JP2955205B2 - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靴胛材、靴裏中敷材、
衣料等の素材として好適に用いられる通気性および透湿
性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、靴胛材、靴裏中敷材、衣料等
の素材として、天然皮革を模した皮革様シート状物、即
ち、繊維基材にポリウレタン樹脂の湿式多孔質層、乾式
多孔質層、あるいは乾式発泡層を形成した後、天然皮革
の銀面に相当する表面層をラミネート法、スプレー法、
グラビア法等の手段にて形成した皮革様シート状物が多
く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の皮革様
シート状物は、その製法上および構造上、通気性および
透湿性に劣るものであった。従って、このような皮革様
シート状物を靴胛材、靴裏中敷材等に使用すると、着用
時において足が蒸れるなどの問題が生じていた。本発明
は、上記の欠点を解決するためになされたものであっ
て、天然皮革に酷似した外観および感触を有するのみな
らず、通気性および透湿性をも付与した皮革様シート状
物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の皮革様シート状物は、繊維基材、ポ
リウレタン樹脂層、および表面仕上げ層を有する皮革様
シート状物であって、該ポリウレタン樹脂層が、繊維基
材上に、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂をポリウレタ
ン樹脂100重量部に対し1〜30重量部含有するポリ
ウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布し、湿式凝
固して得られるポリウレタン樹脂層であることを特徴と
するものである。
【0005】また、上記課題を解決するためになされた
本発明の皮革様シート状物の製造方法は、繊維基材に、
塩化ビニル−エチレン共重合樹脂微粉末をポリウレタン
樹脂100重量部に対して1〜30重量部含有するポリ
ウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布する工程、
ポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布した繊
維基材を非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿式凝
固、脱溶媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細な気
孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形成する工程、
表面仕上げする工程、とからなることを特徴とするもの
である。
【0006】本発明で使用される繊維基材としては、例
えば、単糸繊度が2デニール以下の繊維で作られた編
布、織布あるいは絡合不織布等が挙げられる。上記の絡
合不織布は、ニードルパンチや高速流体流により絡合処
理された不織布であり、必要に応じてポリウレタン樹脂
や合成ゴム等の弾性重合体が付与されているものであ
る。また、繊維基材として編布あるいは織布を使用する
場合にあっては、少なくともポリウレタン樹脂溶液を含
浸および/または塗布する面が起毛または立毛加工され
たものが好ましい。更に、繊維基材の重量は特に限定さ
れるものではなく、皮革様シート状物の用途によって適
宜選定される。例えば、靴用の素材として使用される場
合には、200〜400g/m2 程度の繊維基材が用い
られる。
【0007】繊維基材を構成する繊維としては、例えば
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維、
綿、麻等の天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の
再生繊維の単独あるいはこれらの混紡繊維や、少なくと
も一成分を溶解除去したり二成分繊維を分割したりする
ことによって極細繊維に変成された多成分繊維等を用い
ることができる。
【0008】上記の繊維基材は、得られる皮革様シート
状物の風合いを向上させる目的で、ポリウレタン樹脂溶
液を塗布および/または含浸に先立ってポリビニルアル
コールやシリコーン、あるいはこれらの混合物などを繊
維表面に固着させたものであってもよい。このときのポ
リビニルアルコール等の付着量としては、繊維基材に対
して1〜15重量%程度である。また、繊維基材は、得
られるシート状物の表面平滑性を向上させる目的で、面
平滑化加工したものであってもよい。
【0009】本発明に使用されるポリウレタン樹脂は、
平均分子量500〜3000のポリオール、例えばポリ
エステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リエステル・エーテル系ポリオール、ポリカプロラクト
ン系ポリオール、ポリメチルバレロラクトン系ポリオー
ル、ポリカーボネート系ポリオール等から選ばれる一種
以上のポリオール成分;芳香族ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基
を有する脂肪族ジイソシアネート等から選ばれる一種以
上のイソシアネート成分;および活性水素原子を少なく
とも二個有する低分子化合物、例えば、脂肪族ジオー
ル、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミ
ン、ヒドラジン誘導体などから選ばれる一種以上の鎖伸
長剤とを反応させて得られるものである。また、これら
のポリウレタン樹脂は、例えばアミノ酸、シリコーン、
フッ素等と反応させて得た変性ポリウレタン樹脂であっ
てもよい。上記のポリウレタン樹脂の組成は、皮革様シ
ート状物の指向する用途や目的に応じて適宜選定するこ
とができる。
【0010】上記のポリウレタン樹脂は、100%モジ
ュラスが10〜120kg/cm2のものが好ましい。
100%モジュラスが小さすぎると得られる皮革様シー
トの機械的強度が低下し、逆に100%モジュラスが大
きすぎると得られる皮革様シートの風合いが硬くなる。
【0011】上記のポリウレタン樹脂は、必要に応じて
各種添加剤、例えば凝固調節剤(界面活性剤)、着色
剤、充填剤、酸化防止剤、撥水・撥油剤等を添加し、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の溶剤に溶解さ
れ、適宜濃度のポリウレタン樹脂溶液とされる。また、
上記の溶剤のうち、特にジメチルホルムアミドが好まし
い。
【0012】本発明の皮革様シートにおいては、通気性
および透湿性を付与するために、上記のポリウレタン樹
脂溶液に塩化ビニル−エチレン共重合樹脂が添加され
る。この塩化ビニル−エチレン共重合樹脂は、メタノー
ル、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤
には全く不溶あるいは膨潤する程度で溶解しないもので
あるが、ポリウレタン樹脂溶液の溶剤として用いられる
極性溶剤、具体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤には溶
解する。しかも、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂は、
ポリウレタン溶液中では、溶剤に溶解しているものの、
溶液状態でポリウレタン樹脂とは均一に混合しないで相
分離している。このことによって、ポリウレタン樹脂を
湿式凝固させて得られるポリウレタン樹脂層表面に適度
な大きさの気孔、具体的には5〜80μm径の気孔が形
成され、通気性および透湿性が付与される。
【0013】本発明の皮革様シートで使用する塩化ビニ
ル−エチレン共重合樹脂の重合度は、800〜2200
の範囲が好ましい。重合度が低すぎるとポリウレタン樹
脂溶液との相溶性が良くなりすぎて、ポリウレタン樹脂
層表面の気孔が充分に発現しないといった問題や、得ら
れる皮革様シート状物の風合いが硬くなるといった問題
が生じ、逆に重合度が高すぎるとポリウレタン樹脂溶液
との相溶性が低下し、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂
を添加したポリウレタン樹脂溶液の安定性に欠ける。ま
た、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂のエチレン含有率
は、1〜10重量%の範囲であるのが好ましい。エチレ
ン含有率が低すぎるとポリウレタン樹脂溶液との相溶性
が良くなりすぎてポリウレタン樹脂層表面の気孔が充分
に発現せず、逆にエチレン含有率が高くなりすぎると、
ポリウレタン樹脂溶液との相溶性が低下し、塩化ビニル
−エチレン共重合樹脂を添加したポリウレタン樹脂溶液
の安定性に欠ける。
【0014】上記の塩化ビニル−エチレン共重合樹脂の
添加量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して1〜
30重量部、好ましくは3〜15重量部である。塩化ビ
ニル−エチレン共重合樹脂の添加量が少なすぎると、通
気性および透湿性が充分に付与されないといった問題が
あり、逆にポリエチレン微粉末の添加量が多すぎるとポ
リウレタン樹脂層の機械的強度が悪化する。
【0015】ポリウレタン樹脂層の表面に形成される表
面仕上げ層は、従来の皮革様シートと同様に、グラビア
ロールコーター等にて着色剤、各種添加剤を含有するポ
リウレタン樹脂溶液、ポリアミド樹脂溶液、アクリル系
樹脂溶液、ポリアミノ酸樹脂溶液、あるいはこれらの混
合溶液などの表面処理剤を塗布する等の手段にて形成さ
れる。尚、このとき使用される表面処理剤に使用される
溶剤として、ポリウレタン樹脂層を溶解して表面に形成
された気孔を塞がないような溶剤を選択して使用するこ
とは言うまでもない。
【0016】本発明の皮革様シート状物は、従来の皮革
様シートと同様、必要に応じて型押しロール等によるエ
ンボス加工や揉み加工などの二次加工を施すことも可能
である。
【0017】次に、本発明の皮革様シートの製造方法に
ついて説明する。
【0018】まず、必要に応じて起毛または立毛処理、
ポリビニルアルコール等の固着、あるいは面平滑化加工
した繊維基材に、上記の塩化ビニル−エチレン共重合樹
脂を添加したポリウレタン樹脂溶液を塗布および/また
は含浸させる。ポリウレタン樹脂溶液を塗布および/ま
たは含浸させる手段としては、従来のものと同様、例え
ばディッピング、ナイフコーター等による塗布等が挙げ
られる。
【0019】次いで、ポリウレタン樹脂溶液を塗布およ
び/または含浸させた繊維基材を水やポリウレタン樹脂
溶液で用いた溶剤の水溶液、好ましくはジメチルホルム
アミドの0〜20%水溶液等の非溶剤中に浸漬してポリ
ウレタン樹脂を凝固、脱溶媒した後、水洗、乾燥する。
このときのポリウレタン樹脂の凝固温度は、15〜40
℃の範囲で適宜選定されるのが好ましい。この工程によ
って、ポリウレタン樹脂層表面に適度な気孔が形成され
る。
【0020】更に、上記のポリウレタン樹脂層上に、従
来より行われているグラビアロールコーター等にて着色
剤、各種添加剤を含有するポリウレタン樹脂溶液、ポリ
アミド樹脂溶液、アクリル系樹脂溶液、ポリアミノ酸樹
脂溶液あるいはこれらの樹脂の混合溶液などの表面処理
剤を塗布し、表面仕上げ加工を施し、皮革様シート状物
を得る。また、従来の皮革様シート状物と同様に、得ら
れた皮革様シート状物に、型押しロール等によるエンボ
ス加工を施して皮革様シート表面に凹凸を付与したり、
揉み加工を施す等の二次加工を施すことも可能である。
【0021】
【作用】本発明の皮革様シート状物は、ポリウレタン樹
脂層を形成するポリウレタン樹脂中に、塩化ビニル−エ
チレン共重合樹脂を添加し、かつポリウレタン樹脂溶液
を湿式凝固させてポリウレタン樹脂層を形成してなるの
で、該ポリウレタン樹脂層表面に適度な気孔が形成さ
れ、通気性および透湿性を有するものとなる。
【0022】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定さ
れるものではない。
【0023】〔実施例1〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が1.0デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量250g/m2 、見掛け密度
0.25g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)3重量部、
水95重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率110%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
10分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2
分間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0024】得られた繊維基材に、表1に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量730g/m2 )させた後、表2に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量820g/m2 )した。
【0025】
【表1】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 塩化ビニル−エチレン共重合樹脂 *2 3重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 130重量部 *1 クリスボン8006HV:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス35kg/cm2 ,固形分30%) *2 リューロンE1300:東ソー社製 (重合度1300、エチレン含有率2重量%)
【0026】
【表2】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 塩化ビニル−エチレン共重合樹脂 *2 3重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 55重量部
【0027】次いで、ジメチルホルムアミド13%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には10〜70μm径の気孔が多数形成さ
れていた。
【0028】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面剤を、100メッシュの
グラビアロールにて5回塗布した後、表面に毛穴絞模様
のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
し、更に揉み処理を施して皮革様シート状物を得た。得
られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰と
ソフトな風合いを有しており、通気性、透湿性ならびに
耐水性に優れるものであった。また、得られた皮革様シ
ート状物の通気度、透湿度、耐水度について、下記の方
法にて試験した。結果を表5に示す。
【0029】〔試験方法〕 (1)通気度 「JIS P 8117」に規定される方法に準じ、ガ
ーレのデンソメーターを使用して測定し、1時間当たり
通過する空気量(l/cm2 ・hr)に換算した。 (2)透湿度 「JIS Z 0208」に規定される条件Bの方法に
準じ、透湿度(g/m2 ・24hr)を測定した。 (3)耐水度 「JIS L 1092」に規定されるA法に準じ、耐
水圧水柱(mmH2 O)を測定した。
【0030】〔実施例2〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が0.2デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量200g/m2 、見掛け密度
0.23g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)3重量部、
水95重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率110%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
10分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2
分間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0031】得られた繊維基材に、表3に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量630g/m2 )させた後、表4に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量650g/m2 )した。
【0032】
【表3】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 塩化ビニル−エチレン共重合樹脂 *4 4重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 125重量部 *3 レザミンCU4310:大日精化社製 (100%モジュラス40kg/cm2 ,固形分26%) *4 セキスイPVC・VE−K:積水化学工業社製 (重合度1050、エチレン含有率4重量%)
【0033】
【表4】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 塩化ビニル−エチレン共重合樹脂 *4 5重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 2重量部 シリコーン系整泡剤 1重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 50重量部
【0034】次いで、ジメチルホルムアミド13%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗し、1
00〜130℃の熱風循環式乾燥機にて10分間乾燥し
てポリウレタン樹脂層を形成した。得られたポリウレタ
ン樹脂層表面には5〜60μm径の気孔が多数形成され
ていた。
【0035】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面剤を、100メッシュの
グラビアロールにて5回塗布した後、表面に皮絞模様の
エンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施して
皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状物
は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有して
おり、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるものであ
った。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿
度、耐水度について、実施例1と同様の方法にて試験し
た。結果を表5に示す。
【0036】〔比較例1〕塩化ビニル−エチレン共重合
樹脂を、表1、表2に示すポリウレタン樹脂溶液に添加
しない以外は、実施例1と同様にして皮革様シート状物
を得た。得られた皮革様シート状物は、一体感があり、
適度な腰とソフトな風合いを有していたが、通気性およ
び透湿性に劣るものであった。また、得られた皮革様シ
ート状物の通気度、透湿度、耐水度について、実施例1
と同様の方法にて試験した。結果を表5に示す。
【0037】〔比較例2〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加する塩化ビニル−エチレン共重合樹脂
の添加量を0.5重量部に変える以外は、実施例1と同
様にして皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シー
ト状物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを
有していたが、通気性および透湿性に劣るものであっ
た。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透湿
度、耐水度について、実施例1と同様の方法にて試験し
た。結果を表5に示す。
【0038】〔比較例3〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加する塩化ビニル−エチレン共重合樹脂
の添加量を35重量部に変える以外は、実施例1と同様
にして皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート
状物は、通気性および透湿性にも優れるものであった
が、屈曲性に劣るものであった。また、得られた皮革様
シート状物の通気度、透湿度、耐水度について、実施例
1と同様の方法にて試験した。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の皮革様
シート状物および本発明の皮革様シート状物の製造方法
によって得られる皮革様シート状物は、通気性および透
湿性に優れ、かつ耐水性にも優れるものであって、蒸れ
の発生が問題となる用途、例えば靴胛材、靴裏中敷材、
衣料等の素材として好適に用いられるものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、ポリウレタン樹脂層、および
    表面仕上げ層を有する皮革様シート状物において、ポリ
    ウレタン樹脂層が、繊維基材上に塩化ビニル−エチレン
    共重合樹脂をポリウレタン樹脂100重量部に対し1〜
    30重量部含有するポリウレタン樹脂溶液を含浸および
    /または塗布し、湿式凝固して得られるポリウレタン樹
    脂層である皮革様シート状物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル−エチレン共重合樹脂が、重
    合度800〜2200で、かつエチレン含有率が1〜1
    0重量%である請求項1記載の皮革様シート状物。
  3. 【請求項3】 繊維基材に、塩化ビニル−エチレン共重
    合樹脂をポリウレタン樹脂100重量部に対し1〜30
    重量部含有するポリウレタン樹脂溶液を含浸および/ま
    たは塗布する工程、 ポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布した繊
    維基材を非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿式凝
    固させ、脱溶媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細
    な気孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形成する工
    程、 表面仕上げする工程、とからなる皮革様シート状物の製
    造方法。
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