JP2782203B2 - 人工皮革用ポリウレタン組成物 - Google Patents

人工皮革用ポリウレタン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は人工皮革として用いられた場合に性能の優れ
た人工皮革を提供しうるポリウレタン組成物に関する更
に、詳しくは分散染料によって容易に染色され、且つ、
染色堅牢どの優れ、さらに強伸度などの物理的性質にす
ぐれ、耐熱性、耐光劣化成、耐屈曲性、ポリマー溶液安
定性などに優れた人工皮革を製造するに際し、要求され
る諸性能を高度に併せもったポリウレタン及びその有機
溶剤からなるポリウレタン組成物に関する。
(従来の技術と問題点) (超)極細繊維のランダム三次元立体構造を必須とす
る人工皮革は従来より広く実用化されているが、これは
極細繊維を製造し、その短繊維で交絡シートを作り、こ
の繊維空間にポリウレタンを充填したものが一般的であ
る。この場合繊維素材がポリエステル繊維の場合には染
色対象物はポリエステル繊維とポリウレタン系化合物で
あり、使用染料は分散染料でなければならずこの染色に
おいてポリエステル繊維よりもポリウレタンが見掛けの
親和性が大きく染料分配が多くなる。実質的に必要なポ
リエステル側への染着量はポリウレタンより少なくな
り、従って繊維集合体表面にポリエステルが表れた場合
は白茶けた感じとなり、外観の良い染色物が得られな
い。しかもこの後で洗滌堅牢度、ドライクリーニング性
を向上するため、還元洗滌を施す必要があり、この場合
ポリウレタン側の染料が脱落、還元分解し、実質的に殆
どの染料を捨てていることとなり非常に不経済である。
又、ポリウレタンが表面に表れた場合繊維束は染色さ
れ、ポリウレタン側染料が還元分解で白っぽく見えるも
のとなり、まだら斑の表面を呈する。このため使用ポリ
ウレタン顔料を添加し、まだら斑を防止しているのが現
状である。しかし乍ら、顧客より、濃色、淡色、白色、
流行色等種々の要望の或る場合、ポリウレタン顔料添加
色シートを必要以上に在庫せねばならず、シート自体単
価の高いもののため経済負担が大きくなることは免れな
い。従来、ポリウレタン樹脂に染色性を与える方法とし
ては (1)第3級窒素原子をポリウレタン重合鎖中に導入す
る方法(特公昭37−23097号) (2)有機酸又は無機酸と第3級アミンとの塩をポリウ
レタン重合鎖中に導入する方法(特公昭50−17520); (3)高分子のポリヒドロキシ化合物、低分子ポリオー
ル及び有機ポリイソシアネートを溶媒中で反応させた
后、分子内に第3級窒素原子または第4級窒素原子をも
つ1価アルコールあるいは1価の第1級または第2級ア
ミンを添加し、未反応イソシアナート基との反応を完結
させ、ポリウレタン鎖の末端に第3級窒素原子又は第4
級窒素原子を導入する方法(特公昭44−16386号); (4)ポリオールとして低分子量第4級窒素原子を含有
するジオール、これから誘導されるポリエーテルジオー
ル又はポリエステルジオールを使用し、鎖伸長に低分子
2官能性活性水素原子含有化合物を使用する方法(特公
57−29486号公報)等が知られている。
然し乍ら、上記いずれの方法も、金属錯塩染料、酸性
染料、塩基性染料、直接染料、反応性染料による染色附
与方法であり、詳細には染色特性、洗滌試験后の変退色
の不良、耐光堅牢度の良否を測定すると金属錯塩染料の
みが適応しているポリウレタン樹脂であると云える。更
にまた方法(1)ではポリウレタン重合鎖に遊離の第3
窒素原子があり重合中にゲル化し易い欠点があり、方法
(2)は、ウレタン重合体中塩の形で第3級窒素原子が
あり、この遊離の第3級窒素原子と酸と解離する場合が
あり、合成中にゲル化し易い。また経時と共に反応が進
まずその粘度上昇がみられないものとなる。また染色物
の耐光堅牢度が不良であり、使用金属錯塩染料、酸性染
料等は表面染着となり易い欠点を有する。方法(3)は
第3級、第4級の窒素原子導入量を制御することが難し
く、方法(2)同様表面染着になり易く、未反応の第4
級窒素原子をもつ1価アルコール或は1価の第1級アミ
ンまたは第2級アミンが未反応イソシアナートに対し当
量以上となる時は耐光堅牢度、摩擦堅牢度が低下の原因
となると云われているが染料種で異なり使用染料の選定
が必要となる。方法(4)に於いてはこれらの欠点は解
消されたと云われるが金属錯塩染料のみが使用可能で、
特にポリエステル繊維を素材とした交絡シートに方法
(4)で得られたポリウレタンを含浸、水中凝固したも
のを染色するにはポリエステル繊維が染色出来得る分散
染料を使用し、高温高圧下で120℃〜140℃温度で染色し
水洗し還元洗滌を行い、ポリエステル表面染着染料を脱
落せしめると同時にポリウレタン樹脂表面の未染着、付
着染料を還元分解した后、金属錯塩錯塩染料、酸性染料
で再び染色浴を作成し染色を行い、水洗、フイックス処
理、ソーピング等の処理を行わなければならず長時間を
要し、更にはポリエステル繊維の色相とポリウレタン樹
脂の色相が分散染料、金属錯塩染料種の差異並びに染着
機構差よりその同色性が得られないのが現状である。
一方ポリウレタン樹脂に染着しない分散染料で、ポリ
エステル繊維側を濃染せしめる経済的な方法として、分
子量が300以上でしかも無機性/有機性値が1.10以下で
あるアンスラキノン系分散染料(A)或は分子量が300
以上で無機性/有機性値が0.60以下であるアゾ系染料
(B)を単独あるいは併用する染色法を採用し(特公昭
56−53033号)ポリウレタン側はポリエステル繊維交絡
シート作成后一定濃度の顔料で着色する等の配慮を行っ
ているのが現状である。
(問題を解決するための手段) 本発明の目的は極細ポリエステル繊維とポリウレタン
樹脂で構成されたシートを分散染料を以て同一浴で同一
色に染色し、皮革にみられるやわらかさと強靭性を有し
た人工皮革を製造する適するポリウレタン組成物を提供
することにある。
即ち本発明は、 極細繊維によつて構成される交絡シート状物に溶液状
で付与し皮革様シートを作り、次いでこれを染色乾燥す
る人工皮革の製造に用いるポリウレタンにおいて、該ポ
リウレタンが、有機ジイソシアネート(A)と、構成成
分の少なくとも1部がポリヘキサメチレンカーボネート
であるポリエステル及びポリエーテルジオールからなる
高分子ジオール(B)と、窒素原子を有しない低分子ジ
アミン(D)を反応させて得られたポリウレタンである
ことを特徴とする人工皮革用ポリウレタン組成物にあ
る。
本発明に於いて使用される有機ジイソシアネート
(A)としては芳香族ジイソシアネート(2.4−及び2.6
−トリレンジイソシアネート、4.4−ジフエニルメタジ
イソシアネート、1.5−ナフタレンジイソシアネート、
mまたはp−キシレンジイソシアネート等)、脂環式ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアート、1.4シク
ロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シク
ロヘキシルジイソシアネート等)、脂肪族ジイソシアネ
ート(1.4−テトラメチレンジイソシアネート、1.6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート等)、があげられる。こ
れらのうちで皮革風合に近く、物性の良好なものは4.
4′−ジフエニルメタンジイソシアネートであり、イソ
ホロンジイソシアネートも良結果を示すが無黄変イソシ
アネートと称されるものを使用したポルウレタンはフイ
ルム状とし物性値を測定するときは低モジュラスを示す
か繊維に付着した時その凝集性が強く、分散染料が染着
し易い傾向を有するものの手触りが粗硬となり、特に衣
料用とした場合問題となる。
高分子ジオールとしてはポリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリマポリオール等のポリエーテル系、ポリブタジ
エン系、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレ
ンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ
(テトラメチレンジアジペート)、ポリ(ヘキサメチレ
ンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)其
の他コーポリエステル等のポリエステル系、ポリ−ε−
カプロラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネートが挙
げられるが、これら高分子ジオールを用いポリウレタン
樹脂を合成した場合エステル系の場合耐光性が優れてい
るが耐加水分解性が不良でありエーテル系のものは耐加
水分解性がすぐれているものの耐光性が悪く、これらは
耐光の場合経時間により分子量が5000前後に激減するこ
とから判断出来る。
また、皮革として出触りが柔軟である事も重要でこれ
らを統合するとポリテトラメチレングリコールが良好で
ある。エーテル系特有の耐光劣化には紫外線吸収剤即
ち、ベンゾトリアソール、ベンゾフエノン、ベンゾール
系等の添加による防止策が採用されている。しかしこの
効果も完全でなく40時間以上のフエードオメーター照射
では分子量低下が認められるのが現状である。また、従
来よりエスラル系の耐光堅牢度の良いこと、エーテル系
の耐加水分解性の良い事などを勘案し、両ポリオールを
用いたポリウレタン樹脂の配合、並びに両ポリオールの
共重合等が試みられているが、エステル系の耐加水分解
性の悪さ、エーテル系の耐光性の悪さ等が発現し、長所
は相殺され短所のみが特性として表れる欠点を有するも
のとなるのが普通である。本発明に於いては高分子ポリ
オール成分として少なくともポリヘキサメチレンカーボ
ネートを有するものを必須として用いるが、これら高分
子ポリオールの使用により、分散染料で高温高圧に耐
え、且つ次工程強アルカリ側(PH13)二酸化チオ尿素
(10g/)、苛性ソーダ(10g/)浴比1:30、温度80
℃、60分にも耐え、紫外線吸収剤を添加しなくても耐光
40時間劣化がないという特徴を示す。この合成における
窒素原子を有しない低分子ジオール(C)としては脂肪
族ジオール(エチレングリコール、プロピンレングリコ
ール、1.4ブタンジオール、1.5−ペンタンジオール、1.
6−ヘキサンジオール、2.2−ジメチル−1.3−プロパン
ジオール、シクロヘキサン−1、4−ジオール、ジエチ
レングリコール等)、ベンゼン核を有するジオール(ビ
スフエノールAのようなP、P′−ジフエニロールアル
カン、1.4−フエニレンビス(2−オキシエチルエーテ
ル等)、が挙げられるが前記イソシアネート基と反応性
官能基1個当たり分子量が通常300以下の低分子量のも
のが良く特に反応速度の遅いものが良好である。
低分子ジアミン(E)(分子中に1級アミノ基または
2級アミノ基を2個有する化合物)としては脂肪族ジア
ミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメ
チルジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、脂環式ジ
アミン(1.3−シクロヘキサンジアミン、4.4′−メチレ
ンジシクロヘキサンジアミン等)、複素環式ジアミン
(ピヘラジン、N−アミノエチルピペラジン等)、芳香
族ジアミン(フエニレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、4.4′−ジアミノジフエニルメタノール、トリレン
ジアミン、3.3′−ジクロロ−4.4′−ジアミノジフエニ
ルメタン等)、ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキ
ルヒドラジン等)、ジヒトラジッド類(コハク酸ジヒド
ラジッド、アジピン酸ジヒドラジッド、イソフタル酸ヒ
ドラジッド、テレフタル酸ジヒドラジッド等)がある
が、このうち脂環族有機ジアミン(イソホロンジアミ
ン)(1−アミノ−3−エアミノメチル−3、5、5−
トリメチルシクロヘキサン)が最も良く、得られるポリ
ウレタンが溶剤中での溶液安定性が良く、経時増粘が順
調で異状ゲル化等が起こり難く、ポリウレタン自体も強
伸度など機械的性質及び耐熱性に於いて優れたものとな
る。
本発明のポリウレタンを製造するに当たり、全ジ官能
性水素原子含有化合物と有機ジイソシアネート(A)と
の割合は通常活性水素含有基(10H、NH2、NH):NCO=1:
0.9〜1.1(当量比)が好ましい。上記以外の範囲では高
重合のポリウレタン樹脂を合成する事は困難であり、極
細繊維特にポリエステル繊維を以てランダム三次元立体
構造中に含浸しシート状としたものを分散染料浴中にて
液流揉布操作の加わった高温高圧下では摩耗堅牢度性、
物理劣化、耐熱性等が悪く、特に分子量15万以下となる
事でも証明出来得る。次に合成法としてワンショット法
例えば有機ジイソシアネート(A)と全活性水素原子含
有化合物と同時に反応する方法では合成する事は至難で
あり、プレポリマー法即ち、(E)を除く活性水素原子
含有物(A)を反応させ末端NCOポリマーを得てこれを
(E)を鎖伸長する方法が粘度6万cps以上となり、極
細繊維三次元交絡物に含浸、凝固し易いものとなる。こ
の製造はイソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在
下で行う。適当な溶媒としてはアミド系溶媒(ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジエチ
ルホルムアミド、テトラメチレン尿素、N−メチルピロ
リドン、ヘキサメチルホスホルアミド等)、スルホキシ
ド系溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、エーテ
ル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケト
ン系溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(ME
K)等、エステル系溶媒(酢酸エチル等)、芳香族炭化
水素溶媒(トルエン等)があげられる。実用上DMF、MEK
が良い。反応温度はウレタン製造で通常用いられている
ウレタン化反応温度が良好である。プレポリマー法でNC
O末端プレポリマーを得る場合温度は一般に30〜90℃で
あり、次いで鎖伸長する段階では溶媒を使用するので40
〜80℃である。この様にして合成されるポリウレタン樹
脂としては30%(重量%)の固形分としてDMFを溶媒と
して測定した粘度が30.000〜150.000cps/20℃のものが
実用上有用である。
この様にして合成されたポリウレタンをポリエステル
繊維を素材とした三次元交絡構造不織布ラムース(旭化
成製造基布)に含浸、凝固し、然る后染色し、染色上が
りの色相、洗滌堅牢度(AATCC II−A法)、色相変化、
耐光堅牢度(フエードーオーメーター照射)結果を以て
染色可能か否か確認した結果を次表に示す。
表1 有機ジイソシアネートとして芳香族イソシアネート
(4.4′−ジフエニルメタンジイソシアネート)、脂環
式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、
脂肪族ジイソシアネート(1.6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート)を使用し、高分子ジオールとしては耐加水
分解の劣悪なもの、耐光性の劣悪なものを除く一般に使
用していて市場に於ける遜色のないものを選定し、上記
の検討を実施したが、染色后汚染、着色がみられるもの
の洗滌試験に於いてその脱落が大きいもの、変退色の大
きいものがあり、且つ無黄変ポリウレタンと云われる有
機ジイソシアネートを使用しても耐光堅牢度の悪いもの
があり、特に染料がポリウレタン表面染着になっている
事に起因するものと考えられる。4.4−ジフエルメタン
ジイソシアネートを使用しポリテトラメチレングリコー
ルをポリオールとして使用し、鎖伸長剤としてエチレン
グリコール、イソホロンジアミンを使用したものは耐光
堅牢度が悪く、洗滌試験后も変退色が大きく、染色され
たとは云えず、ポリオールとしてポリテトラメチレング
リコール、ポリヘキサメチレンカーボネートを使用し、
鎖伸長剤にエチレングリコールを配したものも仝様結果
となり、鎖伸長剤にイソホロンジアミンを添加しなけれ
ば染色されるポリウレタン組成とは云えない。ポリオー
ルをポリヘキサンメチレンカーボネート、ポリテトラメ
チレングリコールを使用し、鎖伸長剤をエチレングリコ
ール、イソホロンジアネートを用いたテストNo.4、水添
加ジフエニルメタンジイソシアネートを用いたテストN
o.5のものも染色性のあるポリウレタンとして利用出来
る。強いては人工皮革に適するポリウレタンとしては原
料コストが高く、極細繊維に付着する状態が膠着し膜強
度が上がり、発色性が低下しいずれも風合いは硬化の方
向となり人工皮革には適さないものと云える。表1に於
ける評価の良いNo.4、No.5本発明のポリウレタンを極細
繊維三次元交絡シートラムース(旭化成工業製)に含浸
凝固し、その物性を評価した結果次表の通りである。
表2 H12MDI、IPOI等の有機ジイソシアネート使用のものは
剥離強度が良好でなく風合いも硬化傾向を示している。
測定法 ハクリ強度 ケミカルシューズ製規格JCSS−P001−1975
による。
耐摩耗 マーチンデール 荷重12kpa 柔軟度 カンチレバー法JISL−1079−66による。
耐皺度 モンサント法 JISL−1077−66による。
樹脂製造例 1 分子量が1529のポリテトラメチレングリコール461.7g
(0.3モル)とエチレングリコール20.5g(0.33モル)を
5のコルベンに投入し、3286gのジメチルホルムアミ
ド(DMF)を加え、均一にようかいさせた后4.4′ジフエ
ニルネタンジイソシアネート(MDI)317.7g(1.267モ
ル)を加え、NCO基2.26%となる様プレポリマー化を行
い、次いでイソホロンジアミン51.5g(0.324モル)を添
加し60〜65℃に保ち反応させた。反応率の粘度は次第に
高くなり反応開始后2時間后粘度7万cps/20℃の透明均
一なポリウレタン樹脂を得た。
実施例1 0.1デニールのポリエステル繊維を素材としたランダ
ム三次元不織布ラムース(旭化成工業)を製造例1で得
られたポリウレタン樹脂溶液(樹脂濃度30%)をMDFで
樹脂濃度15%になるように希釈し、この樹脂液に含浸し
温度20℃の水中にて凝固し乾燥した人工皮革シートを得
た。次いで液流染色機(日阪製作所(株)製)にて130
℃60分、浴比1:30、布速200m/分分散染料10%、owf Res
olin navy Blue GLS(バイエル社製)、0.5%owf Kayal
on Polyester Red TLSF(日本化薬製)1cc/酢酸を添
加し染色を行い、次いで4g/二酸化チオ尿素、4g/苛
性ソーダ添加浴にて浴比1:30、20℃30分洗滌を行い然る
后水洗乾燥を行い、ポリエステル繊維、ポリウレタン樹
脂共に同一色の鮮明なブル色の人工皮革を得る事が出
来、高圧高温に於ける揉布操作に耐え、且つPH11の強ア
ルカリ洗滌条件による強加水分解条件に遜色のない良好
なものを得た。その物性結果は次の通りである。
樹脂製造例 2 分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートと分子
量の異なるポリテトラメチレングライコールを990.1g
(0.572モル)とエチレングリコール20.5g(0.3306モ
ル)を51のコルベンに投入し3263gのジメチルホルムア
ミド(DMF)を加え、均一に溶解させた后4.4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)312.2g(1.2475モ
ル)を加えNCO基2.19%となる様プレポリマー化を行
い、次いでイソホロンジアミン51.5g(0.6024モル)を
添加し60〜65℃で反応を行った。ポリヘキサメチレンカ
ーボネートとポリテトラメチレングリコールの割合を変
化せしめた。
実施例2 0.1デニールのポリエステル繊維を素材としたラムー
スSXタイプ不織布(旭化成工業(株)製)に製造例2で
得られたポリウレタン樹脂溶液(脂肪濃度30%)をDMF
で樹脂濃度15%になるよう希釈し、この樹脂液に含浸
し、温度20℃の水中に凝固后乾燥して人工皮革シートを
得た。次いで液流染色機(日阪製作所(株)製)にこの
シートを投入し、分散染料0.4%owf Terasil Yellow 4G
(チバガイギ(株)製)8.0% owf Terasil Red R(チ
バガイギ(株)製)1cc/L酸を添加し、130℃×60分浴
比1:30布速200m/分にて染色を行い、4g/二酸化チオ尿
素、4g/苛性ソーダ添加浴にて浴比1:30、80℃×30分
間洗滌を行い水洗乾燥を行い鮮明な赤色の人工皮革を得
た。
表3 表3に於いて: 柔軟度 45゜カンチレバー法 JIS−L−1079−66 耐皺度 モンサント法 JIS−L−1079−66 摩耗強力 マーチンデール 耐光堅牢度 カッボンアーク灯法 JIS−L−0842−71 洗滌堅牢度 ATCC−II A法 引裂強度 ペンジュラム法 JIS−L−1079−1966 剥離強度 サンプル(A)2.5cm×10cmたて、よこ各2枚づつ採
取する。
4枚1組を表裏交互に並べ、両端にセロテープを貼り
付ける。
別試料(B)(−基布シート)11cm×11cmに切り、そ
の両端にセロテープを貼り付ける。
接着剤スリーボンド1521((株)スリーボンド)を以
てセロテープ部分に接着剤を添加し下方に向け塗布する
((A)(B)共に)。
1回目の塗布后半乾きの状態で、2回目を塗布を
(A)(B)試料に施す。
(A)(B)試料の接着剤塗布面が重なる様接着させ
る。
これを紙にはさみゲージ圧1.5kg/cm2の圧着ロールで
圧着し、6時間風乾する。
接着サンプルを2cm幅に切り、テンシロンにてH.S.100
mm/分、C.S50m/分、Full Scale 5kgにてチャートよりピ
ークの平均を読み取り、g/cmに換算する。
染着量 極細繊維よりの染着量測定 アセトン/水=90%/50%、50℃1時間処理后
重量測定 ポリウレタン部の染着量測定 アセトン/水=50%/50%、20℃1時間処理后
重量測定 ポリエステル繊維を使用した不織布にポリウレタンを
含有せしめたシートは分散染料を以て染色する場合一般
的にポリエステル繊維よりもポリウレタンは見掛けの親
和性が大きく染料分配が多くなり、必要なポリエステル
側への染着量はポリウレタンより少なくなり、繊維集合
体表面にポリエステルが表れた場合白茶けた感じとな
り、次工程に於ける洗滌堅牢度の向上、ドライクリーニ
ング汚染防止の為還元洗滌を実施するがこの場合ポリウ
レタン側の脱落、還元分解し、最終的な染色物はポリウ
レタン側が変退色分解し、表−3の9比較例にて白っぽ
い斑点状のものとなる。本発明に於ける表−3の1〜9
のものはかかる事はないがポリヘキサメチレンカーボネ
ート量が少なくなる毎に分散染料の染着が稍低下傾向に
ある。従来ポリウレタン重合鎖中に第3級窒素原子を導
入する方法等が云々されているがあまりかかわりなく、
耐熱性が強く凝集性の強い、一部はポリ尿素を形成する
本製造法のポリウレタン樹脂が人工皮革に適する。物性
的にはポリヘキサメチレンカーボネートに対するポリテ
トラメチレングリコール配合比の変更、ポリテトラメチ
レングリコール分子量変更と皮革に最も重要な剥離強
度、引き裂き強力に於いて、その相関性はなく、人工皮
革として十分な物性挙動を示している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極細繊維によって構成される交絡シート状
    物に溶液状で付与し皮革様シートを作り、次いでこれを
    染色乾燥する人工皮革の製造に用いるポリウレタンにお
    いて、該ポリウレタンが有機ジイソシアネート(A)
    と、構成成分の少なくとも1部がポリヘキサメチレンカ
    ーボネートであるポリエステルジオール及びポリエーテ
    ルジオールからなる高分子ジオール(B)と、窒素原子
    を有しない低分子ジオール(C)から得られるプレポリ
    マール低分子ジアミン(D)を反応させて得られたポリ
    ウレタンであることを特徴とする人工皮革用ポリウレタ
    ン組成物。
JP22477888A 1988-09-09 1988-09-09 人工皮革用ポリウレタン組成物 Expired - Fee Related JP2782203B2 (ja)

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