JPH093783A - 表面立体感の優れた銀面合成皮革及びその製造方法 - Google Patents

表面立体感の優れた銀面合成皮革及びその製造方法

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JPH093783A
JPH093783A JP15347095A JP15347095A JPH093783A JP H093783 A JPH093783 A JP H093783A JP 15347095 A JP15347095 A JP 15347095A JP 15347095 A JP15347095 A JP 15347095A JP H093783 A JPH093783 A JP H093783A
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Osamu Daimaru
修 大丸
Shinichi Okajima
真一 岡嶋
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Daiyu Shoji KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiyu Shoji KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銀面表面の凹凸模様のしぼ立ち性に優れ、柔
軟性、着用耐久性も兼ね備えた銀面合成皮革及びその製
造方法の提供。 【構成】 凹凸しぼを有する樹脂膜層が凹凸部を有する
不織布好ましくは弾性高分子物質が含浸された凹凸部を
有する不織布と不織布の凸部で密着して積層されてお
り、凹凸しぼのしぼ立ち率が70〜100%である銀面
合成皮革及びその製造方法。 【効果】 深く立体感のある凹凸模様を表出でき、さら
には柔軟性と着用耐久性も兼ね備えているユニークな外
観を有する銀面の形成が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の銀面層作成法で
ある転写方式や型押し方式にはない保型性と立体感のあ
る凹凸模様の外観を持つ銀面合成皮革及びその製造方法
に関する。さらに詳しくは、基材である不織布もしくは
弾性高分子物質が含浸された不織布の表面凹凸模様を銀
面模様とし、従来の銀面作成法にはない深く立体感のあ
る凹凸模様を表出でき、さらには柔軟性と着用耐久性を
兼ね備えた銀面合成皮革及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成皮革の表面に凹凸しぼを
付与する方法としては、表皮層を作成する際に凹凸模様
を有する離型紙やポリエチレンシート等の支持体を使用
する方法と平滑な表皮層作成後その表面に凹凸模様を有
するエンボスロール又はエンボス板で型押しする方法が
ある。
【0003】このうち前者は、合成皮革に多用されてい
る方法で支持体(離型紙)から得られる凹凸模様の再現
性は極めて良好であるが、この方法では一般に平滑な基
材(不織布もしくは弾性高分子物質が含浸された不織
布)上に凹凸模様を持つ表皮層を形成するものであり、
深く立体感のある凹凸模様を得ようとする場合、使用す
る離型紙の凹凸度には限界があり、また凹凸度合いの大
きい離型紙を使用した場合、表皮層の厚みが均一でなく
凹部と凸部の差が大きく、風合いが劣るものとなる。一
方、後者は人工皮革によく使用されている方法で、型押
し条件を適当に調節する事により凹凸しぼの凹凸深さを
設定することができるが、これはあくまでも、天然皮革
に近い凹凸模様や表面外観といった浅しぼ品の作成に適
した方法である。
【0004】浅しぼ皮革様シートについて開示する特公
昭59−43586号公報には、重合体の薄層が付与さ
れた基材を温度差のある平滑面で表面平滑化熱固定処理
し、その後顔料を含む重合体の薄層、次に易染重合体の
薄層を付与した後、型押しし、染色することによって調
製した浅しぼ皮革様シートが開示されている。このよう
な浅しぼ皮革様シートは、本発明合成皮革のような凹凸
度合いの大きい凹凸しぼは有しない。また、この公知方
法において仮に型押し条件を強くしたとしても、重合体
層には凹凸しぼを付けられるが、基材繊維質層まで熱固
定するのは難しく、重合体層の厚み分の凹凸しぼしか形
成できない。また、この公知方法では深いしぼを形成す
るために重合体層を厚くすると逆に風合いに劣るものに
なってしまう。
【0005】特公昭59−32299号公報には、繊維
基材上に形成された多孔質な湿式凝固層の多孔構造をエ
ンボス或いは溶媒処理により、一定模様に破壊し非多孔
質化する事により立体感と色調差が一致した立体的な凹
凸模様が付与された多孔質シートが開示されている。し
かし、同公報記載の方法では、湿式凝固層の厚み分だけ
の凹凸模様しか形成されず、しかもこの湿式凝固層は不
均一な膜でかつ凹凸のある厚みムラのある皮膜となり風
合い的に劣るものである。
【0006】一方、特開平2−191777号公報に
は、凹凸しぼの凸部にあたる部分に発泡性樹脂組成物を
予め付与、発泡温度以下で乾燥しその上に表皮層を形成
後、発泡性樹脂組成物を熱処理で発泡させて表面に凹凸
しぼを析出させた合成皮革が開示されている。しかし、
この方法で得られる凹凸しぼの凸部分は発泡性樹脂でで
きた気体により形成されるもので耐久性に劣る凹凸しぼ
である。
【0007】以上のように、従来の凹凸しぼを有する合
成皮革はいずれも、本発明の合成皮革のように、立体感
がありかつ柔軟性と耐久性のある凹凸しぼを有するもの
ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、銀面表面が
立体感のある凹凸模様のユニークな外観を有し、しかも
柔軟性と着用耐久性を備えた合成皮革の提供を目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、銀面表面
が従来にないユニークな外観を有する合成皮革特に衣料
用の合成皮革を得るべく鋭意研究を進めた結果、凹凸を
有する不織布とペーパートランスファーコート方式によ
る樹脂膜層とを組合せることにより前記目的を達成する
ことができた。
【0010】すなわち、本発明の第1は、凹凸部を有す
る不織布と、凹凸しぼを有する厚さ10〜100μmの
樹脂膜層が不織布の凸部で密着して積層されており、該
凹凸しぼのしぼ立ち率が70〜100%であることを特
徴とする銀面合成皮革、である。本発明の第2は、離型
紙を用いて銀面層を形成するペーパートランスファーコ
ート方式において、凹凸部を有する不織布もしくは弾性
高分子物質が含浸された凹凸部を有する不織布に樹脂膜
層をラミネートしたものを熱処理して、前記ラミネート
不織布を収縮させることを特徴とする前記銀面合成皮革
の製造方法である。
【0011】以下に本発明の銀面合成皮革及びその製造
方法について詳述する。まず、本発明における基材は、
凹凸部を有する不織布、好ましくは、弾性高分子物質が
含浸された凹凸部を有する不織布である。凹凸部を有す
る不織布としては、エアレイ法、カード法で得られる短
繊維ウェブをニードルパンチや液体柱状流で交絡して作
成されるニーパン不織布やスパンレース不織布、短繊維
または長繊維ウェブを熱エンボスロールで接合して得ら
れる、スパンボンドなどのサーマルボンド不織布、凹凸
模様を有するフラッシュ紡糸不織布やケミカルボンド不
織布等が挙げられる。特に、熱エンボスロール等で型押
し加工し、表面に凹凸部を有する不織布が好ましい。こ
の際、不織布のエンボス率(不織布のエンボス部におい
て、凹部の深さ/不織布の凸部の厚み×100)が30
−70%のものが好ましい。これは後述する銀面表面へ
の凹凸しぼの形成過程からわかるように、樹脂膜層の表
面に凹凸しぼを形成する際、より深く立体感のある凹凸
しぼを形成するには、基材の不織布の凹凸度が有効であ
るからである。
【0012】不織布の素材としては、熱収縮処理の際に
収縮が起こり易いものが良く、特に熱水収縮率が5〜1
5%のものが好ましく用いられる。具体的には、ナイロ
ン、ポリエステル、レーヨン、ポリアクリロニトリル等
が良く、又これらの複合素材であっても良い。また、本
発明の合成皮革は、不織布に、繊維重量に対し、5〜2
0重量%の弾性高分子物質が含浸されていることが、不
織布基材の強度という点で好ましい。
【0013】弾性高分子物質としては、ポリエステル
系、ポリエーテル系、ポリエステル・ポリエーテル共重
合系、ポリカーボネート系の各高分子物質やその各系の
ポリウレタン、又ポリ塩化ビニル系や、ポリアクリル酸
エステル系、ブタジエン−スチレン系、ニトリル系、ク
ロロプレン系などの合成ゴムや天然ゴム等のゴム状弾性
を有する高分子物質、またはこれらを主体とする混合物
である。このうちポリウレタン弾性高分子物質が柔軟性
の点で好ましい。これらの弾性高分子物質は、溶液、エ
マルジョン等、必要に応じた形態で含浸法、コーティン
グ法等により付与される。
【0014】弾性高分子物質の該不織布に対する付着量
は、繊維重量に対し5〜20重量%であることが合成皮
革の着用耐久性の点で、十分な不織布層の層間剥離強力
又は耐摩耗強力の点、風合いおよび凹凸しぼの再現性と
いう点で好ましい。不織布に弾性高分子物質を付着させ
る方法として、人工皮革では周知となっている非接着状
態の方が柔軟性の面で好ましい。
【0015】本発明の銀面合成皮革は、凹凸部を有する
不織布、凹凸しぼを有する厚さ10〜100μmの樹脂
膜層が不織布の凸部で密着して積層されていることを特
徴とする。本発明における樹脂膜層は、合成皮革の銀面
となる表皮層、表皮層と凹凸部を有する不織布を接着す
る接着剤層からなる。
【0016】表皮層を形成する樹脂膜層としては、ポリ
ウレタン系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリエス
テル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系等が挙げ
られ、特にポリウレタン系が好ましく用いられ、ポリエ
ステル系、ポリエーテル系、ポリエステル・ポリエーテ
ル共重合系、ポリカーボネート系等の一液型ポリウレタ
ンが好ましく使用できる。また、顔料や染料を加えた
り、必要に応じて後染色可能な可染性ポリウレタンを用
いたりすることもできる。
【0017】接着剤層を形成する樹脂膜層はポリウレタ
ン系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系等が挙げら
れ、特にポリウレタン系が好ましく用いられ、特に好ま
しくは、末端に水酸基を有するポリウレタンとイソシア
ネート系架橋剤の組み合わせの2液型ポリウレタンが用
いられる。
【0018】また、この樹脂膜層は、厚さが10〜10
0μmであることが必要である。樹脂膜層の厚さという
のは、接着材層と表皮層の厚さの合計になる。厚みが1
0μm未満であると樹脂膜の強度が低くなり、着用耐久
性面で劣る。又100μmを越えると、風合いが硬くな
ると同時に後述するように樹脂膜の凹凸しぼが基材の不
織布の凹凸部に沿った形状でなくなり、好ましくない。
樹脂膜層の好ましい厚さは15〜80μmである。接着
剤層の好ましい厚みは、5〜50μm、表皮層の好まし
い厚みは5〜50μmである。
【0019】樹脂膜層は、不織布の凸部で密着して積層
されていることが必要である。これにより樹脂膜層に形
成されている凹凸しぼの凸部が力学的に安定なものとな
る。図1及び、図2は、本発明の銀面合成皮革の断面構
造を模式的に示している。銀面合成皮革(10)は、凹
部(イ)及び凸部(ロ)を全面に有する不織布基材
(3)、樹脂膜層の一部である接着剤層(2)及び皮革
銀面を形成する樹脂膜層(1)を一体に積層した構造を
有している。均一な厚みを有する樹脂膜層(1)は、不
織布基材(3)の凹凸部に対応して凸部面(イ′)及び
凹部面(ロ′)からなる凹凸模様の素地面を形成し、不
織布基材の収縮の作用を受けて立体感のある凹凸しぼ様
銀面を形成している。図1の態様において(4)は不織
布基材(3)の凹部面(イ)と接着剤層(2)との間の
空隙である。
【0020】本発明の合成皮革は、樹脂層が凹凸しぼを
有し、その凹凸しぼのしぼ立ち率が70〜100%であ
る。ここにしぼ立ち率は、下記式〔I〕で表わされるよ
うに樹脂膜層の凹部深さ(d)に対する不織布基材の凹
部深さ(D)の百分率で表わされる。しぼ立ち率が大き
い程立体感があり、不織布基材の凹突部の深さ等を再現
したしぼが形成される。
【0021】 凹凸模様のしぼ立ち率(%)=(d/D)×100 …〔I〕 しぼ立ち率が70%未満であると立体感に劣るしぼとな
り、100%というのは、前式さらには図2から判るよ
うに、不織布の凹凸度と樹脂膜層の凹凸度が同じになる
場合であり、樹脂膜層のしぼ立ち率が100%を越える
ことはありえない。
【0022】次に本発明は、凹凸部を有する不織布に樹
脂膜層を接着し、引き続いて熱処理により、不織布を収
縮させることを特徴とする銀面合成皮革の製造方法であ
る。不織布に表皮層である樹脂膜層を接着させるには、
離型紙上に表皮樹脂層を形成し、次にその上に接着剤樹
脂層を形成し、さらにその上に繊維質基材を重ね、ラミ
ネート加工により貼り合わせた後、最後に離型紙を剥離
するという一般的な加工法が用いられる。
【0023】このラミネート方法としては、ウェットラ
ミネート、ドライラミネートいずれの方法でも良いが、
熱収縮時の凹凸模様の再現性、最終製品の風合いの面で
はドライラミネートの方が好ましい。このようにして形
成されたラミネート不織布を熱収縮させることにより、
表面に凹凸しぼを形成させるのであるが、これは熱収縮
処理により、基材である凹凸部を有する不織布もしくは
弾性高分子物質が含浸された不織布が大きく収縮するの
に対して、表面の樹脂膜層の収縮が小さく、両者の収縮
率の差から、表面の樹脂膜層にたるみができる。そし
て、そのたるむ樹脂膜層が不織布基材の表面の凹凸部に
沿うことにより、従来の処方では得られなかった基材表
面凹凸部を銀面模様に再現した銀面合成皮革が作成でき
るというものである。
【0024】この際後述するように、凹凸しぼのしぼ立
ち性評価により凹凸しぼのしぼ立ち率が70〜100%
になるように熱収縮させるのが好ましい。この熱収縮処
理の方法としては、乾熱収縮処理として、熱風、スチー
ムあるいはヒートロールを用いた処理法があり、熱水収
縮処理としては、沸水処理法、染色処理法があるが、熱
収縮のおこり易い熱水収縮処理が好ましく用いられる。
本発明の様に、柔軟性も兼ね備えようとするには、揉み
加工も同時に行える液流染色加工がより好ましい。
【0025】加熱温度は各種不織布素材、弾性高分子物
質、ラミネート樹脂を劣化させない最適温度で行うのが
好ましい。以下に、本発明の実施例を説明する。ただ
し、本発明の銀面合成皮革は下記実施例に限定されるも
のではない。なお評価項目は、本発明銀面合成皮革表面
凹凸しぼのしぼ立ち性評価及び風合い評価及び着用耐久
性評価である。
【0026】
【実施例】実施例における人工皮革は、以下の評価方法
により評価した。 (1)凹凸しぼのしぼ立ち性評価 以下の凹凸しぼのしぼ立ち率により評価を行った。この
しぼ立ち率の値が大きいほど立体感があることを示す。
【0027】このしぼ立ち率は、試料中無作為に10箇
所選び前記式〔I〕で計算した値の平均値とする。この
値が大きい方がより凹凸模様のしぼ立ちが明確になり、
70%以上で凹凸模様の立体感が優れて見える。 (2)柔軟性評価 布試験システムKES−FB(Kawabata’s
EvalutionSystem for fabri
cs)を用い、曲げ剛性により評価を行った。この値が
小さいほど柔軟であることを示し、値としては0.65
gfcm2/cm以下が好ましい。 (3)着用耐久性評価 a)層間剥離強力評価 試料の両面にホットメルトテープを貼り合わせ、熱融着
させる。そして試料の真ん中から裂き、剥離強力を測定
する。この値が大きいほど着用耐久性が高いことを示
す。この値は0.8kg/inch以上であれば差し支
えない。
【0028】b)耐摩耗強力評価 テーバー摩耗試験機(摩耗輪:H18、荷重:500
g)を用いて、試料表面(銀面と反対側)を摩耗し10
0回摩耗時点の減耗率測定と摩耗表面状態の観察を行っ
た。 ※減耗率(%)=(〔摩耗前の試料重量−100回摩耗
後の試料重量〕/〔摩耗前の試料重量〕)×100 ただし、摩耗前の試料重量は、実施例、比較例いずれも
同一にした。
【0029】この減耗率が小さいほど着用耐久性が高い
ことを示す。尚、減耗率が8%以内であれば耐久性は十
分である。 c)表面摩耗強さ評価 JIS−K−6505に準じ、ユニバーサル式平面摩耗
試験機(JIS−L−1079平面摩耗法の条件)を用
いて、銀面表面を耐水研摩紙CwCC400で摩耗し、
100回と1000回摩耗時点の摩耗面の状態を以下の
A、B、Cで判定した。摩耗箇所において、 A:外観上の変化が認められない B:銀面層の一部が消滅したもの C:銀面層の大部分が消滅し、基材が露出している この銀面損傷が小さい(A>B>C)ほど着用耐久性が
高いことを示す。実用上は少なくとも100回摩耗でA
判定が望まれる。
【0030】実施例1 一液型ポリウレタンと顔料及びこれらを溶解する溶媒と
の溶液を調液し、離型紙上にロールコーターでコーティ
ングし、100℃の乾燥域で乾式凝固した。その結果固
形分塗布量約5g/m2 (厚み10μm)の表皮層が形
成された。次に2液型ポリウレタンとこれの架橋剤及び
架橋促進剤及びこれらを溶解する溶媒との混合溶液を調
液し、この表皮層上にロールコーターでコーティングし
た接着剤層を形成した。固形分塗布量は約5g/m
2 (厚み10μm)である。尚、接着剤層の皮膜形成の
ための乾燥条件はドライラミネートとなるような適正な
風量や温度や時間に設定して乾燥を行った。
【0031】そしてこの乾燥直後の接着剤層に繊度2d
で目付130g/m2 のナイロン長繊維スパンボンド
(アイエルエンボスタイプ…融着面積比率11%、凸部
と凹部の深さの差:約450μm)の液流染色加工品を
貼り付け、100℃の熱ロールで圧着した。その後約5
0℃で一昼夜エージングを行い、離型紙を剥離したもの
をラミネート不織布とした。
【0032】のラミネート不織布をフリーテンション
の状態で150℃の熱風乾燥機中に20分間放置し積極
的に熱収縮させて、本発明の合成皮革を得た。表1に凹
凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着用耐久性の評価結果を
示す。 実施例2 可染性一液型ポリウレタンとこれらを溶解する溶媒との
溶液を調液し離型紙上にロールコーターでコーティング
し、100℃の乾燥域で乾式凝固した。その結果固形分
塗布量約5g/m2 (厚み10μm)の表皮層が形成さ
れた。
【0033】次に実施例1と同じ処方で固形分塗布量約
5g/m2 (厚み10μm)の接着剤層を表皮層上に形
成させた。そしてこの乾燥直後の接着剤層に繊度2dで
目付130g/m2 のナイロン長繊維スパンボンド(ア
イエルエンボスタイプ…融着面積比率11%、凸部と凹
部のの深さの差:約450μm)を貼り付け、100℃
の熱ロールで圧着した。その後約50℃で一昼夜エージ
ングを行い、離型紙を剥離したものをラミネート不織布
とした。
【0034】このラミネート不織布の液流染色加工を行
い、フリーテンションの状態で100℃の熱風乾燥機中
で乾燥させ、収縮させて本発明の合成皮革実施例2を得
た。表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着用耐久性
の評価結果を示す。 実施例3 繊度1dで目付130g/m2 のナイロン長繊維スパン
ボンド(アイエルエンボスタイプ…融着面積比率11
%、凸部と凹部のの深さの差:450μm)にメチルハ
イドロジェンシロキサン約55%とジメチルシロキサン
約45%からなる共重合ポリシロキサンの疎水化前処理
液に浸漬し、絞液後乾燥して、疎水化前処理剤が固形分
で約0.3%付着した前処理反を得た。
【0035】次に、ポリエステル・エーテル共重合系ポ
リウレタンとメチルエトキシポリシロキサン及びこれら
を溶解するジメチルホルムアミドからなるポリウレタン
溶液を前述の前処理反に含浸、絞液し、水中凝固、湯
洗、乾燥を経て、ポリウレタンが繊維重量に対し約5重
量%付着した含浸不織布を得た。そこで、実施例2と同
じ処方で固形分塗布量約10g/m2 (厚み20μm)
の表皮層、固形分塗布量約15g/m2 (厚み30μ
m)の接着剤層を形成し、その乾燥直後の接着剤層に先
の含浸不織布を貼り付け、100℃の熱プレスロールで
圧着した。その後約50℃で一昼夜エージングを行い、
離型紙を剥離したものをラミネート不織布とした。
【0036】このラミネート不織布の液流染色加工を行
い、フリーテンションの状態で100℃の熱風乾燥機中
で乾燥させ、収縮させて本発明の合成皮革実施例3を得
た。表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着用耐久性
の評価結果を示す。 実施例4 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約20重量%で、固形分塗布量約10g/
2 (厚み20μm)の表皮層、固形分塗布量約15g
/m2 (厚み30μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を
作成し、本発明の合成皮革を得た。
【0037】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 実施例5 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約10重量%で、固形分塗布量約20g/
2 (厚み40μm)の表皮層、固形分塗布量約25g
/m2 (厚み50μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を
作成し、本発明の合成皮革を得た。
【0038】表1に凹凸模様のしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 実施例6 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約10重量%で、固形分塗布量約10g/
2 (厚み20μm)の表皮層、固形分塗布量約15g
/m2 (厚み30μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を
作成し、本発明の合成皮革を得た。
【0039】表1に凹凸模様のしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 比較例1 実施例2と同じ処方で、固形分塗布量約1g/m2 (厚
み2μm)の表皮層、固形分塗布量約1.5g/m
2 (厚み3μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を作成
し、合成皮革を得た。
【0040】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 比較例2 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約25重量%で、固形分塗布量約25g/
2 (厚み50μm)の表皮層、固形分塗布量約30g
/m2 (厚み60μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を
作成し、合成皮革を得た。
【0041】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 比較例3 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約25重量%で、固形分塗布量約20g/
2 (厚み40μm)の表皮層、固形分塗布量約25g
/m2 (厚み50μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を
作成し、合成皮革を得た。
【0042】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 比較例4 実施例3と同じ処方で含浸ポリウレタンの繊維重量に対
する付着量が約3重量%で、固形分塗布量約1g/m2
(厚み2μm)の表皮層、固形分塗布量約1.5g/m
2 (厚み3μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を作成
し、合成皮革を得た。
【0043】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。 比較例5 実施例2と同じ処方で、固形分塗布量約25g/m
2 (厚み50μm)の表皮層、固形分塗布量約30g/
2 (厚み60μm)の接着剤層からなる樹脂膜層を作
成し、合成皮革を得た。
【0044】表1に凹凸しぼのしぼ立ち性、柔軟性、着
用耐久性の評価結果を示す。以上の実施例の総合評価か
らも明らかなとおり、表面凹凸しぼのしぼ立ち性に優
れ、柔軟性、着用耐久性も兼ね備えたものは、凹凸部を
有する不織布もしくは繊維重量に対し5〜20重量%の
弾性高分子物質を含浸した凹凸部を有する不織布であ
り、樹脂膜層の厚みが10〜100μmでかつ凹凸しぼ
のしぼ立ち率が70〜100%のものであることがわか
る。
【0045】
【発明の効果】上述のように、本発明で得られる合成皮
革は、表面凹凸しぼに、不織布基材の表面凹凸部が再現
され、従来にない深く立体感のある表面凹凸しぼが表出
でき、さらには柔軟性と着用耐久性も兼ね備えているた
め、従来の合成皮革、人工皮革とは外観を全く異にする
銀面加工品、例えば帽子、コート等の衣料品や、家具、
鞄、履き物等の外装材や車両、建物の内装材など、様々
な用途に利用される。
【0046】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の銀面合成皮革の一例を模式的に示す断
面図である。
【図2】本発明の銀面合成皮革の他の例を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1…表皮層 2…接着剤層 3…凹凸部を有する不織布 4…不織布の凹部面と接着剤層との空隙 イ…不織布の凹部 ロ…不織布の凸部 イ′…樹脂膜層の凸部面 ロ′…樹脂膜層の凹部面 10…銀面合成皮革

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸部を有する不織布と、表面凹凸しぼ
    を有する厚さ10〜100μmの樹脂膜層が不織布の凸
    部で密着して積層されており、前記表面凹凸しぼのしぼ
    立ち率が70〜100%であることを特徴とする銀面合
    成皮革。
  2. 【請求項2】 不織布にその繊維重量に対し、5〜20
    重量%の弾性高分子物質が含浸されていることを特徴と
    する請求項1記載の銀面合成皮革。
  3. 【請求項3】 凹凸部を有する不織布に樹脂膜層を接着
    し、引き続いて熱処理により、不織布を収縮させること
    を特徴とする銀面合成皮革の製造方法。
  4. 【請求項4】 不織布にその繊維重量に対し、5〜20
    重量%の弾性高分子物質が含浸されていることを特徴と
    する請求項3記載の銀面合成皮革の製造方法。
JP15347095A 1995-06-20 1995-06-20 表面立体感の優れた銀面合成皮革及びその製造方法 Withdrawn JPH093783A (ja)

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