JP2801254B2 - シートの状物の製造法 - Google Patents

シートの状物の製造法

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JP2801254B2 JP1087324A JP8732489A JP2801254B2 JP 2801254 B2 JP2801254 B2 JP 2801254B2 JP 1087324 A JP1087324 A JP 1087324A JP 8732489 A JP8732489 A JP 8732489A JP 2801254 B2 JP2801254 B2 JP 2801254B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08G18/6607Compounds of groups C08G18/42, C08G18/48, or C08G18/52 with compounds of group C08G18/32 or polyamines of C08G18/38 with compounds of group C08G18/3203

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシート状物の製造法に関する。
本発明により製造されるシート状物は、良好な平滑性
と柔軟な風合いを呈するスポンジ構造を有しており、耐
加水分解性に優れ、皮革様シートの表面層に適する。
〔従来の技術〕
従来、ポリウレタンエラストマーを主体とした重合体
の溶液を基材上に塗布し凝固させ、形成した被膜層を基
材より剥離して多孔質シートとすることは公知である。
1,9−ノナンジオールおよび/または2−メチル−1,8
−オクタンジオールとジカルボン酸との縮合重合によつ
て得られたポリエステルジオール(以下、これをPNOAと
略記する)、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反
応させて得られたポリエステル系ポリウレタンエラスト
マーが合成皮革・人造皮革用のコーテイング剤含浸剤ま
たは風合調節剤として使用されることが報告されている
(特開昭61−185520号公報および特開昭62−22817号公
報参照)。
また、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポ
リオキシアルキレングリコールをソフトセグメント形成
性ポリマージオール成分としたポリウレタンは耐加水分
解性に優れることが知られている(特公昭59−20030号
公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
PNOAとポリオキシアルキレングリコールをソフトセグ
メント形成性ポリマージオール成分としたポリウレタン
は従来のポリエステル系ポリウレタンに比較して凝固速
度が速いためか、PNOA−ポリオキシアルキレングリコー
ル系ポリウレタンを用いて従来法を実施した場合には、
スポンジ構造の潰れた平滑性の劣つた表面を有するシー
ト状物しか得られていない。
また、皮革様シートを製造する場合、通常少なくとも
2種類の重合体を紡糸して得られた多成分繊維を基材繊
維として用い、この繊維にポリウレタンエラストマーを
含浸凝固させたのち、該多成分繊維の少なくとも1成分
を溶剤処理または分解剤処理により除去して繊維形態を
変える操作が行われるが、その際、ポリウレタンエラス
トマーが形成するスポンジ構造が処理剤の作用により変
形することがしばしばみられる。
本発明の目的は、良好な平滑性と柔軟な風合いを呈す
るスポンジ構造を有する多孔質シート状物の製造方法を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、(a)1,9−ノナン
ジオールおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジ
オールを主成分とするジオールとジカルボン酸との縮合
重合によつて得られる数平均分子量500〜4,000のポリエ
ステルジオール、数平均分子量300〜5,000のポリオキシ
アルキレングリコール、有機ジイソシアネートおよび鎖
伸長剤を反応させて得られるポリウレタンエラストマ
ー、(b)ポリエーテル変性シリコーンオイル、(c)
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロツクコ
ポリマーおよび(d)該ポリウレタンエラストマーの溶
剤の各成分からなり、(b)成分と(c)成分の合計量
が(a)成分に対して0.5〜50重量%であり、かつ
(b)成分対(c)成分の重量比が1/20〜5/1であるポ
リウレタンエラストマー組成液を基材上に塗布し、該ポ
リウレタンエラストマーの非溶剤で凝固させ、次いで基
材上に形成したポリウレタンエラストマー被膜層を基材
より剥離することを特徴とするシート状物の製造法を提
供することによつて達成される。
上記のポリエステルジオールは1,9−ノナンジオール
および/または2−メチル−1,8−オクタンジオールを
主成分とするジオールとジカルボン酸とを常法に従つて
縮合重合することによつて製造される。原料のジオール
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、キシレングリコールなどのジオールを少量含んでい
てもよい。ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸
などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、これらのう
ちの1種類または任意の2種類以上の組合わせで使用さ
れる。ポリエステルジオールは水酸基価から求めた数平
均分子量が500〜4,000の範囲であるものを用いる。その
数平均分子量は900〜3,000の範囲であることが好まし
い。
また、上記のポリオキシアルキレングリコールとして
は、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ
プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリ
コールなどが使用される。ポリオキシアルキレングリコ
ールは水酸基価から求めた数平均分子量が300〜5,000の
範囲であるものを用いる。その数平均分子量は500〜3,0
00の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられるポリウレタンエラストマーは、上
記のポリエステルジオール、ポリオキシアルキレングリ
コール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を常法に
従つて所望の割合で反応させることにより製造される。
ポリエステルジオールとポリオキシアルキレングリコー
ルの使用割合は、ポリエステルジオールをソフトセグメ
ント形成性ポリマージオール成分としたポリウレタンの
優れた特性が損われず、かつポリオキシアルキレングリ
コールの改質効果が十分に発揮されるように定められ
る。ポリエステルジオール対ポリオキシアルキレングリ
コールの使用割合(重量比)は約5/1〜1/5の範囲である
ことが好ましい。有機ジイソシアネートとしては例えば
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、フエニレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシ
リレンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環族ジイ
ソシアネートなどが挙げられ、また鎖伸長剤としては活
性水素原子を2個有する化合物、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4
−シクロヘキサンジオール、キシレングリコールなどの
ジオール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キ
シリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、
フエニレンジアミン、トリレンジアミン、イソホロンジ
アミンなどのジアミン;ヒドラジン;アジピン酸ジヒド
ラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジドな
どが挙げられる。これらの有機ジイソシアネートおよび
鎖伸長剤はそれぞれ1種類または2種類以上の組合わせ
で使用される。
ポリウレタンエラストマーとしては、そのジメチルホ
ルムアミドの10重量%溶液の溶液粘度が30℃で少なくと
も1ポイズ、好ましくは2〜10ポイズの範囲にあるもの
を使用するのが望ましい。この溶液粘度が小さいものを
使用する場合には、得られるシート状物のスポンジ構造
の強度が十分でないか、または耐屈曲疲労性が十分でな
い。一方、溶液粘度が高すぎるポリウレタンエラストマ
ーは加工性が悪いばかりでなく、シート状物に均一性の
良好なスポンジ構造を付与することが難しくなる。ま
た、ポリウレタンエラストマーには他のポリマーが40重
量%以下の割合で混合されていてもよい。そのポリマー
としてポリオキシエチレングリコールをジオール成分と
して重合して得られたポリオキシエチレングリコールポ
リウレタンエラストマーを、上記のポリウレタンエラス
トマーに10重量%未満で混合する場合には、非溶剤、特
に水を含む凝固液中で該ポリウレタンエラストマーを凝
固する際に、均一な凝固を行うことができるばかりでな
く、ポリウレタンエラストマーの染色性を良くし、風合
いが柔軟でしつとりとした感触のシート状物が得られ
る。
ポリウレタンエラストマーの溶剤としては、例えばジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる
が、ジメチルホルムアミドを使用するのが好ましい。
本発明で用いられるポリウレタンエラストマー組成液
はシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合物であ
るポリエーテル変性シリコーンオイル(以下、これを
(b)成分と略称する)とポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレンブロツクコポリマー(以下、これを
(c)成分と略称する)とを特定の割合で含むことが、
シート状物に安定なスポンジ構造を付与するうえで必要
である。(b)成分と(c)成分とは重量比で1/20〜5/
1の範囲である。これ以上に(b)成分の割合が多い場
合も、また(c)成分の割合が多い場合も平滑性の良好
な多孔質シート状物は得られない。(b)成分と(c)
成分とは重量比で1/10〜2/1の範囲であることが好まし
い。(b)成分としては例えばクリスボンアシスタ−SD
−7(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げら
れ、また(c)成分としては例えばクリスボンアシスタ
−SD−14(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げ
られる。(b)成分と(c)成分の合計量はポリウレタ
ンエラストマーに対して0.5〜50重量%である。その合
計量が0.5重量%よりも少ない場合には、シート状物は
良好のスポンジ構造または均一性のスポンジ構造の多孔
質とはならない。また、合計量が50重量%よりも多い場
合には、シート状物が有するスポンジ構造における隔膜
が薄くなり、また隔膜が微多孔質になりすぎてシート状
物は機械的強度、耐膨潤性の低いものとなる。
ポリウレタンエラストマー組成液を塗布する基材(ま
たは支持体)としては、ポリウレタンエラストマーの溶
剤に侵されない材料からなるシート、板状物、繊維構造
物などが使用され、例えばポリエチレンシート、ポリプ
ロピレンシート、ポリエステルシート、ポリアミドシー
ト、合成ゴムシート、有機繊維もしくは無機繊維からな
る布帛またはそれらの布帛にシリコン樹脂、フツ素樹脂
などを付与して得た布帛、ガラス板などのシートまたは
板状物;天然繊維、再生繊維、単一成分の通常の紡糸法
で得た合成繊維、物理的もしくは化学的性質の異なる少
なくとも2種のポリマーを一つのノズルより吐出紡糸し
て得た多成分繊維などを用いて織布、編布、繊維立毛編
織布、繊維絡合不織布などとした繊維構造物、またはこ
れら繊維構造物に重合体を含有させた繊維構造物が挙げ
られる。多孔質シート状物を皮革様シートの表面被膜層
用に製造する場合には、基材として多成分繊維からなる
繊維構造物または該繊維構造物にポリウレタンエラスト
マーを主体とした重合体を多孔質または非多孔質の状態
で含有させたものを使用することが特に好ましい。かか
る基材を使用した場合、柔軟性を持ち、二次加工法の良
好のシート状物が得られる。
ポリウレタンエラストマー組成液は該ポリウレタンエ
ラストマー非溶剤により凝固する。ポリウレタンエラス
トマーの非溶剤として水、または前記のポリウレタンエ
ラストマーの溶剤の水溶液が使用される。該非溶液とし
てはジメチルホルムアミドの約20〜40%水溶液を用いる
のが好ましい。凝固温度はシート状物に形成されるスポ
ンジ構造に影響を与える。凝固温度が高い場合には、全
体がゆるやかに凝固するため微細で均一なスポンジ構造
となる。一方、凝固温度が低い場合には、表面に緻密な
スキン層を形成し、内部はゆつくり凝固することから巨
大な均一のスポンジ構造となる。好ましいスポンジ構造
を形成させるには凝固温度を約25〜75℃の範囲で選定す
れば良い。凝固して得られた基材上のポリウレタンエラ
ストマー被膜層を基材より剥離し、水洗、乾燥すること
により、平滑性の良好な表面を有する多孔質シート状物
を得る。
本発明で得られたシート状物は安定なスポンジ構造を
有し、表面の平滑性および柔軟性が良好であるため、そ
のまま該シート状物を着色処理、型押し処理、柄模様の
プリントなどの仕上処理に付したのち、例えば壁装材、
室内装飾材として使用したり、種々の物品の装飾用に使
用することができる。さらに本発明で得られたシート状
物を柔軟な繊維質基材に接着して皮革様シートの銀面層
として仕上げることができる。
〔実施例〕 以下に、本発明を実施例で具体的に説明する。なお、
実施例中の部および%はことわりのない限り重量部およ
び重量%を表す。
実施例1 1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジ
オールとの混合物(モル比50/50)とアジピン酸とを縮
合重合させて得られた数平均分子量2,000のポリエステ
ルジオール、数平均分子量2,000のポリオキシテトラメ
チレングリコール、4,4′−ジフエニルメタンジイソシ
アネートおよび1,4−ブタンジオール(モル比0.6:0.4:
6:5、ソフトセグメント比率50.6%、イソシアネート基
に基づく窒素量4.3%)を反応させて得たポリウレタン
エラストマー(濃度10%ジメチルホルムアミド溶液の30
℃における溶液粘度3ポイズ)を13%ジメチルホルムア
ミド溶液とし、この溶液にクリスボンアシスタ−SD−7
(前記のとおり、(b)成分)およびクリスボンアシス
タ−SD−14(前記のとおり、(c)成分)の混合物
〔(b)成分/(c)成分(重量比)=1/2〕をポリウ
レタンエラストマーに対して20%、着色材としてカーボ
ンブラツクをポリウレタンエラストマーに対して20%添
加し、ポリウレタンエラストマー組成液を調製した。
このポリウレタンエラストマー組成液をポリエチレン
シートの基材上に液量で500g/m2(ポリウレタンエラス
トマー量62g/m2)の量を流延法により塗布し、次いで基
材をジメチルホルムアミド25%水溶液(液温度40℃)中
に浸漬して凝固した。得られたポリウレタンエラストマ
ー被膜層を基材より剥離し、80℃の熱水中で脱溶剤・洗
浄し、乾燥してシート状物を得た。得られたシート状物
は目付70g/m2、厚さ0.33mm、見掛密度0.23g/cm3であ
り、表面にほぼ垂直の長い空孔のあるスポンジ構造を有
しており、平滑な表面を有した柔軟なものであつた。
この多孔質シート状物の基材に接していた面を架橋型
ポリウレタン接着剤でナイロントリコツトに接着したの
ち、表面をサンドペーパーで約0.04〜0.05mm研磨し内部
の多孔を露出させたところ、均一な気孔によつて形成さ
れた美しい外観のスエード調シート状物が得られた。こ
のシート状物は柔軟でドレープ性があり、黒の衣料用素
材として使用可能であつた。また、このシート状物は湿
度95%、温度70℃の雰囲気中で6週間ジヤングルテスタ
ーを用いた耐加水分解試験では異常がなく、表面の平滑
性も損なわれず良好なものであつた。
比較例1 実施例1においてクリスボンアシスタ−SD−7および
クリスボンアシスタ−SD−14の添加剤混合物の添加量を
ポリウレタンエラストマーに対して0.4%としたポリウ
レタンエラストマー組成液を用いる以外は実施例1と同
様の処理操作を行うことにより得たシート状物は目付68
g/m2、厚さ0.19mm、見掛密度0.45g/cm3であり、表面に
は凹凸が小じわのように形成されており、スポンジ構造
も不均一な形状の空孔が形成されたものであつた。この
シート状物を実施例1と同様に処理してスエード調シー
ト状物の調製を試みたが、得られたシート状物は外観が
悪く、かつ風合いの硬いものであつた。
また添加剤混合物の添加量をポリウレタンエラストマ
ーに対して50%より多くしたポリウレタンエラストマー
組成液を用いた場合には、柔軟な多孔質シート状物は得
られたものの、空孔が大きくかつ空孔間の隔壁が薄いた
め、表層と裏層の中間で二枚に剥れやすいシート状物で
あつた。
実施例2〜4ならびに比較例2および3 実施例1で得られたと同じポリウレタンエラストマー
の13%ジメチルホルムアミド溶液に表1に示した重量比
率の添加剤混合物をポリウレタンエラストマーに対して
20%添加して各々のポリウレタンエラストマー組成液を
調製した。
これらのポリウレタンエラストマー組成液をポリエチ
レンシート基材上に液量で600g/m2の量を塗布し、次い
で基材をジメチルホルムアミド25%水溶液(液温度40
℃)中に浸漬して凝固した。基材上に形成されたポリウ
レタンエラストマー被膜層を基材より剥離し、80℃の熱
水中で脱溶剤・洗浄し、乾燥してシート状物を得た。得
られたシート状物のスポンジ状態、外観などを表2に示
した。
これらの多孔質シート状物を、予め作製しておいたナ
イロン−6極細繊維束状繊維絡合不織布にポリエステル
系ポリウレタンを含有させて得た厚さ1.2mmの繊維質基
材に溶剤接着法で接着し、表面に着色剤を塗布し、エン
ボス加工して銀付調皮革様シート状物を得た。実施例の
多孔質シート状物を用いて得られたシート状物は良好な
エンボス模様が付与され、細く長い多数の折れ皺を発生
し、見た目に重量感のある皮革様シート状物であるのに
対し、比較例の多孔質シート状物を用いて得られたシー
ト状物はエンボス模様の付与性が悪く、かつ折れ皺の悪
いものであつた。
実施例5ならびに比較例4および5 1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジ
オールとの混合物(モル比30/70)とアジピン酸とを縮
合重合させて得られた数平均分子量1,500のポリエステ
ルジオール、数平均分子量1,500のポリオキシテトラメ
チレングリコール、4,4′−ジフエニルメタンジイソシ
アネートおよびエチレングリコール(モル比0.6:0.4:3.
7:2.7、ソフトセグメント比率57.8%、イソシアネート
基に基づく窒素量4.0%)を反応させて得たポリウレタ
ンエラストマー(濃度10%ジメチルホルムアミド溶液の
30℃における溶液粘度3ポイズ)を13%ジメチルホルム
アミド溶液とし、この溶液にクリスボンアシスタ−SD−
7(前記のとおり、(b)成分)およびクリスボンアシ
スタ−SD−14(前記のとおり、(c)成分)の混合物
((b)成分/(c)成分(重量比)=8/10)をポリウ
レタンエラストマーに対して20%添加してポリウレタン
エラストマー組成液を調製した。このポリウレタンエラ
ストマー組成液を実施例2と同一条件で基材上に塗布
し、凝固させ、基材上に形成されたポリウレタンエラス
トマー被膜層を基材より剥離し、脱溶剤・洗浄、乾燥し
てシート状物を得た。
比較のために、上記の方法においてポリウレタンエラ
ストマーとして数平均分子量450のポリエステルジオー
ルおよび数平均分子量650のポリオキシテトラメチレン
グリコールを用いて得たポリウレタンエラストマー(モ
ル比0.6:0.4:1.5:0.5、ソフトセグメント比率61.5%、
イソシアネート基に基づく窒素量4.0%)、または数平
均分子量4,050のポリエステルジオールおよび数平均分
子量4,050のポリオキシテトラメチレングリコールを用
いて得たポリウレタンエラストマー(モル比0.6:0.4:1.
05:9.5、ソフトセグメント比率55.7%、イソシアネート
基に基づく窒素量4.0%)を用いる以外は同様の操作に
よりシート状物を得た。得られたシート状物のスポンジ
状態、外観などを表3に示した。
参考例1 実施例1において、着色剤としてカーボンブラツクの
代わりに酸化チタンをポリウレタンエラストマーに対し
て2%添加する以外は同様にしてポリウレタンエラスト
マー組成液を調製した。このポリウレタンエラストマー
組成液を、予め作製しておいたナイロン−6極細繊維束
状繊維絡合不織布にポリエステル系ポリウレタンを含有
させて得た厚さ1.2mmの繊維質基材上に液量で850g/m2
量を塗布し、次いで基材をジメチルホルムアミド30%水
溶液(液温度40℃)中に浸漬して凝固した。次いで80℃
の熱水中で脱溶剤・洗浄、乾燥して、繊維質基材上に多
孔質ポリウレタンエラストマーを被覆した多孔質シート
状物を得た。この多孔質シート状物の表面は平滑性が良
好であつた。
実施例1で得られたと同じポリウレタンエラストマー
を基材として酸化チタンを主体とした顔料で白色インキ
を調製した。この白色インキを用いて上記の多孔質シー
ト状物を140メツシユのグラビアロールで表面着色処理
し、乾燥したのち、あら地生模様(牛革)のエンボス加
工と揉み加工を行つて銀付調シート状物を得た。このも
のは外観、風合い、折れ皺が良好であり、耐屈曲疲労性
が良く、紳士靴やスポーツ靴の素材として好適であつ
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、良好な平滑性と柔軟性およびドレー
プ性に優れた風合いを呈し、耐屈曲性および耐加水分解
性に優れた安定なスポンジ構造を有する多孔質シート状
物が製造される。また製造されたシート状物は耐光候性
および低温特性に優れる。このシート状物から得られた
銀付皮革様シート状物は折れしわ形態、エンボス型の固
定性などの外観がよく、またスエード調シート状物は立
毛性が良好である。また、これらのシート状物は二次加
工性、例えば裁断加工性、縫製加工性、すき、型押性な
どに優れたものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06N 7/00 - 7/06 D06N 3/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1,9−ノナンジオールおよび/また
    は2−メチル−1,8−オクタンジオールを主成分とする
    ジオールとジカルボン酸との縮合重合によつて得られる
    数平均分子量500〜4,000のポリエステルジオール、数平
    均分子量300〜5,000のポリオキシアルキレングリコー
    ル、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させて
    得られるポリウレタンエラストマー、(b)ポリエーテ
    ル変性シリコーンオイル、(c)ポリオキシエチレン−
    ポリオキシプロピレンブロツクコポリマーおよび(d)
    該ポリウレタンエラストマーの溶剤の各成分からなり、
    (b)成分と(c)成分の合計量が(a)成分に対して
    0.5〜50重量%であり、かつ(b)成分の重量比対
    (c)成分が1/20〜5/1であるポリウレタンエラストマ
    ー組成液を基材上に塗布し、該ポリウレタンエラストマ
    ーの非溶剤で凝固させ、次いで基材上に形成したポリウ
    レタンエラストマー被膜層を基材より剥離することを特
    徴とするシート状物の製造法。
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