JP2006028495A - 微多孔ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いてなる透湿防水布。 - Google Patents

微多孔ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いてなる透湿防水布。 Download PDF

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正寿 大倉
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Abstract

【課題】
透湿性及び透気性に優れ、耐水圧性に優れ、外圧による破れや、アイロンや乾燥機による熱に対して耐用性に優れ、二次加工性に優れた微多孔ポリプロピレンフィルムおよび透湿防水布を提供する。
【解決手段】
融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂からなり、実質的に無核のボイドを有し、空隙率が30〜90%で、フィルムの長手方向と幅方向の5%伸長時の強度(以下F5値と略称する)の和が20〜200MPaの範囲であり、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲であることを特徴とする微多孔ポリプロピレンフィルム及び微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛との積層体であって、耐水圧が50KPa以上で、140℃での熱収縮率が長手方向が5%以下、幅方向が5%以下であることを特徴とする透湿防水布。
【選択図】なし

Description

本発明は、微多孔ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いてなる透湿防水布に関するものである。更に詳しく述べれば、本発明は、透湿防水性を有する衣料品、サニタリー用品または防水シート基材に関するものである。
従来、布帛への防水加工としては撥水性の樹脂をコーティングまたは張り合わせて使用されていた。これらの素材は耐水性に優れていると共に、加工性にも優れることから多用されている。しかしながら、これらの素材は透湿性または透気性に劣り、高温多湿の条件では内部に湿気が籠もり、衣料用やサニタリー用品では蒸れが起こり不快感を生じ、また防水シート用では内部にカビなどが発生するという問題があった。これらの問題解決策として、繊維材料布帛に多孔質樹脂被膜がラミネートされたラミネート加工布がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、多孔質樹脂被膜が、ポリウレタン系樹脂に吸着剤としてシリカやゼオライトなどを10重量%以上添加した塗剤を塗工して乾燥したものであるため、被膜の強度が低くラミネート加工時または衣服着用および洗濯時に破れやすいという問題があった。また、布帛の少なくとも片面に、ポリウレタン樹脂を主体とする微多孔質膜からなる第一層と、水膨潤性の親水性無孔質膜の第二層と、非親水性無孔質膜の第三層を積層した透湿防水加工布がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2は、透湿度および耐水性に優れているが、透気性に劣るために内部に蒸れを生じ、衣服やサニタリー用品着用時に不快感を生じるという問題があった。また、多孔性フィルムからなる雨具がある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3ではフィブリル構造を有する多孔性フィルムを雨具として用いているが、実施例からみて炭酸カルシウム等の無機粒子を多量に添加混合したシートを延伸して多孔質化されており、機械的強度が低くて破れやすく耐水圧性に劣り、また、添加された無機粒子により水に濡れたフィルム表面が弱アルカリ性を示し、肌を刺激するという問題があった。また、サニタリー用品、防水衣料、防水カバー用途に適用できる微多孔フィルムがある(例えば、特許文献4参照)。特許文献4のフィルムでは、特に生理用品として用いた時に肌の刺激性を防止するために、中性処理された無機粒子が添加されているが、特許文献3と同様に炭酸カルシウム等の無機粒子を多量に添加混合したシートを延伸して多孔質化されており、機械的強度が低くて破れやすく、耐水圧性に劣り、熱収縮率が大きいので加工性に劣るという問題があった。また、β型結晶含有率が高いポリプロピレンを二軸延伸してなる超透過性ポリプロピレンのミクロポーラスフィルムがある(例えば、特許文献5参照)。特許文献5では、二軸延伸面積比が1.5〜20と低く、空隙率が低く、透気・透湿性が低いものであった。
特開2001−38839号公報(請求項1〜5) 特開2000−226778号公報(請求項1〜9) 特開2003−328219号公報(請求項1、2、実施例1、2) 特開2000−344920号公報(請求項1、第1項47行〜第2項9行) 特許2509030号公報(請求項1〜8)
本発明は、透湿性及び透気性に優れるとともに、機械強度が高くて耐水圧性に優れ、更に、熱収縮率が低くて加工性に優れ、衣料品、生理用品または防水シート基材に好適な微多孔ポリプロピレンフィルムおよび透湿防水布を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点を解決する為に、主として、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂からなり、実質的に無核のボイドを有し、空隙率が30〜90%で、フィルムの長手方向と幅方向の5%伸長時の強度(以下F5値と略称する)の和が20〜200MPaの範囲であり、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲であることを特徴とする微多孔ポリプロピレンフィルムおよび微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛との積層体であって、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲で、耐水圧が50KPa以上で、140℃での熱収縮率が長手方向が5%以下、幅方向が5%以下であることを特徴とする透湿防水布とするものである。
本発明によれば、以下に説明するとおり、衣料やサニタリー用品または防水シート基材として優れた特性を有する透湿防水布を提供することができる。
(1)透湿性及び透気性に優れることから、衣服や生理用品及びおしめなどに用いた時に、皮膚の蒸れ、被れ、ふやけ等の不快感にさらされることがない。
(2)耐水圧性に優れ、熱寸法安定性に優れることから外圧による破れや、アイロンや乾燥機による熱に対して耐用性に優れる。
(3)布帛とラミネートされる微多孔ポリプロピレンフィルムが、実質的に無核のボイドを有し、融解温度が高いことから、布帛とフィルムのラミネート工程においてフィルム中のボイド形成剤が脱落することがなく、F5値が高く、熱寸法安定性に優れており工程通過性に優れる。
(4)微多孔ポリプロピレンフィルムが、実質的に無機または有機の粒子を含有しないことから、無機または有機粒子によるフィルム表面のアルカリ性または酸性によって肌を刺激する心配がない。
以下、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムを得る最良の形態、ならびに透湿防水布を衣料用およびサニタリー用品に適用した場合を例にとって説明する。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは、実質的に無核のボイドを有していることが必要である。従来のように、ポリプロピレン樹脂にボイド形成剤として、非相溶性樹脂や無機又は有機の粒子を多量に添加して透気性を付与した微多孔フィルムは、延伸した際にボイド形成剤の分散性不良または凝集によって巨大な孔が形成されて、耐水性が悪化する場合があり、また、ボイド核が製膜工程及び二次加工工程において脱落し、フィルム破れや工程を汚す場合があるので好ましくない。
ここで、実質的に無核のボイドを有するとは、フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて800〜1500倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、1000μm当たりの全ボイド数(境界線を有する単独気泡)と、核を有するボイド数を数え、核を有するボイド数を全ボイド数で割った値が5%以下を、実質的に無核のボイドを有するとした。なお、フィルム断面のボイド観察に当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計10箇所の断面写真計10枚を使用した。
また、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの空隙率は30〜90%の範囲であることが必要であり、好ましくは、40〜80%の範囲である。空隙率が30%未満では透気性及び透湿性に劣り、フィルムのF5値が200MPaを越えて柔軟性に劣り、ゴワゴワ感が出るので好ましくない。空隙率が90%を越えるとラミネート工程にてフィルムが破れ(切断)やすく、工程通過性に問題が起こる場合があり、また、衣服やサニタリー用として用いた時に、引っ張りや擦れで破れやすくなるので好ましくない。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは、融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂からなることが必要である。ポリプロピレン樹脂の融解温度が140℃未満では、布帛とフィルムのラミネート時に収縮が起こり、フィルムを内側にして布がカールして製品としての価値が下がるばかりでなく、140℃での熱収縮率がMD方向及びTD方向で5%を越えて、衣類として用いたときに洗濯乾燥機内やアイロン時に収縮が起こる場合があるので好ましくない。また、樹脂の融解温度が172℃を越えると、微多孔ポリプロピレンフィルムを製膜時にフィルム破れが多発して製膜性が悪化し、また、フィルムのMD方向とTD方向のF5値の和が200MPaを越え、柔軟性が悪化しするので好ましくない。
該融解温度が140〜172℃のポリプロピレン樹脂としては、ホモのポリプロピレンもしくは、プロピレンにプロピレン以外の第2成分、例えばエチレン又はα−オレフィンとして、ブテン、ヘキセン、オクテンなどを1〜15重量%ランダムまたはブロックに共重合させたものである。また、上記ポリプロピレン樹脂に、下記のエラストマー成分を添加することもできる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(V−LDPE)、エチレン−α−オレフィンコポリマーとして、エチレン−ブテンラバー(EBR)、エチレン−プロピレンラバー(EPR)、プロピレン−ブテンラバー(PBR)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン−エタクリレート(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、スチレン系共重合体として、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、水添スチレブタジエンラバー(H−SBR)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等を1〜15重量%添加混合することが、フィルムに柔軟性を付与し、透気性及び透湿性が向上するので好ましい。共重合量及び添加量が1重量%未満では添加効果が見られず、15重量%を超えると分散不良が起り、ゲル状の突起が形成されたり、耐熱性が低下して熱収縮率が大きくなる場合があるので好ましくない。その中でも特にメタロセン触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)または超低密度ポリエチレン(V−LDPE)が好ましく、その添加量は、1〜10重量%の範囲が好ましい。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは、MD方向とTD方向のF5値の和が20〜200MPaの範囲であることが必要である。より好ましくは40〜150MPaの範囲であることが、機械的強度と柔軟性を両立できて好ましい。MDとTDのF5値の和が20MPa未満では、フィルムが柔らかすぎて、製膜工程で巻取る時の張力でフィルムが伸びしわが入り、工程通過性に問題が起こる場合があり、また、耐水圧性に劣る場合がある。F5値が200MPaを越えると、ゴワゴワ感が出て、衣料用として用いた時に装着性に劣るので好ましくない。
また、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲であることが必要である。このようなガーレ透気度と透湿度を有する微多孔ポリプロピレンフィルムを用いることにより、本発明の透湿防水布の優れた特性を得ることができる。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの140℃・5分加熱時の熱収縮率が、MD方向、TD方向共に20%以下であることが好ましい。熱収縮率が20%を越えると、布とのラミネートの際にしわが入りやすく、また、布とのラミネート体がカールするので好ましくない。
該微多孔ポリプロピレンフィルムは、少なくとも一軸に延伸されていることが好ましく、より好ましくは二軸延伸されていることが透気性及び透湿性と機械強度を両立したフィルムが得られるので好ましい。二軸延伸法としては、逐次二軸、同時二軸延伸、チューブラー延伸法があるが、経済性と均一な厚みのフィルムを得る点で逐次二軸延伸法が好ましい。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの厚みは、10〜100μmの範囲、特に20〜70μmの範囲が機械的強度と柔軟性を両立できて好ましい。フィルム厚みが10μm未満では、機械的強度が低下して、ラミネート時の張力でフィルムが伸び、またフィルムが破れやすくなるので工程通過性に劣り好ましくない。フィルム厚みが100μmを越えると、ゴワゴワ感が出て好ましくない。
上記の該微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を得るには、融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂のβ晶比率を40%以上とすることが好ましい。ポリプロピレン樹脂のβ晶比率が40%未満であるとボイド形成が不十分でフィルムの空隙率が低く、またガーレ透気度が高く、すなわち透気性が低くなるので好ましくない。β晶比率の上限は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されるものではないが、ボイド形成向上による透湿性及び透気性の向上と、F5値の両立から90%以下とすることが好ましい。
ここで、該ポリプロピレン樹脂のβ晶比率を確認する方法を図3、図4を用いて説明すると、図3は、走査型差動熱量計(DSC)を用いて、後述する評価方法(8)によるβ晶比率求める際のポリプロピレンの融解に伴う吸熱ピークを求めたときのピークをモデル的に示した図であり、図4は、図3の中で、145℃〜157℃間にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解に伴う吸熱ピーク融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を示した図である。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムを走査型差動熱量計(DSC)を用いて、JIS K−7122に準拠して窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温させて完全に融解後、250℃で5分間保持した後に10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、ついで、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、モデル図3,図4に示したように、145℃〜157℃間にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解に伴う吸熱ピーク(1個以上のピーク)の融解熱量(図4の2:ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量(図4の3ΔHu−2)から、次式を用いて求めたものである。この時、ΔHu−1とΔHu−2の間に微少な吸発熱ピークがでる場合は、この微少な吸発熱ピークは削除する。
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂のβ晶比率を40%以上にするには、下記ポリプロピレン樹脂にβ晶核剤を添加するのが好ましく、添加量はβ晶核剤の効果によるが、0.01重量%〜2重量%の範囲が好ましい。添加量が0.01重量%未満ではβ晶比率を40%以上とするのが難しく、2重量%以上からは効果が平衡となり、経済性から2重量%以下が好ましい。
β晶核剤としては、例えば、2塩基酸脂肪族系、周期律表第2族アルカリ土類金属の酸化物、アニリン系誘導体、アミド系化合物などのが挙げられ、これらの少なくとも1種以上の混合物である。具体的には、安息香酸ナトリウム、1.2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、コハク酸マグネシウムなどのカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩、二もしくは三塩基カルボン酸のジまたはトリエステル類、ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の 芳香族スルホン酸化合物、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系の顔料等の他、脂肪族、脂環式芳香族のアミン酸系ジアミドおよび有機二塩基酸成分と周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分からなるもの等が挙げられる。このような、β晶核剤添加PPとして、β晶比率の高いSUNOCO社製“Bepol”がある。また、下記式で示される一般式のアミド系化合物1、2が、β晶生成効果が高く好ましく使用できる。
化合物−1
−NHCO−R−CONH−R (1)
[ここで、式中のRは、炭素数1〜28の飽和あるいは不飽和の脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸残基、又はアミノ酸残基を表し、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R、Rは同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、シクロアルケニル基またはこれらの誘導体である]。
化合物−2
−CONH−R−NHCO−R
[ここで、式中のRは、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R、Rは同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
上記一般式(1)のアミド系化合物の具体例としては、アジピン酸ジアニリド、スペリン酸ジアニリド、N,N’−ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−−4,4’−ビフェニルジカルボキシアミド、N,N’−ビス(p−エチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N’−ビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヘキサンジアミド、p−(N−シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、δ−(N−ベンゾイルアミノ)−N−吉草酸アニリド等が挙げられ、特に、結晶性ポリプロピレンへのβ晶生成効果と分散性からN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミドが好ましい。
該ポリプロピレン樹脂(以下、β晶PPと略称することもある)のアイソタクチックインデックス(II)は90%以上、好ましくは95%以上であることが、製膜安定性、フィルムの機械強度が高くなるので好ましい。メルトフローレート(MFR)は1〜20g/10分(230℃、2.16kg)の範囲であることが、押出成形性及び透気・透湿性の点で好ましい。
該ポリプロピレン樹脂には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑り剤、ブロッキング防止剤、充填剤、耐候剤などを製造工程やフィルム特性を低下させない程度に含有させてもよい。中でも、易滑性を付与して工程通過性向上させる点ために、少量の有機系滑剤、無機粒子および有機粒子の少なくとも1種以上を含有することが好ましい。ただし、この時の添加量は5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下である。添加量が5重量%を越えると、製膜工程及びラミネート工程で有機系滑剤や粒子の脱落が起こり工程を汚す場合があり、さらに、衣類やサニタリー用途では、無機または有機粒子によるフィルム表面のアルカリ性または酸性によって肌を刺激する場合があるので好ましくない。
有機系滑剤としては、例えばステアリン酸アミド、エルシン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリルエルカアミド等のアミド系化合物など、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
無機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を用いることができる。
有機粒子とは、高分子化合物を架橋剤を用いて架橋した粒子である。例えば、ポリメトキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フッソ系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
無機粒子および架橋有機粒子は球状で、その平均粒径は0.5〜4μmの範囲であることが粒子の凝集が少なく、易滑性効果が高いので好ましい。平均粒径が0.5μm未満では易滑効果が低く、4μmを越えると粒子の脱落やフィルム同士を擦った時にフィルム表面に傷がつきやすくなるので好ましくない。
また、さらに上記β晶比率を40%以上とした融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂に、高溶融張力のポリプロピレン樹脂を添加混合することが二軸延伸性が向上し、容易に透気度、透湿度及びF5値を本発明の範囲にコントロールすることができ好ましい。
HMS−PPを得る方法としては、例えば、高分子量成分を多く含むポリプロピレン樹脂をブレンドする方法、分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているように、ポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されているように、長鎖分岐を導入せずに溶融張力と固有粘度、結晶化温度と融点とがそれぞれ特定の関係を満たし、かつ沸騰キシレン抽出残率が特定の範囲にある直鎖状の結晶性ポリプロピレンとする方法などが好ましく用いられる。
これらHMS−PPのうち、主鎖骨格中に長鎖分岐を有するポリプロピレンを用いることが特に好ましい。なお、主鎖骨格中に長鎖分岐を有するポリプロピレンとは、ポリプロピレン主鎖骨格から主鎖同等の長さを有する枝分かれしたポリプロピレン鎖を有するポリプロピレン樹脂である。
高溶融張力のポリプロピレン樹脂としては、例えば、サンアロマー社製の“HMS−PP”(タイプ名:PF−814、PF−633、PF−611、SD−632など)、Borealis社製の“Daploy”(タイプ名:WB130HMSなど)、Dow社製“Inspire”タイプ名:D114、D201、D206など)等を挙げることができる。高溶融張力のポリプロピレン樹脂のMFRとしては、1〜20g/10minの範囲のものが効果が高く好ましい。
上記したHMS−PPの添加量は、用いるHMS−PPの種類にもよるが、1〜30重量%であることが好ましく、少量添加でも効果がみられるのが特徴である。添加量が上記範囲未満であると製膜性の向上がみられず、上記範囲を超えると製膜性が悪化し、特に縦高倍率延伸時の縦延伸性が悪化する場合があったり、溶融押出時の溶融ポリマーの安定押出性やフィルムの平滑性などが悪化する場合があり、HMS−PPの添加量は、より好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは2〜12重量%である。
次に、本発明の透湿防水布は該微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛の積層体であり、そのガーレ透気度は、10〜2000sec/100ccの範囲であることが必要である。ガーレ透気度は規定された面積当たりに空気100ccが透過する時間を示すもので、時間が短い程透気性に優れるが、ガーレ透気度が10sec/100cc未満では透気性が高すぎて、衣服用途に用いた時に内部の熱を放熱し過ぎて保温性に劣る場合があり、2000sec/100cccを越えると衣服内部に熱が籠もり、不快感を生じるのことがあるので好ましくない。
また、本発明の透湿防水布の透湿度は5000〜100000g/(m・d)の範囲であることが必要がある。透湿度が5000g/m・d未満では透湿性に劣り、衣服やサニタリー用品及び防水シートに用いた時に、皮膚の蒸れ、被れ、ふやけ等の不快感にさらされることがある。100000g/(m・d)を越えると水が染み込み防水性に劣るので好ましくない。
本発明の透湿防水布の耐水圧は50KPa以上であることが必要である。耐水圧の上限は、布帛の種類と厚み及びフィルムの厚みと強度によるが、実用的には1000KPa以下である。耐水圧が50KPa未満では、衣服用として用いたときに、強い雨風の時や肘、膝部をついた時や座り込んだ時に水が染みこむ場合があり、また、サニタリー用では、内部から外部へ体液が染み出る場合があるので好ましくない。
また、本発明の透湿防水布の140℃での熱収縮率は、長手方向が5%以下、幅方向が5%以下であること必要である。140℃での熱収縮率が長手方向で5%を越え、また、幅方向で5%を越えると、布帛とフィルムのラミネート時に収縮が起こり製品としての価値が下がるばかりでなく、衣類として用いたときに、洗濯乾燥機内やアイロン時に収縮が起こる場合があるので好ましくない。
本発明の透湿防水布に用いられる布帛は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリプロピレン繊維、やナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維の如き合成繊維、アセテート繊維の如き半合成繊維、綿や麻や羊毛の如き天然繊維を単独で、または2種以上を混合して使用できる。透湿防水加工布に用いる織物には撥水加工を施して用いることが通常であるため、耐久性の高い撥水加工が施し易いポリエステル繊維やナイロン繊維の如き合成繊維の長繊維の平織物、綾織物、サテン等特殊織物、または編物、不織布等が好ましく用いられる。繊維の断面形状は、特に限定されず、丸、三角、中空等のものを広く用いることができる。また、制電性等を付与する添加物や酸化チタン等の艶消し剤を糸に含んでも何ら差し支えない。
また、透湿性を向上させる観点から表地となる織物に用いる繊維は、吸湿性が低い方が好ましい。透湿性は、透湿防水布をはさむ高湿度側の水蒸気圧と低湿度側の水蒸気圧の差がドライブフォースになって水蒸気が移動する。よって、水蒸気圧差が大きいほど透湿量が多くなる。衣服等に用いられる場合、通常は、透湿防水性微多孔ポリプロピレンフィルムが衣服内で高湿度側であり、織物面が表地となり低湿度側である。吸湿率の高い繊維が用いられた織物の場合、透湿防水性微多孔ポリプロピレンフィルムから織物面に水蒸気が移動する際、織物が水分を保有するため局部的に低湿度側の水蒸気圧が高くなり、結果的に水蒸気圧差が小さくなり、透湿量が少なくなる。すなわち、表地用の織物の吸湿率が低いほど透湿性が高くなることことから、表地の織物の吸湿率は1%以下とすることが好ましく、0.5%以下がより好ましい。このため、織物に用いる繊維はポリエステル繊維やポリプロピレン繊維の長繊維が好ましいが、染色性を考慮するとポリエステル繊維が特に好ましい。
また、織物に用いる糸条には、仮撚加工、流体乱流加工、空気交絡加工等どのような加工が施されていても何ら問題ないが、織物の厚さを薄くする観点から糸加工の施されていない糸の方が好ましい。
本発明の透湿防水布は、微多孔ポリプロピレンフィルムと布が積層されるため、加工後では織糸が固定され目よれの問題はなくなるが、微多孔ポリプロピレンフィルムの積層加工に至るまでの染色加工などにおいて目よれが発生する可能性がある。この目よれを防ぐためには、捲縮を有する仮撚加工糸が好ましい。
本発明の透湿防水布の布帛の厚さは、0.1〜0.5mmの範囲であることが好ましい。この厚さは、JIS L 1096に記載の荷重23.5kpa(240g/m)での厚さをいう。透湿防水布の透湿度は薄いほど透湿性が高くなり、薄いほど水蒸気が移動する距離が短くなり透湿度が高くなり、厚いほど耐水圧が高いものとなるが、布帛厚みが0.1mmよりも薄いと引っ張りや擦れ時に破れやすく、0.5mmを越えるとゴワゴワ感が出るので、好ましい厚さは0.2〜0.3mmの範囲である。
織物の厚さを薄くするには、使用する糸の繊度を細くすればよいので総繊度77dtex(70デニール:長さ450m当たりの重量が50mg×70の糸)以下が好ましく、55dtex以下がより好ましい。しかし細すぎると引裂強力が低下するため11dtex以上であることが好ましい。用途により細繊度糸が必要な場合は、何本かに一本は太繊度糸あるいは細繊度糸を複数本引き揃えて打ち込む織り組織を用いることにより、薄くても引裂強力の高い織物が得られる。織り組織は、平織り、ツイル、サテン、変化組織等特に限定はないが、厚さを薄くする観点から平織りが好ましい。
厚さが薄い基布を使用した本発明の透湿防水加工布帛は、製品の重量を軽くする効果も得られ、縫製品にした場合の衣服重量を軽くでき、重量面での着用快適性も優れたものとなる。また、所望によりフッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤等を用い常法で撥水処理を行い、140〜190℃でしわ取りおよび幅等の規格調整のため乾熱セットして仕上げることもできる。この撥水処理は必要に応じ、該微多孔ポリプロピレンフィルムラミネート後に実施しても、またラミネート前後に2回実施してもよい。
該微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛を積層する方法として、単に微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛を重ね合わせて用いる方法、接着剤法、熱融着法、ホットメルトコーティング法、レーザー法、超音波による接着ラミネート法等があるが、広幅での加工性及び寸法安定性の点で接着剤法またはホットメルトコーティング法が好ましい。この時、点接着または線接着とすることが、透気・透湿性の低下が小さく好ましい。
接着剤樹脂としては、アクリル系樹脂として、例えばエチレン−アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体などを挙げることができる。ポリエステル系樹脂としては、芳香族ポリエステルが好ましく、ポリウレタン系樹脂としては、アイオノマー型のポリエーテル系ウレタン、ポリエステル系ウレタンが好ましい。中でも特に、架橋性ポリエステルウレタン系樹脂が布帛とポリプロピレンフィルムの接着強度が高く好ましい。
ポリエステルウレタン系樹脂とは、ジカルボン酸とジオール成分をエステル化したポリエステルポリオールとポリイソシアネート、また必要によって鎖伸張剤などからなるものである。
ポリエステルウレタン系樹脂のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などを用いることができる。
また、ポリエステルウレタン系樹脂のジオール成分としてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコールなどが挙げられる。
また、ポリエステルウレタン系樹脂は、ジカルボン酸成分、ジオール成分の他にp−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸やアクリル酸(およびその誘導体)等が共重合されていても良く、さらに、これらは線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルとすることもできる。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物などを挙げることができる。
また、鎖伸張剤としては、ペンダントカルボキシル基含有ジオール類や例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類、あるいはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタンなどのジアミン類などが挙げられる。
ポリエステルウレタン系樹脂の具体例としては大日本インキ化学工業(株)製“ハイドラン”(タイプ名:AP−40Fなど)などが挙げられる。
架橋性成分として、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物から選ばれる少なくとも一種の架橋剤を添加することが挙げられる。
架橋剤として用いるイソシアネート系化合物としては、例えば前記した、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示されるが、これに限定されるものではない。
また、架橋剤として用いるエポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエーテル、イソフタル酸ジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテルなどが例示されるが、これに限定されない。
架橋剤として用いるアミン系化合物としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン等のアミン化合物および、上記アミノ化合物にホルムアルデヒドや炭素数が1〜6のアルコールを付加縮合させたアミノ樹脂、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミンなどが例示されるが、これらに限定されない。
イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物から選択される架橋剤の添加量は、該ポリエステルウレタン系樹脂と有機溶剤の混合塗剤100重量部に対し1〜15重量部が耐薬品性向上および耐水性悪化防止の点から好ましく、さらに好ましくは3〜10重量部である。架橋剤の添加量が上記範囲未満であると、接着性の改善効果が得られない場合があり、また上記範囲を超えると、未反応で残存する架橋剤によると推定される、布帛とポリプロピレンフィルム間の接着性低下がみられる場合がある。
また、生産性向上から上記組成が完全に架橋して硬化するために、少量の架橋促進剤を添加してもよい。
添加する架橋促進剤としては、架橋促進効果が大きいので、水溶性の酸性化合物が好ましい。架橋促進剤としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、スルホン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などを用いることができる。
また、ホットメルト接着剤として、ポリオール−ウレタン系の反応性ホットメルト接着剤がある。この接着剤は乾燥、キュア時間が数秒〜数十数と速いので生産性上好ましい。
コーティング手法としては、ナイフオーバーロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアードクターコーター、ホットメルトコーターあるいはこれら以外の公知の塗布装置を用いて塗布する方法が挙げられるが、本用途では塗布厚みが厚く、固形分濃度が高い塗剤を塗布することからナイフオーバーロールコーター法または、生産性上ホットメルトコーター法が好ましい。
次に、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムおよび透湿防水布の製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムとして、β晶比率が30%以上のポリプロピレン樹脂を、200〜300℃に加熱された押出機に供給して溶融して、Tダイ口金にて押出成形し溶融シートを得る。この溶融シートを、表面温度100〜130℃に保たれたドラム上に押出して密着させ、非ドラム面から50〜130℃の風を吹き付けて冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。この時、ドラム温度が高いことにより、二軸延伸後のフィルムの空隙率が高くなり、透気・透湿性が向上する。次に、フィルム内部のボイド形成と貫通孔性を高くするために、該未延伸フィルムを80〜140℃に加熱したロール群またはオーブンに導き、フィルム温度を80〜140℃にした後、表面温度を60〜140℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(延伸ロール)と、表面温度を30〜130℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(冷却ロール)間に通し、延伸ロールと冷却ロールの周速差でMD方向(長手方向、すなわちフィルムの進行方向)に4〜7倍延伸し、30℃〜120℃のロール群で冷却する。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、120〜160℃に加熱した雰囲気中(フィルム温度:100℃〜150℃)で長手方向に垂直な方向(横方向)に6〜12倍に延伸する。その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は24倍〜84倍、製膜安定性から30倍〜50倍であることが好ましい。面積倍率が24倍未満であると得られるフィルムの透気・透湿性低く、またF5値が低くなり本発明のフィルムの特性が得られない、逆に面積倍率が84倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなり、透湿防水布としての強度も低下する傾向にある。このようにして得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて140〜170℃で5〜20秒間の熱処理を行ない、その後均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜10%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。このようにして得られた本発明のポリプロピレンフィルムの表面には、布帛と貼り合わすために、空気中または窒素ガス、炭酸ガスの1種以上の雰囲気中でコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を35mN/m以上にして巻き取ることが好ましい。
次に、布帛として、柔らかくて風合いのよい、厚さ0.2mmのポリアミド繊維製の平織り生地素材(以下ナイロン布帛と略称する)または、耐久性と吸湿率の低いポリエステル繊維製平織り(以下PET布帛と略称する)を用いた。該布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムの積層方法として、ナイロン布帛上にポリウレタン系接着剤を10〜30μmコートして、120〜130℃・1分乾燥後、該微多孔ポリプロピレンフィルムと重ね合わせ、100〜140℃に加熱された金属ロールとゴムロール間で線圧5〜15kg/cmで圧着して積層後、140〜180℃・1分のキュアリングをして透湿防水布を得た。
衣服用として用いるときは、必要に応じて微多孔ポリプロピレンフィルム上に裏地として、合成繊維または天然繊維の編物を積層してもよい。この時の編物の吸湿率は表地の吸湿率よりも高く、3%以上であることが透湿度が高くなり好ましい。
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
(1)耐水圧
JIS L 1092の耐水圧試験B法(高水圧法)に準じて測定した。
(2)ガーレ透気度
JIS P 8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機(株)製)にて測定した。ガーレ値(sec/100cc)が小さいほど透気性に優れる。
(3)透湿度
布およびフィルムの透湿度(単位:g/(m・d))を、JIS L 1099に規定されているカップ法(A−1法:塩化カルシウム)に準じて測定した。透湿度が高いほど透湿性に優れる。
(4)熱収縮率
試料は全幅で3枚採取し、JIS Z 8703に規定の温度20±2℃、湿度65±2%RHの試験室に4時間放置した。その後、試料の試験片の大きさとして、JIS L1042(1992年)に準じて長手方向×幅方向=25×25cmを3枚採取し、測定区間の長さを長手方向×幅方向=20×20cmに印を付け、寸法を小数点1桁まで読み取った。次に、本試験片の耳端部から1cmのところをクリップで3箇所掴み、140℃に保たれた熱風オーブン中に吊るして5分間加熱した後、再び、温度20±2℃、湿度65±2%RHの試験室に1時間放置した後に寸法を小数点1桁まで読み取った。収縮率は下記の式にて算出し、3枚の平均値とした。
収縮率(%)=(L-L’)/L×100
ここで、L :処理前の側長区間の長さ(mm)
L’:処理後の側長区間の長さ(mm)
(5)アイソタクチックインデックス(II)沸騰n−ヘプタン抽出残分
アイソタクチックインデックス(II)は、沸騰n−ヘプタン抽出残分から求める。試料を沸騰n−ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出されない部分の重量(%)を求めてアイソタクチックインデックスを算出する。
詳しくは円筒濾紙を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)10gを入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて直示天秤にて精秤(小数点4桁まで)する。
これをヘプタン80ccの入った抽出器の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これをオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽出する。加熱は冷却器からの滴下数が1分間130滴以上であるように調節する。抽出残分の入った円筒濾紙を取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後恒温恒湿中に2時間放置した後精秤し、下記式で算出する。
アイソタクチックインデックス(II)(%)=(P/Po)×100
但し、Poは抽出前の試料重量(g),Pは抽出後の試料重量(g)である。
(6)MFR(メルトフローレート)
ポリプロピレンおよび熱可塑性エラストマーは、JIS K 7210の条件M(1995年)に従って測定する(温度230℃、荷重2.16kg)。エチレン系樹脂は、JIS K 7210の条件4(1995年)に従って測定する(温度190℃、荷重2.16kg)。
(7)フィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の5%伸長時の強度(F5値)
フィルムの長手方向(MD)および幅方向(TD)に、それぞれ長さ15cm、幅1cmに切り出した試料を、JIS−Z1702に規定された方法に従い、インストロンタイプの引張り試験機を用いて23℃、65%RHの室温下で、試料原長50mm、引っ張り速度300mm/分の速度で伸長した際に、伸度5%に対する試料にかかる応力を測定し、試料の断面積(幅×厚み)で割った値をF5値として求めた。
(8)β晶比率
ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレンフィルムを走査型差動熱量計(DSC)を用いて、JIS K−7122に準拠して測定する。具体的には、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温させ、その後5分間保持した後に10℃/分の冷却速度で20℃まで冷却する。次いで、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、145℃〜157℃間にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量の和(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量の和(ΔHu−2)から次式で求める。この時、ΔHu−1とΔHu−2の間に、微少な吸発熱ピークが生じる場合があるが、このピークは削除する。
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100
(9)融解温度
走査型差動熱量計(DSC)を用いて、JIS K−7122に準拠して窒素雰囲気下で5mgの試料(フィルム)を10℃/分の速度で昇温させていった際に、樹脂の融解に伴う吸熱ピークの主ピーク温度で、最も高い温度ピークを融解温度(Tm)とした。
(10)フィルム厚み
ダイヤルゲージ式厚み計(JIS B−7509、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(11)布帛厚み
JIS L 1096に準じ、荷重23.5KPaにて、長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(12)透湿防水布を構成する各層の厚み
透湿防水布の断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて1000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、各層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。尚、各層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真計5枚を使用し、それらの平均値として算出した。
(13)実質的に無核のボイドを有することの判定
フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて800倍以上に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、1000μm当たりの全ボイド(境界線を有する単独気泡)と、核を有するボイドを数え、核を有するボイド数を全ボイド数で割った値が、5%以下を実質的に無核のボイドを有することの判定とした。なお、フィルム断面のボイド観察に当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計10箇所の断面写真計10枚を使用した。例として従来の核を有するフィルムと、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの断面写真を示す。図1は従来のボイド核を有するフィルムを示し、図中の4は有核ボイドを示し、5はボイド核である。図2は本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムを示し、図中の4は無核のボイドである。なお、ボイド核とは、マトリックスのPPにボイドを形成しうる、球形または不定形の非相溶性樹脂性、無機または有機粒子が、1個の境界線を有する単独ボイド中に1個以上存在することをいう。
(14)空隙率
フィルムを30mm×40mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、高精度電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用い、JIS K−7112のA法(水中置換法)に準じて比重(d1)を測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。次に、このフィルムを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮して完全に空孔を排除したシート作成し、該シートを30℃の水に浸漬して急冷したシートの比重(d2)を同様に測定した。このとき、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。フィルムの空隙率は下記式にて求めた。
空隙率(%)=(1−d1/d2)×100
(15)濡れ張力(mN/m)
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液を用いて、JIS K6768に規定された測定方法に基づいて測定した。
(16)吸湿率
10cm×10cmの試験片を3枚採集する。ついで試験片を60℃の熱風乾燥機で30分間予備乾燥を行った後、試験片を20±2℃、65±2%の環境下で24時間以上放置し、重さ既知の秤量ビンに入れ0.1mgまでの重さをはかる(W)。つぎに、105±2℃の熱風乾燥機に秤量ビンを入れ、蓋をとって試験片が乾燥しやすい状態で2時間乾燥する。乾燥後、直ちに秤量ビンの蓋をしてデシケーターに入れ、約30分間放冷する。放冷後デシケータから秤量ビンを取り出し0.1mgまでの重さをはかる(W)。上記で求めた乾燥前後の試験片の重さから、次式により吸湿率を求め、3枚の平均値で表す。
吸湿率(%)={(W−W)/W}×100
ここで、WおよびWは、秤量ビンの重さを引いた試料片のみの重さを表す。
(17)工程通過性
布帛とフィルムをラミネートする際に、オーブン温度130℃、ラミネート速度10m/分で、幅2m、長さ1000m巻き取った時に、ラミネート機に配置された金属ロール及びゴムロールへの白粉の付着や、フィルムの収縮、破れ等の状態を観察して以下のように評価した。
○:金属の延伸ロールに白粉の付着がなく、フィルムの収縮が小さく、また破れもなく、 工程通過性が良好であった。
×:金属及びゴムロールに粒子又は樹脂の白粉が付着、フィルムの収縮が大きく布が大 きくカールする、フィルム破れ等のいずれかにより工程通過性が不良であった。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない
(実施例1)
本発明のポリプロピレンフィルムの樹脂組成として、融解温度が165℃のポリプロピレン(住友化学(株)製、WF836DG−3、MFR:7g/10分、II:96.5%、以下PPと略称する)50重量%と、β晶核剤含有PPのSUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B022−SP)50重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、10℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加PP(以下β晶PPと略称する)のβ晶比率は72%であった。次に、該β晶PPを300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度125℃に加熱されたキャストドラム上に密着させ、非ドラム面側より120℃の熱風を吹き付けて未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを125℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向、以下MD方向と略称する)に5倍延伸し、120℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、130℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向、以下TD方向と略称する)に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=50倍)、引き続き微多孔ポリプロピレンフィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向3%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却した。さらに、本フィルムの表面に、布帛と貼り合わすために片面を空気中でコロナ放電処理を行い表面の濡れ張力を37mN/mにして巻き取った。
以上にして得られた微多孔ポリプロピレンフィルムの断面をSEMにて800倍に拡大観察したことにより、厚みは20μmであり、フィルム内部に微細で無核のボイドを多数含有していることを確認した。
次に、布帛として、厚さが0.2mmで、吸湿率が0.2%のポリエステル繊維平織り(以下PET布帛と略称する)を用いた。該布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムの積層方法として、ポリエステル布帛上に接着剤として“クリスボン”TA−170(大日本インキ化学工業(株)製)100重量部、架橋剤“クリスボ”ンACCEL T(大日本インキ化学工業(株)製)5重量部、トルエン30重量部を混合し、ナイフオーバーロールコーティングにて乾燥後の厚みが5μmとなるようにコートした。その後、乾燥温度130℃で1分乾燥後、上記微多孔ポリプロピレンフィルムと重ね合わせ130℃に保たれた一対のニップロール(金属ロールとゴムロール)に通して、線圧9kg/cmの圧力で圧着して積層後、120℃で1分間乾燥した後、160℃で30秒間熱処理して透湿性防水布を得た。かくして得られた微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは透気、透湿性に優れ、F5値が高く工程通過性に優れ、布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性に優れ、また、耐水圧性におよび熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(実施例2)
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2g/10分、II:96.5%)94.6重量%と、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:“HMS−PP” PF−814、MFR:3g/10分、以下HMS−PPと略称する)5重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、“NU−100”)0.2重量%、滑り剤として有機粒子の架橋PMMA粒子(平均粒径2μm、日本触媒化学工業(株)製、タイプ:“エポスター”MA1002)を0.2重量%添加混合し、二軸押出機に供給して200℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。該β晶PPのβ晶比率は78%であった。次に、該β晶PPを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させ、非ドラム面側より120℃の熱風を吹き付けて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを100℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、MD方向に6倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、125℃に加熱した雰囲気中でTD方向に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=54倍)、引き続き微多孔ポリプロピレンフィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて150℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して二軸配向微多孔ポリプロピレンフィルムを得た。さらに、本発明のフィルムの表面に、布帛と貼り合わすために、片型面を空気中でコロナ放電処理を行い表面の濡れ張力を37mN/mにして巻き取った。
以上にして得られたフィルムの断面をSEMにて800倍に拡大観察したことにより、厚みは20μmであり、フィルム内部に微細で無核のボイドを多数含有していることを確認した。次に、布帛として、厚さ0.2mmで、吸湿率が0.4%のナイロン−6(以下N−6と略称する)製布帛を用いた以外は実施例1と同様にして透湿防水布を得た。かくして得られた。微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは透気、透湿性に優れ、また、F5値が高くて工程通過性に優れ、N−6布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性及び耐水圧性に優れ、また、熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(実施例3)
実施例2において、“HMS−PP”の代わりに、Borealis社製の高溶融張力ポリプロピレン(“Daploy”130D、MFR=2g/10分)を添加混合した以外は実施例2と同様にして微多孔ポリプロピレンフィルムと透湿防水布を得た。かくして得られた微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは透気、透湿性に優れ、F5値が高くて工程通過性に優れ、また、本発明のN−6布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性及び耐水圧性に優れ、また、熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(実施例4)
実施例2において、接着剤として反応性ホットメルト接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、“タイホース”H−104)を布帛上に120℃で5μmコートした後、微多孔ポリプロピレンフィルムと70℃で張り合わせた以外は、実施例1と同様にして透湿防水布を得た。かくして得られた透湿防水布の特性を表3に示した。本発明のN−6布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性及び耐水圧性に優れ、また、熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(実施例5)
実施例1において、微多孔ポリプロピレンフィルムの厚みを70μmとし、布帛の厚みが0.1mmで、吸湿率が0.1%のPET製布帛とした以外は、実施例1と同様にして微多孔ポリプロピレンフィルムと透湿防水布を得た。かくして得られた。微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは透気、透湿性に優れ、また、F5値が高くて工程通過性に優れ、PET布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性及び耐水圧性に優れ、また、熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(実施例6)
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FLX80E4、MFR:6g/10分、II:96.5%)93.6重量%と、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:“HMS−PP” PF−814、MFR:3g/10分、以下HMS−PPと略称する)3重量%と、ポリオレフィン系エラストマー樹脂として、メタロセン触媒法による低密度ポリエチレン(デュポンダウエラストマージャパン(株)製、“エンゲージ”8411;MFR:18g/10分(190℃);以下、単にV−LDPEと略称する場合がある)3重量%と、(β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、“NU−100”)0.2重量%、滑り剤として有機粒子の架橋PMMA粒子(平均粒径2μm、日本触媒化学工業(株)製、タイプ:“エポスター”MA1002)を0.2重量%添加混合した以外は、実施例2と同様にして微多孔ポリプロピレンフィルムと透湿防水布を得た。かくして得られた。微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムは透気、透湿性に優れ、また、F5値が高くて工程通過性に優れ、PET布帛と微多孔ポリプロピレンフィルムを積層した透湿防水布は、透気、透湿性及び耐水圧性に優れ、また、熱寸法安定性に優れていることがわかる。
(比較例1)
実施例1において、融解温度が136℃の高密度ポリエチレン粉末(“ハイゼックス”340M、三井化学(株)製、以下HDPEと略称する)30重量%と、融解温度が110℃のポリエチレンワックス(“ハイワックス”110P、三井化学(株)製、以下PE−WAXと略称する)20重量%と、炭酸カルシウム(商品名:“スターピゴット”15A、白石カルシウム(株)製、融解温度平均粒子径0.15μm、以下CaCOと略称する)50重量%を混合した組成を二軸押出機に供給して200℃で溶融混合した後、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度25℃のキャストドラム上に密着させ、非ドラム面側より20℃の冷風を吹き付けて未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを125℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、MD方向に3倍延伸し20℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、130℃に加熱した雰囲気中でTD方向に5倍延伸して(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=15倍)、厚さ20μmの微多孔ポリエチレンフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして透湿防水布を得た。微多孔フィルムの組成を表1に、微多孔フィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本微多孔フィルムは透気・透湿性には優れるが、F5値が低く、樹脂の融解温度が低いために熱収縮率が大きくて工程通過性に劣り、透湿防水布の耐水圧が低く、実用性に劣るものであった。
(比較例2)
実施例2において、吸湿率が1.2%のN−6布帛上に、接着剤として、“クリスコート”AC−100(大日本インキ化学工業(株)製、以下PEUと略称する)75重量%と、架橋剤“クリスボン”NX(大日本インキ化学工業(株)製、以下NCOと略称する)2重量%と、トルエン23重量%を混合した塗剤をリバースロールコート法にて被膜厚み5μmに塗布して、70℃・30秒乾燥後、その上に、微多孔ポリウレタン膜として、ウレタン樹脂“クリスボン”PX−300(大日本インキ化学工業(株)製)75重量%と、架橋剤“クリスボン”NX(大日本インキ化学工業(株)製、以下NCOと略称する)2重量%と、シリカ粒子の“サイリシア”740(富士シリシア化学(株)製、以下SiOと略称する)8重量%、メチルエチルケトン(MEK)15重量%を混合して、リバースロールコート法にて被膜厚み15μmコートした後、120℃で2分間キュアして透湿防水布を得た。本透湿防水布の特性を表3に示した。本透湿防水布は耐水圧が低く、実用性に劣るものであった。
(比較例3)
実施例1において、β晶核剤として“Bepol”の代わりに、キナクリドン系核剤(東洋曹達(株)“Rubicron”400RG、以下400RGと略称する)を用いて微多孔ポリプロピレンフィルムを得た以外は、実施例1と同様にして透湿防水布を得た。微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本微多孔フィルムは空隙率が低く、透気・透湿性に劣り、本フィルムを用いた透湿防水布は、透気・透湿性に劣るものであった。
(比較例4)
実施例2において、PPの代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(住友化学(株)製、タイプ=FM401G、MFR=6g/10分、以下EPCと略称する)を用いた以外は、実施例1と同様に微多孔ポリプロピレンフィルムを得た。かくして得られた。微多孔ポリプロピレンフィルムの組成を表1に、微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表2に、透湿防水布の特性を表3に示した。本微多孔ポリプロピレンフィルムは、融解温度が140℃未満と低いことから熱収縮率が大きく、また、F5値が低く工程通過性に劣るものであった。
(比較例5)
実施例2において、厚さ1.2mmのPET布帛と、厚さ120μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを用いた以外は、実施例2と同様に透湿防水布を得た。微多孔ポリプロピレンフィルムの特性を表1に、湿防水布の特性を表2に示した。本微多孔ポリプロピレンフィルムは、透気・透湿性に劣り、また、透湿防水布ゴアゴア感が強く、衣服用及びサニタリー用として適さないものであった。
本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた透湿防水布は、透湿性及び透気性に優れ、また、耐水圧性、熱寸法安定性に優れることから外圧による破れや、アイロンや乾燥機による熱に対して耐用性に優れ、また、実質的に無機または有機の粒子を含有しないことから、無機または有機粒子によるフィルム表面のアルカリ性または酸性によって肌を刺激する心配がないことから、衣料やサニタリー用品または防水シート基材として優れた特性を有する透湿防水布を提供することができる。
図1は、従来の核を有するフィルムの断面1500倍拡大の電子顕微鏡(SEM)写真である(核を有するフィルム)。 図2は、本発明の微多孔ポリプロピレンフィルムの断面800倍拡大の電子顕微鏡(SEM)写真である(本発明の無核のボイドを有する微多孔ポリプロピレンフィルム)。 図3は、走査型差動熱量計(DSC)を用いて、上記評価方法(3)によるβ晶比率を求める際のポリプロピレンの融解に伴う吸熱ピークを求めた時のピークをモデル的に示した図である。 図4は、図3の中で、145℃〜157℃間にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解に伴う吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を示した図である。
符号の説明
1・・β晶含有PP及びβ晶含有フィルムの全融解曲線
2・・β晶部分の融解熱量ΔHu−1
3・・α晶部分の融解熱量ΔHu−2
4・・ボイド
5・・ボイド核

Claims (3)

  1. 融解温度が140〜172℃の範囲であるポリプロピレン樹脂からなり、実質的に無核のボイドを有し、空隙率が30〜90%で、フィルムの長手方向と幅方向の5%伸長時の強度(以下F5値と略称する)の和が20〜200MPaの範囲であり、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲であることを特徴とする微多孔ポリプロピレンフィルム。
  2. 請求項1に記載の微多孔ポリプロピレンフィルムと布帛との積層体であって、ガーレ透気度が10〜2000sec/100ccの範囲で、透湿度が5000〜100000g/(m・d)の範囲で、耐水圧が50KPa以上で、140℃での熱収縮率が長手方向が5%以下、幅方向が5%以下であることを特徴とする透湿防水布。
  3. 布帛の厚みが0.1〜0.5mmの範囲であり、微多孔ポリプロピレンフィルムの厚みが10〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の透湿防水布。

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