JP7207079B2 - 支持体付き樹脂シート - Google Patents
支持体付き樹脂シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP7207079B2 JP7207079B2 JP2019063025A JP2019063025A JP7207079B2 JP 7207079 B2 JP7207079 B2 JP 7207079B2 JP 2019063025 A JP2019063025 A JP 2019063025A JP 2019063025 A JP2019063025 A JP 2019063025A JP 7207079 B2 JP7207079 B2 JP 7207079B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- support
- hygroscopic
- resin sheet
- moisture
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/18—Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
- B32B27/20—Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/84—Passivation; Containers; Encapsulations
- H10K50/842—Containers
- H10K50/8426—Peripheral sealing arrangements, e.g. adhesives, sealants
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
[2]吸湿性樹脂組成物における吸湿性フィラーの含有量が、吸湿性樹脂組成物の不揮発分を100質量%としたとき、10質量%以上80質量%以下である、[1]に記載の支持体付き樹脂シート。
[3]低透湿性樹脂組成物における板状フィラーの含有量が、低透湿性樹脂組成物の不揮発分を100質量%としたとき、10質量%以上80質量%以下である、[1]または[2]に記載の支持体付き樹脂シート。
[4]吸湿性フィラーが、半焼成ハイドロタルサイトである、[1]~[3]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[5]板状フィラーが、板状ガラス、未焼成ハイドロタルサイト、スメクタイトおよび 合成フッ素金雲母から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[4]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[6]板状フィラーの平均アスペクト比が2以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[7]樹脂シートの厚さが5μm以上100μm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[8]吸湿性層の厚さが低透湿性層の厚さ以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[9]低透湿性層の厚さに対する吸湿性層の厚さの比が1.0~20である、[1]~[8]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[10]少なくとも一つの低透湿性層が全ての吸湿性層に対し支持体とは反対側に設けられている、[1]~[9]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[11]樹脂シートの水蒸気透過率が10g/(m2・24時間)以下である[1]~[10]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[12]吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[13]吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[14]吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含む、[1]~[13]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[15]電子デバイスの封止用である、[1]~[14]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[16]有機ELデバイスの封止用である、[1]~[15]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シート。
[17][1]~[16]のいずれかに記載の支持体付き樹脂シートで封止されている、電子デバイス。
本発明の支持体付き樹脂シートにおける吸湿性層は、吸湿性樹脂組成物により形成される。本発明の典型的な態様において、該吸湿性樹脂組成物は吸湿性フィラーを含む。
(式中、M2+はMg2+、Zn2+などの2価の金属イオンを表し、M3+はAl3+、Fe3+などの3価の金属イオンを表し、An-はCO3 2-、Cl-、NO3 -などのn価のアニオンを表し、0<x<1であり、0≦m<1であり、nは正の数である。)
式(I)中、M2+は、好ましくはMg2+であり、M3+は、好ましくはAl3+であり、An-は、好ましくはCO3 2-である。
(式中、M2+はMg2+、Zn2+などの2価の金属イオンを表し、An-はCO3 2-、Cl-、NO3-などのn価のアニオンを表し、xは2以上の正の数であり、zは2以下の正の数であり、mは正の数であり、nは正の数である。)
式(II)中、M2+は、好ましくはMg2+であり、An-は、好ましくはCO3 2-である。
飽和吸水率(質量%)
=100×(吸湿後の質量-初期質量)/初期質量 (i)
で求めることができる。
熱重量減少率(質量%)
=100×(加熱前の質量-所定温度に達した時の質量)/加熱前の質量 (ii)で求めることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂またはゴム系樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブテン樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー等を挙げることができる。これらの中でも、接着性、接着湿熱耐性の点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。これらの熱可塑性樹脂またはゴム系樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における吸湿性樹脂組成物は、接着性をより高める目的等のために、粘着付与剤を含んでいてもよい。粘着付与剤はタッキファイヤーとも呼ばれ、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。粘着付与剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。より好ましい粘着付与剤としては、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。
本発明における吸湿性樹脂組成物は、液状吸湿性樹脂組成物として適当な粘度を達成する上で希釈剤を含有していてもよい。E型粘度計で25℃の温度条件下で測定した希釈剤の粘度は、好ましくは0.1~5000mPa・s、より好ましくは0.1~2500mPa・s、さらに好ましくは0.1~1000mPa・sである。
シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランおよび11-メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランおよびN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3-ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3-イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらの中で、アクリレート系シランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における吸湿性樹脂組成物は、その効果を損なわない範囲で、上述の成分とは異なる他の成分を含有してもよい。例えば、オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤;等を挙げることができる。
本発明の支持体付き樹脂シートにおける低透湿性層は、低透湿性樹脂組成物により形成される。本発明の典型的な態様において該低透湿性樹脂組成物は板状フィラーを含む。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、100個の粒子につき、それぞれの厚さを測定し、それら測定値を平均することにより求める。この場合、個々の粒子を走査型電子顕微鏡で観察して測定しても良いし、フィラー(粒子群)を樹脂に充填して成形し、その成形体を破断し、その破断面を観察して測定しても良い。いずれの測定方法においても、粒子の断面(厚さ面)が走査型電子顕微鏡の照射電子線軸に垂直になるように、走査型電子顕微鏡の試料台を試料台微動装置により調整する。
本発明の支持体付き樹脂シートにおける樹脂シートは、上記で説明した少なくとも一つの吸湿性層と少なくとも一つの低透湿性層とを有する。樹脂シートは、少なくとも一つの低透湿性層を吸湿性層に対し支持体とは反対側に有する。樹脂シートがこのような構造を有することにより、吸湿性層に捕捉された水分の移動が、低透湿性層により妨げられ、結果として、より高い水分遮蔽性を発揮し得る支持体付き樹脂シートが得られるものと推測される。
低透湿性層の厚さは、本発明の効果が発揮されれば特に限定されるものではないが、好ましくは0.25μm以上50μm以下であり、より好ましくは2.5μm以上50μm以下である。
(1)支持体+吸湿性層+低透湿性層+カバーフィルム
(2)支持体+低透湿性層+吸湿性層+低透湿性層+カバーフィルム
(3)支持体+吸湿性層+低透湿性層+吸湿性層+低透湿性層+カバーフィルム
(4)支持体+吸湿性層+低透湿性層+吸湿性層+カバーフィルム
有機EL素子等の高い水分遮蔽性を必要とする部位の封止用等に用いる際には、上記カバーフィルムは剥離され、封止部位等に適用される。上記層構成(4)においては、支持体側の吸湿性層に捕捉された水分は低透湿性層により水分遮蔽性を必要とする部位への水分の移動が抑制されるが、カバーフィルム側の吸湿性層に捕捉された水分は抑制されることなく移動が可能となるため、層構造(1)~(3)のように、少なくとも一つの低透湿性層が全ての吸湿性層に対し支持体とは反対側に設けられている層構造とするのが好ましい。
本発明の支持体付き樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、上記で説明した樹脂シートとを備える。
本発明の支持体付き樹脂シートで電子素子が封止された電子デバイスは、例えば、基板上の電子素子上に本発明の支持体付き樹脂シートを積層することによって製造することができる。
なお、以下に記載の量における「%」は、特段の記載が無い限り、「質量%」を意味する。
下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、日石三菱社製)、ポリブテン(HV-1900、日石三菱社製)および半焼成ハイドロタルサイト(吸湿性フィラー;DHT-4C、協和化学社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン-ポリブテン共重合体(T-YP341(星光PMC社製)、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、吸湿性樹脂組成物のワニスを得た。
下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、日石三菱社製)、ポリブテン(HV-1900、日石三菱社製)および合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン-ポリブテン共重合体(T-YP341(星光PMC社製)、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、低透湿性樹脂組成物のワニスを得た。
下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、星光PMC社製)、ポリブテン(HV-1900、星光PMC社製)および板状ガラスフィラー(FTD010-F01、日本板硝子社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン-ポリブテン共重合体(T-YP341(星光PMC社製)、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、低透湿性樹脂組成物のワニスを得た。
下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、星光PMC社製)、ポリブテン(HV-1900、星光PMC社製)およびスメクタイト(板状フィラー;スメクトンSAN、クニミネ工業社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン-ポリブテン共重合体(T-YP341(星光PMC社製)、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、低透湿性樹脂組成物のワニスを得た。
下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、星光PMC社製)、ポリブテン(HV-1900、星光PMC社製)、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン-ポリブテン共重合体(T-YP341(星光PMC社製)、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物のワニスを得た。
製造例1で得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP3000」(PET:35μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ25μmの吸湿性層を設けた。
製造例2で得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP4020」(PET:50μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ15μmの低透湿性層を設けた。
吸湿性層と低透湿性層とをバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V-160)を用いてラミネートし、支持体付き樹脂シートを得た。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。
実施例1において、低透湿性層の厚さを25μmとしたこと以外は同様にして支持体付き樹脂シートを得た。
実施例1において、吸湿性層の厚さを35μmおよび低透湿性層の厚さを25μmとしたこと以外は同様にして支持体付き樹脂シートを得た。
実施例1において、製造例2で得られたワニスの代わりに製造例3で得られたワニスを用いて低透湿性層を得たこと以外は同様にして支持体付き樹脂シートを得た。
実施例1において、製造例2で得られたワニスの代わりに製造例4で得られたワニスを用いて低透湿性層を得たこと以外は同様にして支持体付き樹脂シートを得た。
製造例1で得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP3000」(PET:35μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ25μmの吸湿性層のみを有する支持体付き樹脂シートを得た。
製造例2で得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP4020」(PET:50μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ25μmの低透湿性層のみを有する支持体付き樹脂シートを得た。
実施例1において、製造例2で得られたワニスの代わりに製造例5で得られたワニスを用いて低透湿性層を得たこと以外は同様にして支持体付き樹脂シートを得た。
有機EL素子を用いて、額縁からの水分侵入に対する樹脂シートの封止性(バリア性)を評価した。詳しくは、まず酸化インジウムスズ(ITO)付ガラス基板(ジオマテック社製)に発光面積が4mm2となるように有機EL素子(有機膜の厚さ:110nm、Al陰極の厚さ:100nm)を形成した。
次いで、実施例および比較例で作製した支持体付き樹脂シート(長さ:25mm、幅:15mm)の吸湿性層側のPETフィルムを剥離し、この吸湿性層上にバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V-160)を用いて支持体としてアルミ箔/PET複合フィルム「PET付AL1N30」(アルミ箔:30μm、PET:25μm:東海東洋アルミ販売社製商品名)をラミネートし、別の支持体付き樹脂シートを得た。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。支持体付き樹脂シートの低透湿性層側のPETフィルムを剥離し、有機EL素子(発光面積約4mmφ)を有する基板(横:25mm、縦:25mm)に、低透湿性層を有機EL素子側にして、窒素雰囲気下、ロールラミネーター(フジプラ社製、LPD2325、ロールの材質:ゴム)で、ロール温度:90℃、ロール速度:360mm/分、ロール圧:0.2MPaの条件で支持体付き樹脂シートをラミネートし、有機EL素子が支持体付き樹脂シートで封止された有機ELデバイスを得た。
封止された有機EL素子に電圧を印加し、恒湿恒温槽中で保管する前の初期発光面積を測定した。次いで、有機ELデバイスを温度85℃および相対湿度85%に設定した恒湿恒温槽中で保管した。保管してから100時間後に有機ELデバイスを恒湿恒温槽から取り出し、有機EL素子に電圧を印加し、保管後の発光面積を測定した。
封止性(バリア性)を比較する指標として、残存発光面積率を下記式:
発光面積減少率(%)=100×(ダークスポット面積)/(初期発光面積)
から算出し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
(発光面積減少率の基準)
発光面積減少率が10%以下のものを○
発光面積減少率が10%以上30%未満のものを△
発光面積減少率が30%以上のものを×
カルシウムを用いて、額縁および垂直方向からの水分侵入に対する樹脂シートの封止性(バリア性)を評価した。無アルカリガラス50mm×50mm角を煮沸したイソプロピールアルコールで5分間洗浄し、150℃において30分以上乾燥した。洗浄後に、UVオゾン洗浄を実施した。当該ガラスを用い、端部からの距離を2mmとしたマスクを使用し、カルシウム(純度99.8%)を蒸着した(厚さ200nm)。実施例および比較例で作製した支持体付き樹脂シートの吸湿性層側のPETフィルムを剥離し、この吸湿性層をPETフィルム「ルミラー38 R80」(PET:35μm:東レ販売社製商品名)に貼合して、別の支持体付き樹脂シートを得た。得られた支持体付き樹脂シートの低透湿性層側のPETフィルムを剥離し、この低透湿性層をグローブボックス内で、熱ラミネーター(フジプラ社製、ラミパッカーDAiSY A4(LPD2325))を用いてカルシウムを蒸着した無アルカリガラスと貼り合わせ、評価用サンプルを得た。評価用サンプルを25℃、相対湿度40%の環境下に保管し、24時間後にカルシウムの状態を目視で観察した。
カルシウムが目視で確認できるものを○、カルシウムが水分を吸着して水酸化カルシウムとなって透明になり、目視で確認できないものを×として評価した。結果を表2に示す。
実施例および比較例で作製した支持体付き樹脂シートの吸湿性層側のPETフィルムを剥離し、この吸湿性層上にバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V-160)を用いて、支持体としてPETフィルム「ルミラー38 R80」(PET:35μm:東レ販売社製商品名)をラミネートし、別の支持体付き樹脂シートを得た。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。
得られた支持体付き樹脂シートについて、樹脂シート部分の水蒸気透過率を、JIS K7129Bに準じた赤外線センサ法により求めた。水蒸気透過率(g/m2・24時間)は、水蒸気透過率測定装置(モコン(MOCON)社製、PERMATRAN-W 3/34)を使用して、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下で測定した。
樹脂シートの水蒸気透過率を下記式
1/P=1/P1+1/P2
から算出した。
P:支持体付き樹脂シートの水蒸気透過率
P1:樹脂シートの水蒸気透過率
P2:35μmPETフィルム(支持体)の水蒸気透過率(15g/m2・24時間として計算)
膜厚が異なる実施例および比較例で作製した支持体付き樹脂シートの樹脂シート部分に関して、下記式にて膜厚を50μmに換算し、比較を行った。
P3=P1*X1/50
P3:樹脂シート単体の水蒸気透過率
X1:樹脂シート単体の膜厚
2 低透湿性層
Claims (15)
- 支持体と、支持体上に設けられた樹脂シートと、を備える支持体付き樹脂シートであって、樹脂シートは、吸湿性樹脂組成物により形成される少なくとも一つの吸湿性層と低透湿性樹脂組成物により形成される少なくとも一つの低透湿性層とを有し、少なくとも一つの低透湿性層が吸湿性層に対し支持体とは反対側に設けられており、吸湿性樹脂組成物は半焼成ハイドロタルサイトである吸湿性フィラーを含み、低透湿性樹脂組成物は板状ガラス、スメクタイトまたは合成フッ素金雲母である板状フィラーを含む、支持体付き樹脂シート。
- 吸湿性樹脂組成物における吸湿性フィラーの含有量が、吸湿性樹脂組成物の不揮発分を100質量%としたとき、10質量%以上80質量%以下である、請求項1に記載の支持体付き樹脂シート。
- 低透湿性樹脂組成物における板状フィラーの含有量が、低透湿性樹脂組成物の不揮発分を100質量%としたとき、10質量%以上80質量%以下である、請求項1または2に記載の支持体付き樹脂シート。
- 板状フィラーの平均アスペクト比が2以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 樹脂シートの厚さが5μm以上100μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 吸湿性層の厚さが低透湿性層の厚さ以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 低透湿性層の厚さに対する吸湿性層の厚さの比が1.0~20である、請求項1~6のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 少なくとも一つの低透湿性層が全ての吸湿性層に対し支持体とは反対側に設けられている、請求項1~7のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 樹脂シートの水蒸気透過率が10g/(m2・24時間)以下である請求項1~8のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 吸湿性樹脂組成物および低透湿性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 電子デバイスの封止用である、請求項1~12のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 有機ELデバイスの封止用である、請求項1~13のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シート。
- 請求項1~14のいずれか1項に記載の支持体付き樹脂シートで封止されている、電子デバイス。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019063025A JP7207079B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 支持体付き樹脂シート |
KR1020217035084A KR20210148236A (ko) | 2019-03-28 | 2020-03-27 | 지지체 부착 수지 시트 |
PCT/JP2020/013977 WO2020196825A1 (ja) | 2019-03-28 | 2020-03-27 | 支持体付き樹脂シート |
CN202080025043.9A CN113646170B (zh) | 2019-03-28 | 2020-03-27 | 带有支承体的树脂片材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019063025A JP7207079B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 支持体付き樹脂シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020157744A JP2020157744A (ja) | 2020-10-01 |
JP7207079B2 true JP7207079B2 (ja) | 2023-01-18 |
Family
ID=72609454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019063025A Active JP7207079B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 支持体付き樹脂シート |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7207079B2 (ja) |
KR (1) | KR20210148236A (ja) |
CN (1) | CN113646170B (ja) |
WO (1) | WO2020196825A1 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003062949A (ja) | 2001-08-27 | 2003-03-05 | Toppan Printing Co Ltd | 吸放湿性材料及びその製造方法 |
JP2006326838A (ja) | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Nihon Micro Coating Co Ltd | 吸湿シート |
JP2009226914A (ja) | 2007-08-24 | 2009-10-08 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法 |
JP2010221716A (ja) | 2010-05-28 | 2010-10-07 | Fujifilm Corp | 水蒸気バリアフィルム |
JP2012224342A (ja) | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Chuo Kagaku Co Ltd | 包装用容器 |
WO2015068787A1 (ja) | 2013-11-08 | 2015-05-14 | 味の素株式会社 | ハイドロタルサイトを含有する封止用樹脂組成物及び封止用シート |
JP2017035829A (ja) | 2015-08-10 | 2017-02-16 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 水分バリア性積層体 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6357230A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-03-11 | 大日本印刷株式会社 | Elパネル用外装材 |
CN101588924B (zh) * | 2007-01-24 | 2014-04-16 | 小松精练株式会社 | 透湿性防水片材及其制造方法 |
JP5970814B2 (ja) | 2009-08-05 | 2016-08-17 | 味の素株式会社 | フィルム |
CN203141961U (zh) * | 2012-11-29 | 2013-08-21 | 中国乐凯集团有限公司 | 一种多层结构的气体阻隔膜 |
JP6287288B2 (ja) * | 2013-02-07 | 2018-03-07 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 水分バリア性に優れたガスバリア性積層体 |
EP3067392B1 (en) * | 2013-11-08 | 2018-03-07 | Ajinomoto Co., Inc. | Sealing resin composition and sealing sheet |
WO2016158760A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 東レ株式会社 | 電子部品用樹脂シート、保護フィルム付電子部品用樹脂シートならびに半導体装置およびその製造方法 |
WO2017057708A1 (ja) | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 味の素株式会社 | 封止用樹脂組成物 |
-
2019
- 2019-03-28 JP JP2019063025A patent/JP7207079B2/ja active Active
-
2020
- 2020-03-27 WO PCT/JP2020/013977 patent/WO2020196825A1/ja active Application Filing
- 2020-03-27 CN CN202080025043.9A patent/CN113646170B/zh active Active
- 2020-03-27 KR KR1020217035084A patent/KR20210148236A/ko unknown
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003062949A (ja) | 2001-08-27 | 2003-03-05 | Toppan Printing Co Ltd | 吸放湿性材料及びその製造方法 |
JP2006326838A (ja) | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Nihon Micro Coating Co Ltd | 吸湿シート |
JP2009226914A (ja) | 2007-08-24 | 2009-10-08 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法 |
JP2010221716A (ja) | 2010-05-28 | 2010-10-07 | Fujifilm Corp | 水蒸気バリアフィルム |
JP2012224342A (ja) | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Chuo Kagaku Co Ltd | 包装用容器 |
WO2015068787A1 (ja) | 2013-11-08 | 2015-05-14 | 味の素株式会社 | ハイドロタルサイトを含有する封止用樹脂組成物及び封止用シート |
JP2017035829A (ja) | 2015-08-10 | 2017-02-16 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 水分バリア性積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN113646170B (zh) | 2023-05-30 |
JP2020157744A (ja) | 2020-10-01 |
WO2020196825A1 (ja) | 2020-10-01 |
KR20210148236A (ko) | 2021-12-07 |
CN113646170A (zh) | 2021-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6376180B2 (ja) | フィルム | |
JP7120017B2 (ja) | 封止用の樹脂組成物および封止用シート | |
WO2015068786A1 (ja) | 封止用樹脂組成物及び封止用シート | |
WO2015068787A1 (ja) | ハイドロタルサイトを含有する封止用樹脂組成物及び封止用シート | |
JP7283381B2 (ja) | 封止用シート | |
JP6801680B2 (ja) | 封止用の熱硬化性樹脂組成物および封止用シート | |
WO2010084938A1 (ja) | 樹脂組成物 | |
WO2021111855A1 (ja) | 封止剤、封止シート、電子デバイスおよびペロブスカイト型太陽電池 | |
JP6572887B2 (ja) | 封止体の製造方法 | |
JP7207079B2 (ja) | 支持体付き樹脂シート | |
JP6741001B2 (ja) | 封止用樹脂組成物および封止用シート | |
JP2016180036A (ja) | 封止用樹脂組成物及び封止用シート | |
JP7318462B2 (ja) | 封止用樹脂組成物 | |
JP7268596B2 (ja) | 封止体の製造方法 | |
JPWO2020105707A1 (ja) | 接着剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220809 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221004 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7207079 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |