JPH0437186B2 - - Google Patents

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JPH0437186B2
JPH0437186B2 JP5188584A JP5188584A JPH0437186B2 JP H0437186 B2 JPH0437186 B2 JP H0437186B2 JP 5188584 A JP5188584 A JP 5188584A JP 5188584 A JP5188584 A JP 5188584A JP H0437186 B2 JPH0437186 B2 JP H0437186B2
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JP
Japan
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polyurethane
polyol
surface coating
coating layer
sheet material
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JP5188584A
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Koji Hirai
Toshihiro Hamada
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、柔軟で良好な風合を有し耐加水分解
性、耐酸化劣化性(耐光性、耐熱性)に優れたポ
リウレタン加工シート状物に関するものであり、
自動車用座席や応接椅子等の長期間使用されるシ
ートや、靴、鞄、袋物、衣料、手袋、ベルト等の
皮革用途、さらには合羽、スポーツウエア、テン
ト、防寒着等の用途に好適である素材を提供する
ものである。 従来よりポリウレタン系の皮革シート物や透湿
性防水加工布等はポリウレタンの耐加水分解性や
耐光性等が劣悪なため到底、長期の使用に耐える
ものではなかつた。ポリウレタンはポリエステル
系やポリエーテル系等の高分子ジオールを有機ジ
イソシアナート及び鎖伸長剤である活性水素化合
物と反応させることにより得られるものである
が、高分子ジオールとしてポリエステル系のもの
を使用した場合にはエステル結合が加水分解を受
けるためにポリウレタンが劣化し、例えば皮革様
シート物の表面が短期間に粘着性を帯びたり著し
いものにあつては表面全体に無数の亀裂が入つた
り、基体に積層されたポリウレタン樹脂層が基体
より剥離する等の現象が発生するため、ポリエス
テル系ポリウレタンは耐久性を必要とする用途に
は本質的に適していない。またポリエーテル系の
ポリウレタンは、耐加水分解性に優れているもの
の酸化劣化が大きく、紫外線や熱により容易に劣
化する。それゆえポリウレタン系皮革様シート物
やポリウレタン加工透湿防水布等で耐久性を要求
される分野への進出拡大は非常にむずかしいこと
とされていた。 本発明者らは、前述した柔軟で良好な風合を有
し、耐久性に優れた高級感を有するポリウレタン
加工シート物について検討した結果、特定のポリ
ウレタンを使用し、これらのポリウレタンを特定
の順序で積層することにより、上記の要求性能の
全てを高度に併せ有する耐久性を有するポリウレ
タン加工シート物を完成した。 すなわち本発明の柔軟で風合良好にして、かつ
耐久性を有するポリウレタン加工シート物は次の
様な構成を有しており、このような構成により本
発明の上記要求性能の全てが達成される。 すなわち本発明は、繊維質基体()、ポリウ
レタン樹脂を主成分とする接着剤層()及び表
面被覆層()が順次績層されてなるポリウレタ
ン加工シート状物であつて、該表面被覆層()
が、ソフトセグメントを形成すべき高分子ポリオ
ールとして分子内に
【式】基を有する 平均分子量800〜3000のポリオールを使用して合
成したポリウレタンで形成されていることを特徴
とする耐加水分解性、耐酸化劣化性に優れたポリ
ウレタン加工シート状物に関するものである。 従来より耐加水分解性、耐酸化性等に優れたポ
リエステル系ポリウレタンに関して、高分子ポリ
オールとしてポリカプロラクトンポリオールを使
用したものや1,6−ヘキサンジオールとネオペ
ンチルグリコールおよびアジピン酸より得られる
ポリエステルポリオールを使用して合成したもの
などが知られているが、これらのポリウレタンも
満足できるような耐加水分解性を有していない。
またポリオール成分として耐加水分解性の良好な
ポリカーボネートポリオール、例えば1,6−ヘ
キサンジオールポリカーボネートを使用した場合
には、ポリエーテルポリオールを使用した場合に
生ずる上記諸欠点を改善されることとなるが、ポ
リカーボネートポリオールは極めて高価であり、
かつ耐寒性においてまだ難がある。 本発明者等は、安価で耐加水分解性および耐光
性に優れ、かつ力学的物性、耐油性、耐摩耗性、
耐寒性等の全てを兼備したポリウレタン加工シー
ト状物を得るべく研究を行なつた結果、高分子ポ
リオール成分として、分子内に
【式】基を有する 平均分子量800〜3000のポリオールを使用して合
成したポリウレタンを前述のごとく特定の順序で
積層することにより得られたポリウレタン加工シ
ート状物が上記要求性能の全てを高度に併せ有す
ることを見出したものである。 以下に本発明の個々の構成要件について具体的
に説明する。 まず本発明を構成している繊維質基体()
は、例えば絡合不織布、積層不織布、織布、編布
などの繊維集合体、あるいはこれらの繊維集合体
に弾性重合体を主体とする重合体の溶液または分
散液を含浸し、多孔質または非多孔質に凝結せし
めたものである。繊維集合体を構成する繊維とし
ては普通の繊維、異形断面繊維、高収縮繊維、海
島状断面構造繊維、バイメタル型断面構造繊維、
ミクロフイブリル集束体繊維、れんこん状繊維な
どおよびこれらの混合繊維が用いられる。ミクロ
フイブリル集束体繊維およびれんこん状繊維は、
溶剤に対する溶解性の異なる2種以上の高分子物
質から紡糸された海島状断面構造を有する特殊繊
維から一成分を溶剤で溶解除去することにより得
られる。すなわち該特殊繊維から海成分を溶解除
去すればミクロフイブリル集束体繊維が得られ、
特殊繊維から島成分を溶解除去すればれんこん状
繊維が得られる。皮革様シート物用基体において
は、繊維と凝結重合体とは完全に密着していない
方が望ましい。繊維集合体に含ませる重合体とし
ては、ポリウレタンエラストマー、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミドなどがある。 次にポリウレタン表面被覆層()は前述した
ようなポリウレタンより形成されたものである
が、該ポリウレタンを合成するために用いられる
分子内に
【式】基 を有する平均分子量800〜3000のポリオールは、
具体的にはポリ(β−メチル−δ−バレロラクト
ン)ポリオールまたはこれを含むポリオール混合
物、あるいはβ−メチル−δ−バレロラクトンを
一成分として開環共重合することにより得られる
平均分子量800〜3000のブロツクまたはランダム
共重合ポリオールである。 ポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ポリ
オールは、β−メチル−δ−バレロラクトンをエ
チレングリコールやブタンジオール等の低分子多
価アルコールで開環重合することにより得られる
ものである。 同様な方法により得られるポリ(ε−カプロラ
クトン)ポリオールや、またジオールとジカルボ
ン酸よりの縮合重合により得られるポリエステル
ポリオールは、一般に融点が30〜60℃と高く、か
つ結晶化傾向が大きいため、これらのポリオール
から得られるポリウレタンはソフトセグメント成
分の結晶硬化を起こし弾性が損われやすく、さら
にこれらポリオールは溶融粘度が高くポリウレタ
ンを合成する際の作業性に支障を来たすことがあ
るが、ポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)
ポリオールはそれ自体が無定形ポリマーであり、
かつ室温で極めて低粘度の液体であるため、上記
のような欠点を有していない。 またメチル−δ−バレロラクトンには、α−メ
チル−δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バ
レロラクトン、γ−メチル−δ−バレロラクトン
およびδ−メチル−δ−バレロラクトンがある
が、β−メチル−δ−バレロラクトンの開環重合
体または開環共重合体をソフトセグメント成分と
するポリウレタンのみが耐加水分解性において優
れている。他のメチル−δ−バレロラクトンやメ
チル置換されていないδ−バレロラクトンからの
開環重合体または開環共重合体をソフトセグメン
ト成分とするポリウレタンは、その他のポリエス
テル系ポリウレタンと同様に耐加水分解性におい
て満足できるものではない。また同様に、β−メ
チル−δ−バレロラクトンの開環重合体または開
環共重合体をソフトセグメント成分とするポリウ
レタンのみが耐光性に関して特に優れている。さ
らに耐摩耗性、耐油性、耐寒性、その他の力学的
物性においても、従来から知られているポリエス
テル系ポリウレタンと比べて何ら遜色がない。 本発明において、ポリ(β−メチル−δ−バレ
ロラクトン)ポリオールが高分子ポリオールのう
ちの20重量%以上、特に40重量%以上である場合
に、耐加水分解性の点で好ましい結果が得られ、
単独使用の場合、すなわち高分子ポリオールの全
量がポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ポ
リオールである場合に最も優れた耐加水分解性が
得られる。さらに他の効果として結晶化傾向の大
きなポリブチレンアジペートポリオールやポリヘ
キサメチレンアジペートポリオールの20重量%以
上、特に40重量%以上をポリ(β−メチル−δ−
バレロラクトン)ポリオールに代えることによ
り、得られるポリウレタンは耐加水分解性を有す
ると共に結晶化も抑制されたものとなるため、低
温特性および弾性物性の良好なものとなる。 さらに他のラクトンとの共重合体、例えばε−
カプロラクトンとβ−メチル−δ−バレロラクト
ンとを開環共重合することにより得られるところ
の分子内に
【式】 基が導入されたポリオールを用いる場合や、アジ
ペート系ポリエステルポリオールとβ−メチル−
δ−バレロラクトンよりのブロツクポリマーポリ
オールを用いる場合であつても、ポリオール成分
において20重量%、特に40重量%以上の
【式】基を有する 場合には同上の効果が得られる。特にポリ(β−
メチル−δ−バレロラクトン)ポリオールの単独
使用またはβ−メチル−δ−バレロラクトンとε
−カプロラクトンとの共重合体の使用が耐加水分
解性、低温特性、機械的性質等の面より好まし
い。 本発明において、高分子ポリオールの平均分子
量は、通常800〜3000であり、特に好ましくは
1000〜2000の範囲である。また、
【式】基を有する 高分子ポリオールと併用できる高分子ポリオール
としては、通常ポリウレタンの製造に用いられて
いるもの全てが挙げられる。 次にポリウレタン樹脂を主成分とする接着剤層
()は、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等のポリエーテルをソフト
セグメント成分とするポリエーテル系ポリウレタ
ンまたはソフトセグメントを形成すべき、高分子
ポリオールとして分子内に
【式】基を有する ポリオールを使用して合成したポリウレタンで形
成され、かつ接着剤層のポリウレタンの100%モ
ジユラス(以下M100と略す)が表面被覆層のポ
リウレタンのM100より低いことが耐久性、風合
等を総合的に満足させる上で好ましい。 すなわち接着剤層()に使用されるポリウレ
タンとしては、耐加水分解性を有していることが
きわめて重要である。表面被覆層()のポリウ
レタンに顔料や酸化チタンがあれば光隠蔽効果が
働くことにより光酸化劣化が顕著に抑制されるた
め、ポリエーテル系のポリウレタンの使用は可能
となる。ただし自動車用皮革シートのごとき耐熱
酸化劣化性が厳しく要求される用途には接着剤層
にも、本発明の表面被覆層()で使用される高
分子ポリオール分子内に
【式】基を有する ポリオールから合成されたポリウレタンを使用す
るのが好ましい。ただし該接着剤層のポリウレタ
ンのM100は該表面被覆層のポリウレタンのM100
より低いことが好ましく、高くなると風合が悪
く、さらに折れシワ、タツチ等も不良となる。 また耐光性、耐加水分解性の良好な透湿防水性
加工布等の用途に用いる場合には、該接着剤層
()または該表面被覆層()を形成するポリ
ウレタンとしてはさらに分子内にエチレンオキサ
イド構造単位(−CH2CH2O)−oを有している高分
子ポリオールまたはこの高分子ポリオールを含む
ポリオール混合物であつて、全高子ポリオール中
におけるエチレンオキサイド構造単位の割合が10
〜50重量%となる様にソフトセグメント成分を選
定するのが好ましい。 本発明の接着剤層()および表面被覆層
()を構成しているポリウレタンの合成に用い
られる有機ポリイソシアネートとしては、例えば
ジフエニルメタンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、フエニレンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′−
ジクロロ−4,4′−ジフエニルメタンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネートや、シクロヘキサンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、水添化キシリレン
ジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ジイソ
シアネートが挙げられる。有機ポリイソシアネー
トは単独で用いても、また混合して用いてもよ
い。 有機ポリイソシアネートとして芳香族ジイソシ
アネートを用いるとポリウレタンは耐光劣化性に
劣り、具体的には光照射による黄変、強伸度低
下、架橋硬化をきたすことが知られている。従つ
て耐光性を必要とする場合には有機ポリイソシア
ネートが脂肪族系または脂環族系のものであり、
鎖伸長剤も脂肪族または脂環族ジアミンを使用す
るのが好ましい。この場合さらにヒドラジンまた
は有機酸ジヒドラジドを併用すると耐光性が向上
する。 またポリウレタンの合成において、2個以上の
活性水素原子を有する低分子化合物が通常鎖伸長
剤として使用されているが、本発明においてもこ
れらの2個以上の活性水素原子を有する低分子化
合物を使用することができる。これら2個以上の
活性水素原子を有する低分子化合物の代表例とし
て、例えば、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタノー
ル、キシリレングリコール等のジオール類や、
水、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジア
ミン、ピペラジン、フエニレンジアミン、トリレ
ンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタ
ル酸ジヒドラジド等が挙げられ、これらの化合物
は単独で、あるいは混合して用いられる。さらに
必要により、一価の低分子アルコール、低分子ア
ミンなどを変性剤として用いることもできる。 ポリウレタンを得るための操作方法に関して
は、公知のウレタン化反応の技術が用いられる。
たとえば、ポリオールと2個以上の活性水素原子
を有する低分子化合物とを混合し、約40〜100℃
に予熱したのち、これらの化合物の活性水素原子
数とNCO基数の比が約1:1となる割合の量の
有機ポリイソシアネートを加え、短時間強力にか
きまぜた後、約50〜150℃で放置するとポリウレ
タンが得られる。またウレタンブレポリマーを経
由して行なうこともできる。普通水分などの影響
を受けるため、有機ポリイソシアネートはごくわ
ずか過剰に用いられる。これらの反応を、ジメチ
ルホルムジアミド、ジエチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テト
ラヒドロフラン、イソプロパノール、ベンゼン、
トルエン、エチルセロソルブ、トリクレン等の1
種または2種以上からなる溶媒中で行なうことも
できる。この場合、反応を10〜40重量%の範囲内
の濃度で行なうと、高分子量のポリウレタンを得
るのに好都合である。 本発明のポリウレタン加工シート状物は、必須
成分として繊維質基体()、接着剤層()、表
面被覆層()を有しているが、さらに本発明の
ポリウレタン加工シート状物において、繊維質基
体()の有している色斑や凹凸斑を隠蔽するた
め及び耐光性向上のため顔料や酸化チタンなどを
含む重合体層、またポリウレタン表面被覆層
()の上に表面強度を高めたり色艶を調整する
ための重合体層が挿入・積層されても良い。 なお接着剤層()、表面被覆層()、さらに
これらに積層あるいは挿入する重合体層について
は乾式皮膜の形態でも発泡構造になつていてもよ
いが、風合、外観、ボリユーム感、耐屈曲性、折
れシワ等の面より発泡構造になつているものの方
が高級感があり好ましい。発泡層を形成するため
には、ポリウレタン樹脂に各種発泡剤を混合し加
熱して発泡剤を分解させる方法や水混和性溶剤に
溶解させたポリウレタン樹脂を離型性支持体上に
塗布してから水中に浸漬して凝固させてスポンジ
シートを得る方法、高濃度のポリウレタンエマル
ジヨンを発泡機を用いて泡立たせてから離型性支
持体上に塗布し泡をつぶさないように乾燥して得
る方法、あるいはワンシヨツト法によるウレタン
フオーム製造技術を利用する方法、さらにはポリ
オール、有機ポリイソシアネート、発泡剤、有機
溶剤からなる配合液を加熱し、溶剤の揮散と発泡
剤の分解による気泡の生成により発泡層を形成す
る方法やその他多くの方法が知られているがいず
れの方法を採用してもよい。 またこれらの()層、()層には安定剤や
添加剤さらには他の重合体等が含まれていても良
い。 なお()層の厚みは通常1〜500μの範囲で
ある。また()層の厚みは通常1〜100μの範
囲、好ましくは20〜50μである。 これらの層には、顔料又は酸化チタンや染料が
配合されていてもよい。添加される顔料は無機系
のものであつても有機系のものであつてもいずれ
でも良い。これらの添加される着色剤の量はポリ
ウレタンに対して重量比で0.03〜3.0好ましくは
0.05〜0.5の範囲である。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
なお実施例中耐加水分解性とは、得られた皮革様
シート物を相対湿度95%温度70℃の雰囲気中(ジ
ヤングルテスト条件)で7週間放置した結果生じ
る表面のベタツキ、表面亀裂、被覆層の剥離等を
調べたものである。また耐光性はフエードメータ
ーで63℃雰囲気で100時間カーボンアーク燈で露
光した場合のテーバー摩耗を調べたものである。
また耐熱性は120℃のオーブン中で500時間処理し
た後のテーバー摩耗を調べたものである。表面物
性は、テーバー型摩耗試験機で荷重1Kg、摩擦回
数1000回、さらに折目摩耗試験機(カストム式)
にて荷重2Kg、摩擦回数3000回処理した場合の表
面摩耗程度を観察した結果である。耐屈曲性はス
トローク幅(最長時3cm、最短時1cm)で屈曲回
数8600回/時間の屈曲試験機を用いて常温で屈曲
試験を行なつた場合の結果であり、10万回以上で
変化しない場合には〇、少々傷がつく場合には
△、基体が見える程傷がついた場合には×をもつ
て示した。柔軟性風合については感触により判定
した。良好なものを◎及び〇、少し硬いものを
△、非常に硬いものを×でもつて示した。また、
透湿性はJIS Z 0208−1976に記載の透湿度試験
方法(カツプ法)で恒温恒湿条件で条件Bの温度
40±0.5℃、相対湿度90±2%の試験方法によつ
て測定されたものである。さらに100%モジユラ
スは、3号ダンベルにより打ち抜いたフイルムを
インストロンTMM型万能引張試験機で20℃、引
張速度30cm/minで引張した際の値である。 また実施例において、使用したポリウレタンの
原料となつた高分子ジオール、ジイソシアネート
化合物および鎖伸長剤については略号を用いて示
したが、略号と化合物の関係は以下の通りであ
る。
【表】
【表】 実施例1〜6及び比較例1〜3 離型紙上に順次ポリウレタン表面被覆層()、
結合層()をそれぞれ乾燥厚み10μ、20μ(発泡
層の時は50μ)となる様にポリウレタン溶液をナ
イフコーターにて塗布し、接着剤層()が未だ
粘着性を有するうちに基体()(テトロン−レ
ーヨン起毛布)の上に貼り合せて、加熱乾燥した
のち、離型紙を剥離して皮革様シート物を得た。
()層、()層に用いたそれぞれのポリウレタ
ンの原料は第1表に示す通りである。また発泡剤
としては重炭酸アンモニウムを用いた。 得られる皮革様シート物の耐久性、表面物性、
風合(柔軟性)その他の物性の比較を行ない、そ
の結果を第2表に示した。表より明らかな如く本
発明の皮革様シート物は柔軟で良好な風合を有
し、かつ耐加水分解性、耐酸化劣化性に優れかつ
表面物性にも優れている。
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維質基体()、ポリウレタン樹脂を主成
    分とする接着剤層()および表面被覆層()
    が順次積層されてなるポリウレタン加工シート状
    物において、該表面被覆層()が、ソフトセグ
    メントを形成すべき高分子ポリオールとして分子
    内に【式】基を有 する平均分子量800〜3000のポリオールを使用し
    て合成したポリウレタンで形成されていることを
    特徴とするポリウレタン加工シート状物。 2 接着剤層()が、ポリエーテル系ポリウレ
    タンまたはソフトセグメントを形成すべきポリオ
    ールとして分子内に
    【式】基を有する ポリオールを使用して合成したポリウレタンで形
    成され、かつ接着剤層()のポリウレタンの
    100%モジユラスが表面被覆層()のポリウレ
    タンの100%モジユラスより低い特許請求の範囲
    第1項記載のポリウレタン加工シート状物。 3 接着剤層()または表面被覆層()を形
    成するポリウレタンのソフトセグメント中にエチ
    レンオキサイド構造単位(−CH2CH2O)−oが含ま
    れており、かつその割合が全ソフトセグメントに
    対して10〜50重量%である特許請求の範囲第1項
    または第2項記載のポリウレタン加工シート状
    物。 4 表面被覆層()を構成するポリウレタンの
    ジイソシアナート成分が脂肪族または脂環族ジイ
    ソシアネートであり、鎖伸長剤が脂肪族または脂
    環族ジアミンである特許請求の範囲第1項記載の
    ポリウレタン加工シート状物。
JP5188584A 1984-03-16 1984-03-16 ポリウレタン加工シ−ト状物 Granted JPS60199981A (ja)

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JPS63315676A (ja) * 1987-06-19 1988-12-23 Dainichi Color & Chem Mfg Co Ltd ポリウレタン系合成皮革

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