JP4731351B2 - 透湿性防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透湿性防水布帛およびその製造方法に関するものである。
合羽やスキ−ウエア−、ウインドブレ−カ−をはじめ、テント、靴材など湿気を通過させるが、雨などの水の進入を防止する素材として透湿性防水布帛は様々なものに使用されている。
このような透湿性防水布帛として、例えば、繊維布帛の片面に、ポリウレタン重合体の樹脂溶液をコ−テイングし、湿式凝固して得られた微多孔質膜を有するコ−テイング加工布(特許文献1)や繊維布帛の片面にウレタン樹脂の無孔質膜を貼り合せて得られた透湿性防水布帛(特許文献2)が知られている。
特に、湿式凝固して得えられた微多孔質膜は、無孔質膜を貼り合わせたものに比べ、一般に、JIS L1099塩化カルシウム法(A−1法)にて測定した透湿度は優れたものが得られやすいが、防水性や酢酸カリウム法(JIS L1099B−1法)による透湿度がやや低く、より高い透湿性や防水性が望まれている。
そのため、樹脂層中にN,N−ジメチルホルムアミドの吸油量が350ミリリットル/100g以上の平均粒子径が0.016μmの疎水性二酸化ケイ素を含有させることにより、塩化カルシウム法による透湿度9820g/m/24h、耐水圧1.12kgf/cm(112kPa)の透湿性防水布帛が知られている。(特許文献3)。
特開昭55−80583 特開平7−9631 特開平6−272168
しかしながら、N,N−ジメチルホルムアミドの吸油量が350ミリリットル/100g以上であり平均粒子径が0.016μmの疎水性二酸化ケイ素は、特殊な粒子であるため価格が高く、得られる透湿性防水布帛が非常に高価になってしまうとの問題があった。また、平均粒子径が1μm以上の粒子を用いると効果が得られない(引用文献3 比較例1)との記載もみられ、粒子径の管理が厳しく、このような小さな微粒子を樹脂膜中に維持することは、粒子の凝集などの対策も含め、生産上、手間がかかる上に、透湿性や防水性などの性能の安定化も非常に困難であった。
したがって、本発明では、優れた透湿性、防水性を有していながら、安価で、生産が容易である透湿性防水布帛を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成(1)〜(7)からなる。
(1)繊維布帛の少なくとも片面に微多孔質膜を含むウレタン樹脂被膜が形成された透湿性防水布帛であって、前記微多孔質膜中に炭酸カルシウム粒子を含むことを特徴とする透湿性防水布帛。
(2)前記微多孔質膜を形成するウレタン樹脂100質量に対し、前記炭酸カルシウム粒子が質量比で10質量部〜100質量部含むことを特徴とする上記(1)に記載の透湿性防水布帛。
(3)前記炭酸カルシウム粒子の平均粒子径が0.05μm〜5μmであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の透湿性防水布帛。
(4)前記微多孔質膜中に、酸化アルミニウム微粒子もしくは酸化ケイ素微粒子をも含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透湿性防水布帛。
(5)前記炭酸カルシウム100質量部に対し、前記アルミニウム微粒子もしくは前記二酸化ケイ素微粒子が質量比で0.1〜30質量部含むことを特徴とする上記(4)に記載の透湿性防水布帛。
(6)耐水圧が100kPa以上200kPa以下であり、塩化カルシウム法による透湿度が8000g/m・24hrs以上15000g/m・24hrs以下であり、酢酸カリウム法による透湿度が10000g/m・24hrs以上30000g/m・24hrs以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の透湿性防水布帛。
(7)繊維布帛に、炭酸カルシウム粒子を含むウレタン樹脂溶液を塗布した後、水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させることを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法。
本発明の透湿性防水布帛は、優れた透湿性と防水防水性を有していながら、製造が容易である。したがって、安価に、優れた透湿性と防水性を有する透湿性防水布帛を提供することができ、本発明の透湿性防水布帛をウインドブレ−カ−、コ−ト、ジャケット、スキ−ウエア−、スノ−ボ−ドウエア−、テントなどに用いれば、使用者に安価で快適な環境を提供することができる。
本発明の透湿性防水布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に微多孔質膜を含むウレタン樹脂被膜が形成された透湿性防水布帛であって、前記微多孔質膜中に炭酸カルシウム粒子を含むものであるが、本発明に有用な繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテ−ト、レ−ヨン、ポリ乳酸などの化学繊維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維やこれらの混繊、混紡、交織品であってもよく、特に限定されるものではない。また、それらは織物、編物、不織布等いかなる形態であってもよい。
また、繊維布帛は、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などを施してあってもよい。
本発明の微多孔質膜とは、表面に約1μm以下の微細孔を有し、内部には10〜50μm程度の空孔を有し、その壁面にはさらに孔が形成され、互いに連通した構造を有している。
また、微多孔質膜の厚みは、10〜100μm程度であるものがよく、10μm未満では耐水圧が低く、また、100μmを超えると得られる透湿性防水布帛の風合が硬くなる。
また、ウレタン樹脂とは、微多孔質膜を形成されるウレタン樹脂であればエ−テル系、エステル系、エ−テル・エステル系、ポリカ−ボネ−ト系等特に限定されるものではなく任意選択すれば良いが、湿式法にて製造した際に、微多孔質膜を形成するものが好ましく用いられ、特にエステル系ポリウレタン樹脂が用いられる。
本発明の微多孔質膜は、微多孔質膜中に炭酸カルシウム粒子を含むものである。
このとき用いられる炭酸カルシウム粒子は、石灰岩を粉砕して得られる重質炭酸カルシウム、化学的に製造される沈降炭酸カルシウムが挙げられる。また、その粒子径も平均粒子径で0.01μm〜50μm程度のものが使用でき、一次粒子の状態のものやこれらの2次の凝集物などであってもよい。また、形状も、針状、柱状、防錘状、立方状、球状、板状、曲玉上、連鎖状やこれらの凝集物や不定形であってもよく特に限定されない。
また、これらの表面は、脂肪酸、樹脂等で表面処理が施されていてもよい。
さらに、炭酸カルシウム粒子は、上記の凝集したものを、ジメチルホルムアミド溶剤やビヒクルとしてウレタン樹脂、また、分散剤などを加えて、ディパ−サ−などでプレミックスし、サンドミル、三本ロ−ルミル、ビ−ズミルなどで平均粒子径0.05〜5μmに粉砕したものを使用するのがより好ましい。
また、炭酸カルシウム粒子の含有量は、微多孔質膜を形成するウレタン樹脂100質量部に対し、炭酸カルシウム粒子が質量比で10質量部〜100質量部含むとよい。より好ましくは、40質量部〜70質量部が好ましい。一般的には樹脂中に多量の無機粒子を添加すると、得られる膜が脆くなり、耐水圧の低下や風合が硬化すると考えられていたが、本発明の炭酸カルシウムでは、他の無機化合物に比べ、膜に膨らみ感が増すとともに耐水圧を低下させずに、塩化カルシウム法、酢酸カリウム法による透湿度も優れたものをえることができる。
本発明では、さらに微多孔質膜中に、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などの微粒子の少なくとも一つを含むとよい。特に、酸化アルミニウムもしくは二酸化ケイ素が好ましい。
酸化アルミニウムとしては、乾式法の燃焼法もしくはア−ク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下のものが凝集し、0.1〜50μm程度の大きさとなったものが好ましい。
また、二酸化ケイ素としては、乾式の燃焼法やア−ク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下であり、これらのものが0.1〜50μm程度の大きさに凝集したもの、また、湿式法の沈降法やゲル法で製造されたもので、一次粒子径が、0.05μm以下であり、これらのものが0.1〜50μm程度の大きさに凝集したものが使用できる。
また、これらの表面が、メチル基、トリメチルシリル基、ジメチルシリコ−ン基などで疎水性処理されたものであってもよい。
さらに、酸化アルミニウム微粒子や二酸化ケイ素微粒子は、上記の凝集したものを、ジメチルホルムアミド溶剤やビヒクルとしてウレタン樹脂、また、分散剤などを加えて、ディパ−サ−などでプレミックスし、サンドミル、三本ロ−ルミル、ビ−ズミルなどで平均粒子径0.05〜5μmに粉砕したものを使用するのが好ましい。
これらの微粒子の添加量は、前記炭酸カルシウム100質量部に対し、微粒子が質量比で0.1〜30質量部含むとよい。
前記炭酸カルシウム粒子にこれらの粒子を添加することにより、耐水圧や塩化カルシウム法による透湿性を実質低下させずに、酢酸カリウム法による透湿性を向上させることができる。
本発明の微多孔質膜を含むポリウレタン樹脂被膜とは、前記微多孔質膜のみからなるものであってもよく、また、微多孔質膜の片面に耐水圧向上の目的や柄の付与、すべり性の向上を目的にて他のウレタン樹脂膜を全面または点状や線状など部分的に有していてもよい。
また、微多孔質膜を含むポリウレタン樹脂被膜の厚みは、10〜100μmであるとよく、10μm未満では耐水圧が低く、また、100μmを超えると得られる透湿性防水布帛の風合が硬くなる。
本発明の透湿性防水布帛は、前記微多孔質膜を含むポリウレタン樹脂被膜が繊維布帛の片面または両面に形成されている。
本発明における透湿性防水布帛では、用途に応じ求められる透湿性や耐水圧を有するものを得れば良いが、ウレタン樹脂被膜として、微多孔質膜のみからなるもの、または、微多孔質膜上に部分的他のウレタン樹脂膜を付与したもので、耐水圧が100kPa以上200kPa以下であり、塩化カルシウム法による透湿度が8000g/m・24hrs以上15000g/m・24hrs以下であり、酢酸カリウム法による透湿度が10000g/m・24hrs以上30000g/m・24hrs以下のものをえることができる。
耐水圧が200kPaを超えると透湿性が低下する可能性があり、また、塩化カルシウム法での透湿度が15000g/m・24hrs、酢酸カリウム法での透湿度が30000g/m・24hrsを超えると耐水圧が低下する恐れがある。
ただし、特に、耐水圧が、200kPa以上が要求される分野では、微多孔質膜の全面にポリウレタン樹脂からなる無孔質膜を付与するとよい。
ここでいう塩化カルシウム法による透湿度とは、JIS L1099−1993B−1法にて測定した値をいう。また、塩化カルシウム法とは、JIS L1099−1993A−1法にて測定した値をいう。なお、塩化カルシウム法、酢酸カリウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算したものをいう。
また、耐水圧は、JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した値をいう。なお、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなった。
次に本発明の好ましい一製造方法に従いさらに詳細に本発明を説明する。
本発明の透湿性防水布帛の好ましい製造方法は、繊維布帛に、炭酸カルシウム粒子を含むウレタン樹脂溶液を塗布した後、水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させるとよい。
繊維布帛は、精練、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、カレンダ−加工などを必要に応じ施してあってもよい。
繊維布帛に塗布する炭酸カルシウム粒子を含むウレタン樹脂溶液とは、前記のウレタン樹脂と炭酸カルシウム粒子を含み、溶媒として、ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの水溶性の極性有機溶媒を主体とするものが好ましく選択される。
前記炭酸カルシウム粒子を含むウレタン樹脂溶液中には、前記の酸化アルミニウムなどの微粒子や顔料、架橋剤、触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの有機微粒子なども添加してもよい。
この樹脂溶液を繊維布帛に対し、ナイフコ−タ、バ−コ−タ、コンマ−コ−タなどを用い繊維布帛に付与する。
次に、水のみまたは5〜20%程度のウレタン樹脂溶液で用いたDMFなどの有機溶媒を含んだ水中に、ウレタン樹脂溶液を塗布した繊維布帛を浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させる。凝固温度は、樹脂膜中に形成される微多孔の孔径を適度に調整する観点から、10〜50℃の範囲が好ましい。
次に、脱溶媒を行う。脱溶媒としては、水が好ましく、脱溶媒の温度は、10〜80℃の範囲が好ましく選択される。脱溶媒した後、90℃から150℃程度で乾燥を行う。
この後、必要に応じ、撥水加工や制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などをおこなってもよい。
また、微多孔質膜に加え、微多孔質膜上の全面に更にウレタン樹脂膜を付与する場合には、
(1)離型紙上に、ウレタン樹脂溶液を塗布、乾燥し、ウレタン樹脂膜を形成した後、離型紙上に得られたウレタン樹脂膜上に接着剤を塗布し、この接着剤を介し、微多孔膜と無孔質のウレタン樹脂膜を貼り合わせる。その後、必要に応じ30〜80℃で4時間〜100時間程度エ−ジングした後、離型紙を剥離するラミネ−ト法や
(2)微多孔質膜上に、ウレタン樹脂溶液をナイフコ−タやパイプコ−タなどで塗布、乾燥し、ウレタン樹脂膜を付与するダイレクトコ−ティング法
などにより、微多孔質膜上に、他のウレタン樹脂膜を付与することができる。
また、微多孔質膜上の部分的にウレタン樹脂膜を付与する場合には、微多孔質膜上にグラビアコ−タやスクリ−ン捺染機を用い、点状や線状、菱形やその他の柄上にウレタン樹脂溶液を塗布し乾燥すればよい。
また、微多孔質膜上に他のウレタン樹脂膜を付与した後、必要に応じ、撥水加工や制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、カレンダ−加工などをおこなってもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。また、例中の「部」は質量部である。
以下の実施例における評価は次の方法によった。
A 層の厚み
電子顕微鏡による観察により測定をおこなった。
B 透湿度
酢酸カリウム法 JIS L1099−1993B−1法にて測定した。
塩化カルシウム法 JIS L1099−1993A−1法にて測定した。
なお、塩化カルシウム法、酢酸カリウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算した。
C 耐水圧
JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した。
水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなった。
D 微多孔質膜中の粒子、微粒子の観察
電子顕微鏡により観察をおこなった。
E 風合
手でさわって判断を行なった。
実施例1
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなった後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダ−加工したものを繊維布帛として用いた。
次に下記樹脂溶液をパイプコ−タを用い0.15mmの厚みに繊維布帛に塗布し、15%のDMFを含む水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固し、40℃の水中及び20℃の水中にて脱溶媒を行った後、120℃にて3分間乾燥、150℃にて1分間セットを行い。繊維布帛の片面に炭酸カルシウムを含む厚さ35μmの微多孔質膜を形成した。
樹脂溶液
エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100部
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 20部
(平均一次粒子径 0.7μm 分散後平均粒子径 1.0μm 固形分60%)
イソシアネ−ト系架橋剤 2部

得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 10090g/m・24hrs
酢酸カリウム法 11300g/m・24hrs
耐水圧 160kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 1μm前後の粒子が多数確認された。
風合 柔らかい。
比較例1
実施例1の樹脂溶液から、炭酸カルシウム粒子を除いた以外は実施例1と同様にし、透湿性防水布帛を得た。
得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 3500g/m・24hrs
酢酸カリウム法 2600g/m・24hrs
耐水圧 130kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 粒子は確認されなかった。
風合 柔らかい。
実施例2
実施例1で用いた樹脂溶液に代えて下記を用いた以外は実施例1と同様にし、透湿性防水布帛を得た。
樹脂溶液
エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100部
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 20部
(平均一次粒子径 0.7μm 分散後平均粒子径 1.0μm 固形分60%)
酸化アルミニウム 7部
(平均一次粒子径 13nm 分散後平均粒子径 0.2μm 固形分14%)
イソシアネ−ト系架橋剤 2部
得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 10210g/m・24hrs
酢酸カリウム法 21300g/m・24hrs
耐水圧 160kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 1μm及び0.2μm前後の粒子が多数確認された。
風合 柔らかい。
実施例3(参考例)
実施例1で用いた樹脂溶液に代えて下記を用いた以外は実施例1と同様にし、透湿性防水布帛を得た。
樹脂溶液
エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100部
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 20部
(平均一次粒子径 30nm 分散後平均粒子径3.0μm 固形分40%)
酸化アルミニウム 3部
(平均一次粒子径 13nmの凝集物 分散後平均粒子径0.5μm 固形分14%)
イソシアネ−ト系架橋剤 2部
得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 10090g/m・24hrs
酢酸カリウム法 17400g/m・24hrs
耐水圧 160kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 0.1〜0.6μm前後の粒子が多数確認された。
風合 柔らかい。
実施例4
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなった後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダ−加工したものを繊維布帛として用いた。
次に下記樹脂溶液をパイプコ−タを用い0.15mmの厚みに繊維布帛に塗布し、15%のDMFを含む水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固し、40℃の水中及び20℃の水中にて脱溶媒を行った後、120℃にて3分間乾燥、150℃にて1分間セットを行い。繊維布帛の片面に炭酸カルシウムを含む厚さ20μmの微多孔質膜を形成した。
樹脂溶液
エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100部
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 20部
(平均一次粒子径 0.7μm 分散後平均粒子径 1.0μm 固形分60%)
二酸化ケイ素分散品(表面がジメチルシリル基で疎水処理されたもの) 5部
(平均一次粒子径 0.02μm 分散後平均粒子径 1.0μm 固形分15%)
イソシアネ−ト系架橋剤 2部

得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 9800g/m・24hrs
酢酸カリウム法 16500g/m・24hrs
耐水圧 140kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 1μm前後の粒子が多数確認された。
風合 柔らかい。
実施例5
ポリエステルタフタ(たて糸83デシテッス/72フィラメント、よこ糸たて糸83デシテッス/72フィラメント。密度 たて114本/2.54cm、よこ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこなった後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダ−加工したものを繊維布帛として用いた。
次に下記樹脂溶液を塗布し、15%のDMFを含む水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固し、40℃の水中及び20℃の水中にて脱溶媒を行った後、120℃にて3分間乾燥を行い。繊維布帛の片面に炭酸カルシウムを含む厚さ20μmの微多孔質膜を形成した。
樹脂溶液
エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100部
DMF 20部
炭酸カルシウム 20部
(平均一次粒子径 0.7μm 分散後平均粒子径 1.0μm 固形分60%)
イソシアネ−ト系架橋剤 2部
次に、離型紙上に下記樹脂溶液をバイプコ−タを用い塗布し、120℃にて乾燥して、厚さ15μmの無孔質のウレタン樹脂膜を得た。
樹脂溶液(無孔質のウレタン樹脂膜用)
エ−テル系ポリウレタン樹脂(固形分30%) 100部
メチルエチルケトン 30部
白色顔料 8部
次に接着剤用の下記樹脂溶液をグラビアコ−タを用い無孔質のウレタン樹脂膜上に点状に付与した。
樹脂溶液(接着剤用)
エ−テル・エステル系ポリウレタン樹脂(固形分45%) 100部
トルエン 30部
イソシアネ−ト系架橋剤 9部
アミン系触媒 0.3部
次に、繊維布帛上に形成された微多孔質膜と無孔質膜を接着剤を介して貼り合わせ、60℃にて72時間エ−ジングをおこなった。
次に、離型紙を剥離した後、繊維布帛の表面にグラビアコ−タを用い、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710 5%水溶液を用い撥水加工をおこない透湿性防水布帛を得た。
得られた透湿性防水布帛の透湿度、耐水圧等を以下に記す。
透湿度 塩化カルシウム法 5200g/m・24hrs
酢酸カリウム法 11300g/m・24hrs
耐水圧 320kPa
微多孔質膜中の粒子の観察 1μm前後の粒子が多数確認された。
風合 柔らかい。

Claims (6)

  1. 繊維布帛の少なくとも片面に微多孔質膜を含むウレタン樹脂被膜が形成された透湿性防水布帛であって、前記微多孔質膜中に炭酸カルシウム粒子を含み、前記微多孔質膜を形成するウレタン樹脂100質量部に対し、前記炭酸カルシウム粒子が質量比で40質量部〜70質量部であることを特徴とする透湿性防水布帛。
  2. 前記炭酸カルシウム粒子の平均粒子径が0.05μm〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の透湿性防水布帛。
  3. 前記微多孔質膜中に、酸化アルミニウム微粒子もしくは二酸化ケイ素微粒子をも含むことを特徴とする請求項1または2記載の透湿性防水布帛。
  4. 前記炭酸カルシウム100質量部に対し、前記酸化アルミニウム微粒子もしくは前記二酸化ケイ素微粒子が質量比で0.1〜30質量部含むことを特徴とする請求項記載の透湿性防水布帛。
  5. 耐水圧が100kPa以上200kPa以下であり、塩化カルシウム法による透湿度が8000g/m・24hrs以上15000g/m・24hrs以下、酢酸カリウム法による透湿度が10000g/m・24hrs以上30000g/m・24hrs以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透湿性防水布帛。
  6. 繊維布帛に、ウレタン樹脂100質量部に対して炭酸カルシウム粒子を質量比で40質量部〜70質量部含むウレタン樹脂溶液を塗布した後、水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させることを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法。
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