JP2003062949A - 吸放湿性材料及びその製造方法 - Google Patents

吸放湿性材料及びその製造方法

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JP2003062949A
JP2003062949A JP2001255748A JP2001255748A JP2003062949A JP 2003062949 A JP2003062949 A JP 2003062949A JP 2001255748 A JP2001255748 A JP 2001255748A JP 2001255748 A JP2001255748 A JP 2001255748A JP 2003062949 A JP2003062949 A JP 2003062949A
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resin
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Toshiyuki Kojima
豪志 児島
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Mitsuru Nakakawara
満 中河原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた吸放湿性を有すると共に、高湿時にあっ
ても表面がべとついたり傷付き易くなったりすることが
なく、しかも表面状態の良好な製品を簡便に製造可能な
吸放湿性材料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】基材1上に、吸水性物質22を含有する吸
放湿性樹脂層2と、吸湿性物質32を含有する透湿性防
水樹脂被膜3と、水性樹脂層4とを順次具備してなる吸
放湿性材料である。水性樹脂層4に発泡剤42を添加し
て発泡層とすることにより、透湿性の向上により吸放湿
機能を向上させたり、表面にエンボスによる凹凸模様6
を設けて、立体的な意匠性を付与したりすることもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高湿時には環境空
気中の水分を吸収する一方、低湿時には吸収していた水
分を環境空気中に放散することにより、環境空気中の湿
度の変動を緩和する機能を有する吸放湿性材料に関する
ものであり、特に建築物の内装材などとして有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】現代の建築物は、鉄筋コンクリート構造
やプレハブ工法の普及、樹脂加工合板等の合成材料から
なる新建材や扉及び窓における金属サッシの発達等によ
って、かつての純日本建築と比較すれば著しく気密性の
高いものとなっている。係る建築物の高気密性は、冷暖
房効果の向上によるエネルギー資源の節約や、防音性の
向上による近隣騒音公害の防止などの観点からは、大変
に望ましいものであると言うことができる。しかしその
反面、室内における居住者の生活活動(人間の呼気、炊
事、風呂・シャワー等)が発生する湿気が、室外に逃げ
られずに室内に籠もり易く、行き場を失った湿気が壁面
や窓ガラス、窓枠サッシ等の表面に結露して、美観上及
び触感上望ましくないのみならず、建築材料の汚損や腐
蝕の原因となって、建築物の寿命を縮める要因ともなり
兼ねないという問題がある。
【0003】この問題の解決策としては、建築物に強制
換気装置又は空気調和装置等を設置して、室内の湿度を
常に一定範囲内に保つ方法なども、一部で研究されては
いるが、廊下や収納空間等も含めた建築物内部全体を対
象に強制換気又は空気調和させる為には、初期の設備投
資負担が著しく重くなることに加えて、夜間や外出時も
含めて設備を24時間稼働させると電気代の負担も重
く、設備の保守整備の手間や費用もかかることから、一
般家庭用としてはあまり現実的な方法であるとは考えら
れていない。
【0004】そこで、上記の様な特殊な設備によらずに
室内の湿度を調節する方法として、高湿時には環境空気
中の水分を吸収する一方、低湿時には吸収していた水分
を環境空気中に放散する機能を有する、吸放湿性材料を
室内に設置することで、室内の湿度変動を緩和する方法
が考案されている。この吸放湿性材料の設置の態様とし
ては種々考えられるが、吸放湿機能を迅速且つ十分に発
揮するためには、環境空気と接触する表面積が大きいほ
ど有利であると考えられることから、建築物の室内にお
いて大きな表面積を占める壁面や天井面等を、吸放湿性
材料を使用した壁紙等の内装材で仕上げる方法が、最も
有望視されている。
【0005】上記の吸放湿性材料を使用した壁紙として
具体的には、例えば難燃紙等の裏打紙の上にポリ塩化ビ
ニル樹脂等の発泡樹脂層を設けた通常の壁紙において、
発泡樹脂層に例えばシリカゲル又はゼオライト等の吸湿
性無機粉体や、アクリル系樹脂又はポリビニルアルコー
ル系樹脂等の高吸水性ポリマー等を配合することによっ
て、吸放湿性を具備させたものなどが考案されている。
しかるに、吸湿性無機粉体を使用したものは、吸湿量の
絶対量が少ないために、室内の湿度変動の緩和能力が必
ずしも十分ではなく、その点では吸水量の絶対量の多い
高吸水性ポリマーの方が有利であるが、その反面、高吸
水性ポリマーは吸水により膨潤軟化するために、高湿時
には壁紙の表面がべとつき易いほか、吸水した状態で表
面を押したり擦ったりすると、皺状に変形したり傷が付
いたりし易い等の問題点がある。
【0006】係る問題点を解決するために、高吸水性ポ
リマーを含有させた吸放湿性樹脂層の表面に、高吸水性
ポリマーを含有せず高湿時にも強度低下を起こしにくい
樹脂組成物からなる保護層を設けることも考えられる。
但し、吸放湿性樹脂層の表面を耐水性に優れた疎水性の
樹脂からなる保護層で覆ってしまうと、この保護層が環
境空気中と吸放湿性樹脂層との間での水分の移動を阻害
し、十分な吸放湿性が得られ難いので、保護層は透湿性
の高い水性樹脂により形成することが望ましいと考えら
れる。しかしながら、吸放湿性樹脂層の表面に、水性樹
脂の水溶液ないし水分散液からなる水性塗工液を塗工し
て保護層を設けようとすると、該水性塗工液の塗工中
に、該水性塗工液に含まれる水を、吸放湿性樹脂層中の
高吸水性ポリマーが吸収して膨潤してしまうため、良好
な塗工状態が得られないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に着目してなされたもの
で、その課題とするところは、優れた吸放湿性を有する
と共に、高湿時にあっても表面がべとついたり傷付き易
くなったりすることがなく、しかも表面状態の良好な製
品を簡便に製造可能な吸放湿性材料及びその製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の吸放湿性材料
は、基材上に、吸水性物質を含有する吸放湿性樹脂層
と、吸湿性物質を含有する透湿性防水樹脂被膜と、水性
樹脂層とを順次具備することを特徴とするものであり、
また特に、前記水性樹脂層が発泡層であることを特徴と
するものである。
【0009】本発明の吸放湿性材料の製造方法は、基材
上に吸水性物質を含有する吸放湿性樹脂層を形成し、該
吸放湿性樹脂層上に吸湿性物質を含有する透湿性防水樹
脂被膜を形成し、しかる後に、該吸湿性物質を含有する
透湿性防水樹脂被膜上に水性樹脂を含有する水性塗工液
を塗工して水性樹脂層を設けることを特徴とするもので
あり、また特に、前記水性樹脂を含有する水性塗工液に
は発泡剤が添加されており、前記吸湿性物質を含有する
透湿性防水樹脂被膜上に塗工された後に加熱発泡させる
ことにより、水性樹脂層を発泡層となすことを特徴とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の吸放湿性材料の実施の
形態を示す模式断面図である。
【0011】本発明の吸放湿性材料は、図1に示す様
に、支持体となる適宜の基材1の表面上に、高吸水性ポ
リマー等の吸水性物質22を含有する樹脂組成物からな
る吸放湿性樹脂層2と、該吸放湿性樹脂層2と環境空気
中との間での水分の移動を妨げない程度の透湿性を有す
ると共に、後述する水性樹脂層4の塗工時における前記
吸放湿性樹脂層2中への水分の浸透が防止できる程度の
防水性を有する、吸湿性物質を含有する透湿性防水樹脂
被膜3と、吸放湿性樹脂層2の吸放湿機能を妨げない高
い透湿性を有する水性樹脂組成物からなる保護層として
の水性樹脂層4とが、この順に設けられて構成されるも
のである。
【0012】本発明の吸放湿性材料における基材1の具
体的な材質や形状については一切限定されるものではな
く、例えば紙、織布又は不織布等の繊維質シートや、ポ
リオレフィン系樹脂シートやポリエステル系樹脂シート
等の合成樹脂シート、合成ゴムシート、アクリル樹脂板
やポリカーボネート樹脂板、ABS樹脂板、FRP等の
合成樹脂系基材、合板や集成材、繊維板、パーティクル
ボード等の木質系基材、鋼鈑や真鍮板、アルミニウム板
等の金属系基材、石膏板や珪酸カルシウム板、セメント
板、コンクリート板等の無機質系基材等、任意のものを
使用することができ、その表面には必要に応じて、例え
ば目止め処理、ベースコート処理、プライマー処理、コ
ロナ放電処理、オゾン処理、火炎処理、研磨処理等の適
宜の表面処理が施されていてもよい。
【0013】特に、本発明の吸放湿性材料を壁紙として
使用する場合には、従来より合成樹脂系壁紙の基材とし
て使用されていた任意のシート状の材料が使用可能であ
る。具体的には例えば、木質パルプ等のセルロース系繊
維からなる抄造紙にスルファニル酸グアナジン又はリン
酸グアナジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ紙系
難燃紙や、セルロース系繊維の抄紙時に炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム等の無
機質剤を混抄した無機混抄紙、ガラス繊維又はアルミナ
繊維等の無機繊維を抄造した無機繊維紙等の難燃紙乃至
不燃紙や、同じく難燃剤や無機質剤を添加し又は無機繊
維から製造した難燃性乃至不燃性の織布又は不織布等、
何れも使用可能である。
【0014】本発明の吸放湿性材料における吸放湿性樹
脂層2は、基質樹脂21中に吸水性物質22が分散され
て構成されるものである。基質樹脂21としては、被膜
形成性を有しつつ、吸水膨潤性が少なく、吸水性物質2
2の吸水時にも被膜の形態を維持可能な樹脂材料であれ
ば如何なる樹脂であっても良いが、吸水性物質22の環
境空気中との間での水分の吸収や放出を妨げることのな
い様に、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、SB
R系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リブテン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の様に、透
湿度の高い樹脂を使用することが好ましく、これらの内
いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上の樹
脂混合物を使用することもできる。
【0015】吸放湿性樹脂層2に添加される吸水性物質
22としては、水酸基やカルボキシル基等の親水性の官
能基を多く含む比較的疎な構造の物質であって、自身の
体積を超える多量の水分を内部に吸収貯蔵可能な物質で
あれば良く、具体的には公知の一般的な高吸水性ポリマ
ー等が用いられ、例えば、デンプン−アクリル酸グラフ
ト重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合
体、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、ポ
リビニルアルコール架橋重合体、ポリアクリル酸ナトリ
ウム架橋体、アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物等が用いられる。また、馬鈴薯デンプンやデキス
トリン類等の天然物を用いることも可能であり、これら
の吸水性物質は単独、もしくは2種以上混合して使用す
ることもできる。
【0016】吸放湿性樹脂層2における基質樹脂21と
吸水性物質22との配合比は、本発明において特に限定
されるものではないが、一般的には基質樹脂21を20
〜80重量%、吸水性物質22を80〜20重量%程度
とすることが望ましい。基質樹脂21の含有量が20重
量%未満であると、高湿時に吸水性物質22の吸水膨潤
による著しい変形や強度低下を十分に抑えることが困難
であり、一方、吸水性物質22の含有量が20重量%未
満であると、十分な吸放湿機能を得ることが困難であ
る。吸放湿性樹脂層2の厚さは、本発明において特に限
定されるものではないが、十分な吸放湿機能の発現と、
製造時の加工性や取扱時の可撓性等を考慮すると、一般
的には10〜100μm程度の範囲内とすることが望ま
しい。
【0017】吸放湿性樹脂層2には、吸水性物質22に
加えて、後述する透湿性防水樹脂被膜3に含有されてい
るものと同様の吸湿性物質を含有させることもできる。
この吸湿性物質は、環境中と吸水性物質22との間で水
分を受け渡し、吸水性物質22の吸放湿を促進すること
に加えて、吸放湿性樹脂層2の内部における水分の移動
を活発化させる作用をも有するので、特に吸放湿性樹脂
層2を厚く設けた場合には、吸放湿性樹脂層2の下層部
に存在する吸水性物質22にも、十分に吸放湿効果を発
現させることができる利点がある。
【0018】以上に説明した吸放湿性樹脂層2の上に設
けられる透湿性防水樹脂被膜3は、吸放湿性樹脂層2と
環境空気中との間での水分の移動を妨げない程度の透湿
性を有し、なお且つ後述する水性樹脂層4の塗工時にお
ける水性塗工液中に含まれる水分の前記吸放湿性樹脂層
2中への浸透が防止できる程度の防水性を有する、親水
性且つ耐水性の樹脂組成物を基質樹脂31とする被膜で
あれば良い。該基質樹脂31の組成は特に限定されるも
のではないが、具体的には例えば上記吸放湿性樹脂層2
の基質樹脂21の例として挙げたものと同様の、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、SBR系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、シリコー
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブテン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂等を使用することができ、これらの
うちの1種の単独であっても2種以上の混合物又は積層
被膜であってもよい。
【0019】上記透水性防水樹脂被膜3には、吸湿性物
質32が添加される。この吸湿性物質32とは、例えば
シリカゲル、ゼオライト、珪藻土、焼成タルク等の様
に、大きな比表面積を有する多孔質の親水性無機物質の
粒子からなる物質であって、これらの吸湿性物質は単
独、もしくは2種以上混合して使用することもできる。
この吸湿性物質32は、環境空気中の湿度が変化した際
の吸放湿速度を向上し、湿度調整機能を更に有効に発揮
させる作用を有する。
【0020】その理由は、高吸水性ポリマー等の吸水性
物質22は、その周囲に自発的に結露した水分を吸収す
るに留まるのに対し、吸湿性物質32は、高湿時には気
体状の水分子を積極的に凝結させる作用を有するので、
本発明の吸放湿性材料においては、高湿時には、環境空
気中から水性樹脂層4中に拡散してきた水分子を凝結さ
せて、それを吸放湿性樹脂層2中の吸水性物質22に受
け渡して吸収貯蔵させ、一方低湿時には逆に、吸放湿性
樹脂層2中の吸水性物質22が保有する水分を受け取っ
て、それを水性樹脂層4中を経て環境空気中に気化蒸散
させる機能を果たしているものと推察される。
【0021】透湿性防水樹脂被膜3の厚さは、薄過ぎる
と防水性が不十分となって水性樹脂層4の塗工時に吸放
湿性樹脂層2中の吸水性物質22の膨潤を十分に阻止す
ることができず、一方厚過ぎても透湿度が低下して吸放
湿性樹脂層2の吸放湿性能を減殺する原因となるので、
両者を勘案して適宜設定する必要がある。透湿性防水樹
脂被膜3を構成する樹脂組成物として例えば上掲の各種
の樹脂から選ばれるものを採用した場合には、透湿性防
水樹脂被膜3の厚さは一般に0.2〜20μm程度の範
囲内とすることが好ましい。
【0022】吸湿性物質32の添加量は、本発明におい
て特に制限されるものではないが、一般的には、基質樹
脂31を20〜80重量%、吸湿性物質32を80〜2
0重量%程度とすることが望ましい。基質樹脂31の含
有量が20重量%未満であると、高湿時に吸放湿性樹脂
層2の吸水膨潤による著しい変形に追従することが困難
であり、一方、吸湿性物質32の含有量が20重量%未
満であると、十分な吸放湿機能を得ることが困難であ
る。
【0023】透湿性防水樹脂被膜3上に設けられる水性
樹脂層4は、吸放湿性樹脂層2の表面を覆って高湿時や
湿潤時の表面のべとつきや表面強度の低下を防止するた
めの保護層として設けられるものであり、吸放湿性樹脂
層2の吸放湿機能を阻害しないように、水溶液又は水分
散液等の水性塗工液の形で塗工可能であり、なお且つ、
塗工乾燥後には親水性でありながら非水溶性、耐水性の
被膜を形成可能な水性樹脂41からなるものであればよ
く、同一若しくは相異なる材質からなる2層以上の積層
構造とすることも差し支えない。
【0024】水性樹脂層4の主成分である水性樹脂41
として具体的には、例えば水溶塩型アクリル系樹脂、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カゼイン、セルロース誘導体、デキストリ
ン類等の水溶性樹脂を例えばメラミン化合物、ブロック
イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ヒドラジン誘
導体、アジリジン、有機過酸化物等の架橋剤の添加若し
くは電離放射線照射等の手段により架橋させて非水溶化
したものや、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、SBR系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリブテン樹脂
等の非水溶性樹脂粒子を水中に分散してなる水性エマル
ジョン系樹脂などの少なくとも1種または2種以上の樹
脂混合物を使用することができる。
【0025】塗工液の安定性や塗工乾燥後の表面物性、
微多孔状態となることによる高透湿性などの面では、水
性エマルジョン系樹脂の採用が望ましい。水性エマルジ
ョン系樹脂を架橋剤の配合又は電離放射線照射等により
架橋させても良いことも勿論である。
【0026】水性樹脂層4は必要に応じて、機械発泡法
又は発泡剤42を配合する方法等の公知の適宜の手段に
より、多孔質の細胞状に発泡させても良く、そうするこ
とによって、水性樹脂層4の透湿性を更に向上し、吸放
湿性樹脂層2の吸放湿機能を更に存分に発揮させること
もできる。また、本発明の吸放湿性材料を住宅等の建築
物における壁紙等の内装材として使用する場合には、水
性樹脂層4を発泡させることでエンボスによる凹凸模様
6の形成を容易にし、意匠性にも優れた内装材を容易に
得ることができる利点もある。
【0027】上記発泡剤42としては、例えばアゾジカ
ルボンアミド(ADCA)等のアゾ系化合物、P、P'
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)(O
BSH)等のニトロソ化合物等の有機発泡剤又は炭酸水
素ナトリウム等の無機発泡剤等の熱分解化学発泡剤や、
例えばポリアクリロニトル系樹脂、フェノール系樹脂、
エポキシ系樹脂等の熱軟化性柔軟性殻体の内部にイソブ
タン等の低沸点液体を内包してなる膨張型マイクロカプ
セル発泡剤等を使用することができる。
【0028】上記発泡剤42の添加量は、本発明におい
て特に制限されるものではないが、一般的には水性樹脂
層4の主成分である水性樹脂41の固形分100重量部
に対して2〜20重量部を添加することが好ましく、更
に好ましくは4〜10部である。2重量部未満の場合に
は、発泡倍率が低く、吸放湿性向上の効果があまり期待
できない他、エンボスの凹凸模様6による意匠性の向上
も困難である。一方、20重量部より多い場合には、発
泡セルが著しく粗雑な状態となり、シートの表面強度が
弱くなってしまう恐れがある。
【0029】水性樹脂層4には、その他必要に応じて、
例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機質系充填剤や、酸化
チタン、酸化亜鉛等の着色顔料を始め、分散剤、消泡
剤、湿潤剤、難燃剤、防炎剤、抗菌剤、防黴剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、艶調整剤、帯電防
止剤、ブロッキング防止剤、増粘剤等の各種の添加剤か
ら選ばれる1種以上を適宜添加することもできる。ま
た、吸湿性物質の添加も差し支えない。
【0030】水性樹脂層4の厚さは、本発明において特
に制限されるものではないが、薄過ぎるとべとつき防止
や表面保護の効果に乏しく、逆に厚過ぎても透湿性が低
下して吸放湿性樹脂層2の吸放湿機能を減殺するので、
これらを勘案して適宜設計する必要がある。一般的に
は、非発泡の場合には5〜100μm程度、発泡されて
いる場合には20〜2000μm程度の範囲内とするこ
とが好ましい。
【0031】以上に説明した吸放湿性樹脂層2、透湿性
防水樹脂被膜3及び水性樹脂層4の形成方法は、本発明
において特に制限されるものではないが、吸放湿性樹脂
層2及び透湿性防水樹脂被膜3は疎水性の有機溶剤を分
散媒とする油性塗工液を用い、水性樹脂層4は水又は水
とアルコール類との混合物等を分散媒とする水性塗工液
を用いて、それぞれ塗工法により順次形成する方法によ
るのが一般的である。
【0032】塗工方法としては、例えばナイフコート
法、ノズルコート法、グラビアコート法、マイクログラ
ビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバー
スロースコート法、コンマコート法、リップコート法、
ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、
フローコート法等の従来公知の任意の塗工方法が採用可
能であり、各層の塗工後の乾燥方法としては、例えば熱
風または赤外線ヒーター等の熱源をそれぞれ単独もしく
はこれらの複数種を組合せて用いることもできる。
【0033】本発明の吸放湿性材料には必要に応じて、
水性樹脂層4の表面に絵柄印刷層5を設けて絵柄による
意匠性を付与することもできる。絵柄印刷層5の印刷方
法としては、例えばグラビア印刷法、ロータリースクリ
ーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、
転写印刷法等の通常の印刷法を用いることができる。ま
た、立体的な意匠性を付与するために、メカニカルエン
ボス法又はケミカルエンボス法等により凹凸模様6加工
を設けたり、表面強度を更に向上させるために、表面に
透湿性の樹脂組成物からなる表面保護層を設けたりする
ことも、任意に行うことができる。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本
発明を更に詳細に説明する。
【0035】<実施例1>坪量90g/m2の無機質紙
を基材としてその表面上に、まず下記組成の吸放湿性樹
脂組成物をコンマコート法により塗布して約90℃で乾
燥し、乾燥後の塗布量約20g/m2の吸放湿性樹脂層
を設けた。続いて該吸放湿性樹脂層上に、下記組成の透
湿性防水樹脂組成物をグラビアコート法により乾燥後の
塗布量約2g/m2に塗布、乾燥して透湿性防水樹脂被
膜を設けた。更に、該透湿性防水樹脂被膜上に、マイク
ロカプセル発泡剤を固形分比6重量部添加したエチレン
−酢酸ビニル共重合体系水性エマルジョン樹脂をコンマ
コート法により乾燥後の塗布量約140g/m2に塗布
して約90℃で乾燥させて水性樹脂層を形成した。そし
て、該水性樹脂層の表面にグラビア印刷法により抽象柄
の絵柄を印刷した後、炉内温度約150℃の発泡加熱炉
にて水性樹脂層を約5倍に発泡させてから、発泡した水
性樹脂層の表面に冷却エンボスロールを使用してエンボ
ス模様を形成して、本発明の吸放湿性材料である壁紙を
作製した。
【0036】 [吸放湿性樹脂組成物の配合表] 吸水性物質 ウレタン系高吸水性ポリマー 40重量部 基質樹脂 ポリウレタン 90重量部
【0037】 [透湿性防水樹脂組成物の配合表] 吸湿性物質 コロイド状合成シリカ 40重量部 基質樹脂 ポリウレタン 90重量部
【0038】得られた壁紙は、各層の塗工ムラ等の欠陥
もなく、外観上良好な意匠性を有するものであった。
【0039】<比較例1>上記実施例1において、透湿
性防水樹脂組成物に吸湿性物質を配合せずに、その他は
上記実施例1と全く同様の要領にて、吸放湿性材料であ
る壁紙を作製した。
【0040】<性能比較>上記実施例1及び比較例1の
壁紙について、市販の塩化ビニル系結露防止壁紙(裏打
紙上に高吸水性ポリマーが添加されたポリ塩化ビニル樹
脂発泡層が設けられたもの)及び結露防止加工の施され
ていない市販の通常の塩化ビニル系壁紙(裏打紙上に高
吸水性ポリマーが添加されていないポリ塩化ビニル樹脂
発泡層が設けられたもの)と共に、下記の試験方法にて
吸放湿性能を測定した結果、本発明の吸放湿性材料であ
る実施例1の壁紙は、図2に示される様に、非常に優れ
た吸放湿性能を有するものであることが確認された。
【0041】<吸放湿性能試験方法>試料を6cm×2
7cmの大きさに裁断し、アルミテープにより表面の小
口1cm四方及び裏面全面を覆い側面及び裏面からの透
湿防止処置を施す。以上の処置より試料の透湿可能表面
積を4cm×25cmの100m2とする。こうして作
製した試験片を、温度25℃、相対湿度50%の条件に
設定された恒温恒湿試験機内に4日間放置した後、試験
片の重量(a)を測定し、これを初期値とする。次に、
試験片を温度25℃、相対湿度90%の条件に設定され
た恒温恒湿試験機内で144時間放置した後、温度25
℃、相対湿度50%に設定された恒温高湿試験機内で1
44時間放置し、その間、適宜の時間間隔で試験片の重
量(b)を測定する。各々の時刻における試験片の吸湿
量は、次式(1)により算出する。 吸湿量[g/m2]=(試験片重量(b)[g]−試験片重量(a)[g]) /透湿可能表面積[m2] ・・・・・・(1)
【0042】<比較例2>上記実施例1において、透湿
性防水樹脂被膜の形成工程を省略し、その他は上記実施
例1と全く同一の条件で吸放湿性材料である壁紙を作製
しようとしたところ、吸放湿性樹脂層上に水性樹脂層用
の水性エマルジョン樹脂の水性塗工液を塗工した直後、
水性塗工液中の水分により吸放湿性樹脂層が厚み比で5
〜10倍程度膨潤してしまい、表面状態の良好な吸放湿
性材料を得ることができなかった。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の吸放
湿性材料は、吸水性物質を含有した吸放湿性樹脂層上
に、吸湿性物質を含有する透湿性防水樹脂被膜を介して
水性樹脂層を設けた構成としたことにより、水性樹脂層
を形成するための水性塗工液の塗工時に、該水性塗工液
に含有される水分によって吸放湿性樹脂層中の吸水性物
質が吸水膨潤する現象の発生を効果的に防止し、表面状
態の良好な吸放湿性材料を安定的に得ることができる。
【0044】しかも、この吸放湿性材料は、吸放湿性樹
脂層に吸水性物質が含有されることから、吸放湿可能な
水分の絶対量が大きいことに加えて、透水性防水樹脂被
膜に含有される吸湿性物質が、該吸水性物質と水性樹脂
層中、延いては環境空気中との間で、水分の受け渡しの
機能を果たすことにより、環境空気中の湿度変化時の吸
放湿速度も高い、優れた吸放湿性能を有している。
【0045】従って、高湿時には環境空気中の水分を吸
収し、一方低湿時には吸収していた水分を放出すること
により、優れた湿度調整機能を果たし、しかも、表面層
には吸水性物質を含有していないので、高湿時に表面が
べとついたり表面強度が低下したりすることがなく、例
えば従来の一般的な壁紙と全く同等の表面物性や意匠性
を有する吸放湿性材料を容易に得ることができるという
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸放湿性材料の実施の形態を示す模式
断面図である。
【図2】本発明の吸放湿性材料の実施例の吸放湿性能試
験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1……基材 2……吸放湿性樹脂層 21…基質樹脂 22…吸水性物質 3……透湿性防水樹脂皮膜 31…基質樹脂 32…吸湿性物質 4……水性樹脂層 41…水性樹脂 42…発泡剤 5……絵柄印刷層 6……凹凸模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/64 E04B 1/64 D E04F 13/00 E04F 13/00 B 13/08 13/08 A Fターム(参考) 2E001 DB03 HD01 HD11 JA06 JD15 2E110 AA12 AA16 BA04 BA12 GA13X GA32X GA33X GA42X GA42Z GB02X GB06X GB07X GB16X GB17X GB23X GB43X GB44X GB48X GB52X GB55X GB62X GB63X GB63Z 4D052 AA00 CE00 HA01 HA27 HB05 4F100 AK01B AK01C AK01D AK68 AR00B AR00C AT00A BA04 BA07 CA00B CA00C CA01 CA01D DG10 DJ01D EH462 EJ023 EJ422 GB08 JB09D JD04 JD04C JD05 JD05C JD15B JD15C JD15H JD16 JD16B 4G066 AA22B AC24B AE06B CA43 DA03 FA14 FA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、吸水性物質を含有する吸放湿性
    樹脂層と、吸湿性物質を含有する透湿性防水樹脂被膜
    と、水性樹脂層とを順次具備することを特徴とする吸放
    湿性材料。
  2. 【請求項2】前記水性樹脂層が発泡層であることを特徴
    とする請求項1に記載の吸放湿性材料。
  3. 【請求項3】基材上に吸水性物質を含有する吸放湿性樹
    脂層を形成し、該吸放湿性樹脂層上に吸湿性物質を含有
    する透湿性防水樹脂被膜を形成し、しかる後に、該吸湿
    性物質を含有する透湿性防水樹脂被膜上に水性樹脂を含
    む水性塗工液を塗工して水性樹脂層を設けることを特徴
    とする吸放湿性材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記水性樹脂を含む水性塗工液には発泡剤
    が添加されており、前記透湿性防水樹脂被膜上に塗工さ
    れた後に加熱発泡させることにより、水性樹脂層を発泡
    層となすことを特徴とする請求項3に記載の吸放湿性材
    料の製造方法。
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