JP2016121420A - 表皮材 - Google Patents

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Tasuke Wakita
太介 脇田
山本 功
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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えた表皮材を提供する。【解決手段】表皮材は、化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、基材層の少なくとも一方の面側に配設され、繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層とを有する。表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μS)が0.30〜0.45である。表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、表皮材に関する。更に詳細には、本発明は、自動車用内装部品に好適に用いられる表皮材に関する。
従来、風合い及び折れ皺感に優れた人工皮革が提案されている。この人工皮革は、基体層と基体層の少なくとも一方の面側に形成されてなる表面層とを有し、基体層が高分子弾性体と極細長繊維を複数本含む繊維束とからなり、表面層が高分子弾性体と基体層から伸びる極細長繊維とからなる。そして、表面層と基体層との間に、高分子弾性体が存在しない領域があり、その領域が極細長繊維により少なくとも部分的に仕切られた空隙となっており、空隙の厚さ方向の平均長さが10〜200μmである(特許文献1参照。)。
特開2010−196225号公報
しかしながら、特許文献1に記載された人工皮革にあっては、耐摩耗性は優れるものの、本ヌバックと同様の触感又は意匠のいずれかを備えるにすぎず、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えた表皮材を実現することができていないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えた表皮材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、基材層の少なくとも一方の面側に位置し、かつ、繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層とを有し、表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の表皮材は、化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、基材層のいずれか一方の面側に位置し、かつ、繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層とを有する。そして、表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである。
本発明によれば、化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、基材層のいずれか一方の面側に位置し、かつ、繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層とを有し、表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである構成とした。
そのため、耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えた表皮材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る表皮材を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る表皮材について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表皮材を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の表皮材1は、基材層2と、基材層2の一方の面側に位置する表面層4とを有する。そして、基材層2は、化学繊維からなる繊維集合体2Aを含む。また、表面層4は、繊維集合体2Aから形成される複数の立毛4Aを含む。更に、表皮材1は、表面層4が配設されている側の破線で示す表面1aにおける静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、表面層4が配設されている側の破線で示す表面1aにおける算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである。
ここで、「静摩擦係数(μ)」は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、JISP8147に準拠して算出したものである。
また、「算術平均粗さ(Ra)」は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、JISB0031に準拠して算出したものである。
化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、基材層のいずれか一方の面側に位置し、かつ、繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層とを有し、表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである構成とすることにより、耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えた表皮材とすることができる。
つまり、静摩擦係数(μ)が0.30未満である場合には、本ヌバックに近い触感又は意匠すら得ることができない。これは、静摩擦係数(μ)が0.30未満となると、算術平均粗さ(Ra)の触感に対する寄与度が高くなり、その際の算術平均粗さ(Ra)が10μm以上であると、触感が本ヌバックらしくなくなり、その際の算術平均粗さ(Ra)が10μm未満であると、意匠が本ヌバックらしくなくなる。
また、静摩擦係数(μ)が0.45を超える場合にも、本ヌバックに近い触感又は意匠すら得ることができない。これは、静摩擦係数(μ)が0.45を超えると、算術平均粗さ(Ra)の触感に対する寄与度が低くなり、その際の算術平均粗さ(Ra)が25μm以下であると、触感が本ヌバックらしくなくなり、その際の算術平均粗さ(Ra)が25μm超であると、意匠が本ヌバックらしくなくなる。
一方、算術平均粗さ(Ra)が10μm未満である場合には、本ヌバックに近い触感又は意匠すら得ることができない。これは、算術平均粗さ(Ra)が10μm未満となると、静摩擦係数(μ)の触感に対する寄与度が高くなり、その際の静摩擦係数(μ)が0.30以上であると、触感が本ヌバックらしくなくなり、その際の静摩擦係数(μ)が0.30未満であると、意匠が本ヌバックらしくなくなる。
また、算術平均粗さ(Ra)が25μmを超える場合にも、本ヌバックに近い触感又は意匠すら得ることができない。これは、算術平均粗さ(Ra)が25μmを超えると、静摩擦係数(μ)の触感に対する寄与度が低くなり、その際の静摩擦係数(μ)が0.45以下であると、触感が本ヌバックらしくなくなり、その際の静摩擦係数(μ)が0.45超であると、意匠が本ヌバックらしくなくなる。
このように、所定構造の表皮材において、静摩擦係数(μ)と算術平均粗さ(Ra)とを所定の範囲とすることにより、耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えたものとすることができる。
ここで、各構成について更に詳細に説明する。
<基材層>
基材層2は、化学繊維からなる繊維集合体2Aを含むものであればよく、繊維集合体のみからなるものであってもよい。基材層の厚みは、特に限定されるものではないが、自動車内装用部品の表皮材の好適な物性としては、300〜4000μmであることが好ましく、400〜2000μmであることがより好ましい。
(繊維集合体)
繊維集合体2Aは、化学繊維からなるものであれば、特に限定されるものではない。ここで、化学繊維としては、例えば、合成繊維や半合成繊維、再生繊維などを挙げることができる。また、合成繊維としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。)、これらの変性物などからなる繊維を挙げることができる。更に、半合成繊維としては、例えば、セルロースや蛋白質、これらの変性物などからなる繊維を挙げることができる。また、再生繊維としては、セルロース、これらの変性物などからなる繊維を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、人工皮革や合成皮革において用いられる従来公知の繊維を適用することができる。そして、これらは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適用することができる。また、特に限定されるものではないが、ポリアミドやその変性物などからなるポリアミド系繊維、ポリエステルやその変性物などからなるポリエステル系繊維を適用することが好適である。
また、繊維集合体は、その形態について特に限定されるものではないが、例えば、不織布であることが好ましい。つまり、繊維集合体が織布や編物である場合も本発明の範囲に含まれる。繊維集合体が不織布であると、詳しくは後述する複数の立毛を容易に形成することができる。
更に、繊維集合体は、その内部に分散した状態で存在する高分子弾性体を含有することが好ましい。高分子弾性体を繊維集合体の内部に含有させると、表皮材の触感を本ヌバックと同等にし易くなる。ここで、高分子弾性体としては、例えば、ウレタンエラストマー、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、アクリルエラストマーなどを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、人工皮革や合成皮革において用いられる従来公知のエラストマーを適用することができる。そして、これらは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適用することができる。また、ウレタンエラストマーやアクリルエラストマーを適用することが特に好適である。
更に、繊維集合体における化学繊維の繊度が0.001〜0.5dtexであることが好ましく、0.001〜0.15dtexであることがより好ましく、0.001〜0.10dtexであることが更に好ましい。化学繊維の繊度が0.001dtex未満である場合には、所望の耐摩耗性を得られない可能性がある。また、化学繊維の繊度が0.5dtex以下のような極細繊維とすると、表皮材の触感を本ヌバックと同等にし易くなる。
ここで、「繊度」は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、表皮様シートを形成している極細長繊維の断面積を走査型電子顕微鏡(倍率:数百倍〜数千倍)により測定し、平均断面積を求め、この平均断面積と繊維を形成するポリマーの密度から平均繊度として計算したものである。
<表面層>
表面層4は、繊維集合体から形成される複数の立毛4Aを含むものであればよく、立毛のみからなるものであってもよい。表面層の厚みは、特に限定されるものではないが、自動車内装用部品の表皮材の好適な物性としては、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましく、10〜50μmであることが更に好ましい。
(立毛)
立毛4Aは、繊維集合体から形成されるものであれば、特に限定されるものではない。このような立毛は、例えば、繊維集合体を起毛させることによって形成することができる。また、繊維集合体と一体であるため、脱毛しにくく、耐摩耗性に優れるという利点もある。更に、立毛の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、200μm以下であることが好ましく、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることが好ましい。立毛の長さを200μm以下とすると、表皮材の触感及び意匠を本ヌバックと同等にし易くなる。
ここで、「立毛の長さ」は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、表皮様シートの断面を走査型電子顕微鏡(倍率:50倍〜200倍)により測定したものである。
また、本実施形態の表皮材は、見かけ密度が0.1g/cm以上であることが好ましく、0.4〜0.8g/cmであることがより好ましい。表皮材の見かけ密度が0.1g/cm未満である場合には、所望の耐摩耗性を得られない可能性がある。また、表皮材の見かけ密度を0.4〜0.8g/cmとすると、表皮材の触感及び意匠を本ヌバックと同等にし易くなる。
ここで、「見かけ密度」は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、人工皮革基体の単位面積あたりの重量(g/cm)を厚み(cm)で除した数字を密度(g/cm)としたものである。なお、厚さは、JISL1096に準拠して算出したものである。
更に、本実施形態の表皮材は、工程(1)及び工程(2)を含む製造方法により得られるものであることが好ましい。ここで、工程(1)は、化学繊維からなる繊維集合体を含む被加工材の少なくとも一方の面側にシボ形状を形成する工程である。また、工程(2)は、工程(1)の後に実施され、シボ形状を形成した被加工材のシボ形状を形成した面側において繊維集合体を構成する化学繊維を起毛させる工程である。
このような工程を含む製造方法により作製すると、表皮材の触感及び意匠を本ヌバックと同等にし易くなる。
以下、上述した本発明の一実施形態に係る表皮材の製造方法について一形態を挙げて詳細に説明する。但し、本発明の表皮材は、このような製造方法により得られるものに限定されるものではない。
まず、繊維集合体としての極細繊維からなる不織布を含む被加工材を、必要に応じて、研磨紙(例えば、180〜240番手のエメリーペーパーなどである。)を用いて、回転数500〜1000rpm程度の研磨により整毛して、被加工表皮材を得る。このような工程を経ることにより、被加工表皮材は、整毛する前の被加工材と比較して、後述する染色処理をし易くなる。なお、被加工材は、高分子弾性体を内部に含有していてもよく、含有していなくてもよい。
次いで、得られた被加工表皮材に対して、必要に応じて、市販の染料を用いて、染色温度110〜130℃、染色時間30分間〜2時間の染色処理をする。なお、染色後、従来公知の還元洗浄や酸化中和、水洗などにより色味を調整することができる。
更に、得られた被加工表皮材に対して、必要に応じて、エンボス形状を有するロール状の型を用いて、加熱温度140〜160℃、プレス圧力2〜5kg/cmのエンボス加工をする。このような工程を経ることにより、得られる被加工表皮材、ひいては表皮材の表面にシボ形状が形成されることとなる。
更に、得られた被加工表皮材に対して、必要に応じて、ソーピング及び水洗を常温雰囲気下、各20分間実施して、余分な染料を除去する。なお、洗浄後、必要に応じて、得られた被加工表皮材に対して、リン系難燃剤を塗布する難燃処理をしてもよい。
更に、得られた被加工表皮材を、必要に応じて、加圧ロールと100〜120℃の加熱ロールを用いて、送り速度1〜5m/minで、それらで圧縮し、圧縮から解放されたゴムベルト収縮作用により強制収縮させる。このような工程を経ることにより、所定の見かけ密度を有する被加工表皮材とすることができる。
しかる後、400〜700番手のエメリーペーパーを用いて、回転数300〜500rpmのバフィングにより整毛することにより、本実施形態の表皮材を得ることができる。このような工程を経ることにより、所定の触感及び意匠を有する表皮材となる。
以下、本発明を若干の実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
極細繊維(繊度:0.08dtex、樹脂種:ポリエステル)からなる不織布とその内部に分散した状態で含有される高分子弾性体(樹脂種:ポリウレタン)とからなる被加工材を180番手エメリーペーパーを用いて、回転数700rpmの研磨により整毛して、被加工表皮材を得た。次いで、得られた被加工表皮材に対して、市販の染料を用いて、染色温度120℃、染色時間1時間で染色処理をした。更に、得られた被加工表皮材に対して、エンボス形状を有するロール状の型を用いて、加熱温度150℃、プレス圧力4kg/cmのエンボス加工をした。更に、得られた被加工表皮材に対して、ソーピング及び水洗を常温雰囲気下、各20分間実施して、余分な染料を除去した。更に、得られた被加工表皮材に対して、リン系難燃剤を塗布した。更に、得られた被加工表皮材を、加圧ロールと100℃の加熱ロールを用いて、送り速度2m/minで、圧縮し、圧縮から解放されたゴムベルト収縮作用により強制収縮させた。しかる後、600番手のエメリーペーパーを用いて、回転数400rpmのバフィングにより整毛して、本例の表皮材を得た。なお、本例の表皮材は、表面にシボ形状を有する。
(実施例2)
エンボス加工をしなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の表皮材を得た。なお、本例の表皮材は、表面にシボ形状を有しない。
(比較例1)
極細繊維(繊度:0.08dtex、樹脂種:ポリエステル)からなる不織布とその内部に分散した状態で含有される高分子弾性体(樹脂種:ポリウレタン)とからなる被加工材に代えて、極細繊維(繊度:0.17dtex、樹脂種:ポリエステル)からなる不織布とその内部に分散した状態で含有される高分子弾性体(樹脂種:ポリウレタン)とからなる被加工材を用いたこと、及び、エンボス加工をしなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の表皮材を得た。なお、本例の表皮材は、表面にシボ形状を有しない。
(比較例2)
極細繊維(繊度:0.08dtex、樹脂種:ポリエステル)からなる不織布とその内部に分散した状態で含有される高分子弾性体(樹脂種:ポリウレタン)とからなる被加工材に代えて、極細繊維(繊度:0.22dtex、樹脂種:ポリエステル)からなる不織布とその内部に分散した状態で含有される高分子弾性体(樹脂種:ポリウレタン)とからなる被加工材を用いたこと、及び、エンボス加工をしなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の表皮材を得た。なお、本例の表皮材は、表面にシボ形状を有しない。
(参考例)
参考例の表皮材として、本ヌバックを用いた。なお、本例の表皮材は、表面にシボ形状を有する。
<静摩擦係数(μ)>
各例の表皮材について、静摩擦係数(μ)は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、JISP8147に準拠して算出した。
<算術平均粗さ(Ra)>
各例の表皮材について、算術平均粗さ(Ra)は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、JISB0031に準拠して算出した。
<立毛の長さ>
各例の表皮材について、立毛の長さは、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、表皮様シートの断面を走査型電子顕微鏡(倍率:50倍〜200倍)により測定した。
<繊度>
各例の表皮材について、繊度は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、表皮様シートを形成している極細長繊維の断面積を走査型電子顕微鏡(倍率:数百倍〜数千倍)により測定し、平均断面積を求め、この平均断面積と繊維を形成するポリマーの密度から平均繊度として計算した。
<見かけ密度>
各例の表皮材について、見かけ密度は、JISZ8703(試験場所の標準状態)の標準温度20℃2級(温度20±2℃)、標準湿度65%5級(相対湿度65±5%)に準拠した環境において、人工皮革基体の単位面積あたりの重量(g/cm)を厚み(cm)で除した数字を密度(g/cm)とした。なお、厚さは、JISL1096に準拠して算出したものである。各例の仕様を表1に示す。
Figure 2016121420
[性能評価]
<耐摩耗性>
各例の表皮材の耐摩耗性を評価した。具体的には、JISL1096に準拠して評価した。得られた結果を表1に併記する。表1中の「耐摩耗性」の項目における「○」は、自動車内装部品に適用した場合に優れた耐摩耗性を示すこと、「×」は、自動車内装部品に適用した場合に優れた耐摩耗性を示さないことを示す。
<触感>
各例の表皮材の触感を評価した。具体的には、恒温恒湿室にて、パネラー複数人にて、各例の表皮材の表面を無作為になでるように触り、表2に示す評価基準にて、評価点を付け、その平均を算出した。得られた結果を表1に併記する。
Figure 2016121420
<意匠>
各例の表皮材の意匠を評価した。具体的には、外観を目視によって評価した。得られた結果を表1に併記する。表1中の「意匠」の項目における「◎」は、本ヌバックと同等であること、「○」は、本ヌバックに近いこと、「×」は、本ヌバックらしくないことを示す。
表1より、本発明の範囲に属する実施例1及び実施例2は、本発明外の比較例1及び比較例2と比較すると、静摩擦係数(μ)と算術平均粗さ(Ra)とが所定の範囲であるため、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えることが分かる。また、実施例1及び実施例2は、参考例と比較すると、静摩擦係数(μ)と算術平均粗さ(Ra)とを所定の範囲とすることにより、特に耐摩耗性に優れ、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を兼ね備えることが分かる。更に、現時点においては、耐摩耗性、触感及び意匠が優れるという観点から、実施例1が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
そして、表1より、実施例1、実施例2及び比較例1と比較例2とを比較すると、立毛の長さが200μm以下である場合に、表皮材の触感及び意匠を本ヌバックと同等にし易くなることが分かる。また、表1より、実施例1及び実施例2と比較例1及び比較例2とを比較すると、0.001〜0.15dtexとすると、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を有するものであることができることが分かる。また、表1より、実施例1と実施例2とを比較すると、シボ形状を形成する工程とその後に実施される起毛させる工程とを含む製造方法により得られる実施例1の表皮材は、本ヌバックと同等の又は本ヌバックに近い触感及び意匠を有するものであることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 表皮材
1a 表面
2 基材層
2A 繊維集合体
4 表面層
4A 立毛

Claims (9)

  1. 化学繊維からなる繊維集合体を含む基材層と、
    上記基材層の少なくとも一方の面側に配設され、上記繊維集合体から形成される複数の立毛を含む表面層と、を有し、
    上記表面層が配設されている側の表面における静摩擦係数(μ)が0.30〜0.45であり、
    上記表面層が配設されている側の表面における算術平均粗さ(Ra)が10〜25μmである
    ことを特徴とする表皮材。
  2. 上記立毛の長さが、200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表皮材。
  3. 上記繊維集合体が、不織布であることを特徴とする請求項1又は2の記載の表皮材。
  4. 上記繊維集合体が、その内部に高分子弾性体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の表皮材。
  5. 下記の工程(1)及び工程(2)
    工程(1):化学繊維からなる繊維集合体を含む被加工材の少なくとも一方の面側にシボ形状を形成する工程、
    工程(2):工程(1)の後に実施され、シボ形状を形成した上記被加工材のシボ形状を形成した面側において上記繊維集合体を構成する化学繊維を起毛させる工程、
    を含む製造方法により得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表皮材。
  6. 上記繊維集合体における化学繊維の繊度が0.001〜0.5dtexであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表皮材。
  7. 上記繊維集合体における化学繊維の繊度が0.001〜0.15dtexであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表皮材。
  8. 見かけ密度が0.1g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表皮材。
  9. 見かけ密度が0.4〜0.8g/cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表皮材。
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