JP2615288B2 - 透湿防水性コーテイング布帛 - Google Patents

透湿防水性コーテイング布帛

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JP2615288B2
JP2615288B2 JP3260971A JP26097191A JP2615288B2 JP 2615288 B2 JP2615288 B2 JP 2615288B2 JP 3260971 A JP3260971 A JP 3260971A JP 26097191 A JP26097191 A JP 26097191A JP 2615288 B2 JP2615288 B2 JP 2615288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,雨衣,外衣等の各種衣
料用として用いられる透湿性能および防水性能の優れた
コーテイング布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,湿式あるいは乾式コーテイン
グ加工法により得られるコーテイング布帛は,樹脂層が
有孔のものと無孔のものが知られている。一般的に,樹
脂層が有孔のとき,優れた透湿性能は得やすいが,防水
性能は不十分となりやすく,逆に樹脂層が無孔のときに
は,優れた防水性能は得やすいが,透湿性能は不十分と
なりやすい。例えば,ポリウレタン樹脂の湿式コーテイ
ング加工法により得られるコーテイング布帛は,元来防
水性能は優れているが,透湿性能が不十分なので,透湿
性能を向上させるために,アニオン系界面活性剤,ノニ
オン系界面活性剤,親水性高分子等を併用するのが常で
ある。しかし,得られるコーテイング布帛の透湿性能は
十分ではなく,かつ防水性能をかなり低下させ,結果と
して両者ともに十分な性能を満足させることができてい
ない。
【0003】近年,両者の欠点を補う目的で,繊維布帛
上に,まず有孔の高透湿樹脂層を形成し,次に,該樹脂
層上に無孔の樹脂層を形成させ,優れた透湿性能と防水
性能を得る方法が試みられているが,この方法では,有
孔の高透湿樹脂層が湿式法でも高々5000〜6000
g/m2 /24hrs 程度の透湿性しか得られていないの
で,次に行う無孔の樹脂層をたとえ薄く塗布したとして
も,透湿性能が極端に低下し,その結果,優れた透湿性
能と防水性能を両立させることは難しいのが現状であ
る。また,この場合には,コーテイングを2回行うの
で,加工コストの点でも不利である。
【0004】一方,特開昭58−4873号公報および
特公昭62−53632号公報には,二酸化ケイ素を主
成分とする平均粒子径が2〜50μm,総孔容積が0.2
〜5ミリリツトル/gの多孔性粒子を含むポリウレタン
樹脂皮膜を形成せしめ,次に,パーフルオロアルキル基
を有する撥水剤を付与して透湿性防水布帛を得る加工方
法が提案されている。しかし,いずれの方法においても
透湿度は高々3000g/m2 /24hrs 程度であり,
十分な透湿性能は得られていない。また,特開昭61−
174241号公報には,疎水基で処理した含水珪酸粉
末を含むポリウレタン樹脂被膜を湿式製膜せしめる加工
方法が提案たれているが,この発明方法では,高々20
00mm H 2 O(0.2 Kg /cm 2 ) の耐水圧しか得られてい
ない
【0005】さらに,特開平2−251672号公報に
は,150Åより小さい微細孔を有し,かつ表面積20
0m2 /g以上の二酸化ケイ素,酸化チタン等の無機多
孔性粒子を高濃度に層状分散した樹脂層を介在させたポ
リエステルコーテイング布帛の加工方法が提案されてい
るが,この発明の目的は,分散染料の移行性を防止する
ものにすぎず,十分な透湿性能は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,優れた透湿性能と防水性
能を兼ね備えたコーテイング布帛を得ることを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合
成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に実
質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の無水二酸化ケイ
素微粉末を1%以上含有し,7000g/m2 /24hr
s 以上の透湿度と0.6kg/cm2 以上の耐水圧を有するこ
とを特徴とする透湿防水性コーテイング布帛を要旨とす
るものである。以下,本発明について詳細に説明を行
う。
【0008】本発明におけるコーテイング布帛の特徴
は,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体の極性有機溶剤
溶液中に二酸化ケイ素微粉末を均一分散させて塗布し,
次いで,水中に浸漬して樹脂皮膜を形成する,いわゆる
湿式コーテイング法によって製造し,基布となる繊維布
帛上にポリウレタン樹脂主体の合成重合体が本来もって
いる防水性能を低下させることなく,微細で孔数の多い
高透湿性の樹脂層を得るところにある。
【0009】本発明で用いられる実質的に無孔の無水
酸化ケイ素微粉末は,一般にハロゲン化ケイ素の気相酸
化法,ハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解法,電弧法等の
乾式法によって得られる二酸化ケイ素微粉末であり,上
記方法で得られた微粉末は,内部に細孔を持たずかつ結
晶水も有していないが,他の一般的な二酸化ケイ素微粉
末と同様に,粒子表面にシラノール基を多数有している
ため親水性物質となっている。本発明では,粒子表面に
シラノール基を多数有している二酸化ケイ素微粉末で十
分な効果を有しているが,この親水性二酸化ケイ素微粉
末をポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液に均一分散
させると,樹脂溶液の粘性が強いチクソトロピツクとな
りやすく,かつ水分も吸着しやすいので,コーテイング
操業上注意が必要となり,また,得られた樹脂皮膜は親
水化されているので,漏水性の観点から若干の不利を生
ずる。
【0010】これらの欠点を補う意味で,上記微粉末に
トリメチルクロロシラン,ジメチルジクロロシラン,エ
チルアルコール,イソプロピルアルコール等の物質でシ
ラノール基と反応させて微粒子表面を疎水性とした二酸
化ケイ素微粉末を使用することが有効であり,この疎水
性の微粉末を使用すると,あまりチクソトロピツクとな
らず,水分の吸着量も少ないので,物質自体の安定性に
優れ,操業上有利になる。
【0011】また,本発明で用いられる微粉末は,主と
して無水二酸化ケイ素微粉末であればよく,その他に不
純物として,あるいは混合物として酸化アルミニウム,
酸化マグネシウム等や一般的な充填剤,顔料等が含有さ
れていても何ら問題はない。
【0012】本発明で使用する無水二酸化ケイ素微粉末
は,二酸化ケイ素成分として60%以上含有しているも
のをいう。使用する微粉末の大きさは,平均粒径が0.1
μm以下であることが必要であり,0.05μm以下にす
ると,効果の点でより一層好ましい。0.1μmより大き
いと,得られるコーテイング布帛の透湿膜の微細孔の孔
径が大きくなりすぎて防水性能を低下させるので好まし
くない。
【0013】また,無水二酸化ケイ素微粉末は,ポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,均
一に1%以上含有していることが必要であり,さらに好
ましくは3%以上がよい。1%未満では,得られるコー
テイング布帛の透湿膜の微細孔数が少なくなり,高透湿
性能が得られない。
【0014】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0015】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは,樹脂溶液の布帛
内部への浸透を防ぐための一手段である。この場合の撥
水剤としては,パラフイン系撥水剤やポリシロキサン系
撥水剤,フツ素系撥水剤等の公知のものでよく,その処
理も,一般に行われているパデイング法,スプレー法等
の公知の方法で行えばよい。特に良好な撥水性を必要と
する場合には,フツ素系撥水剤を使用し,例えば,アサ
ヒガード730(旭硝子株式会社製,フツ素系撥水剤エ
マルジヨン)を5%の水分散液でパデイング(絞り率3
5%)した後,160℃で1分間の熱処理を行う方法等
によって行えばよい。
【0016】本発明のコーテイング布帛においては,上
記の繊維布帛上に無水二酸化ケイ素微粉末を含むポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体溶液を湿式コーテイング法
により塗布する。ここでいうポリウレタン樹脂主体の合
成重合体とは,ポリウレタン成分を50〜100%含む
ものをいい,その他の合成重合体としては,例えば,ポ
リアクリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリブ
タジエン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等を50
%未満の範囲で含んでいればよく,勿論,フツ素やシリ
コン等で変性した化合物も本発明で使用できる。
【0017】ポリウレタン樹脂は,ポリイソシアネート
とポリオールを反応せしめて得られる共重合体であり,
イソシアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,
脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネート
の単独またはこれらの混合物を用い,例えば,トリレン
2,4−ジイソシアネート,4,4'−ジフエニルメタンジ
イソシアネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,
ポリオール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポ
リエステルポリオールを用い,ポリエーテルポリオール
は,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル,ポリテトラメチレングリコール等を用い,ポリエス
テルポリオールは,エチレングリコール,プロピレング
リコール等のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2
塩基酸との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物
を用いる。
【0018】また,無水二酸化ケイ素微粉末を含む上記
のポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液は,通常のコ
ーテイング法,例えばナイフコータ,コンマコータ,リ
バースコータ等を用いて適宜コーテイングを行えばよい
が,目的とする0.6kg/cm2以上の耐水圧を得るために
は,繊維布帛のコーテイング面の平滑性や通気度(JI
S L−1096法)により異なるが,一般的には樹脂
皮膜重量が5g/m2以上,好ましくは10g/m2
上になるように塗布量を調節してコーテイングを行うと
よい。
【0019】本発明では,樹脂層と繊維布帛間の耐剥離
性を向上させる目的で,樹脂あるいは繊維布帛との親和
性の高い化合物を併用してもよく,その化合物としてイ
ソシアネート化合物を併用するとよい。イソシアネート
化合物としては,2,4−トリレンジイソシアネート,ジ
フエニルメタンジイソシアネート,イソフオロンジイソ
シアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこ
れらのジイソシアネート類3モルと活性水素を含有する
化合物(例えば,トリメチロールプロパン,グリセリン
等)1モルとの付加反応によって得られるトリイソシア
ネート類が使用できる。上記のイソシアネート類は,イ
ソシアネート基が遊離した形のものであっても,あるい
はフエノール,メチルエチルケトオキシム等を付加させ
ることにより安定させ,その後の熱処理によりブロツク
を解離させる形のものであっても,いずれでも使用で
き,作業性や用途等により適宜使い分ければよい。
【0020】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1%未満であれば,布帛に対する樹脂層の接
着力が低く,また,10%を超えると,風合が硬化する
傾向が認められるようになるので好ましくない。
【0021】上述のポリウレタン主体の合成重合体から
なる樹脂液を繊維布帛に塗布した後,本発明では,0〜
30℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝
固を行う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間
の洗浄後,通常の方法で乾燥する。
【0022】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,湿式コーテイング後にコーテイング布帛に撥
水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前述のよ
うな一般に実施されている公知の撥水処理方法を採用す
ればよい。また,さらに防水性能を向上させたいとき
は,本発明の湿式コーテイング層の上に乾燥膜厚が0.5
〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成させ
ればよい。湿式コーテイング層が高耐水圧を有している
ため,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透湿性
能の低下も少ない。
【0023】
【作用】本発明の透湿防水性コーテイング布帛は,ポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体の樹脂層中に実質的に無
孔で平均粒径が0.1μm以下の無水二酸化ケイ素微粉末
を含有せしめることにより,優れた透湿性能と防水性能
を付与せしめたものである。なぜ平均粒径0.1μm以下
無水二酸化ケイ素微粉末を含有せしめることにより優
れた透湿性能と防水性能をともに得ることができるのか
明らかではないが,本発明者らは一応次のように推測し
ている。
【0024】すなわち,実質的に無孔で平均粒径が0.1
μm以下の無水二酸化ケイ素微粉末を均一分散させたポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を布帛にコーテイ
ングして湿式凝固を行うと,ポリウレタン樹脂はその特
有のポーラス構造を形成すると同時に,溶液中には無水
二酸化ケイ素微粉末を均一にミクロ分散させているた
め,無水二酸化ケイ素微粉末と凝固しようとする樹脂と
の界面で微妙な凝固速度のずれが生じ,その結果,防水
性能を低下させずに透湿性能を大幅に向上させる1μm
以下の微細孔を多数付与することができるようになるも
のと推測される。
【0025】本発明では,形成された微細な有孔により
透湿性能が向上しているので,高透湿性防水布帛に特有
の,着用時に圧力が加わったとき問題が発生しやすい漏
水性に対しても非常に有効である。さらに,本発明の
二酸化ケイ素微粉末は,樹脂層の表層から下層まで全
体に均一に存在しているので,樹脂層表面はポリウレタ
ン樹脂特有のぬめり感を消し,ドライタツチにするとと
もに,樹脂層全体の耐摩耗性と接着強度が向上する。
【0026】
【実施例】以下,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーテイング布帛の性能の
測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 JIS L−1099(A−1法) (3)漏水性 ブンデスマン法(L−1092参考試験法)に準じて,
120分後の漏水量の測定と水の浸透による樹脂皮膜面
の状況の観察を行った。 (4)摩耗強力 JIS L−1084(A−1法) (5)剥離強度 コーテイング面にホツトメルトテープを経方向に接着し
て,JIS L−1089法に準じて測定。
【0027】実施例1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフイラメント7
0デニール68フイラメントを用いた経糸密度120本
/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織し,
通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社製,酸
性染料のDiacidFast Red 3BL 2%owf )を行った
後,フツ素系撥水剤エマルジヨンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製)5%水溶液でパデイング(絞り率
35%)して乾燥後,160℃で1分間の熱処理を行っ
た。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用い
て,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m/分
の条件でカレンダー加工を行い,コーテイング用の基布
を得た。
【0028】ここで,下記処方1に示す組成で固形分濃
度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロ
ールコータを用いて上記基布のカレンダー面に塗布量8
0g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中に40
秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて,50℃の温水
中で10分間の洗浄を行って乾燥し,無水二酸化ケイ素
微粉末を11%含有する樹脂層を形成した。 〔処方1〕 レザミンCU−4550 100部 (大日精化工業株式会社製,エステル型ポリウレタン樹脂) レザミンX−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N・N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジルR−974 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.012μmの
疎水性無水二酸化ケイ素微粉末)
【0029】次に,グラビアコータを用いて,コーテイ
ング面を撥水処理すべくアサヒガード710の5%水溶
液でグラビアコーテイングし,乾燥後,160℃で1分
間の熱処理を行い,本発明のコーテイング布帛を得た。
【0030】本発明との比較のため,本実施例において
処方1からアエロジルR−974を省く他は,本実施例
と全く同一の方法により比較用のコーテイング布帛(比
較例1とする)を得た。また,本発明との比較のため,
本実施例の処方1においてアエロジルR−974に代え
てKieselgel 60Gの粉砕物(MERCK社製,粒径1
〜10μmのSiO2 ・nH2 O微粉末)を5部使用し
て17%含有する樹脂層を形成する他は,本実施例と全
く同一の方法により比較用のコーテイング布帛(比較例
2とする)を得た。
【0031】本発明および比較例1,2のコーテイング
布帛の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に
示した。
【表1】
【0032】表1に示す結果から明らかなように,本発
明のコーテイング布帛は,優れた耐水圧と透湿度を有す
るとともに,疎水性の二酸化ケイ素微粉末を適用したこ
とにより,高透湿性防水布帛の欠点である漏水性に対し
ても非常に有効であり,かつ耐摩耗性,耐剥離性も良好
であることがわかる。
【0033】ここで, 参考までに形成された皮膜を断面
写真で説明する。図1および図2は,本発明の透湿防水
性コーテイング布帛の表面に形成された微多孔皮膜の断
面を走査型電子顕微鏡で各々1000倍,10000倍
に拡大して示した写真であり,図3は,比較例1のコー
テイング布帛の表面に形成された二酸化ケイ素微粉末を
含有しないポリウレタン皮膜の断面を走査型電子顕微鏡
写真で1000倍に拡大して示した写真である。本発明
の透湿防水性コーテイング布帛は,図1,2の写真を図
3の写真と比較してみれば明らかなように,1μm以下
の微細孔が多数確認され,その結果,高透湿性能を得て
いるのに対して,比較例の図3の写真では,微細孔が全
く存在していないので,透湿性能は極端に低い。
【0034】実施例2 前記実施例1の処方1においてアエロジルR−974に
代えてアエロジル#200(日本アエロジル株式会社
製,平均粒径0.012μmの親水性無水二酸化ケイ素微
粉末)を同量使用する他は,実施例1と全く同一の方法
により本発明の透湿防水性コーテイング布帛を得た。
【0035】本発明との比較のため,本実施例における
コーテイング樹脂液処方からアエロジル#200を省く
他は,本実施例と全く同一の方法により比較用のコーテ
イング布帛(比較例3とする)を得た。また,本発明と
の比較のため,本実施例のコーテイング樹脂液処方にお
いてアエロジル#200に代えてKieselgel 60Gの粉
砕物(MERCK社製,粒径1〜10μmのSiO2
nH2 O微粉末)を5部使用して17%含有する樹脂層
を形成する他は,本実施例と全く同一の方法により比較
用のコーテイング布帛(比較例4とする)を得た。
【0036】本発明および比較用のコーテイング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示し
た。
【表2】
【0037】表2より明らかなように,本発明のコーテ
イング布帛は,優れた耐水圧と透湿度を有するととも
に,漏水性,耐摩耗性,耐剥離性も良好であることがわ
かる。
【0038】
【発明の効果】本発明方法によれば,優れた透湿性能お
よび防水性能を有するコーテイング布帛を得ることがで
きる。さらに,本発明のコーテイング布帛は,コーテイ
ング樹脂層の耐摩耗性,耐剥離性にも優れている。本発
明によれば,湿式コーテイングのみで透湿性,防水性の
いずれにおいても高性能が得られるので,コストも安く
製造することができ,産業上非常に有利である。本発明
のコーテイング布帛は,その優れた性能から,特に雨
衣,外衣等の衣料に適した素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の透湿防水性コーテ
イング布帛における微多孔質皮膜の断面を,走査型電子
顕微鏡で1000倍に拡大して撮影した皮膜の拡大断面
写真である。
【図2】実施例1で得られた本発明の透湿防水性コーテ
イング布帛における微多孔質皮膜の断面を,走査型電子
顕微鏡で10000倍に拡大して撮影した皮膜の拡大断
面写真である。
【図3】比較例1で得られた比較用のコーテイング布帛
における皮膜の断面を,走査型電子顕微鏡で1000倍
に拡大して撮影した皮膜の拡大断面写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06N 3/14 102 A41D 31/02 A // A41D 31/02 D06M 11/12 (56)参考文献 特開 昭61−160480(JP,A) 「フィラーハンドブック」日本ゴム協 会ゴム工業技術員会 第11分科会白色充 てん剤特別委員会編株式会社大成社(昭 和62年6月再版)発行 第216頁〜第218 頁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合
    成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に実
    質的に無孔で平均粒径が0.1μm以下の無水二酸化ケイ
    素微粉末を1%以上含有し,7000g/m2 /24hr
    s 以上の透湿度と0.6kg/cm2 以上の耐水圧を有するこ
    とを特徴とする透湿防水性コーテイング布帛。
JP3260971A 1991-07-15 1991-09-11 透湿防水性コーテイング布帛 Expired - Lifetime JP2615288B2 (ja)

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DE1992610698 DE69210698T2 (de) 1991-07-15 1992-07-14 Feuchtigkeitsdurchlässiges, wasserundurchlässiges, beschichtetes textiles Flächengebilde und Verfahren zu dessen Herstellung
EP19920202146 EP0523806B1 (en) 1991-07-15 1992-07-14 Moisture permeable and waterproof coated fabric and method for manufacturing same
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