JPH07363B2 - 透湿性防水布帛 - Google Patents

透湿性防水布帛

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JPH07363B2
JPH07363B2 JP62272163A JP27216387A JPH07363B2 JP H07363 B2 JPH07363 B2 JP H07363B2 JP 62272163 A JP62272163 A JP 62272163A JP 27216387 A JP27216387 A JP 27216387A JP H07363 B2 JPH07363 B2 JP H07363B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,優れた防水性能を有する透湿性防水布帛に関
するものである。
(従来の技術) 従来より,コーテイング法による透湿性防水布帛とし
て,樹脂層が無孔質膜からなる透湿性防水布帛と多孔質
膜からなる透湿性防水布帛がよく知られている。無孔質
膜からなる透湿性防水布帛は,樹脂フイルムに固有の性
能によって優れた防水性は得られても,透湿性能の低い
ものしか得られない。一方,多孔質膜からなる透湿性防
水布帛は,高透湿性能を有するものの無孔質膜に比べて
耐水圧が低く,更に着用時の汗や油の付着や洗濯時の洗
剤の吸着によって,多孔質膜の親水化が起こり,防水性
能の低下を引き起こす欠点を有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,上述の現状に鑑みて行われたもので,従来の
無孔質膜からなる透湿性防水布帛の透湿限界をはるかに
超える優れた透湿性能を有し,かつ多孔質膜から成る透
湿性防水布帛に比べ,優れた防水性能を有する透湿性防
水布帛を得ることを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成する本発明は,次の構成よりなるもの
である。
すなわち本発明は,「繊維布帛上に2層の樹脂層を有す
る透湿性防水布帛であって,繊維布帛と接する第1樹脂
層がポリウレタン樹脂主体の合成重合体またはポリアミ
ノ酸ウレタン樹脂主体の合成重合体よりなる多孔質膜で
あり,該多孔質膜と接する第2樹脂層がポリアミノ酸ウ
レタン樹脂主体の合成重合体よりなる無孔質膜であるこ
とを特徴とする透湿性防水布帛」を要旨とするものであ
る。
以下,本発明について詳細に説明を行う。
本発明で用いる繊維布帛としては,ナイロン6やナイロ
ン66で代表されるポリアミド系合成繊維,ポリエチレン
テレフタレートで代表されるポリエステル系合成繊維,
ポリアクリロニトリル系合成繊維,ポリビニルアルコー
ル系合成繊維,トリアセテート等の半合成繊維,あるい
はナイロン6/木綿,ポリエチレンテレフタレート/木綿
等の混紡繊維から構成された織物,編物,不織布等を挙
げることができる。
本発明では,これらの繊維布帛に撥水剤処理を施したも
のを用いてもよい。この場合,布帛の撥水性はJIS L-10
96スプレー法にて撥水度90以上あることが望ましい。用
いる撥水剤は,パラフイン系撥水剤やポリシロキサン系
撥水剤,フツ素系撥水剤等公知のものでよく,その処理
は一般に行われている公知の方法で行ったものでよい。
特に良好な撥水性を必要とする場合にはフツ素系撥水剤
を使用し,例えば旭硝子株式会社製のアサヒガード730
(フツ素系撥水剤エマルジヨン)を5%の水溶液でパデ
イング(絞り率35%)後,160℃にて1分間の熱処理を行
う方法等によって行えばよい。
本発明では,上述の繊維布帛と接する第1樹脂層として
ポリウレタン樹脂主体の合成重合体またはポリアミノ酸
ウレタン樹脂主体の合成重合体を用いて繊維布帛上に多
孔質膜を形成せしめる。またこの多孔質膜と接する第2
樹脂層としてポリアミノ酸ウレタン樹脂主体の合成重合
体を用いて第1樹脂層の上に無孔質膜を形成せしめる。
ここでいうポリウレタン樹脂主体の合成重合体とは,合
成重合体としてポリウレタン樹脂を60〜100%含むもの
(勿論,ポリウレタン樹脂100%でもよい。)をいい,
その他の合成重合体として,例えばポリアクリル酸,ポ
リ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリブタジエン,ポリア
ミノ酸等の高分子や,これらの共重合体等を30%未満の
範囲で含んでいてもよい。
本発明で用いられるポリウレタン樹脂とは,両末端に水
酸基を有するポリオール,有機ジイソシアネートおよび
鎖伸長剤を成分とする反応物である。
上記ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオー
ル,ポリエステルポリオールまたはこれらの混合物もし
くは共重合体等を挙げることができ,ポリエーテルポリ
オールとしては,ポリエチレングリコール,ポリプロピ
レングリコール,ポリテトラメチレングリコール等が挙
げられ,また,ポリエステルポリオールとしては,エチ
レングリコール,プロピレングリコール,ヘキサメチレ
ングリコール等のジオールとアジピン酸,セバチン酸,
マレイン酸,テレフタル酸等の二塩基酸との重縮合物
や,カプロラクトン,ラクトン酸等の開環重合物が挙げ
られる。
有機ジイソシアネート成分としては,芳香族ジイソシア
ネート,樹脂族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシア
ネートの単独またはこれらの混合物が用いられ,例え
ば,トリレン−2・4−ジイソシアネート,4・4′−ジ
フエニルメタンジイソシアネート,1・6−ヘキサンジイ
ソシアネート,1・4−シクロヘキサンジイソシアネート
等が挙げられる。
鎖伸長剤としては,エチレングリコール,プロピレング
リコール,ヘキサメチレングリコール等のジオール類
や,エチレンジアミン,メタフエニレンジアミン,ナフ
チレンジアミン等のジアミン類等の活性水素を有する化
合物が挙げられる。
ポリアミノ酸ウレタン樹脂主体の合成重合体とは,合成
重合体としてポリアミン酸ウレタン樹脂を70〜100%含
むもの(勿論,ポリアミノ酸ウレタン樹脂100%でもよ
い。)をいい,その他の合成重合体として,例えばポリ
−γ−アルキルグルタメートとブタジエンのブロック共
重合体や,ポリ−γ−アルキルグルタメートとロイシン
のブロック共重合体等を30%未満の範囲を含んでいても
よい。
本発明で用いられるポリアミノ酸ウレタン樹脂(以下,P
AU樹脂という。)は,アミノ酸とポリウレタンとからな
る共重合体であり,アミノ酸としては,DL−アラニン,L
−アスパラギン酸,L−シスチン,L−グルタミン酸,グリ
シン,L−リジン,L−メチオニン,L−ロイシンおよびそれ
らの誘導体が挙げられ,ポリアミノ酸を合成する場合に
は,アミノ酸とホスゲンから得られるアミノ酸N−カル
ボン酸無水物(以下,N−カルボン酸無水物をNCAとい
う。)が一般に用いられるが,特に皮膜性能面から光学
活性γ−アルキル−グルタメート−NCAが好ましく用い
られ,その中でも,価格と皮膜物性の面からγ−メチル
−L−グルタメート−NCAまたはγ−メチル−D−グル
タメート−NCAがPAU樹脂のアミノ酸成分として有利に選
択される場合が多い。一方,ポリウレタンとしては,末
端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
で,イソシアネートとポリオールを当量比NCO/OH>1の
条件で反応させて得られるものが用いられる。イソシア
ネート成分としては,芳香族ジイソシアネート,脂肪族
ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートの単独
またはこれらの混合物が用いられ,例えばトリレン2・
4−ジイソシアネート,4・4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート,1・6−ヘキサンジイソシアネート,1・4
−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。ま
た,ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオー
ル,ポリエステルポリオール等が使用される。ポリエー
テルポリオールとしては,ポリエチレングリコール,ポ
リプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコー
ル等が挙げられ,また,ポリエステルポリオールとして
は,エチレングリコール,プロピレングリコール等のジ
オールとがアジピン酸,セバチン酸等の二塩基酸との反
応生成物や,カプロラクトン等の開環重合物が挙げられ
る。
なお,アミノ酸とポリウレタンとの共重合で使用される
アミン類としては,ヒドラジン,エチレンジアミン,ジ
エチルアミン,トリエチルアミン,エタノールアミン等
が用いられる。このように,PAU樹脂は各種アミノ酸NCA
と末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーとの反応系にアミン類を添加して得られるものであ
る。
PAU樹脂の合成時に用いられる重合溶媒としては,アミ
ノ酸NCAの重合溶媒で活性水素を含まないこと,および
末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを
溶解することができることの2点を満足する溶媒が選択
され,かかる溶媒には,例えばジオキサン,テトラヒド
ロフラン等の環状エーテル,酢酸エチル,酢酸ブチル等
の酢酸エステル類,アセトン,メチルエチルケトン等の
ケトン類,ジメチルホルムアミド,N−メチルピロリドン
等の極性アミド溶媒等を挙げることができ,これらは単
独溶媒として,あるいは混合溶媒として用いられる。こ
れらの溶媒系のうち特に好ましいものは,生成する重合
体組成物を溶解または均一分散するもので,例えばジメ
チルホルムアミド単独溶媒,ジメチルホルムアミドとジ
オキサンの混合溶媒またはメチルエチルケトンとジメチ
ルホルムアミドとの混合溶媒等を挙げることができる。
これらの溶媒は,コーテイングによるポリウレタン樹脂
膜あるいはPAU樹脂膜製造時の樹脂溶液の安定性および
塗工性の面でも溶媒として優れている。
本発明の透湿性防水布帛は,繊維布帛上に微細孔を有す
る第1樹脂層を形成したあと,その上に無孔質の第2樹
脂層を形成せしめたものである。
第1樹脂層の多孔質膜の形成方法としては,上述のポリ
ウレタン樹脂溶液やPAU樹脂溶液を繊維布帛上に通常の
コーテイング方法,例えばナイフコータ,コンマコー
タ,リバースコータ等を用いたコーテイング法により塗
布した後,湿式凝固させる方法あるいはポリウレタン樹
脂やPAU樹脂をあらかじめ機械発泡し易い系あるいはW/O
型エマルジヨン系に改質した樹脂溶液を繊維布帛上に塗
布し,乾燥する方法等が挙げられる。
第2樹脂層である無孔質膜の形成方法としては,上述の
多孔質樹脂層上にナイフコータ,コンマコータ,リバー
スコータ等を用いてPAU樹脂溶液を塗布後,50〜140℃の
気体雰囲気中にて乾燥する乾式方法を挙げることができ
る。
PAU樹脂溶液は,あらかじめコーテイング時の作業性を
考え,適宜溶媒で希釈し,樹脂粘度を2,000〜25,000cps
(25℃)に調整し,更に,PAU樹脂膜にピンホールや異物
のない均一な樹脂膜を製造するため,20〜200メツシユの
濾過布による濾過および脱泡処理を施しておくことが望
ましい。
また乾燥条件については,溶媒の沸点を考え,気泡やス
キンコア構造のない均一な無孔膜を形成するよう,温度
および時間を選定することが重要である。例えばジメチ
ルホルムアミド/メチルエチルケトン混合溶媒からなる
PAU樹脂膜を乾燥する場合には,50〜100℃にて0.5〜10分
間の条件で行うごとく,溶媒の蒸発をできるだけ抑制し
た条件での乾燥が望ましい。
本発明では,樹脂層と繊維布帛あるいは樹脂層間の耐剥
離性を向上する目的で,樹脂層あるいは繊維基布との親
和性の高い化合物を併用してもよく,この場合その化合
物としてイソシアネート化合物を併用するとよい。イソ
シアネート化合物としては,2・4−トリレンジイソシア
ネート,ジフエニルメタンジイソシアネート,イソフオ
ロンジイソシアネート,ヘキサメチレンイソシアネート
またはこれらのジイソシアネート類3モルと,活性水素
を含有する化合物(例えばトリメチロールプロパン,グ
リセリンなど)1モルとの付加反応によって得られるト
リイソシアネート類が使用される。上述のイソシアネー
ト類は,イソシアネート基が遊離した形のものであって
も,あるいはフエノール,メチルエチルケトオキシムな
どを付加することにより安定させ,その後の熱処理によ
りブロックを解離させる形のものであっても,いずれで
も使用でき,作業性や用途などにより適宜使い分ければ
よい。
イソシアネート化合物は第1樹脂層の樹脂溶液に添加し
ても,第2樹脂層の樹脂溶液に添加してもよく,また,
これらの双方に添加しても一向に差支えない。
イソシアネート化合物を使用する際,その使用量として
は,ポリウレタン樹脂及びPAU樹脂に対して0.1〜10重量
%の割合で使用することが望ましい。使用量が0.1%未
満であれば,布帛に対する樹脂の接着力及び樹脂層間の
接着力が乏しく,逆に10%を超えると風合が硬化するの
で好ましくない。
また,本発明の透湿性防水布帛の透湿度を向上させる目
的で,第2樹脂層で使用するPAU樹脂溶液にセルロース
アセテート,親水性高分子,可塑剤のうちの少なくとも
一つの化合物を添加してもよく,更に本発明では,耐摩
耗性向上の目的で前述のPAU樹脂溶液にシリコーン含有
化合物を添加してもよい。
ここでいうセルロースアセテートとしては,酢化度が50
〜62.5%の範囲のセルロースジアセテート,セルロース
トリアセテートが用いられる。酢化度が50%以下のセル
ロースアセテートは,温湯にて膨潤するため,皮膜の耐
久性に乏しくなる。一方,酢化度が62.5%以上のセルロ
ースアセテートは,理論的に合成不可能である。
本発明でいう親水性高分子とは,有機溶媒中に溶解,分
散または乳化可能な物質で,かつ,水に対して溶解また
は膨潤する性質を有する高分子化合物のことであり,具
体的に例示すればポリビニルピロリドン,ポリビニルア
ルコール,ポリエチレングリコール,ポリアクリル酸,
ポリアクリル酸エステル,ポリビニルスルホン酸,ポリ
エチレンイミン,カルボキシメチルセルロース等を挙げ
ることができ,本発明ではこれらの親水性高分子のうち
から適宜選択して使用すればよい。
また,本発明でいう可塑剤とは,外部可塑効果を有し,
かつ,前述のPAU樹脂と相溶性を有する化合物を意味す
るものであり,具体的には安息香酸ブチルやオキシ安息
香酸オクチル等の安息香酸エステル系可塑剤,フタル酸
ジブチルやフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル
酸エステル系可塑剤,トリメシン酸トリオクチルやトリ
メリツト酸トリイソデシル等のベンゼントリカルボン酸
エステル系可塑剤,アジピン酸ジオクチルやセバシン酸
ジブチル,ジブチルジグリコールアジペート等の脂肪酸
エステル系可塑剤,リン酸トリクレシルやリン酸トリフ
エニル等のリン酸エステル系可塑剤,エポキシ化大豆油
やエポキシステアリン酸ブチル等のエポキシ系可塑剤,
ポリプロピレンアジペートやポリプロピレンセバケート
等のポリエステル系可塑剤等を挙げることができ,本発
明ではこれらの可塑剤のうちから適宜選択して使用すれ
ばよい。
本発明で耐摩耗性向上の目的で用いるシリコーン含有化
合物とは,有機溶媒中に溶解,分散または乳化可能な物
質で,かつシリコーン含有率が5〜100重量%のものを
いい,シリコーンと他の合成重合体,例えばポリウレタ
ン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル等との混合物や共重
合体であってもよい。シリコーン成分としては,シリコ
ーンオイル,シリコーンレジン,シリコーンゴム等があ
り,このうちシリコーンオイルは直鎖状ポリシロキサン
からなるもので,具体的にはジメチルポリシロキサン,
メチルハイドロジエンポリシロキサン,メチルフエニル
ポリシロキサン,エポキシ変性ジメチルポリシロキサ
ン,アミノ変性ジメチルポリシロキサン,カルボキシル
変性ジメチルポリシロキサン,アルコール変性ジメチル
ポリシロキサン,フッ素変性ジメチルポリシロキサン等
を挙げることができる。シリコーンレジンは,ジメチル
ジクロロシランやメチルハイドロジエンジクロロシラン
等の2官能性シランとメチルトリクロロシラン等の3官
能シランとを混合して加水分解したもので,具体的に
は,メチル・ポリシロキサン樹脂やメチル・フエニル・
ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。シリコー
ンゴムは,シリコーンオイルの高分子量物で飴状,弾性
ゲル状物質であり,ビニル・シリコーンゴムやニトリル
・シリコーンゴム等が挙げられる。
本発明でシリコーン含有化合物を用いる場合には上記の
うち少なくとも一種を使用すればよい。
PAU樹脂に前述のセルロースアセテート,親水性高分
子,可塑剤等を含有せしめる際の使用量については,こ
れらを単独で使用する場合にも,併用して使用する場合
にも,その使用量がPAU樹脂固形分に対し,5重量%から2
00重量%の範囲にあることが好ましい。5%未満の場
合,PAU樹脂膜に対する透湿性の効果が乏しく,一方,200
%を超えると,PAU樹脂膜の機械的性質が悪くなる。
また,PAU樹脂にシリコーン含有化合物を含有せしめる際
の使用量は,PAU樹脂固型分に対し,1重量%から100重量
%の範囲にあることが好ましい。1%未満の場合,PAU樹
脂膜に対する耐摩耗性の効果が乏しく,一方100%を超
えるとPAU樹脂膜の機械的性質が悪くなる。
本発明は以上の構成よりなるものであり,本発明によれ
ば,高度な透湿性能と防水性能を有する透湿性防水布帛
を得ることができる。
(作 用) 本発明の透湿性防水布帛は,繊維布帛と接する第1樹脂
層がポリウレタン樹脂あるいはPAU樹脂(ポリアミノ酸
ウレタン樹脂)よりなる多孔質膜であり,該多孔質膜と
接する第2樹脂層がPAU樹脂よりなる無孔質膜から構成
されてなるものであり,高度の透湿性能を有している。
この透湿性防水布帛の第2樹脂層は無孔であるから,着
用時の汚れの付着や洗剤吸着による耐水圧の低下がな
く,防水性能においても卓越している。
何故に本発明の透湿性防水布帛が高度の透湿性能を有す
るのか,必ずしも明らかではないが,本発明者等はその
理由について次のように推測している。
ポリウレタン樹脂あるいはPAU樹脂を布帛に乾式ダイレ
クトコーテイングした透湿性防水布帛は,その無孔質膜
の薄膜化を行っても,繊維布帛を構成する糸条間に樹脂
液が浸透してしまい,結果として樹脂膜が厚膜化されて
透湿度の低いものになってしまっていたが,本発明の透
湿性防水布帛は,第1樹脂層を多孔質化することにより
第2樹脂層である無孔質膜を糸条間に浸透させずに薄膜
化することを可能とし,一方,PAU樹脂は,アミノ酸とウ
レタンのブロツク共重合により構成されているもので,
アミノ酸ブロツクは主にα−ヘリツクス構造を形成し,
ウレタンブロツクはランダムコイル構造を形成してお
り,特に前者のアミノ酸ブロツクは,α−ヘリツクス構
造に起因して水蒸気の拡散を助長する傾向を有し,この
ようなPAU樹脂に固有のα−ヘリツクス構造とPAU樹脂の
無孔膜の薄膜化とが組みあわされた結果本発明の透湿性
防水布帛が高度の透湿性能を発揮するようになったもの
と推測される。
(実施例) 次に,本発明を実施例によって更に具体的に説明する
が,実施例における性能の測定,評価は次の方法で行っ
た。
(1)透湿度:JIS−Z−0208による。
(2)耐水圧:JIS−L−1096(低水圧法)による。
実施例1 まず,基布としてナイロントリコツトハーフ(フロント
糸およびバツク糸ともナイロン(FD)40d/10fを使用,
コース数53本/吋,ウエール数44本/吋)を用意し,こ
れに通常の方法で精練および酸性染料による染色を行っ
た後,フツ素系撥水剤エマルジヨンのアサヒガード710
(旭硝子(株)製品)5%の水溶液でパデイング(絞り
率80%)し,160℃にて1分間の熱処理を行った。
この基布上に下記処方1のポリウレタン樹脂溶液をリバ
ースコーターを用いて塗布量80g/m2にて塗布した後,70
℃にて2分間の乾燥を行い,第1樹脂層である多孔質膜
(膜厚15μm)を形成した。
処方1 ハイムレンX−3038(大日精化工業(株)製品) 100部 レザミンX(大日精化工業(株)製品) 2部 メチルエチルケトン 18部 トルエン 18部 水 50部 次に,第2樹脂層として用いるPAU樹脂(ポリアミノ酸
ウレタン樹脂)の製造を次の方法で行った。
ポリテトラメチレングリコール(OH価56.9)1970gと1
・6−ヘキサメチレンジイソシアネート504gを90℃で5
時間反応させ,末端にイソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマー(NCO当量2340)を得た。このウレタン
プレポリマー85gとγ−メチル−L−グルタメート−NCA
85gをジメチルホルムアミド/ジオキサン(重量比7/3)
の混合溶媒666gに溶解し,かきまぜながら2%トリエチ
ルアミン溶液50gを添加し,30℃で5時間反応を行うと,
粘度32,000cps(25℃)の黄褐色乳濁状の流動性の良好
なPAU樹脂(以下,PAU樹脂Xという。)の溶液を得た。
次に,前述の第1樹脂層の表面に下記第1表の処方2〜
6に示すPAU樹脂溶液をナイフオーバーロールコーター
を使用して,PAU樹脂膜の乾燥膜厚が8μmになるように
塗布量を適宜調整して塗布した後,60℃,10分間の条件で
乾燥を行い,本発明の透湿性防水布帛5点(A〜E)を
得た。
なお,処方2〜6のPAU樹脂溶液は,100メツシユのポリ
エステル濾過布にて減圧濾過(100mmHg)を行い,更
に,減圧100mmHgで20分間脱泡処理を施したものであ
る。
本発明との比較のため,本実施例で用いた撥水処理済の
ナイロントリコツトハーフに本実施例の処方1,処方2の
塗布液をそれぞれ塗布量120g/m2,160g/m2にてリバース
コーターを用いて塗布した後,60℃で10分間の乾燥を行
い,それぞれ比較例1,比較例2の透湿性防水布帛(いず
れも膜厚23μm)を製造した。
本発明及び比較例1〜2の透湿性防水布帛の性能を測
定,評価し,その結果を合わせて第2表に示した。
第2表において本発明(A〜E)の透湿性防水布帛の性
能を比較例1,比較例2の性能と比較すれば明らかなごと
く,本発明の透湿性防水布帛は,いずれも有孔膜のみか
らなる比較例1の透湿性防水布帛の防水性よりはるかに
高く,また無孔質のみからなる比較例2の透湿性防水布
帛と同レベルの防水性を保持しながら透湿性能が驚くほ
ど向上していることがわかる。
実施例2 上記実施例1で使用したPAU樹脂を用いて次の方法によ
り本発明の透湿性防水布帛を製造した。
まず,基布として経糸,緯糸の双方にナイロン70デニー
ル/34フィラメントを用いた経糸密度120本/インチ,緯
糸密度90本/インチの平織物(タフタ)を用意し,これ
に通常の方法で精練および酸性染料による染色を行った
後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製品)5%水溶液でパディング(絞り
率35%)し,160℃にて1分間の熱処理を行った。次に,
鏡面ロールを持つカレンダー加工機を用いて,温度160
℃,圧力30kg/cm,速度20m/分の条件にてカレンダー加工
を行い,引き続き,下記処方7に示す樹脂固形分濃度20
%の樹脂溶液をナイフオーバーロールコーターを使用し
て塗布量100g/m2にて塗布した後,15℃の水溶液中に40秒
間浸漬し,樹脂分を凝固させた。続いて,50℃の温水中
で10分間洗浄し,乾燥し,第1樹脂層である多孔質膜
(膜厚20μm)を形成した。
次に上述の第1樹脂層の表面に,実施例1における第1
表の処方2〜6に示すPAU樹脂溶液をナイフオーバーロ
ールコーターを使用して,PAU樹脂膜の乾燥膜厚が8μm
になるように塗布量を適宜調整して塗布した後,60℃,10
分間の条件で乾燥を行い,本発明の透湿性防水布帛5点
(F〜J)を得た。
本発明の透湿性防水布帛の性能を測定評価し,その結果
を第3表に示した。
第3表から明らかなごとく,本発明の透湿性防水布帛
は,防水性を損なうことなく透湿性能が驚くほど向上し
ていることがわかる。
(発明の効果) 本発明の透湿性防水布帛は,繊維布帛と接する第1樹脂
層がポリウレタン樹脂あるいはPAU樹脂からなる多孔質
膜であり,該多孔質膜と接する第2樹脂層がPAU樹脂よ
りなる無孔質膜から構成されているものであり,かかる
構成の本発明によれば,従来の多孔質タイプの透湿性防
水布帛や無孔質タイプの透湿性防水布帛の短所を充分補
い,高い防水性能と透湿性能を合わせもつ透湿性防水布
帛を得ることができる。
本発明の透湿性防水布帛は,その優れた性能から,特に
スポーツ衣料に適した素材である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維布帛上に2層の樹脂層を有する透湿性
    防水布帛であって,繊維布帛と接する第1樹脂層がポリ
    ウレタン樹脂主体の合成重合体またはポリアミノ酸ウレ
    タン樹脂主体の合成重合体よりなる多孔質膜であり,該
    多孔質膜と接する第2樹脂層がポリアミノ酸ウレタン樹
    脂主体の合成重合体よりなる無孔質膜であることを特徴
    とする透湿性防水布帛。
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