JPH06346379A - ヌバック調の外観を有するシート材およびその製造方法 - Google Patents

ヌバック調の外観を有するシート材およびその製造方法

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JPH06346379A
JPH06346379A JP15620093A JP15620093A JPH06346379A JP H06346379 A JPH06346379 A JP H06346379A JP 15620093 A JP15620093 A JP 15620093A JP 15620093 A JP15620093 A JP 15620093A JP H06346379 A JPH06346379 A JP H06346379A
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JP
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polyurethane resin
nubuck
sheet material
appearance
sheet
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JP15620093A
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Katsumi Osawa
克己 大沢
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Achilles Corp
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性、透湿性及び吸放湿性に優れ、かつ天
然皮革に酷似した外観及び感触を有するヌバック調外観
を有するシート材およびその製造方法を提供する。 【構成】 起毛処理された繊維基材上に平均粒径20μ
m以下のコラーゲン粒子を含有する無黄変タイプのポリ
カーボネート系ポリウレタン樹脂を塗布、含浸させた
後、該無黄変タイプのポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂を湿式凝固させて得られたシート材表面を、必要に
応じてエンボス加工により凹凸を形成させた後に起毛処
理することによって得られることを特徴とするヌバック
調外観を有するシート材。繊維基材の起毛部を構成する
繊維の繊度は、1デニール以下が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家具、車輌用等の素材に
用いられるヌバック調の外観を有するシート材及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヌバック調の外観を有するシート材(以
下「ヌバック調シート材」と略記する)としては、繊維
基材の表面にポリウレタン系樹脂を塗布、含浸し、湿式
凝固して多孔質層とした後、表面のスキン層を研削除去
して微細気孔の一部を露出したものや、起毛処理または
立毛処理(以下「起毛」または「起毛処理」と記すこと
がある)させた繊維基材の表面にポリウレタン系樹脂を
塗布、含浸し、湿式凝固して多孔質層とした後、バフィ
ングして繊維基材の起毛部を表面に露出させたもの等が
使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
ヌバック調シート材は、天然皮革のヌバック調の外観及
び感触とはほど遠いものであるばかりでなく、上記のよ
うなヌバック調シート材は通気性、透湿性に優れるもの
の、吸放湿性がなかった。
【0004】本発明は上記の欠点を解決するためになさ
れたものであって、天然皮革と酷似した外観及び感触を
有し、且つ通気性、透湿性及び吸放湿性に優れるヌバッ
ク調シート材及びその製造方法を提供することをその目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のヌバック調シー
ト材は、繊維基材が起毛処理された繊維基材上に、平均
粒径20μm以下のコラーゲン粒子を含有する無黄変タ
イプのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を塗布、含
浸させた後、該ポリウレタン樹脂を湿式凝固させること
により得られるシート材の表面を起毛処理したことを特
徴とする。また、本発明のヌバック調シート材の製造方
法は、起毛処理された繊維基材上に平均粒径20μm以
下のコラーゲン粒子を含有する無黄変タイプのポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂を塗布、含浸させ、非溶剤
中にてポリウレタン樹脂を湿式凝固させて得られるシー
ト材表面に、エンボス加工により凹凸を形成させた後、
起毛処理を施すことを特徴とする。
【0006】本発明に使用される繊維基材としては、単
糸繊度が1デニール以下の繊維で作られた編布、織布あ
るいはポリウレタンや合成ゴム等の弾性重合体が付与さ
れた繊維絡合不織布等である。繊維基材を構成する繊維
としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリアク
リロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール
などの合成繊維、再生セルロースなどの化学繊維、ある
いは少なくとも一成分を溶解除去したり、二成分を分割
したりすることにより極細繊維に変性された多成分繊維
等を用いることができる。
【0007】上記の繊維基材はサンドペーパー、サンド
クロス、サンドネット、サンドロール、針布、砥石、ブ
ラシなどの公知の方法により起毛処理される。このとき
の起毛の長さ、密度は特に限定されないが、一般的には
起毛が短く、かつ密度が多い程、好ましいヌバック調シ
ート材を得ることができる。
【0008】本発明に使用される無黄変タイプポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオ
ールと無黄変型ジイソシアネートおよび鎖伸長剤との重
合物である。
【0009】ポリカーボネートジオールとは下記の化1
に示す一般式で表される、ポリアルキレンポリカーボネ
ートジオールであり、特に1,6−ヘキサンポリカーボ
ネートジオールが好ましく使用される。
【化1】 (式中、p,rは2以上の整数、またmは5〜200の
整数を示す) また、必要に応じて上記のポリアルキレンポリカーボネ
ートジオールの一部をポリアルキレン変性ポリカーボネ
ートで置換したものを混合しても良い。
【0010】上記のポリカーボネートジオールの水酸基
価から求めた数平均分子量は、500〜5000、好ま
しくは900〜3000の範囲のものを用いる。分子量
が500未満ではウレタン基濃度が大きくなり、ポリウ
レタン樹脂の柔軟性、溶剤溶解性が低下する。また分子
量5000を越えるとウレタン基濃度が低下し、ポリウ
レタン特有の強靱性、耐摩耗性等が悪化する。
【0011】本発明の無黄変型ジイソシアネートとして
は、例えばテトラメチレンジイソシアネート、1,6−
ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジイソシアネート、1−メチルシクロ
ヘキサン−2,4−ジイソシアネート、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメ
タン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート等の脂肪族もしくは脂環族のものが使用できる。こ
れらの無黄変型ジイソシアネートは単独で用いても良い
し、2種以上を混合して使用しても良い。
【0012】また、鎖伸長剤としては、活性水素原子を
2個有する化合物、例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、キシレングリコールなどのジオー
ル類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリ
レンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン等のジアミン類、ヒ
ドラジン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒ
ドラジド等のヒドラジド類等が使用できる。これらの鎖
伸長剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合して使
用しても良い。
【0013】本発明の無黄変タイプポリカーボネート系
ポリウレタン樹脂は、上記のポリカーボネートジオー
ル、無黄変型ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を所望の
割合で反応させることによって得られる。上記の無黄変
タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、ジメチ
ルホルムアミドの20重量%溶液としたときの粘度が、
25℃において50〜150ポイズの範囲にあるものを
使用するのが好ましい。また、上記の無黄変タイプポリ
カーボネート系ポリウレタン樹脂は、100%モジュラ
スが10〜120kg/cm2 のものが好ましい。10
0%モジュラスが10kg/cm2 未満であると、機能
的強度が低下し、100%モジュラスが120kg/c
2 を越えると風合いが硬くなる。
【0014】本発明に使用できる無黄変タイプポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂は、耐加水分解性、耐光
性、耐熱性等の性能を低下させない範囲であれば、上記
の無黄変タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以
外のポリウレタン樹脂との共重合体または混合物であっ
ても使用できる。共重合体として具体的には、ポリカプ
ロラクトン−ポリカーボネート共重合ポリウレタン樹
脂、炭素数6以上のジオールとジカルボン酸との縮合に
よって得られるポリエステルジオール−ポリカーボネー
ト共重合ポリウレタン樹脂等が挙げられ、また、無黄変
タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂と混合でき
るポリウレタン樹脂ポリカプロラクトン系ポリウレタン
樹脂、ポリテトラメチレングリコール系ポリウレタン系
樹脂、炭素数6以上のジオールとジカルボン酸との縮合
によって得られるポリエステル系ポリウレタン樹脂等が
挙げられる。
【0015】上記の無黄変タイプポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂は、必要に応じて凝固調節剤(界面活性
剤)、着色剤、充填剤、酸化防止剤、撥水・撥油剤等の
各種添加剤を混入し、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド等の溶剤によって適宜の濃度のポリウレタン樹脂
溶液にされる。このときのポリウレタン樹脂含有割合
は、目的、用途によって異なるので一概に規定すること
はできないが、一般には繊維に対し2〜30重量%程度
とされる。
【0016】本発明に使用されるコラーゲン粉末は、動
物の皮膚、骨、腱等を酵素などによって処理精製し、高
分子状のコラーゲン繊維を抽出し、コラーゲン繊維間に
架橋反応させた後、粉砕して得られる平均粒径20μm
以下のコラーゲン粉末である。コラーゲン粉末の平均粒
径が20μmより大きいと、得られるヌバック調シート
表面にザラつき感が出て、きめ細かいスムーズな面が得
られず、天然皮革様のスムーズでナチュラルな感触が得
られない。
【0017】上記のコラーゲン粉末の添加量としては、
上記無黄変タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
固形分に100重量部に対して、30〜200重量部で
ある。コラーゲン粉末の添加量が少ないとコラーゲンの
特徴である吸放湿性やさらっとした感触が得られず、ま
た逆にコラーゲン粉末の添加量が多過ぎると、コラーゲ
ン粉末が無黄変タイプポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂に十分に固定できず、皮膜強度が低下すると共に、
風合いも硬くなる。
【0018】上記の無黄変タイプポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂は、無黄変タイプポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂の溶液にコラーゲン粉末が分散した分散
液として繊維基材表面にナイフコーター等の手段により
塗布され、しかる後、塗布部を水や前記無黄変タイプポ
リカーボネート系ポリウレタン樹脂の溶剤の水溶液等の
非溶剤中に浸漬し、無黄変タイプポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂を凝固、脱溶媒し、次いで水洗、乾燥し
てシート状物を得る。このとき使用される非溶剤として
は、ジメチルホルムアミドの0〜20%水溶液が特に好
ましい。また、無黄変タイプポリカーボネート系ポリウ
レタン樹脂の凝固温度は、15〜40℃の範囲で適宜選
択すればよい。
【0019】コラーゲン粉末を含有する無黄変タイプポ
リカーボネート系ポリウレタン樹脂層の形成されたシー
ト状物は、型押しロール等によりエンボス加工を施し表
面に凹凸を付与された後に、起毛処理される。このとき
の起毛処理の方法としては、前記した繊維基材の起毛処
理方法と同様の方法で処理することができるが、表面に
付与したコラーゲン粉末を全て研削除去してしまうと、
無黄変タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂にコ
ラーゲン粉末を含有させる意味が無くなるので、あまり
強い条件で起毛処理することは避けなければならないこ
とは言うまでもなく、例えば、研削作用の緩やかなサン
ドペーパーやブラシ等を用いて軽く起毛処理するのが好
ましい。
【0020】また、表面全体を均一に起毛処理せずに、
繊維立毛部と繊維立毛の殆どない部分とが混在した表
面、即ち、繊維立毛部と非繊維立毛部が明確に区分けさ
れておらず混然一体となって混じり合っている状態とす
ると、より天然皮革に類似したヌバック調シートを得る
ことができる。更に、起毛処理を施すことにより、無黄
変タイプポリカーボネート系ポリウレタン樹脂に混入さ
れたコラーゲン粉末が、表面に露出し、より一層天然皮
革に類似した表面感覚を得ることができる。
【0021】また、本発明のヌバック調シートは、上記
の工程の任意の段階において、通常の染色処理、揉み処
理を施したり、あるいは帯電防止剤、柔軟化剤等の各種
処理剤による処理を施すこともできる。特に、コラーゲ
ン粉末を含有する無黄変タイプポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂組成物を染色すると、コラーゲンが染色さ
れ、色の深みが増し、特に好ましい態様のヌバック調シ
ートを得ることができる。このときの染色方法として
は、金属錯塩染料、酸性染料、分散染料などを使用し
て、ウインス染色法、ジッガー染色法、高温高圧染色法
等の方法を用いることができる。
【0022】
【作用】本発明で得られるヌバック調シートは、耐久性
に優れ、良好な通気性、透湿性及び吸放湿性を有し、天
然皮革のもつさらっとした質感と、天然皮革に酷似した
スムーズでナチュラルな感触を有し、見た目にも重厚感
がある。
【0023】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本願発明を更
に詳細に説明する。
【0024】〔実施例1〕フロントに単糸繊度が0.6
デニールのマルチフィラメントからなるポリエステル系
繊維とミドルおよびバックに単糸繊度が2デニールのマ
ルチフィラメントからなるポリエステル系繊維とを縦編
みに編成し、グレーに染色した厚味0.75mmの片面
起毛を有する繊維基材の表面上にナイフコーターにて、
表1に示す組成からなるコラーゲン粉末を含有する無黄
変タイプのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂溶液
を、ポリウレタン固形分が22g/m2 (ポリウレタン
付着量は繊維に対し約7.5%)で、コラーゲン22g
/m2 となるように塗布し、次いで該繊維基材をジメチ
ルホルムアミド13%水溶液(液温20℃)中に浸漬し
てポリウレタン樹脂を凝固させた後、60℃の温水中で
脱溶媒、洗浄し、乾燥してシート材を得た。得られたシ
ート材は厚味0.85mmで柔軟性に優れるものであっ
た。
【表1】 レザミン CNU650−20*1 100重量部 トリアゼット CX240−1*2 20重量部 ジメチルホルムアミド 60重量部 着色剤 15重量部 凝固調節剤 2重量部 *1 大日精化社製(NV20%、100%モジュラス
=60kg/cm2 ) *2 昭和電工社製(平均粒径16μm)
【0025】得られたシート材の表面に皮絞模様のエン
ボスロールにて加熱エンボス加工を行なった後、表面を
320メッシュのサンドペーパーにて軽くバフィングす
ることにより、厚味0.65mmのヌバック調のシート
材を得た。得られたヌバック調のシート材は、天然皮革
のもつさらっとした質感と天然皮革に類似のスムースで
自然なタッチを有し、且つ天然皮革のヌバック調の外観
とタッチに非常に近似したものであって、耐加水分解、
耐光性、耐熱性に優れ、良好な通気性、透湿性、吸放湿
性を有するものであった。
【0026】〔実施例2〕フロントに0.4デニールの
ハイマルチフィラメントからなるポリエステル繊維、ミ
ドルとバックに単糸繊度2デニールのマルチフィラメン
トからなるポリエステル繊維とを縦編みに編成し、茶色
に染色した厚味0.9mmの片面起毛を有する繊維基材
の起毛面上に、表2に示す組成からなるコラーゲン粉末
を有する無黄変タイプポリウレタン樹脂溶液を、ナイフ
コーターにてポリウレタン固形分19g/m2 (ポリウ
レタン付着量は繊維に対して5%)、コラーゲン固形分
29g/m2 となるように塗布して、次いで繊維基材を
ジメチルホルムアミド13%水溶液(温度20℃)中に
浸漬して凝固させた。該繊維基材を更に60℃の温水中
で脱溶媒、洗浄し、乾燥させてシート材を得た。このシ
ート材は、厚味が0.95mmで柔軟性に優れるもので
あった。
【表2】 クリスボン MP−303*3 100重量部 トリアゼット CX260−1*4 30重量部 ジメチルホルムアミド 80重量部 着色剤 15重量部 凝固調節剤 2.5重量部 *3 大日本インキ社製(NV20%、100%モジュ
ラス=45kg/cm2) *4 昭和電工社製(平均粒径9μm)
【0027】上記のようにして得られたシート材の表面
に毛穴絞模様のエンボスロールで加熱加圧エンボス加工
を行い、皮革様シート材を得た。この皮革様シート材の
表面を320メッシュのサンドペーパーにて軽くバフィ
ングすることにより、厚味0.7mmのヌバック調シー
ト材を得た。得られたヌバック調シート材は、天然皮革
のもつさらっとした質感と、天然皮革に類似した自然な
タッチを有しており、更に天然皮革のヌバック調の外観
とタッチと非常に類似したものであって、かつ耐加水分
解性、耐光性、耐熱性に優れ、なおかつ良好な通気性、
透湿性及び吸放湿性を有していた。
【0028】〔実施例3〕単糸繊度0.2デニールのポ
リエステエル繊維および0.2デニールのポリアミド繊
維よりなる絡合不織布にグレー系着色剤を含むポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂の15%ジメチルホルムア
ミド溶液に含浸し、温度20℃の13%ジメチルホルム
アミド水溶液中で凝固、脱溶媒して絡合不織布にポリウ
レタン樹脂微多孔質を含有してなる繊維基材を得た。得
られた繊維基材をグレー系染料を使用して高温高圧染色
法で染色し、240メッシュのサンドペーパーにて起毛
処理を行い、繊維立毛表面を有する繊維基材を得た。
【0029】上記のようにして得られた繊維基材の繊維
立毛表面にナイフコーターにて表3に示す組成からなる
コラーゲン微粉末を含有する無黄変タイプポリカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂溶液をポリウレタン樹脂固形分
31g/m2 (ポリウレタン付着量は繊維に対して11
%)、コラーゲン粉末固形分42g/m2 となるように
塗布し、次いで繊維基材をジメチルホルムアミド13%
水溶液(液温度20℃)中に浸漬して凝固し、更に60
℃の温水中で脱溶媒、洗浄し、乾燥して厚味1.0mm
のシート材を得た。
【表3】 レザミン CNU530*5 100重量部 トリアゼット CX240−1*2 40重量部 ジメチルホルムアミド 100重量部 着色剤 20重量部 凝固調節剤 3重量部 *5 大日精化社製(NV30%、100%モジュラス
=50kg/cm2
【0030】上記のようにして得られたシート材の表面
に皮絞模様のエンボスロールで加熱加圧エンボスを行い
皮革様シート材を得た。この皮革様シート材の表面を2
40メッシュのサンドペーパーで軽くバフィングを行
い、更に揉み処理して仕上げて厚味0.9mmのヌバッ
ク調シート材を得た。得られたヌバック調シート材は、
天然皮革のもつさらっとした質感と、天然皮革に類似し
た自然なタッチを有しており、更に天然皮革のヌバック
調の外観とタッチと非常に類似したものであって、かつ
耐加水分解性、耐光性、耐熱性に優れ、なおかつ良好な
通気性、透湿性及び吸放湿性を有していた。
【0031】
【発明の効果】本発明で得られるヌバック調シートは、
耐久性に優れ、良好な通気性、透湿性及び吸放湿性を有
し、天然皮革のもつさらっとした質感と、天然皮革に酷
似したスムーズでナチュラルな感触を有し、見た目にも
重厚感がある。従って、家具や車輌内装材の素材として
好適に使用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材上に、ポリウレタン樹脂を塗
    布、含浸させた後、該ポリウレタン樹脂を湿式凝固させ
    ることにより得られるシート材の表面を起毛処理して得
    られるヌバック調の外観を有するシート材であって、前
    記繊維基材が起毛処理された繊維基材で、且つ前記ポリ
    ウレタン樹脂が平均粒径20μm以下のコラーゲン粒子
    を含有する無黄変タイプのポリカーボネート系ポリウレ
    タン樹脂であることを特徴とするヌバック調の外観を有
    するシート材。
  2. 【請求項2】 起毛処理を施された繊維基材の起毛部を
    構成する繊維の繊度が、1デニール以下であることを特
    徴とする請求項1記載のヌバック調の外観を有するシー
    ト材。
  3. 【請求項3】 無黄変タイプのポリカーボネート系ポリ
    ウレタン樹脂層の表面に起毛処理を施す前に、エンボス
    加工によって表面凹凸を形成したことを特徴とする請求
    項1記載のヌバック調の外観を有するシート材。
  4. 【請求項4】 起毛処理された繊維基材上に平均粒径2
    0μm以下のコラーゲン粒子を含有する無黄変タイプの
    ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を塗布、含浸さ
    せ、非溶剤中にてポリウレタン樹脂を湿式凝固させて得
    られるシート材表面に、エンボス加工により凹凸を形成
    させた後、起毛処理を施すことを特徴とするヌバック調
    の外観を有するシート材の製造方法。
JP15620093A 1993-06-02 1993-06-02 ヌバック調の外観を有するシート材およびその製造方法 Pending JPH06346379A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100371525C (zh) * 2006-04-06 2008-02-27 孟永华 纳米会呼吸多功能面料的制备方法
JP2016121420A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 日産自動車株式会社 表皮材
CN107164970A (zh) * 2017-06-15 2017-09-15 泉州众信超纤科技股份有限公司 胶原蛋白复合宝岛绒面超纤皮及其制备工艺

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