JP2000144580A - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めて鋭利で繊細でかつエンボスロールに忠実
なエンボス模様を有し、優れた意匠性を有している皮革
様シートおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】繊維シートの表面に、シリカ粒子を含有す
るポリウレタンエラストマー、または主鎖中または側鎖
にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエ
ラストマーからなる非多孔質が付与された皮革様シート
にエンボス処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型押し性、すなわちエ
ンボス性の良好な皮革様シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、不織布、織布、編布などの繊
維質基材にポリウレタンエラストマーを主体とする重合
体を含浸したシート、さらにその表面を起毛したシー
ト、不織布、織布、編布などの繊維質基材にポリウレタ
ンエラストマーを主体とする重合体からなる多孔質また
は非多孔質の被覆層を積層したシートは外観が天然皮革
に類似し、かつ物性が天然皮革以上であることから皮革
様シートとして大量に製造されている。そしてこの皮革
様シートの外観をより一層天然皮革に類似させるため
に、その表面に天然皮革様の表面凹凸を型押しにより付
与する方法が一般に採用されている。
【0003】しかし、繊維質基材表面やその起毛面や多
孔質表面を直接型押しすると、多孔質層の気泡が破壊さ
れたり、表面が凹凸になったり、光沢ムラ、模様の戻り
等を生じたりして型押しシートの表面にムラを生ずるた
め、天然皮革様の表面凹凸が得られない。このような事
態が生じることを防ぐために、一般に繊維質基材表面や
その起毛面や多孔質表面層にポリウレタンエラストマー
を主体とする非多孔質層を付与し、その表面を型押しす
る方法が採られている。この方法を用いると、天然皮革
様の表面凹凸が得られる点でかなり改善されるものの、
まだ十分満足できるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、ポリ
ウレタンエラストマー重合体で覆われている表面を加熱
エンボスロールに密着させて強制的に剥離するため、エ
ンボス表面に該重合体がくっついたり、型押しシートの
表面が荒れたりして外観を悪化させていた。本発明の目
的は、表面がポリウレタンエラストマーからなる非多孔
質層で覆われている繊維シートの該表面に立体的で微細
なエンボスパターンが忠実に発現でき、しかも表面ポリ
ウレタンエラストマーがエンボスロールに付着して剥が
れることなく、かつ型押しシートの風合いを損ねること
のない良好な型押しがなされたシート及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリカ粒子が
練り込まれたポリウレタンエラストマー複合体(A)か
らなる非多孔質で覆われた繊維シートの表面がエンボス
されている皮革様シートおよびその製造方法である。
【0006】また、本発明は、主鎖中または側鎖にジメ
チルシロキサン構造単位を有するポリウレタンエラスト
マー(B)からなる非多孔質層で覆われた繊維シートの
表面がエンボスされている皮革様シートおよびその製造
方法である。
【0007】特に、本発明の製造方法は、繊維質基材の
表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成され、
表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを製造す
る方法において、まず繊維質基材の表面にポリウレタン
エラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次に該ポ
リウレタンエラストマー(C)より流動開始温度が10
℃以上低いポリウレタンエラストマーにシリカ粒子を練
り込んだポリウレタンエラストマー複合体(A)からな
る非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理するこ
とを特徴とする皮革様シートの製造方法、または繊維質
基材の表面に複数のポリウレタンエラストマー層が形成
され、表面がエンボス型押し処理された皮革様シートを
製造する方法において、まず繊維質基材の表面にポリウ
レタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成し、次
に該ポリウレタンエラストマー(C)より流動開始温度
が10℃以上低い、主鎖中または側鎖にジメチルシロキ
サン構造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)
からなる非多孔質層を形成した後、エンボス型押し処理
することを特徴とする皮革様シートの製造方法であり、
これらの方法によりエンボス型の再現性が良好で、優れ
た意匠性を有する皮革様繊維シートが得られる。
【0008】次に本発明を詳細に説明する。まず本発明
のシートを構成している繊維質基材は、一般的な繊維集
合体、あるいは繊維集合体とその内部に含浸された弾性
重合体とからなる。繊維集合体とは、繊維を不織布、織
布、編布などの形状にしたものや、それらを重ね合わせ
たものや、さらにそれの表面を起毛したものなどがあげ
られる。特にニードルパンチ法や高圧水流法により繊維
ウエブを絡合して得られる不織布が、極めて天然皮革様
の風合いを有する皮革様シートが得られる点から好まし
い。
【0009】この繊維集合体に用いられる繊維として
は、通常の繊維、例えば木綿、麻、羊毛などの天然繊
維、レーヨン、アセテートなどの再生または半合成繊
維、あるいはナイロン、ポリエステル、ポリアクロニト
リル、ビニロン、ポリオレフィンなどの合成繊維が挙げ
られる。
【0010】合成繊維の場合は、単独ポリマーからなる
繊維はもちろんのこと、2種以上のポリマーを混合紡糸
あるいは複合紡糸した繊維でもよい。混合紡糸した繊維
や複合紡糸した繊維を用いる場合には、該繊維を構成し
ている複数のポリマーの内から、少なくとも一つのポリ
マーを皮革様シートを製造する任意の段階で抽出除去す
る方法か、あるいは繊維を構成している各ポリマー成分
に分割処理する方法を採用して、繊維を極細繊維の集束
体あるいは内部に多数の中空部を有する多孔繊維にする
ことが好ましい。
【0011】繊維集合体の内部には弾性繊維が含浸され
ていてもよいが、内部に含浸させる弾性重合体として
は、一般の合成皮革や人工皮革に使用されているもので
あれば全て使用可能であり、例えば、天然ゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、その他の合成ゴム、あるいはこれらの混合物などが
あげられる。中でもポリウレタンエラストマーを主体と
する重合体が、天然皮革様の風合いが得られる点でもっ
とも好ましい。これらの弾性重合体が繊維集合体に含浸
される際の形状は、エマルジョンの状態であっても、あ
るいは溶液の状態であっても良い。含浸されている重合
体の量は、繊維集合体を構成している繊維の重量に対し
て通常250%以下である。また天然皮革に類似した風
合いを付与するためには、繊維質基材中の弾性重合体は
多孔質状態である方が好ましい。
【0012】本発明においては、ポリウレタンエラスト
マーを主体とする重合体からなる多孔質または非多孔質
の樹脂層を繊維質基材表面に形成させることが好まし
い。樹脂層としては、風合い、折り曲げシワ、物性など
の点から特に多孔質層が好ましい。
【0013】繊維質基材に含浸するポリウレタンエラス
トマーまたは繊維質基材上に形成させる樹脂層を構成す
るポリウレタンエラストマーの代表例としては、ポリエ
ステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリエス
テル・エーテル混合系ジオール、ポリカーボネートジオ
ールなどの高分子ジオールと、芳香族系、脂環族系ある
いは脂肪族系のポリイソシアネートと、低分子ジオー
ル、低分子ジアミン、ヒドラジンなどの活性水素原子を
2個有する鎖伸長剤とから重合したポリウレタンエラス
トマーがあげられる。
【0014】中でも、ポリウレタンエラストマー全重量
に対する、該ポリウレタンエラストマーの合成に用いら
れた<イソシアネート化合物中に含まれるイソシアネー
ト基を構成する窒素原子の重量百分率(以下N%と称
す)が、3〜7%であるようなポリウレタンエラストマ
ーまたはこのポリウレタンエラストマーを主体とする混
合物が好ましい。N%が3%未満の場合には、得られる
樹脂層や基材層は耐摩耗性や耐傷性において劣ることと
なり、またN%が7%を越える場合には風合いが硬くな
り、耐屈曲性に劣るものとなる。
【0015】これらのポリウレタンエラストマーと併用
できる重合体としては、ポリ塩化ビニル、天然または合
成ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクロニトリルなどがあ
げられる。また、必要に応じて、充填剤、安定剤、着色
剤、凝固調節剤、帯電防止剤などが添加されていてもよ
い。
【0016】本発明において、繊維質基材表面に形成さ
せる樹脂層の厚さは10〜1000μmの範囲内が好ま
しい。厚みがこの範囲を超える場合には、得られる皮革
様シートの風合いがゴムライクになり、また逆に10μ
mに達しない場合は、繊維質基材の有している凹凸や色
ムラを隠蔽することができず、安っぽい外観となる。
【0017】本発明において、繊維質基材に含浸させる
ポリウレタンエラストマーとして、またその表面に形成
させる樹脂層に用いられるポリウレタンエラストマーと
して、さらに樹脂層の表面に付与されるポリウレタンエ
ラストマーとして、ポリマージオール成分が、ポリエチ
レンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジ
オール、ポリブチレンアジペートジオール等のポリエス
テル系ジオール、ポリエチレンエーテルジオール、ポリ
テトラメチレンエーテルジオール、ポリヘキサメチレン
エーテルジオールなどのポリエーテル系ジオール、ポリ
テトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチ
レンカーボネートジオールなどのポリカーボネート系ジ
オール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリーβ
ーメチルーδーバレロラクトンジオールなどのポリラク
トン系ジオールなどが使用できる。またこれらを混合物
として使用しても良い。
【0018】ポリイソシアネート成分としては、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが
あげられる。またこれらの混合物を使用しても良い。
【0019】活性水素基を2個有する鎖伸長剤として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタ
ンジオールなどの低分子ジオール、エチレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、イソホロンジアミンなどの有
機ジアミン、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジ
ヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジドなどがあげられ
る。またこれらの混合物を使用しても良い。
【0020】本発明において用いられるシリカ粒子とし
ては、0.3〜30μmの平均粒子径(モード径)を有
するシリカ微粒子が使用できる。0.3μmより小さい
場合には、添加の効果が少なくエンボスから引き剥がす
際に面荒れが生じ、30μmより大きい場合は、エンボ
スロールへの密着性が悪くなり、エンボス模様がシャー
プに入らない。なかでも平均粒径が1〜5μmのものが
特に好ましい。また添加量はポリウレタンエラストマー
100重量部に対し5〜50重量部、さらに好ましくは
10〜30重量部の範囲である。5重量部未満の場合に
は、添加の効果が少なくエンボスロールから引き剥がす
際に面荒れが生じ、50重量部より多い場合には、エン
ボスロールへの密着性が悪くなり、エンボス模様がシャ
ープに入らない。なおここでいうシリカとは、純粋な二
酸化ケイ素だけを意味するのではなく、ケイ酸塩なども
含む総称である。
【0021】本発明において用いられるジメチルシロキ
サン単位(下記一般式化1で示す)を導入したポリウレ
タンエラストマーにおいて、ポリウレタンエラストマー
にジメチルシロキサンを導入する方法の好適例として
は、ジメチルシロキサン単位を有したポリマージオール
を原料の一部として用いる方法が挙げられる。具体的に
は、ジメチルシロキサン単位を有したポリマージオール
と他のポリマージオールを混合して、これとジイソシア
ネート化合物と鎖伸長剤とを重合させることにより、ジ
メチルシロキサン単位を含んだポリウレタンエラストマ
ーを得ることができる。ジメチルシロキサン単位の全ポ
リマージオール中に占める割合は、5〜30重量%の範
囲にあることが好ましい。より好ましくは10〜20重
量%の範囲である。ジメチルシロキサン単位の量が5重
量%より少ないと、変性の効果が少なくエンボスからの
引き剥がす際に面荒れが生じ、30重量%より多い場合
には、エンボスへの密着性が悪くなり、エンボス模様が
シャープに入らない。
【0022】
【化1】 (ただし、nは10以上100以下の整数である。)
【0023】本発明方法において、繊維質基材の表面に
ポリウレタンエラストマー(C)からなる樹脂層を形成
し、さらにその上に、シリカ粒子を練り込んだポリウレ
タンエラストマー(A)またはジメチルシロキサン構造
単位を主鎖または側鎖に有するポリウレタンエラストマ
ー(B)からなる非多孔質層を形成するが、この非多孔
質層の厚さとしては、0.5〜50μmが好ましく、5
μm未満の場合には良好なエンボス性が達成されず、ま
た50μmを越える場合には、天然皮革様の折れシボが
得られない。またこのポリウレタンエラストマー(A)
および(B)は、ポリウレタンエラストマー(C)より
流動開始温度が10℃以上低いことが重要であり、10
℃以上低いことにより、天然皮革様のエンボス凹凸模様
が極めて忠実に付与できることとなる。好ましくはポリ
ウレタンエラストマー(C)の流動開始温度より30〜
100℃低い場合である。ポリウレタンの流動開始温度
を低下させる方法としては種々の方法があるが、代表的
な方法として前記したN%を低くする方法が挙げられ
る。
【0024】本発明で使用されるポリウレタンは、使用
に当たって従来のポリウレタンに使用される各種添加
剤、例えば難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料、可塑剤などを添加することができる。本発明にお
いてエンボス条件は、ロール温度140〜240℃、速
度0.5〜10m/分の範囲が好ましい。特に好ましく
は、ポリウレタンエラストマー(A)の流動開始温度とポ
リウレタンエラストマー(C)の流動開始温度との間の温
度、またはポリウレタンエラストマー(B)とポリウレタ
ンエラストマー(C)との間の温度である。布道はエンボ
スロールの形状に応じて、あるいは仕上がり感を考慮し
て任意に設定できる。さらにエンボス前で予熱を与えた
り、エンボスロール剥離直後に空冷等で冷却すればより
好適な条件で処理が可能となる。
【0025】エンボス処理以降は、より高級な外観を表
現するために、グラビア、揉み、撥水処理等の皮革様シ
ートに通常行われている仕上げ処理を追加することがで
きる。
【0026】本発明において、流動開始温度は、動的粘
弾性の測定データより求めた。具体的には、東洋ボール
ドウイン製レオバイブロンDDV−III−EA型を使用
し、チャック間50mm、厚さ2mm、幅5mmの資料に50
0g/cm2をかけ、110HZの振動を与えて、ー150〜
250℃の温度範囲で、3℃/minの昇温速度で3℃間隔
で測定し、ヤング率[E]をもとめ、その変曲点から、
流動開始温度(Tf)を求めた。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部および%は断りのない限り重量
に関するものである。
【0028】実施例1 ポリエチレンを50部とナイロン−6を50部とを混合
し、16島のニードルパイプ型ノズルにてポリエチレン
が海成分でナイロンー6が島成分になるように溶融紡糸
し10デニールの極細繊維発生型海島繊維を得た。この
極細繊維発生型海島繊維を延伸、カーディング、クロス
ラップ、ニードル、加熱プレス処理を行って、厚さ1.
5mm、目付け500g/m2の不織布を得た。この不織
布に、ポリエステル系ポリウレタンの15%ジメチルホ
ルムアミド溶液を含浸し、さらに、その上に、ポリエス
テル系ポリウレタン(ポリテトラメチレンアジペート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびエ
チレングリコール(1:5:4モル比)、流動開始温
度:200℃)22%、ステアリルアルコール1%、カ
ーボンブラック5%およびジメチルホルムアミド72%
からなる溶液を700g/m2の厚さで塗布し、ジメチ
ルホルムアミドを30%含有する水溶液中で湿式凝固
し、洗浄した。さらにトルエンで処理することにより極
細繊維発生型海島繊維からポリエチレンを抽出除去して
シート(1)を得た。
【0029】得られたシート(1)の表面に、平均分子
量2000のポリエチレンアジペートジオール、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび
イソホロンジアミン(1:5:4モル比)からなるポリ
ウレタンエラストマー10%(流動開始温度:140
℃)、カーボンブラック8%、平均粒径(モード径)3
μmのシリカ微粒子2%、ジメチルホルムアミド40
%、メタノール14%、トルエン9%、アセトン8%お
よびシクロヘキサノン9%からなる溶液を、乾燥後の厚
さが5μmとなるように塗布し、良く乾燥し、粗地生模
様のエンボスロールを用い、エンボスロール温度190
℃、速度2m/分で処理し、皮革様シートを製造し
た。この皮革様シートは、表面剥離を生じることなくエ
ンボス処理でき、エンボス模様が忠実に再現されてお
り、非常に良好な外観であった。
【0030】比較例1 実施例1のシート表面塗布溶液よりシリカ微粒子を抜い
た以外は、実施例1と同様な処理を行い、皮革様シート
を製造した。この皮革様シートは、エンボス処理時に
表面樹脂層がエンボスロールにくっ付き、シートから剥
離しやすく、エンボス模様の再現性が不十分で、安っぽ
い外観となった。エンボスロール温度を180℃、17
0℃、160℃、150℃と下げたが、いずれもエンボ
ス模様が入りにくく、実施例1で得られた皮革様シート
と比べてはるかにエンボス模様の劣る物であった。
【0031】実施例2 実施例1で得られたシート(1)の表面に、平均分子量
2000のポリブチレンアジペート100部、下記化2
で示される数平均分子量5100のアルコール変成シリ
コーンジオール15部、4,4’−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート83部および1,4−ブタンジオ
ール23.5部からなるポリウレタンエラストマー(流
動開始温度:125℃)10%、カーボンブラック10
%、ジメチルホルムアミド40%、メタノール14%、
トルエン9%、アセトン8%およびシクロヘキサノン9
%からなる溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように
塗布し、良く乾燥し、粗地生模様のエンボスロールを用
い、エンボスロール温度190℃、速度2m/分で処理
し、皮革様シートを製造した。この皮革様シートは、
表面剥離を生じることなくエンボス処理でき、エンボス
模様が忠実に再現されており、非常に良好な外観であっ
た。
【0032】
【化2】
【0033】比較例2 実施例2のアルコール変成シリコーンジオール15部の
かわりに、分子量5100のポリエチレンアジペート1
5部を使用する以外は同様な処理を行い、皮革様シート
を製造した。この皮革様シートは、エンボス処理時に
表面樹脂層がエンボスロールにくっつきやすく、エンボ
ス模様の再現性が不十分で、安っぽい外観となった。エ
ンボスロール温度を180℃、170℃、160℃、1
50℃と下げたが、いずれもエンボス模様が入りにく
く、実施例1で得られた皮革様シートと比べてはるかに
エンボス模様の劣る物であった。
【0034】
【発明の効果】本発明により得られた皮革様シートは、
極めて鋭利で繊細でかつエンボスロールに忠実なエンボ
ス模様を有し、優れた意匠性を有している。本発明のシ
ートは高級銀付靴、衣料および雑貨などの皮革用途全
般、さらには、表面凹凸模様を有する樹脂コート布帛一
般に広く使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 75:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA12 BA16 CA03 FA15 FA17 FA40 HA06 4F209 AA31 AB17 AD16 AF01 AG03 AG26 PA02 PB01 PC05 PG05 4J002 CK021 CK041 CP172 DJ016

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ粒子が練り込まれたポリウレタンエ
    ラストマー複合体(A)からなる非多孔質層で覆われた
    繊維シートの表面がエンボスされている皮革様シート。
  2. 【請求項2】主鎖中または側鎖にジメチルシロキサン構
    造単位を有するポリウレタンエラストマー(B)からな
    る非多孔質層で覆われた繊維シートの表面がエンボスさ
    れている皮革様シート。
  3. 【請求項3】繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエ
    ラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理さ
    れた皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質
    基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる
    樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー
    (C)より流動開始温度が10℃以上低いポリウレタン
    エラストマーにシリカ粒子を練り込んだポリウレタンエ
    ラストマー複合体(A)からなる非多孔質層を形成した
    後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】繊維質基材の表面に複数のポリウレタンエ
    ラストマー層が形成され、表面がエンボス型押し処理さ
    れた皮革様シートを製造する方法において、まず繊維質
    基材の表面にポリウレタンエラストマー(C)からなる
    樹脂層を形成し、次に該ポリウレタンエラストマー
    (C)より流動開始温度が10℃以上低い、主鎖中また
    は側鎖にジメチルシロキサン構造単位を有するポリウレ
    タンエラストマー(B)からなる非多孔質層を形成した
    後、エンボス型押し処理することを特徴とする皮革様シ
    ートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092240A1 (en) * 2003-04-16 2004-10-28 Gentrol Water-based polyurethane composites and synthetic leathers of novel structure
WO2012003714A1 (zh) * 2010-07-09 2012-01-12 上海可艾可时装有限公司 纳米合成皮革及纳米pu仿皮革

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