JPH06123077A - 透湿防水性コーティング布帛 - Google Patents

透湿防水性コーティング布帛

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JPH06123077A
JPH06123077A JP30037092A JP30037092A JPH06123077A JP H06123077 A JPH06123077 A JP H06123077A JP 30037092 A JP30037092 A JP 30037092A JP 30037092 A JP30037092 A JP 30037092A JP H06123077 A JPH06123077 A JP H06123077A
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Japan
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resin
cloth
moisture
silicon dioxide
coating
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JP30037092A
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English (en)
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Tsunekatsu Furuta
常勝 古田
Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Hiroyoshi Nakamura
裕義 中村
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水性能,透湿性能および耐剥離性能の優れ
た透湿防水性コーティング布帛を提供する。 【構成】 繊維布帛上に,実質的に無孔で平均粒径が0.
1μm以下の二酸化ケイ素微粉末を1重量%以上と繊維
基布に対して親和性の高い化合物を0.1重量%以上含有
させたポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液をコーテ
イングし,湿式製膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,雨衣,外衣等の各種衣
料用として用いられる耐剥離性の良好な透湿防水性コー
ティング布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】布帛の表面に透湿膜を有する透湿防水性
布帛は,その透湿膜が多孔質であるものと無孔質である
ものが従来から知られている。特に無孔の透湿膜を有す
るものは,膜表面に1〜3μmの水蒸気が発散可能な程
度の連続した微細孔を有する多孔質膜に比べて,耐洗濯
性,耐摩耗性に優れた透湿防水性布帛として知られてい
るが,布帛に求められる透湿性能が不十分である場合が
多く,透湿防水性布帛としては満足な性能が得られな
い。
【0003】一方,連続した微細孔をもつ多孔質膜を有
するものの中には,十分な透湿性能と防水性能の双方を
もち合わせているものもあるが,実際にウィンドブレー
カーやその他の衣料として縫製し,着用テストを実施し
てみると,皮膜がアンダーウェアーによって擦られて剥
離したり,長時間の運動による屈曲によって皮膜が剥離
したりして,透湿防水性布帛としての機能が著しく低下
するという問題があった。
【0004】この欠点を改善するために,樹脂皮膜の形
成前に繊維基布のコーティング面に基布や樹脂皮膜と親
和性の高いイソシアネート化合物等を付与し,基布と樹
脂膜との密着性を向上させる試みも行われたが,皮膜の
十分な剥離強度を得ることができず,また,製造工程的
にも布帛上に薬剤を付与する工程が増加し,加工コスト
もアップする欠点がある。
【0005】本発明者らは,これらの欠点を改善すべ
く,特願平3−260971号にて,樹脂膜中に実質的
に無孔で平均粒径が0.1μm以下の二酸化ケイ素微粉末
を1%以上含有せしめる方法を提案し,耐剥離性の点で
比較的良好な結果を得たが,未だ十分満足のできる結果
は得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,樹脂皮膜の耐剥離性に遜
色のない透湿防水性コーティング布帛を得ることを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合
成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に実
質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の二酸化ケイ素微
粉末を1重量%以上と,イソシアネート化合物を0.1重
量%以上,およびポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹
脂,ポリエステル系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂
を5重量%以上含有し,7000g/m2/24hrs
以上の透湿度と0.6kg/cm2 以上の耐水圧並びに200
0g/インチ以上の剥離強度を有することを特徴とする
透湿防水性コーティング布帛を要旨とするものである。
【0008】以下,本発明について詳細に説明を行う。
【0009】本発明のコーティング布帛の製造上の特徴
は,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体の極性有機溶剤
溶液中に二酸化ケイ素微粉末,イソシアネート化合物お
よびポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリエス
テル系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を添加したも
のを塗布し,次いで,水中に浸漬して樹脂皮膜を形成す
る,いわゆる湿式コーティング法によって製造する点に
あり,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体が本来有する
防水性能を低下させることなく,微細で孔数の多い高透
湿性の樹脂層を強い密着力で繊維基布上に形成するとこ
ろにある。
【0010】本発明で用いられる実質的に無孔の二酸化
ケイ素微粉末は,一般にハロゲン化ケイ素の気相酸化
法,ハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解法,電弧法等の乾
式法によって得られる二酸化ケイ素微粉末であり,上記
方法で得られた微粉末は,他の一般的な二酸化ケイ素微
粉末と同様に,粒子表面にシラノール基を多数有してい
るため親水性物質となっている。本発明では,粒子表面
にシラノール基を多数有している二酸化ケイ素微粉末で
十分な効果を有しているが,この親水性二酸化ケイ素微
粉末をポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液に均一分
散させると,樹脂溶液の粘性が強いチクソトロピックと
なりやすく,かつ水分も吸着しやすいので,コーティン
グの操業上注意が必要となり,また,得られた樹脂皮膜
は親水化されているので,漏水性の観点から若干の不利
を生ずる。
【0011】これらの欠点を補う意味で,上記微粉末に
トリメチルクロロシラン,ジメチルジクロロシラン,エ
チルアルコール,イソプロピルアルコール等の物質でシ
ラノール基と反応させて微粒子表面を疎水性とした二酸
化ケイ素微粉末を使用することが有効であり,この疎水
性の微粉末を使用すると,あまりチクソトロピックとな
らず,水分の吸着量も少ないので,物質自体の安定性に
優れ,操業上有利になる。
【0012】また,本発明で用いられる微粉末は,主と
して二酸化ケイ素微粉末であればよく,その他に不純物
として,あるいは混合物として酸化アルミニウム,酸化
マグネシウム等や,一般的な充填剤,顔料等が含有され
ていても何ら問題はない。
【0013】本発明で使用する二酸化ケイ素微粉末は,
二酸化ケイ素成分として60%以上含有しているものを
いう。使用する微粉末の大きさは,平均粒径が0.1μm
以下であることが必要であり,0.05μm以下にする
と,効果の点でより一層好ましい。平均粒径が0.1μm
より大きいと,得られるコーティング布帛の透湿膜の微
細孔の孔径が大きくなりすぎて防水性能を低下させるの
で好ましくない。
【0014】また,二酸化ケイ素微粉末は,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,均一に
1%以上含有していることが必要であり,さらに好まし
くは3%以上がよい。1%未満では,得られるコーティ
ング布帛の透湿膜の微細孔数が少なくなり,高透湿性能
が得られない。
【0015】本発明で用いるイソシアネート化合物とし
ては,2,4−トリレンジイソシアネート,ジフェニルメ
タンジイソシアネート,イソフォロンジイソシアネー
ト,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこれらのジ
イソシアネート類3モルと活性水素を有する化合物(例
えば,トリメチロールプロパン,グリセリン等)1モル
との付加反応によって得られるトリイソシアネート類を
挙げることができる。
【0016】上述のイソシアネート類は,イソシアネー
ト基が遊離した形のものであっても,あるいはフェノー
ル,メチルエチルケトオキシム等を付加することにより
安定化させ,その後の熱処理によりブロックを解離させ
る形のものであっても,いずれでもよく,作業性や用途
等により適宜使い分ければよい。
【0017】イソシアネート化合物の使用量としては,
ポリウレタン樹脂を主体とした合成重合体に対して0.1
〜10重量%,好ましくは0.5〜5重量%の割合で使用
する。使用量が0.1%未満であれば,繊維基布に対する
樹脂の接着力が乏しく,逆に10%を超えると,風合が
硬化するので好ましくない。
【0018】ポリアミド系樹脂としては,ナイロン6,
ナイロン66,ナイロン610等,あるいはナイロンの
アミド基の水素をメトキシメチル化したN−メトキシメ
チル66ナイロン等の脂肪族ポリアミドやバーサミド
(ヘンケル日本株式会社商標)で代表されるダイマー酸
系ポリアミド等を挙げることができる。
【0019】ポリウレタン系樹脂としては,ポリエーテ
ルポリオール,ポリエステルポリオール,各種グラフト
化したポリオール,ハロゲン化ポリオール,ジエン鎖を
有するポリオール,ポリカーボネートポリオール,アク
リルポリオール等のポリオールとトリレンジイソシアネ
ート,ジフェニルメタンジイソシアネート,ポリメリッ
クジフェニルメタンジイソシアネート,ヘキサメチレン
ジイソシアネート等のイソシアネートとの重合反応物が
挙げられ,場合により架橋剤や鎖長伸長剤としてジアミ
ン等を併用してもよい。
【0020】ポリエステル系樹脂としては,エチレング
リコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,1・4ブタンジオール,1・6ヘキサンジオール,
ポリテトラメチレングリコール等のジオールと,イソフ
タル酸,テレフタル酸,アジピン酸,セバシン酸等の芳
香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸との重合反応
物,ラクトン等の開環重合物等を挙げることができ,ジ
オール成分と酸成分は,重合物が非晶質となるように選
択し,かつ極性有機溶剤に溶解するように調製する。例
えば,酸成分としてテレフタル酸とセバシン酸を,ジオ
ール成分としてエチレングリコールとネオペンチルグル
コールを用いて重合した分子量2〜3万のポリエステル
が好適に用いられる。
【0021】ポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹脂,
ポリエステル系樹脂の使用量としては,ポリウレタン樹
脂を主体とした合成重合体に対して5〜100重量%,
好ましくは5〜50重量%の割合で使用することが望ま
しい。使用量が5重量%未満であれば,繊維基布に対す
る樹脂の接着力が乏しく,逆に100重量%を超える
と,風合が硬化するか,加熱により樹脂皮膜が変形する
か,または透湿性が低下するか,これらいずれかのデメ
リットが生じてくるので好ましくない。
【0022】本発明では用いる繊維基布の素材に応じ
て,ポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリエス
テル系樹脂を適宜選択してポリウレタン合成樹脂溶液中
に加える。
【0023】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0024】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは樹脂溶液の布帛内
部への浸透を防ぐための一手段である。この場合の撥水
剤としては,パラフィン系撥水剤やポリシロキサン系撥
水剤,フッ素系撥水剤等の公知のものでよく,その処理
も一般に行われているパディング法,スプレー法等の公
知の方法で行えばよい。特に良好な撥水性を必要とする
場合には,フッ素系撥水剤を使用し,例えばアサヒガー
ド730(旭硝子株式会社製,フッ素系撥水剤エマルジ
ョン)を5%の水分散液でパディング(絞り率35%)
した後,160℃で1分間の熱処理を行う方法等によっ
て行えばよい。
【0025】本発明のコーティング布帛においては,上
記の繊維布帛上に二酸化ケイ素微粉末および繊維布帛と
親和性の高い化合物を含むポリウレタン樹脂主体の合成
重合体溶液を湿式コーティング法により塗布する。ここ
でいうポリウレタン樹脂主体の合成重合体とは,ポリウ
レタン成分を50〜100%含むものをいい,その他の
合成重合体としては,例えば,ポリアクリル酸,ポリ塩
化ビニル,ポリスチレン,ポリブタジエン,ポリアミノ
酸等やこれらの共重合体等を50%未満の範囲で含んで
いればよく,勿論フッ素やシリコン等で変性した化合物
も本発明で使用できる。
【0026】ポリウレタン樹脂は,ポリイソシアネート
とポリオールを反応せしめて得られる共重合体であり,
イソシアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,
脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネート
の単独またはこれらの混合物を用い,例えば,トリレン
2,4−ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,
ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポ
リエステルポリオールを用い,ポリエーテルポリオール
は,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル,ポリテトラメチレングリコール等を用い,ポリエス
テルポリオールは,エチレングリコール,プロピレング
リコール等のジオールとアジピン酸,セバシン酸等の2
塩基酸との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物
を用いる。
【0027】また,二酸化ケイ素および繊維基布と親和
性の高い化合物を含む上記のポリウレタン樹脂主体の合
成重合体溶液は,通常のコーティング法,例えば,ナイ
フコーター,コンマコーター,リバースコーター等を用
いて適宜コーティングを行うが,目的とする0.6kg/cm
2 以上の耐水圧を得るためには,繊維布帛のコーティン
グ面の平滑性や通気度(JIS L−1096法)によ
り異なるが,一般的には樹脂皮膜重量が5g/m2
上,好ましくは10g/m2 以上になるように塗布量を
調節してコーティングを行うとよい。
【0028】上述のポリウレタン主体の合成重合体から
なる樹脂液を繊維布帛に塗布した後,本発明では,0〜
30℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝
固を行う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間
の洗浄後,通常の方法で乾燥する。
【0029】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,湿式コーティング後にコーティング布帛に撥
水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前述のよ
うな一般に実施されている公知の撥水処理方法を採用す
ればよい。また,さらに防水性能を向上させたいとき
は,本発明の湿式コーティング層の上に乾燥膜厚が0.5
〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成させ
ればよい。湿式コーティング層が高耐水圧を有している
ため,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透湿性
能の低下も少ない。
【0030】
【作 用】本発明の透湿防水性コーティング布帛のごと
く,その製造時に,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体
溶液の塗布に際して,実質的に無孔で平均粒径0.1μm
以下の二酸化ケイ素微粉末と繊維布帛に対して親和性の
高い化合物であるイソシアネート化合物と,ポリアミド
系樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリエステル系樹脂のう
ちの少なくとも1種の樹脂を含有させておくと,樹脂皮
膜の湿式凝固時に二酸化ケイ素微粉末と樹脂溶液との境
界に極微細孔が多数形成され,極微細孔ゆえに優れた防
水性が得られるとともに,多数孔ゆえに優れた透湿性能
が得られ,しかも繊維布帛と親和性の高い化合物の存在
によって,樹脂溶液の湿式凝固時に,溶出した上記化合
物やポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリエス
テル系樹脂等の樹脂が,樹脂皮膜と繊維基布との界面で
繊維基布を構成する単繊維の各々を被覆するように密着
するため,皮膜の剥離強度が高くなり,優れた耐剥離性
能が得られるようになる。
【0031】
【実施例】以下,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーティング布帛の性能の
測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 JIS L−1099(A−1法) (3)剥離強度 コーティング面にホットメルトテープを布帛の経方向に
150℃のアイロンで接着して,JIS L−1089
法に準じて測定。
【0032】実施例 1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール68フィラメントを用いた経糸密度120本
/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織し,
通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社製,酸
性染料 DiacidFast Red3BL 2%owf)を行った後,
フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガードAG−71
0(旭硝子株式会社製)5%水溶液でパディング(絞り
率35%)して乾燥後,160℃で1分間の熱処理を行
った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用い
て,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m/分
の条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の基布
を得た。
【0033】ここで,下記処方1に示す組成で固形分濃
度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロ
ールコーターを用いて上記基布のカレンダー面に塗布量
80g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中に4
0秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて,50℃の温
水中で10分間の洗浄を行って乾燥し,樹脂層を形成し
た。
【0034】〔処方1〕 ラックスキン #1740 100部 (セイコー化成株式会社製,ポリウレタン樹脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) アエロジル R−974 4部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.012μmの
疎水性二酸化ケイ素微粉末) N−メトキシメチル66ナイロン 5部 N・N−ジメチルホルムアミド 22部
【0035】次に,グラビアコーターを用いて,コーテ
ィング面を撥水処理すべく,アサヒガードAG−710
の5%水溶液でグラビアコーティングし,乾燥後,16
0℃で1分間の熱処理を行い,本発明のコーティング布
帛を得た。
【0036】本発明との比較のため,本実施例において
処方1からN−メトキシメチル66ナイロンを省く他
は,本実施例とまったく同一の方法により比較用のコー
ティング布帛(比較例1とする。)を得た。
【0037】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなように,本発明のコーテ
ィング布帛は,優れた透湿性能と防水性能とともに優れ
た剥離強度を有していることがわかる。
【0040】実施例 2〜3 経糸,緯糸の双方にカチオン可染ポリエステルフィラメ
ント75デニール48フィラメントを用いた経糸密度1
15本/インチ,緯糸密度95本/インチの平織物を製
織し,通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社
製,カチオン染料Diacryl Navy Blue GL−PF 3%
owf)を行った後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒ
ガードAG−710(旭硝子株式会社製)5%水溶液で
パディング(絞り率35%)して乾燥後,160℃で1
分間の熱処理を行った。次に,鏡面ロールをもつカレン
ダー加工機を用いて,温度180℃,圧力30kg/c
m2 ,速度20m/分の条件でカレンダー加工を行い,
コーティング用の基布を得た。
【0041】ここで,下記処方2に示す組成で固形分濃
度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロ
ールコーターを用いて上記基布のカレンダー面に塗布量
80g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中に4
0秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて,50℃の温
水中で10分間の洗浄を行って乾燥し,樹脂層を形成し
た。
【0042】〔処方2〕 ラックスキン #1740 100部 (セイコー化成株式会社製,ポリウレタン樹脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) アエロジル R−974 4部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.012μmの
疎水性二酸化ケイ素微粉末) デスモコール400 5部 (住友バイエル株式会社製,ポリウレタン樹脂) N・N−ジメチルホルムアミド 22部
【0043】次に,グラビアコーターを用いて,コーテ
ィング面を撥水処理すべく,アサヒガードAG−710
の5%水溶液でグラビアコーティングし,乾燥後,16
0℃で1分間の熱処理を行い,本発明のコーティング布
帛(実施例2とする。)を得た。
【0044】上記実施例2において,処方2のデスモコ
ール400に代えてポリテトラメチレンイソフタレート
を5部用いるほかは,実施例2と全く同一の方法により
本発明のコーティング布帛(実施例3とする。)を得
た。
【0045】本発明(実施例2 )との比較のため,実施
例2において処方2からデスモコール400を省くほか
は,本実施例と全く同一の方法により比較用のコーティ
ング布帛(比較例2とする。)を得た。
【0046】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示し
た。
【0047】
【表2】
【0048】表2より明らかなように,本発明のコーテ
ィング布帛は,二酸化ケイ素微粉末および繊維基布と親
和性の高い化合物をポリウレタン合成重合体の樹脂溶液
に加えることにより,優れた透湿性能と防水性能を有す
ると同時に,優れた剥離強度を有していることがわか
る。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば,優れた透湿性能および
防水性能とともに優れた剥離強度をも有するコーティン
グ布帛を得ることができる。本発明のコーティング布帛
は,その加工工程や原料の面からみても,安価なコスト
で製造できるメリットももち合わせている。本発明のコ
ーティング布帛は,その優れた性能から,雨衣,外衣,
スポーツ用衣料に適した素材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06N 3/14 102 7258−4F D06M 15/564 7199−3B 11/12 13/42 15/564

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合
    成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に実
    質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の二酸化ケイ素微
    粉末を1重量%以上と,イソシアネート化合物を0.1重
    量%以上,およびポリアミド系樹脂,ポリウレタン系樹
    脂,ポリエステル系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂
    を5重量%以上含有し,7000g/m2/24hrs
    以上の透湿度と0.6kg/cm2 以上の耐水圧並びに200
    0g/インチ以上の剥離強度を有することを特徴とする
    透湿防水性コーティング布帛。
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CN104997212A (zh) * 2015-07-27 2015-10-28 苏州固特斯电子科技有限公司 一种改进的防水防辐射电保暖面料

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