JP4104752B2 - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、型押し性、すなわちエンボス性の良好な皮革様シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、不織布、織布、編布などの繊維質基材にポリウレタンエラストマーを主体とする重合体を含浸したシート、さらにその表面を起毛したシート、不織布、織布、編布などの繊維質基材にポリウレタンエラストマーを主体とする重合体からなる多孔質または非多孔質の被覆層を積層したシートは外観が天然皮革に類似し、かつ物性が天然皮革以上であることから皮革様シートとして大量に製造されている。そしてこの皮革様シートの外観をより一層天然皮革に類似させるために、その表面に天然皮革様の表面凹凸を型押しにより付与する方法が一般に採用されている。
【0003】
しかし、繊維質基材表面やその起毛面や多孔質表面を直接型押しすると、多孔質層の気泡が破壊されたり、表面が凹凸になったり、光沢ムラ、模様の戻り等を生じたりして型押しシートの表面にムラを生ずるため、天然皮革様の表面凹凸が得られない。このような事態が生じることを防ぐために、一般に繊維質基材表面やその起毛面や多孔質表面層にポリウレタンエラストマーを主体とする非多孔質層を付与し、その表面を型押しする方法が採られている。この方法を用いると、天然皮革様の表面凹凸が得られる点でかなり改善されるものの、まだ十分満足できるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、ポリウレタンエラストマー重合体で覆われている表面を加熱エンボスロールに密着させて強制的に剥離するため、エンボス表面に該重合体がくっついたり、型押しシートの表面が荒れたりして外観を悪化させていた。
本発明の目的は、表面がポリウレタンエラストマーからなる非多孔質層で覆われている繊維シートの該表面に立体的で微細なエンボスパターンが忠実に発現でき、しかも表面ポリウレタンエラストマーがエンボスロールに付着して剥がれることなく、かつ型押しシートの風合いを損ねることのない良好な型押しがなされたシート及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリカ粒子が練り込まれたポリウレタンエラストマー複合体(A)からなる非多孔質で覆われた繊維シートの表面がエンボスされている皮革様シートおよびその製造方法である。
【0006】
また、本発明は、主鎖中または側鎖にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)からなる非多孔質層で覆われた繊維シートの表面がエンボスされている皮革様シートおよびその製造方法である。
【0007】
特に、本発明の製造方法は、繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10℃以上低いポリウレタンエラストマーにシリカ粒子を練り込んだポリウレタンエラストマー複合体(A)からなる非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シートの製造方法、または繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10℃以上低い、主鎖中または側鎖にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)からなる非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シートの製造方法であり、これらの方法によりエンボス型の再現性が良好で、優れた意匠性を有する皮革様繊維シートが得られる。
【0008】
次に本発明を詳細に説明する。
まず本発明のシートを構成している繊維質基材は、一般的な繊維集合体、あるいは繊維集合体とその内部に含浸された弾性重合体とからなる。繊維集合体とは、繊維を不織布、織布、編布などの形状にしたものや、それらを重ね合わせたものや、さらにそれの表面を起毛したものなどがあげられる。特にニードルパンチ法や高圧水流法により繊維ウエブを絡合して得られる不織布が、極めて天然皮革様の風合いを有する皮革様シートが得られる点から好ましい。
【0009】
この繊維集合体に用いられる繊維としては、通常の繊維、例えば木綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生または半合成繊維、あるいはナイロン、ポリエステル、ポリアクロニトリル、ビニロン、ポリオレフィンなどの合成繊維が挙げられる。
【0010】
合成繊維の場合は、単独ポリマーからなる繊維はもちろんのこと、2種以上のポリマーを混合紡糸あるいは複合紡糸した繊維でもよい。混合紡糸した繊維や複合紡糸した繊維を用いる場合には、該繊維を構成している複数のポリマーの内から、少なくとも一つのポリマーを皮革様シートを製造する任意の段階で抽出除去する方法か、あるいは繊維を構成している各ポリマー成分に分割処理する方法を採用して、繊維を極細繊維の集束体あるいは内部に多数の中空部を有する多孔繊維にすることが好ましい。
【0011】
繊維集合体の内部には弾性繊維が含浸されていてもよいが、内部に含浸させる弾性重合体としては、一般の合成皮革や人工皮革に使用されているものであれば全て使用可能であり、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、その他の合成ゴム、あるいはこれらの混合物などがあげられる。中でもポリウレタンエラストマーを主体とする重合体が、天然皮革様の風合いが得られる点でもっとも好ましい。
これらの弾性重合体が繊維集合体に含浸される際の形状は、エマルジョンの状態であっても、あるいは溶液の状態であっても良い。含浸されている重合体の量は、繊維集合体を構成している繊維の重量に対して通常250%以下である。また天然皮革に類似した風合いを付与するためには、繊維質基材中の弾性重合体は多孔質状態である方が好ましい。
【0012】
本発明においては、ポリウレタンエラストマーを主体とする重合体からなる多孔質または非多孔質の樹脂層を繊維質基材表面に形成させることが好ましい。樹脂層としては、風合い、折り曲げシワ、物性などの点から特に多孔質層が好ましい。
【0013】
繊維質基材に含浸するポリウレタンエラストマーまたは繊維質基材上に形成させる樹脂層を構成するポリウレタンエラストマーの代表例としては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル・エーテル混合系ジオール、ポリカーボネートジオールなどの高分子ジオールと、芳香族系、脂環族系あるいは脂肪族系のポリイソシアネートと、低分子ジオール、低分子ジアミン、ヒドラジンなどの活性水素原子を2個有する鎖伸長剤とから重合したポリウレタンエラストマーがあげられる。
【0014】
中でも、ポリウレタンエラストマー全重量に対する、該ポリウレタンエラストマーの合成に用いられた<イソシアネート化合物中に含まれるイソシアネート基を構成する窒素原子の重量百分率(以下N%と称す)が、3〜7%であるようなポリウレタンエラストマーまたはこのポリウレタンエラストマーを主体とする混合物が好ましい。N%が3%未満の場合には、得られる樹脂層や基材層は耐摩耗性や耐傷性において劣ることとなり、またN%が7%を越える場合には風合いが硬くなり、耐屈曲性に劣るものとなる。
【0015】
これらのポリウレタンエラストマーと併用できる重合体としては、ポリ塩化ビニル、天然または合成ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクロニトリルなどがあげられる。また、必要に応じて、充填剤、安定剤、着色剤、凝固調節剤、帯電防止剤などが添加されていてもよい。
【0016】
本発明において、繊維質基材表面に形成させる樹脂層の厚さは10〜1000μmの範囲内が好ましい。厚みがこの範囲を超える場合には、得られる皮革様シートの風合いがゴムライクになり、また逆に10μmに達しない場合は、繊維質基材の有している凹凸や色ムラを隠蔽することができず、安っぽい外観となる。
【0017】
本発明において、繊維質基材に含浸させるポリウレタンエラストマーとして、またその表面に形成させる樹脂層に用いられるポリウレタンエラストマーとして、さらに樹脂層の表面に付与されるポリウレタンエラストマーとして、ポリマージオール成分が、ポリエチレンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール等のポリエステル系ジオール、ポリエチレンエーテルジオール、ポリテトラメチレンエーテルジオール、ポリヘキサメチレンエーテルジオールなどのポリエーテル系ジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどのポリカーボネート系ジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリーβーメチルーδーバレロラクトンジオールなどのポリラクトン系ジオールなどが使用できる。またこれらを混合物として使用しても良い。
【0018】
ポリイソシアネート成分としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどがあげられる。またこれらの混合物を使用しても良い。
【0019】
活性水素基を2個有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオールなどの低分子ジオール、エチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、イソホロンジアミンなどの有機ジアミン、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジドなどがあげられる。またこれらの混合物を使用しても良い。
【0020】
本発明において用いられるシリカ粒子としては、0.3〜30μmの平均粒子径(モード径)を有するシリカ微粒子が使用できる。0.3μmより小さい場合には、添加の効果が少なくエンボスから引き剥がす際に面荒れが生じ、30μmより大きい場合は、エンボスロールへの密着性が悪くなり、エンボス模様がシャープに入らない。なかでも平均粒径が1〜5μmのものが特に好ましい。また添加量はポリウレタンエラストマー100重量部に対し5〜50重量部、さらに好ましくは10〜30重量部の範囲である。5重量部未満の場合には、添加の効果が少なくエンボスロールから引き剥がす際に面荒れが生じ、50重量部より多い場合には、エンボスロールへの密着性が悪くなり、エンボス模様がシャープに入らない。なおここでいうシリカとは、純粋な二酸化ケイ素だけを意味するのではなく、ケイ酸塩なども含む総称である。
【0021】
本発明において用いられるジメチルシロキサン単位(下記一般式化1で示す)を導入したポリウレタンエラストマーにおいて、ポリウレタンエラストマーにジメチルシロキサンを導入する方法の好適例としては、ジメチルシロキサン単位を有したポリマージオールを原料の一部として用いる方法が挙げられる。具体的には、ジメチルシロキサン単位を有したポリマージオールと他のポリマージオールを混合して、これとジイソシアネート化合物と鎖伸長剤とを重合させることにより、ジメチルシロキサン単位を含んだポリウレタンエラストマーを得ることができる。ジメチルシロキサン単位の全ポリマージオール中に占める割合は、5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは10〜20重量%の範囲である。ジメチルシロキサン単位の量が5重量%より少ないと、変性の効果が少なくエンボスからの引き剥がす際に面荒れが生じ、30重量%より多い場合には、エンボスへの密着性が悪くなり、エンボス模様がシャープに入らない。
【0022】
【化1】
Figure 0004104752
(ただし、nは10以上100以下の整数である。)
【0023】
本発明方法において、繊維質基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、さらにその上に、シリカ粒子を練り込んだポリウレタンエラストマー(A)またはジメチルシロキサン構造単位を主鎖または側鎖に有するポリウレタンエラストマー(B)からなる非多孔質層を形成するが、この非多孔質層の厚さとしては、0.5〜50μmが好ましく、5μm未満の場合には良好なエンボス性が達成されず、また50μmを越える場合には、天然皮革様の折れシボが得られない。またこのポリウレタンエラストマー(A)および(B)は、ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10℃以上低いことが重要であり、10℃以上低いことにより、天然皮革様のエンボス凹凸模様が極めて忠実に付与できることとなる。好ましくはポリウレタンエラストマー(C)の流動開始温度より30〜100℃低い場合である。ポリウレタンの流動開始温度を低下させる方法としては種々の方法があるが、代表的な方法として前記したN%を低くする方法が挙げられる。
【0024】
本発明で使用されるポリウレタンは、使用に当たって従来のポリウレタンに使用される各種添加剤、例えば難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、可塑剤などを添加することができる。
本発明においてエンボス条件は、ロール温度140〜240℃、速度0.5〜10m/分の範囲が好ましい。特に好ましくは、ポリウレタンエラストマー(A)の流動開始温度とポリウレタンエラストマー(C)の流動開始温度との間の温度、またはポリウレタンエラストマー(B)とポリウレタンエラストマー(C)との間の温度である。布道はエンボスロールの形状に応じて、あるいは仕上がり感を考慮して任意に設定できる。さらにエンボス前で予熱を与えたり、エンボスロール剥離直後に空冷等で冷却すればより好適な条件で処理が可能となる。
【0025】
エンボス処理以降は、より高級な外観を表現するために、グラビア、揉み、撥水処理等の皮革様シートに通常行われている仕上げ処理を追加することができる。
【0026】
本発明において、流動開始温度は、動的粘弾性の測定データより求めた。具体的には、東洋ボールドウイン製レオバイブロンDDV−III−EA型を使用し、チャック間50mm、厚さ2mm、幅5mmの資料に500g/cm2をかけ、110HZの振動を与えて、ー150〜250℃の温度範囲で、3℃/minの昇温速度で3℃間隔で測定し、ヤング率[E]をもとめ、その変曲点から、流動開始温度(Tf)を求めた。
【0027】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は断りのない限り重量に関するものである。
【0028】
実施例1
ポリエチレンを50部とナイロン−6を50部とを混合し、16島のニードルパイプ型ノズルにてポリエチレンが海成分でナイロンー6が島成分になるように溶融紡糸し10デニールの極細繊維発生型海島繊維を得た。この極細繊維発生型海島繊維を延伸、カーディング、クロスラップ、ニードル、加熱プレス処理を行って、厚さ1.5mm、目付け500g/m2の不織布を得た。この不織布に、ポリエステル系ポリウレタンの15%ジメチルホルムアミド溶液を含浸し、さらに、その上に、ポリエステル系ポリウレタン(ポリテトラメチレンアジペート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびエチレングリコール(1:5:4モル比)、流動開始温度:200℃)22%、ステアリルアルコール1%、カーボンブラック5%およびジメチルホルムアミド72%からなる溶液を700g/m2の厚さで塗布し、ジメチルホルムアミドを30%含有する水溶液中で湿式凝固し、洗浄した。さらにトルエンで処理することにより極細繊維発生型海島繊維からポリエチレンを抽出除去してシート(1)を得た。
【0029】
得られたシート(1)の表面に、平均分子量2000のポリエチレンアジペートジオール、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびイソホロンジアミン(1:5:4モル比)からなるポリウレタンエラストマー10%(流動開始温度:140℃)、カーボンブラック8%、平均粒径(モード径)3μmのシリカ微粒子2%、ジメチルホルムアミド40%、メタノール14%、トルエン9%、アセトン8%およびシクロヘキサノン9%からなる溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、良く乾燥し、粗地生模様のエンボスロールを用い、エンボスロール温度190℃、速度2m/分で処理し、皮革様シート▲1▼を製造した。この皮革様シートは、表面剥離を生じることなくエンボス処理でき、エンボス模様が忠実に再現されており、非常に良好な外観であった。
【0030】
比較例1
実施例1のシート表面塗布溶液よりシリカ微粒子を抜いた以外は、実施例1と同様な処理を行い、皮革様シート▲2▼を製造した。この皮革様シートは、エンボス処理時に表面樹脂層がエンボスロールにくっ付き、シートから剥離しやすく、エンボス模様の再現性が不十分で、安っぽい外観となった。エンボスロール温度を180℃、170℃、160℃、150℃と下げたが、いずれもエンボス模様が入りにくく、実施例1で得られた皮革様シートと比べてはるかにエンボス模様の劣る物であった。
【0031】
実施例2
実施例1で得られたシート(1)の表面に、平均分子量2000のポリブチレンアジペート100部、下記化2で示される数平均分子量5100のアルコール変成シリコーンジオール15部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート83部および1,4−ブタンジオール23.5部からなるポリウレタンエラストマー(流動開始温度:125℃)10%、カーボンブラック10%、ジメチルホルムアミド40%、メタノール14%、トルエン9%、アセトン8%およびシクロヘキサノン9%からなる溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、良く乾燥し、粗地生模様のエンボスロールを用い、エンボスロール温度190℃、速度2m/分で処理し、皮革様シート▲3▼を製造した。この皮革様シートは、表面剥離を生じることなくエンボス処理でき、エンボス模様が忠実に再現されており、非常に良好な外観であった。
【0032】
【化2】
Figure 0004104752
【0033】
比較例2
実施例2のアルコール変成シリコーンジオール15部のかわりに、分子量5100のポリエチレンアジペート15部を使用する以外は同様な処理を行い、皮革様シート▲4▼を製造した。この皮革様シートは、エンボス処理時に表面樹脂層がエンボスロールにくっつきやすく、エンボス模様の再現性が不十分で、安っぽい外観となった。エンボスロール温度を180℃、170℃、160℃、150℃と下げたが、いずれもエンボス模様が入りにくく、実施例1で得られた皮革様シートと比べてはるかにエンボス模様の劣る物であった。
【0034】
【発明の効果】
本発明により得られた皮革様シートは、極めて鋭利で繊細でかつエンボスロールに忠実なエンボス模様を有し、優れた意匠性を有している。本発明のシートは高級銀付靴、衣料および雑貨などの皮革用途全般、さらには、表面凹凸模様を有する樹脂コート布帛一般に広く使用できる。

Claims (4)

  1. シリカ粒子が練り込まれたポリウレタンエラストマー複合体(A)からなる非多孔質層で覆われた繊維シートの表面がエンボスされている皮革様シート。
  2. 主鎖中または側鎖にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)からなる非多孔質層で覆われた繊維シートの表面がエンボスされている皮革様シート。
  3. 繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10℃以上低いポリウレタンエラストマーにシリカ粒子を練り込んだポリウレタンエラストマー複合体(A)からなる非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シートの製造方法。
  4. 繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10℃以上低い、主鎖中または側鎖にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)からなる非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シートの製造方法。
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