JPH0813344A - 抗菌性透湿防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性透湿防水布帛およびその製造方法

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JPH0813344A
JPH0813344A JP15222694A JP15222694A JPH0813344A JP H0813344 A JPH0813344 A JP H0813344A JP 15222694 A JP15222694 A JP 15222694A JP 15222694 A JP15222694 A JP 15222694A JP H0813344 A JPH0813344 A JP H0813344A
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JP
Japan
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antibacterial
resin
cloth
fine powder
dimethylformamide
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JP15222694A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Hideyuki Tsujimura
英之 辻村
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性の優れた抗菌性を有する透湿防水布帛
およびその製造方法を提供する。 【構成】 平均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメ
チルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/10
0g以上の無機微粉末を1重量%以上含有するポリウレ
タン樹脂主体の合成重合体からなる空孔率20〜70%
の微多孔樹脂皮膜を繊維布帛上に有し,かつ該樹脂皮膜
中に抗菌性を有する物質が含まれて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,抗菌性を有する透湿防
水布帛およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,防水性と透湿性を併せ有する透湿
防水布帛は,身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放
出し,雨が衣服内に浸入するのを防ぐ機能を有している
ことから,スポーツ衣料や防寒衣料等に使用され,中で
も,特に激しい運動に伴う発汗量の比較的多いスポーツ
用途によく使用されている。これらの発汗量の著しいス
ポーツ分野において使用する衣料は,汗が衣料に付着し
やすく,細菌等の微生物が繁殖しやすい環境となってい
る。このような細菌等の繁殖は,悪臭を発生させたり,
生地の変色や脆化等,消費者からの苦情の原因の1つと
なっている。
【0003】このような現状に対して,従来より天然繊
維や合成繊維よりなる布帛に抗菌力を有する物質を塗布
したり,スプレーしたり,あるいは抗菌力を有する物質
の水溶液等を布帛に含浸したりする方法がとられ,用途
分野に合わせて抗菌性を布帛に付与することが行われて
いる。さらに特開昭61−275480号によれば,撥
水加工剤と抗菌剤を含む処理液でコーティング布帛を処
理する方法も開示されている。
【0004】しかしながら,上述のような方法で得られ
る布帛は,抗菌力に持続性がなく,特に,洗濯によって
抗菌剤が容易に脱落してしまうため,洗濯耐久性に優れ
た抗菌性透湿防水布帛の開発が強く要望されるようにな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,耐久性の優れた抗菌性を
有する透湿性防水布帛を得ることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,「平均粒径が1μm以下で,かつN,N
−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル
/100g以上の無機微粉末を1重量%以上含有するポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体からなる空孔率20〜
70%の微多孔樹脂皮膜を繊維布帛上に有し,かつ該樹
脂皮膜に抗菌性を有する物質が含有されていることを特
徴とする抗菌性透湿防水布帛」並びに「ポリウレタン樹
脂主体の合成重合体,平均粒径が1μm以下で,かつ
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末を上記合成重合体に
対して1重量%以上,抗菌性を有する物質および極性有
機溶剤よりなる樹脂溶液を繊維布帛上に塗布し,しかる
後に水中に浸漬して上記樹脂分を凝固せしめることを特
徴とする抗菌性透湿防水布帛の製造方法」を要旨とする
ものである。
【0007】以下,本発明について詳細に説明を行う。
【0008】本発明のコーティング布帛の特徴は,平均
粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミ
ドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機
微粉末を1重量%以上含有するポリウレタン樹脂主体の
合成重合体からなる微多孔樹脂皮膜中に抗菌性を有する
物質が含有されているところにある。
【0009】ここで用いられる無機微粉末としては,通
常の湿式粉砕法やボールミル粉砕法等で微粉化された無
機微粉末やハロゲン化金属の気相酸化法,燃焼加水分解
法,電弧法等の乾式法によって得られる金属酸化物微粉
末を挙げることができ,中でも,これらの方法により製
造される二酸化ケイ素微粉末を代表として挙げることが
できる。これらの方法により得られた微粉末は,一般的
に粒径が0.05μm以下であると同時に,非常に多い
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量を有し,合成重合
体樹脂溶液中に添加せしめる無機微粉末として好適であ
る。さらに,この微粉末は,その表面を疎水性に改質し
たものを用いれば,漏水性の面から見てより一層好適で
あり,また,微粉末自体は実質的に無孔である方が好ま
しい。
【0010】ここでいうN,N−ジメチルホルムアミド
吸着量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,
N,N−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにス
テンレス製のへらを用いて練り合わせる作業を繰り返
し,N,N−ジメチルホルムアミドの1滴で急激に軟ら
かくなる直前までに要したN,N−ジメチルホルムアミ
ドの体積(単位:ミリリットル)を意味しており,JI
S K−5101の煮あまに油の代わりにN,N−ジメ
チルホルムアミドを用いたものである。
【0011】本発明で用いられる無機微粉末は,その平
均粒径が1μm以下であることが必要で,かつN,N−
ジメチルホルムアミド吸着量が200ミリリットル/1
00g以上であることが必要であり,さらには,その平
均粒径が1μm以下で,かつ250ミリリットル/10
0g以上のN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量を有
するものであれば,本発明の効果の点でより一層好まし
い。平均粒径が1μmを超えると,得られるコーティン
グ布帛の透湿膜の微細孔径が大きくなり過ぎて防水性能
を低下させてしまい,また,N,N−ジメチルホルムア
ミドの吸着量が200ミリリットル/100g未満で
は,透湿膜の微細孔の数が少なくなり,高透湿性能が得
られず,しかも,空孔率が小さくなるので好ましくな
い。
【0012】本発明に用いる無機微粉末は,使用するポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体に対して均一に1重量
%以上含有するように該重合体溶液に加えることが必要
であり,さらに好ましくは3重量%以上含有せしめるの
がよい。1重量%未満では,得られるコーティング布帛
の透湿膜の微細孔数が少なくなり,高透湿性能が得られ
ず,空孔率も小さくなる。
【0013】また,無機微粉末は,必ずしも高純度なも
のである必要はなく,不純物として他の無機物質,例え
ば,顔料,充填剤等が含有されていても何ら差し支えな
い。
【0014】本発明のコーティング布帛において用いる
ポリウレタン樹脂主体の合成重合体とは,ポリウレタン
成分を50〜100重量%含むものをいい,その他の合
成重合体としては,例えば,ポリアクリル酸,ポリ塩化
ビニル,ポリスチレン,ポリブタジエン,ポリアミノ酸
等やこれらの共重合体等を50重量%未満の範囲で含ん
でいればよく,勿論,フッ素やシリコン等で変性した化
合物も本発明で使用できる。
【0015】ポリウレタン樹脂は,イソシアネートとポ
リオールを反応せしめて得られる共重合体であり,イソ
シアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,脂肪
族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートの単
独またはこれらの混合物を用い,例えばトリレン2,4−
ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,4−シ
クロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,ポリオ
ール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポリエス
テルポリオールを用い,ポリエーテルポリオールは,ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポ
リテトラメチレングリコール等を用い,ポリエステルポ
リオールは,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル等のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸
との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物を用い
る。
【0016】本発明においては,布帛表面に形成された
抗菌性物質を含有する樹脂皮膜は,下記〔I〕式で示す
空孔率が20〜70%の範囲にあることが必須である
が,抗菌性および透湿性を考えると,この空孔率は40
〜70%の範囲にある方がより一層好ましい。 P={1−(W/S・d)/ρ}×100 〔I〕 (ただし,Pは空孔率(%),Wは樹脂皮膜の重量
(g),Sは樹脂皮膜の面積(cm2),dは樹脂皮膜の厚
み(cm),ρは樹脂の密度(g/cm3)とする。)
【0017】ここで,空孔率が20%未満であると,樹
脂に含有されている抗菌性を有する物質が細菌,カビ,
酵母等に対して接触する面積が少なくなるので,抗菌性
の効果が十分に期待できず,しかも透湿性も低下するの
で好ましくなく,また,空孔率が70%を超えると,防
水性が低下するだけでなく,樹脂の物性が著しく低下し
て実用に耐えなくなるので好ましくない。
【0018】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0019】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは,製造時に樹脂溶
液の布帛内部への浸透を防ぐための一手段である。この
場合の撥水剤としては,前述と同様のパラフィン系撥水
剤やポリシロキサン系撥水剤,フッ素系撥水剤等の公知
のものでよく,その処理も一般に行われているパディン
グ法,スプレー法等の公知の方法で行えばよい。特に良
好な撥水性を必要とする場合にはフッ素系撥水剤を使用
し,例えば,アサヒガード730(旭硝子株式会社製,
フッ素系撥水剤エマルジョン)を5%の水分散液でパデ
ィング(絞り率35%)した後,160℃で1分間の熱
処理を行う方法等によって行えばよい。
【0020】本発明の抗菌性透湿防水布帛は,下記の方
法により製造することができる。まず,上記の繊維布帛
上に平均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホ
ルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100g以
上の無機微粉末を1重量%以上含有し,しかも抗菌性を
有する物質を含有するポリアミノ酸ウレタン樹脂主体の
合成重合体の溶液を湿式コーティング法により塗布す
る。
【0021】この場合,合成重合体の溶液は,通常のコ
ーティング法,例えば,ナイフコータ,コンマコータ,
リバースコータ等を用いて適宜コーティングを行えばよ
く,また,優れた防水性を得るためには,繊維布帛のコ
ーティング面の平滑性や通気度(JIS L−1096
法)により適宜調節しつつ,一般には,乾燥樹脂皮膜重
量が5g/m2 以上,好ましくは100g/m2 以上に
なるように塗布量を調節してコーティングを行うとよ
い。
【0022】樹脂皮膜の空孔率を20〜70%に調節す
るためには,N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が
200ミリリットル/100g以上の無機微粉末の使用
量を調節することにより行うことができる。
【0023】本発明では,樹脂層と繊維布帛間の耐剥離
性を向上させる目的で,樹脂や繊維布帛との親和性の高
い化合物を塗布溶液に併用してもよく,その化合物とし
てイソシアネート化合物を併用するとよい。イソシアネ
ート化合物としては,2,4−トリレンジイソシアネー
ト,ジフェニルメタンジイソシアネート,イソフォロン
ジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートま
たはこれらのジイソシアネート類3モルと活性水素を含
有する化合物(例えばトリメチロールプロパン,グリセ
リン等)1モルとの付加反応によって得られるトリイソ
シアネート類が使用できる。上記のイソシアネート類
は,イソシアネート基が遊離した形のものであっても,
あるいはフェノール,メチルエチルケトオキシム等を付
加させることにより安定させ,その後の熱処理によりブ
ロックを解離させる形のものであってもよく,作業性や
用途等により適宜使い分ければよい。
【0024】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1重量%未満であれば,布帛に対する樹脂層
の接着力が低く,また,10重量%を超えると,風合が
硬化する傾向が認められるようになるので好ましくな
い。
【0025】本発明方法では,上述の塗布溶液に抗菌性
を有する物質を併用して用いる。ここで用いる抗菌性を
有する物質としては,2−ナフチル−N−メチル−N−
(3−トリル)チオカルバメート等のナフチオメート系
抗菌剤,2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール等
のベンツイミダゾール系抗菌剤,ビス−(パラクロロフ
ェニルジグアニド)ヘキサンジハイドロクロライド等の
ハロゲン化フェニル系抗菌剤,N,N−ジデシル−N−
メチル−3−トリメトキシプロピルアンモニウムクロラ
イド等の第4級アンモニウム塩化合物,トリフェニルス
ズクロライド等の有機スズ化合物,α−ブロムシンナム
アルデヒド等の臭素化合物等を挙げることができ,目的
とする抗菌性を有していれば,この他の抗菌剤でもよ
い。
【0026】これらの抗菌性を有する物質の使用量は,
特に限定しないが,樹脂皮膜重量に対して0.01〜50
重量%の範囲が好ましい。ここで使用量が0.01重量%
未満であれば,抗菌性に対して効果がなく,また,使用
量が50重量%を超えると,一般に使用樹脂の物性を低
下させるので好ましくない。
【0027】上述のごとき抗菌性を有する物質を含むポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂液を繊維
布帛に塗布した後,本発明では,0〜30℃の水中に0.
5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝固を行う。以下,
40〜60℃の温水中で5〜15分間の洗浄後,通常の
方法で乾燥する。
【0028】本発明は,以上の構成よりなるものであ
る。
【0029】
【作用】抗菌性を有する物質の抗菌メカニズムは,以下
の作用が考えられている。 (1)抗菌性を有する物質が細菌等の微生物の細胞膜や
細胞壁に浸透して機能を阻止,破壊する。 (2)抗菌性を有する物質が細胞内に浸透せず,微生物
が加工布に接触すると細胞膜や細胞壁を破壊し,その生
育を阻止する。
【0030】上記のことから,本発明者らは,抗菌性を
効率的かつ持続性のあるものにするには,抗菌性を有す
る物質が細菌等の微生物に接触する面積が広くなれば効
率的であり,かつ持続性のあるものになると推察した。
また,耐洗濯性の向上を計るには,抗菌性を有する物質
を内部に包含する樹脂皮膜が布帛表面上に形成されるよ
うにすれば,洗濯中における抗菌性物質の溶出,脱落が
防止できるので,耐洗濯性が向上すると推察した。
【0031】本発明における抗菌性透湿防水布帛の如
く,樹脂皮膜中に平均粒径1μm以下で,かつN,N−
ジメチルホルムアミドの吸着量200ミリリットル/1
00g以上の無機微粉末によって生じる空孔率20〜7
0%の微多孔樹脂皮膜を有せしめると,樹脂の表面積が
大きくなり,それによって抗菌剤が微生物に接触する面
積が広くなるので,従来の抗菌性透湿防水布帛よりも抗
菌力が高くなり,さらに抗菌性を有する物質が微多孔樹
脂皮膜中に包含されているので,抗菌性において持続
性,耐洗濯性に優れた性能を発揮し,微多孔樹脂皮膜に
よって高透湿性,高防水性を有する抗菌性透湿防水布帛
となる。
【0032】
【実施例】以下,実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定は,次
の方法で行った。 (1)空孔率 微多孔皮膜を有する布帛を20cm×20cmの正方形に切
り取り,その微多孔皮膜を繊維基布から剥離して乾燥
後,微多孔皮膜の厚みd(cm),重量W(g/cm2)を測
定し,これと面積S(400cm2)および予め分かってい
る樹脂の密度ρ(g/cm3)を,前記〔I〕式に代入して
空孔率P(%)を計算する。
【0033】(2)抗菌性 A.シェークフラスコ法(菌数減少率試験) <試験菌株> ブドウ状球菌(Staphylococcus Aureus FDA209
P) <試験方法>減菌処理された未抗菌処理布と抗菌処理布
にそれぞれ試験菌の緩衝液懸濁液を注加し,密閉容器中
で150回/分にて1時間振とう後の生菌数を計測し,
未抗菌処理布へ注加した懸濁液の菌数に対する抗菌処理
布へ注加した懸濁液の菌数の減少率(%)を求める。上
記方法により,下記第(3)項の洗濯耐久テスト前後の
試料の抗菌性をそれぞれ測定した。
【0034】B.ハロー試験法 <試験菌株> ブドウ状球菌(Staphylococcus Aureus FDA209
P) <試験方法>試験菌を混合して平板状にした培地上に直
径20mmの試料を密着貼付して30℃,24時間の培養
を行った後,培地上に生じた試料周辺の透明な生育阻害
帯(ハロー)の幅(mm)を測定する。上記方法により,
下記第(3)項の洗濯耐久テスト前後の試料の抗菌性を
それぞれ測定した。
【0035】(3)洗濯耐久性テスト JIS L−0844(A−2法)による洗濯を繰り返
し30回行う。 (4)透湿性(透湿度) JIS L−1099(A−1法) (5)防水性(耐水圧) JIS L−1092(高耐水圧法)
【0036】実施例1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール/68フィラメントを用いた経糸密度120
本/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織
し,通常の方法で精練及び染色(三菱化成株式会社製,
酸性染料のDiacidFast Red 3BL 2%owf)を行った
後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製)5%水分散液でパディング(絞り
率35%)し,乾燥した後,160℃で1分間の熱処理
を行った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を
用いて,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m
/分の条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の
基布を得た。
【0037】ここで,下記処方1に示す組成で樹脂固形
分濃度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバ
ーロールコータを用いて上述の基布のカレンダー面に塗
布量80g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中
に40秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて,50℃
の温水中で10分間の洗浄を行って乾燥し,無機微粉末
を11%含有する樹脂層を形成した。
【0038】処方1 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジル R−972 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.016μm,
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量350ミリリット
ル/100gの疎水性二酸化ケイ素微粉末) サニタイズ 1977 3部 (日本サニタイズ株式会社製,シリコン第4級アンモニ
ウム塩系抗菌剤)
【0039】次に,グラビアコータを用いて,コーティ
ング面を撥水処理すべく,アサヒガード710の5%水
分散液で塗布量15g/m2 にてコーティングし,乾燥
後,160℃で1分間の熱処理を行い,本発明の抗菌性
透湿防水布帛を得た。
【0040】本発明との比較のため,本実施例において
抗菌剤サニタイズ1977の添加を省く他は,本実施例
とまったく同一の方法により比較用の加工布帛(比較例
1とする。)を得た。
【0041】また,本発明との比較のため,本実施例1
において処方1からアエロジルR−972を省く他は,
本実施例1と全く同一の方法により比較用の加工布帛
(比較例2とする。)を得た。
【0042】本発明および比較用の加工布帛の性能を測
定し,その結果を表1に示した。
【表1】
【0043】表1より明らかなように,本発明の抗菌性
透湿防水布帛は,比較例の加工布帛と比較して耐久性の
優れた良好な抗菌性を示すとともに,良好な透湿性,防
水性をも示していた。
【0044】実施例2 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール/68フィラメントを用いた経糸密度120
本/インチ,緯糸密度90本/インチの平織物を製織
し,通常の方法で精練及び染色(三菱化成株式会社製,
酸性染料のDiacidFast Red 3BL 2%owf)を行った
後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710
(旭硝子株式会社製)5%水分散液でパディング(絞り
率35%)し,乾燥した後,160℃で1分間の熱処理
を行った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を
用いて,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度20m
/分の条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の
基布を得た。
【0045】ここで,下記処方2に示す組成で樹脂固形
分濃度25%のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバ
ーロールコータを用いて上述の基布のカレンダー面に塗
布量80g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中
に40秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて,50℃
の温水中で10分間の洗浄を行って乾燥し,無機微粉末
を11%含有する樹脂層を形成した。
【0046】処方2 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アルミナ AKP−G015 3部 (住友化学工業株式会社製,平均粒径0.03μm,N,
N−ジメチルホルムアミド吸着量310ミリリットル/
100gの疎水性三酸化二アルミニウム微粉末) α−ブロムシンナムアルデヒド 2部 (東京化成工業株式会社製,臭素系抗菌剤)
【0047】次に,グラビアコータを用いて,コーティ
ング面を撥水処理すべく,アサヒガード710の5%水
分散液で塗布量15g/m2 にてコーティングし,乾燥
した後,160℃で1分間の熱処理を行い,本発明の抗
菌性透湿防水布帛を得た。
【0048】本発明との比較のため,本実施例の処方2
にクリスボンSD11(大日本インキ化学工業株式会社
製,アニオン性界面活性剤(微細孔形成剤))を2部添加
するほかは,本実施例とまったく同一の方法により比較
用の加工布帛(比較例3とする。)を得た。
【0049】また,本発明との比較のため,本実施例2
において処方2からアルミナAKP−G015とジメチ
ルホルムアミドを省く他は,本実施例とまったく同一の
方法により比較用の加工布帛(比較例4とする。)を得
た。
【0050】本発明および比較用の加工布帛の性能を測
定し,その結果を表2に示した。
【表2】
【0051】表2より明らかなように,本発明の抗菌性
透湿防水布帛は,比較例の加工布帛と比較して耐久性の
優れた良好な抗菌性を示すとともに,良好な透湿性,防
水性をも併せて有していた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば,洗濯耐久性の優れた抗
菌性を有し,しかも透湿性,防水性にも優れた抗菌性透
湿防水布帛を製造することができる。本発明の抗菌性透
湿防水布帛は,特に激しい運動のスポーツ衣料用途に適
した素材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 8413−4F D06N 3/14 102

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1μm以下で,かつN,N−
    ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/
    100g以上の無機微粉末を1重量%以上含有するポリ
    ウレタン樹脂主体の合成重合体からなる空孔率20〜7
    0%の微多孔樹脂皮膜を繊維布帛上に有し,かつ該樹脂
    皮膜に抗菌性を有する物質が含有されていることを特徴
    とする抗菌性透湿防水布帛。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂主体の合成重合体,平
    均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムア
    ミドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無
    機微粉末を上記合成重合体に対して1重量%以上,抗菌
    性を有する物質および極性有機溶剤よりなる樹脂溶液を
    繊維布帛上に塗布し,しかる後に水中に浸漬して上記樹
    脂分を凝固せしめることを特徴とする抗菌性透湿防水布
    帛の製造方法。
JP15222694A 1994-07-04 1994-07-04 抗菌性透湿防水布帛およびその製造方法 Pending JPH0813344A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179649A (ja) * 2008-12-05 2010-08-19 General Electric Co <Ge> 物品、ラミネート及び関連方法
KR101135710B1 (ko) * 2008-06-09 2012-04-13 코오롱패션머티리얼 (주) 스키복용 투습방수원단
JP2018044259A (ja) * 2016-09-14 2018-03-22 株式会社クラレ 皮革様シート及びボール表皮材

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