樹脂層に撥水性を
付与する第2工程,該樹脂層上に水溶性またはエマルジ
ョン系ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布
し,乾式製膜して有孔の樹脂層を形成させる第3工程よ
りなることを特徴とする1.5kg/cm2 以上の耐水圧と6
000g/m2・24h以上の透湿度を有する透湿防水
性コーティング布帛の製造方法」を要旨とするものであ
る。
【0006】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
は,まず第1工程として,繊維布帛上に,実質的に無孔
で平均粒径が0.1μm以下の二酸化ケイ素微粉末を1重
量%以上含有させたポリウレタン樹脂主体の合成重合体
溶液を塗布し,湿式製膜して有孔の樹脂層を形成する。
【0007】本発明で用いられる実質的に無孔の二酸化
ケイ素微粉末は,一般にハロゲン化ケイ素の気相酸化
法,ハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解法,電弧法等の乾
式法によって得られる二酸化ケイ素微粉末であり,上記
方法で得られた微粉末は,他の一般的な二酸化ケイ素微
粉末と同様に,粒子表面にシラノール基を多数有してい
るため親水性物質となっている。本発明では,粒子表面
にシラノール基を多数有している二酸化ケイ素微粉末で
十分な効果を有しているが,この親水性二酸化ケイ素微
粉末をポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液に均一分
散させると,樹脂溶液の粘性が強いチクソトロピックと
なりやすく,かつ水分も吸着しやすいので,コーティン
グの操業上注意が必要となり,また,得られた樹脂皮膜
は親水化されているので,漏水性の観点から若干の不利
を生ずる。
【0008】これらの欠点を補う意味で,上記微粉末に
トリメチルクロロシラン,ジメチルジクロロシラン,エ
チルアルコール,イソプロピルアルコール等の物質でシ
ラノール基と反応させて微粒子表面を疎水性とした二酸
化ケイ素微粉末を使用することが有効であり,この疎水
性の微粉末を使用すると,あまりチクソトロピックとな
らず,水分の吸着量も少ないので,物質自体の安定性に
優れ,操業上有利になる。
【0009】また,本発明で用いられる微粉末は,主と
して二酸化ケイ素微粉末であればよく,その他に不純物
として,あるいは混合物として,酸化アルミニウム,酸
化マグネシウム等や一般的な充填剤,顔料等が含有され
ていても何ら問題はない。
【0010】本発明で使用する二酸化ケイ素微粉末は,
二酸化ケイ素成分として60%以上含有しているものを
いう。使用する微粉末の大きさは,平均粒径が0.1μm
以下であることが必要であり,0.05μm以下にする
と,効果の点でより一層好ましい。平均粒径が0.1μm
より大きいと,得られるコーティング布帛の透湿膜の微
細孔の孔径が大きくなりすぎて防水性能を低下させるの
で好ましくない。
【0011】また,二酸化ケイ素微粉末は,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,均一に
1%以上含有していることが必要であり,さらに好まし
くは3%以上がよい。1%未満では,得られるコーティ
ング布帛の透湿膜の微細孔数が少なくなり,高透湿性能
が得られない。
【0012】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0013】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは,樹脂溶液の布帛
内部への浸透を防ぐための一手段である。この場合の撥
水剤としては,パラフィン系撥水剤やポリシロキサン系
撥水剤,フッ素系撥水剤等の公知のものでよく,その処
理も,一般に行われているパディング法,スプレー法等
の公知の方法で行えばよい。特に良好な撥水性を必要と
する場合には,フッ素系撥水剤を使用し,例えば,アサ
ヒガード730(旭硝子株式会社製,フッ素系撥水剤エ
マルジョン)を5%の水分散液でパディング(絞り率3
5%)した後,160℃で1分間の熱処理を行う方法等
によって行う。
【0014】本発明のコーティング布帛においては,上
記の繊維布帛上に二酸化ケイ素微粉末を含むポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体溶液を湿式コーティング法によ
り塗布する。ここでいうポリウレタン樹脂主体の合成重
合体とは,ポリウレタン成分を50〜100%含むもの
をいい,その他の合成重合体としては,例えば,ポリア
クリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリブタジ
エン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等を50%未
満の範囲で含んでいればよく,勿論,フッ素やシリコン
等で変性した化合物も本発明で使用できる。
【0015】ポリウレタン樹脂は,ポリイソシアネート
とポリオールを反応せしめて得られる共重合体であり,
イソシアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,
脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネート
の単独またはこれらの混合物を用い,例えば,トリレン
2,4−ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,
ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポ
リエステルポリオールを用い,ポリエーテルポリオール
は,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル,ポリテトラメチレングリコール等を用い,ポリエス
テルポリオールは,エチレングリコール,プロピレング
リコール等のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2
塩基酸との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物
を用いる。
【0016】また,二酸化ケイ素微粉末を含む上記ポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体溶液は,通常のコーティ
ング法,例えば,ナイフコータ,コンマコータ,リバー
スコータ等を用いて適宜コーティングを行えばよいが,
目的とする1.5kg/cm2 以上の耐水圧を得るためには,
繊維布帛のコーティング面の平滑性や通気度(JISL
−1096法)により異なるが,この第1工程で樹脂皮
膜重量が5g/m2 以上,好ましくは10g/m2 以上
になるように塗布量を調節してコーティングを行うとよ
い。
【0017】本発明では,樹脂層と繊維布帛間の耐剥離
性を向上させる目的で,用いる樹脂と繊維布帛の双方と
親和性の高い化合物を併用してもよく,その化合物とし
てイソシアネート化合物を併用するとよい。イソシアネ
ート化合物としては,2,4−トリレンジイソシアネー
ト,ジフェニルメタンジイソシアネート,イソフォロン
ジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートま
たはこれらのジイソシアネート類3モルと活性水素を含
有する化合物(例えば,トリメチロールプロパン,グリ
セリン等)1モルとの付加反応によって得られるトリイ
ソシアネート類が使用できる。上記のイソシアネート類
は,イソシアネート基が遊離した形のものであっても,
あるいはフェノール,メチルエチルケトオキシム等を付
加させることにより安定させ,その後の熱処理によりブ
ロックを遊離させる形のものであっても,いずれも使用
でき,作業性や用途等により適宜使い分ければよい。
【0018】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1%未満であれば,布帛に対する樹脂層の接
着力が低く,また,10%を超えると,風合が硬化する
傾向が認められるようになるので好ましくない。
【0019】上述のポリウレタン主体の合成重合体から
なる樹脂液を繊維布帛に塗布した後,本発明では,0〜
30℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝
固を行う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間
の洗浄後,通常の方法で乾燥する。
【0020】本発明では,第2工程として,上記湿式製
膜を完了したコーティング布帛に撥水性を付与する。こ
こで用いる撥水剤としては,一般に公知の通常用いられ
ているものでよいが,特にフッ素系撥水剤が有効であ
る。付与方法としては,一般に広く行われているパディ
ング法,スプレー法,グラビア塗布法等の公知の方法を
採用すればよい。
【0021】第2工程終了後,本発明方法では,第3工
程として,前述の樹脂層の上に水溶性またはエマルジョ
ン系ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布し,
乾燥する乾式コーティング法により有孔の樹脂層を形成
させる。
【0022】水溶性ポリウレタン樹脂やエマルジョン系
ポリウレタン樹脂としては,前述のポリウレタン樹脂と
同様にイソシアネート成分とポリオール成分との反応生
成物が挙げられるが,このうち水溶性ポリウレタン樹脂
は,一般に公知の親水性のイオン基を多くもち,水に溶
解する性質を有するポリウレタン樹脂であればよく,例
えば,エラストロンCT−10(第一工業製薬株式会社
製), HYDRANHW−301(大日本インキ化学
工業株式会社製)を挙げることができる。また,エマル
ジョン系ポリウレタン樹脂には,W/O型エマルジョン
(油中水型エマルジョン)とO/W型エマルジョン(水
中油型エマルジョン)があるが,一般に公知の微粒子が
乳化剤等によって均一分散されたポリウレタン樹脂であ
ればよく,例えば,VONDIC1640(大日本イン
キ化学工業株式会社製),ハイムレンX−3038(大
日精化工業株式会社製)を挙げることができる。これら
の水溶性またはエマルジョン系ポリウレタン樹脂は,単
独で,または混合して使用される。
【0023】水溶性またはエマルジョン系ポリウレタン
樹脂主体の合成重合体とは,合成重合体として水溶性ま
たはエマルジョン系ポリウレタン樹脂を60〜100%
含むものをいい,その他の合成重合体として,水溶性ま
たはエマルジョン系のポリアクリル酸,ポリ酢酸ビニル
等やこれらの共重合体を40%未満の範囲で含んでいて
もよく,また,樹脂皮膜の耐剥離性を向上させるため
に,前述のイソシアネート化合物を併用してもよい。
【0024】上述の合成重合体溶液は,前述のコーティ
ング法と同様,ナイフコータやコンマコータ,リバース
コータ等によりコーティングし,乾燥条件や機械的条件
を考慮しつつ有孔の樹脂層を形成すればよいが,樹脂皮
膜重量を1〜10g/m2 になるように塗布量を調節し
てコーティングを行うとよい。1g/m2 未満では,目
的とする1.5kg/cm2 以上の耐水圧を得るのが難しく,
10g/m2 以上では,6000g/m2 ・24h以上
の透湿度を得ることが困難である。
【0025】本発明においては,防水性能とその洗濯耐
久性をさらに向上させる目的で,第3工程で水溶性また
はエマルジョン系ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶
液を塗布して乾式製膜後,再び撥水剤処理を行ってもよ
い。撥水剤処理に際しては,前述と同様,一般に実施さ
れている公知の方法を採用すればよい。
【0026】
【作 用】実質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の二
酸化ケイ素微粉末を均一分散させたポリウレタン樹脂主
体の合成重合体溶液を布帛にコーティングして湿式凝固
を行うと,ポリウレタン樹脂はその特有のポーラス構造
を形成すると同時に,溶液中の二酸化ケイ素微粉末の均
一なミクロ分散により,二酸化ケイ素微粉末と凝固しよ
うとする樹脂との界面に微妙な凝固速度のずれが生じ,
その結果,防水性能を低下させずに透湿性能を大幅に向
上させる1μm以下の微細孔を多数付与することができ
るようになる。
【0027】このような状態の第1有孔樹脂層に次工程
で撥水処理を行い,その上から第3工程で第2有孔樹脂
層を形成すると,撥水性の第1有孔樹脂層は第2有孔樹
脂層に保護されて,着用時の汗,油等の汚染物質の吸着
や洗濯時の洗剤の吸着がなく,第1樹脂層の撥水性能が
維持され,従って,洗濯耐久性の優れた防水性能を発揮
するようになる。本発明では,このように優れた防水性
能が得られるとともに,第2樹脂層を有孔樹脂層とする
ことにより,第1樹脂層の有孔形態を損なうことを極力
抑えることができるので,優れた透湿性能をも得ること
ができる。
【0028】
【実施例】以下,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーティング布帛の性能の
測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 : JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 : JIS L−1099(A−1法) (3)洗濯試験: JIS L−0217(103法)
による家庭洗濯を繰り返し10回および50回行った。
【0029】実施例 1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール68フィラメントを用いた経糸密度120本
/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織し,
通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社製,酸
性染料のDiacidFast Red 3BL 2%owf)を行った
後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製)5%水溶液でパディング(絞り率
35%)して乾燥後,160℃で1分間の熱処理を行っ
た。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用い
て,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m/分
の条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の基布
を得た。
【0030】まず,第1工程として,下記処方1に示す
組成で固形分濃度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナ
イフオーバーロールコータを用いて上記基布のカレンダ
ー面に塗布量80g/m2 にて塗布した後,直ちに15
℃の水中に40秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続い
て,50℃の温水中で10分間の洗浄を行って乾燥し,
二酸化ケイ素微粉末を11%含有する樹脂層を形成し
た。
【0031】〔処方1〕 レザミンCU−4550 100部 (大日精化工業株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミンX−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N・N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジルR−974 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.012μmの
疎水性二酸化ケイ素微粉末)
【0032】次に,第2工程として,グラビアコータを
用いてコーティング面を撥水処理すべく,アサヒガード
710の5%水溶液でグラビアコーティングして,乾燥
後,160℃で1分間の熱処理を行った。
【0033】さらに,第3工程として,撥水処理した樹
脂層の上に,下記処方2に示す組成で固形分濃度18%
のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロールコー
タを用いて塗布量15g/m2 にて塗布した後,80℃
で3分間の乾燥を行い,本発明のコーティング布帛を得
た。
【0034】〔処方2〕 ハイムレンX−3040 100部 (大日精化工業株式会社製,W/O型エマルジョンポリ
ウレタン樹脂) レザミンX 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 30部
【0035】本発明との比較のため,本実施例における
第2工程の撥水処理を省く他は,本実施例と全く同一の
方法により比較用のコーティング布帛(比較例1とす
る。)を得た。
【0036】また,本発明との比較のため,本実施例の
第3工程を省く他は,本実施例と全く同一の方法により
比較用のコーティング布帛(比較例2とする。)を得
た。
【0037】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなように,本発明のコーテ
ィング布帛は,高透湿性能を有していながら,防水性能
とその洗濯耐久性にも優れていることが分かる。
【0040】実施例 2 前記実施例1の処方2に代えて下記処方3の固形分濃度
18%のポリウレタン樹脂溶液を用いる他は,実施例1
と全く同一の方法により本発明のコーティング布帛を得
た。
【0041】〔処方3〕 XOLTEX PX−100F 70部 (大日本インキ化学工業株式会社製,W/O型エマルジ
ョンポリウレタン樹脂) HYDRAN HW−350 30部 (大日本インキ化学工業株式会社製,水溶性ポリウレタ
ン樹脂) レザミンX 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) メチルエチルケトン 15部 トルエン 20部 水 35部
【0042】本発明との比較のため,本実施例における
第2工程の撥水処理を省く他は,本実施例と全く同一の
方法により比較用のコーティング布帛(比較例3とす
る。)を得た。
【0043】また,本発明との比較のため,本実施例の
第3工程を省く他は,本実施例と全く同一の方法により
比較用のコーティング布帛(比較例4とする。)を得
た。
【0044】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示し
た。
【0045】
【表2】
【0046】表2より明らかなように,本発明のコーテ
ィング布帛は,高透湿性能を有していながら,防水性能
とその洗濯耐久性にも優れていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】本発明方法によれば,高性能の透湿性能
を有していながら,防水性能とその洗濯耐久性にも優れ
たコーティング布帛を得ることができる。本発明のコー
ティング布帛は,その優れた性能から,特に雨衣,外衣
等の衣料に適した素材である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛上に,ポリウレタン樹脂主体の
    撥水性を有する有孔の第1樹脂層を有し,その上にポリ
    ウレタン樹脂主体の撥水性または非撥水性の有孔の第2
    樹脂層を有し,1.5kg/cm2 以上の耐水圧と6000g
    /m2・24h以上の透湿度を有することを特徴とする
    透湿防水性コーティング布帛。
  2. 【請求項2】 繊維布帛上に,実質的に無孔で平均粒径
    が0.1μm以下の二酸化ケイ素微粉末を1重量%以上含
    有させたポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布
    し,湿式製膜して有孔の樹脂層を形成させる第1工程,
    上記樹脂層に撥水性を付与する第2工程,該樹脂層上に
    水溶性またはエマルジョン系ポリウレタン樹脂主体の合
    成重合体溶液を塗布し,乾式製膜して有孔の樹脂層を形
    成させる第3工程よりなることを特徴とする1.5kg/cm
    2 以上の耐水圧と6000g/m2・24h以上の透湿
    度を有する透湿防水性コーティング布帛の製造方法。
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