JP2813433B2 - 皮革様シート状物 - Google Patents

皮革様シート状物

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JP2813433B2 JP2182280A JP18228090A JP2813433B2 JP 2813433 B2 JP2813433 B2 JP 2813433B2 JP 2182280 A JP2182280 A JP 2182280A JP 18228090 A JP18228090 A JP 18228090A JP 2813433 B2 JP2813433 B2 JP 2813433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は皮革様シート状物に関する。さらに詳しく
は、本発明は特定の構造のポリエステル系ポリオール成
分とポリラクトン系ポリオール成分とを必須成分とする
ポリウレタンエラストマーを含むポリウレタン系樹脂と
繊維基体からなる皮革様シート状物に関する。
本発明の皮革様シート状物は、独特のぬめり感などの
優れた風合を有し、しかも耐久性に優れていることから
通常の合成皮革および人工皮革が使用されている用途に
適用可能であり、例えば靴、鞄、袋物、衣料などの素材
として有用である。
〔従来の技術〕
従来、繊維基体およびポリウレタン系樹脂からなる皮
革様シート状物として、いわゆる銀付き調またはスエー
ド調の種々の合成皮革および人工皮革が公知である。該
ポリウレタン系樹脂としてポリメチルバレロラクトン系
ポリウレタン樹脂を用いることが提案されている。すな
わち、特開昭60−26019号公報においてはポリ(β−メ
チル−δ−バレロラクトン)系ポリウレタン樹脂が耐加
水分解性などに優れ、人工皮革に用いうることが記載さ
れている。特開昭63−315676号公報には、ポリメチルバ
レロラクトンポリオールまたはそれとポリブチレンアジ
ペートポリオールもしくはポリエチレンブチレンアジペ
ートポリオールとの混合ポリマーポリオールを有機ジイ
ソシアネートおよび1,4−ブタンジオールと反応させて
得られたポリウレタン樹脂からなる層を基材上に形成さ
せてなる合成皮革が耐加水分解性および耐光性に優れる
ことが記載されている。また特開平1−132885号公報に
は、繊維基体に含浸または塗布することによつて皮革様
シート状物を製造することが可能なポリウレタンを構成
し得るソフトセグメントの1つとしてポリ(β−メチル
−δ−バレロラクトン)が挙げられている。
一方、皮革様シート状物に使用されるポリウレタン系
樹脂としてポリ(3−メチルペンタメチレン アジペー
ト)系ポリウレタン樹脂を用いることも提案されてい
る。すなわち、特開昭61−207675号公報には、ポリ(メ
チルペンタメチレン アジペート)ジオールを主体とす
るポリマージオール、4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネートおよび低分子ジオールを反応させて得られる
ポリウレタンを用いて湿式凝固法により製造された皮革
様シート状物が耐加水分解性および表面平滑性に優れ、
かつ柔かい風合を有することが記載されており、また該
公報によれば、ポリウレタンの製造においてポリエチレ
ングリコールなどのポリ(3−メチルペンタメチレン
アジペート)ジオール以外のポリマージオールを全ポリ
マージオールの約15重量%以下の量であればポリ(3−
メチルペンタメチレン アジペート)ジオールと併用し
得るとされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年の消費生活における高級化志向ならびに感性重視
およびフアツシヨン重視の傾向は目を見張るものがあ
り、合成皮革および人工皮革のごとき皮革様シート状物
においても従来は要求されなかつた特性に対する要求が
厳しくなつてきている。
本発明者らが皮革様シート状物が有するぬめり感に注
目して検討したところ、上記特開昭60−26019号公報、
特開昭63−315676号公報および特開平1−132885号公報
に記載されているようなポリメチルバレロラクトンジオ
ールと有機ジイソシアネートとを反応させて得られたポ
リウレタンからは、しつとりとした良好なぬめり感を有
する皮革様シート状物が得られないことが判明した。さ
らに、特開昭63−315676号公報の記載に準じてポリ(β
−メチル−δ−バレロラクトン)ジオールなどのポリメ
チルバレロラクトンジオールとポリブチレンアジペート
ジオールとの混合ポリマージオールを有機ジイソシアネ
ートおよび鎖伸長剤と反応させて得られたポリウレタン
を使用して製造した皮革様シート状物では、良好なぬめ
り感を有する場合があるものの、反面、耐加水分解性が
低下するために、ぬめり感などの諸性能の経時的な劣化
が著しくなることが判明した。また、上記特開昭61−20
7675号公報に記載されているようなポリ(3−メチルペ
ンタメチレン アジペート)ジオールまたはそれとそれ
以外のポリマージオールとの重量比90対10の混合ポリマ
ージオールを4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネー
トおよび低分子ジオールと反応させて得られたポリウレ
タンからは、良好なぬめり感を備えた皮革様シート状物
が得られないことが判明した。
しかして、本発明の目的は、繊維基体およびポリウレ
タン系樹脂からなる皮革様シート状物であつて、良好な
ぬめり感を備え、しかもこの良好なぬめり感の経時的な
劣化を伴うことがない耐久性に優れた皮革様シート状物
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば上記の目的は、繊維基体およびポリウ
レタン系樹脂からなる皮革様シート状物において、該ポ
リウレタン系樹脂が、(A)メチル基で置換されていて
もよい1,5−ペンタンジオールから誘導される炭素数5
〜6のアルカンジオール単位とジカルボン酸単位とを含
むポリエステル系ポリオールおよびβ−メチル−δ−バ
レロラクトン単位を含むポリラクトン系ポリオールから
なり、該ポリエステル系ポリオールと該ポリラクトン系
ポリオールとの重量比が5対95〜85対15の範囲内である
ポリマーポリオールと(B)有機ジイソシアネートとを
反応させて得られるポリウレタンエラストマーを含むこ
とを特徴とする皮革様シート状物を提供することによつ
て達成される。
本発明におけるポリマーポリオールの必須成分の一つ
である上記のポリエステル系ポリオール〔以下、ポリエ
ステル系ポリオール(A−1)と称する〕は、上記の特
定のアルカンジオール単位とジカルボン酸単位とを必須
の構成単位として有し、かつ分子鎖末端に平均して2個
以上のアルコール性水酸基を有する。
ポリエステル系ポリオール(A−1)の必須の構成単
位の一つである上記の特定のアルカンジオール単位は、
1個のメチル基で置換されていてもよい1,5−ペンタン
ジオールから2個の水酸基中に含まれる2個の水素原子
を除いた形の単位〔以下、かかる単位をアルカンジオー
ル単位(I)と称する〕であり、一般式 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、mは0〜
2の整数を表し、nは2〜4の整数を表し、ここでmと
nの和は4であるものとする) で示される。該アルカンジオール単位(I)は、式 で示される3−メチル−1,5−ペンタンジオール単位
(以下、MPD単位と称する)であることが、得られる皮
革様シート状物がぬめり感およびその耐久性において特
に優れること、およびポリウレタンエラストマーの非溶
剤中での凝固性が良好となることに由来して湿式法を採
用する場合にポリウレタン系樹脂相に均一な微細孔を有
する柔軟な皮革様シート状物を製造することが可能とな
ることから望ましい。
ポリエステル系ポリオール(A−1)はアルカンジオ
ール単位(I)以外の1種以上のジオール単位を含んで
いてもよい。かかるジオール単位としては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどの飽和脂肪族ジオール;1,4−シクロヘ
キサンジオールなどの飽和脂環式ジオール;キシリレン
グリコール等の2価の芳香族アルコール等のジオールか
ら2個の水酸基中に含まれる2個の水素原子を除いた形
の単位などが挙げられる。アルカンジオール単位(I)
以外のジオール単位の含有量は、本発明の作用・効果が
損なわれない範囲内であれば特に制限されないが、一般
に、ポリエステル系ポリオール(A−1)中に含まれる
全ジオール単位に対して40モル%以下であり、かつポリ
エステル系ポリオール(A−1)中に含まれる各ジオー
ル単位についての全ジオール単位に対するモル分率と該
各ジオール単位の炭素原子数の積の総和を5.0以上にす
るような範囲内であること、すなわち式 (式中、kはポリエステル系ポリオール中に含まれるジ
オール単位の種類の数を表し、Xiは第i番目の種類のジ
オール単位の炭素原子数を表し、Miはポリエステル系ポ
リオール中に含まれる全ジオール単位に対する第i番目
の種類のジオール単位のモル分率を表す) で示される関係を満足させるような範囲内であることが
好ましい。
ポリエステル系ポリオール(A−1)を構成するジカ
ルボン酸単位としてはその種類に特に制限は無く、通常
のポリウレタンの製造に用いられているようなポリエス
テル系ポリオールを構成するジカルボン酸単位であれば
よい。その様なジカルボン酸単位として、例えばアジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸などの飽和脂肪族カルボン酸;イソフタル酸、テレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸
から2個のカルボキシル基中の2個の水酸基を除した形
の単位を挙げることができる。これらのジカルボン酸単
位の中でも、アジピン酸単位、アゼライン酸単位、セバ
シン酸単位などが得られる皮革様シート状物のぬめり
感、その耐久性などの性能が特に良好となる場合が多い
ことから、一般的に望ましい。なお、ポリエステル系ポ
リオール(A−1)を構成するジカルボン酸単位は1種
のみでもよく、また2種以上であつてもよい。
ポリエステル系ポリオール(A−1)は、上記のとお
りの少なくとも1種のアルカンジオール単位(I)を含
むジオール単位とジカルボン酸単位から実質的に構成さ
れるが、本発明の作用・効果が損なわれない範囲内の少
量であれば、他の単位を含んでいてもよい。かかる任意
に含んでいてもよい単位としては、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパンなどの3価以
上の多価アルコールから水酸基中の水素原子を除いた形
の3価以上の単位などが挙げられる。
ポリエステル系ポリオール(A−1)の分子量として
は、特に制限されるものではないが、通常のポリウレタ
ンの製造原料として用いられているポリエステル系ポリ
オールが有する分子量の範囲が好適に採用される。中で
も数平均分子量が500〜10000、とりわけ800〜5000であ
ることが、ポリエステル系ポリオール(A−1)および
それから得られるポリウレタンエラストマーの取扱い性
が良好となり、しかも得られる皮革様シート状物のぬめ
り感およびその耐久性がいずれも特に良好となる場合が
多いことから、一般的に好ましい。
本発明におけるポリエステル系ポリオール(A−1)
の製造方法としては特に制限されることなく、公知のポ
リエステルの製造手段が適用可能である。例えば、ポリ
エステル系ポリオール(A−1)は、所望のジオール単
位に対応する構造を有するジオールおよび所望のジカル
ボン酸単位に対応する構造を有するジカルボン酸もしく
はそのメチルエステル、エチルエステルなどのエステル
形成性誘導体を所望の割合で使用してエステル化触媒お
よび/またはエステル交換触媒の存在下に150〜250℃で
エステル化するかまたはエステル交換し、次いで得られ
た反応生成物を減圧下、200〜300℃で縮合重合させるこ
とにより製造することができる。
本発明におけるポリマーポリオールの必須の成分の1
つである前記のポリラクトン系ポリオール〔以下、ポリ
ラクトン系ポリオール(A−2)と称する〕は、β−メ
チル−δ−バレロラクトン単位を必須の構成単位として
含み、かつ分子鎖末端に平均して2個以上のアルコール
性水酸基を有する。
ポリラクトン系ポリオール(A−2)を構成するβ−
メチル−δ−バレロラクトン単位は、β−メチル−δ−
バレロラクトンを開環させた形の式 で示される単位である。ポリラクトン系ポリオール(A
−2)はβ−メチル−δ−バレロラクトン単位以外のラ
クトン単位を含んでいてもよい。かかる任意に含まれる
ことのあるラクトン単位としては、例えばδ−バレロラ
クトン、ε−カプロラクトンなどの側鎖を有しないラク
トンを開環させた形の単位;α−メチル−δ−バレロラ
クトン、γ−メチル−δ−バレロラクトン、δ−メチル
−δ−バレロラクトン、β,β,δ−トリメチル−ε−
カプロラクトンなどのβ−メチル−δ−バレロラクトン
以外の側鎖を有するラクトンを開環させた形の単位など
が挙げられる。β−メチル−δ−バレロラクトン単位以
外のラクトン単位の含有量は本発明の作用・効果が損な
われない範囲内であれば特に制限されないが、一般に、
ポリラクトン系ポリオール(A−2)に含まれる全ラク
トン単位に対して60モル%以上であることが望ましい。
ポリラクトン系ポリオール(A−2)の分子量として
は、特に制限されるものではないが、通常のポリウレタ
ン製造原料として用いられているポリラクトン系ポリオ
ールが有する分子量の範囲が好適に採用される。中でも
数平均分子量が500〜10000、とりわけ800〜5000である
ことがポリラクトン系ポリオール(A−2)およびそれ
から得られるポリウレタンエラストマーの取扱い性が良
好であり、しかも得られる皮革様シート状物のぬめり感
およびその耐久性がいずれも特に良好となる場合が多い
ことから一般的に望ましい。
本発明におけるポリラクトン系ポリオール(A−2)
の製造方法としては特に制限されることなく、公知のポ
リラクトンの製造手段が適用可能である。例えば、ポリ
ラクトン系ポリオール(A−2)は、所望のラクトン単
位に対応する構造を有するラクトンを重合開始剤として
の2個以上の活性水素原子を分子中に含有する化合物お
よびリチウム、ナトリウム、n−ブチルリチウム、硫酸
などの重合触媒の存在下に10〜200℃で開環重合するこ
とによつて製造することができる。重合開始剤として用
いられる2個以上の活性水素原子を分子中に含有する化
合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ナフタレンジオ
ール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノ
ールアミンなどの炭素数2〜22の多価アルコール類;平
均分子量200〜2000のポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシプロピレングリコールなどの炭素数2〜12の
オキシアルキレン基または炭素数4〜10のオキシシクロ
アルキレン基を繰り返し構成単位として有するポリオキ
シアルキレングリコール類;エチレンジアミン、1,4−
ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、p−フエニ
レンジアミン、ピペラジンなどの炭素数2〜12のポリア
ミン類などが挙げられる。
本発明においては、ポリウレタンエラストマーを製造
するためにポリマーポリオールとして上記のポリエステ
ル系ポリオール(A−1)とポリラクトン系ポリオール
(A−2)とを5対95〜85対15の範囲内の重量比で併用
することが必須である。ポリマーポリオール中のポリエ
ステル系ポリオール(A−1)とポリラクトン系ポリオ
ール(A−2)との重量比が上記の範囲より外れる場合
には、ぬめり感の良好な皮革様シート状物は得られな
い。ポリエステル系ポリオール(A−1)とポリラクト
ン系ポリオール(A−2)との重量比が20対80〜80対20
の範囲であることが、得られる皮革様シート状物のぬめ
り感およびその耐久性が特に良好となることから好まし
い。
本発明においては、ポリマーポリオールとして、上記
のポリエステル系ポリオール(A−1)およびポリラク
トン系ポリオール(A−2)のごとき必須のポリマーポ
リオールとともに、それ以外のポリマーポリオールを使
用してもよい。かかる任意に使用してもよいポリマーポ
リオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール
(A−1)以外のポリエステル系ポリオール;ポリ(ε
−カプロラクトン)ジオールなどの、ポリラクトン系ポ
リオール(A−2)以外のポリラクトン系ポリオール;
ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシテトラメチ
レンジオール等のポリエーテル系ポリオール;ポリ(ヘ
キサメチレンカーボネート)ジオールなどのポリカーボ
ネート系ポリオールなどが挙げられる。上記の任意に使
用してもよいポリエステル系ポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、キシリレングリコール、ネオペン
チルグリコールなどのジオールの少なくとも1種のアジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの脂肪族また
は芳香族のジカルボン酸の少なくとも1種との縮合重合
体などを挙げることができる。任意に使用してもよいポ
リマーポリオールの使用量としては本発明の作用・効果
が損なわれない範囲内であれば特に制限されないが、使
用するポリマーポリオールの全量に対して50重量%以下
であることが、得られる皮革様シート状物のぬめり感、
その耐久性などの性能が特に良好となる場合が多いこと
から、一般的に好ましい。
本発明においてポリウレタンエラストマーを製造する
ために使用する有機ジイソシアネートは、通常のポリウ
レタンの製造のために使用されているような有機ジイソ
シアネートであればよい。かかる有機ジイソシアネート
としては、例えば4,4′−ジフエニルメタンジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、フエニレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネ
ート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ま
たは脂環式のジイソシアネートなどが挙げられる。これ
らの有機ジイソシアネートの中でもとりわけ4,4′−ジ
フエニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネートなどが、汎用性が高
いことなどから工業的に使用するうえで有利である。
本発明においてはポリウレタンエラストマーを製造す
るために、ポリマーポリオールと有機ジイソシアネート
とを必須の原料として使用するが、さらに所望により鎖
伸長剤を併用してもよい。かかる鎖伸長剤としては、通
常のポリウレタンの製造のために使用されているような
鎖伸長剤であればよく、2個以上の活性水素原子を分子
中に有する分子量400以下の低分子化合物が通常使用さ
れる。かかる低分子化合物の代表例としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8
−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロ
ヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;キシリレング
リコールなどの2価の芳香族アルコール;ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコール;ジメチロールプ
ロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールなどのジ
オール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシ
リレンジアミン、イソホロンジアミン、フエニレンジア
ミン、トリレンジアミンなどの脂肪族、脂環式または芳
香族のジアミン;ピペラジンなどの2個のイミノ基を環
式構造の中に含む複素環化合物;アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジヒドラジド;ヒ
ドラジン;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、グリセリンなどの3価以上のアルコールなどが挙
げられる。鎖伸長剤としては、上記のジオール、ジアミ
ン、2個のイミノ基を環式構造の中に含む複素環化合
物、ジヒドラジド、ヒドラジンなどの2個の活性水素原
子を分子中に有する低分子化合物の少なくとも1種を単
独で、または上記の3価以上のアルコールの少なくとも
1種と組み合せて用いることが一般的である。
ポリエステル系ポリオール(A−1)およびポリラク
トン系ポリオール(A−2)からなるポリマーポリオー
ルと有機ジイソシアネートと要すれば鎖伸長剤とを反応
させて得られるポリウレタンエラストマー〔以下、ポリ
ウレタンエラストマー(E)と称する〕の溶液粘度につ
いては、特に制限されるものではないが、皮革様シート
状物の製造工程通過性が良好となり、かつ得られる皮革
様シート状物のぬめり感およびその耐久性がいずれも特
に良好となる場合が多いことから、30℃で測定されたジ
メチルホルムアミド溶媒中の固形分濃度25重量%の溶液
の粘度が5〜2000ポイズ、中でも50〜900ポイズである
ことが一般的に好ましい。
ポリウレタンエラストマー(E)を製造するための具
体的な操作方法に関しては、公知のウレタン化反応の技
術が用いられる。例えば、上記のポリエステル系ポリオ
ール(A−1)、ポリラクトン系ポリオール(A−2)
などのポリマーポリオールおよび要すれば鎖伸長剤を混
合し、約40〜100℃に予熱したのち、有機ジイソシアネ
ートを加え、50〜140℃で数時間反応させ、さらに要す
れば既に使用したものと同種または異種の鎖伸長剤を混
合し、20〜140℃で数時間反応させることにより所望の
ポリウレタンエラストマーが得られる。なおウレタン化
反応では、所望により通常のウレタン化反応触媒、例え
ば有機スズ化合物、有機チタン化合物、三級アミン類な
どを使用してもよい。また、上記反応は有機ジイソシア
ネートに対して不活性な有機溶剤の存在下に行つてもよ
い。その有機溶剤としては、例えばトルエンなどの芳香
族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル;ジメチルホル
ムアミドなどのアミド;メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、アセトンなどのケトン;テトラヒドロ
フランなどの環状エーテル;トリクロルエチレンなどの
ハロゲン化炭化水素等が単独で、または任意の混合物で
用いられる。これらの例示された有機溶剤は、イソプロ
パノール、エタノール、メタノール等のアルコール類と
混合して用いてもよい。有機溶剤の存在下に反応を行う
場合には、反応終了時における固形分含有量が5〜90重
量%、中でも10〜60重量%となるように有機溶剤の使用
量を調整するのが一般的である。
上記のようにして得られたポリウレタンエラストマー
(E)は、それ単独で、またはポリウレタンエラストマ
ー(E)以外のポリウレタンエラストマーとの混合物
で、本発明の皮革様シート状物を繊維基体と共に構成す
るポリウレタン系樹脂として使用される。かかるポリウ
レタンエラストマー(E)と任意に併用し得るポリウレ
タンエラストマーとしては、通常の人工皮革または合成
皮革を製造するために繊維基体とともに使用されている
ような通常のポリウレタンエラストマーを使用すること
ができる。かかる任意に使用してもよいポリウレタンエ
ラストマーの代表例として、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレ
ングリコール、ネオペンチルグリコールなどの低分子ジ
オールの少なくとも1種とアジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、
テレフタル酸などの脂肪族または芳香族のジカルボン酸
の少なくとも1種との縮合混合物であるようなポリエス
テル系ポリオール;ポリオキシプロピレンポリオール、
ポリオキシテトラメチレンポリオール等のポリエーテル
系ポリオール;ポリ(ε−カプロラクトン)ポリオール
などのポリラクトン系ポリオール;ポリカーボネートポ
リオールなどのポリマーポリオールと有機ジイソシアネ
ートと要すれば鎖伸長剤とを用いて常法によりウレタン
化することによつて得られたポリウレタンエラストマー
などを挙げることができる。任意に使用してもよいポリ
ウレタンエラストマーの使用量としては、本発明の作用
・効果が損なわれない範囲内であれば特に制限されない
が、本発明の皮革様シート状物を繊維基体と共に構成す
るポリウレタン系樹脂の全量に対して50重量%以下であ
ることが、得られる皮革様シート状物のぬめり感および
その耐久性のいずれもが特に良好となる場合が多いこと
から、一般的に好ましい。
本発明の皮革様シート状物を構成する繊維基体は、通
常の合成皮革および人工皮革を製造するために使用され
ているような、織物、編物、不織布などの二次元繊維集
合体または三次元繊維集合体である。繊維基体を構成す
る繊維としては、綿、絹、麻、羊毛、アスベスト等の天
然繊維;ビスコースレーヨン繊維、銅アンモニアレーヨ
ン繊維等の再生繊維;アセテート繊維等の半合成繊維;
ポリアミド繊維(ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、芳
香族ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、
ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、ポリアク
リロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリ(アルキレ
ンパラオキシベンゾエート)繊維等の合成繊維などの1
種または2種以上を用いることができるが、中でも綿、
ポリアミド繊維(ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、芳
香族ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、
ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維等が好適に用いら
れる。これらの繊維は普通繊維であつてもよく、また微
細繊維、多孔状繊維などの特殊形状繊維であつてもよ
い。なお繊維基体は、上記の繊維集合体に、ポリウレタ
ンエラストマー(E)以外のポリウレタンエラストマー
などの弾性ポリマーを含浸させたものであつてもよい。
本発明の皮革様シート状物は、繊維基体上にポリウレ
タン系樹脂からなる層が被覆されている、いわゆる銀付
き調または重合体スエード調の形態および繊維基体中に
ポリウレタン系樹脂が含浸されている、いわゆる繊維質
スエード調の形態のいずれの形態を有してもよい。ポリ
ウレタン系樹脂からなる層が繊維基体上に被覆されてい
る形態を有する皮革様シート状物では、ポリウレタンエ
ラストマー(E)を含むポリウレタン系樹脂からなる層
と繊維基体との間に接着剤層および/または中皮層が介
在していてもよい。かかる接着剤層または中皮層を構成
する樹脂としては例えばポリウレタンなどが好適に採用
される。ポリウレタンエラストマー(E)を含むポリウ
レタン系樹脂には、皮革様シート状物の使用目的などに
応じて、通常の合成皮革または人工皮革において使用さ
れているような各種の添加剤を配合することができる。
そのような添加剤として、例えば顔料、染料などの着色
剤、無機物質充填剤、隠蔽剤、柔軟剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、界面活性剤、凝固調節剤、滑剤等が挙げら
れる。
本発明の皮革様シート状物は、通常の合成皮革および
人工皮革を製造するために採用されているような、例え
ば湿式法、乾式法などとして知られている公知の方法に
準じて製造することができる。
乾式法による皮革様シート状物の製造方法としては、
例えば次のような転写法を採用することができる。ま
ず、ポリウレタンエラストマー(E)を含むポリウレタ
ン系樹脂の溶液を、ドクターナイフにて離型紙上に塗布
し、90〜110℃で2〜3分間熱風乾燥することによつて
離型紙上に表皮用の樹脂層を形成させる。該離型紙上の
樹脂層の上にポリウレタンなどの接着剤用の樹脂の溶液
を塗布するとともにさらにその上に繊維基体をラミネー
トロールを用いて貼り合せ、90〜110℃で2〜3分間熱
風乾燥する。次いで、得られた積層体を、40〜60℃で2
〜3分間エージングしたのち、離型紙を剥離し、必要に
応じてグラビアロールにて数回表面仕上げを行うことに
よつて、本発明の皮革様シート状物が得られる。なお、
上記のポリウレタンエラストマー(E)を含むポリウレ
タン系樹脂の溶液の離型紙上への塗布においては、得ら
れる皮革様シート状物の用途に応じて必ずしも一様では
ないが、通常、形成される表皮用の樹脂層の厚さが10〜
100μmとなるような溶液濃度および塗布量が採用され
る。また、上記の接着剤用の樹脂の溶液として、30〜50
重量%の樹脂濃度の溶液を60〜150g/m2の塗布量で表皮
用の樹脂層上に塗布する場合には、乾燥後数十mμの厚
みの接着剤層が形成される。さらに、上記の離型紙の代
りに離型性を有する樹脂フイルムを使用してもよく、ま
た離型紙上または樹脂フイルム上に表皮用の樹脂層を形
成させる方法として、熱風乾燥の代りに、ポリウレタン
系樹脂溶液が塗布された離型紙または樹脂フイルムを該
ポリウレタン系樹脂の非溶剤中に浸漬することによるポ
リウレタン系樹脂の凝固方法を採用することもできる。
湿式法による皮革様シート状物の製造法としては、例
えば、繊維基体にポリウレタン系樹脂の溶液を含浸およ
び/または塗布した後、該ポリウレタン系樹脂の非溶剤
中に浸漬することによつて該ポリウレタン系樹脂からな
る層を形成させることからなる方法を採用することがで
きる。
本発明の皮革様シート状物には、必要に応じて通常の
合成皮革および人工皮革に対して採用されるような各種
の後処理が施されていてもよい。そのような後処理とし
ては、例えばエンボス処理;揉み加工;皺加工;柔軟剤
処理;風合改良、着色、表面特性改良などのためのトツ
プコートなどが挙げられる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお実施例中、化合物を次のとおりの略号で示すこと
がある。
BD :1,4−ブタンジオール DMF :N,N−ジメチルホルムアミド EG :エチレングリコール MDI :4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート MPD :3−メチル−1,5−ペンタンジオール PMVL:エチレングリコールを重合開始剤として用いてβ
−メチル−δ−バレロラクトンを開環重合させることに
より得られたポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)
ジオール PCL :エチレングリコールを重合開始剤として用いてε
−カプロラクトンを開環重合させることにより得られた
ポリ(ε−カプロラクトン)ジオール 実施例1 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールと数
平均分子量2000のPMVLとの重量比50:50の混合物からな
るポリマーポリオール、MDIおよびEG(ポリマーポリオ
ールMDIとEGのモル比が1:3.2:2.2)を常法に従つてDMF
溶媒中、85℃で約8時間反応させることにより、濃度25
重量%の表皮層用ポリウレタンエラストマーのDMF中の
溶液を得た。該溶液の30℃での粘度は400ポイズであつ
た。該溶液をメチルエチルケトンで希釈することによつ
て、固形分濃度20重量%の表皮層用ポリウレタン溶液を
得た。
MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量1000のポリエステル系ジオールおよ
びトリレンジイソシアネートを、トルエン溶媒中、該溶
媒の還流下にウレタン化反応に付し、次いでDMFと酢酸
エチルの混合溶剤で希釈し、固形分濃度45重量%、粘度
700ポイズ(30℃)の溶液状の接着剤用ポリウレタン主
剤を得た。次いで該主剤100重量部に、硬化剤としての
トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付
加物の5.5重量部およびDMFの所望量を加え、粘度50ポイ
ズ(30℃)の接着剤用ポリウレタン溶液を得た。
離型紙上に、ナイフコーターを用いて表皮層用ポリウ
レタン溶液(固形分濃度:20重量%)を乾燥厚み25μm
になるような量で塗布し、100℃で3分間加熱乾燥させ
ることによつて表皮層用のポリウレタン皮膜を形成させ
た。次に前記の皮膜上に、接着剤用ポリウレタン溶液を
120g/m2の目付けになるような量でナイフコーターを用
いて塗布し、直ちにその上に、ポリエステル糸を縦糸と
し、かつレーヨン糸を横糸として用いて交織することに
よつて得られた起毛布の非起毛面を貼り合わせ、次いで
ラミネートロールにより圧着した。得られた積層体を10
0℃で2分間乾燥させ、50℃にて3日間養生したのち離
型紙を剥離させることによつて、皮革様シート状物を得
た。
得られた皮革様シート状物の一部を、ジヤングルテス
ターを用いて相対湿度95%、温度70℃の条件下で6週間
(1000時間)処理した。
上記のジヤングルテストに付していない皮革様シート
状物およびジヤングルテストに付された皮革様シート状
物のそれぞれについて、10人の成人パネラーに触覚(手
触り)および視覚(目視)に基づいてぬめり感および表
皮の表面平滑性を評価させた。ぬめり感については、各
パネラーに「しつとりとした極めて良好なぬめり感を有
している」、「良好なぬめり感を有している」、「わず
かながらぬめり感を有しているように感じる」および
「ぬめり感を全く有していない」の4段階で評価させ、
各評価に対応する数値(それぞれ3、2、1および0)
でぬめり感を採点させた。また表面平滑性については、
各パネラーに「極めて平滑である」、「ほぼ平滑であ
る」、「わずかながら平滑性を有している」および「平
滑性が全く感じられない」の4段階で評価させ、各評価
に対応する数値(それぞれ3、2、1および0)で表面
平滑性を採点させた。ぬめり感および表面平滑性のそれ
ぞれについて、各パネラーの採点の平均値を第1表に示
す。
第1表から明らかなとおり、得られた皮革様シート状
物は、極めて良好な表面平滑性としつとりとしたぬめり
感を強く感じさせることから、高級感を備えたシートで
ある。また該皮革様シート状物はジヤングルテストに付
されたのちも極めて良好な表面平滑性としつとりしたぬ
めり感を保持していることから、耐加水分解性に優れた
耐久性の高いシートである。
比較例1 数平均分子量2000のPMVL、MDIおよびEG(これらのモ
ル比は1:3.4:2.4)をDMF溶媒中、85℃で約12時間反応さ
せることによつて濃度25重量%の表皮層用ポリウレタン
エラストマーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での
粘度は380ポイズであつた。該溶液をメチルエチルケト
ンで希釈することによつて、固形分濃度20重量%の表皮
層用ポリウレタン溶液を得た。このようにして得られた
表皮層用ポリウレタン溶液を用いる以外は実施例1にお
けると同様にして皮革様シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点の平均
値を第2表に示す。
第2表から明らかなとおり、得られた皮革様シート状
物は、一応良好な表面平滑性を有しているものの、しつ
とりとしたぬめり感をあまり感じさせないことから高級
感に欠けるシートである。
比較例2 ポリエステル系ジオールとして、BDとアジピン酸とを
縮合重合させることによつて得られた数平均分子量2000
のポリエステル系ジオールを用いる以外は実施例1にお
けると同様にして濃度25重量%の表皮層用ポリウレタン
エラストマーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での
粘度は420ポイズであつた。
該溶液をメチルエチルケトンで希釈することによつ
て、固形分濃度20重量%の表皮層用ポリウレタン溶液を
得た。このようにして得られた表皮層用ポリウレタン溶
液を用いる以外は実施例1におけると同様にして皮革様
シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点の平均
値を第3表に示す。
第3表から明らかなとおり、得られた皮革様シート状
物は、一応、良好な平面平滑性を感じさせるものの、し
つとりとしたぬめり感をあまり感じさせず、また耐加水
分解性に劣り、ジヤングルテスト後での表面平滑性とぬ
めり感の劣化が著しい。
実施例2〜5および比較例3 表皮層用ポリウレタンエラストマーを製造するために
使用したポリエステル系ジオールおよびPMVLの数平均分
子量と混合比およびポリマーポリオールとMDIとEGのモ
ル比として第4表に示した条件を採用する以外は実施例
1におけると同様にして皮革様シート状物を製造した。
なお、ウレタン化反応によつて得られた濃度25重量%の
表皮層用ポリウレタンエラストマーのDMF中の溶液の粘
度は約400ポイズであつた。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価を第4表に併せて示す。
第4表から明らかなとおり、実施例2〜5で得られた
皮革様シート状物は、いずれも表面平滑性、ぬめり感お
よびそれらの耐久性の全てにおいて優れている。これに
対して、比較例3で得られた皮革様シート状物はしつと
りとしたぬめり感をほとんど感じさせない。
比較例4 エチレングリコールを重合開始剤として用いてα−メ
チル−δ−バレロラクトンを開環重合することにより得
られた数平均分子量2000のポリ(α−メチル−δ−バレ
ロラクトン)ジオールを数平均分子量2000のPMVLの代り
にそれと同重量で用いる以外は実施例1におけると同様
にしてポリマーポリオール、MDIおよびEGを反応させる
ことにより、濃度25重量%の表皮層用ポリウレタンエラ
ストマーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での粘度
は420ポイズであつた。該溶液をメチルエチルケトンで
希釈することによつて、固形分濃度20重量%の表皮層用
ポリウレタン溶液を得た。このようにして得られた表皮
層用ポリウレタン溶液を用いる以外は実施例1における
と同様にして皮革様シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価によれば、得られた皮革様シート状物は、
一応、良好な表面平滑性とぬめり感を感じさせるもの
の、耐加水分解性に劣り、ジヤングルテスト後で表面平
滑性とぬめり感が低下し、とりわけぬめり感の低下が著
しいことが判明した。
比較例5 エチレングリコールを重合開始剤として用いてγ−メ
チル−δ−バレロラクトンを開環重合することにより得
られた数平均分子量2000のポリ(γ−メチル−δ−バレ
ロラクトン)ジオールを数平均分子量2000のPMVLの代り
にそれと同重量で用いる以外は実施例1におけると同様
にしてポリマーポリオール、MDIおよびEGを反応させる
ことにより、濃度25重量%の表皮層用ポリウレタンエラ
ストマーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での粘度
は390ポイズであつた。該溶液をメチルエチルケトンで
希釈することによつて、固形分濃度20重量%の表皮層用
ポリウレタン溶液を得た。このようにして得られた表皮
層用ポリウレタン溶液を用いる以外は実施例1における
と同様にして皮革様シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価によれば、得られた皮革様シート状物は、
一応、良好な表面平滑性とぬめり感を感じさせるもの
の、耐加水分解性に劣り、ジヤングルテスト後で表面平
滑性とぬめり感が低下し、とりわけぬめり感の低下が著
しいことが判明した。
実施例6 ポリエステル系ジオールとして、MPDおよびBDの混合
物(モル比は6:4;各ジオールのモル分率と該ジオールの
炭素原子数の積の和は5.4)とアジピン酸とを縮合重合
させることによつて得られた数平均分子量2000のポリエ
ステル系ジオールを用いる以外は実施例1におけると同
様にして濃度25重量%の表皮層用ポリウレタンエラスト
マーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での粘度は400
ポイズであつた。該溶液をメチルエチルケトンで希釈す
ることによつて、固形分濃度20重量%の表皮層用ポリウ
レタン溶液を得た。このようにして得られた表皮層用ポ
リウレタン溶液を用いる以外は実施例1におけると同様
にして皮革様シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価によれば、得られた皮革様シート状物は極
めて良好な表面平均性とぬめり感を有しており、しかも
ジヤングルテストの後においてもこれらの良好な表面平
滑性とぬめり感は保持されていた。
実施例7 ポリエステル系ジオールとして、MPDおよびEGの混合
物(モル比は7:3;各ジオールのモル分率と該ジオールの
炭素原子数の積の和は4.8)とアジピン酸とを縮合重合
させることによつて得られた数平均分子量の2000のポリ
エステル系ジオールを用いる以外は実施例1におけると
同様にして濃度25重量%の表皮層用ポリウレタンエラス
トマーのDMF中の溶液を得た。該溶液の30℃での粘度は4
00ポイズであつた。該溶液をメチルエチルケトンで希釈
することによつて、固形分濃度20重量%の表皮層用ポリ
ウレタン溶液を得た。このようにして得られた表皮層用
ポリウレタン溶液を用いる以外は実施例1におけると同
様にして皮革様シート状物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価によれば、得られた皮革様シート状物は良
好な表面平滑性とぬめり感を有しており、またジヤング
ルテストの後においてこれらの表面平滑性とぬめり感は
やや低下しているもののやはり良好であつた。
実施例8 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールと数
平均分子量2000のPMVLとの重量比50:50の混合物からな
るポリマーポリオール、MDIおよびBD(ポリマーポリオ
ールとMDIとBDのモル比は1:6:5)を常法に従つてDMF溶
媒中、85℃で約7時間反応させることにより、濃度25重
量%のポリウレタンエラストマーのDMF中の溶液を得
た。該溶液の30℃での粘度は400ポイズであつた。該溶
液を、固形分濃度が13重量%になるようにDMFで希釈
し、さらに添加剤としてのアルコール変性シリコーン油
とポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツク
コポリマーとの重量比0.5:1の混合物をポリウレタンエ
ラストマーに対して20重量%の量、着色材としてのカー
ボンブラツクをポリウレタンエラストマーに対して1重
量%の量でそれぞれ添加することによつて、ポリウレタ
ンエラストマー組成液を調製した。
このポリウレタンエラストマー組成液をポリエチレン
シート上に組成液量500g/m2(ポリウレタン量:62g/m2
となるように流延法で塗布したのち、ジメチルホルムア
ミド25重量%水溶液からなる温度40℃の凝固液中に浸漬
した。凝固したポリウレタンエラストマーシートをポリ
エチレンシートより剥離し、80℃の熱水中で脱溶剤・洗
浄し、乾燥させることによつて多孔質のポリウレタンシ
ートを得た。かかる多孔質のポリウレタンシートは目付
70g/m2、厚さ0.33mm、見掛密度0.23g/cm3であり、表面
に対してほぼ垂直の方向に延びた長い空孔のあるスポン
ジ構造と極めて平滑な表面を有した柔軟なものであつ
た。
この多孔質シートのポリエチレンシートに接していた
面を架橋型ポリウレタン接着剤でナイロントリコツトに
接着させた後、多孔質シートの表面をサンドペーパーで
約0.04〜0.05mmの厚さになるまで研磨することによつて
内部の多孔を露出させたところ、均一な気孔によつて形
成された美しい外観のスエード調の皮革様シート状物が
得られた。この皮革様シート状物はしつとりしたぬめり
感を有し、かつ柔軟性およびドレープ性に富んだ高級感
のある黒色のシートであり、衣料用素材として好適なも
のであつた。また、この皮革様シート状物はジヤングル
テストの後においてもしつとりとしたぬめり感などの良
好な風合を保持していた。
比較例6 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオール、MD
IおよびBD(モル比は1:6:5)を常法に従つてDMF溶媒
中、85℃で約9時間反応させることにより、濃度25重量
%のポリウレタンエラストマーのDMF中の溶液を得た。
該溶液の30℃での粘度は400ポイズであつた。このよう
にして得られたポリウレタンエラストマーの溶液を用い
る以外は実施例8におけると同様にして、ポリウレタン
エラストマー組成液の調製、多孔質のポリウレタンシー
トの製造および皮革様シート状物の製造を行つた。
得られた多孔質のポリウレタンシートは目付69g/m2
厚さ0.31mm、見掛密度0.25g/cm3であり、いびつな空孔
のあるスポンジ構造と凹凸の多い表面を有したものであ
つた。また、それを用いて得られたスエード調の皮革様
シート状物は、しつとりとしたぬめり感を感じさせず、
高級感のないものであつた。
実施例9 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールと数
平均分子量2000のPMVLとの重量比30:70の混合物からな
るポリマーポリオール、MDIおよびBD(ポリマーポリオ
ールとMDIとBDのモル比は1:7.9:6.9)を常法に従つてDM
F溶媒中、85℃で約8時間反応させることにより、濃度2
5重量%のポリウレタンエラストマーのDMF中の溶液を得
た。該溶液の30℃での粘度は370ポイズであつた。該溶
液を、固形分濃度が13重量%になるようにDMFで希釈
し、さらに添加剤としてのアルコール変性シリコーン油
とポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツク
コポリマーとの重量比0.5:1の混合物をポリウレタンエ
ラストマーに対して20重量%の量で添加することによ
り、ポリウレタンエラストマー組成液を調製した。
このポリウレタンエラストマー組成液をポリエチレン
シート上に液量600g/m2となるように塗布したのちジメ
チルホルムアミド25重量%水溶液からなる温度40℃の凝
固液中に浸漬した。凝固したポリウレタンエラストマー
シートをポリエチレンシートより剥離し、熱水中で脱溶
剤、洗浄し、乾燥させることによつて極めて良好な表面
平滑性を有する多孔質ポリウレタンシートを得た。
この多孔質シートを、ナイロン−6極細繊維束状繊維
絡合不織布中にポリエステル系ポリウレタンを含有させ
て得られた厚さ1.2mmの繊維基材に、ポリウレタン系接
着剤で接着させ、エンボス加工することによつて銀付調
皮革様シート状物を得た。
得られた皮革様シート状物でのエンボス模様の付与状
態は良好であり、該シート状物は、細く長い多数の折れ
皺を発生し、かつしつとりとしたぬめり感と見た目の重
量感とを有する高級感のある皮革様シートであつた。ま
た、この皮革様シート状物は、ジヤングルテストの後に
おいても上記の種々の良好な特長を保持していた。
実施例10 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールと数
平均分子量2000のPMVLと数平均分子量2000のPCLとの重
量比40:24:36の混合物からなるポリマーポリオールを用
いる以外は実施例9におけると同様にして濃度25重量%
のポリウレタンのDMF溶液を得た。該溶液の30℃での粘
度は370ポイズであつた。このようなポリウレタン溶液
を用いる以外は、実施例9におけると同様にして銀付調
皮革様シート状物を得た。
得られた皮革様シート状物は、実施例9において得ら
れたものと比べるとやや劣るものの、しつとりとしたぬ
めり感のあるシートであり、ジヤングルテスト後におい
てもこのぬめり感は十分に保持されていた。
実施例11 MPDとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得
られた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールと数
平均分子量2000のPMVLとの重量比30:70の混合物からな
るポリマーポリオール、MDIおよびBD(ポリマーポリオ
ールとMDIとBDのモル比は1:7.9:6.9)を常法に従ってDM
F溶媒中、85℃で約8時間反応させることにより、濃度2
5重量%のポリウレタンエラストマー〔以下、ポリウレ
タンエラストマー(X)と称する〕のDMF中の溶液を得
た。該溶液の30℃での粘度は380ポイズであつた。
数平均分子量2000のポリブチレンアジペート、MDIお
よびBD(モル比は1:7.9:6.9)を常法に従ってDMF溶媒
中、85℃で約7時間反応させることにより、濃度25重量
%のポリウレタンエラストマー〔以下、ポリウレタンエ
ラストマー(Y)と称する〕のDMF中の溶液を得た。該
溶液の30℃での粘度は360ポイズであつた。
このようにして得られた2種のポリウレタンエラスト
マー溶液を、ポリウレタンエラストマー(X)とポリウ
レタンエラストマー(Y)との重量比が75:25となるよ
うに混合し、固形分濃度が13重量%になるようにDMFで
希釈し、さらに添加剤としてのアルコール変性シリコー
ン油とポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロ
ツクコポリマーとの重量比0.5:1の混合物をポリウレタ
ンエラストマーに対して20重量%の量で添加することに
より、ポリウレタンエラストマー組成液を調製した。
このポリウレタンエラストマー組成液をポリエチレン
シート上に液量600g/m2となるように塗布したのちジメ
チルホルムアミド25重量%水溶液からなる温度40℃の凝
固液中に浸漬した。凝固したポリウレタンエラストマー
をポリエチレンシートより剥離し、熱水中で脱溶剤、洗
浄し、乾燥させることによつて極めて良好な表面平滑性
を有する多孔質ポリウレタンシートを得た。
この多孔質シートを、ナイロン−6極細繊維束状繊維
絡合不織布中にポリエステル系ポリウレタンを含有させ
て得られた厚さ1.2mmの繊維基材に、ポリウレタン系接
着剤で接着させ、エンボス加工することによつて銀付調
皮革様シート状物を得た。
得られた皮革様シート状物は、しつとりとしたぬめり
感を見た目の重量感とを有する高級感のある皮革様シー
トであり、ジヤングルテストの後においてもこれらの良
好な特長を保持していた。
比較例7 数平均分子量2000のPMVL、MDIおよびBD(モル比は1:
7.9:6.9)を常法に従つてDMF溶媒中、85℃で約12時間反
応させることによつて、濃度25重量%のポリウレタンエ
ラストマーのDMF溶液を得た。該溶液の30℃での粘度は3
90ポイズであつた。
このようにして得られた濃度25重量%のポリウレタン
エラストマーのDMF溶液を同濃度のポリウレタンエラス
トマー(X)のDMF溶液の代りに使用する以外は実施例1
1におけると同様にして、ポリウレタンエラストマー
(Y)のDMF溶液と混合し、次いでポリウレタンエラス
トマー組成物の調製、多孔質ポリウレタンシートの製造
および銀付調皮革様シート状物の製造を行つた。
得られた多孔質ポリウレタンシートはほぼ良好な表面
平滑性を有していたものの、それから得られた銀付調皮
革様シート状物はしつとりとしたぬめり感を感じさせ
ず、かつジヤングルテスト後には銀面に割れが生じるな
ど耐久性の不十分なものであつた。
実施例12 ポリエステル系ジオールとして、1,5−ペンタンジオ
ールとアジピン酸とを縮合重合させることによつて得ら
れた数平均分子量2000のポリエステル系ジオールを用い
る以外は実施例1におけると同様にして濃度25重量%の
表皮層用ポリウレタンエラストマーのDMF中の溶液を得
た。該溶液の30℃での粘度は400ポイズであつた。該溶
液をメチルエチルケトンで希釈することによつて、固形
分濃度20重量%の表皮層用ポリウレタン溶液を得た。こ
のようにして得られた表皮層用ポリウレタン溶液を用い
る以外は実施例1におけると同様にして皮革様シート状
物を得た。
このようにして得られた皮革様シート状物の試料およ
びそれをジヤングルテストに付して得られた試料のそれ
ぞれについて、実施例1におけると同様なぬめり感およ
び表面平滑性の評価を行つた。各パネラーの採点に基づ
く平均的評価によれば、得られた皮革様シート状物は実
施例1で得られた皮革様シート状物より劣るものの良好
なぬめり感を有しており、ジヤングルテストの後におい
ても良好なぬめり感が保持されていた。また、得られた
皮革様シート状物は極めて良好な表面平滑性を有し、し
かもジヤングルテストの後においてもその良好な表面平
滑性が保持されていた。
〔発明の効果〕
上記の実施例から明らかなとおり、本発明によれば、
良好なぬめり感を有し、かつその良好なぬめり感を高温
・多湿下においてさえも長期に亘つて保持しうる耐久性
に優れた新規な皮革様シート状物が提供される。本発明
によつて提供される皮革様シート状物のうち銀付き調の
皮革様シート状物では、銀面の表面平滑性が極めて良好
であり、さらにそれぞれ表面加工が施されたものでは、
折れしわ形態、エンボス型の固定性などにおいて良好な
外観を呈する。また本発明によつて提供される皮革様シ
ート状物のうちスエード調の皮革様シート状物において
はスエード感がよい。さらに、本発明によつて提供され
る皮革様シート状物は二次加工性、例えば裁断加工性、
縫製加工性、すき、型押性などにおいても優れている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−129102(JP,A) 特開 昭59−179513(JP,A) 特開 昭57−154470(JP,A) 特公 昭54−37038(JP,B2) 特公 平1−53399(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06N 3/14 C08G 18/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維基体およびポリウレタン系樹脂からな
    る皮革様シート状物において、該ポリウレタン系樹脂
    が、(A)メチル基で置換されていてもよい1,5−ペン
    タンジオールから誘導される炭素数5〜6のアルカンジ
    オール単位とジカルボン酸単位とを含むポリエステル系
    ポリオールおよびβ−メチル−δ−バレロラクトン単位
    を含むポリラクトン系ポリオールからなり、該ポリエス
    テル系ポリオールと該ポリラクトン系ポリオールとの重
    量比が5対95〜85対15の範囲内であるポリマーポリオー
    ルと(B)有機ジイソシアネートとを反応させて得られ
    るポリウレタンエラストマーを含むことを特徴とする皮
    革様シート状物。
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