JP3009346B2 - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物およびその製造方法

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JP3009346B2 JP7242422A JP24242295A JP3009346B2 JP 3009346 B2 JP3009346 B2 JP 3009346B2 JP 7242422 A JP7242422 A JP 7242422A JP 24242295 A JP24242295 A JP 24242295A JP 3009346 B2 JP3009346 B2 JP 3009346B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴胛材、靴裏中敷
材、衣料等の素材として好適に用いられる通気性および
透湿性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、靴胛材、靴裏中敷材、衣料等
の素材として、天然皮革を模した皮革様シート状物、即
ち、繊維基材にポリウレタン樹脂の湿式多孔質層、乾式
多孔質層、あるいは乾式発泡層を形成した後、天然皮革
の銀面に相当する表面層をラミネート法、スプレー法、
グラビア法等の手段にて形成した皮革様シート状物が多
く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の皮革様
シート状物は、その製法上および構造上、通気性および
透湿性に劣るものであった。従って、このような皮革様
シート状物を靴胛材、靴裏中敷材等に使用すると、着用
時において足が蒸れるなどの問題が生じていた。本発明
は、上記の欠点を解決するためになされたものであっ
て、天然皮革に酷似した外観および感触を有するのみな
らず、通気性および透湿性をも付与した皮革様シート状
物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の皮革様シート状物は、繊維基材、ポ
リウレタン樹脂層、および表面仕上げ層を有する皮革様
シート状物であって、該ポリウレタン樹脂層が、繊維基
材上に平均粒径5〜100μmの極性溶剤に可溶でかつ
非極性溶剤に不溶な合成樹脂微粒子を含有するポリウレ
タン樹脂溶液を含浸および/または塗布し、湿式凝固し
て得られる表面に多数の通気孔を有するポリウレタン樹
脂層であることを特徴とするものである。
【0005】また、上記課題を解決するためになされた
本発明の皮革様シート状物の製造方法は、繊維基材に平
均粒径5〜100μmの、極性溶剤に可溶で、かつ非極
性溶剤に不溶な合成樹脂微粒子を含有するポリウレタン
樹脂溶液を含浸および/または塗布する工程、ポリウレ
タン樹脂溶液を含浸および/または塗布した繊維基材を
非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿式凝固、脱溶
媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細な多数の通気
孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形成する工程、
表面仕上げする工程、とからなることを特徴とするもの
である。
【0006】本発明で使用される繊維基材としては、例
えば、単糸繊度が2デニール以下の繊維で作られた編
布、織布あるいは絡合不織布等が挙げられる。上記の絡
合不織布は、ニードルパンチや高速流体流により絡合処
理された不織布であり、必要に応じてポリウレタン樹脂
や合成ゴム等の弾性重合体が付与されているものであ
る。また、繊維基材として編布あるいは織布を使用する
場合にあっては、少なくともポリウレタン樹脂溶液を含
浸および/または塗布する面が起毛または立毛加工され
たものが好ましい。更に、繊維基材の重量は特に限定さ
れるものではなく、皮革様シート状物の用途によって適
宜選定される。例えば、靴用の素材として使用される場
合には、200〜400g/m2 程度の繊維基材が用い
られる。
【0007】繊維基材を構成する繊維としては、例えば
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維、
綿、麻等の天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の
再生繊維の単独あるいはこれらの混紡繊維や、少なくと
も一成分を溶解除去したり二成分繊維を分割したりする
ことによって極細繊維に変成された多成分繊維等を用い
ることができる。
【0008】上記の繊維基材は、得られる皮革様シート
状物の風合いを向上させる目的で、ポリウレタン樹脂溶
液を塗布および/または含浸に先立ってポリビニルアル
コールやシリコーン、あるいはこれらの混合物などを繊
維表面に固着させたものであってもよい。このときのポ
リビニルアルコール等の付着量としては、繊維基材に対
して1〜15重量%程度である。また、繊維基材は、得
られるシート状物の表面平滑性を向上させる目的で、面
平滑化加工したものであってもよい。
【0009】本発明に使用されるポリウレタン樹脂は、
平均分子量500〜3000のポリオール、例えばポリ
エステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リエステル・エーテル系ポリオール、ポリカプロラクト
ン系ポリオール、ポリメチルバレロラクトン系ポリオー
ル、ポリカーボネート系ポリオール等から選ばれる一種
以上のポリオール成分;芳香族ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基
を有する脂肪族ジイソシアネート等から選ばれる一種以
上のイソシアネート成分;および活性水素原子を少なく
とも二個有する低分子化合物、例えば、脂肪族ジオー
ル、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミ
ン、ヒドラジン誘導体などから選ばれる一種以上の鎖伸
長剤とを反応させて得られるものである。また、これら
のポリウレタン樹脂は、例えばアミノ酸、シリコーン、
フッ素等と反応させて得た変性ポリウレタン樹脂であっ
てもよい。上記のポリウレタン樹脂の組成は、皮革様シ
ート状物の指向する用途や目的に応じて適宜選定するこ
とができる。
【0010】上記のポリウレタン樹脂は、100%モジ
ュラスが10〜120kg/cm2のものが好ましい。
100%モジュラスが小さすぎると得られる皮革様シー
トの機械的強度が低下し、逆に100%モジュラスが大
きすぎると得られる皮革様シートの風合いが硬くなる。
【0011】上記のポリウレタン樹脂は、必要に応じて
各種添加剤、例えば凝固調節剤(界面活性剤)、着色
剤、充填剤、酸化防止剤、撥水・撥油剤等を添加し、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、特
に好ましくはジメチルホルムアミドに溶解され、適宜濃
度のポリウレタン樹脂溶液とされる。
【0012】本発明の皮革様シートにおいては、通気性
および透湿性を付与するために、上記のポリウレタン樹
脂溶液に、極性溶剤に可溶でかつ非極性溶剤に不溶な合
成樹脂微粒子が添加される。この合成樹脂微粒子を構成
する合成樹脂として特に好ましくは、ポリアクリロニト
リル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリメチルメ
タクリレート系樹脂である。尚、ここでいう極性溶剤と
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド等のポリウレタン樹脂溶液の溶剤と
して一般的に使用される溶剤で、非極性溶剤とは、メタ
ノール、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン等の
一般溶剤をいう。
【0013】合成樹脂微粒子は、極性溶剤であるポリウ
レタン樹脂の溶剤に溶解し、しかも溶液状態でポリウレ
タン樹脂溶液とは均一に混合しないで、相分離してい
る。このことにより、ポリウレタン樹脂の湿式凝固時に
合成樹脂微粒子が凝固核剤として働き、ポリウレタン樹
脂層表面にポリウレタン樹脂層内部の微多孔と連通した
微細な通気孔を形成させる。従って、この合成樹脂微粒
子を含有するポリウレタン樹脂溶液を塗布および/また
は含浸させた後、ポリウレタン樹脂を湿式凝固させるこ
とによって、ポリウレタン樹脂層表面に適度な大きさの
通気孔、具体的には径が1〜60μm程度の通気孔が形
成され、皮革様シートに通気性および透湿性が付与され
る。
【0014】本発明者等の知見によると、上記の合成樹
脂微粒子は、ポリウレタン樹脂溶液中に溶解するが、得
られる皮革様シート状物のポリウレタン樹脂層表面に発
現する気孔の大きさは、ポリウレタン樹脂溶液に添加す
る合成樹脂微粒子の大きさと略比例関係にある。従っ
て、本発明の皮革様シートで使用される合成樹脂微粒子
は、皮革様シート状物のポリウレタン樹脂層表面に適度
な大きさ通気孔を形成するための大きさ、具体的には平
均粒径5〜100μm、好ましくは10〜70μmの範
囲にあることが肝要である。平均粒径が5μm未満の合
成樹脂微粒子を使用すると、合成樹脂微粒子が凝集して
しまうといった問題や、ポリウレタン樹脂層表面に発現
する通気孔が小さくなりすぎて、通気性および透湿性が
充分に付与されないといった問題があり、平均粒径が1
00μmを超える合成樹脂微粒子を使用すると、ポリウ
レタン樹脂層表面に形成される気孔が大きくなりすぎて
耐水性が悪化するといった問題がある。
【0015】上記の合成樹脂微粒子の添加量は、ポリウ
レタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部、好ま
しくは5〜20重量部程度である。合成樹脂微粒子の添
加量が少なすぎると、通気性および透湿性が充分に付与
されないといった問題があり、逆に合成樹脂微粒子の添
加量が多すぎるとポリウレタン樹脂層の機械的強度が悪
化する。
【0016】また、通気孔からの水の浸透、汚れの付着
等を防止する目的で、上記のポリウレタン樹脂層には、
ポリウレタン樹脂層を形成する全重合体中のフッ素含有
量が0.02〜1.6重量%、好ましくは0.07〜
1.0重量%となる範囲で、含フッ素ポリウレタン樹脂
を添加することもできる。なお、フッ素含有量が高すぎ
ると、撥水・撥油効果が大きくなりすぎ、後工程の表面
仕上げが困難となり、また、得られた皮革様シートの機
械的強度が悪化する虞がある。
【0017】ポリウレタン樹脂層の表面に形成される表
面仕上げ層は、従来の皮革様シートと同様に、通常のグ
ラビアロールコーター等にて着色剤、各種添加剤を含有
するポリウレタン樹脂溶液、ポリアミド樹脂溶液、アク
リル系樹脂溶液、ポリアミノ酸樹脂溶液、あるいはこれ
らの混合溶液などの表面処理剤を塗布する等の手段にて
形成される。尚、表面処理剤の塗布量は、ポリウレタン
樹脂層表面に形成された通気孔を塞がないように付着量
は少なめとするのが望ましい。具体的には、一回あたり
の塗布量を、固形分が5g/m2 以下とし、これを数回
繰り返して総付着量を5〜20g/m2 以下とするのが
望ましい。また、このとき使用される表面処理剤に使用
される溶剤として、ポリウレタン樹脂層を溶解して表面
に形成された通気孔を塞がないような溶剤を選択して使
用することは言うまでもない。
【0018】表面仕上げ層としては、上記のように、グ
ラビアロールコーター等で着色剤、各種添加剤を含有す
るポリウレタン樹脂溶液等の表面処理剤を塗布すること
によって形成されたもののみに限定されず、上記表面処
理剤を塗布する前に必要に応じて形成されるバインダー
層を介して、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、また
はこれらの共重合樹脂を主体とする転写箔あるいは前記
の樹脂の混合物を主体とする転写箔を転写し、その上
に、さらに上記の表面処理剤を塗布することによって形
成されたものであってもよい。このように、ポリウレタ
ン表面処理層とポリウレタン樹脂層との間に転写箔を介
して形成される表面仕上げ層を設けることにより、表面
平滑化が可能となり、柄プリント、エンボス加工等が容
易となる。従って、意匠性に富む皮革様シートを得るこ
とができる。また、天然皮革様の折れ皺が発生し、外観
的に天然皮革に酷似した皮革様シート状物を得ることが
できる。
【0019】上記の転写箔はポリウレタン樹脂、アクリ
ル系樹脂またはこれらの共重合樹脂を主体とするか或い
は前記の樹脂の混合物を主体とする厚さ1〜20μmの
フイルムであって、その形状としては、フイルム単独ま
たはPETフィルム、離型紙等の離型性を有する支持体
上に保持されたフイルムのいずれであってもよい。また
転写箔としては、ポリウレタン樹脂表面層に形成した通
気孔を塞いだ転写箔を、ポリウレタン樹脂表面処理剤を
塗布することにより、通気項を再現出させるため、後で
塗布するポリウレタン表面処理剤に使用する溶剤に可溶
なものを選択することが必要である。
【0020】転写箔をポリウレタン樹脂層表面に転写す
る前に、必要に応じて設けられるバインダー層として
は、ポリウレタン樹脂層表面の通気孔の形状ができるだ
け保たれるように、水系のポリウレタン樹脂、アクリル
系樹脂等の使用が望ましい。上記のバインダー層を設け
ることにより、ポリウレタン樹脂層と転写箔との密着性
を向上させることができる。
【0021】上記の必要に応じて設けられるバインダー
層、転写箔、ポリウレタン表面処理層とからなる表面仕
上げ層においては、少なくとも最終的に得られる皮革様
シート状物には、表面に1〜50μm径の通気孔が現出
し、通気性、透湿性が確保される。
【0022】本発明の皮革様シート状物は、従来の皮革
様シートと同様、必要に応じて型押しロール等によるエ
ンボス加工や揉み加工などの二次加工を施すことも可能
である。特に、揉み加工を施すことにより、ポリウレタ
ン樹脂層内部に残留する合成樹脂微粒子の離脱が促進さ
れるため、得られる皮革様シート状物の通気性がより向
上するといった効果が得られる。この揉み加工は、通常
天然皮革、人工皮革等の仕上げに用いられるステーキン
グマシン、ヤマサ揉み機(株式会社「ヤマサもみ企画」
製〕等が使用できる。尚、この揉み加工は、表面仕上げ
層を形成する前に施してもよいし、表面仕上げ層を形成
した後に施してもよい。
【0023】次に、本発明の皮革様シートの製造方法に
ついて説明する。
【0024】まず、必要に応じて起毛または立毛処理、
ポリビニルアルコール等の固着、あるいは面平滑化加工
した繊維基材に、上記の合成樹脂微粒子を添加したポリ
ウレタン樹脂溶液を塗布および/または含浸させる。ポ
リウレタン樹脂溶液を塗布および/または含浸させる手
段としては、従来のものと同様、例えばディッピング、
ナイフコーター等による塗布等が挙げられる。
【0025】次いで、ポリウレタン樹脂溶液を塗布およ
び/または含浸させた繊維基材を水やポリウレタン樹脂
溶液で用いた溶剤の水溶液、好ましくはジメチルホルム
アミドの0〜20%水溶液等の非溶剤中に浸漬してポリ
ウレタン樹脂を凝固、脱溶媒した後、水洗、乾燥する。
このときのポリウレタン樹脂の凝固温度は、15〜40
℃の範囲で適宜選定されるのが好ましい。この工程によ
って、ポリウレタン樹脂層表面に適度な通気孔が形成さ
れる。
【0026】更に、上記のポリウレタン樹脂層上に、従
来より行われているグラビアロールコーター等にて着色
剤、各種添加剤を含有するポリウレタン樹脂溶液、ポリ
アミド樹脂溶液、アクリル系樹脂溶液、ポリアミノ酸樹
脂溶液あるいはこれらの樹脂の混合溶液などの表面処理
剤を塗布し、表面仕上げを施し、皮革様シート状物を得
る。
【0027】また、転写箔およびポリウレタン樹脂表面
処理層とから表面仕上げ層を形成する場合には、まず、
転写箔をポリウレタン樹脂層表面に加熱圧着して転写
し、次いで、ポリウレタン樹脂表面処理剤を塗布するこ
とによっても皮革様シート状物を得る。このとき、転写
箔の転写前に、ポリウレタン樹脂層表面にグラビアロー
ルコーター等にて水系のポリウレタン樹脂、アクリル系
樹脂等のバインダーを塗布してもよい。
【0028】更に、従来の皮革様シート状物と同様に、
得られた皮革様シート状物に、型押しロール等によるエ
ンボス加工を施して皮革様シート表面に凹凸を付与した
り、揉み加工を施す等の二次加工を施すことも可能であ
る。特に、本発明の皮革様シート状物の製造方法におい
ては、通気性を向上させる上で揉み加工は有効である。
この揉み加工は、従来と皮革様シート状物の場合と同様
の条件で行うことができる。また、揉み加工は表面仕上
げ層を形成前または/および表面仕上げ層形成後に行う
ことができる。
【0029】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定さ
れるものではない。
【0030】〔実施例1〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が1.0デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量250g/m2 、見掛け密度
0.25g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)3重量部、
水95重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率120%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
10分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2
分間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0031】得られた繊維基材に、表1に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量700g/m2 )させた後、表2に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量800g/m2 )した。
【0032】
【表1】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 ポリアクリロニトリル系樹脂微粒子 *2 3重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 130重量部 *1 クリスボン8006HV:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス35kg/cm2 ,固形分30%) *2 タフチックAM:東洋紡績社製 (平均粒径7〜10μm)
【0033】
【表2】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 ポリアクリロニトリル系樹脂微粒子 *2 5重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 55重量部
【0034】次いで、ジメチルホルムアミド13%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には5〜50μm径の通気孔が多数形成さ
れていた。
【0035】更に、ポリウレタン樹脂層上に着色剤を添
加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、100メッシュ
のグラビアロールにて4回塗布した後、表面に皮絞模様
のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施し
皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状物
は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有して
おり、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるものであ
った。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿
度、耐水度について、下記の方法にて試験した。結果を
表9に示す。
【0036】〔試験方法〕 (1)通気度 「JIS P 8117」に規定される方法に準じ、ガ
ーレのデンソメーターを使用して測定し、1時間当たり
通過する空気量(L/cm2 ・hr)に換算した。 (2)透湿度 「JIS Z 0208」に規定される条件Bの方法に
準じ、透湿度(g/m2 ・24hr)を測定した。 (3)耐水度 「JIS L 1092」に規定されるA法に準じ、耐
水圧水柱(mmH2 O)を測定した。
【0037】〔実施例2〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が0.2デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量200g/m2 、見掛け密度
0.23g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)3重量部、
水95重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率120%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
7分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2分
間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0038】得られた繊維基材に、表3に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量600g/m2 )させた後、表4に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量680g/m2 )した。
【0039】
【表3】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 ポリメチルメタクリレート系樹脂微粒子 *4 3重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 125重量部 *3 レザミンCU4310:大日精化社製 (100%モジュラス40kg/cm2 ,固形分26%) *4 テクポリマーMB−20:積水化成品社製 (平均粒径5〜100μm)
【0040】
【表4】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 ポリメチルメタクリレート系樹脂微粒子 *4 3重量部 含フッ素ポリウレタン樹脂 *5 1重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 2重量部 シリコーン系整泡剤 1重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 50重量部 *5 クリスボンアシスターFX3D:大日本インキ化学工業社製
【0041】次いで、ジメチルホルムアミド13%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には10〜30μm径の気孔が多数形成さ
れていた。
【0042】更に、ポリウレタン樹脂層上に着色剤を添
加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、100メッシュ
のグラビアロールにて4回塗布した後、表面に毛穴絞模
様のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
し、更に揉み処理を行って皮革様シート状物を得た。得
られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰と
ソフトな風合いを有しており、通気性、透湿性、耐水性
ならびに防汚性に優れるものであった。また、得られた
皮革様シート状物の通気度、透湿度、耐水度について、
実施例1と同様の方法にて試験した。結果を表9に示
す。
【0043】〔実施例3〕ポリエステル繊維(1.2デ
ニール)とレーヨン繊維(1デニール)を混紡(重量比
65/35)して、綾織に織成した両面起毛布に、シリ
コーン(ゲラネックスSH:松本油脂社製)2重量部、
ポリビニルアルコール(ゴーセルールGL−05:日本
合成社製)3重量部、水95重量部からなる処理液に浸
漬し、絞り率110%で搾液して、熱風循環式乾燥機に
て100〜130℃で10分間乾燥した後、180℃に
加熱したロールにて2分間加圧圧着して面平滑加工を施
し繊維基材を得た。
【0044】得られた繊維基材に、表5に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量600g/m2 )させた後、表6に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量750g/m2 )した。
【0045】
【表5】 ポリエステル/エーテル系ポリウレタン樹脂 *6 100重量部 ポリメタクリレート系樹脂微粒子 *7 2重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 130重量部 *6 クリスボンMP−145:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス40kg/cm2 ,固形分30%) *7 マツモトマイクロスフェアーM:松本油脂製薬社製 (平均粒径5〜20μm)
【0046】
【表6】 ポリエステル/エーテル系ポリウレタン樹脂 *6 100重量部 ポリメタクリレート系樹脂微粒子 *7 4重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 2重量部 シリコーン系整泡剤 1重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 55重量部
【0047】次いで、ジメチルホルムアミド12%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には5〜30μm径の気孔が多数形成され
ていた。
【0048】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、100メッシ
ュのグラビアロールにて4回塗布した後、表面に皮絞模
様のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
して皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状
物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有し
ており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるもので
あった。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透
湿度、耐水度について、実施例1と同様の方法にて試験
した。結果を表9に示す。
【0049】〔実施例4〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が1.0デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウエッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量350g/m2 、見掛け密度
0.23g/cm3 )に、ポリビニルアルコール(ゴー
セノールGL−05:日本合成社製)4重量部、水96
重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率120%で搾液
して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で10分
間乾燥した後 、180℃に加熱したロールにて2分間
加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0050】得られた繊維基材に、表7に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量850g/m2 )させた後、表8に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量750g/m2 )した。
【0051】
【表7】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *8 100重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 200重量部 *8 クリスボン8006HV:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス35kg/cm2 ,固形分30%)
【0052】
【表8】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *8 100重量部 ポリアクリロニトリル系樹脂微粒子 *9 5重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 58重量部 *9 タフチックA20:東洋紡績社製 (平均粒径25μm)
【0053】次いで、ジメチルホルムアミド13%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には5〜60μm径の気孔が多数形成され
ていた。
【0054】このポリウレタン樹脂層面に水系バインダ
ーとしてポリウレタン樹脂溶液(Dispercoll U−5
3:バイエル社製)を、100メッシュのグラビアロー
ルにて1回塗布して乾燥した。
【0055】次に、ポリエステルフイルムに厚さ3.5
μmのアクリル酸エステル樹脂が塗布されてなる転写箔
(SUPER LUCIDO:MENPHIS社製)
を、バインダーが塗布されたポリウレタン樹脂層面に加
熱ロールにて140℃に加熱しながら圧着して貼り合わ
せた。その後ポリエステルフイルムを剥離してポリウレ
タン樹脂層表面に転写箔が形成されたシート状物を得
た。
【0056】更に、このシート状物のポリウレタン樹脂
層表面に形成された転写箔上に着色剤を添加したポリウ
レタン樹脂表面処理剤を、100メッシュのグラビアロ
ールにて3回塗布した後、表面に皮絞模様のエンボスロ
ールにて加熱加圧してエンボス加工を施し皮革様シート
状物を得た。
【0057】得られた皮革様シート状物は、一体感があ
り、適度な腰とソフトな風合い及び天然皮革様の折れ皺
感を有しており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れ
るものであった。また、得られた皮革様シート状物の通
気度、透湿度、耐水度について、下記の方法にて試験し
た。結果を表9に示す。
【0058】〔実施例5〕ポリウレタン樹脂表面処理剤
を塗布する前に、バイブレーションステーキングマシン
(CARTIGLIANO社製)を用いて2回揉み加工
を施す以外は実施例1と同様にして皮革様シート状物を
得た。得られた皮革様シート状物は、一体感があり、適
度な腰とソフトな風合い及び天然皮革様の折れ皺感を有
しており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるもの
であった。また、得られた皮革様シート状物の通気度、
透湿度、耐水度について、下記の方法にて試験した。結
果を表9に示す。
【0059】〔実施例6〕ポリウレタン樹脂表面処理剤
を塗布する前に、ヤマサ揉み機(ヤマサもみ企画社製)
を用いて、皮革様シートの表面同志を合わせて1回揉み
加工を施す以外は実施例2と同様にして皮革様シート状
物を得た。得られた皮革様シート状物は、一体感があ
り、適度な腰とソフトな風合い及び天然皮革様の折れ皺
感を有しており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れ
るものであった。また、得られた皮革様シート状物の通
気度、透湿度、耐水度について、下記の方法にて試験し
た。結果を表9に示す。
【0060】〔実施例7〕ポリウレタン樹脂表面処理剤
を塗布する前に、バイブレーションステーキングマシン
(CARTIGLIANO社製)を用いて2回揉み加工
を以外は実施例3と同様にして皮革様シート状物を得
た。得られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度
な腰とソフトな風合い及び天然皮革様の折れ皺感を有し
ており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるもので
あった。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透
湿度、耐水度について、下記の方法にて試験した。結果
を表9に示す。
【0061】〔実施例8〕ポリウレタン樹脂層面にポリ
ウレタン樹脂溶液を塗布する前に、バイブレーションス
テーキングマシン(CARTIGLIANO社製)を用
いて2回揉み加工を施し、かつポリウレタン樹脂層表面
に転写箔を転写した後に、上記と同様の揉み加工を施す
以外は実施例4と同様にして皮革様シート状物を得た。
得られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰
とソフトな風合い及び天然皮革様の折れ皺感を有してお
り、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるものであっ
た。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿
度、耐水度について、下記の方法にて試験した。結果を
表9に示す。
【0062】〔比較例1〕ポリアクリロニトリル系樹脂
微粒子を、表1、表2に示すポリウレタン樹脂溶液に添
加しない以外は、実施例1と同様にして皮革様シート状
物を得た。得られた皮革様シート状物は、一体感があ
り、適度な腰とソフトな風合いを有していたが、通気性
および透湿性に劣るものであった。また、得られた皮革
様シート状物の通気度、透湿度、耐水度について、実施
例1と同様の方法にて試験した。結果を表9に示す。
【0063】〔比較例2〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリアクリロニトリル系樹脂微粒
子の添加量を0.1重量部に変える以外は、実施例1と
同様にして皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シ
ート状物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合い
を有していたが、通気性および透湿性に劣るものであっ
た。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿
度、耐水度について、実施例1と同様の方法にて試験し
た。結果を表9に示す。
【0064】〔比較例3〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリアクリロニトリル系樹脂微粒
子を、極性溶剤に不溶な平均粒径20μmの架橋合成樹
脂(タフチックAR:東洋紡績社製)に代える以外は、
実施例1と同様にして皮革様シート状物を得た。得られ
た皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰とソフ
トな風合いを有していたが、通気性および透湿性に劣る
ものであった。また、得られた皮革様シート状物の通気
度、透湿度、耐水度について、実施例1と同様の方法に
て試験した。結果を表9に示す。
【0065】〔比較例4〕表3、表4に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリメチルメタクリレート系樹脂
微粒子を、平均粒径1〜2μmのもの(MP−140
0:総研化学社製)に代える以外は、実施例2と同様に
して皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状
物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有し
ていたが、通気性および透湿性に劣るものであった。ま
た、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿度、耐水
度について、実施例1と同様の方法にて試験した。結果
を表9に示す。
【0066】〔比較例5〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリアクリロニトリル系樹脂微粒
子を、平均粒径1000〜2000μmのもの(タフチ
ックN−23:東洋紡績社製)に代える以外は、実施例
1と同様にして皮革様シート状物を得た。得られた皮革
様シート状物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風
合いを有しており、通気性および透湿性にも優れるもの
であったが、耐水性に劣るものであった。また、得られ
た皮革様シート状物の通気度、透湿度、耐水度につい
て、実施例1と同様の方法にて試験した。結果を表9に
示す。
【0067】
【表9】
【0068】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の皮革様
シート状物および本発明の皮革様シート状物の製造方法
によって得られる皮革様シート状物は、通気性および透
湿性に優れ、かつ耐水性にも優れるものであって、蒸れ
の発生が問題となる用途、例えば靴胛材、靴裏中敷材、
衣料等の素材として好適に用いられるものである。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、ポリウレタン樹脂層、および
    表面仕上げ層を有する皮革様シート状物において、ポリ
    ウレタン樹脂層が、繊維基材上に平均粒径5〜100μ
    mの極性溶剤に可溶でかつ非極性溶剤に不溶な合成樹脂
    微粒子を含有するポリウレタン樹脂溶液を含浸および/
    または塗布し、湿式凝固して得られる表面に多数の通気
    孔を有するポリウレタン樹脂層である皮革様シート状
    物。
  2. 【請求項2】 合成樹脂微粒子が、ポリアクリロニトリ
    ル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリメチルメタ
    クリレート系樹脂から選ばれる一種以上の樹脂からなる
    請求項1記載の皮革様シート状物。
  3. 【請求項3】 表面仕上げ層が、ポリウレタン樹脂、ア
    クリル系樹脂、またはこれらの共重合樹脂から選ばれる
    一種以上の樹脂を主体とする1〜20μm厚さの転写箔
    および転写箔上に形成されるポリウレタン樹脂表面処理
    層とからなる請求項1または2記載の皮革様シート状
    物。
  4. 【請求項4】 転写箔が、ポリウレタン樹脂表面処理層
    を形成するポリウレタン樹脂表面処理剤に含まれる有機
    溶剤に可溶である請求項3記載の皮革様シート状物。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン樹脂層と転写箔との間にバ
    インダー層を有する請求項3または4記載の皮革様シー
    ト状物。
  6. 【請求項6】 ポリウレタン樹脂層中に、ポリウレタン
    樹脂層を形成する全重合体中のフッ素含有量が0.02
    〜1.6重量%となる範囲で、含フッ素ポリレタン樹脂
    を添加した請求項1〜5いずれか1項記載の皮革様シー
    ト状物。
  7. 【請求項7】 繊維基材に、平均粒径5〜100μmの
    極性溶剤に可溶でかつ非極性溶剤には不溶な合成樹脂微
    粒子を含有するポリウレタン樹脂溶液を含浸および/ま
    たは塗布する工程、 ポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布した繊
    維基材を非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿式凝
    固させ、脱溶媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細
    な多数の通気孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形
    成する工程、 表面仕上げする工程、とからなる皮革様シート状物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 表面仕上げする工程が、 ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、またはこれらの共
    重合樹脂から選ばれる一種以上の樹脂からなる1〜20
    μm厚さの転写箔をポリウレタン樹脂層表面に転写する
    工程、 転写箔上にポリウレタン樹脂表面処理剤を塗布し、ポリ
    ウレタン樹脂表面処理層を形成する工程、とからなる請
    求項7記載の皮革様シート状物の製造方法。
  9. 【請求項9】 転写箔の転写前に、ポリウレタン樹脂層
    表面にバインダーを塗布する工程を含む請求項8記載の
    皮革様シート状物の製造方法。
  10. 【請求項10】 表面仕上げする工程の前または/およ
    び表面仕上げをする工程中または/および表面仕上げす
    る工程の後に、揉み加工を施す請求項7〜9いずれか1
    項記載の皮革様シート状物の製造方法。
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