JP4931938B2 - 透湿性防水シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、湿気を通しつつ、防水性を有する透湿性防水シート、及びその製造方法に関するものである。
本願は、日本国特許庁に2007年1月24日に出願された特願2007−013695号と2007年1月24日に出願された特願2007−013696号に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
湿気を通過させると共に雨などの水の進入を防止する透湿性防水シートは、合羽、スキーウエアーおよびウインドブレーカー等の衣服、テント、靴材などをはじめ、様々なものに使用されている。
透湿性防水シート、及びその製造方法としては、例えば、特許文献1に、繊維布帛の片面に、ウレタン樹脂溶液を塗布または含浸し、次いで、凝固浴中に浸漬して微多孔質膜を形成して得るコーティング加工布、及びその製造方法が開示されている。このような方法にて形成された微多孔質膜は、膜全体にサイズ5μm以下の均一な空隙を有するものや、防水部が無孔質またはサイズ5μm程度の空隙を有する部分で、内部がサイズ10〜50μm程度の空隙を有する部分のものとなる。
また、特許文献2には、繊維布帛の片面にウレタン樹脂製の無孔質膜を貼り合せて得る透湿性防水シート、及びその製造方法が開示されている。
特開昭55−80583号公報 特開平7−9631号公報
近年、透湿性防水シートに対して、水の浸入をより防止でき、かつ、透湿性により優れるものが求められている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の透湿性防水シートは、上記要求を十分に満足させることができなかった。すなわち、雨が付着した際に内部に浸入したり、該透湿性防水シートから作製された合羽やウインドブレーカー等を着用し、作業や運動を行った場合には、合羽やウインドブレーカーの内側が蒸れたりすることがあった。したがって、快適性が充分ではなかった。
これは、次のような理由によるものと考えられる。すなわち、従来の微多孔質膜を有する透湿性防水シートは、一般に、JIS L1099−1993A−1法(以下、この方法を塩化カルシウム法という。)にて測定した透湿度は優れるものの、JIS L1099−1993B−1法(以下、この方法を酢酸カリウム法ということがある。)での透湿度が低かった。そのため、実用上の透湿性が不充分であったものと思われる。
そこで、酢酸カリウム法での透湿度を向上させるために、微多孔質膜の厚みを薄くする、微多孔質膜の表面に有する孔の孔径を大きくする、微多孔質膜の表面の孔の数を多くするなどの対策を採ることが考えられる。しかし、前記対策を採った場合には、耐水圧が低下して防水性が低下し、さらに、通気度が大きくなって、防風性、保温性が低下することも懸念される。
特許文献2に記載の透湿性防水シートは、耐水圧が高く、防水性に優れているが、塩化カルシウム法での透湿性が低く、実用上の透湿性が不充分であったものと思われる。
また、特許文献2に記載の透湿性防水シートと同様に無孔質膜を用いて得られた透湿性防水シートであって、特に酢酸カリウム法での透湿性に優れているものも知られているが、通常、透湿性に優れる無孔質膜に水が付着すると、膨潤するため、膜強度の低下や透湿性防水シートとしての外観品位低下を引き起こすことがあった。特に、水膨潤による外観品位の低下は、近年人気のある裏地を用いないウインドブレーカー、合羽やジャンパーなどに用いた場合にとりわけ問題になりやすい。
本発明は、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共に高く、かつ、防水性にも優れ、しかも水による膨潤が抑制されて外観品位が損なわれにくい透湿性防水シートを提供することを目的とする。さらに、当該透湿性防水シートを容易に製造する透湿性防水シートの製造方法を提供することを目的とする。
[1] 平均サイズ0.1〜8.0μmの空隙を有する層状の多孔質部と、該多孔質部の少なくとも片面に形成され、空隙部総量が多孔質部より少ない層状の防水部とからなるウレタン樹脂膜を備える透湿性防水シート。
[2] 前記ウレタン樹脂膜の防水部が空隙を有し、その空隙の平均サイズは、前記多孔質部の空隙の平均サイズより小さい、[1]に記載の透湿性防水シート。
[3] 前記防水部の厚みが0.1〜10μmである、[1]又は[2]に記載の透湿性防水シート。
[4] JIS L1099−1993A−1に準じて測定した透湿度が6500〜13000g/m・24時間、JIS L1099−1993B−1に準じて測定した透湿度が10000〜50000g/m・24時間、耐水圧が63〜196kPaである、[1]〜[3]のいずれかに記載の透湿性防水シート。
[5] 通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlである、[1]〜[4]のいずれかに記載の透湿性防水シート。
[6] 前記ウレタン樹脂膜の水膨潤度が10%以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の透湿性防水シート。
[7] 前記ウレタン樹脂膜に接着剤層を介して積層された繊維布帛を備える[1]〜[6]のいずれかに記載の透湿性防水シート。
[8] 前記ウレタン樹脂膜に直接積層された繊維布帛を備える[1]〜[6]のいずれかに記載の透湿性防水シート。
[9] 支持体の片面に、ウレタン樹脂および有機溶媒を含有するウレタン樹脂溶液を塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成する工程と、該ウレタン樹脂塗膜を水蒸気処理する工程と、水蒸気処理したウレタン樹脂塗膜を水中に浸漬し、水洗、乾燥してウレタン樹脂膜を形成する工程とを有する透湿性防水シートの製造方法。
[10] 支持体として、離型性シートを用いる[9]に記載の透湿性防水シートの製造方法。
[11] ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離する工程と、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面に繊維布帛を積層する工程とを有する、[10]に記載の透湿性防水シートの製造方法。
[12] 支持体として、繊維布帛を用いる、[9]に記載の透湿性防水シートの製造方法。
[13] ウレタン樹脂溶液に、炭酸カルシウム粒子、二酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粒子を添加する、[9]〜[12]のいずれかに記載の透湿性防水シートの製造方法。
[14] 無機粒子の添加量を、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して3〜200質量部とする、[13]に記載の透湿性防水シートの製造方法。
本発明の透湿性防水シート、及び本発明の製造方法により製造される透湿性防水シートは、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共に高く、かつ、防水性にも優れている。このような透湿性防水シートを、ウインドブレーカー、合羽、コート、ジャケット、スキーウエアー、スノーボードウエアー、登山用ヤッケ、テント、釣用ズボン、手袋、靴、寝袋などに用いた場合には、衣服内等への水の浸入を抑えながら、蒸れを抑えることができ、快適な衣服内環境を提供できる。
さらに、本発明の透湿性防水シート、及び本発明の製造方法により製造される透湿性防水シートは、酢酸カリウム法により測定した透湿性が高いにもかかわらず、水膨潤性が低い。そのため、水滴が付着してもウレタン樹脂膜がほとんど膨潤しないので、該透湿性防水シートから得られるウインドブレーカー等の外観品位が損なわれにくい。
また、ウレタン樹脂膜と繊維布帛が接着剤層を介して繊維布帛と積層されているものは、風合いが柔らかいため、肌触りがよく、また、柔らかなシルエットを有する縫製品を得ることも可能である。
(第1の実施形態例(aspect))
本発明の第1の実施形態例の透湿性防水シートについて説明する。
本実施形態例の透湿性防水シートは層状の多孔質部と、該多孔質部の少なくとも片面に形成された層状の防水部とからなるウレタン樹脂膜を有するものである。すなわち、このウレタン樹脂膜は、別個の部材の多孔質部と防水部とが積層されたものではなく、ウレタン樹脂膜の中に、防水部と多孔質部とが層状に各々形成されたものである。
<ウレタン樹脂膜>
ウレタン樹脂膜は、層状の多孔質部と、該多孔質部の少なくとも片面に形成された層状の防水部とからなるものである。なかでも、ウレタン樹脂膜の片面が多孔質部、もう一方の片面が防水部であると好ましい。
ウレタン樹脂膜の厚さは10〜100μmであることが好ましい。ウレタン樹脂膜の厚さが10μm未満であると、防水性が不安定になることがあり、100μmを超えると、得られる透湿性防水シートの風合いが硬化したり、透湿性が低下したりすることがある。
[多孔質部]
多孔質部は、平均サイズ0.1〜8.0μmの空隙を有する。例えば、多孔質部は、サイズが0.1〜8.0μmの空隙を主として有する。具体的には、サイズが1〜5μm程度の大きな空隙の壁面に、隣接する空隙との連通孔の役割を果たすと思われるサイズ0.1〜1μm程度の小さな空隙を有して、多くの空隙が連通している。また、いくつかの空隙がつながって形成されたと推測できるいびつな形状でサイズが5〜8μm程度の空隙を有していてもよい。また、多孔質部は、サイズが0.1μm未満の空隙や8μmを超える空隙を多少有していても構わない。しかし、平均サイズが0.1μm未満の空隙を有するものは、透湿性が不充分になり、平均サイズが8μmを超える空隙を有するものは、防水性が不充分であるため、本発明における多孔質部に含まれない。
ここでいう空隙のサイズとは、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍でウレタン樹脂膜の断面を観察した際の空隙の直径のことである。空隙が楕円やいびつな形をしている場合には、その空隙のなかで最も長い径をサイズとする。
多孔質部の厚みは9.5〜99.5μmであることが好ましい。多孔質部の厚みが9.5μm未満であると、透湿性が不足することがあり、99.5μmを超えると、透湿性防水シートの風合いが損なわれることがある。
[防水部]
防水部は、空隙部総量が多孔質部より少ないものである。ここで、空隙部総量とは、空隙の容積を総和した量のことである。
具体的には、防水部では、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍にて断面を観察した際に、空隙が全く見られない、あるいは、僅かにしか見られない。より具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍で表面を観察した際に、サイズ0.1〜1μmの空隙が25μmあたり0〜20個程度しか有さないものが好ましく、1〜10個程度しか有さないものがより好ましい。
なお、防水部はウレタン樹脂膜の表皮となる部分であり、表皮部と称することもできる。また、防水部は主として防水機能を発揮する部分であるが、防水部のみで防水性が発揮されるのではなく、多孔質部も防水性を有している。
防水部が空隙を有している場合には、その空隙の平均サイズは、多孔質部の空隙の平均サイズより小さいことが好ましい。また、防水部が空隙を有している場合には、その空隙の数は、多孔質部の空隙の数より少ないことが好ましい。さらには、防水部の空隙の平均サイズが多孔質部の空隙の平均サイズより小さく、かつ、防水部の空隙の数が、多孔質部の空隙の数より少ないことがより好ましい。
上記好ましい形態では、防水部の空隙部総量が確実に多孔質部より少なくなるため、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共により高く、かつ、防水性がより優れる。
なお、防水部の空隙の平均サイズが多孔質部の空隙の平均サイズより小さい、すなわち多孔質部の空隙の平均サイズが大きいため、単位体積あたりの空隙の数が多孔質部の空隙の数が防水部の空隙の数に比べて少なくなる形態もある。
防水部の厚みは0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜8μmであることがより好ましい。防水部の厚みが0.1μmよりも薄くなると、十分な防水性が得られなくなるおそれがあり、10μmを超えると、透湿度、特に塩化カルシウム法に準じて測定した透湿度が低くなることがある。
多孔質部と防水部とは、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍にて透湿性防水シートの断面を観察した際の、空隙の多さの違いによって区別される。
[材質]
ウレタン樹脂膜は、ウレタン樹脂を必須成分として含有する膜である。ウレタン樹脂としては、例えば、エーテル系、エステル系、エーテル・エステル系、ポリカーボネート系等が挙げられる。これらの中でも、水膨潤性を低くできることから、エステル系またはエーテル・エステル系の1液型ウレタン樹脂もしくはこれらの樹脂にエーテル系樹脂を配合したものが好ましい。
また、ウレタン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、複数の種類を混合して用いてもよい。
ウレタン樹脂膜の中には、透湿性と防水性とのバランスがより高くなることから、無機粒子を含むことが好ましい。無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどの粒子が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
炭酸カルシウムの粒子としては、石灰岩を粉砕して得られる重質炭酸カルシウム、化学的に製造される沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。
炭酸カルシウムの粒子としては、平均粒子径が0.01〜10μm程度、好ましくは、0.05〜5μm程度のものが使用でき、一次粒子の状態のものや一次粒子が凝集した二次の凝集物(二次粒子)などであってもよい。中でも、平均一次粒子径が0.05μm以下のものが凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度の大きさとなった粒子や、一次粒子の状態のものであって、その一次粒子径が0.5〜5μmの粒子が好ましい。
炭酸カルシウムの粒子の形状としては、例えば、針状、柱状、紡錘状、立方状、球状、板状、曲玉状、連鎖状などが挙げられる。また、これらの凝集物であっても構わないし、不定形であっても構わない。
酸化アルミニウムの粒子としては、乾式法の燃焼法もしくはアーク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子が好ましい。
二酸化ケイ素の粒子としては、乾式法の燃焼法もしくはアーク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子、また、湿式法の沈降法やゲル法で製造されたものであって、一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子が好ましい。また、一次粒子の状態のものであってもよく、平均粒子径が0.05〜10μm程度のものがよい。
一般的には樹脂中に多量の無機粒子を含有させると、得られる膜が脆くなり、耐水圧が低下したり、風合いが硬化したりすると考えられていたが、炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、酸化ケイ素の粒子、とりわけ炭酸カルシウムの粒子を含有させた場合には、耐水圧を低下させずに、透湿度をより高くすることができる。
炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、二酸化ケイ素の粒子の表面は、メチル基、トリメチルシリル基、ジメチルシリコーン基などで疎水化処理されていてもよい。
また、炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、二酸化ケイ素の粒子は、凝集したものに、ジメチルホルムアミド溶剤、ビヒクルとしてのウレタン樹脂、分散剤などを添加し、ディスパーサーなどでプレミックスし、サンドミル、三本ロールミル、ビーズミルなどで平均粒子径0.05〜5μmの二次粒子に粉砕することが好ましい。
無機粒子の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して3〜200質量部であることが好ましく、5〜150質量部であることがより好ましい。無機粒子の含有量が、ウレタン樹脂100質量部に対して3質量部未満であると、透湿性が低下することがあり、200質量部を超えると、防水性が低下することがある。
また、平均1次粒子径が0.1μm未満であり且つ平均2次粒子径が0.7μm未満の無機粒子を用いる場合には、無機粒子の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましい。平均1次粒子径が0.1μm以上であり且つ平均2次粒子径が0.7μm以上の無機粒子を用いる場合には、無機粒子の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して30〜150質量部であることが好ましい。
また、ウレタン樹脂膜には、例えば、顔料、イソシアネート系化合物などの架橋剤、触媒、酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、撥水剤、ポリエチレングリコールなどの親水化剤、シルクなどのプロテインパウダー、ゼラチンパウダーなどの添加剤が含まれてもよい。
上記添加剤の中でも、撥水性が著しく向上することから、撥水剤が含まれることが好ましい。撥水剤としては、フッ素系、シリコーン系、パラフィン系などのものを用いることができる。
ウレタン樹脂膜に撥水剤を含ませる方法としては、例えば、ウレタン樹脂膜を形成するためのウレタン樹脂溶液中に撥水剤を添加する方法、ウレタン樹脂膜を製膜した後、ウレタン樹脂膜表面にパディング法(パディング法のことをディップ・ニップ法ということもある。)等により撥水剤を付与する方法などが挙げられる。これらの方法によれば、ウレタン樹脂膜の空隙の表面に撥水剤を付与することができる。
ウレタン樹脂膜の水膨潤度(線膨潤度と称されることもある。)は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。さらには、水膨潤度が0%であることが、水滴が付着した際でも外観にとりわけ優れることから、最も好ましい。ウレタン樹脂膜の水膨潤度が10%を超えると、水滴が付着した際に膨潤して、外観品位を損なうことがある。
一般的に水膨潤度の低いものは、防水性が高くなる反面、透湿度(特に酢酸カリウム法により測定した透湿度)が低くなりやすいが、本発明の透湿性防水シートでは、水膨潤が低くても、充分な透湿性および防水性を確保できる。
ウレタン樹脂膜の水膨潤度は、以下のように測定する。すなわち、ウレタン樹脂膜をタテ方向、ヨコ方向それぞれに幅2cm、長さ20cmに裁断し、長さ方向に10cmの間隔の印をつける。裁断した試料を20℃の水の中に浸漬し、20分間放置した後、先に印を付けた10cmの間隔の印間の長さを測定し、下記の式により水膨潤度を求める。(タテ方向、ヨコ方向の膨潤度の和を2分の1にし、平均値を求める。)
水膨潤度(%)=[(水に浸漬した後の印の間隔−10)/10]×100
ウレタン樹脂膜の水膨潤度を10%以下にする方法としては、例えば、ウレタン樹脂膜を構成するウレタン樹脂として、エステル系またはエーテル・エステル系の1液型ウレタン樹脂もしくはこれらの樹脂にエーテル系樹脂を配合したものを用いる方法などが挙げられる。
ウレタン樹脂膜の少なくとも片面には、耐水圧の向上、意匠性の向上ための柄の付与、風合いの改良などの目的として、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂膜が積層されていてもよい。他の樹脂膜は、ウレタン樹脂膜の全面に隙間なく形成されてもよいし、点状や線状、花柄や幾何学柄など部分的に形成されていてもよい。ただし、透湿性の観点からは、他の樹脂膜は、点状や線状に形成されていることが好ましい。また、防水性の観点からは、全面に隙間なく形成されていることが好ましい。
他の樹脂膜には、意匠性のさらなる向上、風合いの改良、抗菌性の付与、保温性の向上等の性能を得るために、顔料・染料や有機粒子・無機粒子、抗菌剤、蓄熱剤などが含まれてもよい。また、他の樹脂膜は、多孔質膜、無孔質膜いずれであってもよい。
また、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜が積層されていてもよい。
ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂膜の無孔質膜や多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜が積層された場合には、防水性を向上させることができる。ただし、その場合には、透湿度(特に塩化カルシウム法により測定される透湿度)が低くなることがある。
[透湿性防水シートの特性]
本実施形態の透湿性防水シートは、用途に応じた透湿性および防水性になるように適宜調整すればよいが、塩化カルシウム法により測定し、24時間あたりに換算した透湿度が6500〜13000g/m・24時間であることが好ましく、9000〜13000g/m・24時間であることがより好ましい。
塩化カルシウム法での透湿度が6500g/m・24時間未満であると、縫製の方法によっては、該透湿性防水シートから得られる衣服等を着用した際に蒸れることがある。
また、塩化カルシウム法での透湿度が13000g/m・24時間を超えると、充分な防水性が得られないことがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートは、酢酸カリウム法により測定し、24時間あたりに換算した透湿度が10000〜50000g/m・24時間であることが好ましく、15000〜50000m・24時間であることがより好ましい。酢酸カリウム法での透湿度が10000g/m・24時間未満であると、蒸れが発生することがあり、50000g/m・24時間を超えると、水によってウレタン樹脂膜が膨潤したり、充分な防水性が得られないことがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートは、耐水圧が63〜196kPaであることが好ましく、98〜196kPaであることがより好ましい。ここで、耐水圧は、JIS L1092−1998の耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した値のことである。なお、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなう。
透湿性防水シートの耐水圧が63kPa未満であると、雨などで濡れた際に水が浸入することがあり、196kPaを超えると、透湿性が低くなることがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートは、通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlであることが好ましい。通気度を前記範囲にすると、透湿性、防水性、防寒性のいずれもが確保される。
しかし、通気度が100秒未満であると、外からの風が通りやすくなってしまい、防寒性が低下すると共に防水性も低下することがあり、1000秒を超えると、透湿性(塩化カルシウム法及び酢酸カリウム法)が低下することがある。
塩化カルシウム法により測定された透湿度、酢酸カリウム法により測定された透湿度、耐水圧および通気度が前記範囲を満たすようにするためには、例えば、防水部の厚みを0.1〜10μmにすればよい。
(第2の実施形態例(aspect))
本発明の第2の実施形態例の透湿性防水シートについて説明する。
本実施形態例の透湿性防水シートは、第1の実施形態のウレタン樹脂膜と、ウレタン樹脂膜の片面に積層された繊維布帛とを備えるものである。繊維布帛はウレタン樹脂膜に、接着剤を介して積層されていてもよいし、直接積層されていてもよい。
<繊維布帛>
繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテート、レーヨン、ポリ乳酸などの化学繊維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維やこれらの混繊、混紡、交織品などが挙げられる。また、それらは織物、編物、不織布等いかなる形態であってもよい。また、本発明の目的を達成できる範囲で多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜等を積層したものであってもよい。
また、繊維布帛は、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などを施してあってもよい。
本実施形態例の透湿性防水シートでは、ウレタン樹脂膜の多孔質部側の面に繊維布帛が積層されていることが好ましい。ウレタン樹脂膜の多孔質部側の面に繊維布帛が積層されていれば、防水部が露出し、多孔質部が露出しないため、埃や汚れ成分により、空隙が埋まりにくく、透湿性および防水性の低下を防ぐことができる。
また、多孔質部に比べて、防水部は、擦過等による磨耗に優れており、この観点からも、防水部が露出する構成がよい。
<接着剤>
接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛を積層する場合、接着剤としては、ウレタン系、エポキシ系、メラミン系、ナイロン系などの接着剤を用いることができる。また、接着剤は、1液型、2液型のいずれであってもよく、また、湿気硬化型などを含むホットメルトタイプのウレタン樹脂であってもよい。
接着剤は、ウレタン樹脂膜と繊維布帛との間の全部に隙間なく有していてもよいし、部分的に、例えば、点状、線状、格子状等に有していてもよい。
また、接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛が積層されている場合には、接着力が高くなることから、ウレタン樹脂膜の多孔質部に接着剤を付着させて、その接着剤を介して繊維布帛が積層されていることが好ましい。これは、接着剤が多孔質部の空隙の中に入り込み、構造的な絡まりが生じるためである。
さらに、接着力がより高くなるため、多孔質層に凹凸が形成されていることが好ましい。多孔質層の凹凸は、ウレタン樹脂膜を製造する際に、離型性シートとして、生地目(タテ糸、ヨコ糸の交絡による凹凸およびタテ糸、ヨコ糸を構成する繊維による凹凸)を有する織物からなる離型性シートを用いることによって形成することができる。
接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛が積層されていれば、得られるコートやスキーウエアー等の風合いが柔らかくなる傾向にある。また、また、縫製した商品のシルエットが柔らかくなる。
また、接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛が積層される場合には、樹脂溶液を直接塗布すると樹脂溶液が裏抜けしてしまう薄地や織編の密度の小さい織物、編物を用いることも可能になるため、商品バリエーションの幅が広くなる。
第2の実施形態例の透湿性防水シートも、第1の実施形態例と同様に、塩化カルシウム法に準じて測定した透湿度が6500〜13000g/m・24時間であることが好ましく、9000〜13000g/m・24時間であることがより好ましい。また、酢酸カリウム法に準じて測定した透湿度が10000〜50000g/m・24時間であること好ましく、15000〜50000g/m・24時間であることがより好ましい。
また、耐水圧が63〜196kPaであることが好ましく、98〜196kPaであることがより好ましい。また、通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlであることが好ましい。
さらに、透湿性防水シートのウレタン樹脂膜の水膨潤度が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。さらには、水膨潤度が0%であることが、水滴が付着した際でも外観にとりわけ優れることから、最も好ましい。
なお、ウレタン樹脂膜が繊維布帛に直接積層された透湿性防水シートでは、ウレタン樹脂膜のみでの水膨潤度の測定が困難な場合があり、その場合はウレタン樹脂膜上に水滴を数滴滴下し、3分間放置した後、水滴をティシュペーパーで拭取り、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面における膨潤の有無を目視にて判断することによって水膨潤度を測定することとし、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面に膨潤が発生していないものを水膨潤度0%とする。
(第3の実施形態例(aspect))
本発明の第3の実施形態例は透湿性防水シートの製造方法であり、これについて以下に説明する。
本実施形態例の透湿性防水シートの製造方法は、支持体である離型性シートの片面にウレタン樹脂溶液を塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成する工程(以下、第1の工程という。)と、該ウレタン樹脂塗膜を水蒸気処理する工程(以下、第2の工程という。)と、水蒸気処理したウレタン樹脂塗膜を水中に浸漬し、水洗、乾燥してウレタン樹脂膜を形成する工程(以下、第3の工程という。)とを有する方法である。
[第1の工程]
第1の工程で使用する離型性シートとしては、例えば、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂などにより処理された離型性の繊維布帛(織物、編物、不織布等)、シリコーン樹脂の層やポリプロピレンフィルムなどを積層した離型紙、また、離型性を有するポリエステル製、ポリプロピレン製の樹脂フィルムなどが挙げられる。
また、離型性シートとしては、織物の表面をシリコーン系樹脂で処理したものであって、織物の生地目(タテ糸、ヨコ糸の交絡による凹凸およびタテ糸、ヨコ糸を構成する繊維による凹凸)を有しているものが好ましい。生地目を有する離型性シートを用いれば、ウレタン樹脂膜に生地目の凹凸を転写させることができる。ウレタン樹脂膜に凹凸が形成されていれば、接着剤を介して繊維布帛や他の層を積層した際に接着性を高めることができる。
前記生地目を有する織物の凹凸は、糸やその糸を構成する繊維および織組織や織物に対するシリコーン樹脂等の表面処理の状況によっても異なるが、タテ糸、ヨコ糸の交絡による凹凸による高低差は1〜40μm、タテ糸、ヨコ糸を構成する繊維の凹凸による高低差が1〜30μmが、接着力の観点より、好ましい。
生地目が残るように織物の表面をシリコーン樹脂で処理する方法としては、シリコーン樹脂溶液を、ナイフコータ等を用い、フローティング法により織物の表面に塗布し、乾燥する方法などが挙げられる。
この離型性シートに塗布する樹脂溶液とは、ウレタン樹脂および有機溶媒を含有するものである。
ウレタン樹脂としては、例えば、エーテル系、エステル系、エーテル・エステル系、ポリカーボネート系等が挙げられる。これらの中でも、水膨潤性を低くできることから、エステル系またはエーテル・エステル系の1液型ウレタン樹脂もしくはこれらの樹脂にエーテル系樹脂を配合したものが好ましい。
また、ウレタン樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、複数の種類を混合して用いてもよい。
有機溶媒としては、上述した多孔質部と防水部とからなる透湿性防水シートをより容易に製造できることから、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどの水溶性の極性有機溶媒が好ましい。
また、ウレタン樹脂溶液には、透湿性と防水性とのバランスがより高くなることから、無機粒子を添加することが好ましい。無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどの粒子が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム粒子、酸化アルミニウム粒子、二酸化ケイ素粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
炭酸カルシウムの粒子としては、石灰岩を粉砕して得られる重質炭酸カルシウム、化学的に製造される沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。
炭酸カルシウムの粒子としては、平均粒子径が0.01〜10μm程度、好ましくは、0.05〜5μm程度のものが使用でき、一次粒子の状態のものや一次粒子が凝集した二次の凝集物(二次粒子)などであってもよい。中でも、平均一次粒子径が0.05μm以下のものが凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度の大きさとなった粒子や一次粒子の状態のものであって一次粒子径が0.5〜5μmの粒子が好ましい。
炭酸カルシウムの粒子の形状としては、例えば、針状、柱状、紡錘状、立方状、球状、板状、曲玉状、連鎖状などが挙げられる。また、これらの凝集物であっても構わないし、不定形であっても構わない。
酸化アルミニウムの粒子としては、乾式法の燃焼法もしくはアーク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子が好ましい。
二酸化ケイ素の粒子としては、乾式法の燃焼法もしくはアーク法で製造された平均一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子、また、湿式法の沈降法やゲル法で製造されたものであって、一次粒子径が0.05μm以下の粒子が凝集して、平均二次粒子径が0.05〜10μm程度、とりわけ0.07〜2μm程度になった粒子が好ましい。また、一次粒子の状態のものであってもよく、平均粒子径が0.05〜10μm程度のものがよい。
一般的には樹脂中に多量の無機粒子を含有させると、得られる膜が脆くなり、耐水圧が低下したり、風合いが硬化したりすると考えられていたが、炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、酸化ケイ素の粒子、とりわけ炭酸カルシウムの粒子を含有させた場合には、耐水圧を低下させずに、透湿度をより高くすることができる。
炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、二酸化ケイ素の粒子の表面は、メチル基、トリメチルシリル基、ジメチルシリコーン基などで疎水化処理されていてもよい。
また、炭酸カルシウムの粒子、酸化アルミニウムの粒子、二酸化ケイ素の粒子は、凝集したものに、ジメチルホルムアミド溶剤、ビヒクルとしてのウレタン樹脂、分散剤などを添加し、ディスパーサーなどでプレミックスし、サンドミル、三本ロールミル、ビーズミルなどで平均粒子径0.05〜5μmの二次粒子に粉砕することが好ましい。
無機粒子の添加量は、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して3〜200質量部であることが好ましく、5〜150質量部であることがより好ましい。無機粒子の含有量が、ウレタン樹脂100質量部に対して3質量部未満であると、透湿性が低下することがあり、200質量部を超えると、防水性が低下することがある。
また、平均1次粒子径が0.1μm未満であり且つ平均2次粒子径が0.7μm未満の無機粒子を用いる場合には、無機粒子の添加量は、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましい。平均1次粒子径が0.1μm以上であり且つ平均2次粒子径が0.7μm以上の無機粒子を用いる場合には、無機粒子の添加量は、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して30〜150質量部であることが好ましい。
また、ウレタン樹脂溶液には、例えば、顔料、イソシアネート系化合物などの架橋剤、触媒、酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、撥水剤、ポリエチレングリコールなどの親水化剤、シルクなどのプロテインパウダー、ゼラチンパウダーなどの添加剤を添加してもよい。
離型性シートに樹脂溶液を塗布する方法としては、例えば、ナイフコータ、ナイフオーバーロールコータ、パイプコータ、コンマコータ、リバースコータなどを用いて塗布する方法が挙げられる。
[第2の工程]
第2の工程における水蒸気処理とは、第1の工程で得たウレタン樹脂塗膜を、水蒸気が存在する環境に曝す処理である。水蒸気処理における水蒸気量としては、絶対湿度で10g/m以上が好ましく、15〜100g/mであることがより好ましく、25〜80g/mであることが特に好ましい。
水蒸気量が10g/m未満であると、得られる透湿性防水シートの防水性が低くなることがある。
ウレタン樹脂塗膜を水蒸気が存在する環境に曝す方法としては、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、上記環境下のチャンバーの中に通過させたり、ブロアー等の送風機にて水蒸気を含む風を少なくともウレタン樹脂塗膜に吹き付けたりする方法などが挙げられる。また、ウレタン樹脂を塗布する塗工機全体を、水蒸気が存在する環境室に設置する方法などを適用してもよい。
水蒸気に曝す時間は、湿度にもよるが、5秒〜30分程度であることが好ましく、30秒〜3分程度であることがより好ましい。水蒸気に曝す時間が5秒未満であると、得られる透湿性防水シートの防水性が低くなることがあり、30分を超えると、生産性が低くなることがある。
ブロアー等の送風機にて水蒸気を含む風をウレタン樹脂塗膜に吹き付ける場合には、水蒸気量が絶対湿度で13〜30g/m、水蒸気に曝する時間は10〜120秒が好ましい。
[第3の工程]
第3の工程にて、水蒸気処理したウレタン樹脂塗膜を浸漬する水は、水のみであってもよいし、樹脂溶液に含まれている有機溶媒、たとえば、DMFを5〜30質量%程度含む水/有機溶媒の混合溶媒であってもよい。
水中での浸漬は、10〜80℃で1〜30分程度であることが好ましい。
その後の水洗は、10〜80℃で1〜30分程度行うことが好ましい。
乾燥は、60〜160℃で行うことが好ましい。
また必要に応じて、80〜180℃で熱処理を行ってもよい。
乾燥や熱処理は、耐水性向上の観点からは130℃以上の温度で行うとよく、JIS L1099−1993A−1、JIS L1099−1993B−1に準じて測定する透湿度の観点からは130℃以下の温度が好ましい。
[その他の工程]
また、本実施形態例の製造方法では、耐水圧の向上、意匠性の向上のための柄の付与、風合いの改良を目的として、第3の工程後に、離型性シートを剥離し、または、剥離せずに、ナイフコータ、パイプコータ、クラビアコータ、スクリーン捺染機などを用いて、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面的にウレタン樹脂やアクリル樹脂を付着させ、60℃〜150℃程度、より好ましくは60℃〜120℃で乾燥して、他の樹脂膜を形成してもよい。他の樹脂膜は、ウレタン樹脂膜の全面に隙間なく形成してもよいし、点状や線状、花柄や幾何学柄など部分的に形成していてもよい。ただし、透湿性の観点からは、他の樹脂膜は、点状や線状に形成していることが好ましい。また、防水性の観点からは、全面に隙間なく形成していることが好ましい。
他の樹脂膜を形成するための樹脂溶液には、意匠性の更なる向上、風合いの改良、抗菌性の付与、保温性の付与等を目的として、顔料、有機粒子・無機粒子、抗菌剤、蓄熱剤を添加してもよい。
他の樹脂膜は、多孔質膜、無孔質膜いずれであってもよい。
また、ウレタン樹脂膜に他の層を接着する場合には、接着剤を含む溶液を付着させてもよい。
また、撥水性の付与、耐水圧の向上のために、フッ素樹脂やシリコーン樹脂、パラフィン樹脂等の撥水剤を、パディング法(パディング法のことをディップ・ニップ法ということもある。)、スプレー法、グラビア法などにより、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に付与してもよい。
また、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜を、接着剤を介してまたは熱融着、熱圧着等により積層してもよい。
ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂膜の無孔質膜や多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜を積層した場合には、防水性を向上させることができる。ただし、その場合には、透湿度(特に塩化カルシウム法により測定される透湿度)が低くなることがある。
[ウレタン樹脂膜]
第1の工程、第2の工程および第3の工程を経る上記製造方法では、通常、離型シートに接した面側が多孔質部であり、離型性シートに接しなかった面側が防水部であるウレタン樹脂膜を製造できる。ただし、離型性シートの種類によっては、離型性シートに接する面側に防水部を形成することもある。
したがって、該製造方法により得られるウレタン樹脂膜は、別個の部材の多孔質部と防水部とが積層されたものではなく、ウレタン樹脂膜の中に、防水部と多孔質部とが層状に各々形成されたものである。
本実施形態例では、このウレタン樹脂膜をそのまま透湿性防水シートとして用いる。
ここで、ウレタン樹脂膜の多孔質部は、平均サイズ0.1〜8.0μmの空隙を有する。例えば、多孔質部は、サイズが0.1〜8.0μmの空隙を主として有する。具体的には、サイズが1〜5μm程度の大きな空隙の壁面に、隣接する空隙との連通孔の役割を果たすと思われるサイズ0.1〜1μm程度の小さな空隙を有して、多くの空隙が連通している。また、いくつかの空隙がつながって形成されたと推測できるいびつな形状でサイズが5〜8μm程度の空隙を有していてもよい。また、多孔質部は、サイズが0.1μm未満の空隙や8μmを超える空隙を多少有していても構わない。しかし、平均サイズが0.1μm未満の空隙を有するものは、透湿性が不充分になり、平均サイズが8μmを超える空隙を有するものは、防水性が不充分であるため、本発明における多孔質部に含まれない。
ここでいう空隙のサイズとは、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍でウレタン樹脂膜の断面を観察した際の空隙の直径のことである。空隙が楕円やいびつな形をしている場合には、その空隙のなかで最も長い径をサイズとする。
多孔質部の厚みは9.5〜99.5μmであることが好ましい。多孔質部の厚みが9.5μm未満であると、透湿性が不足することがあり、99.5μmを超えると、透湿性防水シートの風合いが損なわれることがある。
本実施形態例における防水部は、空隙部総量が多孔質部より少ないものである。ここで、空隙部総量とは、空隙の容積を総和した量のことである。
具体的には、防水部では、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍にて断面を観察した際に、空隙が全く見られない、あるいは、僅かにしか見られない。より具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍で表面を観察した際に、サイズ0.1〜1μmの空隙が25μmあたり0〜20個程度、特に1〜10個程度しか有さない。
なお、防水部はウレタン樹脂膜の表皮となる部分であり、表皮部と称することもできる。また、防水部は主として防水機能を発揮する部分であるが、防水部のみで防水性が発揮されるのではなく、多孔質部も防水性を有している。
防水部が空隙を有している場合には、その空隙の平均サイズは、多孔質部の空隙の平均サイズより小さいことが好ましい。また、防水部が空隙を有している場合には、その空隙の数は、多孔質部の空隙の数より少ないことが好ましい。さらには、防水部の空隙の平均サイズが多孔質部の空隙の平均サイズより小さく、かつ、防水部の空隙の数が、多孔質部の空隙の数より少ないことがより好ましい。
上記好ましい形態では、防水部の空隙部総量が確実に多孔質部より少なくなるため、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共により高く、かつ、防水性がより優れる。
なお、防水部の空隙の平均サイズが多孔質部の空隙の平均サイズより小さい、すなわち多孔質部の空隙の平均サイズが大きいため、単位体積あたりの空隙の数が多孔質部の空隙の数が防水部の空隙の数に比べて少なくなる形態がある。
防水部の厚みは0.5〜10μmであることが好ましく、1〜8μmであることがより好ましい。防水部の厚みが0.5μmよりも薄くなると、十分な防水性が得られなくなるおそれがあり、10μmを超えると、透湿度、特に塩化カルシウム法に準じて測定した透湿度が低くなることがある。
多孔質部と防水部とは、空隙の程度は明らかに異なるため、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍にて透湿性防水シートの断面を観察した際の、空隙の多さの違いによって区別される。
ウレタン樹脂膜の厚さは10〜100μmであることが好ましい。ウレタン樹脂膜の厚さが10μm未満であると、防水性が不安定になることがあり、100μmを超えると、得られる透湿性防水シートの風合いが硬化したり、透湿性が低下したりすることがある。
ウレタン樹脂膜の水膨潤度(線膨潤度と称されることもある。)は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。さらには、水膨潤度が0%であることが、水滴が付着した際でも外観にとりわけ優れることから、最も好ましい。ウレタン樹脂膜の水膨潤度が10%を超えると、水滴が付着した際に膨潤して、外観品位を損なうことがある。
一般的に水膨潤度の低いものは、防水性が高くなる反面、透湿度(特に酢酸カリウム法により測定した透湿度)が低くなりやすいが、該透湿性防水シートでは、水膨潤が低くても、充分な透湿性および防水性を確保できる。
ウレタン樹脂膜の水膨潤度は、以下のように測定する。すなわち、ウレタン樹脂膜をタテ方向、ヨコ方向それぞれに幅2cm、長さ20cmに裁断し、長さ方向に10cmの間隔の印をつける。裁断した試料を20℃の水の中に浸漬し、20分間放置した後、先に印を付けた10cmの間隔の印間の長さを測定し、下記の式により水膨潤度を求める。(タテ方向、ヨコ方向の膨潤度の和を2分の1にし、平均値を求める。)
水膨潤度(%)=[(水に浸漬した後の印の間隔−10)/10]×100
ウレタン樹脂膜の水膨潤度を10%以下にする方法としては、例えば、ウレタン樹脂膜を構成するウレタン樹脂として、エステル系またはエーテル・エステル系の1液型ウレタン樹脂もしくはこれらの樹脂にエーテル系樹脂を配合したものを用いる方法などが挙げられる。
[透湿性防水シートの特性]
本実施形態の透湿性防水シートの製造方法によれば、塩化カルシウム法により測定し、24時間あたりに換算した透湿度が6500〜13000g/m・24時間、特に9000〜13000g/m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。
塩化カルシウム法での透湿度が6500g/m・24時間未満であると、縫製の方法によっては、該透湿性防水シートから得られる衣服等を着用した際に蒸れることがある。
また、13000g/m・24時間を超えると、充分な防水性が得られないことがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートの製造方法によれば、酢酸カリウム法により測定し、24時間あたりに換算した透湿度が10000〜50000g/m・24時間、特に15000〜50000m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。
酢酸カリウム法での透湿度が10000g/m・24時間未満であると、蒸れが発生することがあり、50000g/m・24時間を超えると、水によってウレタン樹脂膜が膨潤したり、充分な防水性が得られないことがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートによれば、耐水圧が63〜196kPa、特に98〜196kPaの透湿性防水シートの製造も可能である。ここで、耐水圧は、JIS L1092−1998の耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した値のことである。なお、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなう。
透湿性防水シートの耐水圧が63kPa未満であると、雨などで濡れた際に水が浸入することがあり、196kPaを超えると、透湿性が低くなることがある。
また、本実施形態の透湿性防水シートによれば、通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlの透湿性防水シートを容易に製造できる。通気度が前記範囲であると、透湿性、防水性、防寒性のいずれもが確保される。しかし、通気度が100秒未満であると、外からの風が通りやすくなってしまい、防寒性が低下すると共に防水性も低下することがあり、1000秒を超えると、透湿性(塩化カルシウム法及び酢酸カリウム法)が低下することがある。
(第4の実施形態例(aspect))
本発明の第4の実施形態例は透湿性防水シートの製造方法であり、これについて以下に説明する。
本実施形態例の透湿性防水シートの製造方法は、第3の実施形態において上述した第1の工程と、第2の工程と、第3の工程とを有し、さらに、第3の工程の後に、ウレタン樹脂膜の片面に繊維布帛を積層する工程を有する製造方法である。繊維布帛はウレタン樹脂膜に、接着剤を介して積層してもよいし、直接積層してもよい。これらの中でも、接着剤を介して、繊維布帛をウレタン樹脂膜の少なくとも片面に積層したものが好ましい。
繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテート、レーヨン、ポリ乳酸などの化学繊維、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維やこれらの混繊、混紡、交織品などが挙げられる。また、それらは織物、編物、不織布等いかなる形態であってもよい。また、本発明の目的を達成できる範囲で多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜等を積層したものであってもよい。
また、繊維布帛は、染色、捺染をはじめ、制電加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などを施してあってもよい。
本実施形態例の透湿性防水シートでは、ウレタン樹脂膜の多孔質部側の面に繊維布帛を積層することが好ましい。ウレタン樹脂膜の多孔質部側の面に繊維布帛を積層すれば、得られる透湿性防水シートにおいて防水部が露出し、多孔質部が露出しないため、埃や汚れ成分により、空隙が埋まりにくく、透湿性および防水性の低下を防ぐことができる。
また、多孔質部に比べて、防水部は、擦過等による磨耗に優れており、この観点からも、防水部が露出する構成がよい。
接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛を積層する場合、接着剤としては、ウレタン系、エポキシ系、メラミン系、ナイロン系などの接着剤を用いることができる。また、接着剤は、1液型、2液型のいずれであってもよく、また、湿気硬化型などを含むホットメルトタイプのウレタン樹脂であってもよい。
接着剤の塗布方法としては、例えば、グラビアコータなどを用いて塗布する方法が挙げられる。その際、ウレタン樹脂膜の片面の全面に隙間なく塗布してもよいし、点状、線状、格子状に塗布してもよい。ただし、透湿度および風合いの観点からは、点状が好ましい。
また、接着剤は、ウレタン樹脂膜から離型シートを剥離した後、または剥離する前に、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に塗布することができるが、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、離型性シートに接していた多孔質部表面に塗布することが好ましい。ウレタン樹脂膜の多孔質部表面に接着剤を塗布し、これを介して繊維布帛を貼り合わせれば、ウレタン樹脂膜の防水部を透湿性防水シートの一方の外側(繊維布帛側でない側)に配置して、防水部を露出させ、多孔質部を露出させないようにすることができる。したがって、透湿性および防水性の低下を防止できる。
また、接着剤が多孔質部の空隙の中に入り込み、構造的な絡まりが生じるため、接着力を高くできる。
接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛を積層する場合には、接着力がより高くなるため、ウレタン樹脂膜の繊維布帛を積層する側の面に凹凸を形成しておくことが好ましい。ウレタン樹脂膜の繊維布帛を積層する側の面に凹凸を形成しておく方法としては、例えば、第1の工程において、離型性シートとして、生地目(タテ糸、ヨコ糸の交絡による凹凸およびタテ糸、ヨコ糸を構成する繊維による凹凸)を有する織物からなる離型性シートを用いる方法などが挙げられる。
接着剤塗布後には、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とを圧着処理してもよい。圧着方法としては、例えば、ニップロールなど用いる方法が挙げられる。
圧着条件としては、圧力(線圧)1〜250Kg/cm、温度5〜150℃、より好ましくは80〜130℃程度の条件が好ましい。この条件から外れると、所望の性能の透湿性防水シートが得られないことがある。
また、圧着後、必要に応じて、40〜80℃程度にて2〜100時間程度エージングをおこなってもよい。
本実施形態例においても、ウレタン樹脂膜を離型性シートから剥離する前に、または、繊維布帛を積層し、離型性シートを剥離した後に、または、離型性シートからウレタン樹脂膜を剥離した後(繊維布帛積層前)に、第3の実施形態例と同様に、ウレタン樹脂膜の少なくとも片面に、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂膜を積層してもよい。積層方法は、第3の実施形態例での他の樹脂膜の積層方法と同様である。
また、第4の実施形態例では、第3の実施形態例と同様の撥水剤をウレタン樹脂膜および/または繊維布帛に付与してもよい。その付与方法も、第3の実施形態例と同様である。
さらに、必要に応じて、得られた透湿性防水シートに、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などをおこなってもよい。
本実施形態例においてもウレタン樹脂膜の水膨潤度は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。さらには、水膨潤度が0%であることが、水滴が付着した際でも外観にとりわけ優れることから、最も好ましい。
なお、ウレタン樹脂膜が繊維布帛に直接積層された透湿性防水シートでは、ウレタン樹脂膜のみでの水膨潤度の測定が困難な場合があり、その場合はウレタン樹脂膜上に水滴を数滴滴下し、3分間放置した後、水滴をティシュペーパーで拭取り、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面における膨潤の有無を目視にて判断することによって水膨潤度を測定することとし、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面に膨潤が発生していないものを水膨潤度0%とする。
第4の実施形態例の製造方法によっても、第3の実施形態例と同様に、塩化カルシウム法に準じて測定した透湿度が6500〜13000g/m・24時間、特に9000〜13000g/m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。また、酢酸カリウム法に準じて測定した透湿度が10000〜50000g/m・24時間、特に15000〜50000g/m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。また、耐水圧が63〜196kPa、特に98〜196kPaの透湿性防水シートの製造も可能である。さらに、通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlの透湿性防水シートの製造も可能である。
また、本実施形態の好ましい例では、接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛を積層するため、得られる透湿性防水シートの風合いがやわらかくなる。そのため、該透湿性防水シートをコートやスキーウエアー等に適用すれば、その風合いが柔らかくなる傾向にある。また、縫製した商品のシルエットが柔らかいものも得ることができる。
また、接着剤を介してウレタン樹脂膜に繊維布帛が積層される場合には、樹脂溶液を直接塗布すると樹脂溶液が裏抜けしてしまう薄地や織編の密度の小さい織物、編物を用いることも可能になるため、商品バリエーションの幅が広くなる。
(第5の実施形態例(aspect))
本発明の第5の実施形態例は透湿性防水シートの製造方法であり、これについて以下に説明する。
本実施形態の透湿性防水シートの製造方法は、支持体である繊維布帛に樹脂溶液を塗布した後に、第3の実施形態例と同様の第2の工程と第3の工程を行う方法である。
本実施形態例における樹脂溶液は第3の実施形態例と同様であり、繊維布帛は第4の実施形態例と同様である。
本実施形態例の製造方法においても、ウレタン樹脂膜を繊維布帛上に積層した後に、第3の実施形態例と同様に、ウレタン樹脂膜に、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂膜を積層してもよい。積層方法は、第3の実施形態例での他の樹脂膜の積層方法と同様である。
また、第4の実施形態例の製造方法と同様に、撥水剤をウレタン樹脂膜および/または繊維布帛に付与してもよい。
さらに、必要に応じて、得られた透湿性防水シートに、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工などをおこなってもよい。
第5の実施形態例の製造方法によっても、第3の実施形態例と同様に、塩化カルシウム法に準じて測定した透湿度が6500〜13000g/m・24時間、特に9000〜13000g/m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。また、酢酸カリウム法に準じて測定した透湿度が10000〜50000g/m・24時間、特に15000〜50000g/m・24時間の透湿性防水シートの製造も可能である。また、耐水圧が63〜196kPa、特に98〜196kPaの透湿性防水シートの製造も可能である。さらに、通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlの透湿性防水シートの製造も可能である。
本実施形態例においても、第3の実施形態例と同様に、ウレタン樹脂膜の水膨潤度は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。さらには、水膨潤度が0%であることが、水滴が付着した際でも外観にとりわけ優れることから、最も好ましい。
なお、ウレタン樹脂膜が繊維布帛に直接積層された透湿性防水シートでは、ウレタン樹脂膜のみでの水膨潤度の測定が困難な場合があり、その場合はウレタン樹脂膜上に水滴を数滴滴下し、3分間放置した後、水滴をティシュペーパーで拭取り、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面における膨潤の有無を目視にて判断することによって水膨潤度を測定することとし、ウレタン樹脂膜面および繊維布帛面に膨潤が発生していないものを水膨潤度0%とする。
また、この第5の実施形態例の製造方法では、接着剤を塗布し、繊維布帛とウレタン樹脂膜とを貼り合わせる工程および離型性シートを剥離する工程を省略でき、製造工程を短縮できるため、生産性が向上するという利点を有する。
さらに、ウレタン樹脂膜の防水部が透湿性防水シートの一方の外側の面に配置されたものを容易に形成でき、擦過、汚れ等に対する透湿性、防水性の耐久性が優れたものを容易に製造できる。
なお、本発明の透湿性防水シートの製造方法は、上述した実施形態例に限定されない。
例えば、第4の実施形態例の製造方法では、ウレタン樹脂膜の片面に繊維布帛を積層したが、両面に積層してもよい。ウレタン樹脂膜の両面に繊維布帛を積層する場合でも、ウレタン樹脂膜に接着剤を介して繊維布帛を積層してもよいし、ウレタン樹脂膜に繊維布帛を直接積層してもよい。ただし、その場合でも、上述しように、接着剤を介したものが、風合いが柔らかくなる傾向にあり、好ましい。
また、第5の実施形態例の製造方法では、ウレタン樹脂膜の片面に繊維布帛を配置したが、両面に繊維布帛を配置してもよい。また、第5の実施形態例の製造方法で得た透湿性防水シートのウレタン樹脂膜面に、第4の実施形態例の製造方法により接着剤を介して他の繊維布帛を配置し、両面を繊維布帛としてもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。また、例中の「部」は質量部、「%」は質量%を意味する。
以下の例における測定および評価は次の方法でおこなった。
(A)ウレタン樹脂膜および多孔質部の厚み
走査型電子顕微鏡(SEMEDX Type H形:(株)日立サイエンスシステムズ)を用い、透湿性防水シートの断面を1000倍にて観察して測定した。
(B)多孔質部の空隙のサイズおよび空隙の数並びに防水部の厚み
前記走査型電子顕微鏡を用い、透湿性防水シートの断面を10000倍にて観察して測定した。
(C)防水部の空隙のサイズおよび空隙の数
前記走査型電子顕微鏡を用い、透湿性防水シートのウレタン樹脂膜の表面を10000倍にて観察して測定した。
(D)透湿度
塩化カルシウム法 JIS L1099−1993A−1に準じて測定した。
酢酸カリウム法 JIS L1099−1993B−1に準じて測定した。
なお、塩化カルシウム法および酢酸カルシウム法ともに24時間あたりの透湿量に換算した。
(E)耐水圧
JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した。
水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cmあたりのタテ糸とヨコ糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定をおこなった。
(F)通気度
JIS L1096−1999 通気性B法(ガーレ法)に準じて測定した。ただし、前記通気性B法では300mlの空気の通過する時間を測定するが、本発明の透湿性防水シートは、通気性が低く時間を要するため100mlの空気が通過する時間を測定し、100mlの空気が通過する時間を通気度とした。
(G)水膨潤度
ウレタン樹脂膜(繊維布帛に積層させていないもの)をタテ方向、ヨコ方向それぞれに幅2cm、長さ20cmに裁断し、10cmの間隔の印をつけた。次いで、裁断した試料を20℃の水の中に浸漬し、20分間放置した後、先に付けた10cmの間隔の印間の長さを測定し、下記の式により膨潤度を求めた。(タテ方向、ヨコ方向の膨潤度の和を2分の1にし、平均値を求めた。)
水膨潤度=[(水に浸漬した後の印の間隔−10)]/10×100
・ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが直接積層されている場合の水膨潤度
この場合は、ウレタン樹脂膜のみでの水膨潤度の測定が困難なため、ウレタン樹脂膜上に水滴を数滴滴下し、3分間放置した後、水滴をティシュペーパーで拭取った後、ウレタン樹脂膜面での膨潤の有無を目視により確認した。
なお、ウレタン樹脂膜面および、繊維布帛面に膨潤が発生していないものを水膨潤度0%とする。
(H)風合い
手でさわって判断した。
(実施例1)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度23g/m、温度37℃の水蒸気を送風機により30秒当て水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、20℃の水中(水のみ)に5分間浸漬し、40℃の水にて10分間水洗し、120℃にて3分間乾燥し、150℃にて30秒間熱処理した。次に、離型性シートを剥離して、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜のみからなる透湿性防水シートを得た。得られた透湿性防水シートは、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目により凹凸が形成されていた。
なお、上記工程において、乾燥の後、離型性シートを剥離する前(150℃の熱処理前)に、フッ素系撥水剤アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表1に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 30部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;60%)
酸化アルミニウム分散品 10部
(平均一次粒子径;13nm 分散後平均粒子径;0.5μm 固形分;14%)
Figure 0004931938
(実施例2)
実施例1において、乾燥の後、離型性シートを剥離する前(150℃の熱処理前)に、フッ素系撥水剤アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いたディップ・ニップ法による撥水処理が行われないこと以外は同じようにしてウレタン樹脂膜を得た。このようにして得られたウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面上に、下記接着剤溶液をグラビアコータにより点状に付与した。
また、ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、温度170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、厚さ40μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表1に示す。
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
(実施例3)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度30g/m、温度40℃のチャンバー内を10秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水で水洗し、120℃にて3分間乾燥して、離型性シート上に、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)を有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面は、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目により凹凸が形成されていた。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
炭酸カルシウム分散品 70部
(平均一次粒子径;30nm 分散後平均粒子径;3.0μm 固形分;20%)
次に、グラビアコータを用いて湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂 タイホースNH300(大日本インキ化学工業株式会社製)を110℃に加熱し、溶融させ、点状に、ウレタン樹脂膜の防水部の面に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングした後、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離して、厚さ35μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG710 5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
また、離型紙上に下記樹脂溶液を塗布した後、120℃で乾燥して、厚さ20μmの無孔質膜を得た。
無孔質膜用樹脂溶液
親水性ウレタン樹脂(固形分;30%、1液型) 100部
トルエン 50部
次に、得られた無孔質膜の片面に下記接着剤溶液をグラビアコータにより点状に付与した。
接着剤溶液
親水性ウレタン樹脂(固形分;50%、2液型) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 10部
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングした後、離型紙を剥離して、厚さ20μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
ナイロン編物(スムース:糸56デシテッス/72フィラメント、32ゲージ)を酸性染料でグレーに染色したものを繊維布帛として用いた。
離型性シートである離型性のポリプロピレンフィルムに、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度13g/m、温度27℃の水蒸気を送風機により30秒当て水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、35℃、15%のDMFを含む水中に5分間浸漬して、ウレタン樹脂を製膜し、50℃と20℃の水中にて水洗した。その後、120℃にて3分間乾燥、150℃にて1分間加熱して、離型性シートの片面に、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面にグラビアコータにより下記接着剤溶液を点状に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表2に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 30部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;60%)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 20部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;15%)
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分;30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
Figure 0004931938
(実施例5)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
この繊維布帛の片面に、下記樹脂溶液をパイプコータにより直接塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を絶対湿度40g/m、温度30℃のチャンバー内を20秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を、30℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水にて水洗し、120℃にて3分間乾燥、150℃にて30秒間熱処理して、繊維布帛上に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(繊維布帛に接している側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表2に示す。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 10部
炭酸カルシウム分散品 60部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;60%)
イソシアネート系架橋剤 2部
(実施例6)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度20g/m、温度35℃の水蒸気を送風機により15秒当てて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃、水中(水のみ)に5分間浸漬し、ウレタン樹脂を製膜し、50℃と20℃の水中にて水洗した後、120℃にて3分間乾燥し、150℃にて1分間加熱して、離型性シートの片面に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面には、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目により凹凸が形成されていた。
次に、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面にグラビアコータにより下記接着剤溶液を点状に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表3に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 70部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;15%)
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分;30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
Figure 0004931938
(実施例7)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度45g/m、温度45℃のチャンバー内を60秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、20℃の水中(水のみ)に5分間浸漬し、40℃の水にて10分間水洗し、120℃にて3分間乾燥し、150℃にて30秒間熱処理した。次に、離型性シートを剥離して、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜のみからなる透湿性防水シートを得た。得られた透湿性防水シートは、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目より凹凸が形成されていた。
なお、上記工程において、乾燥の後、離型性シートを剥離する前(150℃の熱処理前)に、フッ素系撥水剤アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表4に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 30部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均二次粒子径;1.0μm 固形分;60%)
Figure 0004931938
(実施例8)
実施例7において、乾燥の後、離型性シートを剥離する前(150℃の熱処理前)に、フッ素系撥水剤アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いたディップ・ニップ法による撥水処理が行われないこと以外は同様ににしてウレタン樹脂膜を得た。このようにして得られたウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面上に、下記接着剤溶液をグラビアコータにより点状に付与した。
また、ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、温度170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、厚さ40μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表4に示す。
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
(実施例9)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710(旭硝子(株)製) の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートの上面及び下面より絶対湿度35g/m、温度40℃の水蒸気を送風機により60秒当て水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水で水洗し、120℃にて3分間乾燥して、離型性シート上に、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)を有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面は、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目より凹凸が形成されていた。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
炭酸カルシウム分散品 15部
(平均一次粒子径;30nm 分散後平均二次粒子径;0.3μm 固形分;20%)
酸化アルミニウム分散品 5部
(平均一次粒子径;13nm 分散後平均二次粒子径;0.5μm 固形分;14%)
次に、グラビアコータを用いて湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂 タイホースNH300(大日本インキ化学工業株式会社製)を110℃に加熱し、溶融させ、点状に、ウレタン樹脂膜の防水部の面に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングした後、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離して、厚さ35μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表4に示す。
(実施例10)
ナイロン編物(スムース:糸56デシテッス/72フィラメント、32ゲージ)を酸性染料でグレーに染色したものを繊維布帛として用いた。
離型性シートである離型性のポリプロピレンフィルムに、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度15g/m、温度30℃のチャンバー内を100秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、35℃、15%のDMFを含む水中に5分間浸漬して、ウレタン樹脂を製膜し、50℃と20℃の水中にて水洗した。その後、120℃にて3分間乾燥、150℃にて1分間加熱して、離型性シートの片面に、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面にグラビアコータにより下記接着剤溶液を点状に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表5に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 75部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 25部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 30部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均二次粒子径;1.0μm 固形分;60%)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 20部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均二次粒子径;0.2μm 固形分;15%)
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分;30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
Figure 0004931938
(実施例11)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
この繊維布帛の片面に、下記樹脂溶液をパイプコータにより直接塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を絶対湿度18g/m、温度25℃のチャンバー内を70秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を、30℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水にて水洗し、120℃にて3分間乾燥、150℃にて30秒間熱処理して、繊維布帛上に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(繊維布帛に接している側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表5に示す。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 10部
炭酸カルシウム分散品 40部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均二次粒子径;1.0μm 固形分;60%)
イソシアネート系架橋剤 2部
(実施例12)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布し、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度25g/m、温度30℃のチャンバー内を60秒かけて通過させ水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃、水中(水のみ)に浸漬し、ウレタン樹脂を製膜し、50℃と20℃の水中にて水洗した後、120℃にて3分間乾燥し、150℃にて1分間加熱して、離型性シートの片面に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面には、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目により凹凸が形成されていた。
次に、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面にグラビアコータにより下記接着剤溶液を点状に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着した後、70℃で72時間エージングして、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表6に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 30部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均二次粒子径;0.2μm 固形分;15%)
Figure 0004931938
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分;30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
(実施例13)
樹脂溶液を以下に示すものに変更したこと、及びウレタン樹脂膜厚を変更したこと以外は実施例12と同様にして透湿性防水シートを得た。得られた透湿性防水シートを評価した。評価結果を表6に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 90部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
エーテル系ウレタン樹脂 10部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 50部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均二次粒子径;0.2μm 固形分;15%)
(実施例14)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
この繊維布帛の片面に、下記樹脂溶液をパイプコータにより直接塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を絶対湿度40g/m、温度30℃のチャンバー内を20秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した繊維布帛を、30℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水にて水洗し、120℃にて3分間乾燥、120℃にて30秒間熱処理して、繊維布帛上に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(繊維布帛に接している側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表7に示す。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 10部
炭酸カルシウム分散品 60部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均粒子径;1.0μm 固形分;60%)
イソシアネート系架橋剤 2部
(実施例15)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度45g/m、温度45℃のチャンバー内を60秒かけて通過させて水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、20℃の水中(水のみ)に5分間浸漬し、40℃の水にて10分間水洗し、120℃にて3分間乾燥した。次に、離型性シートを剥離して、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜のみからなる透湿性防水シートを得た。得られた透湿性防水シートは、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目より凹凸が形成されていた。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表7に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
DMF 20部
炭酸カルシウム分散品 30部
(平均一次粒子径;0.7μm 分散後平均二次粒子径;1.0μm 固形分;60%)
(実施例16)
実施例7で得られたウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面上に、下記接着剤溶液をグラビアコータにより点状に付与した。
また、ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、温度170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて50℃で圧着した。圧着した後、70℃で72時間エージングして、厚さ40μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表7に示す。
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
(実施例17)
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を分散染料で青色に染色し、フッ素系撥水剤アサヒガ−ドAG710(旭硝子(株)製) の5%水溶液を用いて撥水加工した。撥水加工後、170℃、圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートの上面及び下面より絶対湿度35g/m、温度40℃の水蒸気を送風機により60秒当て水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃の水中(水のみ)に5分間浸漬した後、40℃の水で水洗し、120℃にて3分間乾燥して、離型性シート上に、防水部(凝固時に水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)を有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面は、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目より凹凸が形成されていた。
樹脂溶液
エーテル・エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;30%、1液型、溶媒;DMF)
炭酸カルシウム分散品 15部
(平均一次粒子径;30nm 分散後平均二次粒子径;0.3μm 固形分;20%)
酸化アルミニウム分散品 5部
(平均一次粒子径;13nm 分散後平均二次粒子径;0.5μm 固形分;14%)
次に、グラビアコータを用いて湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂 タイホースNH300(大日本インキ化学工業株式会社製)を110℃に加熱し、溶融させ、点状に、ウレタン樹脂膜の防水部の面に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて50℃で圧着した。圧着した後、70℃で72時間エージングした後、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離して、厚さ35μmのウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表7に示す。
(実施例18)
ナイロンタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)を酸性染料にて赤色に染色し、フッ素系撥水剤AG710(旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水加工したものを繊維布帛として用いた。
ポリエステルタフタ(タテ糸83デシテッス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテッス/72フィラメント。密度 タテ114本/2.54cm、ヨコ92本/2.54cm)にシリコーン樹脂を塗布したものを離型性シートとして用いた。この離型性シートの上に、下記樹脂溶液をパイプコータにより塗布し、ウレタン樹脂塗膜を形成した。
次に、ウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを絶対湿度25g/m、温度30℃のチャンバー内を60秒かけて通過させ水蒸気処理をおこなった。
次に、水蒸気処理後のウレタン樹脂塗膜を形成した離型性シートを、15℃、水中(水のみ)に浸漬し、ウレタン樹脂を製膜し、50℃と20℃の水中にて水洗した後、120℃にて3分間乾燥し、120℃にて30秒間加熱して、離型性シートの片面に、防水部(凝固時、水と直接、接した面側)と多孔質部(離型性シートに接していた面側)とを有するウレタン樹脂膜を形成した。ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面には、離型性シートに用いたタフタのタテ糸とヨコ糸の織組織、タテ糸とヨコ糸を構成する繊維による生地目により凹凸が形成されていた。
次に、ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離した後、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面にグラビアコータにより下記接着剤溶液を点状に付与した。
次に、ウレタン樹脂膜の接着剤を付与した面に繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて50℃で圧着した。圧着した後、70℃で72時間エージングして、ウレタン樹脂膜と繊維布帛とが接着剤を介して積層された透湿性防水シート(撥水処理前の透湿性防水シート)を得た。
次に、フッ素系撥水剤 アサヒガードAG5690(旭硝子(株)製)の5%処理液を用いてディップ・ニップ法により撥水処理を行った。
このようにして得た透湿性防水シートを評価した。評価結果を表7に示す。
樹脂溶液
エステル系ウレタン樹脂 100部
(固形分;20%、1液型、溶媒;DMF)
二酸化ケイ素分散品(表面がメチル基で疎水処理されたもの) 30部
(平均一次粒子径;0.02μm 分散後平均二次粒子径;0.2μm 固形分;15%)
接着剤溶液
2液型ウレタン樹脂(固形分;30%) 100部
トルエン 50部
イソシアネート系架橋剤 8部
錫/アミン系触媒 1部
Figure 0004931938
多孔質と防水部とからなるウレタン樹脂膜を備える実施例1〜18の透湿性防水シートは、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共に高く、かつ、防水性にも優れ、しかも水膨潤性も低い透湿性防水シートを製造できた。
これに対し、無孔質膜のウレタン樹脂膜を備える比較例1の透湿性防水シートは、防水性に優れ、酢酸カルシウム法で測定した透湿性は高いものの、塩化カルシウム法による透湿性は低く、水膨潤性も有していた。
本発明により、塩化カルシウム法で測定した透湿性および酢酸カリウム法で測定した透湿性が共に高く、かつ、防水性にも優れた透湿性防水シート、及びその製造方法を提供できる。
従って、本発明は、産業上極めて有用である。

Claims (14)

  1. 平均サイズ0.1〜8.0μmの空隙を有する層状の多孔質部と、該多孔質部の少なくとも片面に形成され、空隙部総量が多孔質部より少ない層状の防水部とからなるウレタン樹脂膜を備える透湿性防水シート。
  2. 前記ウレタン樹脂膜の防水部が空隙を有し、その空隙の平均サイズは、前記多孔質部の空隙の平均サイズより小さい、請求項1に記載の透湿性防水シート。
  3. 前記防水部の厚みが0.1〜10μmである、請求項1に記載の透湿性防水シート。
  4. JIS L1099−1993A−1に準じて測定した透湿度が6500〜13000g/m・24時間、JIS L1099−1993B−1に準じて測定した透湿度が10000〜50000g/m・24時間、耐水圧が63〜196kPaである、請求項1に記載の透湿性防水シート。
  5. 通気度がガーレ法による測定で100〜1000秒/100mlである、請求項1に記載の透湿性防水シート。
  6. 前記ウレタン樹脂膜の水膨潤度が10%以下である、請求項1に記載の透湿性防水シート
  7. 前記ウレタン樹脂膜に接着剤層を介して積層された繊維布帛を備える請求項1に記載の透湿性防水シート。
  8. 前記ウレタン樹脂膜に直接積層された繊維布帛を備える請求項1に記載の透湿性防水シート。
  9. 支持体の片面に、ウレタン樹脂および有機溶媒を含有するウレタン樹脂溶液を塗布して、ウレタン樹脂塗膜を形成する工程と、
    該ウレタン樹脂塗膜を水蒸気処理する工程と、
    水蒸気処理したウレタン樹脂塗膜を水中に浸漬し、水洗、乾燥してウレタン樹脂膜を形成する工程とを有する、透湿性防水シートの製造方法。
  10. 支持体として、離型性シートを用いる、請求項9に記載の透湿性防水シートの製造方法。
  11. ウレタン樹脂膜から離型性シートを剥離する工程と、ウレタン樹脂膜の離型性シートに接していた面に繊維布帛を積層する工程とを有する、請求項10に記載の透湿性防水シートの製造方法。
  12. 支持体として、繊維布帛を用いる、請求項9に記載の透湿性防水シートの製造方法。
  13. ウレタン樹脂溶液に、炭酸カルシウム粒子、二酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粒子を添加する、請求項9〜12のいずれかに記載の透湿性防水シートの製造方法。
  14. 無機粒子の添加量を、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して3〜200質量部とする、請求項13に記載の透湿性防水シートの製造方法。
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